Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月20日 

http://www.sakigake.jp/news/article/20161220AK0017/
呼吸器内科3月末で休止、由利組合病院 常勤医師2人退職で
2016年12月20日 13時12分 秋田魁新聞

 秋田県由利本荘市川口の由利組合総合病院(佐藤一成院長、606床)の呼吸器内科が来年3月末で外来、入院とも休止することになった。同診療科の常勤医師2人が退職し専門医が不在となるが、代わりの医師確保が困難なためだ。病院は1月以降、徐々に新患や入院などの診療制限を行わざるを得ないとしている。

 県内では呼吸器内科医が不足している。医師派遣を行っている秋田大医学部呼吸器内科学講座の医局員も6人と少なく余裕がない状況という。県医師確保対策室によると、県内に69ある病院のうち、12病院で呼吸器内科医の不足を訴えている。

 由利組合総合病院では、呼吸器内科の常勤医2人のうち1人が3月末で定年を迎え、もう1人は市内で開業するため2人とも退職するが、補充のめどが立たないという。



http://blogos.com/article/202919/
焦点:薬価制度改革は高額薬剤や後発薬に逆風、制度の詳細に関心
ロイター2016年12月20日 19:17 BLOGOS

[東京 20日 ロイター] - 医薬品業界が戦々恐々として着地点を見守っていた薬価制度改革。政府は「毎年改定」に踏み込んだものの、改定が価格のかい離の大きな品目に限定されたことで、業界にとってマイナス影響は「マイルドにとどまる」との見方が多い。

ただ、抗がん剤「オプジーボ」のような高額薬剤は引き下げの機会が増えるほか、市場実勢価格とのかい離が生じやすい後発薬(ジェネリック医薬品)にとっては逆風となりそうだ。

政府が20日に決めた「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」では、2年に1度行われている市場実勢価格の調査に加え、その間の年にも大手事業者等を対象に調査を行い、価格のかい離の大きな品目について薬価改定を行うとした。

SMBC日興証券シニアアナリストの中沢安弘氏は「見直し品目数が絞られる見込みとなったため、医薬品メーカーに与える影響は、全体として限定的とみてよい」と話す。アナリストからは、市場実勢価格が薬価と大きくかい離することの多い後発薬は、毎年改定の対象となり、影響が大きくなる可能性が指摘されている。

制度改正は、高額な医薬品について、機動的に薬価を引き下げる制度作りでもある。塩崎恭久厚生労働相は会見で「革新的ではあるが、大変高額な医薬品が登場している。こういう医薬品について、現在の薬価制度が柔軟に対応し切れていないという指摘がある」と述べ、制度改革は、高額な医薬品対策が念頭にあることを認めた。

UBS証券アナリストの関篤史氏は「効能追加などで市場が急拡大した場合には、年4回見直すこととなった。こちらの方が、業界への影響は大きいかもしれない」と指摘する。基本方針には、抗がん剤「オプジーボ」のように、効能追加などで一定規模以上の市場拡大があった場合に対応するため、新薬収載の機会を活用し、年4回薬価を見直すことが明記された。

「オプジーボ」のような高額な薬価が付く薬剤が、今後どの程度出てくるかは予測できないが、アステラス・アムジェン・バイオファーマの高脂血症治療薬「レパーサ皮下注」は、患者数の多い生活習慣病が対象であるにもかかわらず、薬価が2万2948円と高額になっている。このため、使用できる医師や施設、患者を絞ることで最適使用を促す「最適使用推進ガイドライン」作りが進められており、年4回の薬価引き下げと合わせて高額医薬品への圧力は強い。

今回の基本方針に沿って、中央社会保険医療協議会(中医協)で詳細な制度設計を議論し、2017年中に結論を出すことになる。欧州製薬団体連合会(EFPIA)のサイモン・コリア理事長は「発表されたことは原則であり、その内容が重要」と話す。UBS証券の関氏も「抜本的な改革と言うが、従来の延長線上でしかない。薬の進化、イノベーションに制度が付いてきていない。保険償還の方法などに手を付けなければならない」と述べ、中医協での議論や改革の進ちょくを注視する姿勢だ。

現段階では、薬価引き下げ対象の範囲が見通せないことから、厚労省幹部は、どの程度の医療費削減につながるかは試算できないとしている。

11月25日の経済財政諮問会議に提出された民間議員の資料では、仮に市場実勢価格が直近4年間の平均的な幅で下落(2.1%)し、毎年改定を行った場合、医療費負担は1900億円程度軽減されると試算している。

(清水律子 取材協力:辻茉莉花、リンダ・シーグ)



https://this.kiji.is/183842897339352566?c=110564226228225532
保険指定取り消し、15施設 15年度返還請求124億円
2016年12月20日 16:25(共同通信)

 厚労省は20日、診療報酬の不正請求などで2015年度に健康保険法に基づく指定を取り消した保険医療機関等は、歯科を含む計15施設(前年度比2施設減)だったと発表した。登録を取り消した保険医等は医師6人、歯科医師15人、薬剤師1人の計22人。

