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11月21日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/478796?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161121&dcf_doctor=true&mc.l=191062155&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
勾留中の男性医師死亡、法医が刑事告発したわけ
出羽岩手医大教授、「結論ありきの死因に疑問」(2016/11/21 追記)

2016年11月21日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「死亡した男性医師の司法解剖の鑑定書は、急性心筋梗塞という結論が先にありき、という内容だった。これに対し、奈良地裁に提出した原告側の4人の医師の意見書は、いずれも急性心筋梗塞を発症したとの結論を否定している」

 こう批判するのは、岩手医科大学法医学講座教授の出羽厚二氏だ。その矛先は、山本病院(奈良県)の男性医師(当時54歳)が、肝臓腫瘍切除術に伴う医療事故で、業務上過失致死罪容疑で2010年2月6日に逮捕され、19日目の2月25日に心肺停止に陥り、死亡した事案の司法解剖の鑑定書、およびそれを基にした奈良県警など関係者の対応だ。司法解剖の鑑定書による死因は、急性心筋梗塞。これに対し、出羽氏の意見書では、取り調べ中に、頭部、胸部、上肢・下肢に鈍体による殴打で傷害を負い、横紋筋融解症を発症、それが原因となり急性腎不全などの多臓器不全で死亡したと判断している。

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検視調書に掲載されていた男性医師の解剖時の写真。右外側大腿部から右外側下腿部を中心に皮下出血が見られる。上肢{左右とも}にも皮下出血を認めている。

 勾留中の死亡を問題視した遺族は、約9683万円の損害賠償を求めるため、2013年2月19日に奈良県を提訴。出羽氏ら4人の法医学や救急の医師が、原告側の依頼を受け、意見書を提出した。裁判の一番の争点は、男性医師の死因が病死、つまり急性心筋梗塞であるか、あるいは殴打がきっかけとなった死亡かだ。後者であれば、取り調べを行った奈良県警の責任が問われかねない。本民事裁判は、2016年9月26日に結審したが、原告側は、男性医師の留置所の様子が分かる「留置記録」がまだ裁判に提出されておらず、4人の意見書のうち、1人分が現時点では証拠として採用されていないことから、裁判を再開し、審議を尽くすよう求めている。

 その最中の11月15日、出羽氏は、本事案は刑法195条1項(特別公務員暴行陵虐罪)、196条(特別公務員職権濫用等致死傷罪)に当たるとして、容疑者不詳のまま、奈良県警察本部に刑事告発した。

 「告発状は現時点では、受理されていない。恐らく受理は難しいのではないか」と出羽氏は、苦笑気味に話す。「しかし、取り調べ中の死亡が、闇から闇に葬られてはいけない。今回の事案は、取り調べの可視化以前の問題。勾留中の被疑者に対し、取り調べに当たって、暴行を加え、死に至らせるような前時代的な不祥事を発生させてはならないとの使命感から、告発を決意した」。

 出羽氏は民事裁判で審議を尽くせない懸念があり、仮に告発状が受理されなくても世間に問題提起する意味から、告発に踏み切った。男性医師の司法解剖を行ったのは奈良県立医科大学。「司法解剖には、奈良地検の検察官や奈良県警の警察官らが立ち会っていることが、民事裁判の過程で明らかになっている」(出羽氏)。今回の告発は、司法解剖を担当した医師も含め、司法解剖の在り方を問う意味もある。

 「意見書の依頼、最初は引き受けるか否か迷った」
 出羽氏は、2007年の「時津風部屋の力士暴行事件」の解剖を担当したことで知られる。同事件では、時津風部屋の親方らが、部屋の力士に暴行を加えて死亡、当初は「虚血性心疾患」として処理されようとしたものの、当時、新潟大学に在籍していた出羽氏が、力士を解剖し、「多発外傷によるショック死」と発表、大きなニュースとなった。

 今回の事件の当事者である男性医師は、山本病院への着任から約3カ月後の2006年6月16日、助手として入った肝臓腫瘍切除術の医療事故で患者が死亡、2010年2月6日に業務上過失致死罪容疑で逮捕された(執刀医の院長は、2012年11月、大阪高裁で控訴棄却、業務上過失致死罪で禁固2年4カ月の実刑判決が確定)。

 前述のように男性医師の遺族は、2013年2月19日に奈良県を提訴。出羽氏のもとに意見書の依頼があったのは、2014年の夏頃だという。司法解剖の鑑定書や検査データなどを見た出羽氏は最初から「急性心筋梗塞という死因はおかしい」と思ったものの、警察などが絡む事件である上、法医学の医師同士の同僚評価(ピアレビュー)につながることなどもあり、「やはり最初は引き受けるかどうか迷った」という。

 遺族側が意見書を依頼したのは、出羽氏を含め、計4人。しかし、時期的に最後に当たる今年8月26日付けの意見書は、急性心筋梗塞との剖検診断が、妥当なのか、否かを検証した内容だったが、民事訴訟法第157条に定める「時機に遅れた攻撃的防御」であり、訴訟の完結を延ばす行為に当たるとして採用されていない。「急性心筋梗塞か否かが問われている裁判で、この意見書が採用されないのはおかしい」(出羽氏)。

 一方、奈良県側が医学的な検証資料として提出しているのは、司法解剖の鑑定書や同解剖を実施した意見書のみだ。

 クレアチニンキナーゼ、死亡前日に1万4280U/L

 告発人代理人弁護士であり、遺族の民事訴訟の代理人も務める小泉哲二氏は、(1)奈良地検は、2月25日の男性医師の死亡当日に、司法解剖の結果が出ていない段階で、死因は急性心筋梗塞であると発表、(2)遺族が民事裁判前に入手した解剖記録や解剖時の遺体写真は、裁判で明らかになった鑑定書や写真とは相違(不足)がある――など、男性医師死亡後、今に至るまでの経緯に不審な点があると指摘する。

 これらの追及に加えて、医療界として検証が必要なのは、男性医師の死因だ。「幸いなことに、逮捕時、および死亡前日の診療記録がある」と出羽氏は説明する。

 男性医師は逮捕の前年、2009年2月、くも膜下出血(前交通動脈瘤破裂)で、コイル塞栓術を受けていた。翌2010年2月6日の逮捕後、死亡に至るまで計3つの病院を受診している。しかし、CK(クレアチニンキナーゼ)が1万4280U/Lと異常な高値を示した24日の受診後も、入院せず、留置所に戻り、翌25日に死亡した。

