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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月27日 

http://www.kanaloco.jp/article/221385/
小児救急一時解除へ 医師不足で体制影響 昭和大北部病院
2016/12/27 02:00 更新:2016/12/27 12:22 神奈川新聞/カナロコ

 横浜市は26日、昭和大学横浜市北部病院(同市都筑区)について、小児救急拠点病院の指定を来年1月から一時的に解除すると発表した。小児科医らの不足で夜間の救急受け入れ体制に影響が出ているため。同病院は医師を確保した上で来年4月の再指定を目指す。

 市によると、同病院では今夏以降、退職や留学で医師が3人不足。12月現在で15人となり、午前0時から8時までの深夜帯に常時3人だった救急体制が組めなくなった。9月からは2人体制で小児救急患者を重症か再診に限り受け入れている。

 市内には小児救急拠点病院が同病院以外に6カ所ある。市は「9月以降は北部地域の他病院に患者を搬送しており、影響は出ていない」と説明。同病院は「病院の開設以来、指定拠点病院として患者を受け入れてきた中、大変申し訳ない。一日も早く体制を整備できるよう努力したい」としている。



http://mainichi.jp/articles/20161228/k00/00m/020/057000c
診療報酬改定も議論へ 医師会は猛反発
毎日新聞2016年12月27日 19時29分(最終更新 12月27日 19時29分)

 政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は、医療の公定価格である診療報酬の改定について今後議論する。診療費などの在り方を見直し、国民負担の軽減を進める意向だ。だが、薬価制度改革に続き医療にさらなる「メス」を入れる動きに、日本医師会などは反発を強めている。

 「院内、院外処方や技術料の在り方についてもしっかり議論したい」。27日公開された諮問会議(21日開催分)の議事要旨によると、民間議員の高橋進氏(日本総合研究所理事長)が診療報酬を今後、議題とするよう提言。石原伸晃経済再生担当相は会議終了後、「検討する」と前向きな意向を示した。

 高齢化の進展で、高騰を続ける医療費の抑制は大きな課題となっている。医薬品の公定価格を決める薬価改定については、官邸の主導で2年に1回の改定を毎年改定に見直すことが決定。政府内では、診療報酬についても人工透析の医療費が年間2兆円に上るなど「高額すぎる」(首相周辺)と問題視する声が出ている。諮問会議では、費用対効果を考慮するなどして各種医療行為の診療報酬の見直しを議論する意向だ。

 一方、日本医師会は、諮問会議が診療報酬の見直しに踏み込んだことに反発している。医師会の横倉義武会長は、高橋氏の提言を「大それた発言」としたうえで、「医療に対する経済の論理を強めてはいけない」などと猛反発するコメントを出した。診療報酬や薬価の改定などはこれまで、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で議論しており、医師会側は、官邸主導で「医療改革」が急速に進むことに警戒感を強めている。

 ただ、中医協は医師会や製薬業界など関係者が中心で、「業界に甘い」などとの批判も多い。2018年度には診療報酬の改定が予定されており、諮問会議の今後の議論が注目される。【小倉祥徳】



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1227506092/
名大病院で肺がん見逃し女性死亡、1年で3例目...患者情報共有怠る
yomiDr. | 2016.12.27 13:05〔読売新聞〕

 名古屋大学医学部付属病院(名古屋市)は26日、肺がんの疑いがあると指摘された患者の陽電子放射断層撮影(PET)の画像診断報告書を主治医が確認しなかったために治療が約3年遅れ、患者が死亡する医療ミスがあったと発表した。

 名大病院で肺がんを見逃された患者が死亡する医療ミスの公表は昨年12月以降、3例目。同病院は既に遺族に謝罪しており、損害賠償に応じる方針。

 発表によると、死亡したのは名古屋市の80歳代の女性患者。同病院で耳のがんと診断され、2011年2月、転移を調べるため全身のPET検査を受けた。その際、放射線科の医師が「肺の2か所に影がある」などと肺がん併発の可能性を指摘する画像診断報告書を作成。しかし耳鼻科の主治医はこれを見逃して患者に説明しなかった。

 患者は同4月に耳の手術を受け、14年春になって転移がないか検査を受けたところ、末期の肺がんと判明。15年4月に死亡した。

 主治医はベテランで、外部の専門家を交えた同病院の調査委員会に対し「報告書の全てに目を通したか記憶にない」と説明。見逃した理由はわからなかったが、患者情報共有のため手術直前に開かれた耳鼻いんこう科の他の医師らとの会議に欠席していたことが判明した。調査委は「適切な時期に手術が施されていれば長期生存が望めた可能性があった」と結論付けた。

