Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月17日 

http://mainichi.jp/articles/20161217/ddl/k06/040/042000c
米沢2病院
市立と三友堂、建て替え視野に連携 経営難で再編も /山形

毎日新聞2016年12月17日 地方版 山形県

 米沢市立病院(同市相生町、322床)と民間の三友堂病院(同市中央、190床)が、双方の建て替えを見据えた連携で合意したことが16日、分かった。ともに医師不足と経営難に加えて、建物の老朽化に伴う建て替えの必要性に迫られており、病院再編や地域医療連携推進法人の設立、診療科の役割分担などが選択肢という。検討委員会を来月に設置し、初会合を開く。来年中に建て替えの結論を出したい考え。

 先月7日に中川勝市長と三友堂病院の仁科盛之理事長らが検討委の設置で合意。中川市長は「2016年度中に民間病院との連携の方向性を示したい」と発言していた。

 検討委のメンバーは、中川市長や仁科理事長の他、米沢医師会長や山形大学医学部教授、県地域医療対策課長ら。将来的な地域医療の確保を課題とし、人口減少を見据えて県が9月に策定した「県地域医療構想」を踏まえ、市内の救急医療体制の維持や病床数再編なども話し合う。

 市立病院は1958年に発足。35の診療科を持ち、外来診療棟は65年に完成。三友堂病院は1886年に三友舎として開設。19の診療科を持つ。リハビリセンターや看護専門学校なども運営している。【佐藤良一】



http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/311531.html
「医学部地域枠」拡充へ 静岡県、2大学と協定
(2016/12/17 08:24)静岡新聞NEWS

 静岡県は16日、県内病院での勤務を条件に県外の医学生に奨学金を出す医学部地域枠について、順天堂大(東京都)、川崎医科大(岡山県)と協定を結んだ。川勝平太知事と両大学関係者が県庁で調印式に臨んだ。静岡県の地域枠は6大学計26人分になった。
 入学募集時から将来的に静岡県内での勤務を希望する受験生を募る推薦入試。入学定員の増員となるため国の認可が必要になる。これまでも5人分の地域枠があった川崎医科大は10人分に拡充され、順天堂大は新たに地域枠5人分を設けた。
 川勝知事は「医師不足が深刻な中、地域枠の設置は大変励みになる」と謝意を伝えた。伊豆の国市に医学部付属病院を置く順天堂大の新井一学長は「静岡県は第二の地元。静岡のために地域枠を活用したい」、川崎医科大の福永仁夫学長は「地域医療に貢献する医師を育てるという思いを県と共有する」とそれぞれ話した。
 地域枠で在学6年間に貸与される最大1440万円の奨学金は、県内病院に一定期間勤務すると返還を免除される。



http://www.asahi.com/articles/ASJDK3D45JDKUBQU00G.html
日本専門医機構の新整備指針、社員総会で承認
寺崎省子
2016年12月17日10時32分 朝日新聞

 日本専門医機構の社員総会が16日あり、2018年4月の開始を目指す新しい専門医制度の基本理念や骨組みを定めた新整備指針が承認された。地域医療への配慮や、研修の中心となる基幹施設は一般の病院もなれる基準にすることなどが明記された。

 これまでは、各学会が経験年数や手術件数などで独自に専門医を認定していた。しかし、基準にばらつきがあり、質が必ずしも保証されていなかったため、厚生労働省の検討会の報告書に基づき、中立的な第三者機関である機構が統一的な基準で認定する新しい専門医の制度ができた。

 そこで指針では「専門医」について、各専門領域で「国民に標準的で適切な診断・治療を提供できる医師」と定義。制度確立の基本理念として、①プロフェッショナル・オートノミー(専門家による自律性)に基づいた専門医の質を保証・維持できる制度であること②国民に信頼され、受診にあたり良い指標となる制度であること③専門医の資格が広く認知される制度であること④医師の地域偏在などを助長することがないよう地域医療に十分に配慮した制度であること――を掲げた。