 このほか22施設が取り消し相当だったが、いずれも取り消し前に廃業、4人が自主的に登録の抹消を届けた。

 指導や監査で不正請求を確認し、返還を求めた総額は約124億4千万円(前年度比約8億8千万円減)。一部は返還金額が確定してないが、診療報酬を不正請求していた札幌市の板垣小児科内科医院(閉院)が約2670万円で最多だった。



http://www.medwatch.jp/?p=11699
不正請求などで37件・26人が保険指定取り消し、診療報酬の返還額は124億円超―2015年度の指導・監査実施状況
2016年12月20日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 2015年度に個別指導を受けた保険医療機関等は医科1566件、歯科1331件、薬局1506件の合計4403件、監査を受けた保険医療機関等は医科37件、歯科45件、薬局8件の合計90件に上り、保険指定取り消しなどの処分を受けた医療機関等は医科10件、歯科26件、薬局1件の合計37件となった―。

 こうした状況が、20日に厚生労働省が発表した2015年度の「保険医療機関等の指導・監査等の実施状況」から明らかになりました(関連記事はこちらとこちら)(厚労省のサイトはこちら)。

 指導・監査などにより返還された診療報酬は、合計で124億3737万円となっています。

ここがポイント!
1  15年度は4403件の個別指導、1万3235件の集団的個別指導
2  90医療機関等・181人保険医等に監査を実施、保険指定取り消しは37件・26人

15年度は4403件の個別指導、1万3235件の集団的個別指導

 公的医療保険の費用は、公費(税金)、保険料、患者の一部負担で賄われるため、保険診療を行う(つまり支払う)に当たっての厳格なルール(健康保険法、療養担当規則、診療報酬点数表など)が定められています。このルールに従わない場合にはペナルティが課されます。厚労省は、保険医療機関がルールを遵守しているかどうかを定期的に調査し、違反などが認められる場合には、指導や監査といった是正措置が行われます。

 まず指導には、次の3種類があります。

(1)集団指導:新規に保険指定を受けた医療機関や医師などを対象に、保険ルールを説明する講習会
(2)個別指導:違反などが疑われる医療機関を呼び出し、面懇で保険ルールを遵守するよう指導する(新規に保険指定を受けた医療機関を対象とする「新規個別指導」もある)
(3)集団的個別指導:保険請求金額が高額な医療機関を対象に、講習会形式と面接形式の2つで保険ルールを遵守するよう指導する

 2015年度に個別指導(新規個別指導を除く、以下同)を受けた保険医療機関等は4403件で、内訳は ▼ 医科1566件 ▼ 歯科1331件 ▼ 薬局1506件―となっています。前年度に比べて63件の減少です(医科38件減、歯科34件減、薬局9件増)。

 また個別指導を受けた保険医などは8275人(前年度から3791人の大幅減)で、内訳は ▼ 医科4287人(同3510人減)▼ 歯科1845人(同351人減)▼ 薬局2143(同70人増)―となりました。

 一方、集団的個別指導は1万3235件(同156件増)で、内訳は▼医科4305件(同135件増)▼歯科5002件(同56件減)▼薬局3928件(同77件増)―となっています。集団的個別指導については、請求点数が高額な保険医療機関等を対象に行われるもので、医療現場からは在り方そのものに強い批判があります。

90医療機関等・181人保険医等に監査を実施、保険指定取り消しは37件・26人

 著しいルール違反が疑われる場合には「監査」によって、事実関係が調査されます。その上で、ルール違反が確認された場合には、違反の程度に応じて「保険指定取消」「戒告」「注意」のいずれかの処分が行われます。

 2014年度に監査を受けた保険医療機関等は90件(同3件増)あり、内訳は ▼ 医科37件(同2件増)▼ 歯科45件(同増減なし)▼ 薬局8件(同1件増)―となっています。同じく監査を受けた保険医などは181人(同111人の大幅減)で、内訳は ▼ 医科78人(同34人減)▼ 歯科81人(同67人減)▼ 薬局22人(同10人減)―となりました。指導・監査を受けた件数・人数は、概ね前年度に比べて減少していることから、保険ルールに対する現場の理解が進んでいると見ることもでき、今後の動向に注目する必要がありそうです。

 監査の結果、ルール違反が確認され「保険指定取消」となった保険医療機関などは15件ですが、取消処分が決定する前に自ら保険指定を辞退した人(指定取消相当)を含めると、37件の保険医療機関などが保険指定の資格を失いました。内訳は ▼ 医科10件 ▼ 歯科26件 ▼ 薬局1件―となっています。前年度に比べて4件の減少(医科5件減、歯科7件増、薬局6件減)です。

 また保険指定取消(指定取消相当を含む)となった医師などは26人(前年度に比べて4人減)で、内訳は ▼ 医科7人(同1人減)▼ 歯科18人(同4人増)▼ 薬局1人(同7人減)―という状況です。

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指導・監査などの実施状況の年度推移


 保険指定取り消しとなった事例を見ると、「患者の母親から『医療費が高い』という指摘があり、監査の結果、付け増し請求(実際には行っていない処置、手術、検査)などが行われていた」「個別指導の中で、歯科医師が1人しかいないにも関わらず、異なる施設に入所する複数の患者に同一時刻に歯科訪問診療を行ったとの請求(架空請求)を行っていた」などのケースがあります。


