Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月30日 

http://www.medwatch.jp/?p=11840
2016年度改定の経過措置終了後、7対1や療養病棟2が減少し、地域包括ケア病棟などが増加―全日病
2016年12月30日|医療現場をウォッチ MedWatch

 2016年度改定前(2016年3月)から経過措置修了後(2016年10月)にかけて、7対1の病棟・病床数は減少する一方で、地域包括ケア病棟・病床数は増加している。また療養病棟2(25対1)が大幅に減少する一方で、医療区分2・3の患者割合などを満たさない療養病棟2の新設が大きい―。

 全日本病院協会は先頃、こういった調査結果を発表しました。

ここがポイント!
1 重症患者割合の経過措置終了などにより、7対1は減少
2 療養病棟2が大幅減、減少分の8割は「95%減算」の経過措置病棟が占める

重症患者割合の経過措置終了などにより、7対1は減少

 この調査は、全日病が会員病院を対象に行ったもので、有効回答病院は963件となっています。

 まず入院料の届け出状況が2016年度改定前(2016年3月)から経過措置終了後(2016年10月)にかけてどのようになったのかを見てみると、次のような点が目立ちます。

(1)一般病棟7対1:1075病棟(4万7308床)→1001病棟(4万6433床)【マイナス24病棟(マイナス875床)】
(2)一般病棟10対1:499病棟(2万1709床)→501病棟(2万1763床)【プラス2病棟(プラス54床)】
(3)地域包括ケア病棟入院料:132病棟(5280床)→161病棟(6537床)【プラス29病棟(プラス1257床)】
(4)回復期リハビリ:332病棟(1万4948床)→338病棟(1万5201床)【プラス6病棟(プラス253床)】
(5)障害者施設等:127病棟(5859床)→123病棟(5649床)【マイナス4病棟(マイナス210床)】
(6)療養病棟1:519病棟(2万3881床)→517病棟(2万3771床)【マイナス2病棟(マイナス110床)】
(7)療養病棟2:193病棟(8826床)→130病棟(5796床)【マイナス63病棟(マイナス3030床)】
(8)療養病棟2(95%減算):52病棟(2518床)【新設】


 (1)の一般病棟7対1については、2016年10月以降、新たな重症度、医療・看護必要度項目(A・B綱目の見直しやC綱目の新設)に基づいて重症患者の割合を25%以上に保つ必要があります(2016年4-9月は経過措置があり、重症患者割合は不問)(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。この施設基準厳格化によって7対1の病棟・病床数が減少していると考えられますが、今般の結果では病棟数ベースで2.2%、病床数ベースで1.8%の減少にとどまっています。

 7対1からの転換先を見てみると、▼10対1へが22病棟・881床▼病棟群単位へが2病棟・95床▼地域包括ケア病棟へが14病棟・544床▼回復期リハへが1病棟・46床▼それ以外へが5病棟・33床―となっています。

 全日病では「重症度、医療・看護必要度」の状況についても調べており、「68.5%は問題なく満たせているが、30.2%では対策を講じている」ことが分かりました。講じた対策としては▼病棟群単位▼救急患者受け入れ体制の強化(救急搬送患者は2日間A項目2点となるため)▼責任者のチェック徹底▼研修会の実施―などのほか、「7対1の減床」という病院もあります。なお、「重症度、医療・看護必要度」についてはデータ精度に問題を抱える病院が少なくありません。現在、「問題なく25%をクリアしている」と考える病院でも、データクリーニングを行うと25%を満たしていない可能性もあります。グローバルヘルスコンサルティング・ジャパン(GHC)では、症例単位でデータ精度を向上するだけでなく、「重症度、医療・看護必要度のベンチマーク分析」も可能としたシステム『看護必要度分析』を開発しています。是非、ご活用ください(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 なお、ICUやHCUから7対1へ移行した病床数も一部(22床)あります。これが「ICUなどの施設基準を満たせない」がための移行なのか、「7対1の施設基準を満たす」ための移行なのか、今後の分析が待たれます。仮に後者であれば、「病院・病棟の適切な機能分化」という面からやや問題がありそうです。


 また(3)の地域包括ケア病棟の増加からは「機能分化」が進んでいる状況が伺えます。一方、(4)の回復期リハ病棟は微増(病棟数ベースで1.8%増、病床数ベースで1.7%増)にとどまっていますが、この背景として「リハ専門職(PT、OT、ST)の確保が難しくなっている」ことや「アウトカム評価への懸念」などが考えられ(関連記事はこちらとこちら)、今後の分析が待たれます。 