 同病院では9月、放射線科のコンピューター断層撮影法(CT)の検査で肺がんの疑いがあると判明した男性患者への治療や説明を怠るミスがあったと公表。昨年12月にも同科の医師らがCT検査で約3年にわたって男性患者の肺がんを見逃すミスがあったと公表した。いずれの患者も肺がんで亡くなり、同病院は医療情報の共有が不十分だったなどと認めていた。

 26日記者会見した同病院の石黒直樹院長は「重大なミスを繰り返し、慚愧に堪えない。職員一同で更なる医療安全に努める」と謝罪。再発防止策として、突発的な人為ミスに対応する電子システムの導入を検討しているほか、院内全体で患者情報のチェック体制強化に乗り出しているという。

(2016年12月27日 読売新聞)



http://www.qlifepro.com/news/20161227/doctors-doesnt-prescribe-recommended-drug-on-gl-for-lsd.html
生活習慣病、GLが推奨する薬剤を処方しない医師多く-日本認知症学会学術集会で発表
2016年12月27日 AM11:00 QLife Pro 

認知症・寝たきり予防プログラム「栗原プロジェクト」の調査結果から

近年、患者数の増加が指摘されている認知症。その発症には脳血管疾患なども含めた生活習慣病がベースにあることが従来から指摘されている。東北大学が宮城県栗原市の地域住民を対象に行った認知症・寝たきり予防プログラム(栗原プロジェクト)での調査から、高血圧や糖尿病患者では関連学会などが策定した診療ガイドラインの推奨薬剤の処方率が低いことが明らかになった。同大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター高齢者高次脳医学寄附研究部門の今川篤子氏らが第35回日本認知症学会学術集会で発表した。


栗原プロジェクトは宮城県栗原市在住の75歳以上の後期高齢者592例を対象に、2008~2010年に高血圧・糖尿病・冠動脈疾患・認知症の有病率や治療状況などについて調査を実施。今回の今川氏らの研究ではこれら対象住民全員のお薬手帳を調査し、この当時用いられていた「高血圧治療ガイドライン2004/2009」(日本高血圧学会編)、「糖尿病治療ガイド(2008-2009)」(日本糖尿病学会編)と照合した。

対象住民の中で糖尿病や耐糖能異常者は126例、高血圧症や調査時に高血圧と診断されたのは504例。このうち糖尿病の124例と高血圧の440例は既にそれぞれの疾患と診断を受けていた。対象住民における有病率は、糖代謝異常が21%、高血圧症が74%だった。

副作用への懸念が、推奨薬剤の遵守を難しくしている可能性

糖尿病の診断確定例124例中、101例が高血圧を合併し、さらにこのうち33例が冠動脈疾患を有していた。糖尿病で高血圧はないものの冠動脈疾患を合併している例も6例いた。糖尿病治療ガイドでは心血管合併症を有する糖尿病での推奨薬剤はインスリン抵抗性を改善するチアゾリジン系やビグアナイト系の薬剤だが、調査対象でこれらが投与されていた遵守率は約12%にすぎなかった。また、高血圧症380例のうち耐糖能以上がなく、慢性腎臓病(CKD)もない220例では、ガイドライン推奨薬剤の処方割合が8割を超えていた。しかし、高血圧症で耐糖能異常がなくCKDがある67例、高血圧症と糖尿病・耐糖能異常がありCKDはない67例、3疾患いずれも合併している26例ではいずれも当時のガイドライン推奨薬剤であるアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)、直接的レニン阻害薬(DRI)の処方割合は非推奨薬剤の処方割合よりも低く、3疾患合併例での推奨薬剤遵守率に至ってはわずか12%であった。

また、この高血圧症380例を、同じく糖尿病・耐糖能異常と冠動脈疾患の合併の有無で分類したところ、耐糖能異常がない症例では冠動脈疾患の合併の有無にかかわらず推奨薬剤の遵守率が高く、糖尿病・耐糖能異常があり、冠動脈疾患を合併していない例でも遵守率は高かった。その一方で高血圧症、糖尿病・耐糖能異常、冠動脈疾患を全て合併する例では、推奨薬剤としてARB、ACE、DRIに加えカルシウム拮抗薬も挙げられており幅広いにもかかわらず、推奨薬剤の遵守率は半分以下の約47%だった。