 もちろん、こうした不正請求については診療報酬の返還がなされ、2015年度の返還金総額は124億3737万円(前年度に比べて8億8640万円減)となっています。

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指導・監査などに基づく返還金額の年度推移



http://www.jiji.com/jc/article?k=20161220035086a&g=afp
女性医師が担当の患者、生存率より高い 研究
〔AFP=時事〕(2016/12/20-14:16)

【マイアミAFP=時事】医療施設での治療で女性医師が担当した高齢者は、男性医師が担当した場合よりも生存率が高く、再入院の程度も低いとする研究論文が19日、発表された。
 米医学誌「JAMAインターナル・メディシン」に発表された研究結果は、2011~2014年に100万人以上を対象に分析した記録を基にしている。
 米ハーバード大学T・H・チャン公衆衛生大学院医療政策学リサーチアソシエイトの津川友介氏が主執筆者を務めた論文によると、女性医師の治療を受けた患者は、入院してから30日以内に死亡する確率、あるいは退院後30日以内に再入院する確率が著しく低かった。
 もし女性医師による結果が男性医師に同様に反映されたとすると、65歳超の高齢者を含む米政府のメディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)対象者だけでも、死亡者数を年間3万2000人減少させることができると研究チームは推定している。
 また女性医師による治療を受けた患者は、男性医師の治療を受けた患者に比べて、早死にリスクが40低く、30日以内に再入院するリスクも5%低かった。
 同研究では、こうした違いが生じる理由の解明は試みていない。ただ、これまでの研究では、女性医師が男性医師よりも臨床基準により詳細に沿う傾向があること、さらにはより患者中心のコミュニケーションを図ることなどが分かっている。【翻訳編集AFPBBNews】



http://www.sankei.com/region/news/161220/rgn1612200035-n1.html
医療機関の再開進まず 「患者いないと成り立たぬ」 福島
2016.12.20 07:07 産経ニュース

 「患者さんとおしゃべりしたこととか、昔のことをいろいろ思い出しますよ」。富岡町で「夜(よ)の森中央医院」を開業していた堀川章仁さん(68)は、人が立ち入らなくなった建物の中を歩きながらつぶやいた。無人になって、5年9カ月がたつ。

 夜の森中央医院は「桜のトンネル」で知られる富岡町北部にある夜の森地区にある。原発からは約7キロの距離にあり、放射線量の高い帰還困難区域に指定された。今は月1回程度、避難先の二本松市から戻ってくるという。

 今月15日、一時立ち入りする堀川さんに同行した。人の手が入らなくなった庭や駐車場の草木は伸び放題の状態。自宅に隣接する医院の建物に入ると、中は薄暗く、わずかにカビの臭いも漂う。

 堀川さんがカーテンと窓を開けると、陽光が差し込み一気に明るくなった。「ネズミが入ってくるから、長くは開けておけないんですよ」。患者に処方する薬を保管している調剤室には、ネズミとみられる小動物が薬を食い荒らした痕跡が残っていた。

 医院は昭和30年代の終わりごろに建てられたという鉄筋コンクリート2階建て。壁には東日本大震災の揺れの影響とみられるひびが入り、天井には雨漏りのような跡も見られた。

 南相馬市出身の堀川さんは平成3年、先代の医師に請われ院長に就いた。診療科目は内科や消化器科、循環器科、小児科の4つ。診察は1人で行っていた。

 建物の中には、レントゲン撮影用の機械が残されている。1台1千万円を超えるが、「避難して以来使っていないから、もう使えないな…」。別の場所で再び開業するには、建物の整備や医療機器をそろえるために1億円ほどの費用がかかるという。

 原発事故の避難区域にあたる双葉郡医師会の会長も務める堀川さん。現在は富岡町から西に約60キロ離れた大玉村にある町の仮設診療所などで勤務。双葉郡からの避難者のため、来年中にいわき市に新設される郡立診療所でも診察にあたる予定だが、富岡での再開は考えていないという。

 堀川さんは言う。「帰還する住民のために医療機関は必要。だが一定数の患者がいないと経営が成り立たないのも事実。最低でも5年、長ければ10~15年は採算が取れないだろう。この状況での再開は難しい」(野田佑介)



http://www.sankei.com/region/news/161220/rgn1612200037-n1.html
福島・双葉郡の8町村、医療機関の再開進まず 「病床数20以上」1院のみ
2016.12.20 07:08 産経ニュース

 東京電力福島第1原発事故による避難指示が出るなどした県沿岸部に位置する双葉郡8町村で、大半の医療機関が再開できない状況が続いている。来年3月には、避難区域のうち放射線量の高い帰還困難区域を除く大部分の地域で避難指示が解除される予定だが、住民の生活に不可欠な医療体制は十分に整っておらず、帰還に影響を及ぼすと懸念する声も上がっている。

 県地域医療課によると、16日時点で、診療所やクリニックなどは原発事故前の48から13、歯科は26から3にそれぞれ減少。病床数20床以上の病院は事故前に6つあったが、現在は広野町の高野病院だけになった。

 避難指示が解除された楢葉町や帰町宣言している広野町では医療機関の再開が進んでいるほか、富岡町や浪江町には町立診療所が開設された。しかし、第1原発が立地する双葉町や大熊町を含め、避難指示が継続している地域では再開の見通しが立っていない。