男性医師の逮捕後の臨床所見
2月6日:A病院:心電図検査で異常なし。「血圧は157/94mmHgとやや高めであるものの、その他特に大きな異常は認めず」
2月13日:B病院:左側頭部打撲後、CT撮影
2月24日:C病院(カルテから抜粋。カッコはカルテ記載のまま)
 ・高血圧(降圧剤、「現在内服できていない」)、狭心症あり、食事あまりできていない
 ・右下肢に皮下出血、左下肢にも数カ所、皮下出血あり「打撲によるものか?」
 ・「強度に反抗的、言うことを聞かず、やっとのことで、レビンチューブ挿入」   「効果が出れば、尿も出て元気になるが、尿が出なければ、明日病院に必ず」
 ・頭部CT撮影(異常所見なし)、心電図検査せず
 ・CK:1万4280U/L、クレアチニン:3.06mg/dL、尿素窒素:71.2mg/dL、AST:178U/L、ALT:69U/L、LDH:807U/L、カリウム:3.5mEq/Lなど。
・点滴2000mLの輸液(ソルデム3Aを1000mL、ソルデム1を1000mL)、経鼻栄養
2月25日:C病院:救急搬送、来院時CPA(心肺停止)、死亡確認
 司法解剖の死因「急性心筋梗塞」、出羽氏らは否定
 司法解剖鑑定書では死因は「急性心筋梗塞」、一方、出羽氏の意見書はそれを否定する内容であり、遺族が依頼した他の3人の意見書も「急性心筋梗塞」を否定。その後、司法解剖を担当した法医学の医師が、出羽氏の意見書を反論する内容の意見書を提出している。その抜粋は、以下の通りだ。

【司法解剖の鑑定書の死因:2010年4月27日】(一部抜粋)
 本屍の死因について考察すると、本屍の外表には頭部、胸部および上下肢に損傷が認められるが、それ自体の損傷では死因とはならない。(中略)組織学的所見から考察されることは、急性腎不全の原因として横紋筋融解症が考えられる。(中略)本屍において筋肉の障害部位として考えられるのは、右下肢に広範囲の出血が認められることから、右下肢への打撲などの外力が作用したことが考えられ、このために同部位の筋肉が障害されたために横紋筋が遊離したものと考えられる。しかし、腎臓の障害の程度は比較的軽度で死因とは考え難い。(中略)
 一方、本屍には急性心筋梗塞の初期像が認められ、また以前からの心筋障害の存在をうかがわせる間質の線維化を認めることから、本屍の死因は急性心筋梗塞と考えるのが妥当である。(中略)本屍においても、冠状動脈の硬化狭窄が認められたため、心筋が虚血状態になったものと判断される。このことは間質の線維化が認められたことからもうかがえる。

【岩手医科大学法医学教授の出羽厚二氏の意見書:2014年11月21日】(一部抜粋)
 結論から先に記述すれば、死因は、急性心筋梗塞ではなく、筋挫滅に伴い腎不全を起こし、さらに肝不全、呼吸不全を起こした多臓器不全である。
 裁判の論点の一つとして、高いCPK(CK)の値が心筋梗塞に由来するものか、筋挫滅に由来するものかが争われていると理解している。
 もしも心筋梗塞が起こっていたとしたならば、心筋梗塞の発症からCPKが上昇するまでには、ハリソン内科学によれば、4~8時間を要するので、2010年2月24日の受診の数時間前には心筋梗塞が起こっていたということになる。(中略)2月25日朝の死亡時には心筋梗塞発症から1日程度は経過していることになる。そうであれば解剖時には肉眼的には心臓の断面では心筋は黒く見え、組織学検査では心筋の壊死、好中球の浸潤がみられたはずである。
 (中略)しかし、解剖記録には心臓の肉眼内部所見として「心筋:出血などの特変を認めないがやや蒼白調である」と書いてあり、組織学的所見として「心臓において脂肪組織が心筋内に浸潤し、間質の浮腫、横紋筋の消失、巣状の線維化を認める」とあるだけである。この所見は心筋梗塞発症から約1日経過した所見とは考えられない。(中略)また、被告第1準備書面に「2月25日、午前7時00分に起床し、自ら立ち上がり、布団を運んで片付け、洗面をした後に、房内に戻ったが、この時点で同人に全く異常が認められなかった。しばらくして、男性医師(原文では実名)がいびきをかき始めたことから、担当警察官が房内に立ち入り、呼びかけたが、同人はこれに応じず、同人に呼吸が認められなかったことから、安全体位を取らせて気道を確保し、心臓マッサージを開始するとともに、119番通報したものである」との主張があるが、前日の24日に心筋梗塞を発症していたとすれば、心筋梗塞を発症しておりながら、丸一日経過した翌25日の朝になって、突然倒れたということになる。無痛性の心筋梗塞は糖尿病患者、高齢者には認められるものの稀であり、胸痛を訴えることなく、心不全の症状を示さず「布団を片付け洗面をした」というのは臨床経過として不自然である。
 逆に心筋梗塞が2月25日の朝の7時頃発症したとすれば、解剖記録に記載された所見は、「急性心筋梗塞の初期像」と考えて矛盾しないが、そうなると、急性心筋梗塞がまだ発症していないはずの前日のCPKの高値を、心筋梗塞によるものとしては説明できない。また腎不全、肝不全を示すデータの説明もできない。
 これをまとめると、心筋梗塞が2月24日の受診前に発症していたとすれば、臨床経過と解剖の所見がこれと矛盾し、25日の朝の7時頃発症したとすれば、前日のCPKの高値と腎不全、肝不全の原因が説明できなくなるのである。
 したがって2月24日の受診時には、心筋梗塞は発症していなかったと考えざるを得ないので、検査報告書の値CPKの高値は、心筋梗塞以外の原因を求めるのが妥当である。
 CPKの上昇は、骨格筋の崩壊によっても生じるが、2月24日の受診時より前に受けた打撲、強圧によって高度の骨格筋の崩壊が生じ、CPKが14280と高い数値を示す結果となったと考えるのが妥当である。
 「高度の骨格筋の崩壊は、横紋筋融解症、ミオグロビン尿症を引き起こし、急性腎不全を起こし、さらに肝不全、呼吸不全を起こし多臓器不全となって、死亡した」と考えるのが一元的で合理的である。なお、ミオグロビン尿症については解剖記録においても言及されている。
 「CPKの上昇と腎不全は下肢の皮下出血によるもので、それとは別に心筋梗塞が発症して、短時間に心肺停止になった」と考えるのでは多元的でありすぎる。