療養病棟2が大幅減、減少分の8割は「95%減算」の経過措置病棟が占める

 2016年度診療報酬改定では、療養病棟2(25対1)においても施設基準に「医療区分2・3の患者受入割合50%以上」が盛り込まれました。一方、療養病棟1(20対1)では従前から「医療区分2・3の患者受入割合80%以上」が設定されており、多くの療養病棟で「医療区分2・3の患者の奪い合い」が生じている可能性があります。このため、療養病棟2において、医療区分2・3の患者を獲得することが難しくなっており、いずれの療養病棟区分においても((6)と(7))届出病棟数が減少しているのではないかと考えられます。特に療養病棟2の大幅減が注目されます。

 また、2016年度改定では「酸素療法」「頻回の血糖検査」「うつ状態に対する治療」(いずれも医療区分に関係する項目)について、事実上の「厳格化」が行われており、この点も影響している可能性があります。

 なお療養病棟2については、医療区分2・3の患者割合50%以上を満たせない場合、あるいは看護配置25対1のみを満たせない場合には、「2018年3月31日まで所定点数の95%を算定可能とする」との経過措置が設けられました。前述のように「医療区分2・3の患者」獲得や看護師の確保が難しく、この経過措置を設けなければ「特別入院基本料」として1日当たり584点を算定せざるを得なくなるためです(経営は極めて困難になる)。

 今般の調査では(8)のように、療養病棟2減少分の8割超を経過措置病棟が占めていることが分かりました。もちろん療養病棟2から機能強化をして療養病棟1に移行したケース、療養病棟1から経過措置に陥ってしまったケースも考えられ、今後、詳細な分析を行う必要があるでしょう。

 ところで医療区分1は「医療区分2・3以外」と定義され、末期がん患者なども医療区分1に含まれるなど、医療現場からは「医療区分1の患者でも医療の必要性の高い患者は少なくない」との指摘があります。全日病も含めた13の病院団体で構成される日本病院団体協議会は、2018年度改定に向け「医療区分とADL区分の見直しに向けた検討を行うよう要望していく」考えを示しており、今後の中央社会保険医療協議会の議論に注目が集まります。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1230506121/
147病院でアスベスト飛散・吸引の恐れ〔CBnews〕
厚労省、保温材使用の調査結果公表

CBnews | 2016.12.30 17:00 Medical Tribune

 厚生労働省は、病院の建材に保温材(断熱材などを含む)として使われているアスベストの調査結果を公表した。調査によると、職員らが飛散したアスベストを吸い込む可能性のある病院は147施設あることが分かった。アスベストを吸引した場合、がんの一種の中皮腫を発症する恐れがあるため、厚労省は都道府県に対し、適切な措置を取らない病院に修繕命令を出すよう要請した。

 アスベストなどが原因で発症する中皮腫の死者数は、ここ数年増加傾向となっており、2015年には年間の死者数が初めて1500人を超えた。労働者としてアスベストにさらされる業務に従事したことが原因で、中皮腫などのアスベスト関連疾患を発症したと認められた場合、厚労省は「労災補償を受けることができる」としている。

 調査は、アスベストが使われている可能性のある全国の7458施設を対象に実施。865施設がアスベストを含んだ保温材を使った場所があると回答した。飛散防止の措置を実施済みの病院が238施設あった一方、壁などが壊れたり、劣化したりしてアスベストが飛散する恐れのある病院が147施設あった。

 厚労省は、アスベストが使われている国立ハンセン病療養所や国立病院機構などの46施設については、日常的に利用する場所の損傷・劣化によって患者や職員らがアスベストを吸い込む恐れがあると指摘している。

 こうした場所について、厚労省は、飛散防止の措置を実施するまでは立ち入り禁止にすることや、立ち入る際は防じんマスクを着用することを要望。また、適切な措置を取らない病院に対しては、都道府県知事が医療法24条に基づき、開設者に施設の修繕を命じる必要があるとしている。

壁のアスベスト露出対策、16病院が未実施

 厚労省は、08年に実施した病院の壁などに吹き付けられたアスベストの実態調査の追跡調査の結果も公表した。アスベストが飛散する恐れのある病院が調査時点で109施設あったが、8割超の施設が飛散防止に取り組んだり、建物を解体したりして飛散の恐れがなくなった。しかし、16施設が対策を行っていないため、厚労省は都道府県に対し、指導を徹底するよう求めている。

