Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月28日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50077.html
専門医整備指針の改訂案「学会回帰を懸念」- 日病・堺会長
2016年11月28日 22時30分 CB News

 新専門医制度の骨格となる「整備指針」の見直しで、専門医を目す専攻医の一次審査を各学会が担うことなどが提案されていることについて、日本病院会(日病)の堺常雄会長は28日の記者会見で、「われわれの懸念は学会に回帰することだ」と指摘。学会間で審査にバラつきが生じ、結果的に専門医の質の低下につながる恐れがあることに懸念を示した。【松村秀士】

 専門医の養成をめぐっては、従来の学会主体から、第三者機関の日本専門医機構(機構)が養成プログラムの評価や認定を行うことを柱として、2017年4月からの新制度の開始を目指して準備が進められてきた。しかし、新制度が導入されれば、指導医や症例数が多い大病院や都市部の病院への医師の偏在が深刻化しかねないなどとして、医療現場から延期を求める声が根強かった。そのため、機構は新制度の全面スタートを1年延期することを決めた。

 また機構では、新制度に向けて専門医を育成する研修基準などを定めた「整備指針」の改訂を検討しており、専攻医の一次審査については各学会が行い、二次審査は機構が担うことなどを提案している。

 28日の会見で堺会長は、「整備指針」の改訂案について、「学会に振り子が戻ったような感じだ」と述べ、審査のバラつきをなくし、専門医の質を担保する新制度の主旨に反するとの考えを示した。その上で、「もう少し機構が力を出していただきたい」とし、専攻医のすべての審査を機構が担うべきとした。

■新専門医、「定員を設けるべき」で一致

 26日に開かれた日病の理事会では、新制度であらかじめ研修施設ごとに専門医の定員を設けるべきとの見解で一致したという。

 会見で堺会長は、「入り口での数のコントロールが必要」と述べ、大病院や都市部の病院への医師の偏在をなくために、専門医の募集定員を事前に設ける必要があるとした。



http://news.livedoor.com/article/detail/12340597/
知られざるファミレス、病院の好対照な“モンスタークレーマー”神対応とは…
2016年11月28日 6時0分 週プレNEWS

出産した女性教師に謝罪文を強要したり、修学旅行の行き先を変えろ!と校長に迫ったり…。

週プレNEWSで取り上げた、あまりに一方的で独善的な苦情の数々は想像以上のモンスターっぷりだった(参照記事『妊娠した女教師に謝罪文を強要、遠足中止に激怒! モンスターペアレンツがますます悪質化!!』、『修学旅行をやり直せ! 勝手に独自行動して悪質化する“モンスターペアレント2世”の出現』)。

だが、多くの企業や公共機関が理不尽な苦情に悩まされるなか、悪質クレームにうまく対応している事例もある。

例えば、某ファミレスチェーンの「苦情対応マニュアル」は外食業界で注目されている。このマニュアルは2014年にマクドナルドで多発した異物混入事件を受けて全面改訂されたもの。同社ファミレス店の店長がこう明かす。

「品質管理を徹底しても異物混入は完全に防げません。なので、大事なのはクレームへの初動対応。ここを誤ると客は怒りを増大させ、話がこじれる。このマニュアルは、苦情被害を最小限にすることに重点が置かれています」

その内容を端的にいえば、非常に細かく、徹底的だ。

「例えば『料理に髪の毛が!』と苦情が入れば、まずは丁重に謝罪した上で、作り直すか否かをお客さまに伺います。ここでのポイントは、料理の代金の話はしないことです。作り直しの場合、最初に出した料理はもちろん、作り直した料理の分の代金もいただきません。しかし、いきなりその話をすると『そんなつもりで言ったんじゃない!』と怒る客が多いのです。

料金の話題は、再調理した料理をお客さまが半分ほど召し上がったときに振ります。『これはおわびの気持ちです。料金はいただかない形でお願いしたいのですが』と頼み込む。もし、お客さまが金は払うと言った場合は店対客ではなく人対人の関係を意識して『私の気持ちなんです』とお伺いを立て、それでも払うと言われたら『お言葉に甘えます』と頂戴する。

その後、駐車場まで見送り、そこでもお客さまの顔色が優れないようなら、胸ポケットに用意している割引券を手渡し、次回の来店につなげます。 このマニュアルを徹底したことで苦情がこじれて本部対応となるような案件が激減しました」

総合病院の外来では「医師が冷たい」「1時間も待たさせて3分で診療終了かよ!」といったクレームが頻発する。その矛先は医師本人ではなく、看護師や事務員に向かうパターンが大半だ。 話がこじれると、治療費を払わずに帰ろうとしたり、看護師に暴力を振るったり、「ここはヤブ医者ばかりだ」と叫んだりとモンスター化する患者もいるようだ。

だが、関東に本拠地を置く大手医療グループのクレーム対応術はなかなかスゴい。同グループに籍を置くベテラン看護師がこう打ち明ける。

「診療の障害になる苦情トラブルにはクレーム担当職員が応対します。ここからはあくまでウチの病院のやり方なのですが、その職員はわざと苦情者を怒らせるように仕向け、言ってしまえば“警察沙汰”にしてしまう。首尾よく事が運べば、院内に常駐する警察OBの保安対策員が現場に駆けつけ、110番通報。患者が暴れ回ったら、すぐに取り押さえ、警察に引き渡します」

命を預かる病院だからこそ、その環境を壊すモンスター患者には手厳しい。

「警察が介入するような苦情トラブルを起こした人はブラックリストに載せて院内で共有。次回以降の来院時に受け付けを拒否する場合もあります」

モンスター患者に毅然(きぜん)とした態度で接する病院の手法。常に平身低頭を貫く接客で客の怒りを鎮めるファミレスの手法。対照的なふたつのスタイルは、職場によって有効なクレーム対策は違う、ということを示している。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/s003/201611/548996.html
シリーズ◎医学部探訪
東北医科薬科大◆徹底した地域密着型の実習で東北への定着目指す