【司法解剖を担当した法医学の医師の意見書:2015年4月27日】(結論部分、一部匿名化)
・皮下出血の最も強かった下腿部の前部の骨格筋の組織検査において、強圧や打撲による筋挫滅や炎症などなく、腎臓のミオグロビン染色でも、ミオグロビン円柱は証明されなかったので、横紋筋融解症による急性腎不全は否定される。
・解剖の結果、腎臓と肝臓の障害は死因とは考えられない。
・男性医師は、急性心筋梗塞で死亡したと判断される。C病院のカルテおよびA病院のカルテからは、狭心症から急性心筋梗塞になったと考えても矛盾する検査所見は認めない。
・また横紋筋融解症であっても、下肢の強圧や打撲による筋挫滅でなく、むしろ同一姿勢を長時間取っていたための四肢の循環不全によるものと考えられるが、横紋筋融解症によって急性腎不全が生じたことは考えがたい。また、急性心筋梗塞と横紋筋融解症との併存があったとしても何ら矛盾はない。

【追記】2016年11月21日、以下の点を追記しました。
・2月24日にC病院を受診した際の検査データとして、「カリウム:3.5mEq/L」を追記しました(本文中に記載したのは、検査結果の一部です)。



https://www.m3.com/clinical/news/478718
高齢者運転事故受けて学会が提言
日本老年精神医学会、改正道交法の施行に向けて対策示す

日本老年精神医学会 2016年11月21日 (月)

 日本老年精神医学会はこのほど、高齢者による交通死亡事故のニュースなどが相次いでいることを受け、坂口正芳警察庁長官らに対し改正道路交通法(道交法)に関する提言を行った。運転免許証の自主返納や高齢者講習会での対策などを示しており、国には社会の安全を担保しつつ、高齢者の尊厳を守り、生活の質を保証する法の整備を急ぐよう求めている。

 同学会は、提言の中で2015年度の交通安全白書で四輪車乗車中事故死者の43.8%を高齢者が占めるほか、最近は児童を含む歩行者を巻き込んだ高齢運転者による死亡事故のニュースが後を絶たないと指摘。2017年3月の改正道交法施行に合わせた提言を行うと説明している。

 提言は、(1)道路交通インフラの安全対策、高齢運転者を支援するハードウェアの開発促進、(2)運転免許証の取り消し・自主返納に対応する「生活の質」の保証、(3)高齢者講習会での実車テスト等について、(4)「認知症」と一括されていることの問題点-の4点。(1)では、高速道路パーキングエリアなどでの逆走防止用ゲートの設置を呼び掛け、(2)では運転免許証の自主返納によって高齢者やその家族の生活の質が下がらないよう、収入に応じたタクシー利用券やバス乗車パスの支給などを提案している。

 特に(1)と(2)については「速やかに実行されることが重要」として、運転免許証の取り消しや自主返納の施策のみに終始するのではなく、「道路交通に関するハード・ソフト両面の整備が喫緊の課題」と訴えている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/478705
柔整問題「帰り道、何度も後ろ振り返った」、厚労省検討会委員
臨床整形外科学会シンポ、「数が増えると質が低下する」との指摘も

2016年11月21日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本臨床整形外科学会のシンポジム「柔道整復療養費、問題点の整理」が11月20日に東京都内で開催された。基調講演で、厚生労働省の柔整問題検討会の委員を務める相原忠彦氏は 、検討会の場で柔整関係者から詰め寄られたり、厚労省の担当者から委員交代を示唆されたりするなどの苦労があったと振り返りつつ、「公の場で話すことは意義がある」と語った。柔道整復師の養成カリキュラムを検討している北村聖氏(国際医療福祉大教授)は、問題の背景に柔整の養成学校が急増したことがあるとし「数が増えると質が低下する」と指摘した。

 厚労省社会保障審議会柔道整復療養費検討専門委員会委員を務める相原氏(相原整形外科院長)は「適正な柔道整復療養費のあり方」と基調講演し、2012年度の設置時から委員を務める専門委員会の議論の状況を説明した(『柔整問題、厚労省の検討委は「ガス抜き」-相原忠彦・柔道整復療養費検討専門委員会委員に聞く◆Vol.1』 を参照)。専門委員会を所管する厚労省保険局保健医療企画調査室長はこれまでに5人いたが、担当者によって熱意が違うと説明。理由もなく2年間休会だったり、相原氏が求める資料提出を認めず「次の委員はないでしょうね」と言ってきたりすることもあったと言う。診療報酬改定について議論した2014年の第3回委員会では、事務局が提出示した改定率は0.00%だったが、最終的には全体改定率の半分の0.68%で決着。「何かの力が働くことがよく分かった」と振り返る。

 相原氏が議論の俎上に載せるために資料提出を求めたのは、「亜急性の外傷」という概念の是非。2007年の厚労省通知で柔整療養費の対象となる負傷は「急性または亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲、捻挫など」と示されている。日本外科学会や日本整形外科学会などは2014年に日本医師会の要請に応える形で「『亜急性』は傷病の時間的概念で、急性期と慢性期の間の時期と表記するのが一般的。外傷は全て急性で、『亜急性の外傷』という表現は医学的にない」との見解を示している。相原氏は「亜急性の外傷」を認めることが不正を生み出す原因になっているとして、委員会での議論を繰り返し求め、日医からの提出資料として「亜急性外傷問題の解決への医学的見解」を出すことを要望したが、厚労省の担当者は長く、認めなかった。

「帰り道、何度も後ろを振り返った」
 担当者が変わったことで、2016年7月の第6回委員会で資料提出がようやく認められた。この時の議論では、柔整関係者が「エビデンス、エビデンスと言っても、医師もエビデンスがないことやっているだろう」などと執拗に相原氏につめより、座長から退場を命じられる場面もあった。座長を務めているのは中医協会長経験もある遠藤久夫・学習院大教授で、「審議会で退場を命じたことは初めての経験」と話したという。一連のやり取りは議事録からは削除されている。相原氏は「会場を出てから、帰り道は何度も後ろを振り返った」と振り返る。

 8月の第7回委員会では厚労省が作成した議論の整理案に、「在宅医療・在宅介護を推進し、高齢者が住み慣れた地域で継続して生活できるよう地域包括ケアシステムを構築する中で、柔道整復師の担う役割は重要である」との一文が盛り込まれたことに、保険者側が反発し議論が紛糾。厚労省の対応に不満を持つ保険者側が、柔整問題の改革工程表を作成するよう求めた。

