Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

12月6日 

http://www.carenet.com/news/general/cbnews/43065?utm_source=m1&utm_medium=email&utm_campaign=2016120300
専門医整備指針の改訂案「学会回帰を懸念」―日病・堺会長
2016/12/07 CBnews

 新専門医制度の骨格となる「整備指針」の見直しで、専門医を目す専攻医の一次審査を各学会が担うことなどが提案されていることについて、日本病院会(日病)の堺常雄会長は28日の記者会見で、「われわれの懸念は学会に回帰することだ」と指摘。学会間で審査にバラつきが生じ、結果的に専門医の質の低下につながる恐れがあることに懸念を示した。

 専門医の養成をめぐっては、従来の学会主体から、第三者機関の日本専門医機構(機構)が養成プログラムの評価や認定を行うことを柱として、2017年4月からの新制度の開始を目指して準備が進められてきた。しかし、新制度が導入されれば、指導医や症例数が多い大病院や都市部の病院への医師の偏在が深刻化しかねないなどとして、医療現場から延期を求める声が根強かった。そのため、機構は新制度の全面スタートを1年延期することを決めた。

 また機構では、新制度に向けて専門医を育成する研修基準などを定めた「整備指針」の改訂を検討しており、専攻医の一次審査については各学会が行い、二次審査は機構が担うことなどを提案している。

 28日の会見で堺会長は、「整備指針」の改訂案について、「学会に振り子が戻ったような感じだ」と述べ、審査のバラつきをなくし、専門医の質を担保する新制度の主旨に反するとの考えを示した。その上で、「もう少し機構が力を出していただきたい」とし、専攻医のすべての審査を機構が担うべきとした。

新専門医、「定員を設けるべき」で一致

 26日に開かれた日病の理事会では、新制度であらかじめ研修施設ごとに専門医の定員を設けるべきとの見解で一致したという。

 会見で堺会長は、「入り口での数のコントロールが必要」と述べ、大病院や都市部の病院への医師の偏在をなくすために、専門医の募集定員を事前に設ける必要があるとした。

(2016年11月28日 松村秀士・CBnews)



http://www.asahi.com/articles/SDI201612013786.html
プラセボの不思議な効果
アピタル・大野智
2016年12月6日06時00分 朝日新聞

 「プラセボ」って知っていますか。

 有効成分を含まない、つまり治療効果のない薬のことです。日本語では「偽薬(ぎやく)」と訳されています。

早食いは肥満のもと!?
これって効きますか? はこちらから
 そして、治療効果がないはずのプラセボを飲んだ場合でも、「薬を飲んだ」という心理的作用で効果を発揮することがあり、これを「プラセボ効果」といいます。ですから、臨床試験で薬の効果を検証する際には、このプラセボ効果を差し引いて、本当の意味での薬(試験薬)の効果を確かめる必要があります。

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 実際には、「二重盲検比較試験(double blind test)」と呼ばれる研究手法によって臨床試験が行われます。その際、臨床試験に参加した被験者も、臨床試験を実施している医師も、本当の薬を飲んでいるのかプラセボを飲んでいるのか分からない仕組みが必要になります。そのため、プラセボは、見た目だけでは本当の薬と区別がつかないように作られます。

 ところが、臨床試験に参加した被験者に、あえて「これはプラセボですよ」と説明した上で飲んだ場合でも、治療効果を発揮する可能性があることを示唆する研究結果が最近報告されました。[文献1]

 この研究では、慢性腰痛患者97名を対象に、事前にプラセボ効果に関する説明(15分間程度)をした後、「従来の治療のみ実施した群(従来治療群)」と「従来の治療にプラセボを追加した群(プラセボ追加群)」の2群に振り分けて、3週間後の痛みの程度(0-10点で評価)や日常生活における不便さ(身体障害に関するアンケート調査)を評価しています。なお、プラセボ追加群に渡されたボトルには、「プラセボ薬」と明記されているという徹底ぶりです。