2016/11/28 加納亜子=日経メディカル

 今年4月、「東北地方の地域医療を支える」ことを最大の使命とする新たな医学部が開学した。地方の大学が卒業生の地元定着率向上に四苦八苦する中、どのように地域医療を担う人材を育成していくのか――。37年ぶりとなる新設医学部の挑戦が始まった。

「東北地方の医療に貢献しようとする意欲・志を育て、大学として支援していきたい」と高柳氏は意気込む。

 「医学部新設に手を挙げてから様々な業務に忙殺されていたが、無事に医学部の入学生100人を迎え入れることができ、安堵している」──。今年4月に執り行われた医学部の入学式をこう振り返るのは東北医科薬科大学理事長兼学長の高柳元明氏だ。

 医学部新設に向け、議論が大きく進んだのは2013年11月。国が特例として1校のみ医学部新設を認める方針を示し、公募を実施した。その際に国から提示された医学部の役割は、(1)震災からの復興、(2)今後の超高齢化への対応と東北地方における医師不足解消、(3)原発事故からの再生──だった。

 公募には3団体が応募。2011年3月に起きた東日本大震災からの復興に資することと実現可能性の高さから、東北医科薬科大学(当時は東北薬科大学)が開設主体に選ばれ、2016年4月の開学が決定した。

開学後も続く医師引き抜きへの懸念

 東北地方への医学部新設が議論に挙がった頃から、「新設医学部の教員募集により、地域の医療機関から医師が引き抜かれる可能性がある」と懸念する声には根強いものがあった。そしてそれが開学後の今も続いている。同大学が開学後の今年7月に開催した東北地方の行政、医学部、医師会などが新設医学部の在り方を話し合う「教育運営協議会」では、岩手医科大学理事長兼学長の小川彰氏が「医学部の新設により東北の地域医療に影響が及べば、これまで取り組んできた地域医療が壊れてしまう。そうなってから立て直すのは不可能だ。新設医学部が東北6県の地域医療に影響を及ぼさないことを何らかの形で担保していただきたい」と発言している。

 一方、期待を寄せる意見もある。開学決定前は医学部新設に強く反対していた日本医師会長の横倉義武氏は同協議会に出席し、「東北6県が協力し、新設医学部のスタートに向けて取り組んでいることを知り、非常にうれしく思っている。ぜひ良い医学教育を行い、ひいては東北地方の医療の向上に実りあるものにしていただきたい」とコメントしている。

 これら不安と期待の声を受け止めつつ、高柳氏は「開学に向けて大学のスタッフは一丸となって取り組んできた。開学後も、地域で活躍する総合的な診療能力を持つ医師を育てるという目標を達成し、社会からの期待に応えられる医学部を創るため、邁進しなくてはならない。日々、身の引き締まる思いだ」と話す。

 地域医療を担う医師の育成を目指し、同大学が打ち出した地域定着策は大きく2つ。修学資金(奨学金)制度と、早期から地域で行う参加型臨床実習(地域医療実習)の導入だ。

 同大学の修学資金制度は、A方式とB方式の2種類がある(表1)。A方式は、学生に宮城県などの自治体が3000万円を貸与する代わりに、指定された医療機関での10年間の勤務を義務づける。卒後、医師を受け入れる医療機関が貸し出した額を返還する「資金循環型」の仕組みだ。

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表1 地域定着策として導入した2つの修学資金制度
(*クリックすると拡大表示します)

 修学資金制度を長期にわたり継続させることを目的に、東北地域医療支援機構を立ち上げ、そこに宮城県などが拠出した基金を蓄え、その資金を基に循環型の修学資金制度を運用する方法を採った。

 一方のB方式は、宮城県以外の東北5県の修学資金制度を活用し、それに加えて同大学が1500万を貸与する。卒後は修学資金を貸与した県が指定する医療機関で、一定の義務年限を勤務すれば返済は不要という「資金費消型」だ。

 開学前は、過去3年間の各県における修学資金制度の利用状況から「定員が埋まらないのではないか」と危惧する声もあったが、初年度の入試ではA方式・B方式の全ての枠で定員を満たす結果となった。「東北医科薬科大学の修学資金制度は、医学部に入学したいと思う学生にとって、非常に魅力的な仕組み」と今年4月に入学した第1期生のOさんも話す。

 入試の出願時には奨学金貸与の有無やその種類により第3希望まで希望を募り、選抜を実施。志願倍率は24.6倍(志願者数÷募集定員)、実質競争倍率は7.7倍(受験者数÷合格者数)だった。「入試の仕組みが複雑なため、混乱が生じるのではないかと不安視していたが、結果としては県外を含め、A方式の入試枠を第一志望とする応募が多く集まった」と同大学医学部長の福田寛氏は語る。

 入学者の内訳は、入学者100人のうち東北地方出身者は31人にとどまり、関東地方の出身者が40人と最多となった。「学生のほとんどが浪人を経験しており、留年はできないという気持ちからか、学生同士で勉強会を自主的に開くなど、真面目な学生が多い」と同大学1年生のTさんは話す。

 初年度の入試結果について、河合塾麹町校チーフの梅田靖彦氏は「修学資金制度にメリットを感じ、他大学との併願をした受験生が多かった印象だ。河合塾の調べでは、岩手医科大学、埼玉医科大学、昭和大学との併願が多い傾向にあった」と言う。また、国立大学と併願した受験者も多かったことから、「受験者層は優秀な人が多かったようだ。河合塾ではA枠の人気が高く、東京慈恵会医科大学、順天堂大学と同レベル、一般枠は昭和大学や東邦大学と同レベルとみており、来年も同程度の難易度になると予想している」とも付け加える。