特に複数の疾患を合併している複雑な症例ほど推奨薬剤遵守率が低く、今川氏らは「推奨薬剤についての認識不足の可能性がある」と分析。同時に(1)虚血性心疾患合併の糖尿病例の場合に、糖尿病で推奨されている薬剤が心不全例には慎重投与であること、(2)虚血性心疾患合併糖尿病で降圧薬処方が必要なケースでは、腎機能低下の恐れや、心疾患で処方されている冠拡張薬の影響で目標血圧に達している可能性があること、(3)腎障害合併高血圧症の場合は推奨されているレニン系薬剤が腎機能悪化や高カリウム血症の副作用に注意が必要であることなどの理由から、推奨薬剤の処方が回避された可能性があることも指摘した。(村上和巳)



http://www.sankei.com/west/news/161227/wst1612270065-n1.html
国の「精神保健指定医」取り消し処分は不当と提訴 精神科医の男性
2016.12.27 14:01 産経ニュース

 厚生労働省が10月、全国の精神保健指定医89人の資格を一斉に取り消したことをめぐり、対象となった精神科医の男性が「一方的な基準による行政処分で不当だ」として、国に処分取り消しを求める訴訟を大阪地裁(山田明裁判長)に起こしたことが27日、分かった。男性は医療法人の理事長も務めており、「地域の精神医療に多大な影響が出ている」と主張。判決までの資格取り消し処分の執行停止もあわせて申し立て、山田裁判長は認める決定をした。26日付。

「処分基準は事後的にもうけられ、不合理」

 訴状によると、男性は平成18年6月に指定医資格を取得。京都府立医科大付属病院に勤めていた今年10月26日、監督下にあった医師が診断や治療に十分に関与していない患者のケースリポートを不正に提出し、男性も指導医の立場でそのリポートに署名したとして資格を取り消された。

 男性側は厚労省の判断に対し「監督していた医師が患者の症例検討会に参加するなど診察や治療方針の決定に十分に関わっていたことは明らかだ」と反論。

 さらに、厚労省が処分決定後のプレスリリースで処分の考え方として「(患者の)診療録の記載が全くない」「診療録の記載が週1回未満である」という2点を挙げたことについて、「これまで具体的な基準を公表しておらず、事後的に設けた不合理なものだ」と批判。診療録については個々の指導医の判断に一定の裁量が認められるべきだと訴えている。

 一方、地裁は執行停止を認めた決定の中で、男性が精神科医として年間100人を上回る入院患者を受け入れ、常時30~70人の入院患者を担当してきたことを重視。「男性への処分は公益に反する事態となる恐れがあり、重大な損害を避けるため緊急の必要がある」とした。

    ◇

 ■精神保健指定医 精神保健福祉法に基づき精神障害者の措置入院などの必要性を判断できる精神科医。指定には3年以上の実務経験に加え、統合失調症や認知症などの患者8人以上を診察したケースリポートの提出が必要となる。指定医資格をめぐっては、聖マリアンナ医科大病院(川崎市)で大量の不正取得が発覚。これを受けて厚生労働省が過去の申請を調査し、今年10月に前例のない大量処分に踏み切った。7月に相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件でも、容疑者の措置入院時の診察を行った医師の不正が明らかになっている。



http://mainichi.jp/articles/20161227/ddm/012/040/089000c
子宮頸がんワクチン
研究班、追加分析へ 非接種で症状、年齢別など

毎日新聞2016年12月27日 東京朝刊

 子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に運動障害などが生じた問題で、厚生労働省研究班(代表・祖父江友孝大阪大教授)は26日、厚労省の有識者検討部会で、接種していない人にも副作用とされる症状と同様の症状が出ているとする全国調査の結果を報告した。委員から「さらに詳細なデータが必要」と意見が出され、症状が出るまでの期間や、年齢による症状の傾向について研究班が追加で分析することになった。【野田武、山田泰蔵】

 接種の呼びかけ再開に関しては、部会長の桃井真里子国際医療福祉大副学長が会合後の取材に「現段階で、どういう方向とは申し上げられない。病態と頻度について、ある程度の確からしさを持って説明できる状態が必要だと思う」と述べ、追加の解析を踏まえて検討する方針を示した。