 相原氏は4年間の議論について、壁は厚いとしつつ、「医療関連のマスコミが公平に報道してくれるようになった。公の場で話すことは意義がある」と語った。座長の角南義文氏(日本臨床整形外科学会医療システム委員会アドバイザー)は「相原氏を辞めさせてくれという圧力もあったが、それを乗り越えてやっていただいている」と話した。

「数を増やすと質が下がる」北村氏
 同じく基調講演をした、厚労省で議論が進む柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会の座長を務める北村聖氏(国際医療福祉大教授(医学部長予定者))が、9月に公表した報告書の内容について説明した。養成施設は1998年度の14施設定員約1100人から2016年度には109施設約8600人に急激に増加している。養成数を増やすことについては「医師も同じだが、数が増えることで、これまで養成していたより質の悪い人が入ってくる。必ず質の平均は下がる」との認識を示した。

 急増の背景には、1998年の福岡地裁判決で、それまでの需給バランスを考えた設置認可を、規則さえ満たせば認めるようにしたことがあると指摘。判決理由に「柔道整復師の数が増大することは、(中略)国民にとって利益になることはあっても、不利益にはならないものである」と書かれている点を挙げて、北村氏は「医学部定員は、(時限的な枠の増設など)微妙な按配でやっているのに、柔整は一気に増えており、問題の根底にあると認識している」と述べた。

 2018年度入学者から適用される予定のカリキュラム改定案では、現行の85単位から99単位以上にすることを求める。3000時間近い学習時間が求められ、現在は午前、午後の2部制、学校によっては夜間も含めた3部制もあるが、「抑制を求めたものではないが、夜間はなくなり、2部制も辛くなるだろう」と説明した。新たに「職業倫理」「社会保障制度」などを学ぶことを求める。

 会場から問題視する指摘が相次いだのが「柔道整復術適応の臨床的判定(医用画像の理解を含む)」という項目。エコーなどの画像を利用することについて、「看護師が超音波検査(エコー)を使っても医師が最終的に判断する。柔整は自身で完結させるが、診断に当らないか」という質問に対し、北村氏は「言葉遊びみたいだが、厚労省では『診断』ではなく『判断』の助けに使うことになっている。骨折と診断することはできないが、骨折の可能性があるとして医師に紹介するという判断。画像を使うことによるメリットがあるのでは」と答えた。

 北村氏講演の座長を務めた、日本臨床整形外科学会会長の田辺秀樹氏は、北村氏に「現実は(柔整による)健康被害がたくさんあるので、その辺りを踏まえて委員会活動を続けてほしい」とまとめた。

領収書と申請書の金額が違うことも
 基調講演の後は、保険者側や会場の参加者も交えて活発な議論が展開された。愛知県医療健康保険組合の原公美氏は「支払い側からみた問題点」と題して、同組合が進める患者への照会文書での調査や啓発活動などを紹介した(同組合の『接骨院・整骨院にかかるとき』を参照)。原氏は保険者と整形外科医の連携が必要とし「柔整審査会に参加し、我々が譲らないという姿勢を示すことが重要」と訴えた。

 同学会医療システム委員会副会長の松本光司氏は「受領委任払い、何が問題か」として、厚労省が認めている療養費支給申請書の白紙委任(患者に月初に署名を求める)について「白紙小切手を施術者に渡すことと同じで、不正請求の温床になっている」と指摘。施術を受けるたびに署名を求めるように申請書の様式を変えることを提案した。

 会場の保険者からは、領収書の発行が義務付けられているにも関わらず、毎回発行されることはほとんどなく厚労省も野放しにしている実態があると報告された。別の保険者も領収書をチェックしたら、申請書と金額が一致しないケースが多数見つかったと指摘し、毎回、患者の署名を求める様式が望ましいと述べた。

 相原氏は医師国保でも、怪我でないことが分かっているとみられるのに柔整にかかっている事例があることを問題視。「患者からしたら、安くマッサージを受けられてなぜだめなのかとなってしまう。保険者が被保険者を教育することが重要」と指摘した。



https://www.m3.com/news/general/478804
産業医大病院で点滴また穴 内部犯行か、福岡県警捜査
2016年11月21日 (月) 共同通信社

 20日午後0時25分ごろ、北九州市八幡西区の産業医大病院のナースステーションで、点滴袋1個に穴が開けられているのが見つかった。点滴は21日に使用する予定で、患者に影響はなかった。同病院では10月にも同様の事件があった。福岡県警折尾署は内部関係者による悪質ないたずらとみて、当日ナースステーションなどを出入りした10人前後から事情を聴いている。

 10月の事件では、同じナースステーションなどにあった点滴袋3個に針で刺したような穴が開けられ、薬品保管庫などの鍵束と鎮痛剤2本が紛失しているのが見つかった。この後にナースステーションに防犯カメラが設置されたが、今月20日朝から保安点検のため病棟の一部が停電しており作動していなかった。停電は事前に職員らに知らされていた。

 署によると、今回の穴開きは病棟9階のナースステーションで看護師2人が点滴袋を点検中に見つけ、針で刺したような穴が一つあった。点滴袋は発覚の約1時間前に、薬剤を保管する地下の部署から鍵付きの台車で運ばれた。

 市の担当者は21日、病院に入り薬品の管理体制などを調べた。

 佐多竹良(さた・たけよし)院長は「10月に同様の事件が発生して以来、再発防止に全力を尽くしてきた。深くおわび申し上げます」とするコメントをホームページに掲載した。

 病院のホームページによると、内科や外科、小児科などがあり、病床数は678床。高度医療を提供する特定機能病院として、厚生労働省から承認されている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/478330
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医「整備指針」、地域医療に配慮し12月に改訂
カリキュラム制も可能、基本領域専門医「取得望ましい」に緩和

2016年11月19日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は11月18日の理事会で、新専門医制度の骨格となる「専門医制度整備指針」(2014年7月策定)を改訂し、研修プロセスを重視する「プログラム制」以外にも、基本領域のダブルボードの取得が容易になるよう、到達目標で評価する「カリキュラム制」も可能にするほか、地域医療への配慮から「研修施設群」の要件を弾力化し、指導医がいない施設でも加わることを認めるなどの見直しを行う方針を決定した。「プログラム制」は、2017年度から開始予定だった新専門医制度の特徴であり、大きな変更と言える。

 卒後2年間の臨床研修修了後、従来は19の基本領域の「いずれかの専門医資格を取得」としていた点も緩和、「取得が望ましい」とするほか、サブスペシャルティの専門医については「医師の自主的な判断で選択」という位置付けにする。

