Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月25日 

http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20161221-OYT8T50120.html
来たれ女子受験生!東大は国立医学部に勝てるか
駿台進学情報センター 石原 賢一
2016年12月25日 05時20分 読売新聞

 東大が女子学生に家賃を補助する――。あの東京大学が女子受験生を集めるために本気を出し始めたというニュースに、驚いた人も少なくないだろう。女子の成績上位層は、東大ではなく国立大医学部の志望に流れているという。その背景と東大が取り組むべき課題を駿台進学情報センターの石原賢一氏に解説してもらった。

女子の人気、国立医学部が圧倒

 東大が2017年度入学生から女子学生に限って、1、2年生が通う駒場キャンパスまでの通学時間が90分以上の場合、キャンパスの近くにマンションなどの住まいを確保し、月額3万円の支援を行うと発表したことが話題になっている。男子学生に対する逆差別ではないかという声も聞こえる中で、「どうしても女子学生を獲得したい」という東大の強い決意が感じられる施策だともいえる。

 東大が受験生獲得に力を入れる、ということを意外に受け止めた人も少なくないだろう。

 表1は、いわゆる旧帝大といわれる難関国立大学の、2016年度入試における一般選抜試験での入学者の女子占有率を示したものである。

 これを見ると、2割を切っているのは東大のみで、阪大、名大は3割を超えており、北大も3割に迫っている。かつての大阪外国語大を統合してできた外国語学部をもつ阪大は特別な例としても、東大の次に女子占有率が低い京大と比較してさえ2.4ポイントの差がついている。
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 一方で、表2は医学部医学科(以下「医学部」と表記)、特に地域医療を担う医師を養成する目的で1970年代に設立された地方大学医学部について、一般選抜試験での入学者の女子占有率を示したものだ。
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 これを見ると、佐賀大、浜松医科大、愛媛大では女子占有率は4割を超えており、表2に示した中で最も低い富山大でも3割近い数値となっている。実際の入学者には、これに加えて一般的に女子比率が高いとされる特別選抜(推薦入試・AO入試)による入学者が加わるため、全体としての女子占有率はもっと高くなる。

地元に残るなら医師がいい

 それでは、なぜ女子の志望は地方国立大学の医学部に向かっているのだろうか?

 まず、地方の状況を考えてみる。少子化が進む中で、地方の保護者は都市部以上に、できれば子どもには地元(少なくとも同一県内)に残ってほしいという要望を強くもっている。

 かつて子どもの数が多かった頃は、長男は地元に残って家業や自宅や田畑といった資産を引き継ぐとしても、他のきょうだいたちは将来の自立のために首都圏や関西圏といった都市部に進学、就職するのが当たり前だった。保護者もそれを積極的に奨励し、都市部の大学へ進学する学費や生活費を負担することは、遺産の生前分与という側面ももっていた。

 しかし、いまや地方にも少子化の波は押し寄せており、先祖伝来の資産を引き継いでいくためには、保護者の意識は男女に関係なく「子どもには地元に残ってほしい」というふうに変化している。その際に問題になるのが、大学卒業後の職業選択だ。

 都市部では、景気の回復傾向もあって2015年度以降は経済・経営・商学部系や国際関係系を中心とした文系学部の人気がアップしているが、地方経済はまだまだ厳しい状況が続いている。その結果、文系学部に進学しても地方ではなかなか満足できる仕事が見つからないことから、志望動向はいわゆる「文低理高」が継続している。

 地元に残って就職するためには理系学部、その中でもメディカル系学部に進学して、医療関係の職業を目指すことが最も堅実な道だというわけだ。男子以上に地方での就職状況が厳しい女子の成績上位層では、社会的なステータスや収入が高く、活躍の場も男性に劣らないと思われる医師を目指すことが、最も魅力的な進路となっている。

東大より合格しやすい「地域枠」

 これに加えて、東大、京大といった旧帝大を除く国立医学部に設けられるようになった「地域枠」が医学部進学へのハードルを低くしたことも、医学部志向の高まりに拍車を掛けている。「地域枠」というのは、地域医療を担う人材を育成することを目的として設置された募集枠だ。出願時の要件として、受験生の出身地が各大学の定めた地域にあることや、医師国家試験合格後の一定期間を大学病院や自治体が指定する医療機関で医師として働くことなどが示されている。