 今後、新たに医学部を卒業し診療に携わる医師は、原則としていずれかの専門領域を選び、その基本領域学会の専門研修を受けることを基本とする、とした。

 また、養成の中心となる基幹病院の基準が大学病院に集中すれば、研修を受ける医師が大学病院に集まることで指導医が地方から引きあげられれば、都市部への医師偏在がより進み、地域医療に影響が出かねないと心配する声が出ていた。

 このため、「専門医育成の質を保証するものが最も大切であるという条件のもと、大学病院以外の医療施設(病院など)も基幹施設となれる基準とする」「研修を受ける医師が集中する都市部の都府県に基幹施設がある、基本領域のプログラムの定員などについては、都市部への集中を防ぐため、運用細則で別途定める」と明記された。

 機構は来年1月に、19の基本領域の運用細則を決め、同6月から研修を受ける希望者を募る予定だ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/487033?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161217&dcf_doctor=true&mc.l=196275880
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、2018年度開始に向け前進
日本専門医機構、社員総会で「新整備指針」了承

2016年12月17日 (土) 橋本佳子(m3.com編集部)

 日本専門医機構の社員総会が12月16日に開かれ、「専門医制度新整備指針」を了承した。新整備指針は、12月9日の同機構理事会で了承を得ており、正式に決定したことになる(内容は、『新専門医制度の「新整備指針」、機構理事会了承』を参照)。出席した23の社員のうち、1学会のみ当該学会の理事会報告後に正式に了承するという条件付きだが、それを含めた了承だ。

 来る2017年1月13日に開催予定の同機構理事会で、新整備指針の運用細則を決定。各基本領域の専門医研修の運用を担う各学会は、専門研修プログラム整備基準を作成、それを基に各基幹病院は専門研修プログラムを作り、2017年4、5月頃には専門研修プログラムの2次審査を終え、6月頃から専攻医の募集を開始、2018年度から新専門医制度を開始するスケジュールを予定している。

 社員総会後、日本医師会会長の横倉義武氏は、「新整備指針は、われわれの7項目の要望を満たした内容になっている」と評価。日医は11月、日本専門医機構に対し、「都道府県ごとに、大学病院以外の医療機関も含め、複数の基幹施設を認定する」など、地域医療への配慮などを求める7項目の要望書を提出していた(『新専門医「整備指針」、地域医療に配慮し12月に改訂』を参照)。

 日医副会長で、日本専門医機構副理事長の松原謙二氏も、社員総会後、「地域の医師偏在を助長しないよう、専門研修プログラム整備基準や専門研修プログラムの作成などを進めてもらいたい」と述べた。

 「専門医制度新整備指針」は、2017年度から開始予定だった新専門医制度の整備指針(2014年7月作成)の改定に当たる。改定前の指針では、大学病院あるいは都市部への集中が懸念されたことから、新整備指針では、「各施設の認定基準は、研修内容が専門医育成の質を保証するものが最も大切であるという条件のもと、大学病院以外の医療施設(病院等)も基幹施設になれる基準とする」「機構は、基本領域学会と協同して、研修プログラム制による専攻医登録をする際に、医師の都市部への偏在助長を回避することに努める」など、地域医慮への配慮を求める記載がある。

 そのほか、日本専門医機構と各基本領域学会との関係も変わり、改定前は同機構主導だったが、新整備指針では、両者が協同する体制になった。年次(例えば3~5年)ごとに定められたプログラムに則って研修を行う、プロセス重視の研修プログラム制以外にも、到達目標で研修の進捗を管理するアウトカム重視の研修カリキュラム制を認めるなど、各基本領域あるいは各専攻医の特性や意向を踏まえ、柔軟に運用できる制度に変更した(これまでの検討経緯は、シリーズ『真価問われる専門医改革』を参照)。