(2016年12月28日 新井哉・CBnews)



http://mainichi.jp/articles/20161231/ddm/041/040/059000c
精神指定医不正
90人以上、医業停止へ 厚労省処分 1~2カ月

毎日新聞2016年12月31日 東京朝刊

 厚生労働省は、精神保健指定医の資格の不正取得について、2016年に資格取り消しとなった医師89人に行政処分を科すことを決めた。大半は診療行為を禁じる「医業停止」となる可能性が高い。取り消し前に資格を返上した医師6人も対象となる見通しで、90人以上の精神科医が医療行為をできなくなれば、地域医療に影響が出る恐れもある。

 厚労省は対象者の弁明を聞く手続きを始めており、来年3月にも医師の処分を決める医道審議会に諮る。医業停止期間は1~2カ月になる見通しだ。

 資格の不正取得は15年に聖マリアンナ医科大病院(川崎市)で発覚。他の医師が診察してまとめた症例リポートを使い回して審査を受けていた医師と、それを見逃した指導医計23人が取り消された。その後、厚労省が全国調査を実施し、指定医49人、指導医40人の不正が発覚。16年10月に資格取り消し処分を決めた。

 聖マリアンナ医大のケースでは指定医が医業停止1カ月、指導医は同2カ月の行政処分を受けた。今回もこれに準じた処分になるとみられるが、これだけの規模の精神科医が一斉に医業停止になった例はない。特に、指定医は一定の経験のある中堅以上が多く、病院の精神科トップや開業医もいるため地域医療への影響が心配される。このため、厚労省は関係する自治体に対応を検討するよう求めるとみられる。

 精神保健指定医は、自傷他害の恐れがある精神障害者を措置入院させるかどうかなどを判断する権限を持ち、診療報酬上の優遇もある。厚労省の資格取り消し判断を巡っては、一部医師が判断取り消しを求める訴訟を起こしている。【熊谷豪】



http://www.qlifepro.com/ishin/2016/12/30/accessrank-2016/
医心アクセスランキング2016 -アクセス数から見る医療界の課題-
2016年12月30日 QLife Pro / 医心

2016年も残り僅かとなりました。本年も医心のコラムニストの方々の提言を数多く掲載させていただきましたが、最後にアクセスランキングを公開致します。皆様が今年を振り返る一助としてお役立ていただければと思います。まずは6位-10位です。


6位  「産後うつ対策が、ガイドラインへ」
7位  「世界に冠たる日本の周産期医療が、なぜ縮小?」
8位  「産後うつと自殺」
9位  「妊娠とお薬」
10位 「卒業式」

6位から10位は、寄しくも周産期医療や子どもの疾患に関する記事が入りました。10位の「卒業式」では小児における移植医療の現状。9位の「妊娠とお薬」では、妊婦に対する薬物療法へのリテラシー、8位と6位は産後うつ、7位は産科施設数の減少についての提言でした。いずれも妊産婦と子どもの医療に関するお話でした。


1位  「28年度診療報酬改定:かかりつけ薬剤師指導料導入のインパクト」
2位  「28年度診療報酬改定:メッセージを読み解く」
3位  「平成28年熊本地震:医療関係者に活用して欲しい情報源」
4位  「28年度診療報酬改定:ポリファーマシー問題に思う」
5位  「28年度診療報酬改定:病院・医院と薬局とを隔てるもの」


なんと、3位の熊本地震に関する編集部の記事以外は、すべて診療報酬改定に関するものとなりました。今年度の報酬改定はかかりつけ薬剤師に対する評価、ポリファーマシー対策に対する評価、リハビリテーションに対する評価など、2025年問題に向けての大きな改革の端緒と言われています。その改革の流れを、診療報酬改定の内容で推し量ろうとしたこれらの記事にアクセスが集まったのは、ある意味当然かも知れません。

いかがでしたでしょうか。実は医心で年末にランキングを発表することは初めてのことでした。編集部としても、コラムニストの皆様に有意義な提言をしていただくためには大変勉強になりました。来年も、より存在感のある提言を発信するコラムサイトであるよう努力致しますので、引き続きご愛読のほど宜しくお願い申し上げます。

では、皆様よいお年をお迎えください。



G3註: 今年も1年間、ありがとうございました。いい年をお迎え下さい。



  1. 2016/12/31(土) 09:10:27|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<Google Newsでみる医師不足 2016年12月31日 | ホーム | 12月29日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する