 このように出願時の条件に制限があることから、「一般枠」よりも「地域枠」の合格目標ラインは低くなる。国公立大の医学部合格には一般的にセンター試験で85%程度の得点率が必要になるが、「地域枠」を利用できれば80%以下の得点率でも合格可能な大学が存在する。つまり、地方の受験生にとっては、東大進学よりも低いハードルで地元大学の医学部に進学できるわけで、「東大よりも地元医学部」という志望者が増加している。

 地方では文系学生の就職が厳しいことから成績上位層の志望が理系に偏っており、その理系の中でも、地元国公立大の医学部志望者の割合が増加しているということだ。東大との志望者の取り合いという側面から見ると、入試科目や学習内容が医学部に近い理科二類(薬・農系)のみへの影響だけではなく、かつてなら東大の文科類を受験したような生徒たちも、進路選択の段階で医学部志望に流れている。結果、東大全体の志望者減少につながっている。

首都圏でも「男女格差」が東大選択を阻む

 それでは、都市部における状況はどうであろうか?

 まず首都圏においては、医学部を持つ国公立大が関東1都6県には、6大学(東大、東京医科歯科大、千葉大、筑波大、群馬大、横浜市立大)しかなく、人口規模を考えると設置が少ない。さらに北海道・東北地区の国公立大医学部の「地域枠」設置で首都圏から進学する間口が狭められてしまい、「東大よりも国公立大医学部」という状況ではなくなっている。

 しかし、ある程度、経済的に余裕のある層では、首都圏の私立大医学部への志向が高まっている。順天堂大が2008年度に学費を値下げしたのをきっかけに、他大学でも志願者確保のために学費値下げが続いたことが背景にある。

 首都圏では、文系学部やメディカル系以外の理系学部を卒業しても就職先は豊富に存在する。しかしながら、女子の成績上位層は、企業や官公庁ではまだまだ男子との格差が存在すると感じている。加えて保護者も自らの経験から、資格と技術さえあれば男女間の評価差が小さい医師という職業へ進むことを期待している。こういった状況が、女子の東大志望が増加しない要因だといえる。

 一方で関西圏には、近畿2府4県に医学部を持つ国公立大が8大学(京大、阪大、神戸大、滋賀医科大、京都府立医科大、大阪市立大、奈良県立医科大、和歌山県立医科大)と多く設置されている。さらには、東大に匹敵する最難関大である京大も存在する。京大も理系志望の成績上位層を国公立大医学部にとられているが、地元志向と最難関への挑戦を回避しようとする安全志向から非医学部志望の学生が京大を受験する傾向があり、関西圏からの志望が東大に向かわない要因となっている。

女子の「明確な目標」に応えられるか

 東大への逆風は別角度からも吹いている。

 ここ数年、都内の女子校からの京大進学者が増えているというのだ。自然に考えれば、東大に進学する彼女たちが、なぜ京大を選択したのだろうか。

 私は、両大学の制度の違いに着目した。

 東大には進学選択制度(旧進学振分制度)があり、進む学部は、入学後2年間の教養学部前期課程を修了しないと定まらない。

 東大が今も2年間のリベラル・アーツ教育に重きを置くのに対して、東大以外の大学では1年次から専門性の高い講義をカリキュラムに組み込んでいる。その中でも「自由な学風」を学是とする京大では、強い意欲と積極性があれば、自分の希望する分野について早くから学べる環境が整っている。

 高校生ぐらいの年齢では女子の方が早熟で、それに比べると男子はまだ幼く将来の希望が語れないといった話を、よく耳にする。実際、駿台予備学校に在籍する生徒たちを見ても、女子の方が明確に将来の目標をもっていることが多い。京大は、こういった女子には魅力的だろう。

 東大のリベラル・アーツを重視する考え方にはもちろん共鳴する点も多い。だが女子には、入試を経てなお、さらに2年間の教養学部前期課程でよい成績をとらなければ目標の学部に進学できない点が、忌避されているのだろう。

これを裏付けるように、2016年度から導入された東大の推薦入試合格者の女子占有率は37.7%と、入学者全体の女子占有率よりもずっと高かった。推薦入試の合格者は入学時点で所属学部が決定されるという点が、女子には魅力だったのではないだろうか。

 東大の価値は国際化の流れによっても相対化されている。最近は男女を問わず、高校卒業時から海外の大学を目指す動きが活発になりつつあるのだ。日本の大学では「エリートは作らない」という方針からか、成績最上位層について、さらに上昇志向を高めるようなカリキュラムやシステムはあまり作られてこなかった。この現状に飽き足らない生徒たちが、海外の大学を目指しているという側面がある。東大においても、推薦入試のように入学時点で将来の進路を担保するような制度を拡大することが必要だろう。