 新整備指針は、新専門医制度の基本骨格であり、地域医療にどんな影響が生じるかは、各基本領域学会や各基幹施設が作成する専門研修プログラム整備基準、専門研修プログラムにかかってくる。さらに、日本専門医機構においても、運用細則のほか、総合診療専門医養成の在り方やサブスペシャルティの問題など、検討すべき課題はいまだ山積している。特に、2018年度から19の基本領域で新専門制度をスタートさせるには、総合診療専門医の検討が急務だが、議論は深まっておらず、同専門医の先行きはやや不透明だ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/487080
薬価制度の抜本改革案、明らかに、4大臣会合へ
「毎年調査」は全品目、改定は価格乖離大の品目

2016年12月17日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 3つの柱から成る薬価制度の抜本改革の基本方針案がこのほど明らかになった。12月19、20日にも開かれる塩崎恭久厚労相、菅塩崎厚労相ら4大臣で検討し、基本方針を決定、経済財政諮問会議に報告する。改革により、「国民皆保険の持続性」と「イノベーションの推進」の両立を図り、「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」の実現を目指すとしている。

 改革の柱の一つが「薬価の毎年改定」で、12月7日の同諮問会議で合意が得られていた。焦点だった対象薬は、一部ではなく全品で、薬価調査で価格乖離が大きい品目について、薬価改定を行う(『薬価の毎年改定」で一致、「全品か一部か」が焦点』を参照)。日本医師会も、この方針については一定の理解を示していた(『薬価の毎年改定、「乖離率大」なら理解、日医』を参照)。

 薬価調査の毎年実施は、関係者の負担が大きいことが懸念されていた。大手事業者等を対象に調査を行うことを想定しており、その具体的方法を今後検討する。併せて現在は2年に1回実施している通常の薬価調査についても、調査結果の正確性や調査手法等について検証し、見直しを検討する。いずれも、2017年中に結論を得る。

 残る2つの改革の柱は、(1)オプジーボに代表されるように効能追加等に伴い、市場が一定規模以上拡大した薬については、新薬収載の機会を最大限活用して、年4回薬価を見直す、(2)革新的新薬を促進するため、現在は試行的に導入されている新薬創出・適応外薬解消等加算制度をゼロベースで見直し、費用対効果が高い薬の薬価は引き上げるなど費用対効果評価を本格的に導入、真に有効な医薬品を適切に見極め、イノベーションを評価し、研究開発投資の促進を図る――だ。

 さらに改革と併せた今後の取り組みとして、(1)薬価算定方式の正確性・透明性徹底に向けた、薬価算定の根拠の明確化、薬価算定プロセスの透明性向上、高額医薬品等に関する外国価格調整の方法改善、(2)薬価制度改革により影響を受ける関係者の経営実態把握、必要に応じた対応、(3)長期収載品に依存するモデルから、より高い創薬力を持つ産業構造への転換に向けた、革新的バイオシミラーの研究開発支援方策などの拡充、ベンチャー企業への支援、後発医薬品企業の市場での競争促進、(4)医薬品流通の効率化、流通改善の推進、市場環境変化に伴う収益構造への適切な対処、特に単品単価契約の推進と早期妥結の促進について効果的な施策、(5)評価の確立した新たな医療技術に関する、費用対効果を踏まえつつ国民に迅速に提供するための方策の在り方――の5点について検討し、結論を得ることを求めている。



https://www.m3.com/news/general/486889
死亡率5%減へ数値目標 脳卒中・循環器病、5カ年計画 関連学会が策定
2016年12月17日 (土) 朝日新聞

 脳卒中と循環器病の死亡率を5%減らすことなどを目標にした5カ年計画を、日本脳卒中学会と日本循環器学会が16日、発表した。関連19学会の協力を得て初めて策定した。計画は2035年まで5年ごとに見直しながら強化する。目標の実現に、「脳卒中・循環器病対策基本法」の法制化を求める活動も進める。