 さらに専門医制度の運営における日本専門医機構と各領域の学会の役割分担も明確化。専門医の新規認定・更新や専門研修プログラムの1次審査などは各学会が同機構の基準に則って行い、その2次審査を同機構が行うといった体制に変更する(『内科と外科のサブスペシャルティ取得、「短縮」も』を参照)。

  「専門医制度整備指針」改訂案は、12月9日の次回理事会に諮り、12月16日の社員総会で最終決定する。その後、各基本領域の学会は、改訂で修正された点を踏まえ、領域別の「専門研修プログラム整備基準」を改訂。各研修施設はそれを基に、専門研修プログラムを見直すという流れになる。

 理事会後に会見した日本専門医機構理事長の吉村博邦氏によると、18日の理事会では「専門医制度整備指針」と、基本領域とサブスペシャルティの在り方について主に議論したという。

 吉村理事長は「今後、医学の進歩などを鑑みて見直すこともあり得るが、基本領域は、総合診療専門医を含めて19とする」と改めて確認。その上で基本領域の専門医は、基本は「プログラム制」だが、「ダブルボードも認めており、カリキュラム制でも研修が可能になるよう、柔軟性を持たせる形で、整備指針の改訂を進めている」と説明した。一定期間の研修が要件になる「プログラム制」ではなく、研修の到達目標で質を担保する「カリキュラム制」の方が、例えば、救急領域の専攻医が、脳神経外科や麻酔科などの領域での研修・専門医取得などが容易になる。

 サブスペシャルティについても「カリキュラム制」が可能。内科領域は13、外科領域は4のサブスペシャルティとそれぞれ連携プログラムを検討中だ。それ以外のサブスペシャルティに関しても今後、関係する基本領域とサブスペシャルティが合同で、専門医制度の仕組みや医師像、研修プログラムなどを検討する予定。「日本専門医機構は、各サブスペシャルティの専門医の基準を早急に作成する。それを基に、各領域から提出された制度を検証し、適切と思われる領域については、サブスペシャルティとして認めていく」(吉村理事長)。日本専門医機構は、前身の日本専門医制評価・認定機構の時代に、内科系13と外科系4の領域も含め、29のサブスペシャルティを認めていたが、基準を満たせば、その数は増える。なお、総合診療専門医とサブスペシャルティとの関係については、総合診療専門医そのものの議論がまた途中であり、未定だという。

 日医、「専門医制度整備指針」改訂で「要望書」
 さらに吉村理事長は、「専門医制度整備指針」改訂に当たって、各団体から要望が挙がっていたために、柔軟性を持たせ、地域医療に配慮するなどの対応をしたと説明。「大学以外でも基幹施設になることができ、従来、専門医研修をやっていた病院が外れないようにしたほか、女性医師が妊娠・出産等で中断した場合などでも対応できるようにした。(整備指針を)頑なに設定した点に問題があったので、見直す。ただし、努力はするが、新専門医制度のみで、医師の地域の偏在を是正するのは難しい」(吉村理事長)。

 日本専門医機構副理事長で、日本医師会副会長の松原謙二氏は、同会が11月18日付けで「専門医制度整備指針」改訂についての「要望書」を提出したことを紹介。(1)都道府県ごとに、大学病院以外の医療機関も含め、複数の基幹施設を認定、(2)従来専門医を養成していた医療機関が専攻医の受け入れを希望する場合は、連携施設となれる、(3)専攻医のローテートは、原則6カ月未満では所属が変わらないようにする、(4)都市部の都府県に基幹施設がある研修プログラムは、原則として募集定員が過去3年の専攻医の採用実績平均を超えない、(5)専攻医の採用は、基幹施設だけでなく連携施設でも行える、(6)研修プログラム認定は、各都道府県協議会で、医師会、大学、病院団体等の地域の医療関係者の了承を得る、(7)妊娠などによる6カ月までの研修中断であれば、残りの期間で必要な症例を埋め合わせることで研修期間を延長せずに済み、6カ月以上の中断でも復帰後は中断前の研修実績を有効とする――という7項目だ。これらを反映した改訂にすることを理事会で了承した。

 同機構副理事長の山下英俊氏は、(2)の関連で、「改訂前の整備指針では、指導医あるいは専門医がいることが連携施設の条件になっていたが、地域の病院にはいないケースがある。研修プログラムで教育内容が担保されるのであれば、連携施設に準じる施設として研修施設群に加わることができるようにしたのが変更点。ただし、研修プログラム管理は必ずやってもらう必要があり、それは基幹施設が担当し、指導医がいない施設に対しては、基幹施設が支援するなどの対応はしてもらう」などと述べ、地域医療に配慮した新専門医制度に変更したと説明した。



https://www.m3.com/news/general/478838
<始まる医療再編>住民交え「痛み」議論を
2016年11月21日 (月) 河北新報

 人口減少と高齢化が急速に進む社会で地域医療をいかに守るか。山形県庄内北部で始まった医療再編の動きを取材し、切迫感を抱いた。働き手不足や国民医療費の膨張を背景に全国でも医療提供体制の見直し議論が進む。山積する課題は病院や行政だけでは解決できない。住民一人一人が医療を次世代につなぐために何ができるか、主体的に考える機会と捉えてほしい。

 「今後15~20年で日本は経験のない高齢社会を迎える。病院単体ではなく地域全体で今より格段に『燃費の良い』医療提供体制を構築しなければ、地域に医療を残せない」

 酒田市の基幹病院を運営する地方独立行政法人「山形県・酒田市病院機構」の栗谷義樹理事長は語る。

 機構は9月中旬、市内の複数の医療・社会福祉法人と職員の相互派遣や医薬品の共同購入ができるグループづくりに着手した。重複する機能の解消を視野に入れ、できるだけ無駄のない地域完結型の医療と介護体制を目指す。

 酒田市も市立八幡病院の入院ベッド(病床)を無くし、機構に移管・統合する方針を示した。地域住民に不満の声はあるが、医師や看護師が不足し、市から年間2億5000万円もの繰入金が出ていることを考えれば、やむを得ないのかもしれない。

 そもそも医療制度自体が行き詰まりつつあるからだ。

 国民医療費は昨年度、概算で41兆5000億円に達した。厚労省推計によると、高齢化と医療技術の進歩で25年度には61兆円に及ぶ。現役世代2.3人で高齢者1人を支える人口構成は60年に1.3人で1人になる。労働力人口は全体で減るが、医療・福祉分野は30年までに新たに200万人前後が必要とされる。