 「卒後の地域定着の向上を考えると、もう少し東北出身者を増やす必要がある。今後は本学を受験する学生を東北地方から掘り起こしていきたい」と福田氏は話している。


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第1期生が抱く将来像

「どの地域でも求められ、活躍できる総合診療医になりたい」

 修学資金制度は、入学者にとって大学選択の決め手の1つになったようだ。A方式の宮城県枠での入学を選んだOさんは、「祖父が脳出血を起こして入院したことをきっかけに、家族が体調を崩したときに、どの疾患でも対処できる総合診療医になりたいと考え、医学部を目指した」と語る。「2年浪人したこともあり、なんとか大学に拾ってもらったという気持ちだ。これ以上、親に学費面で迷惑をかけられないという思いもあり、入学を決めた」と言う。

 東日本大震災でのドクターヘリ部隊の活躍に感銘を受け、医師を目指すことを決めたTさんも、「サラリーマン家庭で1浪していることもあり、親の負担が減る本学の修学資金制度は非常にありがたい仕組みだと感じている」と話す。その中でも岩手県の修学資金枠は「義務年限が最も短く、総合的な診療能力を身に付けられるよう初期臨床研修後のキャリア形成支援が既に構築されているので、B方式(岩手県枠)での入学を決めた」と言う。卒後については、「どこで医療を行うことになっても、その場所で求められる医療を行える医師になりたい」とTさんは意気込む。

 地域からの期待は高く、「実習先の医師や地域住民から期待を寄せられるたびに、第1期生として何をするにも大学の印象や歴史を創る立場になるのだと、気を引き締めなければならないと感じている」とTさんは話す。

 一方で、「気軽に将来の医師像やキャリアの積み方などを聞ける先輩がいないことや、卒後のキャリア支援の仕組みなど、まだ決まっていないことも多く、不安に思うときもある」とOさん。

 だが、「新設医学部だからこそ、1年次から地域の診療所や薬局の見学ができるなど、他大学とは異なる経験を積める面もある。座学や実習などを通して多くの学びを得て、地域の方々に求められる医師になりたい」とOさんは話している。
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地域実習のカギは「繰り返し」

 修学資金制度に加え、同大学が卒後や義務年限後の地域定着率を向上させるために導入したのが、早期からの実習だ(図1)。少しでも早い時期から地域医療の現場を見てほしいという観点から、1年次の前期は大学付属病院や仙台市内の診療所での診療見学、看護師・薬剤師などの業務見学などを経験する。2年次以降は東北6県計19カ所にある「地域医療ネットワーク病院」を繰り返し訪れ、その病院の連携先となる介護施設や診療所を見学し、地域医療における医療機関の役割や地域包括ケアの仕組みを学ぶカリキュラム、そして東日本大震災の被災地で災害時医療や被災後の仮設住宅での健康対策などについて学ぶ実習が計画されている。

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図1 東北医科薬科大学の6年間のカリキュラム
(*クリックすると拡大表示します)

 4年次後期から6年次前期にかけては、繰り返し見学をしてきた地域医療ネットワーク病院に2週間滞在して行う「地域総合診療実習」や、付属病院や高度先進医療機能を持つ関連教育病院での「診療科臨床実習」、宮城県内に2施設ある地域医療教育サテライトセンターでの滞在型の「地域包括医療実習」などを行う。

 これらの実習を実現する目的で、同大学は地域医療教育サテライトセンターを新設し、教育関連病院、地域医療ネットワーク病院を結ぶネットワークを形成。基幹病院と地域の医療機関とを回る循環型のプログラムを組んだ。同じ施設に繰り返し滞在することで、「地域の疾病構造や地域包括ケアの取り組みを学び、患者の視点で診療する大切さを実感し、身に付けてもらいたい」と同大学医学教育推進センター長の大野勲氏は話す。

 とはいえ、他の地域で生まれ育った学生が見知らぬ地域になじむのは容易ではない。「まずはどのような地域かを知ってもらいたいと考え、東北6県の県庁に各地の風土を紹介してもらうところから始めた」と大野氏。学生には各県の発表を聞いた後に見学先の希望を聞き、それを踏まえて5~6人のチームを組織。見学の後に実習先を決め、その研修先に2年次以降、実習のたびに通う仕組みにする。

 実習は、修学資金枠の学生と一般枠の学生を混ぜて1つのチームにし、1年次から6年次まで同じメンバー、同じ地域で実習をさせる仕組みで運用するという。大学で医学教育を受けながら、同じ地域に繰り返し滞在して実習することで、「地域の臨床医や住民と関わる機会を作り、その土地の医療環境や住民の特性を知ることで、地域医療の醍醐味や医師としての使命感、将来像を考えるきっかけをつかんでもらいたい」と大野氏は話す。

診療・教育の充実に向け教員の確保が課題

 現在は、来年度から始まる地域医療実習に向けて、東北6県の行政、医師会、大学、実習先となる医療機関などと調整を重ねている段階だ。大学を悩ませている課題は、教員数の不足。「東北6県に連携先の医療機関があるため、足しげく通うにはそれだけの人数と時間が必要になる。実習準備を進める人員が充分にいるとは言えない状況だ」と大野氏は吐露する。

 教員数の不足については、福島県立医科大学総括副学長の阿部正文氏も「今の教員数では、講義は行えても実習を行うには足りず、かなり厳しい状況ではないか」と7月の教育運営協議会で指摘している。福田氏も「医学教育体制と大学病院としての診療体制を充実させる観点からすれば、まだまだ教員が不足している」と話す。

 しかし、追加で教員の公募をしようにも、同大学の開学の条件に「教員採用によって地域医療に影響を及ぼさないようにすること」が含まれているため、東北地方からの臨床医の採用は避けなければならない立場にある。そのため、同大学は臨床系を中心に1年当たり15人ずつ教員を増やし、5、6年間に分散させて少しずつ充実させたいという方針を示している。

 まずは予定している実習を確実に実施し、充分な教育・診療体制を構築していくため、東北地方の自治体、大学、医師会、医療機関と協議・連携しながら、教員を必要数確保することが求められている。


