Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月16日 

https://www.m3.com/news/general/477311?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161116&dcf_doctor=true&mc.l=190325530&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
子宮頸がんワクチンデータ捏造疑惑「科学的議論不足」…信大に研究再実験要求
2016年11月16日 (水) 読売新聞

 子宮頸がんワクチンの副作用などを研究する厚生労働省研究班代表、池田修一・信州大学教授の発表にデータ捏造の疑いが指摘された問題で、同大の調査委員会は15日、証明されていない実験結果を証明されたかのように伝え、誤った情報が広まったとする調査結果を発表し、実験のやり直しとその結果の公表を求めた。

 ただ、意図的なデータの捏造や改ざんなど不正行為はなかったと結論づけた。これを受けて、同大の浜田州博学長は同日、池田教授と、研究に携わった別の男性教授、男性特任教授の計3人を口頭で厳重注意した。

 子宮頸がんワクチンをめぐっては、健康被害を訴える女性63人が7月、国と製薬会社2社に総額約9億4500万円の損害賠償を求める集団訴訟を東京、大阪など全国4地裁に起こした。こうした中、池田教授の研究は同ワクチンが副作用を起こす仕組みを解明し、治療法の開発にもつながると大きく注目されていた。

 池田教授の発表は今年3月、厚労省内で行われた。マウスに子宮頸がんなど3種のワクチンと生理食塩水を接種した結果、子宮頸がんワクチンのマウスの脳にだけ異常が起きたと説明した。

 しかし、月刊誌が実験手法やデータに疑問を投げかける記事を掲載。同大は9月、外部有識者5人で構成する調査委員会を設置し、調査を行ってきた。

 調査結果によると、実験は各ワクチンをマウス1匹ずつにしか接種しておらず、そのマウスの脳を調べる実験でもなかった。これは予備的な実験だったが、公表段階では証明された結果のように伝えられた。

 男性特任教授から男性教授、池田教授へと報告され、公表される過程で「科学的な議論と意思疎通をはかる努力をしていれば不正の疑いは生じなかった」とした。

 池田教授は、名誉を傷つけられたとして月刊誌の発行元と執筆したジャーナリストに損害賠償などを求める訴訟を起こしており、弁護士を通じ「捏造も不正もなかったことを実証していただき、たいへん安堵した」などのコメントを発表したが、反省や謝罪の言葉はなかった。

          ◇

【子宮頸がんワクチン】  「サーバリックス」と「ガーダシル」の2種類がある。定期接種の対象は小6~高1の女子。国は2010年11月に接種費用の補助事業を始め、13年4月に定期接種化したが、接種後の被害の訴えが相次ぎ、同年6月に積極勧奨を中止した。



https://www.m3.com/news/general/477040
信州大「不正認められず」 子宮頸がんワクチン研究巡り
2016年11月16日 (水) 朝日新聞

 信州大は15日、不正を疑う情報が寄せられていた、子宮頸(けい)がんワクチンの影響などに関する厚生労働省研究班の研究内容について、「不正は認められなかった」とする調査結果を発表した。研究班は信州大医学部の池田修一教授(脳神経内科)が代表を務める。不正を疑う通報があり、信州大は外部の有識者を招いた調査委員会を9月に設置し、捏造(ねつぞう)や改ざんの有無を調べていた。

 調査の対象は、池田教授と、いずれも信州大医学部の教授、特任教授の計3人。池田教授は、研究班の成果報告会や厚労省への報告書の中で、マウスの実験で子宮頸がんワクチンで脳障害が起きる可能性を示唆する内容を発表していた。

 調査では、聞き取りや実験ノートなどから不正はなかったと結論づけた。ただ、予備的な段階の実験結果にもかかわらず、断定的な表現をするなどしたと認定。調査委は、訂正を公表するとともに、科学的証明ができる方法で検証実験をするよう求めた。

 池田教授は「捏造も不正もなかったことを実証していただき、安堵(あんど)しました。引き続き子宮頸がんワクチン接種後の副反応に苦しむ女児たちの診療に全力を注ぎたいと思います」とするコメントを発表。一方、不正の疑いを月刊誌で指摘したジャーナリストの村中璃子(りこ)さんは「『不正なし』との結果を聞き、非常に驚いています。十分研究不正にあたる行為です」とするコメントを出した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/306133
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
岐阜大医学部講師、研究不正で停職6カ月
「留学先で成果求められ…」、米国大学からの指摘で発覚