 そして、解析に不適切な患者を除いた従来治療群42名とプラセボ追加群41名を比較検討した結果は次のとおりです。

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 なんと、従来治療群に比べてプラセボ追加群の方が、腰痛の程度や日常生活の困難度においてより改善したという結果が明らかとなりました。つまり、臨床試験に参加した被験者は、薬がプラセボであることを知りなら飲んでも、症状が改善したということになります。

 さらに、この臨床試験には続きがあり従来治療群の被験者は、最初の評価を終えた3週間後の時点からプラセボを飲み始めたところ、そのさらに3週間後には、通常の痛みが38%、最大の痛みが29%、身体障害が40%改善しているのです。

 しかし、この研究にも限界はあります。

論文の著者らは、今回の研究は参加人数が少ないため実際の臨床現場ですぐに応用できるかどうかはさらに検証が必要なこと、3週間という短い期間での効果を調べたに過ぎず、長期間にわたる効果は不明であることなどを今後の課題として挙げています。

 ですが、これまで「有効な薬を飲んでいる」という患者の思い込みによって起こると考えられていたプラセボ効果が、種明かしをした後でも効果を発揮するというのは個人的には驚きです。どのようなメカニズムで症状が改善したのか非常に興味があります。


《文献リスト》
文献1:Carvalho C, et al. Open-label placebo treatment in chronic low back pain: a randomized controlled trial. Pain. 2016 Dec;157(12):2766-2772.
[https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27755279別ウインドウで開きます]

<アピタル:これって効きますか?・その他>
http://www.asahi.com/apital/healthguide/kiku/(アピタル・大野智)
アピタル・大野智(おおの・さとし)
大阪大学大学院准教授



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201612/20161206_43022.html
誤診で手術し後遺症 秋田大病院に賠償命令
2016年12月06日火曜日 河北新報

 秋田大病院(秋田市)で1997年9月、秋田市の男性が左肩の腫瘍を悪性の脂肪肉腫と誤診され、必要のない手術を受けて副神経を損傷し後遺症となったとして、2010年に同病院を設置する秋田大に6000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、秋田地裁(斉藤顕裁判長)は5日、病院側に約800万円の支払いを命じた。
 判決によると、病院側が検査結果などから脂肪肉腫の疑いがあると診断したことは相当で、手術自体は違法ではないと認定。その上で、手術当時、副神経の損傷を防ぐ方法が報告されていたのに医師が具体的な措置を講じなかったと指摘し、「病院側に過失がなかったとはいえない」と判断した。
 同大の担当者は「判決文を精査した上で対応を検討したい」と話した。



https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201612/0009728445.shtml
全面禁煙の兵庫医科大病院 医師が一服、報酬は…
2016/12/6 11:24神戸新聞NEXT

 禁煙外来を設置し、敷地内を全面禁煙にしている兵庫医科大学病院(兵庫県西宮市)で、救命救急センターに勤務する30代の男性医師が喫煙していたことが6日、同病院への取材で分かった。保険適用の条件に反しており、国から診療報酬の返還を求められる可能性がある。

 同病院によると、5日午後に外部から指摘があり、この医師に確認したところ喫煙を認めたという。詳しく聴き取り調査をした上で、近畿厚生局に報告する。

 同病院は2008年6月に禁煙外来を設置し、保険適用を受けている。厚生労働省によると、保険適用は敷地内の全面禁煙が条件になっているという。

 同病院の難波光義院長は「このような事態を招き誠に申し訳ない。原因などについて至急調査を進める」などとコメントを出した。(岡西篤志)



http://www.asahi.com/articles/ASJD62VSWJD6ULBJ003.html
無資格医師が中絶手術12件 急死の23歳遺族が告発
2016年12月6日12時14分 朝日新聞

 東京都武蔵野市にある産婦人科の「水口病院」で、母体保護法に定められた資格のない医師が人工妊娠中絶の手術をしていたことがわかった。病院によると、この医師は今年3月から10月まで水口病院に勤務し、無資格のまま計12件の中絶手術を担当したという。