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「診療所での実習で将来の選択肢を広げてもらう」

 仙台市医師会医政広報部長の長野正裕氏に聞く

 1年次の学生に、将来の進路の1つである実地医家(開業医)の業務を知ってもらいたい──。東北医科薬科大学からこうした仙台市医師会への要請を受け、当院も今年5月からの診療所実習の受け入れを決めた。当院を訪れた学生は1人。医師と医学生が1対1で診療現場を見学してもらう実習を行った。

 開業医は、来院した患者の診断・治療以外にも、在宅・訪問診療や市民健診、予防接種、各種癌検診、学校医・産業医活動といった事務作業など、様々な業務を抱えている。医師の子息・子女であれば、ある程度は開業医の働き方を知っているかもしれないが、そうでない学生は開業医が働く姿を目の当たりにする機会は少ないはずだ。

 臨床医学の授業を受ける前の、まだ細かな医学知識を身に付けていないうちから、住民の最も身近で診療や健康管理を行う開業医の取り組みを見学してもらえることは、医学生にとっても卒業後の進路の幅を広げるきっかけになるのではないかと思っている。地域医療に従事する医師の育成を目指して校風を築こうとしている新設大学の第1期生の実習に携われたことは貴重な経験だ。

 元々が薬学の単科大学だったこともあり、これから取り組む1年次後期の実習では、医薬連携として処方箋を受け取った患者が保険薬局に行き、薬剤師の服薬指導を受けて薬剤を受け取るまでの一連の流れを見せる実習が始まると聞いている。こうした取り組みをはじめ、東北医科薬科大学には、学生が薬剤師や看護師、栄養士といったコメディカルスタッフとの連携に関心を持てるよう、共同での実習やカンファレンスを開くなど、多職種連携の重要性についても学ばせる環境を引き続き構築してもらいたいと願っている。(談)
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http://www.medwatch.jp/?p=11341
新専門医制度、整備指針の改訂案は了承されていない―日病協・神野議長
2016年11月28日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 新専門医制度の「整備指針」改訂について、日本専門医機構の理事会で了承は得られていない―。

 日本病院団体協議会(日本病院会や全日本病院協会など13の病院団体で構成)の神野正博議長(全日本病院協会副会長)は、25日の代表者会議終了後の記者会見でこのように述べ、新執行部の対応に疑問を呈しました。

毎年の薬価改正は、「毎年の診療報酬改定」にもつながり、受け入れられない

 新たな専門医制度は、専門医の認定と、専門医を養成するプログラムの認証を日本専門医機構(以下、機構)が統一した基準で行うことを柱とし、2017年4月からスタートする予定でした。しかし、養成プログラムについて「ハードルが高すぎ、地域の医師偏在を助長する可能性が高い」などの批判が強く、機構の新執行部は新制度の全面スタートを1年延期することを決定。その間に、医療現場が指摘されているさまざまな課題を解決することとしています(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)。

 機構では、新専門医制度の骨格となる「整備指針」を改訂すべく、基本問題小委員会を設置し、議論を重ねています。18日には、吉村博邦理事長(地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授)ら執行部が記者会見を行い、整備指針について次のような見直しを行うことを理事会で概ね了承した旨が明らかにされました。

▼研修プロセスを重視する「プログラム制」以外にも、到達目標で評価する「カリキュラム制」も可能にする

▼「研修施設群」の要件を柔軟にし、指導医がいない施設でも一定の条件を満たせば連携施設に準じた施設とし、研修養成施設となることを認める

▼専門医の認定や養成プログラムの1次審査などは各学会が同機構の基準に沿って行い、機構が「基準に則っているか」の2次審査行う


 しかし、機構の理事でもある神野議長は「18日の理事会では、整備指針改訂案について了承するか否かという議決は行っていない」と説明し、吉村理事長ら機構の新執行部の会見内容に疑問を呈しました。

 整備指針見直しに向けては、医師会や病院団体から「地域医療への配慮が不十分」という指摘・要望が出ており(関連記事はこちら)、今後の機構の論議に注目が集まります。


 神野議長は、このほか、財務省などが要求している「毎年の薬価改正」について、▼レセコンなどのシステム改修に向けた負担が大きい ▼DPC点数を始め、診療報酬本体の毎年改定にもつながってきてしまう―として、代表者会議では「とても受け入れられない」という見解で一致したことも明らかにしています。なお、今回のオプジーボの緊急薬価引き下げについては「メーカーの新薬開発意欲を削ぐことを懸念する意見も出ている。個人的には最適使用推進ガイドラインの整備などで使用量を適正化できたのではないかと思っている」と述べ、中医協や背後での議論が乱暴であったとの見解を明らかにしています。

 さらに、財務省などから、社会保障費の伸びを抑制するために「かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担導入」や「入院患者への光熱水費負担導入」などが提案されている点について、「乱暴である」「議論の透明性が確保されていない」という批判が各病院団体の代表者から出ている点も紹介しました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1128505791/
薬価制度の抜本改革、年内に基本方針を〔CBnews〕
諮問会議で安倍首相

CBnews | 2016.11.28 15:21

 政府は25日、経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)を開き、薬価制度の見直しに向けて意見を交わした。安倍首相は、制度の抜本改革の基本方針を年内に取りまとめるよう、塩崎恭久厚生労働相と麻生太郎財務相に指示した。

 この日の会合では、民間議員が薬価制度の抜本改革に向けた意見書を提出。原則2年ごとの薬価改定については、医薬品の流通価格を国が毎年調査し、薬価との間の下落分を毎年度予算に適切に反映させる「毎年改定」の仕組みを設けることなどを求めた。

 また、塩崎厚労相は今後の検討の方向性として、効能の追加などに伴い、市場規模が一定以上に拡大した場合は、年4回の新薬の保険収載を最大限活用し、柔軟に薬価を見直すことや、市場環境の変化で一定以上の薬価差が生じた品目に関しては、少なくとも年1回、通常の改定の時期に限らずに薬価を改めることなどを示した。