 県は手術や入院など双葉郡内の2次救急医療に対応するため、平成30年4月に富岡町内に病床数30床の「ふたば医療センター(仮称)」を開設するとしている。だが、県担当者は「住民帰還の進展には総合病院だけではなく、診療所やクリニックなどかかりつけの医療機関も必要」と話す。

 県は、医療機関の再開に向けた建物の改修費用補助や赤字分の一部補填(ほてん)などを実施しており、今後も国と支援策を検討するとしている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/487573
シリーズ: 新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会
具体的な政策提言、「医師10万人調査」の結果待ち
「中間的な議論の整理」は理念や方向性の提示

2016年12月19日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は12月19日の第6回会議で、第5回会議に続き12月22日に取りまとめ予定の「中間的な議論の整理」に向けた議論を行った(資料は、厚労省のホームページ)。

 「中間的な議論の整理」は、目指すべき医師の働き方等の理念や方向性の取りまとめにとどまる見通し。非公開のビジョン検討会後にブリーフィングした厚労省医政局担当者によると、渋谷座長は、具体的な政策提言は、井元研究班の調査結果を踏まえて、入れ込むべきとの考えだという。

 井元研究班とは、東京大学医科学研究所ヘルスインテリジェンスセンター健康医療データサイエンス分野教授の井元清哉氏が主任研究者を務め、厚労省が実施する「医師の勤務実態及び働き方の意向等に関する調査」で、10万人以上の医師と約1万2000施設の病医院を対象に、1週間のタイムスタディなども取り入れた勤務実態調査だ(『医師10万人調査がスタート!厚労省』を参照)。同調査の結果は、年明け1月の本ビジョン検討会に報告される予定。

 本ビジョン検討会は、(1)地域で市民と患者の生活を支える、(2)専門性の追求と人生の選択の両立、(3)生産性と質の向上、(4)経済活力(イノベーション・国際化)への貢献――という4つのビジョンを柱に、議論を重ねてきた。「中間的な議論の整理」の柱がこれら4つのままか、変更等を加えるかは検討中だという。

 「専門医の募集定員設定を」三重県知事提言

 19日のビジョン検討会では、構成員の一人、三重県知事の鈴木英敬氏が提出した「医師の地域偏在解消対策について」と「医療と介護の連携強化」という二つの資料についても議論した。

 「医師の地域偏在解消対策について」は、(1)地域ごと、診療科ごとに設定する専門医研修プログラムに係る募集定員に関して、国と都道府県が協議して定員数を決められる仕組み、(2)医療計画に、地域・診療科ごとで確保すべき医師の目標値を設定するため、地域ごと、診療科ごとの医師の配置数の現状を都道府県が把握できる仕組み、(3)専門医研修プログラムに1年程度の地域医療研修(へき地での診療)を組み入れるよう、法的に位置付け、(4)医師の偏在対策を推進するため、地域医療介護総合確保基金の活動など、医師確保・育成に向けた都道府県の財源確保――を提言した内容だ。

 (3)について、鈴木氏は「法的に位置付け」にはこだわっておらず、何らかの形で地域医療研修の仕組みが構築できればいいとの提案だ。ただし、構成員からは「本当にこうしたやり方がいいのか」との意見も出たという。

 「医療と介護の連携強化」では、(1)専門医研修プログラムに在宅医療の研修を一定期間組み込む、(2)医療・介護分野の資格を複数取得しやすいようにする、(3)看護職員の処遇改善および介護現場への就職促進・出向支援システムの構築、組織的活動がしやすいように介護施設に看護管理者を配置――を提言。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50238.html
毎年改定、実勢価格との差が大きい薬に限定- 薬価の抜本改革で4大臣が基本方針
2016年12月20日 17時00分 CB news

 塩崎恭久厚生労働相や麻生太郎財務相ら4大臣は20日、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針をまとめた。焦点となっていた「毎年改定」については、公定価格と実際の販売価格との間の乖離が大きい品目などが対象となる。市場実勢価格を毎年把握するための調査の方法などに関しては今後、中央社会保険医療協議会(中医協)で検討する。塩崎厚労相は近く開かれる経済財政諮問会議で基本方針について報告する。【敦賀陽平】

 現行では、医薬品卸売業者などを対象に2年に1度、全品目の市場実勢価格を調べ、下落幅を薬価に反映させているが、基本方針はこれを毎年実施することが柱だ。

 経済財政諮問会議の民間議員は、すべての品目の薬価を見直すよう求めていたが、基本方針では、販売価格との乖離の大きい品目に限定するとした。また、調査に協力する業者などへの負担に配慮し、通常調査の間の年については、対象を大手の医薬品卸売業者などに絞る。来年中に中医協で調査方法などを決め、2019年度にも「毎年改定」へ移行する。

 がん治療薬「オプジーボ」の薬価の問題は、非小細胞肺がんへの適応拡大で対象患者が急増したにもかかわらず、薬価を柔軟に変えることができなかった制度面の不備が原因だった。このため、効能追加などで市場規模が一定以上広がった場合は、年4回の新薬の保険収載のタイミングに合わせて薬価を見直す。これについては、早ければ17年度から実施する。