 経済格差も広がる中、女子学生に対する月3万円の家賃補助は決して小さくない支援ではある。だが、根本から考えなければならないことは、「女子生徒たちが東大で学ぶ意味」である。その第一歩は、どのような理念に基づいて女子学生を増やしたいのかを、東大自身が見つめなおすことから始まるのではないか。

プロフィル
石原 賢一(いしはら・けんいち)
 学校法人駿河台学園・駿台教育研究所進学情報センター長。1981年に駿台予備学校に入職後、学生指導、高校営業、カリキュラム編成を担当。神戸校校舎長を経て、06年より現職。現在は特に高大接続改革に関する情報発信に尽力している。



http://mainichi.jp/articles/20161225/ddm/016/040/004000c
ドクター元ちゃん・がんになる
初めて気づいた贈り物 「キャンサーギフト」で夢実現=金沢赤十字病院副院長・西村元一

毎日新聞2016年12月25日 東京朝刊

 「キャンサーギフト」という言葉を聞いたことはありますか。インターネットで検索すると「がんという命に関わる重い病気になって初めて見える命の大切さ、時間の大切さ、周りの人々の温かさがあり、それらはがんがくれた贈り物、つまりキャンサーギフトという」と書いてありました。

 自分自身が患者になる前、医師としてがん患者と向き合っていたとき、「キャンサーギフト」という言葉は、おめでたいイメージがあって使えませんでした。患者の皆さんとは「多分そんなこともあるんじゃないか」という程度に話していました。

 しかし今回、自分が患者になってみると、本当にたくさんのギフトがあると分かりました。がんになって感じることが「ギフト」か「ギフトでない」かは本人にしか分かりませんが、私は、このような状況になったからこそ出会えた人、行った場所、得られた機会、それらのすべてが「ギフト」といっても良いのではないかと思います。

 病気が見つかるまでの私は、いろいろな分野に足を踏み入れていたこともあり、本当に忙しい毎日でした。どれも中途半端になって、たくさんの人に迷惑をかけていたかもしれません。ふと思い出すのは、あるとき仲間の一人から「西村先生は本当は何をしたいの?」と聞かれた時です。そのとき、返す言葉がありませんでした。

 恐らく周囲からは「やりたいことをやっている」というよりも、毎日の業務をこなしているようにしか見えなかったのだと思います。最初は興味があって足を踏み入れたにもかかわらず、いつの間にか業務をこなすだけになっていたようです。

 ところが、昨年3月に病気が見つかり、残された人生が長くないと気付いたとき、「あと何ができるか? 何をしないといけないか? 何をやめるか?」という取捨選択を迫られました。そして自分の経験を生かすことができ、自分のような境遇の人に役立ち、多くの仲間と夢を語っていた、がんの患者と医療者が気軽に語り合える「金沢マギー」つまり「元ちゃんハウス」の実現にまい進し、今月にオープンできたことが、最大のキャンサーギフトだと感じています。病気にならなければ夢物語だったことと思います。

 周りからもたくさんの応援をいただき、周りの本気度にも助けられました。実現したことよりも「本当に素晴らしい家族、仲間、友人、同僚に恵まれているんだ」「人間はたくさんの人に支えられているんだ」と気付いたことが本当のキャンサーギフトなのかもしれません。

 「元ちゃんハウスを作る」「出来上がりまで頑張る!」と闘病意欲につながったことも、自分にとって大きなギフトだったと思います。逆に、この夢が実現できたことは、協力してくれた皆にも、何かしらのギフトになったのではないでしょうか。元ちゃんハウスを訪れる患者の皆さんにとっても、ちょっとでもギフトになればと願っています。

 ギフトは、数や大きさが決まっているものではありません。このようにキャンサーギフトの相乗効果によって、もっと大きなギフトになれば、とクリスマスに考えました。=次回は1月29日掲載

 ■人物略歴
にしむら・げんいち
 1958年金沢市生まれ。83年金沢大医学部卒。金沢大病院などを経て、2008年金沢赤十字病院第一外科部長、09年から現職を兼務。13年から、がん患者や医療者が集うグループ「がんとむきあう会」代表。



https://www.m3.com/news/iryoishin/488559
シリーズ: m3.com意識調査
今年1年の自己採点「80点以上」が28%
「看取りの在り方を考える」「マナー悪い患者が増えた」