 さらに塩崎厚労相は、今年春に試行的に始まった費用対効果の評価による価格設定の本格導入も掲げ、「費用対効果によっては、薬価の引き上げの導入も検討したい」と語った。

 麻生財務相は「今後、高額薬剤が登場してくると、薬価制度の抜本改革は避けられない」とした上で、「厚労大臣と相談して薬価制度の見直しに取り組み、国民の負担軽減につなげていきたい」と述べた。

 このほか菅義偉官房長官は、がん治療薬「オプジーボ」の適応拡大に伴い、患者数が急増したことに触れ、「適応拡大の際の価格の見直しは必須だ。毎年の価格調査と改定が必要だ」と主張。安倍首相は「民間議員の提案も踏まえ、薬価制度の抜本的改革に向けて諮問会議で議論し、年内に基本方針を取りまとめていただきたい」と求めた。

「2年に1回の薬価改定が大原則」―日病協議長

 これに先立ち、13団体でつくる「日本病院団体協議会」は代表者会議を開き、「1年ごとの薬価改定はとても受け入れ難い」との認識で一致した。

 終了後の記者会見で神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「薬価が下がった分だけDPC(の点数)も下げなければならないという議論になると、結果的に毎年全面改定と同じような流れになる。それはおかしいのではないか」と述べ、「2年に1回の薬価改定が大原則だ」と強調した。

(2016年11月28日 敦賀陽平・CBnews)



https://www.m3.com/news/general/480786?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161128&dcf_doctor=true&mc.l=192339949&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
中津川市民病院に賠償命令 誤診でまひ、9千万円
2016年11月28日 (月) 共同通信社

 病院の誤診で下半身にまひが残ったとして、岐阜県恵那市の男性(51)が中津川市民病院を運営する同県中津川市に約2億5千万円の損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地裁は25日、市に9774万円の支払いを命じた。

 朝日貴浩(あさひ・たかひろ)裁判長は、後遺障害の慰謝料や障害がなければ得られたはずの収入などを認めた。一方で、現在介護している妻が高齢となった後に男性の介護サービスを雇う費用などは認めなかった。

 判決によると、男性は2011年4月、同病院で磁気共鳴画像装置(MRI)を使った検査を受け、椎間板ヘルニアと診断された。実際には化膿(かのう)性椎間板炎で、適切な治療が受けられず、感染症が進行し下半身にまひが残った。

 病院は医療過誤を認めており、賠償額が争点となっていた。中津川市民病院の安藤秀男(あんどう・ひでお)院長は「判決文を十分検討し、速やかな解決に向けた対応を考えたい」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/480772
柳原病院事件、電車の“わいせつ事件”と同列に扱うな!
稲門医師会シンポ、「医療の特殊性踏まえた判断スキーム」必要

2016年11月28日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 稲門医師会・稲門法曹会は11月27日、乳腺外科医が準強制わいせつ罪で逮捕・起訴された「柳原病院事件」をテーマに合同シンポジウムを開催、電車内などでのわいせつ行為とは異なり、医療現場で起きている事件の特殊性を理解してもらうことが裁判のポイントになるとの指摘が相次いだ。

 司会を務めた、浜松医科大学医療法学教授で、医師兼弁護士の大磯義一郎氏は、「電車の痴漢行為では、女性に触るのは『異常』だが、医療行為の中で女性に触るのは、『正当業務行為』であり、電車の痴漢における判断フレームを、そのまま医療行為に用いることは不当」と問題視した。

 弁護士の趙誠峰氏も同様に、「医療の特殊性」を強調。通常の診療過程で患者に触れる機会はいくらでもあるほか、一般のわいせつ事件では「被害者」の供述が重視されがちだが、医療の場合、術後麻酔下にあるなど、「被害者」の供述の証拠価値が異なると指摘。わいせつ性を裏付けるには、客観証拠が必要になり、DNAなどでは強い証拠にはなり得ず、総合的な判断が求められると訴えた。

 国立病院機構横浜医療センター副院長兼手術部長の鈴木宏昌氏は、麻酔科医の立場から、PACU(麻酔後ケアユニット)における麻酔覚醒時せん妄に関する論文を引用し、手術部位によって相違があり、「乳癌手術」と「腹部手術」では、せん妄リスクが高まる研究結果を紹介した。

 シンポジウムは、同様の事態に巻き込まれた場合、いかに医療者が対応すべきかとの議論に発展。柳原病院事件の乳腺外科医の代理人弁護人を務める上野格氏は、「患者に言われれば、防ぎようがない。第三者を付ける以外にないのではないか」として、看護師の同席や、特にせん妄状態が生じてきたような場合には、録画や録音をするのが有用と提案した。

 もっとも、この提案に対しては、「ナースを付けるとか、録音・録画するのは、現場で無理」と指摘する意見も、フロアから上がった。「現場の医師たちは、今回の事件はあり得ないと思っており、この問題を医療の現場に投げ返さないでもらいたい。これは司法の問題であり、警察、検察、裁判官の想像力のなさが医療を滅ぼしかねない。もっと現場の医療を学びに来てもらいたい」。坂根Mクリニック(茨城県つくば市)院長の坂根みち子氏は、こう訴えた。

 柳原病院事件とは、柳原病院(東京都足立区)で、非常勤の乳腺外科医が2016年5月10日に乳腺外科の手術を受けた女性患者に対し、乳首をなめるなどの行為をしたとして、準強制わいせつの疑いで、8月25日に逮捕・勾留された事件。9月14日に起訴され、11月30日に東京地裁で初公判が予定されている。

 医療現場を踏まえた判断スキーム必要

 稲門医師会は、早稲田大学卒業後に、他大学で医師や歯科医師、薬剤師、看護師の資格を取得した医療関係者で構成。11月26日現在で、会員数は約285人(『「早稲田・稲門医師会」、136人で発足』を参照)。

 最初に登壇した大磯氏は、「医療行為と電車の痴漢との相違」を強調した。電車の痴漢行為は、女性に触るのは、『異常』だが、医療行為の中で、女性に触るのは、『正当業務行為』であり、そもそも電車の痴漢における判断フレームをそのまま用いることは不当。同列に扱うこと自体、おかしい。電車の痴漢のフレームを医療現場に持ち込むのは問題」と訴えた。