2015年3月24日 (火) 高橋直純(m3.com編集部)

 岐阜大学は3月20日、論文に画像データの改ざんなどの不正があったとして、医学部附属病院の40歳代の男性講師を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は19日付け。岐阜大学は「個人の特定につながる情報は開示できない」として論文のテーマや科学雑誌の名前を公表していない。

 岐阜大学学術国際部研究支援課によると、不正が確認されたのは2004年から2010年に海外の科学雑誌に発表した4論文。遺伝子の働きに関する実験で、きれいに映った別の実験の画像を使い回したり、画像の修整や合成をしたりするなどの不正が計12カ所あった。論文は不正発覚後、いずれも取り下げられている。

 男性講師は2002年から2年間、米国の大学に留学していた。2012年8月に所属していた米国の大学から指摘があり、岐阜大医学部内に学外のメンバーも含んだ調査委員会を設置。男性講師がこれまでに書いた136の論文を調査した。

 調査委員会の調査の結果、不正は対照実験の説明で使われた画像で行われており、別の実験で撮影した画像を使いまわしなどが確認された。主実験では再現性が確認されており、論文の結論は変わらないという。

 米国の大学でも調査委員会が設置されており、岐阜大は両大学の調査報告書を踏まえて処分を決定したと説明している。講師は不正を認めており、「留学先の研究室から成果を求められ、時間に追われて改ざんしてしまった。扱う検体の量が膨大だった」と説明しているという。

 岐阜大は大学学長名で「研究倫理に触れる不正行為を行ったことは、学術研究の信頼性を損なうなど研究活動の根幹にかかわる問題であり誠に遺憾」とするコメントを公表。研究倫理や研究ノートの整備・保存等の教育を強化するとしている。



https://www.m3.com/news/general/477314
小野薬「ルール整備を」 不服意見を検討
2016年11月16日 (水) 共同通信社

 新型がん治療薬「オプジーボ」の薬価引き下げの了承を受けて、販売元の小野薬品工業(大阪市)は16日、「今後ルールの整備をしてもらい、唐突なルール変更によって、経営の予見性を損なうことがないように願いたい」と指摘した。不服意見の提出を検討するという。

 業績への影響について「精査中だが、当初の想定と異なるマイナスの影響が生じる可能性が高くなった」と述べた。引き下げの取り消しなどを求める行政訴訟は考えていない。



https://www.m3.com/news/iryoishin/477339
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
オプジーボ、来年2月から50%引き下げへ
11月24に告示予定、2016年度販売額、1516億円超と推定

2016年11月16日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は11月16日、抗PD-1抗体製剤オプジーボ(一般名ニボルマブ)を対象に、緊急薬価改定を行い、50%引き下げることを決定した(資料は、厚生労働省のホームページ)。薬価は、点滴静注20mg15万200円から7万5100円、100mg72万9849円から36万4925円にそれぞれ下がる。販売元の小野薬品工業からの不服意見提出期限は11月22日、提出がなければ11月24日に告示、2017年2月1日から適用する。

 オプジーボの薬価引き下げは、診療側と支払側ともに、了承していたが、その実施時期と下げ幅が焦点だった(『オプジーボの「緊急的な対応」、薬価専門部会で合意』を参照)。当初、「最大で25%」との見方もあったが、医療費への影響が懸念され、政府レベルでも薬剤費の高さが問題視され、より一層の引き下げ圧力が高まっていた上、「社会保障費の自然増を年5000億円に抑える」という政府方針からも早期の実施が不可避だった(『オプジーボ、「50%以上の引き下げ」求める声も』を参照)。

オプジーボの薬価改定は、メディアの関心も高く、報道各社が取材。

 厚労省は、「できる限り既存の考え方を活用」との考えから、2016年度薬価制度改正で新設された「市場拡大再算定の特例」の適用が合理的であると判断。小野薬品工業の予想年間販売額(出荷価格ベース)を基に、薬価ベースに換算すると2016年度の販売額は1516億円超と見込まれることから、「年間販売額が1500億円超かつ予想以上の1.3倍以上」の対象となり、「最大50%の引き下げ」が適用された。2017年2月1日付けの改定実施は、医療機関での在庫管理など、医療現場における円滑実施の観点から2カ月以上の期間を設ける必要があるとの判断からだ。