2016年12月25日 (日) m3.com編集部

 m3.comの意識調査での、「2016年の仕事、自己評価は何点?」についてのアンケート(2016年12月15日 (木)~21日 (水))によると、自己採点が100点満点だったのは全体の5%、「80~99」は23%だった。最も多かったのは「60~79」で45%で半数近くを占めた。

 
 番外編はこちら→年を経るごとに、直言を言うのがためらわれる

 回答者:開業医283 勤務医999 薬剤師198 看護師 15 その他医療従事者49
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 意識調査のQ2では「仕事においてうれしかった、または最も良い仕事をしたと思うエピソード」を。Q3では「仕事において怒った、またはヒヤリとしたエピソード」を募集した。

 以下に、その回答の一部を紹介する。

 ◆Q2. 今年ご自身の仕事においてうれしかった、または最も良い仕事をしたと思うエピソードを教えてください。

 ・71歳を超える老医となりましたが、かかりつけ医として在宅医療も続けています。今年はお二人を自宅で看取りましたが、患家からは「自宅で看取れるとは思わなかった」と強く感謝されました。【開業医】

 ・なぜか1週間のうちに4例も「急変」が担当病棟にありました。各症例に対して適切な処置、対処で対応できたことが「うれしかった」出来事です。【勤務医】

 ・食事ができなくなった患者に対して点滴を施行していたが、自然死を希望したので看取りの話をして点滴を中止したときに、ご本人は喜んだ状態で安らかに死を迎えたとき、感動した。【開業医】

 ・新しい職場(初めての紙カルテonly)で慣れない環境であったが、以前と同等とまではいかないまでもできる限りフォローアップをして、紹介・治療ののち、患者さんに感謝された。【勤務医】

 ・看取りをした方で、何も医療をしないという選択をしたときに一番喜んでくれたのがご本人だったという事実を厳粛に受け止め、今後の看取りの在り方を考える一助にしたい。【開業医】

 ・初期研修、後期研修1年目と上級医がついての診療だったため、4月は不安が多かったが、自分の意思で治療をした患者さんが治ってくれたことが一番うれしかった。【勤務医】

 ・知人の社長から電話が入り、数日前から言葉が発しにくい、真っ直ぐに歩けない等の症状を聞いた。脳梗塞の症状なので、直ぐに救急に駆け込むようにと伝える。仕事もあるので、家族や従業員の制止も聞かず我慢していたと。本人は軽い気持ちで一晩寝て考えると悠長な事を言っていたが、一刻を争うので直ぐに病院に行くように重ねて訴えた結果、脳梗塞の診断で緊急入院。若干の後遺症を残すが元気になった。「あの時、あなたの一言がなかったら病院にも行かず、多分もうこの世にいなかった。命を救われたよ、ありがとう。」と言葉をいただいた。直接の仕事ではないが、結果的に嬉しい出来事だった。【その他の医療従事者】

 ・かかりつけ薬剤師の契約書を交わした患者様からほぼ24時間フリーに連絡をいただくが、その時できる限りの対応で後日来局時に感謝されると、報われたと感じます。【薬剤師】


 ◆Q3:今年ご自身の仕事において怒った、またはヒヤリとしたエピソードを教えてください。

 ・褥瘡委員として、毎週廻診に出ています。看護トップのパーソナリティに問題があり、必要最低限の器具も揃いません。看護・介護職員たちは 手弁当で研修に出かけることを義務付けられています。理想から遠い病院で、日々腹を立てています。でも、自分が開業してもうまくいかないことは分かっているので、いっそう滅入ってしまいます。【勤務医】

 ・人工透析施行患者で併用注意薬のクラリスロマイシンとニフェジピンの最高容量(他2種類の降圧剤)で透析中に、過度の血圧降下があり大変だったらしい。部下の薬剤師に「併用薬に注意していてください」と注意を促していたのですが。私は患者さん本人からその報告を聞いて、冷や汗と血の気が引いて、身体中が冷えていました。【薬剤師】

 ・もともと、重症患者はあまりいない病院でした。しかし、術中の極度の血圧低下に対してノルアドレナリンを希釈してシリンジポンプを点滴につけて帰室させたところ、翌朝点滴のバッグが外されてシリンジポンプからダイレクトにサーフロにノルアドが送られていた光景を見たこと。下手なお化け屋敷に入るより、恐怖体験でした。【勤務医】