 もっとも、電車の痴漢でも、以前は女性の「この人、痴漢」の一言で、逮捕・起訴、有罪まで進むケースが多かったが、「最近は裁判所もやりすぎかもしれないとして、揺れ動いている」(大磯氏)ため、女性の証言を鵜呑みにせず、検討を加える傾向が出てきたという。「世間が問題視するようになると、裁判官は慎重な審議をするようになる」と大磯氏は述べ、裁判官の考えを変えるためにも、本事件に対し、声を上げる必要があるとした。

 大磯氏はそのほか、本件が与えた影響も大きいと指摘。乳腺外科医は、逮捕時、実名で顔写真付きで報道されたため、誹謗中傷の嵐になった上、8月25日の逮捕以来、いまだ勾留が続いている。「普通に日常生活を送り、診療していた医師が逮捕されると、収入が途絶える。精神的なダメージも大きい。捜査は終わったはずなのに、これ以上、いったい何を隠滅する恐れがあるのか」などと大磯氏は、逮捕や長期勾留を問題視。今後、無罪になっても既に多大な負担を強いられており、仮に一審で有罪、上訴になれば裁判は長期化、有罪が確定すれば行政処分が待ち受けている。

 さらに大磯氏は、本事件が診療現場に及ぼす影響も大きいとした。「電車の痴漢は、(他人に触らないように)手を上げていれば回避できるが、医療の場合は、異性に対する診療を萎縮して、悪い結果が生じ、今度は業務上過失致死傷罪容疑で訴えられるのか」と大磯氏は問題提起。「何をしていれば、違法の誹りを受けないのか、無理を強いるのではなく、医療現場を踏まえた判断スキームを議論することが必要」(大磯氏)。

 乳癌手術は麻酔覚醒時せん妄の危険因子

 次に登壇した国立病院機構横浜医療センターの鈴木氏は、入院中や術後などのせん妄の発生頻度や乳癌手術の特異性などについて講演。

 鈴木氏が提示した中で、興味深かったのは、「PACU(麻酔後ケアユニット)でのせん妄とその後の経過」に関する論文。PACU入室時のせん妄発生率は310、PACU入室中のせん妄発生率は160といった研究があるほか、別の「PACUでの麻酔覚醒時せん妄(術前不安と長期向精神薬等の患者を除く)」について研究では、手術部位によって相違があり、オッズ比が高いのは、「乳癌手術」(7.024)、「腹部手術」(3.376)だ。

 これらを踏まえ、鈴木氏は、乳癌手術が、麻酔覚醒時せん妄の危険因子になる理由を考察。乳癌手術の特徴として、(1)体表面の手術で侵襲度は低いが、皮膚切開は大きい、(2)患者の990は女性で、不安、緊張感は強く、心理的負担は大きい、(3)麻酔後、執刀まで時間がかかる(審美性を考えた皮膚切開方法を検討するのに時間を要するなど)、(4)術中出血を抑える方法を講じる(アドレナリン局注や血圧コントロールなど)――などがある。麻酔管理上も、(3)の時は、低侵襲時であり、麻酔は浅く管理することから術中覚醒があり得るほか、アドレナリン使用による中枢神経興奮や循環動態の変更、術中血圧を下げる(麻酔を深くする)必要がある――などの特徴があるという。

 「医療現場のわいせつ事件の特殊性」、検討が必須

 最後に登壇した弁護士の趙氏は、大磯氏と同様に、「医療現場のわいせつ事件の特殊性」を踏まえた対応の必要性を強調した。

 「普通のわいせつ事件では、被害女性の供述だけでほぼ逮捕され、起訴、有罪判決となる。女性の供述を裏付ける指紋やDNAなどの客観証拠はあればいいが、必ずしも必要ではない」。こう語る趙氏は、医療現場での事件には特殊性があり、(1)女性の供述(供述自体が、手術直後で麻酔の影響下、痛みや発熱の状況下、意識の低下などの状態で行われる)、(2)わいせつ性(通常の診療過程で、触れる機会はいくらでもあり、行為からわいせつ性は結び付かない)――という視点を踏まえて、検討する必要性を強調した。

 準強制わいせつ罪の成立要件の一つとして、「わいせつの意図」の有無がある。普通のわいせつ事件では、触ったりするなどの行為自体で、わいせつ行為があったと判断される。一方、医療現場では、「治療において患者に触れることは必要であり、行為の外形と、わいせつな意図は必ずしも直接結び付かない。したがって、わいせつ性を裏付ける別の客観証拠が必要だと私は思う」(趙氏)。

 「客観証拠」として、証拠価値が高いのは、精液。一方で、指紋や皮脂、DNAの証拠価値は低いとした。これらの中間にあるのが、唾液だ。柳原病院事件では、患者の体表から乳腺外科医のアミラーゼやDNAが検出されたとも言われている。

 「医療現場での事件は、普通のわいせつ事件のように女性の供述を信頼した判断は危険で、それが医療現場にもたらす影響、弊害が大きい。わいせつ性を直接裏付ける客観証拠がない場合には、例えば、当該行為が医療のルーチンの業務だったのか否か、『被害者』の供述の信用性の程度など、わいせつ性があったかを総合的に検討することが必要」と、趙氏は強調した。

 「よく起訴したな」が率直な感想

 3人の演者の講演後のディスカッションで、趙氏は、「麻酔から覚めようとしている時の話をベースにした事件であり、警察や検察にとっては、かなりリスキー。よく逮捕、起訴したな、というのが率直な感想」と述べた。一方で、「事件から逮捕まで100日以上経過している。医師の逮捕は、世の中から批判を受けるのは当然であり、警察は、検察の意向も踏まえて、起訴できるという見込みを持って逮捕していると考えられる」とも付け加えた。