 また、革新的な新薬の創出を支援するため、特許期間中の新薬の薬価の引き下げを猶予する現行制度を抜本的に見直すとともに、費用対効果の高い薬の薬価を引き上げるなど、イノベーションを評価し、研究・開発投資の促進を図る。費用対効果の評価は、今年春から試行的に始まっており、今後の本格導入の在り方について、来年中に中医協で結論を得る。

 さらに、薬価が決まるまでのプロセスが不透明との指摘もあることから、価格の根拠の明確化などに向けた対策に加え、社会保障制度の違いによる価格差が懸念されている「外国価格調整」を改善させるための具体策についても、中医協で話し合う。このほか、制度改革の影響を受ける関係者の経営実態を把握し、必要に応じて対応を検討するとした。



https://www.m3.com/news/general/487762
ガーゼ放置疑い書類送検へ 北九州の院長、福岡県警
2016年12月20日 (火) 共同通信社

 北九州市小倉南区の産婦人科医院で、帝王切開で出産した女性(34)の体内にガーゼを放置して腹部を炎症させたとして、福岡県警が業務上過失傷害の疑いで、院長の男性(63)を来年1月にも書類送検する方針を固めたことが19日、分かった。院長は容疑を認めており、共同通信の取材にも「確認を怠ってガーゼを体内に残してしまい、申し訳ない」と話した。

 捜査関係者によると、院長は2012年4月、帝王切開手術で次男を出産した女性の体内にガーゼ1枚を放置、再び開腹手術をしなければいけない状態にした疑いが持たれている。

 女性は帝王切開手術の約2週間後、腹部の痛みを訴え、搬送された別の病院でガーゼを取り出した。ガーゼは約25センチ四方で、手術の際に止血に使われたものとみられる。

 女性は今年2月、福岡地検小倉支部に告訴状を提出したが、その後取り下げ、あらためて県警に被害届を出した。院長に損害賠償を求める訴訟も福岡地裁小倉支部に起こしている。



https://www.m3.com/news/general/487758
福岡、内科医院が破産、負債総額約3500万円
2016年12月20日 (火) 東京商工リサーチ

 貴光会(うきは市吉井町、2004年4月6日、高橋一之理事長)は11月28日、福岡地裁久留米支部より破産開始決定を受けた。破産管財人には富永孝太朗弁護士(青翠法律事務所)が選任された。負債総額は約3500万円。

 同社は2004年4月設立の内科医院「たかはし医院」を経営。うきは市の中心部にほど近く、診療科目は内科を中心に胃腸科、放射線科、呼吸科などで、地元に密着した運営にあった。2009年2月期の売上高は約9400万円をあげていたが、その後は来客数の減少や競合激化により減収を余儀なくされ、2016年2月期の売上高は3000万円にまで落ち込み、収益も赤字含みで推移していた。近年は資金繰りも不安定な状況となり、事業継続が困難となった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/485383
シリーズ: 2016年度マッチングに対する全国医学部生アンケート
「優れた指導者」は大都市部に多い?◆Vol.4
研修後を見据えて大都市部を選ぶ傾向

2016年12月20日 (火) 高橋直純、玉嶋謙一(m3.com編集部)

[初回はこちら]
Q 研修先として希望を提出された病院は、何を重視して選択されましたか?最も重視した項目を選択してください【複数選択】。

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 大都市部6都府県(東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県)とそれ以外の地方で見ると、どちらも一番は「臨床研修後の進路やキャリアを考えて有利」で同じだった。

 一方で、大都市部が多かったのが「臨床研修プログラムが充実」(8ポイント差)、「優れた指導者がいる」(6ポイント差)だった。
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 出身大学と研修先病院の所在地の関係を見てみると、「地方⇒地方」が57%、「大都市部⇒大都市部」が21%、「地方⇒大都市部」が14%、「大都市部⇒地方」が8%だった。
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 移動パターンごとに見ていくと、「地方⇒大都市部」を選んだ者が、臨床研修後の進路やキャリアを考えて有利」「優れた指導者がいる」「臨床研修プログラムが充実」を重視する傾向が見て取れた。

■回答者の属性
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 マッチングを運営する医師臨床研修マッチング協議会の最終結果では、大都市部6都府県(東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、福岡県)を除く道県(地方)の内定者の割合は580で、2004年度の新制度導入以降、最多となった。本アンケートの回答者では地方が65%で、地方の病院に決まった者からの参加が多かったことが見て取れる。

■マッチング参加者の声【4】
Q今回のマッチングに当たり、研修先を選ぶ過程で何を重視したか、どのような迷いや悩みがあり、最終的にどのように意思決定したかを具体的に教えてください。
・勉強会が多い都会か手技が多い田舎で迷ったが、自分で勉強するタイプだったので、田舎で初期研修することにした。【地方⇒地方】

・実家は三重県外だが、三重大学出身者が県内には多く、三重県に育ててもらった恩義もあったので、三重県で働くことにした。三重県内での研修先は人の雰囲気が肌に合うかを重視した。自分が候補にしていた他の病院の悪口を言うような病院はやめた。もちろん、将来進みたい診療科が揃っているか、症例数は十分かといったことは必要最低条件とした。【地方⇒地方】