 厚労省は2013年4月からワクチンを公費負担による定期接種としたが、副作用報告が相次いだため、同年6月に接種の呼びかけを中止している。

 調査は、全国の約1万8000の診療科を対象に、昨年7~12月に受診した12~18歳の患者のうち、感覚や運動の障害などが続き、通学などに支障があった患者について聞いた。症状があった365人を分析すると、接種者で症状があった人は人口10万人当たり27・8人、非接種者で症状のある人は同20・4人だった。研究班は、接種した人の方が症状を訴えやすい傾向があるとして、接種の有無と症状の関係は「比較できない」と説明した。

 ワクチン接種で健康被害が生じたとして国と製薬会社に損害賠償を求めている薬害訴訟の被害者弁護団は東京都内で記者会見し、「明らかに恣意(しい)的なまとめで、結論に問題がある。調査結果を接種勧奨再開の議論の基礎として使うことは科学的ではなく、断固反対だ」と批判した。次女が被害を受けたとして提訴している埼玉県の酒井秀郎さん(58)は「実態を全く反映していない調査結果だと感じた。憤りを感じている」と話した。



https://www.m3.com/news/general/489832
「手術ミス」京大を提訴 大津の男性「神経を誤切断」
2016年12月27日 (火) 京都新聞

 京都大医学部付属病院(京都市左京区)による胸腺腫摘出手術で神経を切られ呼吸機能が低下したとして、大津市の男性(67)が26日、京都大に約1580万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴した。

 訴状によると、男性は胸腺腫の疑いで、2009年7月23日に京大病院呼吸器外科で手術を受けた。執刀医が腫瘍を剥離する際、確認作業を怠って、切る必要のない横隔神経を切断し、神経縫合などの措置を取らなかった。男性はまひのため左肺の半分が機能せず、日常生活に困難をきたしている、としている。

 京大病院は同年11月、男性からの要望で外部の医師2人を交えた事例調査委員会を設置。その報告書によると、調査委は「横隔神経の確認作業が不十分なことが切断につながった原因」とし、「指導医が横で声掛けする必要性があった」と指摘した。また、切断後の対応は「縫合手術を考慮すべきだった」としている。

 京大病院は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/489544
レセプト審査、「コンピュータチェックルール公開を」
厚労省検討会が報告書、医療機関の事前確認も可能に

2016年12月26日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「データヘルス時代の質の高い医療の実現に向けた有識者検討会」(座長:西村周三・医療経済研究機構所長)は12月26日、レセプトの審査支払機関における審査業務の効率化・審査基準の統一化、ビックデータを活用した保険者機能の強化・医療の質の向上、支払基金の組織・体制の在り方――の3つの柱について提言した報告書(案)を議論、同日の意見を踏まえて修正、取りまとめを行うことを了承した。年明けに最終版の報告書が公表される予定(資料は、厚労省のホームページ)。

 医療機関にとって注目されるのは、レセプトの審査支払機関が実施しているコンピュータチェックルールを公開し、医療機関がレセプト提出前にチェックするなどして、レセプト返戻に伴う負担を軽減するなど、審査支払業務の効率化が打ち出された点だ。審査支払業務を効率化するため、レセプトの形式を見直し、詳細記述項目については「選択式」を導入することなども提言。コンピュータチェックルールの「見える化」も進め、診療報酬点数表の解釈や地域の差異の明確化も進める。

 ビックデータ活用については、医療等IDを活用するなどして、健康・医療・介護の各種データベースを連結し、個人のヒストリーを追跡、分析できるプラットフォームの構築を進めるべきとしている。保険者に対しては、ガバナンス強化を求め、データを活用したデータヘルス等の推進を求めている。

 これら二つの柱についての構成員の意見はほぼ一致したが、支払基金の組織・体制に関しては意見が分かれ、両論併記となった。支払基金には、47都道府県に支部があり、「縮小」方針では一致したものの、「支払基金の支部の集約化・一元化」を求める意見の一方、日本医師会をはじめ三師会は、「地域の顔が見える関係を土台として、医療機関に対するきめ細かなやり取りを通じた適切な審査」を実現するため、「支部を都道府県に残すべき」と求めた。

 支払基金の改革は、2016年2月の規制改革会議健康・医療ワーキンググループの「論点整理」で、「現行の支払基金を前提とした組織・体制の見直しではなく、診療報酬の審査の在り方をゼロベースで見直す」とされていた。