 司会の大磯氏が、「明日から皆が安心して医療ができるためにはどうすればいいのか」と問いかけると、それに答えた一人が、弁護士の上野氏。今回手術の以前にも、乳腺外科医はこの患者に対し、手術をしたことがあり、一定の医師患者関係は築かれていたと考えられるほか、女性は自身の仕事上、跡を残さないように、と繰り返し依頼しており、そのために乳腺外科医は複数回写真を撮影したことなど、事件の背景を紹介。その上で、今回のような問題を回避するには、「第三者を付ける以外にないのではないか」と述べ、看護師が同席したり、せん妄状態にあると考えられる場合に、録音・録画するほか、それが難しい場合にはすぐにカルテに記載するなどの対応が求められるとした。

 「警察、検察、裁判官の想像力のなさが医療を滅ぼす」

 これに対し、鈴木氏は、「院内の録音・録画は、患者の同意がないとできない。倫理委員会の承認が必要になってくるのではないか」とコメント。一方で、フロアからは、何らかの問題が生じた場合には、倫理的な対応以前の問題であり、トラブル防止の観点から録音・録画を認めているとの発言もあった。

 さらに前述のように、坂根Mクリニックの坂根氏は、「ナースを付けるとか、録音・録画するのは、現場では無理」と指摘。そもそも現場の医師達は、(術後35分程度での)今回の事件のようなわいせつ行為はあり得ないと思っている、と訴えた。「これは司法の問題であり、警察、検察、裁判官の想像力のなさが医療を滅ぼしかねず、もっと現場の医療を学びに来てもらいたい。この問題を医療の現場に投げ返さないでもらいたい」。坂根氏はこう訴え、学会や医師会などの団体が、法務部門をより充実させ、司法に訴えかけていく必要性も強調した。

 そのほか、フロアからは、警察が専門的な観点からの意見を求めるため、別の乳腺外科医から事情聴取していると紹介し、「強い味方であり、一方で敵になりかねないのは同業者」との指摘も上がった。鈴木氏は、「トンデモ鑑定医がいることは間違いない。そうしたこともあって、まともな医師は鑑定書などを書きたくなくなる」という現状も紹介。

 いつき会ハートクリニック(東京都葛飾区)院長の佐藤一樹氏は、自身が東京女子医大事件で業務上過失致死罪に問われた際、無罪に導いた一つが、関係学会の意見書であるとし、専門的な評価が求められる場面では、学会が関与する必要性を指摘した。



https://www.m3.com/news/general/480896
後遺症の男性、さいたま市立病院を提訴 1・4億円賠償で和解へ
2016年11月28日 (月) 埼玉新聞

 低酸素脳症を発症して後遺症が残ったのは適切な処置を怠ったためとして、さいたま市立病院(さいたま市緑区三室)を運営する同市を相手取り東京地裁に損害賠償請求訴訟を起こしていた元入院患者との和解案に合意し、市が和解金約1億3985万円を支払う議案を提案することが25日、分かった。30日開会の市議会12月定例会に提案する。

 同病院庶務課によると、原告は2009年8月24日に同病院で低酸素脳症を発症した浦和区の30代男性。男性は20代だった同年8月13日に救急搬送されて同病院に入院した。11日後の24日に低酸素脳症を発症。同課は治療の経過や「後遺症が残った」こと以外を公表していないが、原告側は「病院が適切な処置を取らなかった」と主張し、同市に対し約2億3722万円の損害賠償を求め、14年5月に民事提訴していた。

 市側は争っていたが、同地裁が今年8月に提案した和解条項案に今月7日に合意した。市側は過失の有無についての認識を一切示さず、市立病院は「医療行為中に起きたことで、後遺症が残ったことに対し遺憾に思っている」とコメント。今回の和解について、清水勇人市長は25日の定例会見で「誠に遺憾。今後起こらないよう、しっかり対応していきたい」と述べた。



https://www.m3.com/news/general/480783
群馬県立病院に是正勧告 残業代未払いカルテで発覚
2016年11月28日 (月) 共同通信社

 群馬県立心臓血管センター(前橋市)が、残業代の未払いがあり労働基準法違反に当たるとして、前橋労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが25日、分かった。患者の電子カルテが夜間に更新されていたのに、職員が更新した時間帯の残業を申告していなかったことが労基署の調査で判明し、未払いが発覚したという。

 センターによると、勧告は8月26日付。センターは管理職を除く正規職員約300人について、4~8月の残業時間を調べ直し、不足分を今月21日に支払ったとしている。

 経営に影響がないことなどを理由に、センターは対象人数や総額を明らかにしていない。担当者は「引き続き勤務時間の適正な把握に努める。正しく記録し、自己申告するよう周知したい」としている。

 県立小児医療センター(渋川市)も、就業規則を10年以上労基署に届け出ていなかったとして9月、是正勧告を受けた。規則は作成していたが「届け出る必要があるとは知らなかった」としている。



https://www.m3.com/news/general/480785
後遺障害で4千万円賠償 豊橋市、手術で左足首まひ
2016年11月28日 (月) 共同通信社

 豊橋市民病院(愛知県豊橋市)は25日、2014年に40代男性の左膝骨折を治療する手術をした際、担当医師が誤って神経を切断したとして、男性に損害賠償約4100万円を支払うと発表した。同病院は市が運営している。男性は左足首に障害が残った。

 病院によると、男性は13年12月、階段から転落して骨折し、ボルトで固定する手術を受けた。約1年後、左膝のボルトを抜き、膝を曲げやすくする手術の際に担当した30代の整形外科の医師が誤って神経を切断した。

 手術後のリハビリで回復しないため、別の病院で受診したところ、神経の切断が分かった。男性は足首がうまく動かせず、歩行が不自由な状態となった。男性と病院の弁護士が話し合い10月、和解で合意。豊橋市は12月議会に賠償支払いの議案を提出する。



http://www.asahi.com/articles/ASJCX5F04JCXUTFK006.html
70歳以上医療費、自己負担増へ 年収370万円未満も
生田大介
2016年11月29日05時00分 朝日新聞