 脳卒中と、心不全や心筋梗塞(こうそく)などの循環器病は、悪化と軽快を繰り返しながら生活の質を低下させる。合わせた死亡数は65歳以上ではがんと肩を並べ、75歳以上ではがんを上回る。介護が必要となる原因の約4分の1を占め、平均寿命と、日常生活に制限がない「健康寿命」との差をもたらす最大の原因とされる。

 計画では、脳卒中と循環器病の年齢調整死亡率を5年間で5%、10年間で10%減少させ、健康寿命を延ばすことを大目標に設定、その実現のために、たばこや飲酒など生活習慣や危険因子の管理についても数値目標を盛り込んだ。

 医療体制の充実のため、急性期の患者を速やかに適切な医療機関に救急搬送できる仕組みをつくる。24時間365日外科的治療も可能な「包括的センター」を核に、専門的な検査・治療を担う「1次センター」を設け、ネットワーク化を進める。

 (寺崎省子)

 ■5カ年計画の主な目標

<全体>
・脳卒中と循環器病の年齢調整死亡率を5%減、健康寿命を延伸

<生活習慣や危険因子の管理>
・喫煙率を19%(昨年)から15%へ2割減
・1日の食塩摂取を2グラム減
・多量飲酒者(アルコール換算1日60グラム)の割合を10%減
・運動習慣がある人の割合を倍増、1日の平均歩数を1千歩増
・収縮期血圧(上の血圧)を2ミリHg下げる
・糖尿病患者数を減少へ
・脂質異常症の有病率を10%減
・BMI(体格指数)30以上の人の割合を10%減



https://www.m3.com/news/general/487046
深堀り・熊本地震:医療機関の免震対策を 総合周産期母子センター、全機能喪失 /熊本
2016年12月17日 (土) 毎日新聞社

 熊本市民病院(熊本市東区)は熊本地震で、県内最大の総合周産期母子医療センターの全機能喪失という国内では前例のない事態に直面した。新生児集中治療室(NICU)18床、継続保育治療室(GCU)24床を抱えていた同院北館は、4月16日の本震では倒壊の恐れがあると入院患者全員を転院、退院させざるを得なかった。同院の川瀬昭彦・新生児内科部長は「補完しにくい部門を抱える医療機関は免震などの災害対策が整った施設に建て替えてほしい。大規模NICUは自治体病院に多く、経営的に思わしくない所には国の補助も検討すべきではないか」と提言した。【福岡賢正】

 ■本震時の治療中は38人

 同院北館のNICUの病床数は県内の4割近くを占め、県内で生まれる体重1000グラム未満の超低出生体重児の3分の2、先天性の心疾患や心臓病の全新生児を受け入れていた。川瀬部長によると、本震時はNICUに18人、GCUに20人が入院中。このうち7人が人工呼吸器、6人が鼻にはめる呼吸補助、2人が酸素投与を受けていた。

 センターでは4月14日の前震後、通常業務を続けながら避難時の優先順位(トリアージ)を確認して色分けしていた。色分けは四つで、症状の重い順に黒、赤、黄、緑のタグをつけた。人工呼吸管理などをする赤タグは17人、輸液や管で栄養を取る黄タグが19人、哺乳瓶で口から飲めて搬送用バッグで保温しながら避難できる緑タグは2人だった。窒素療法や低体温療法、終末ケアなど最重度の黒タグがいなかったことは幸いした。川瀬部長はこう振り返った。「本震は看護師の勤務交代の時間帯に起き、勤務が終わりかけの10人と勤務始めの10人の計20人がいたのも幸いでした。そうした幸運が重なって、当直医は迅速に避難を決断した」。川瀬部長が熊本市東区の自宅から病院に駆けつけた時には看護師たちが手分けして1階のリハビリ室に38人の避難を終えていたという。

 しかし、その後も気の抜けない状況は続いた。人工呼吸器をつけていた7人には一刻も休むことなく手押しのバッグから空気を送り、酸素の配管がないリハビリ室では交代でボンベから8人に酸素を投与し続けた。新生児の体を冷やさないように毛布や職員の上着などをかけて保温に努め、余震の度に看護師らが新生児の上に覆いかぶさった。