 国の医療政策に詳しい政策研究大大学院の島崎謙治教授(社会保障政策)は「問題を先送りにすれば財政・人的制約は厳しくなり、政策的な選択肢が狭まる。残された時間はほとんどない」と話す。

 国は、都道府県ごとに策定する地域医療構想をベースに、病床の再編と在宅医療の拡充に乗り出した。医療人材の効果的な配置と公費支出の抑制を狙う。

 9月に策定した山形県は全県で1万余りの病床について、既に過剰とされる急性期を中心に10年間で2割減らす目標を盛り込んだ。青森県は弘前市内二つの総合病院の統合など津軽地域の公的病院の再編を提案した。

 医師不足と過疎化が進む地方で医療を守るのは容易でない。「痛み」が避けられない状況になるかもしれない。だからこそ、行政や医療機関は余力のあるうちに住民を交え、地域医療の在り方や展望を共有する場を多く持つべきではないか。

 09~11年に岩手県が取り組んだ県立病院・地域診療センターの無床化を取材した。地域の将来を考えた住民有志が医療・介護の受け皿を残そうと動き、医療施設内に特別養護老人ホームを設けるケースがあった。

 病気や介護の予防など個人で取り組めることもある。「感情論」ではなく、本当に支援が要る人が医療と介護を受けられる社会に向け、行政、医療、介護関係者と住民にそれぞれ何ができるのか。同じテーブルで突き詰めていくことが必要だ。

[地域医療構想]団塊世代が75歳を過ぎる2025年を見据え、都道府県が将来の医療需要や適正な病床数を推計し、目指す医療提供体制などを定めるビジョン。病床を緊急性の高い順に高度急性期、急性期、回復期、慢性期に分類し、医療機関の自主的な減床や見直しを促す。国全体では1割超の削減が目標。実現のため2次医療圏ごとに医療・福祉団体や市町村でつくる調整会議を設ける。



https://www.m3.com/news/general/478743
双葉病院訴訟、和解が成立 死亡患者遺族と東京電力
2016年11月21日 (月) 共同通信社

 福島県大熊町の双葉病院に入院し、福島第1原発事故後に避難先で死亡した患者2人の遺族が、東京電力に各3300万円の損害賠償を求めた訴訟は、東京地裁(東亜由美(ひがし・あゆみ)裁判長)でいずれも和解が7日付で成立した。死亡したのは当時62歳と67歳の男性で、和解は東電がそれぞれの遺族に1200万円と1600万円を支払うとの内容。

 遺族側は、原発事故で長時間の移動を伴う避難を強いられ、体調が悪化したとして提訴。東京地裁では、同様の訴訟が他に5件起こされ、いずれも東電に賠償を命じる判決が既に確定している。

 東電は「亡くなった方のご冥福を心よりお祈りし、遺族にお悔やみ申し上げる。和解成立は事実だが、詳細は回答を控える」としている。



https://www.m3.com/news/general/470337
点滴3袋に穴、投与中も 鎮痛剤2本と鍵束盗難 北九州の大学病院
2016年10月24日 (月) 共同通信社

 福岡県警折尾署は21日、北九州市八幡西区の産業医大病院で点滴袋3個に針で刺したような穴が開けられ、薬品保管庫などの鍵束と鎮痛剤15ミリグラム入りの容器2本が紛失しているのが20日に分かったと発表した。穴の開いた点滴袋1個は患者に使用されたが、21日夕の時点で健康の異常はみられないという。署は窃盗、器物損壊事件として捜査。点滴袋を押収し、異物が混入されていないか調べる。

 事件はいずれも9階で発生。使用中だった点滴袋は看護師が準備をしていた20日午後11時ごろには異常が確認されず、約30分後に液漏れが見つかった。当時は鎮痛剤などの紛失の通報を受けた複数の警察官が病院におり、外部関係者は夜間のため原則院内に入ることはできなかった。署は内部事情に詳しい人物が関与している可能性もあるとみている。

 佐多竹良(さた・たけよし)院長は記者会見を開き「深くおわび申し上げる」と謝罪した。

 署などによると、病院関係者が20日午後6時半ごろまでに、薬品保管庫から鎮痛剤が、ナースステーションから薬品保管庫などの鍵束がそれぞれ紛失していることに気付き、午後8時すぎに110番した。その後、看護師が、個室の男性患者(58)に投与中の点滴袋から液が漏れているのを発見。他に未使用の2個の液漏れも見つかった。3個ともこの日の日中に薬剤を保管する地下の部署からナースステーションに移されていた。

 紛失した鍵束のうち2個の鍵は医療用麻薬を保管する金庫用で、今年7月にも別の病棟のナースステーションからパーキンソン病の治療薬1錠が紛失していたことも判明。この薬は覚醒剤の原料になるという。

 九州厚生局と市の担当者は21日病院に入り、薬品の管理体制を調査。今後立ち入り検査が必要かどうかを判断する。

 9階には消化管内科などの患者計38人が入院していた。



https://www.m3.com/news/general/478805
病棟の停電、事前に周知 内部犯行か、点滴穴開き
2016年11月21日 (月) 共同通信社

 北九州市八幡西区の産業医大病院のナースステーションで20日、不審な穴の開いた点滴袋が見つかった事件で、保安点検のため病棟の一部が当日停電になると事前に職員に知らされていたことが21日、福岡県警折尾署への取材で分かった。

 このナースステーションでは10月にも穴の開いた点滴袋が見つかり、防犯カメラが設置されたが、停電で作動しなかった。署は、内部関係者の犯行の可能性が高いとみて当日ナースステーションなどに出入りしていた10人前後から事情を聴いている。

 市の担当者は21日、病院に入り薬品の管理体制などを調べた。

 署によると、問題の点滴袋は20日午前11時半ごろ、薬品を保管する地下の薬剤部から数十人分の薬剤やカルテと共に、鍵付きの台車で9階のナースステーションに届けられた。正午ごろに看護師が台車の鍵を開け、午後0時25分ごろ、点検中に点滴袋の穴を見つけた。

 署に対し薬剤部の職員は「台車に入れる時に異常はなかった」、看護師は「台車の鍵は首からぶら下げていた。誰にも渡していない」とそれぞれ説明しているという。



https://www.m3.com/news/general/478840
【神奈川】総合的病院の公募に2法人 逗子市
2016年11月21日 (月) 神奈川新聞

 逗子市は18日、建設を目指す総合的病院の公募について、募集を締め切った同日までに2法人から応募があったと明らかにした。外部の有識者らでつくる選考委員会の審査を経て、12月上旬に平井竜一市長が進出病院を決定する。