 今後、支払基金と厚労省は同基金の業務効率化計画の基本方針、さらに国保中央会も加わり、ビックデータ活用計画の基本方針を、それぞれ2017年春を目途にまとめる。それらを基に具体的計画や工程表の作成を進め、2017年夏を目途に規制改革会議をはじめ、政府の方針として方向性を示し、2018年の通常国会に社会保険診療報酬支払基金等について改革の内容に沿った法整備を行うスケジュールが想定されている。

 支払基金は2020年1月に審査・支払システムを刷新する予定だった。本検討会報告書は、「刷新計画を見直した上で、2020年度中に、新システムを実施できるようにすべきである」とした。医療機関が、コンピュータルールに基づき、事前チェックが可能になるのは、それと併せたタイミングになる見通しだ。

レセプト査定の「地域差」は解消か

 レセプト審査・支払については、以前から「地域差」があり、審査支払機関のコンピュータルールの公開を求める声が、医療者の間で上がっていた。ルールの公開で透明性が担保され、レセプト提出前に事前にチェックできれば、返戻が減少し、医療機関および審査支払機関の負担は軽減される。一方で、コンピュータルールをどこまで公開するかは今後の検討課題であり、同時にルール公開で審査が画一的になる懸念も生じる。

 「報告書」(案)では、「審査委員の利益相反の禁止」も求めている。審査される立場の医師が、同時に審査する立場にもなるからだ。(1)審査委員が自ら関連する医療機関の審査は行わない、(2)審査委員が担当する医療機関を定期的に変更していく――という現行では運用上行っている取り組みを、規則として明確化するよう求めている。

 26日の会議でも、この点が議論になった。副座長で、国立社会保障・人口問題研究所所長の森田朗氏は、「審査には、中立性、第三者性が求められ、医療現場の感覚といかに両立させるかが重要であり、今の状態では、利益相反となる可能性があり得る」と指摘。森田氏は以前の会議で、「審査委員を専任にしたり、審査委員の都道府県間での相互乗り入れを行うべき」との意見を述べていた。

 一方、日本医師会副会長の松原謙二氏は、「一番重要なのは、医療の現場が分かっている人が審査をすること」と指摘、審査委員は各自が独立して判断しており、自身のレセプトを審査しているわけではないので、利益相反という指摘は当たらないと反論した。

 「報告書」(案)にはほかにも、さまざまな項目が盛り込まれている。情報処理推進機構 CIO 補佐官の葛西重雄氏からは、「45個くらいのアクションが書かれているが、誰が実施するかが分からない」との指摘も上がった。前述のように、厚労省ら3者が責任を持って進めることになるが、業務効率化とビックデータ活用の計画(工程表)がどんなに内容になるか、それを基にどんなスピードで具体化が進むかが今後の注目点だ。



http://mainichi.jp/articles/20161228/ddm/016/040/024000c
医学教育
世界へ 「国際基準のカリキュラム」拡大 国際医療福祉大「米国流の実習に」

毎日新聞2016年12月28日 東京朝刊

 国内で世界標準の医学教育を目指す取り組みが広がっている。国際医療福祉大に来春新設される医学部(千葉県成田市)は、米国など海外で臨床研修を受けられる国際的な人材育成を目標に掲げ、聖路加国際大(東京都中央区)が開設する「公衆衛生専門職大学院」は日本初となる米国の認証取得を狙う。京都大は医学と工学の連携を掲げ、工学系の大学院生向けに英語のディベート(討論)を必修にした、医学知識を教えるプログラムに取り組む。【高野聡】


 政府は1982年、医学部の定員抑制を閣議決定し、その方針は20年以上変わらなかった。だが、地方の医師不足が深刻になり、2008年以降、医学部定員増にかじを切った。医学部新設は今年4月の東北医科薬科大(仙台市)まで長く空白期間が続き、現在も特例でしか認めていない。

 「国際的な人材育成」を条件に医学部新設を認められた国際医療福祉大の矢崎義雄総長は「ベッドサイドで患者の治療を議論することから発展した米国型の医学教育を実践したい」と話す。

 日本の医学教育は今、世界から改革を迫られている。世界医学教育連盟は10年、日本の医学界に対して、23年までに世界標準を順守した医学教育を実施し、連盟の認証を受けるよう勧告した。