・地域枠学生だが、地域枠制度で決められた通り出身大学での研修に進むか、地域枠を脱退して他の市中病院で研修を行うか迷った。地域枠学生として医学部合格をいただき、その義務を果たさなければいけないという思いがある半面、卒後数年間というまだ医師として未熟な期間で地域医療にあたるという制度に懐疑的な思いもある。個人的には地元への思い入れもあり、将来的には地元の地域医療に関わりたいとは思っているのだが、まずは専門医の取得などに力を入れたいが、地域枠の中でどの程度それが制約を受けるのかよく分からない部分が多く、不安が大きい。【地方⇒地方】

・秋田に残るか県外に出るかを最初に考えたが、将来秋田で働くことが決まっているので、まずは秋田の医療を見ようと思った。【地方⇒地方】

・実家のある関東に戻るか迷いましたが、縦横のつながりがある程度あり、安心して研修に専念できる環境で初期研修は行いたいと思い、出身大学のある県内で選びました。【地方⇒地方】

・地域枠で入学したので、大学以外の選択肢がなかった。【地方⇒地方】

・給料を選ぶと中小病院になってしまい、しっかりとした研修ができるのか不安だった。 歴史や研修内容が充実している大病院で考えると給料や福利厚生が低めになる。 最終的に内容と給料が充実していると考えたブランド病院を第一志望にして、滑り止めを給料が高い中小病院にした。【地方⇒地方】

・都市部にあり、研修できる科ができるだけ多いところを探した。東京での研修は大変だと聞いたので最終的に地方都市での研修を決めた。【地方⇒地方】

・初期研修は外に出て刺激の多い環境で鍛えるべきではないかと思って悩んだが、最終的には慣れ親しんだ土地で安心して研修したいと思い、選んだ。【地方⇒地方】

・実家に近い所を選択した。出身大学に残るか迷った。【地方⇒地方】

・出身大学の系列で、とも考えたが、視野を広げるためにも出身大学とは離れた新しい土・志 望科や入局先を決めていないため、自由選択期間が長く、科がそろっていて、色々な大学の医局が入っていることを重視しました。小児科も考えているので、特に小児科は症例数が多いことを考えました。また、専門医制度がどうなるかよく分からないことに悩み、早めに興味のある科を回りたく、スーパーローテートの病院は避けました。本当は実家が東京なので、東京で研修したかったのですが、東京で同様の条件を満たすところがなかったので、東京寄りの横浜の病院に決めました。【大都市⇒大都市】

・重視したのは、研修後も進路がある程度想像できることです。その中で関西圏を離れた市中病院か、近くの大学病院かで迷いました。最終的には、専門医制度の変更を考え、その上で都会近くであることと、関西圏である大学病院を選びました。【大都市⇒大都市】

・地元に戻るのか、都心に近いところにするのかで悩んだ。ただ将来地元に戻ることが決まっているなら、初期研修は外でしてもいいのかなと思い決断した。市中病院であること、指導医が多いこと、研修医が1st touchできる救急、全国から志高い研修医が集まること、などを総合的に判断した【大都市⇒大都市】

・寮や周辺のスーパーなどの生活環境を重視した。24時間営業のコンビニがある病院がいいと思っていた。研修医の人数は10人から20人程度がいいと思っていた。【地方⇒大都市】

・初期研修医の間に自分がどのような力を付けたいのかを考え、自分の納得できそうな研修ができるかどうかを重視した。具体的には研修内容や病院の規模や診療科、経験症例数など。また、1つ上になる研修医の先生や病院の雰囲気が自分に合っているかどうかも重視した。地方大学にいるので、別の地域の病院のリアルな情報(HPやレジナビに載っているものではなく)が得づらいのは大変であった。また、自分がどのような研修をしたいのか、という考えが固まるのに迷った。【地方⇒大都市】

・最初は大学病院を考えていたが、奨学金の返済や家族への仕送りがあるため、最終的には給料で選んだ。【地方⇒大都市】

・自分の大学と提携している病院へ行くか、全く別の大学の管轄の病院だけど自分の希望している県にある病院に行くか悩みましたが、挑戦する心を大事にして自分の大学の管轄ではない病院へ行くことに決めました。【地方⇒大都市】

・指導医の先生に気難しい先生がおられないか、研修医同士の関係が良好かを重視した。関連病院とはいえ、出身地でもない地方の病院に行くことに迷いがあったが、前述の事柄を重視した。医局人事で赴任した先生であれ、初期研修・後期研修で自分で選んで勤務している先生であれ、都会の利便性の高い病院に勤める先生方と比較すると人間的に円い人が多い気がした。【大都市⇒地方】

・自分が自由度を持って研修を行うことができる。ただ自由なだけではなく、適度な指導やレクチャーが受けられる。【大都市⇒地方】



https://www.m3.com/news/general/487826
【山形】済生館、1月から病床1割減 病児・病後児保育に活用
2016年12月20日 (火) 山形新聞

 山形市立病院済生館は来年1月1日から、県地域医療構想や入院患者数の実情を踏まえて全体の病床数585床の約1割に当たる57床を削減する。8階西病棟を閉鎖し、来年度以降、病児・病後児保育施設などとして活用したい考え。

 県内4地域の医療提供体制を描いた県地域医療構想では、2025年を見据えた場合、村山構想区域の高度急性期・急性期病床数が過剰になるとして病床規模の適正化や病床機能の転換を推進している。