 日本医師会は、オプジーボの薬価引き下げには以前から同意していたものの、薬価改定財源を診療報酬財源に充当するには、従来通り、薬価と診療報酬を同時改定しないことには難しく、落とし所が焦点だった。中医協総会後、日医副会長の中川俊男氏は、m3.comの取材に対し、「社会保障費の抑制圧力がある上、薬剤費の高騰が問題になっている。オプジーボについては類似の上市も予定されており、ここで薬価を大幅に引き下げることは、薬剤費の抑制、かつ公的医療保険下で適正価格で薬を患者に届けることにつながるため、苦渋の決断として、了承した」と説明する。

 類似薬とは、オプジーボを基に類似薬効比較方式で薬価が決まる、抗PD-1抗体製剤のキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)。既に「根治不能な悪性黒色腫」の効能で薬事承認され、「切除不能な進行または再発の非小細胞肺がん」で承認申請中だ。さらに、1次治療を対象とした国際共同第3相試験での有用性が、今年10月の欧州臨床腫瘍学会で報告されており、1次治療まで使用が広がれば、対象患者の一層の拡大が見込まれる。

 中川氏は中医協総会とそれに先立ち開催された薬価専門部会でも、キイトルーダ上市後の薬剤費高騰への懸念を呈しており、かねてからの主張通り、2018年度薬価制度改正における現行の薬価算定方式の抜本的見直しを求めた。今回のように問題が生じてからではなく、「問題が生じる前に、準備をしておくことが必要」(中川氏)

 一方、支払側の全国健康保険協会理事の吉森俊和氏も、薬価専門部会で、「緊急的な対応は、歓迎する。新たなルールを作るのは混乱を招くので、できるだけ既存の考え方を適用することも、合理的だと思う」などと述べ、オプジーボへの対応を支持。その上で、現行の薬価算定方式では、効能・効果追加による市場拡大といった事態に対応できないため、中川氏と同様に、「薬価算定方式の抜本的な見直しの議論は、早急に開始すべき」と述べた。

 専門委員の立場から加茂谷佳明氏(塩野義製薬株式会社常務執行役員)は、期中改定は企業経営への影響が大きいことから、「止むを得ず例外的な措置として実施するもの」と受け止めた。「国内市場において新薬から十分な利益を得られなければ、次の新薬開発が難しくなる」と述べ、薬価算定におけるイノベーションの評価を期待するとともに、2018年度薬価制度改正に向けた議論には、製薬業界としても積極的に参画すると決意を示した。今回の対応は、あくまで緊急対応であり、2018年度に改正を行い、その結果に基づき調整を行う。今回の薬価引き下げを行わなかったと仮定した販売額を算出の上、再算定を改めて実施する。

 なお、オプジーボについては、薬価引き下げに加えて今後、「施設要件」や「患者要件」などを定めた「最適使用ガイドライン」を策定する(『オプジーボの「緊急的な対応」、薬価専門部会で合意』を参照)。その医療保険上の取り扱いについて、厚労省保険局医療課長名で「留意事項通知」が出される予定。年内にも最終案がまとまる見通しだ。ガイドラインは、日本臨床腫瘍学会と日本臨床内科医会が中心となり、策定が進められている。中川氏は、ガイドラインや通知について、(1)最終段階だけではなく、途中の段階から中医協総会で説明し、議論する、(2)厚労省の医薬・生活衛生局と保険局が連携する――などの必要性を指摘、医療保険の観点を踏まえて策定するよう釘を刺した。

中医協総会の診療側からは、薬価算定方式の見直しを求める意見などが出た。

 米国約15万円、イギリス 約30万円との比較でも高額
 中医協総会では、医療費への影響が大きい高額薬剤として、(1)2015年10月から、2016年3月までに効能・効果または用法・用量の一部変更が承認された既収載品、(2)2016年度の企業予想年間販売額(薬価ベース)が1000億円を超え、かつ薬価収載された時点における予想年間販売額に対して、10倍以上となる既収載品――のいずれにも当てはまるものと規定、2018年度薬価改定を待たずに改定を実施することを決定した。複数の候補の中から、対象となったのは、小野薬品工業のオプジーボのみ。

 オプジーボは、2014年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」の適応で承認、同年9月の薬価収載時のピーク時の予想投与患者数は年470人、予想年間販売額は31億円だった。その後、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の効能が追加されたのは2015年12月であり、2016年度薬価改定において、「市場拡大再算定の特例」の対象から外れた。