 この国際認証がない医学部の卒業生は23年以降、米国で臨床研修を受けられない。「2023年問題」とも呼ばれる。国際基準の臨床実習は72週とされるが、国内の医学部の平均実習期間は56・7週(15年度)にとどまる。同大は「90週の診療参加型臨床実習を確保した」(矢崎総長)という。

 これまでの医学部教育は、基礎医学や診療科に沿った細切れの授業が多かった。同大は基礎から診断、治療などの臨床まで一体に学べる授業を計画。矢崎総長は「効率的に授業時間を配分し、生まれた余裕を臨床実習に充てる」と話す。臨床実習も「見学型」ではなく、米国発祥の「診療参加型」。基礎教育科目の大半を英語で実施し、6年生は4週間以上の海外臨床実習を必修化した。

 教員の国際性も重視し、赤津晴子・医学教育統括センター長(予定)は米国で約20年の臨床経験があり、新規採用教員約300人のうち約30人が外国人だ。1学年140人のうち20人は留学生枠とした。アジアの学生を中心に受け入れる。矢崎総長は「途上国の医療技術の向上には、日本も責任を負わねばならない。留学生の割合を高めることで、学生の国際感覚も育成したい」と期待する。

 感染症対策や医療のデータ活用、増大する医療費の対応策の立案など、最近は集団の健康維持について研究する公衆衛生学の知識が重要視されるようになった。従来の日本の医学部は公衆衛生の一部しか教えていない。来春、聖路加国際大に開設される「公衆衛生専門職大学院」は、公衆衛生学に関して国際的に活躍する高度な専門人材を養成する課程だ。

 福井次矢・同大学長は「科学的根拠に基づく医療(EBM)」を日本に初めて紹介したことで有名だ。京都大教授時代の2000年に日本初の公衆衛生専門職大学院を開設した。福井学長は「国民皆保険制度のように医療は1人では成立しない。人間を臓器から細胞へと細分化して研究する医学に対し、集団の視点を持ち、バランスのとれた判断をするために公衆衛生学を学ぶ必要がある」と話す。

 米公衆衛生教育協議会が推奨する国際基準に基づき、公衆衛生大学院で必須とされる「生物統計学」「疫学」「行動科学」「環境医学」「医療政策管理学」の5分野を網羅する国内の公衆衛生専門職大学院は現在、京大のほか、東京大、九州大、帝京大にある。聖路加国際大が開設されると5校目になる。同大は日本初となる同協議会の認証取得も目指している。

 同大は4割の教員を海外から招き、原則英語で授業を実施するという。1学年25人で2年コース。2年以上の実務経験のある医師は、1年コースの履修もできる。福井学長は「多様な職種の人が学べる場。働きながらも学べるよう、一部の授業は夜間や週末にも開講する。積極的に留学生も受け入れたい」と話す。

海外先行「医工連携」 技術者に患者の視点を 京大大学院

 「がんは患者自身の価値観が治療選択に大きく関わる病気。治療ではさまざまな職種が関与するチーム医療が重要だ。チーム医療同様、医学と工学の連携によって患者にやさしい画期的な技術革新を生み出してほしい」

 がん患者らでつくるNPO法人「支えあう会α」の野田真由美副理事長は11月30日、京都大のキャンパスで語りかけた。野田さん自身、乳がんを患い、家族をがんで亡くした。野田さんは、京都大大学院の工学系の学生に医学部卒業生と同程度の医学・医療知識を教え、革新的な医療機器などを開発する人材育成を目指す「総合医療開発リーダー育成(LIMS)プログラム」で、外部評価委員を務める。

 プログラムは文部科学省の支援で2012年に始まった。工学研究科などの大学院合格者からAO試験で選抜された現在計31人が学ぶ。上本伸二医学研究科長・医学部長は「現代の医学、工学の学問は細分化されているが、医療・健康・介護分野の課題を解決するため社会全体を見渡して対処できる能力が求められる」と、「医工連携」を進める背景を説明する。

 医工連携の取り組みは海外が先行する。このため、5年間の英語ディベートを必修とした。医療のニーズを知るには患者の視点も重要と考えて野田さんのような患者の講演会も開催する。

 上本科長は「幅広い知識を身につけ、高齢者の社会参加が可能な社会システムや新産業を創出する人材になってほしい。起業に関心を持つ人材も育てたい」と話す。



http://www.sankeibiz.jp/macro/news/161228/mca1612280500005-n1.htm
“聖域”診療報酬を本格議論、日本医師会猛反発 17年経財諮問会議
2016.12.28 05:00 SankeiBiz