 母体保護法では、都道府県の医師会が指定した医師しか中絶手術をできない。東京都はこれまで複数回、病院への立ち入り検査を実施、無資格医師による中絶手術を把握している。無資格医師による手術を受けた6日後に死亡した女性(当時23)の遺族が6日、この医師について業務上堕胎の疑いで警視庁武蔵野署に告発状を提出し受理された。

 遺族側代理人の中川素充弁護士によると、女性は7月8日に水口病院で中絶手術を受けた。その後、自宅で安静にしていたが、6日後の14日に急死した。行政解剖の結果、死因は急性うっ血性心不全だった。死亡と中絶手術との因果関係は不明という。

 病院によると、無資格の医師は女性の死亡を受けて10月末に退職。病院は「中絶手術や母体保護法に関する認識不足で起こった。運営する法人も現場管理を怠っていた」としている。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20161206-132719.php
医学生への貸与資金補助へ 勤務医確保を図る、福島・いわき
2016年12月06日 16時10分 福島民友新聞

 いわき市は、市内の病院が医学生に対し修学資金を貸与した場合、医学生1人当たり年141万円を上限として貸与額の半額を補助する。地域医療充実に向け、市内病院と一体となった勤務医確保を図る。

 市の12月議会で5日、一般会計補正予算案として提出された「市病院医師修学資金貸与事業費補助金」について、清水敏男市長らが答えた。

 同補助金は、公立、私立を問わず市内病院が行う修学資金貸与事業が対象。医学生が将来、貸与期間と同じ期間、貸与を受けた病院に勤務した場合には修学資金の返還を免除することなどを条件とする。

 市は2007(平成19)年度から「市立病院医師修学資金貸与制度」を創設し、将来、総合磐城共立病院に勤務する意思のある医学生に修学資金を貸与している。



https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=63751
病院長選びに外部の声 特定機能病院、重大医療事故受け
2016/12/6 11:41 日本経済新聞

 高度な医療技術を提供できる特定機能病院のガバナンス(統治)を検討していた厚生労働省の有識者会議が、病院長の選考について、外部有識者を含む選考委員会による審査の義務化を求める報告書をまとめたことが6日までに分かった。社会保障審議会医療部会で近く報告する。

 特定機能病院は大半を大学病院が占め、群馬大病院や東京女子医大病院などで重大な医療事故が相次いで発生した。病院長の選考過程を透明化させるほか、病院運営に必要な見識を持った人材を確保する狙いがある。厚労省は報告書の内容を踏まえ省令改正する。

 厚労省によると、特定機能病院の病院長選考に関する規定は特になく、教授会の議論を経て学長が決めることが多いという。大学の理事会などが人事や予算の決定権を握り、病院長の判断が全体の運営に反映されにくいこともあるとされる。

 報告書は大学法人などに、病院長に求める医療安全の見識や病院の運営能力について、あらかじめ基準を定めて公表するよう要求。候補者を外部からも広く募った上で、合議の選考委員会で審査し、選定結果の理由も公表するとした。

 報告書は「医療安全管理体制の確保が何より優先されるべきだ」と強調し、法的責務を負う病院長の権限を強化するよう医療法を改正する必要性も指摘。病院運営の健全性や透明性を担保するため、運営法人に対し、外部有識者を主体とするモニタリング機関の新設も求めた。〔共同〕



https://www.m3.com/news/iryoishin/483409
シリーズ: 奈良・勾留医師死亡事件
「死亡前日のカルテ、検査結果」掲載
岩手医大・出羽氏、「医療界で検証を」

レポート 2016年12月6日 (火)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 奈良県の山本病院に勤務していた男性医師(当時54歳)が、奈良県内の警察署に勾留中の2010年2月に死亡した事件(『勾留中の男性医師死亡、法医が刑事告発したわけ』を参照)。岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏が、本事件で奈良県警察本部に刑事告発したのは、男性医師の死因に疑問を抱いたからだ。

 司法解剖の鑑定書による死因は、急性心筋梗塞。これに対し、出羽氏が、遺族が奈良県を訴えた民事訴訟のために作成した意見書では、取り調べ中に、「頭部、胸部、上肢・下肢に鈍体による殴打で傷害を負い、横紋筋融解症を発症、それが原因となり急性腎不全などの多臓器不全で死亡した」と判断している。遺族が意見書を依頼した他の3人の医師も、急性心筋梗塞を否定している。