 ■県内外の12病院に搬送

 川瀬部長は新生児内科でみていた子供の転院先を確保しようと主に二つのルートを探った。一つは新生児生育医学会災害対策委員会の災害時連絡網を通じて福岡、佐賀、鹿児島各県などのNICUの部長に連絡を取るルート。もう一つはNICUを持つ熊本大学病院(熊本市中央区)と福田病院(同)、久留米大学病院(福岡県久留米市)に市民病院から連絡するルートだ。

 災害時連絡網には各部長の携帯電話番号とメールアドレスが登録されており、熊本大学病院や福田病院には県から救急搬送時の連絡用として産科と新生児科にPHS端末各1台が配布されていた。連絡は順調に取れ、各病院から周産期医療専用のドクターカーが迎えにきたり、災害派遣医療チーム(DMAT)が手配して福岡県から派遣されていた自治体の救急車や市民病院のドクターカーなどで送り出したりできた。

 当初は熊本大学病院が10人、福田病院が11人を受け入れたが、収容能力やライフラインの問題もあり、両病院から鹿児島市立病院(鹿児島市)のヘリで同病院や九州大学病院(福岡市東区)などへ2次搬送された。結果的に新生児38人のうち37人が県内外の12病院に搬送され、1人は退院した。川瀬部長によると、時間がたって亡くなった子はいたが、震災関連死に認定された新生児は把握されていない。ただ、「幸運が重なり、周囲のNICU施設の協力などでたまたまそうなっただけで、よくやったという感じは全くしない」と語った。

 熊本市民病院は今月、2001年に建設された耐震性に問題のない事務棟の新館内を改造してNICU 9床とGCU 5床を稼働させる。熊本大学病院と福田病院にはNICU各3床が増設され、県内のNICUの病床数は被災前に近づく。しかし市民病院に産科部門はなく、心臓病も手術できない。他県などに送り出した妊婦から生まれた子供の病状が安定した後に受け入れるしかなく、県外頼りの状態は当面続く見通しだ。川瀬部長は「地震だけでなく、普段から自分の病院が使えなくなった時、入院患者をどう割り振るかを考えておくべきで、都道府県を超えた連携を意識しておく必要がある」と訴える。

 同院は北館、南館と事務棟の新館の三つの建物からなる。1979年建設の南館は耐震基準を満たさず、昨年度に建て替えの着工予定だったが、資材費高騰などで総工費が当初の133億円から209億円に膨らみ、延期されていた。前震時は救急患者約300人を受け入れるなど治療を継続できたが、本震で壁に多数のヒビが入り、柱も破損、損傷した水道管で水浸しになるなどして、南館だけでなく北館も倒壊の恐れがあると判断。約310人の入院患者全員を転院、退院させた。

 ■1282施設が建物など被害

 県が県内の全医療機関2530施設に行ったアンケートによると、半数超の1282施設が建物や医療機器などに被害を受け、入院患者2912人が転院(1625人)や退院(1287人)を迫られた。昨年9月時点の病院の耐震化率(厚生労働省調べ)は62・6%と全国平均を約7ポイントも下回り、全国で下から7位だった影響を受けたとみられる。

 耐震化の遅れは全国の医療チームが補った。県災害対策本部は前震後、DMATの派遣を要請。活動を終えた4月22日までに508チーム(2199人)が救命救急や外傷治療、入院患者の転院支援などを行った。DMATの活動を引き継ぎ、避難所や在宅被災者への健康支援などを担う日本医師会災害医療チーム(JMAT)は6月2日までに563チーム(2515人)、日本赤十字社救護班339チーム(1894人)、全国知事会医療救護班199チーム(1041人)と続々と熊本に入り、県内の医療機関が再開するまでの治療などを担った。