 同病院の15年度の入院患者数の1日平均は423人で、1日最大509人。病床利用率は1992年度は91.7%に上ったが、2013年度以降は700台で推移し、200以上の病床が利用されていない状況が続いている。年の初めは入院患者数が少ないことなどから、患者の負担を極力減らすため元日の再編を決めた。

 8階西病棟55床のうち53床を閉鎖し、残り2床を隣接する8階東病棟に移管。10階にある人間ドック病床を8床から4床に減らす。病棟の閉鎖を受け、眼科を9階東病棟、内科の一部を6階東病棟へそれぞれ移す。救急専用・優先病床は2床増やして15床とする。

 西病棟閉鎖後は、病児・病後児保育施設や脳卒中センターリハビリテーション分室として活用するため、整備検討を進める。保育施設の整備計画に関しては来年度中に具体化させるという。



http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161221/k10010814401000.html
厚生労働省「医務技監」新設へ 最終調整
12月21日 4時06分 NHK

政府は、感染症への対策など国際保健の分野で日本が中心的な役割を果たせるよう、医療・保健分野の政策を統括するポストとして、厚生労働省に新たに事務次官級の「医務技監」を設置する方向で、最終調整に入りました。
厚生労働省は、国際的な脅威である感染症や、抗生物質などの薬が効きにくい「薬剤耐性菌」への対策など、重要課題が山積する国際保健の分野で日本が中心的な役割を果たすためには、省内で担当が複数にまたがる医療・保健分野の政策を統括する、新たなポストが必要だとしています。

このため、政府は、来年度の省庁の組織改編に向けて検討を進め、医療・保健分野の政策を統括するポストとして、厚生労働省に新たに事務次官級の「医務技監」を設置する方向で、最終調整に入りました。
「医務技監」には医師免許を持つ技官などが想定されていて、政府は来年の通常国会に必要な法案を提出する方針です。

一方、政府は厚生労働省の11の局のうち、労働基準局や職業安定局などの4つの局について、数は維持したうえで再編し、子ども・子育て支援に特化した「子ども家庭局」と、働き方改革に特化した「雇用環境・均等局」の2つの局を新設することになりました。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10912220Q6A221C1EE8000/
厚労省、医系技官の次官級ポスト新設 17年度
2016/12/21 0:29日本経済新聞 電子版

 厚生労働省は来年度、医療行政の司令塔を担う事務次官級ポストを新設する。名称は「医務技監」とする方向。医師免許を持った医系技官を充て、専門的な立場から医療や保健政策を統括する。感染症予防に関する海外当局との折衝など医療の国際連携も担う。初代は来夏の幹部人事で人選し、その後就任する見通しだ。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t284/201612/549363.html
特集◎「外科再生」は道半ば《プロローグ》
何とか免れた外科崩壊、次の一手の模索始まる

2016/12/21 満武 里奈=日経メディカル

 本誌は2009年4月、「外科崩壊」という特集を組み、厳しい労働環境やそれに見合わない給与を嫌った若手医師の外科離れが進んでいる実態をリポートした。それから7年余り。外科医不足には一応の歯止めが掛かり、事態は多少好転したかに見える。だが、決して外科医が充足しているわけではない。いまだ道半ばの「外科再生」に向けた取り組みを追った。

「このままでは外科医がいなくなってしまう」。そんな声すら聞かれた外科医不足の危機的な状況は、少しずつではあるが改善されてきた。学会をはじめとする外科系の団体が、診療報酬のアップや外科医の魅力をアピールする活動に力を入れてきたからだ。だが、「実際には外科医として働いていない高齢医師も増えており、実労働外科医師数はいまだに減少していると考えられる」。日本外科学会で外科医労働環境改善委員会の委員長を務める松居喜郎氏はこう話す。

 外科医不足が顕在化したのは2000年代のことだ。2004年にスタートした新臨床研修制度では、以前の研修制度で必修だった外科が「選択必修」扱いになり、外科の志望者が急減。前年まで年間1000~1300人で推移していた日本外科学会の新規入会者数は、2004年には半分以下に落ち込んだ(図1)。その後も2010年までは、入会者数が年間1000人を超えることはなかった。

 実は、新臨床研修制度が始まる前から外科医は減っていた。長期的に見ると、外科学会の入会者数は1980年代後半から徐々に減少を続けていた。日本臨床外科学会会長の跡見裕氏は、「新制度が外科医不足を加速させた」と指摘する。

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図1 日本外科学会の会員数と入会者数の変化(2000~2015年、日本外科学会のデータを基に編集部作成)(*クリックすると拡大表示します)

 2006年に外科学会が実施したアンケートでは、外科医が考える外科志望者の減少理由として、回答者の7割が「労働時間が長いから」「時間外勤務が多いから」「医療事故のリスクが高いから」を挙げていた。こうした厳しい労働環境を背景に若手医師の外科離れが進みつつあったところに、新臨床研修制度が追い打ちを掛けた。そして外科医療は2000年代末に、崩壊の一歩手前まで追い込まれることになった。