70歳以上の医療費の自己負担上限(月額)
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 厚生労働省は70歳以上が支払う医療費の自己負担上限(月額)について、住民税を払っているすべての人を対象に引き上げる方針を固めた。すでに引き上げ方針を決めている現役世代並みの所得がある人に加え、年収約370万円未満の約1200万人も対象になる。来年8月から順次、見直していく。

 30日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で提案し、与党と調整した上で年内に決める。

 医療費は「高額療養費制度」により収入に応じて毎月の自己負担額の上限が定められている。上限を超えた分は公的な医療保険などが負担する仕組みで、医療費の負担が重くなりがちな70歳以上は70歳未満より上限が低く設定されている。

 今回の見直しは、膨れあがる社会保障費を抑えるため、一定の収入がある高齢者に負担増を求める狙いがある。厚労省は年収約370万円以上の現役世代並みの所得層のほか、年収約370万円未満で住民税を払っている所得層(東京23区で単身なら年金収入が年155万円以上)も引き上げ対象に追加する。この所得層は約1243万人と対象者が多く、財政の削減効果が大きいためだ。

 ログイン前の続き引き上げ幅は、70歳未満の上限に合わせる。年収約370万円未満の場合、現在の4万4400円の上限が2017年8月から5万7600円になる。年収約370万円以上の人も70歳未満に合わせて3段階に上限を設定。引き上げは18年8月から実施する。例えば年収約1160万円以上の人が月100万円の医療費を使えば、8万7430円の上限は25万4180円と大幅な引き上げになる。

 一方、高齢者は外来受診の回数が多いため、70歳以上には個人ごとに使った外来医療費の月額上限を下げる「外来特例」がある。年収約370万円以上の人は特例を廃止する。年収約370万円未満では1万2千円の上限をいったん17年8月に2万4600円に倍増。翌18年8月には特例の廃止も検討する。

 政府は来年度の社会保障費の自然増を1400億円程度抑えることをめざしている。今回の見直しを実現すると、年650億円以上の予算削減効果があるとしている。(生田大介)



http://biz-journal.jp/2016/11/post_17303.html
連載 平野雅章「FP相談1600件でわかった全体最適マネー術」
「医療保険は不要」を疑え…年々増加する医療費自己負担、貯蓄ゼロ世帯は要注意

文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
Business Journal 2016.11.29

 雑誌の保険特集などで必ずといってよいくらい目にするのは、「医療保険は必要ない」とする内容の記事である。私も多くの記事を読んでいるが、こうした医療保険不要論の根拠の多くは、次の3点に集約されているように思う。
(1)高額療養費制度があるから、医療費の負担がそれほど大きくなることはない
(2)女性特約や健康祝い金など無駄なものが多い
(3)保障対象外などで給付金がもらえない、もらえても少額なことがある

高額療養費制度があるから医療費はカバーできる?

(1)で挙げた高額療養費制度とは、同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分を、健康保険あるいは国民健康保険で負担してくれる制度である。自己負担限度額には収入による区分があり、3万5400円から26万円程度とかなり幅がある。会社員で税込年収600万円の場合、通常は自己負担限度額が9万円程度の区分になる。
 さらに、健康保険組合によっては自己負担額をさらに減らしてくれる「付加給付」の制度を設けているところもあるため、人によって実際に自己負担する金額は大きく異なる。
 また、手元のお金にどの程度の余裕があるかは人により差が大きく、医療費負担というリスクへの許容度が人により大きく異なることも考える必要がある。金融広報中央委員会が行っている2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」(2人以上世帯調査)では、金融資産がないと回答した世帯は30.90にも達している。収入が高い人が多い私の相談客のなかでも、貯蓄ゼロ世帯は珍しくない。従って、一律に医療保険の要不要を判断すること自体に無理があり、個別に判断すべき内容である。
 そして、不要論の多くは現在の高額療養費制度に基づいた判断を示しているが、高額療養費制度は直近でも06年10月と15年1月に改定され、自己負担限度額は徐々に高くなってきている。さらに、自己負担限度額とは別に支払いが必要な費用の改定もある。たとえば入院時の病院の食事代は1食260円だったのが、16年4月から360円になり、18年4月からは460円になることが決まっている。
 高齢化や財政の問題から自己負担しなければならない金額が、今後も高くなっていくことには疑う余地がなく、そのような視点からの判断も必要ではないだろうか。

医療保険の無駄な特約や保障対象外の問題

(2)で挙げた「女性特約や健康祝い金など無駄なものが多い」は、商品や特約の“選択”の問題であり、医療保険そのものを否定するのは論理の飛躍といえるだろう。そのような手厚い保障はパッケージプランの例にすぎず、大部分の医療保険は入院と手術の保障だけというようにシンプルな設計でも加入できる。
 また、(3)の「保障対象外などで給付金がもらえない、もらえても少額なこともある」は、保険が契約である以上、あらかじめ定められた通りに支払われるのは当然なことともいえる。保障内容の理解が不充分で加入の判断が歪んでいるということであれば、販売側の説明の問題を議論すべきだが、医療保険そのものの要不要とは別の問題だ。
 また、たとえば医療保険の手術給付金は、以前の医療保険では保険会社が定める88種類の手術のみを対象としており、公的医療保険制度で手術と認められるものでも対象外となることがあった。しかし、現在販売されている医療保険のほとんどは公的医療保険制度で手術と認められるものを手術給付金の対象とするように変わっている(一部例外もある)。保障対象をよりわかりやすくする改善も継続的に行われているのだ。
 保険は保険料から運営コストが費消される分、確率的には加入者が損をする可能性が高いものであり、なるべく加入しないに越したことはないのは事実。「医療費の自己負担が将来的に増加する可能性も考慮した上で、貯蓄で充分対応できるのであれば加入する必要性は低く、それが難しければ医療保険に加入せざるを得ない」というのが妥当な結論ではないだろうか。
(文=平野雅章/横浜FP事務所代表、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)


  1. 2016/11/29(火) 06:08:09|
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