 果たして死因は何か……。出羽氏は、「男性医師の死因は、医療界で検証すべきテーマ。幸い、男性医師の逮捕時、および死亡前日のカルテがある」と、さまざまな立場からの検証を期待する。

【論点】
1.2月24日の血液検査(CK:1万4280U/L)は、何に由来すると考えられるか(急性心筋梗塞に由来するか、横紋筋融解症によるものか、など)。
2.2月25日の心電図から、急性心筋梗塞の発症を診断できるか。
3.男性医師の死因は、何だと推定されるか(推定のためには、他にどんなデータが必要と考えられるかも含めて)。
4.その他

【2010年の男性医師の死亡時の経過】
既往:2009年 くも膜下出血で瘤内コイル塞栓術を受ける。その後、リハビリで臨床に復帰
   2010年2月24日のカルテに、「ノルバスク、ディオバン、バイアス、リファタック」と記載あり

2010年の経過:(下記の(1)から(8)の資料を、「J-doctors」に掲載しています。
2月6日:男性医師逮捕

2月6日:A病院:心電図検査。「血圧は157/94mmHgとやや高めであるものの、その他特に大きな異常は認めず」との所見

2月13日:B病院:左側頭部打撲後、CT撮影

2月24日:C病院:カルテ(1)、血液検査の結果(2)、頭部CT検査所見(3)、(心電図検査は実施せず)

2月25日:
 男性医師は「午前7時起床、自ら立ち上がり、布団を運んで片付け、洗面をした後に、房内に戻ったが、この時点で全く異常は認められなかった。しばらくして、いびきをかき始めたことから、担当警察官が房内に立ち入り、呼びかけたが、これに応じず、呼吸が認められなかったことから、安全体位を取らせて気道を確保し、心臓マッサージを開始、119番通報した」とされている。
 C病院:救急搬送時の記録(8時25分、来院時CPA)(4)、心停止蘇生後の心拍再開時の心電図(検査時間は8時48分)(5)、カルテ(6)、退院時サマリー(7) 死亡時刻は10時45分、「死亡診断書」(2月25日付け)の「I.直接死因」は「心筋梗塞」、「II.直接死因には関係しないが、I欄の傷病経過に影響を及ぼした傷病名等」は「急性腎不全、横紋筋融解症、脱水症」「その他特に付言すべきことがら」として「警察留置中に、発作を起こし、心肺停止となり、救急搬送となる」

2月26日:司法解剖:右外側大腿部の皮下出血(メスでの切開像)(8)



https://www.m3.com/news/general/483423
高齢者負担増を圧縮 医療・介護、政府案修正へ 中所得層波及に与党反発
2016年12月6日 (火) 共同通信社

 政府は5日、医療保険と介護保険で2017年度からの実施を検討している高齢者の負担増案について、一部を圧縮する方向で調整に入った。中間所得層も含めた負担増に与党の反発が強く、引き上げ幅を小さくすることなどを検討している。

 政府は週内の決着を目指しているが、公明党は5日の社会保障制度調査会で、中間所得層の負担増について「容認できない」と決議し、引き上げ自体に反対を表明。自民党内にも異論があり、調整は難航する可能性もある。

 医療費の自己負担に月ごとの限度額を設ける「高額療養費」では、厚生労働省が70歳以上の高・中所得者を対象に、限度額を引き上げる案を示している。

 このうち「一般所得」に区分される年収370万円未満の住民税課税の人については、外来医療費の限度額を現在の月1万2千円から2万4600円にする考えだったが、1万8千円程度にとどめる案が浮上している。

 75歳以上の後期高齢者医療制度でも、会社員や公務員の扶養家族だった人の保険料の特例軽減を本来の負担に戻すが、急激に保険料が増えない方法を検討している。

 介護では、18年8月から所得の高い人がサービスを利用した場合に3割負担を導入する方針だが、例えば夫の所得が高いと、妻が1割から3割に急上昇するケースがあるため、こうした例が出ないよう配慮する。