 ・患者のあまりに一方的な独りよがりな反応と要求で、やや激高する寸前になったが、寸前で自己抑制コントロールができたのは結果的に良かったと思っている。【開業医】

 ・ずっと通院している家族の一人に院内でやや大きい声でアドバイスをしたら、後で母親からプライバシーを傷つけられた。今後気配りをしないとSNSに当院の悪口をじゃんじゃん書いてやると脅された。今まで信頼関係がしっかりできている家族だと思っていたので驚いてしまった。【開業医】

 ・マナーの悪い患者が増えました。日々たしなめています。狭心痛を訴える患者さん、心電図でも大きな所見は無かったのですが、念のために病院に紹介したところ心筋梗塞でした。幸い救命できて職場復帰を果たしました。【開業医】

 ・薬の卸の担当者の対応がひどく、注文していない薬を納入したり、納入していない薬の請求をしてきたり、その他色々ありました。こちらが請求書を逐一チェックしていたから分かったのですが、こちらの確認がなければ、そのままになっているところでした。【薬剤師】

 ・週明けまで様子を見れるかな、と思いつつも土曜日午後、強引に病院に送り込んだ患者が直後に敗血症を起こして重篤になったようだ。あそこで週明けまで待ってたら危なかった。【勤務医】


https://www.m3.com/news/iryoishin/488564
シリーズ: m3.com意識調査
「2016年の仕事、自己評価は何点?」【番外編】
年を経るごとに、直言を言うのがためらわれる

2016年12月25日 (日) m3.com編集部

 Q2: 今年ご自身の仕事においてうれしかった、または最も良い仕事をしたと思うエピソードを教えてください

 調査の結果記事はこちら→今年1年の自己採点「80点以上」が28%

・足壊疽を患っていた、末期糖尿病の患者さんが足切断をいよいよ行わないといけないことになり、ストレートに話したら、患者さんの娘から「先生よくそんな簡単にいいますね」とかなりきついお叱りを受けました。医学的な状況は変わらず、結局切断をしましたが、体力は回復せずに、そのまま御看取りになりました。切断しても結局寿命は延びなかったと思われたので、医学的に正しいかどうか、切断が正しい判断だったのかどうか、亡くなった後も時折考えていました。

 その後、2、3カ月経ち、患者さんの娘さんとすれ違い、お礼を言われました。「あの時は、生意気なこといってすみませんでした。父も最後は痛みがやわらいだようで、先生のおかげで、少しでも寿命が延びたと思っています」。切断したことで、今までの慢性の潰瘍から来る、眠れないほどの疼痛が幾分和らいだこともあり、最期の1、2週間は好きなコカ・コーラを飲んで、亡くなられたとのことでした。

 足切断は壊疽から敗血症を予防するため、緊急度が高い割には、当然ですが、患者さんの満足度は非常に低い手術です。また、患者さんや家族とのトラブルも比較的多い印象があります。死亡した場合は、「なぜもっと早く切断しなかったのか」と言われます。通常の鎮痛剤では対応困難な痛みを和らげようとペインクリニックに紹介すると「たらいまわしにしようとする」と言われたりもします。そもそも、糖尿病から足切断になることの因果関係が分かりにくく、ましてや、足切断になる患者さんの寿命がかなり悪いことなど到底理解できるはずもないですので、現実とのギャップに直面した時の負の感情の放出を一手に受け止めることになりやすいわけです。

 外来通院で、フォローしていた別の末期糖尿病で血液透析を行っていた患者さんが敗血症で亡くなられたときは、家族大勢に取り囲まれ、「あなたの言うことを今までやってきたのに、死んだ。毎日、来なかったので、対応が遅れた。なんでもっとはやく足を切断しなかったのか」と1時間、説明室で詰問されました。そのときには、やはり私も人の子ですから二度と末期糖尿病の足壊疽の治療に関わるまいと思いました。やった仕事が全く感謝されず、誤解も招くことが多いのはさすがにつらく思いました。

 この娘さんの言葉で救われ、やる気を出したというのは、陳腐すぎるので、認めたくないですが、やはりうれしく思いました。段々年を経るごとに、直言を言うのがためらわれるようになりました。特に、このようなことがあってからです。強い言葉は、必ずオブラートを包むようになってきてしまいました。昔は「年配の医師ってなんではっきり言わないんだろう」と思っていましたが、自分自身がそうなってきていることに気づかされる今日この頃です。【勤務医】



https://www.m3.com/news/iryoishin/488508
病院経営、全国上位50法人のうち19法人が最終赤字
厳しさ続く医療機関の経営、「東京商工リサーチ」データ