 政府は2017年に開催する経済財政諮問会議で、診療報酬のあり方に関する本格議論に乗り出す。政府は今月、菅義偉官房長官の旗振りで、薬価の毎年改定を柱とする制度改革方針をまとめたばかり。次は診療報酬に踏み込み、膨張する社会保障費の抑制に挑む。ただ、診療報酬を“聖域”視する日本医師会などの反発は激しく、政府には改革徹底の強い意志が求められる。

 諮問会議で診療報酬が取り上げられたのは、21日に開かれた前回会議。27日公表された議事要旨によると、民間議員は、次回の診療報酬見直し(18年度)に向け「院内、院外処方のあり方、技術料のあり方といったことについても、しっかり議論させていただきたい」と発言した。民間議員の念頭にあるのは、病院外の薬局での薬の処方のほうが病院内での処方より、診療報酬が高額になる制度の見直しだ。

 薬全体の費用は、病院外のほうが3、4倍高いケースもある。国民負担は原則3割、国庫負担は7割。現在は病院外で処方する「医薬分業」が主流のため医療財政への圧迫が強まっている。

 ただ、2年ごとの診療報酬見直しは、これまで厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)で検討しており、抵抗は強い。22日、横倉義武会長名で出された医師会の声明では「(諮問会議での検討の要求は)大それた発言」「まさに青天の霹靂(へきれき)で、きわめて遺憾」と強く批判。診療報酬は「当然、中医協で議論すべき(だ)」と訴えた。

 だが中医協は、薬価制度改革のきっかけとなった高額がん治療薬「オプジーボ」に関し、国内販売価格を海外の2倍以上高い水準のまま“放置”してきた経緯がある。財政再建への問題意識は薄く、政権は抵抗を抑えながら改革をどこまで進められるか注目される。



https://news.biglobe.ne.jp/domestic/1228/san_161228_8596557676.html
【東京女子医大病院鎮静剤過剰投与】2歳児死亡 両親が医師2人を提訴へ 「鎮静剤投与を伏せた」
産経新聞12月28日(水)2時6分

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で平成26年2月18日、顎のリンパ管腫の手術を受けた当時2歳の男児が手術後に鎮静剤「プロポフォール」の過剰投与で死亡した事件で、両親が手術を担当した耳鼻咽喉科の医師ら2人に1億5千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすことが27日、関係者への取材で分かった。28日に東京地裁に訴状を提出する。

 両親が訴えるのは、手術の執刀医と、手術で助手を務めた後に主治医となった2人。代理人弁護士によると、訴訟では、手術後に人工呼吸器が必要となりプロポフォールが投与されることを伏せたまま男児の手術を承諾させた ▽主治医であるにも関わらず、手術後の安全管理を放置した ▽プロポフォールを投与した麻酔科医らと連携を取らず、男児の異常に対処しなかった−などと主張するという。

 民法上、不法行為に対する損害賠償請求の時効は、損害発生や加害者を知ったときから3年。両親は「いまだ病院から納得のいく説明がない。時効が来てしまえば何もできなくなる。息子の死に関わった全員から話を聞くため、まず2人を訴える」と話している。

 投与された鎮静剤の総量は成人の許容量の約2・7倍で、男児は副作用とみられる急性循環器不全で死亡した。両親は昨年2月、同院の医師ら5人について傷害致死罪の告訴状を警視庁に提出。警視庁捜査1課は安全管理に問題があった可能性があるとみて、医師らから事情を聴いている。

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 東京女子医大病院2歳男児死亡事件 平成26年2月18日、東京女子医大病院で男児が顎のリンパ管腫の手術を受けた際、集中治療室(ICU)で人工呼吸器を付けている子供への使用が原則禁止されている鎮静剤「プロポフォール」を約70時間にわたって投与され続け、3日後に副作用とみられる急性循環器不全で死亡した。男児に投与された鎮静剤の総量は成人の許容量の約2・7倍だった。


http://sp.yomiuri.co.jp/national/20161227-OYT1T50106.html?from=ytop_main7
患者ら167人が感染性胃腸炎…独協医科大病院
2016年12月27日 22時56分 読売新聞