 介護サービス利用者の負担に上限を設ける「高額介護サービス費」でも、一般所得者の月の上限を7200円引き上げ、4万4400円にする方向だが、年間の上限を12カ月分より低く抑える特例を設ける案が出ている。



http://www.asahi.com/articles/ASJD65WYZJD6UDCB01C.html
別の医師も飲み会に参加、県警が捜査 千葉大集団強姦
2016年12月7日01時31分 朝日新聞

 千葉大学医学部の男子学生3人が集団強姦(ごうかん)致傷容疑で逮捕された事件で、現場となった千葉市内の飲食店での飲み会に、女性の体を触るなどしたとして逮捕された医師とは別の男性医師もいたことが、関係者への取材でわかった。県警はこの男性医師も事件に関わった疑いがあるとみて、詳しい経緯を調べている。

 5日に準強制わいせつ容疑で逮捕されたのは、同大医学部付属病院の研修医の●●●容疑者(30)。集団強姦致傷容疑で逮捕されたのは、いずれも同大医学部5年の●●●(23)、●●●(23)、●●●(23)の3容疑者。

 6日の同大の記者会見によると、藤坂容疑者は千葉県船橋市の病院で2年間研修医をした後、今年4月から千葉大医学部付属病院の研修医になった。学生3人は8月から数週間、食道・胃腸外科の実習を受け、その指導をする教員のサポート役が●●●容疑者だった。事件があった9月20日の飲み会は、実習の打ち上げだったとみられるという。

 関係者によると、飲み会は藤坂容疑者が企画し、学生3人のほか、別の男性医師ら複数人が参加していたという。

 学生3人は、酔って抵抗できない状態の被害女性を介抱するふりをして、店内の周囲から見えないスペースや、うち1人の自宅で性的暴行を加え、軽傷を負わせた疑いがある。藤坂容疑者も店内で女性の体を無理やり触るなどした疑いが持たれている。

 千葉大の中谷晴昭筆頭理事は会見で、「人として、医師として、医師を志す者としてあってはならないこと。被害に遭われた方を深く傷つけ、大変申し訳ありません」と謝罪。学内に設けた調査委員会の結果を踏まえ、新たに立ち上げた懲戒委員会で藤坂容疑者や学生3人などの処分を検討すると説明した。

G3註:引用元は実名報道



http://www.asahi.com/articles/ASJD64WNGJD6PTIL01F.html
新病院建設、日影規制で計画見直し 開業2年遅れ 大阪
2016年12月6日23時51分 朝日新聞

 2018年3月末に閉鎖予定の大阪市立住吉市民病院(住之江区、198床)の敷地内に作る新たな民間病院の建設計画が、建築基準法の基準を満たせないことがわかった。計画の見直しが必要で、開業は2年遅れ、民間病院に約11億5千万円の負担が生じる。市は公費負担も検討しており、6日の市議会で「あまりに初歩的なミス」などと批判が相次いだ。

 住吉市民病院は2012年、当時の橋下徹市長の下、約2キロ離れた府立病院との統合が決まった。市は閉鎖後の対策として民間病院を誘致。住之江区内で病院を運営する医療法人が、病院を移転し、敷地北側に産婦人科と小児科を含む200床規模の新病院を建てることになった。

 しかし、医療法人が7階建ての建設計画を作ったところ、周辺住宅が日影になる時間などを制限した建築基準法の基準を満たさないと判明。周囲に住宅がない敷地南側に建設場所を変更するため、移転が遅れる。

 市と医療法人は地域に「医療空白」が生じないよう、閉院後の市民病院で暫定的に診療すると合意。医療法人は2年間、2カ所で病院を運営しなければならず、吉村洋文市長は公費負担について「市にも責任はある。税の投入をするか慎重に判断する」と述べた。



http://diamond.jp/articles/-/110400
医療・介護 大転換【第67回】
要介護者への行き過ぎた自立支援は虐待と変わらない

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
2016年12月7日 Diamond Online

介護の目的は「自立支援」だけなのか?