 JMATが地震直後から被災地で本格的に活動したのは熊本地震が初めてだった。関係者によると、日本医師会がJMAT結成を検討中だった2011年3月11日に東日本大震災が発生し、JMATが結成されて同15日に派遣を決めたが、被災直後の急性期を担うDMATから亜急性期、慢性期を支えるJMATへの引き継ぎが課題とされた。今回は本震翌日の4月17日には県医師会が県外のJMATへ派遣を要請。県医療政策課医療連携班の冨安智詞班長によると、被災直後から現場でともに活動することで円滑に引き継ぎもできたという。

 県の災害対策本部の医療救護対策室に災害医療コーディネーターが常駐し、広域に及んだ被災地の医療ニーズを把握して派遣調整したことも、うまく連携できた要因という。コーディネーター制度は、地域で医療支援に濃淡が出た東日本大震災の教訓から、県が13年6月に九州で初めてスタートさせ、4月までに訓練を受けた医師15人が登録していた。コーディネーターは医療機関の被害状況や支援要請を集約し、自衛隊やDMATなどの担当者と連絡し、搬送車両や医師らの派遣を手配。「専門的な知識と技能を持つ医師が対策本部で的確に指示するので、非常に心強かった」と言う。

 冨安班長は「医療救護活動の遅れで死者が出たり、病気も拡大せず、震災関連死も比較的に少なかったのではないか」と話した。反省点に▽被災した保健所が地震直後は機能しなかった▽保健所に設置した地域調整本部にも本部同様の調整役が必要――などを挙げた。

………………………………………………………………………………………………………

 ■熊本市民病院からの搬送先■

病院名     (所在地)     1次搬送 2次搬送

福岡こども病院 (福岡市東区)      4    4
九州大学病院  (福岡市東区)      0    2
聖マリア病院  (福岡県久留米市)    3    3
久留米大学病院 (福岡県久留米市)    1    1
佐賀病院    (佐賀市)        2    2
熊本大学病院  (熊本市中央区)    10    5
福田病院    (熊本市中央区)    11    8
慈恵病院    (熊本市西区)      2    2
熊本労災病院  (八代市)        0    1
都城医療センター(宮崎県都城市)     1    1
鹿児島市立病院 (鹿児島市)       3    6
今給黎総合病院 (鹿児島市)       0    2

      計             37   37



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161218-00000007-asahi-soci
看護部長ら退職・経営難…患者中毒死の病院「まだ混乱」
朝日新聞デジタル 12/18(日) 5:01配信

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者2人が相次いで中毒死した事件は、最初の犠牲者が出てから18日で3カ月になる。物証が乏しく捜査は長期化の様相を見せる一方、病院は経営難から年内に入院病棟(85床)を閉鎖する方針を決め、地域医療への影響も懸念されている。

 病院には今も連日、神奈川県警の捜査員が出入りする。事件後、病院は再発防止のために看護態勢を強化し、警備員を常駐させるなどしてきたが、ある病院関係者は「経済的な損失は非常に大きい」。入院病棟の閉鎖に向け、患者の転院を進めている。

 県警のこれまでの調べでは、院内で使われていた消毒液が点滴に混入されたとみられており、医療器具に詳しい院内の関係者の関与が疑われた。ただ、物証に乏しく、院外から侵入した者が事件を起こした可能性も排除しきれないという。

 県警は殺意の立証や混入があった時間帯の絞り込みを進めるため、点滴に混入された消毒液「ヂアミトール」の致死量について専門家に分析を依頼するなどしている。だが、ある捜査関係者は「進展につながるものがない」と打ち明ける。

 高橋洋一院長は「まだ混乱している」と言葉少なに話す。看護部長を始め、退職する看護師も出始めた。事件が起きた4階に入院患者はおらず、3階にわずかに残っている。勤務する看護師は「責任もあるし、最後の患者さんが転院されるまで辞めない。ただ事件の真相がわからず、情報が欲しい」。


  1. 2016/12/18(日) 07:18:53|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<12月18日  | ホーム | 12月16日  >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する