 市内には総合的病院がなく、市は在宅医療の後方支援病院や救急搬送の時間短縮、小児科や産科の充実を目指して誘致に乗り出した。横須賀・三浦の2次保健医療圏は今年3月末時点で、基準病床に対して既存病床が175床不足している。県は病床割り当てのための申請を12月9日まで受け付けており、それまでに市が進出病院を選ぶ必要がある。割り当ては来年3月末ごろ決定する見込み。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/11/21/09.html
校医の大量辞任…対立の医師会と吉川市長「市民の健康増進」で協力へ
2016年11月21日(月) 埼玉新聞

 吉川市の小中学校校医や介護認定審査会委員の医師が大量辞任した問題で、市と吉川松伏医師会は20日までに、「市民の健康増進に取り組む」ため協力するとの合意を結んだ。中原恵人市長と平井真実同医師会長が4日に会談し、合意内容を書面で取り交わした。

 吉川市の小中学校校医や介護認定審査会委員の医師が大量辞任した問題で、市と吉川松伏医師会は20日までに、「市民の健康増進に取り組む」ため協力するとの合意を結んだ。中原恵人市長と平井真実同医師会長が4日に会談し、合意内容を書面で取り交わした。

 市と同医師会が10日付で、双方のホームページ上に「合意事項」の内容を掲載した。合意は5項目に上り、両者が健康診断や介護認定審査会の事業などに協力、連携を図り「市民の健康増進に取り組む」としている。

 今年3月、同医師会会員の複数の医師が市内の校医や介護認定審査会委員を辞退。健康診断が規定の期間内に実施できるかや、介護認定審査会が適正に行われるかなど、関係者から不安の声が広がっていた。

 市議会ではこれまで、中原市長と医師会の対立が指摘されてきた。一般質問では、定期予防接種の委託契約を巡り、市が医師会会員以外の医療機関と契約を結んでいたことなどが取り上げられた。

 合意書面の中で、定期予防接種について「市は今後、医師会に加入していない医療機関と個別に委託契約を締結しない」としている。

 市や同医師会によると、今回の合意に基づき、両者は市内学校の健康診断や介護認定審査会の事業を円滑に実施するために協力。地域包括ケアシステムの構築や災害時の医療救護活動などでも連携を図るという。

 埼玉新聞の取材に対し、中原市長は「吉川松伏医師会との連携を図りながら、市民のさらなる健康づくりを推進したい」。同医師会は「今後も行政からの各種依頼事業に対して、会員の先生に協力をお願いし、市民の医療や健康増進に取り組みたい」とそれぞれコメントしている。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016112102000139.html
【社説】 医療事故調1年 なぜ届け出が少ないか
2016年11月21日 東京新聞

 医療事故の再発防止を目指す医療事故調査制度がスタートして一年たったが、年間の報告件数は当初予想の三割以下にとどまっている。肉親を失った遺族の心情に寄り添う仕組みにしたい。
 「まだまだ、医療従事者が制度を理解しても、真剣に取り組んでもいないし、遺族側も疑問点をぶつけていくという風土になっていない」。「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代表の永井裕之さん(75)はこう指摘する。
 永井さんは十七年前、医療事故で妻を亡くした。東京都立広尾病院で、点滴中に誤って消毒液が投与された。病院側は事故を隠蔽(いんぺい)したが、最終的に関係者は刑事責任を問われた。
 永井さんはその後、連絡協議会を立ち上げ、医療事故調査制度の実現を求めてきた。そして昨年十月、ようやくスタートした。
 死亡事故が発生したら医療機関は第三者機関である「日本医療安全調査機構」に届け出なければならない。その後、自ら院内調査を行い、結果は遺族に説明。遺族は不服があれば、機構に調査を求めることができる、というのが主な仕組みだ。
 しかし、事故の届け出件数は一年間で三百八十八件と、厚生労働省が想定していた年千三百~二千件を大幅に下回っている。
 背景の一つに「医療事故とは何か」という定義の問題がある。調査の対象となるのは「予期しない死亡、死産」とされているだけで、具体例は示されていない。しかも、医療事故にあたるかどうかの判断を下すのは医療機関側だ。病院側が、面倒な院内調査や報告は避けたいと考えれば、おのずと届け出件数は少なくなる。
 現在は複数の医療団体が独自のガイドラインを作成している。中には、薬の取り違えなど明らかな医療ミスが起こった場合でも、取り違えは一定の確率で起こるなどとして「予期できない死ではない」と主張している団体もある。
 厚労省は六月、届け出基準の統一を目指し、医師会などによる協議会を設置することを決めたが、議論の難航は必至だ。
 このほか、遺族が事故だと思っても病院などが認めない時に相談する窓口を第三者機関に設けることになった。ただ、第三者機関は遺族からの相談を医療機関に伝えるのみ。より中立性を高めるため、第三者機関が助言や指導ができるようにするべきではないか。
 公正、透明で国民に信頼される制度に育てることが求められる。



http://www.medwatch.jp/?p=11281
自治体病院で看護必要度の経過措置終了後に7対1病床が3685床減少―全自病
2016年11月21日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 昨年(2015年)10月1日から今年(2016年)10月1日にかけて、自治体病院においては7対1の届出病床数が3685床減り、7万111床となった。また「病棟群」を選択した病院は3病院にとどまり、その804床のうち357床で10対1を選択している(残り457床は7対1)―。

 全国自治体病院協議会が17日の記者会見で公表した2016年度の「診療報酬改定影響率調査結果」(第2報)で、こういった状況が明らかになりました。

地域包括ケア病棟などへの機能転換や、ダウンサイジングが進む

 2016年度の診療報酬改定では、7対1入院基本料の施設基準、とくに「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の項目が大幅に見直され、重症患者割合(看護必要度の基準値を見直す患者の割合)が従前の15%以上から25%以上に引き上げられるなど、厳しいものとなりました(関連記事はこちらとこちら)。

 厚生労働省は病院経営を考慮し、「改定前(2016年3月31日)に7対1を届出ている病院では、今年(2016年)9月までは、重症患者割合は満たすものと扱う」との経過措置を設けています。したがって、10月以降の状況こそが、2016年度改定の影響を考える上で重要であり、今般、全自病が会員病院を対象に調査を行ったものです。

 調査では、今年3月31日時点で7対1入院基本料・特定集中治療室管理料(ICU)・ハイケアユニット入院医療管理料(HCU)のいずれかを届出ていた272病院を対象に、改定前(2015年10月1日)と経過措置終了後(2016年10月1日)とで届出入院料がどう変化したかを調べています(有効回答数は250病院)。