 介護保険制度で、利用者の要介護度が軽くなると特別の奨励金を交付する自治体が増えてきた。「成果主義報酬」の導入である。同様の試みを国が新たな制度として導入しようとしている。

 要介護度が重くなれば報酬引き下げも検討され出した。介護保険法で謳われる「自立支援」に役立っているかどうかを報酬と結びつけようという狙いだ。

 だが、要介護度の上がり、下がりは介護サービスの良し悪しだけに起因するものだろうか。対象は、障害を抱え老衰が日々確実に進む老人である。長期的にみれば必ず要介護度は下がる。

 果たして、介護サービスによる「成果」とは何のことだろう。介護の目的は、「自立支援」だけで評価されるべきものだろうか。そもそも、介護は医療や教育と同様に税金が投入された社会の基礎的サービスである。「成果」を競うべきものなのか。

 多くの疑問が湧き出てくる。首をかしげざるを得ない。まず、国の動きを振り返ってみる。

 安倍首相は11月10に開かれた第2回「未来投資会議(議長・首相)」で、介護報酬を自立支援の効果を反映した体系に転換するよう厚労省や関係省庁に指示した。

 リハビリで利用者の要介護度が改善した場合や、人工知能(AI)など先端技術を導入して介護の質を高めたら通常の報酬に加算を付ける。重度の要介護者を減らすことで、高齢化で膨張が続く介護費の抑制を図る考えだ。

 未来投資会議は、人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)を活用して成長戦略を検討しようと、経済財政再生本部の下に設置された。この日は、医療介護分野をテーマに据え、「予防・健康管理」と「自立支援」を新戦略として打ち出した。

 首相は「介護が要らない状態までの回復を目指す。パラダイムシフトを起こす」「これからの介護は自立支援に軸足を置く。介護報酬などの改革に向け、直ちに施策を具体化してほしい」と述べ、制度設計を急ぐよう求めた。

 会議参加者からは「今の介護現場は、入浴や食事のケアが中心で自立支援を目指していない」「技術革新による介護の質の向上を後押しすべきだ」という意見が出された。

 施設に入所すると、容態が悪化して要介護度が高まることが多いと言われる。その中で、リハビリや自立支援に力を入れる施設は、寝たきりの要介護者が歩行器を使って歩くことができるようになる改善事例もある。

 だが、現行の制度では介護度が軽くなればなるほど、受け取る介護報酬は下がっていく。「自立支援への動機づけが乏しい」と言われる。首相は、報酬に加算させて改善ケースを増やそうと狙う。

 首相指示を受けて厚労省は2018年度の介護報酬改定で、要介護度を改善させた事業所の報酬を引き上げる一方で、自立支援に消極的な事業所の報酬を減らす検討にも入った。

自治体で広がる「要介護度改善促進事業」

 自立支援を合言葉に、自立度が上がると成功報酬を与える試みは既に自治体の間で広がりつつある。福井県では昨年度に要介護度が下がった59人の利用者がいる22の事業所に、合計708万円を支給した。

 奨励金を受け取ったある特養では、トイレでの排泄を心掛けオムツを外す試みを続けた。口腔ケアにも力を入れ、歯科医の指導を受けて口から食べられるようにした。こうした努力の結果、寝たきりで要介護4の入居者が、トイレを使い出し要介護3に改善したという。

 この「介護事業所における要介護度改善促進事業」には、特養や老人保健施設など9業種から145の事業所が参加した。参加事業所の全利用者1542人のうち、192人の要介護度が1年後に軽くなった。改善率は12%に上った。

 その事業所の中から研修への参加など総合的に審査したうえで、59人の改善事例抱える22事業所に奨励金を渡すことにした。

 東京都品川区では特養、老人保健施設、特定施設(介護付き有料老人ホーム)の3施設に対して「要介護度改善ケア推奨事業」を2013年度から実施している。入居者の要介護度の改善具合を軸に128項目のセルフチェックや研修への参加などを調べて一般財源から奨励金を交付した。