実現した手術料の大幅アップ
 そんな状況に強い危機感を抱いた学会などの団体が、この時期に相次いで行動を起こした。

 例えば、100の外科系学会から構成される外科系学会社会保険委員会連合(外保連)は、外科診療における適正な診療報酬のあり方を「手術報酬に関する外保連試案」として提示してきた。これを受けた2010年度の診療報酬改定では、「外科医療の再建」がテーマの1つに掲げられ、難易度の高い手術の報酬が30~500引き上げられた(表1)。

 その後も、外保連では診療報酬の適正化に加え、外科医の勤務環境改善などを行政に働き掛けている。「外科医の技術料をいかに評価してもらえるかという観点で活動を続けている」と会長の岩中督氏は語る。

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表1 近年の診療報酬改定における手術料の見直しの経緯(編集部作成)(*クリックすると拡大表示します)

 また、医療界や経済界、政界の幅広いメンバーで構成するNPO法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」は、医学生と若手医師向けの外科手術セミナーや現役の外科医師による講演会を、2011年から全国各地で実施。さらに、研修医向けのセミナーを外科学会と年2回共催しているほか、外科医の待遇改善を厚労大臣に要望する活動も行っている。

 副理事長の北島政樹氏は、「外科医不足に手をこまねくのではなく、地道に努力をし続けるしかない。外科医としての喜び、やりがいを若い世代に伝えていかなければ」と話す。

 一方、臨床外科学会では、外科医にあこがれる医師を生み出すべく「次世代若手医師向けセミナー」を2013年から毎年実施している。著明な外科医の話を聞く機会を設けた泊まり込みの研修で、全国各地から集まった医師同士が、外科医療を通じた仲間となってもらうことを狙いとする。

 さらに同学会では、「若手国内研修制度」も2016年に開始。研修生に研修費用を補助するだけでなく、研修先にも謝礼金を渡す制度で、若手医師が各領域の第一人者の元で研修できるようアレンジするのが特徴だ。

 初年度となる今年は、14人の医師がこの制度を利用した。例えば、肝臓手術は日本大学医学部長の高山忠利氏の元で、消化管外科は京都大学教授の坂井義治氏の元で、若手医師が1~2週間、腕を磨いた。

 こうした各団体の努力が功を奏し、外科医不足は一時期の危機的な状況を脱することになった。図1を見て分かる通り、外科学会の会員数は上昇基調に転じている。

 しかし、安心できる状態になったかといえば、決してそうではない。日本外科学会会員を対象に行われたアンケートによると、外科医が支援を求めているものは図2の通り。いまだ外科医が過酷な労働環境に置かれていることが分かる。

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図2 外科医が支援を求めているもの(「平成24年度日本外科学会会員の労働環境に関するアンケート調査報告書」より上位8位を抜粋)(*クリックすると拡大表示します)

 次回からは、これらの要望に応えることで、スムーズな外科医の確保を実現している現場の工夫を見ていくことにする。



http://mainichi.jp/articles/20161221/ddm/008/010/114000c
薬価
改定、官邸の意向 業界反発、依然強く

毎日新聞2016年12月21日 東京朝刊

 薬価制度改革を巡り、政府は20日、毎年すべての薬の市場価格を調査し、薬価を改定することを柱とした基本方針を決定した。高騰する医療費の抑制を目指す首相官邸の強い意向を反映した内容だが、製薬業界などの反発は依然根強い。

 「国民皆保険の持続性と(製薬業界の)イノベーション(技術革新)を両立する」。同日開かれた菅義偉官房長官ら関係4大臣会合後の記者会見で、塩崎恭久厚生労働相は改革の意義を強調した。

 公的保険が適用される薬価は現在、医療機関が薬品卸会社などから購入する際の市場価格を2年に1回調査し、翌年の薬価改定に反映させている。基本方針では、その間の年は調査対象を大手卸会社などに絞ったうえで、すべての薬の価格を調査。市場価格と従来の薬価の価格差が大きい品目の価格を引き下げるとした。売り上げが拡大した薬については2017年度から年4回見直す機会を新たに設け、医療費抑制や国民負担の軽減につなげたい意向だ。

 薬価の毎年改定は、過去にも財務省が厚労省に求めたが、製薬業界などが「利益が減少し新薬開発に支障が出る」と主張し実現しなかった。だが、今春以降、超高額のがん治療薬「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)の薬価引き下げが焦点となったことで官邸が乗り出し、臨時引き下げを主導。他の薬も、菅長官が「熱いうちに決めるべきだ」と毎年改定の検討を指示した。政府は社会保障費の伸びを抑えるため17年度以降、医療・介護分野で一部高齢者の優遇見直しを求める方針で、「負担増だけでは国民が納得しない」(官邸周辺)との思惑もある。

 ただ、基本方針では、製薬業界の反発に配慮し、市場価格と従来の薬価の価格差がどれだけ開いた薬を改定対象とするか基準を明示しなかった。そのため、厚労省内では新たに改定する際の価格差を「150以上」と現在の20より緩める案も浮上。菅長官は同日の記者会見で「(価格差の基準は)決まっていない」と述べ、改革を「骨抜き」にしようとする動きをけん制。米国のプリツカー商務長官が、菅長官あてに改革に反対の書簡を送るなど外圧も強まっている。厚労省を中心に年明け以降に検討する制度設計の動向が注目される。【小倉祥徳、細川貴代】


  1. 2016/12/21(水) 05:53:39|
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