2016年12月25日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

 一般病院の運営事業を主たる業種とする法人の2016年度決算の売上高をまとめた。データは調査会社「東京商工リサーチ」(TSR)の調査による。上位は、全国上位50法人のうち、19法人が最終赤字となっており、医療機関の経営が厳しい状況が見て取れた。

 TSRの調査によると、2012年度決算では売上高上位50法人では3法人が最終赤字だった(『医療法人など売上トップ100、1位は日赤』を参照)。2016年度決算では50法人のうち19法人が最終赤字になった(※2012年度は学校法人を除外しているが、2016年度は11の学校法人がを含まれているむ)。

 法人の所在地を見ると東京都が15法人、大阪府、神奈川県が4法人、埼玉県、千葉県、福岡県が3法人、北海道、静岡県、愛知県、兵庫県が2法人だった。

※一覧は調査会社「東京商工リサーチ」のデータを基に、47都道府県別に売上高上位20位の法人をピックアップ、その上で、売上高の多い順に全国ランキングを作成。対象は、一般病院の運営事業を主な業種とする法人などで、同社が把握していない医療法人などは含まれない。売上額には、一般病院以外の事業分も含まれる。決算書などが公開されていないものは、TSRの独自調査による数値。「-」は、データがないもの。
※決算期は原則的に最新のもの(例えば、2015年12月期、2016年3月期など)。一部、最新の数値がない場合はそれ以前の年度の場合もある。
※事業所数は本社所所在地以外の事業所の数。
※営業種目での、(○○%)は当該事業が売上高全体に占める割合。
※主たる医療機関は、m3.com編集部で独自に記載。
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https://www.m3.com/news/general/489095
群大手術死、執刀医ら調査結果に反論…「反省感じられない」遺族落胆
2016年12月25日 (日) 読売新聞

 群馬大学病院の手術死問題で、遺族側の弁護団は22日、執刀医の須納瀬豊医師と上司で旧第二外科の竹吉泉・元教授に送った質問状への回答内容を明らかにした。

 第三者調査委員会の調査報告書で指摘された問題に反論する内容で、遺族は「反省が感じられない」と落胆の声を上げた。

 弁護団は10月、質問状を両者に送り、今月15日付で回答を得た。

 須納瀬医師は「調査委員会の判断を評価する立場にない」と前置きしながら再三にわたり反論。「管理体制が十分であれば死亡が回避できた可能性がある」とされたことに「不十分であるという認識はなかった」とした。不十分とされた患者への説明は、「必要な説明はした」とし、記載が乏しいカルテも「必要な記載はした」との認識を示した。

 竹吉元教授は、別の医師が手術中止を進言したことに対し、「廊下ですれ違う時に言われたことはあった」としたが、「正式に進言されたことはない」と否定。参加していない手術も実績として数え、学会の認定資格を得ていたことが調査で指摘されているが、「実績は申請資格を満たしていたため取得した」とした。

 遺族会代表の男性は「以前より 真摯しんし に答えてくれるのではと期待したが、失望した」と話した。

 肺癌学会員2割、勤務先「喫煙可」と回答…「全面禁煙」対応遅れ明らかに

 肺がんの診療に携わる日本肺癌学会の会員の2割近くが、勤務先の医療機関が敷地内全面禁煙になっていないと回答したことが、同学会の調査で分かった。

 国は受動喫煙防止対策として、医療機関の敷地内全面禁煙を打ち出したが、対応の遅れが明らかになった。

 同学会の禁煙推進小委員会が昨年11月から今年8月にかけて、全会員を対象に禁煙に関するアンケートを実施。14%にあたる1044人から回答があった。

 勤務する医療機関の禁煙対策について、80%が「敷地内全面禁煙」としたが、10%は「屋内のみ禁煙」、6%が「(建物内に)喫煙区画あり」と答えた。

 肺がん患者の喫煙には85%が「吸うべきでない」とする一方、学会員を非喫煙者に限ることに「賛成」としたのは75%だった。

 調査をまとめた高野義久医師(熊本県八代市)は、「禁煙についての医学教育が遅れている。たばこと関連が深い肺がんを日常的に診ている会員こそ、禁煙にもっと高い意識を持つべきだ」と話している。


  1. 2016/12/26(月) 05:56:34|
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