 要介護度が1段階改善すると1月につき2万円。2段階以降、それぞれ1段階ごとに2万円追加し、最高4段階改善すれば1月につき8万円出す。つまり、要介護5の人が要介護2になれば、3段階改善なので6万円となる。

 2013年度は47人が該当して合計680万円、14年度は86人が該当して1246万円、15年度は98人が該当し1438万円を交付した。

 こうした施設介護では、利用者は一日中同じ施設内で過ごすので、職員や周囲の環境などの良し悪しが介護度を左右する可能性が高そうだ。一方、在宅サービスでは職員が関わる時間が限られ、介護家族や自宅での食事、生活環境など多くの要因があるため、評価が難しい。

デイサービス事業者も評価事業を開始

 ところが、岡山市はその在宅サービスのひとつ、デイサービス事業者に対して評価事業を昨年度から始めた。評価基準は、機能訓練指導員数をはじめ認知症高齢者の受け入れ数、介護福祉士数などに加え日常生活機能を評価とした。座位保持や起き上がり、食事介助の有無など13項目にわたる。

 これらの結果が前年度より高まった上位10の事業所に、10万円の奨励金を付与している。2015年に、この「デイサービス改善インセンティブ事業」に参加したのは153の事業所。岡山市のデイサービス事業所の約半数が、市の声掛けに応えた。

 当初案は、要介護度の改善度による評価としたが、厚労省から再考を促されたため、識者を交えて新たな評価体系を練り直した

 岡山市がデイサービス事業所に的を絞ったのは、他市より圧倒的に多いからだ。高齢者1万人当たり17.3施設で、全国20の政令市の中で第1位である。「いたずらに増えてしまい、サービスの質に問題が出ていると見聞きするようになった」と同市の担当者。

 そこで、奨励金を支給して競争意識を高め、サービスの質の向上を図ろうとした。

 同様の試みは川崎市や名古屋市、東京都江戸川区、滋賀県などが実施している。これらの自治体は、岡山市の呼びかけで「評価サービス質の評価先行自治体検討協議会」を立ち上げ、2015年11月に岡山市で第一回の会合を開いた。

 こうした「成果主義報酬」を導入する各自治体の発想の元は、「努力して利用者の要介護度を下げると報酬が減ってしまうという今の仕組みはおかしい。少しでもインセンティブを高めるのは当然」ということだ。

 確かに、介護保険法では、その目的として「自立支援」を掲げる。「自立を支援して、要介護度を下げるのが目標」と受けとめられている。国の「未来投資会議」での首相発言も同様に自立支援を声高に主張した。同会議が自治体への強い追い風となり始めている。

 自治体のアイデアを国が掬い上げ、全国的な制度に盛り込もうという流れである。では、「自立支援」が本当に高齢者介護の目標なのだろうか。多くの疑問点が横たわっている。

高齢者ケアの大原則は「高齢者本人の側から考える」

 高齢者ケアの3大原則と言われるものがある。1982年にデンマークで提唱され、その後各国で受け入れられ、いわば「国際憲章」となっている基本的な考え方だ。

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 いずれも高齢者本人の側から考える。まず、(1)自己決定権の尊重、次いで(2)残存能力の活用、そして(3)生活の継続性、である。

(1)は、本人本位のことである。周囲の家族や医療、介護の専門家ではなく、本人の考え方を最も尊重しましょうということ。本人が望まない医療や介護サービスを無理やり押し付けない。

(2)は、例えば脳卒中で右麻痺になっても、障害にこだわるのではなく、体の左側の能力を活かそう、ということだ。リハビリや食事内容の工夫などで日常生活を続けることでもある。

(3)は、要介護状態になる前の日常生活にできるだけ近い生活環境を維持しましょう、大きく変えないように。

 いずれも、近年、認知症ケアのイロハとして説明されているが、認知症者に限ったことではない。

「自立支援」をあたかも介護の目的であるかのように論じるのは、この3原則の中で、(2)だけを取り出しているに過ぎない。だが、官民挙げて「自立支援」が合言葉のように連呼されている。