 経過措置終了後の7対1届出病院数は、改定前に比べて4病院減少し、229病院となりました。ベッド数に着目すると、経過措置終了後の7対1病棟の病床数は7万111床で、改定前(7万3796床)に比べての3685床・5.0%減少しています。全体の4割弱の病院では重症患者割合が27.5%未満であり、7対1の施設基準を安定的にクリアすることが難しいようです(前述のように基準値は25%以上)。

 ただし、経過措置後も引き続き7対1を届出ている病院のうち、32%は機能転換または病床削減を行っています。

 減少した7対1のベッドが、どの入院料に移行(機能転換)したのかが気になります。全自病の調べでは、とくに「地域包括ケア病棟入院料1」の病床数が改定前から経過措置後にかけて2219床(減少分3685床の約60%に相当)増加していることが明らかになっており、「7対1から地域包括ケアへの移行」が進んでいると考えられます。また、調査対象全体で病床数が679床減少していることから、ダウンサイジングが進んでいる状況も伺えます。

 また2016年度改定で経過的に設けられた「病棟群単位の入院基本料」を選択した病院は3病院・804床にとどまり、その内訳は「7対1が447床(55.6%)、10対1が357床(44.4%)」となっています。病棟群単位の入院基本料は、例外的に「7対1と10対1」の混在を可能とするもので、7対1から10対1へ移行する際のクッションとなります。病棟群を選択しても、後に7対1の施設基準を満たせば全病棟を7対1に戻すことができますが、再度、病棟群を選択することはできません。このため病院側では「使い勝手が悪い」と考えているようです。

 なお、7対1から10対1にダイレクトに移行した病院は、1病院・190床にとどまっています。

 さらに今回の調査では、経過措置後も7対1を届出ている病院の99%が三次救急・二次救急の指定を受けている状況も分かりました。


 こうした結果を踏まえて全自病診療報酬対策委員会・改定影響小委員会の森田眞照委員長(市立ひらかた病院長)は、「急性期機能の維持・充実や回復期機能の強化など、会員病院が担う医療提供体制が大きく変化している」とコメントしています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/475540
シリーズ: 改革進む医学教育
臨床実習、「学生用電子カルテ」も用意◆福井大学Vol.2
教員の負担軽減、実習の充実目指す

2016年11月21日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「臨床実習への同意が取れた患者とそうでない患者がいる。その記録を残し、どのように医学生に割り振り、担当してもらうか。各医学生が既に学んだ症例と、未経験の症例と照らし合わせながら、アサインする作業は非常に大変」

 「学生が個々の症例の臨床実習を通して何を学んだのか。病院で運用しているカルテのデータは参照しつつも、『学生用カルテ』を用意して実際に記載してもらわないと、真に診療参加型の臨床実習にはなりにくい」

 「どの診療科で、どんな症例を担当し、どんな医行為をしたのか、あるいは未経験の症例は何かなどを記録として確実に残していかないと、医学生一人一人の評価やフィードバックができない」

 「2023年問題」に対応し、診療参加型の臨床実習を「72時間以上」実施するためには、カリキュラムを見直すだけでなく、運用上、さまざまな手間、困難が生じ、書類業務も膨大になる。この問題を解決するために、福井大学が開発を進めているのが、BS-LMS(Bed Side-Learning Management System)だ。数年前から開発を始め、2017年度から試行的運用を開始する予定だ。2016年度入学の1年生から、新カリキュラムを適用しており、臨床実習に入る2019年度からの本格稼働を目指す。

 BS-LMSの開発を担当する、福井大学病態解析医学講座放射線医学領域教授の木村浩彦氏は、「当大学の医学教育改革は必ずしも進んでいたわけではないが、BS-LMSは他の大学にない先進的なシステム」と誇る。「臨床実習の時間数が増えれば、教員の負担は重くなる。それをいかに軽減するかが重要。BS-LMSを用いれば、教員の準備や学生の評価などの負担が軽減される。学生自身にとってのメリットも大きく、臨床実習では何が求められるかが明確になり、どんな症例を経験し、どこまで学習したかが記録として残るため、学生自身の振り返りが容易になる。このようなアクティブラーニングを支援、後押しできるシステムにしたいと考えている」(木村氏)。

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福井大学のBS-LMSの概要(図提供:木村氏)

 教員とのチャット機能も検討
 BS-LMSは、学務情報システム(学生・教員情報、カリキュラムの内容など)、電子カルテ(患者一覧、学生記載カルテ情報、実習スケジュール情報など)、情報基盤センター(統一認証サーバー、メールアドレス)など、各種関連システムと連動させる。その際、患者の同意の有無、学生の患者情報の閲覧・記載の設定など、患者のプライバシーには十分に配慮する。

 BS-LMSの活用で、(1)教員等による臨床実習スケジューリング(どの学生に、どの患者を割り当てるか)、(2)学生による電子カルテ記載(学生は、許可された患者について、学生用電子カルテに記載)、ポートフォリオ作成、(3)教員による学生用電子カルテ参照・評価(学生の記載内容に対して、指導教官がコメント記入)――などが可能になると想定している。

 (2)のカルテは、大学病院で用いている本番用、学生が閲覧できる参照用、学生が記入できる学生用と三つに分かれる。学生は、自分が担当した患者について学生用電子カルテに記載でき、検査のオーダーなども可能だ。BS-LMSには、学生が記入した内容を教員に転送する機能があり、教員は学生がどんな処置をしたかなどを確認し、評価することができる。「チャット機能も付けて、『なぜこうした対応をしたのか』など、教員と学生が本音でやり取りできる機能も付ける予定だ」(木村氏)。

 BS-LMSに先んじて、福井大学では2008年度から画像関連の教育システムの構築が進んでおり、木村氏の専門の放射線領域では、学生が知っておくべき画像症例を集めた「放射線科100選」をデータベース化している。各症例には、簡単な現病歴や身体所見、治療歴などが記載されており、学生は自ら経験した症例、あるいは未経験症例を自習することができる。本システムもBS-LMSと連動させ、今後拡充予定だ。

 さらに、学生の臨床実習の記録が蓄積されば、個々の学生だけでなく学年全体の評価なども可能になる。「学年全体の臨床実習等の状況を評価することで、実習カリキュラムは十分なのか、どんな改善をすればいいのかなども見えてくるだろう。そこまで発展させることができれば、理想的だと考えている」(木村氏)。


  1. 2016/11/22(火) 05:59:01|
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