 独協医科大学病院(栃木県壬生みぶ町)は27日、院内で感染性胃腸炎の集団発生があったと発表した。

 25日から27日までの間に、入院患者162人と従業員5人が下痢や嘔吐おうとなどの症状を訴え、うち患者1人からノロウイルスが検出された。重症の患者はいないという。

 同病院は27日、県南健康福祉センターに感染性胃腸炎の集団発生を報告し、立ち入り検査や指導を受けた。感染ルートを調べている。また、同病院は入院患者への面会を制限しているほか、医師や看護師が、使い捨て手袋の使用を徹底するなどして感染拡大の防止を図っている。

 同病院は「今後とも院内感染対策を厳格に実施し、発生防止に全力を尽くします」とのコメントを発表した。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/inoue/201612/549480.html
コラム: ニュースウォッチャー井上雅博の「世相を斬る」
経営効率化、地域再編への圧力高まる公立病院

2016/12/28 日経メディカル

 各地で医療提供体制の見直しが進む中、焦点の1つとなっているのが公立病院の経営改革や地域再編の行方です。

 今年9月21日、総務省が「新公立病院改革プランの策定状況」という資料を公表しました(総務省ウェブサイト)。今年3月31日時点で「新公立病院改革プラン」を策定済みの病院は76施設(全体の8.8%)、「2016年度に策定予定」の病院は769施設(88.7%)とのことで、今年度中に大半の公立病院が改革プランを策定し、実施に向けて動く必要に迫られています。

再編・ネットワーク化の計画作りが進む

 地方では公立病院が果たす役割が大きく、交付金や補助金を繰り入れ、何とか経営を成り立たせてきたというのが実情です。しかし、医療提供体制の効率化が進む中、公立病院だけが「聖域」というわけにはいきません。総務省は2015年3月に「新公立病院改革ガイドライン」(内容はこちら)を策定。これに基づき、新公立病院改革プランが作られ、各病院において経営の効率化や院内の病棟再編、地域単位での再編・ネットワーク化などに向けた計画作りが進むことになりました。

 改革の実効性を上げるための国レベルでの取り組みも始まっています。総務省は今年9月に「地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会」を創設。最終報告書の取りまとめは2017年9月に予定されており、2018年4月の診療報酬改定までに、公立病院の改革を推し進めるための政策が打ち出されることになりそうです。

 この検討会で論点案として示されているのが、「医療圏域内での公立病院の役割明確化」「持続可能性のある病院経営の検討」といった項目です。持続可能性に関しては、補助金によって支えられている公的病院の運営改革をいかに支援し、持続させるかが焦点になるでしょう。地方自治体の財政悪化の問題もあり、特に入院医療に関して、より効率的な病床運用を求めるような政策が講じられるものと思われます。

 注目されるのは、これらの改革が、各都道府県が定める「地域医療構想」と連動して進められるということです。こちらについては、厚生労働省医政局が最新のデータを報告しています(内容はこちら)。それによると、今年8月30日までに策定済みが20都道府県(43%)、残りの27都道府県については「2016年度半ばの策定予定」が13、「2016年度中の策定予定」が14と、今年度中に全ての都道府県が地域医療構想をまとめる見通しです。

 地域医療構想では、2025年時点における各二次医療圏の医療の需給バランスを検証し、地域ごとの役割分担と連携に向け合意形成を図ることになります。公立病院に関しては、その地域で過剰とされた医療機能に転換しようとした場合に都道府県知事が病床転換の中止命令を出したり、正当な理由なく病床が稼働していない場合に病床削減の命令を出すことも可能です。今後、地域によっては、病床の再編や削減に関する圧力が強まることも十分考えられます。

医療職の働き方にも影響

 地域単位での病院の再編に関しては、「地域医療連携推進法人」制度の動向も見逃せません。地域医療連携推進法人とは、異なる法人立の病院や介護施設を一体的に運営する法人のことで、医療法改正により創設された制度です。地域医療構想の実現に向け、病院の機能分化・連携を進める狙いがあり、地域医療連携推進法人の傘下の法人がそれぞれの特色を生かして機能分担を図ることが期待されています。

 これは公立病院も無縁ではなく、例えば山形県では山形県・酒田市病院機構や医療法人などが設立準備に動いており、他にも幾つかの地域で具体的な動きが出ています。

 地域の病院が再編されると、住民の受療行動だけではなく、医療職の働き方にも大きな影響が出る可能性があります。都道府県のウェブサイトに掲載されている地域医療構想などを注視していると、自分自身の勤務地における将来の姿がある程度見えてくると思います。


  1. 2016/12/28(水) 05:48:02|
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