(2)のためにリハビリを行う際に、(1)で言われる「本人」の意思を置き去りにし、(3)の「生活」と切り離された病院や施設内でということになりがちだ。

 90歳を超えた中重度の高齢者に対して、歩行訓練や腹筋などの体操を繰り返そうとすることに、どれほどの意味があるのだろうか。その数値が多少上昇することで、本人の「生活の満足度」が高まるのだろうか。

「介護が要らない状態に回復させる」と言う安倍首相の発言は、大いに疑問である。高齢者は、日々加齢の度合いを増していく。どんなに「自立支援」に向けた手立てを講じても必ず死を迎える。加齢に伴う心身の衰弱、つまり老衰は避けられない自然の摂理である。

 人生の最晩年の時に際し、「自立」を求められてはかなわないだろう。自立状態から一夜にして亡くなる、いわゆるPPK(ピンピンコロリ)はほとんど幻想に過ぎない。大多数の高齢者は、細胞の劣化による老衰現象が徐々に進行し、介護の手助けを得ながら日々を送り、そして旅立つ。

 また、60歳代、70歳代の高齢者が、疎かな食生活やひきこもりで要介護者になり、栄養状態の改善や運動の結果、一時的に要介護度が軽くなることはあるが、それをADL(日常生活動作)だけで捉えるのは疑問だろう。その日常的な暮らしの中で、重要なのは「生活の質」(QOL)である。

「QOL回復を伴わないADL回復の目的化は虐待」

 良き介護者や在宅医療に熱意のある医療関係者は、こうした高齢者の「思い」を知悉している。

 首都圏で在宅医療を大展開している医師の佐々木淳さんは、「そもそもADLとは、本来QOLを実現させるための手段ではないのか。社会に居場所がない、生きがいがない、生きたいように生きられない状況で、閉鎖された施設でただひたすら栄養を投与し、リハビリさせて歩行器で歩かせる。QOL回復を伴わないADL回復の目的化は虐待と変わらない」と断言する。

 看取り体験が多い訪問診療医が「未来投資会議」の議論から得た感想である。また「自立支援が目的化していないだろうか。筋トレしてしても行くところがないようでは」とも指摘する。

 行きたいところがある、つまり社会参加が重要なのである。デンマークの3原則にならえば、まず、(1)本人の意思として、行きたいところがあり、そこで(3)日常生活を取り戻す。そのために(2)の筋トレなど歩行訓練に取り組む。日常生活の中に社会参加が含まれる。

(2)の残存効力の活用、即ち「自立支援」だけを引き抜いて、介護の目的としてはならない。

 実は介護保険法よりはるか前に作られた老人福祉法には、きちんとした「老人像」が描かれている。その第3条には「その知識と経験を活用して社会的活動に参加するように努めるものとする」「適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする」とある。「社会参加」を堂々と打ち出している。

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 これに対して、介護保険法ではその第1条で「自立した日常生活を営むことができるよう」と謳い、「自立支援」を目的に掲げるだけである。サービス提供側の仕組み作りの法律という限界があるためだ。

 行き過ぎた「自立支援」万能論者や自治体が陥りやすい「罠」に、「要介護率の低下」問題がある。「さまざまなきめ細かな地域事業や心身の活性化事業を手掛けて、自立支援や介護予防に力を入れてた結果、住民の要介護認定率が下がった」と胸を張る自治体関係者が増えている。

 厚労省も認定率が周辺地域より下がった自治体を褒め称える。まことに困ったことだ。

 なかには「要介護度がどんどん下がり、介護保険から『卒業』出来た高齢者もいる」と高らかに宣言する自治体もある。

 こうした自治体の住民は「そうか、介護保険を使い続けるのはよくないことなのか」との誤解を抱きかねない。

 要介護認定率が上がる要因は多い。自立支援や介護予防だけとは限らない。住民の個人的要因も大きいだろう。認定率を下げることが国や自治体の目標となってしまっては、住民は介護サービスを受けずらくなってしまう。本末転倒である。


  1. 2016/12/07(水) 05:46:07|
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