 海外との比較でも日本のオプジーボの薬価は高く、点滴静注100mgの場合、日本の72万9849円に対し、米国約15万円、イギリス 約30万円 との推定がある。

 2016年度販売額、1560億円超と推定
 オプジーボの薬剤費は年1兆7500億円(薬価ベース)との推計もあったが、今回の緊急薬価改定に当たっては、小野薬品工業による2016年度の予想年間販売額の1260億円(出荷価格ベース)を基に、流通経費、消費税、薬価と出荷価格の乖離率のほか、今後の効能拡大を見込み、以下の方式で算定した。オプジーボは、8月26日付けで、腎細胞がんの効能追加が承認された。小野薬品工業が11月7日に公表した予想年間販売額は、腎細胞がんの効能追加込みの金額だ。

◆オプジーボの薬価算定の考え方 1260億円÷[流通経費7%(1-0.07)]×1.08(消費税)÷[乖離率(1-0.069÷2)]×[効能追加、2016年度分X円]=1516億円+X円

 この計算式について問い質した一人が、日本病院会常任理事の万代恭嗣氏。薬価と医療機関への納入価の差である乖離率は、2015年度薬価調査の「その他の腫瘍用薬(注射薬)」の平均乖離率6.9%の「2分の1」とした根拠を質した。

厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山智紀氏は、「明確な根拠はないが、あくまで保守的に、厳しく見積もるため」と説明。乖離率を高く見積もるほど、薬価ベースに換算した販売額は高くなる。一方で、少なく見積もれば、例えば、万代氏の試算では、3分の1とすれば、1500億円超えず、この場合の薬価の最大下げ幅は25%だ。
 日医副会長の松原謙二氏も、薬価調査を実施していないため、乖離率や流通経費などの数値を正確には把握できないことから、「計算式自体が、仮定の上に仮定を重ねていることに不安を覚えている」と指摘。これに対し、中井薬剤管理官は、流通経費は「医薬品産業実態調査報告書」のデータを用いているなどと説明、「大丈夫だと考えている」と回答。日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏は、「流通経費などが実態と異なるのであれば、小野薬品工業が不服意見を申し立てればいいと理解している」との考えを述べた。

 「薬価算定方式の抜本的見直し」が不可欠
 オプジーボの薬価下げ幅の計算式のほか、議論になったのは、小野薬品工業が不服意見を提出した際の手続きについて。

 日医の中川氏は、いったんは中医協総会で薬価が決まったものの、企業の意向で取り下げ、再申請後に薬価が決まった乾癬治療薬「トルツ皮下注」(一般名イキセキズマブ)を例に挙げ、「手続きは極めて重要」と指摘した(『薬価、10万円ダウンでも問題なし?』を参照)。中井薬剤管理官は、小野薬品工業から不服意見が出た場合には、中医協総会に諮り、対応を検討すると答えた。

 さらに中川氏は再三にわたり、薬価算定方式の抜本的見直しを求めた。例えば、類似薬効比較方式については、対象国から米国を除外するなどの外国平均価格調整の在り方の見直し、原価計算方式についてはコストの算定根拠を明確にする必要性を指摘。厚労省保険局医療課長の迫井正深氏は、さまざまな意見を踏まえ、2018年度薬価制度改正に向けた議論を進めていく方針を表明した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/477215
シリーズ: 医師不足への処方せん
ビジョン検討会、「医師偏在」対策も議論
医師需給分科会との調整「省の意思決定は未定」

2016年11月16日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(座長:渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室教授)は11月15日、第3回会議を開催、「医師偏在対策」も検討会の対象とすることを確認した。非公開の検討会後に説明した厚労省医政局の担当者は、同検討会での議論の成果について、「厚労省『医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会』に報告はするが、取り扱いについては省として意思決定はできていない」と説明した。

 記者ブリーフィングでは、東京大学医科学研究所ヘルスインテリジェンスセンター教授の井元清哉氏 が行う医師の働き方に関する調査について説明された。2016年12月中に全国の病医院を通じて約10万人の医師に調査票を送付する。年末から2017年年明けにかけて解析し、2017年1月ないし2月のビジョン検討会で報告される。2016年中を予定している中間取りまとめには盛り込まれないが、2017年3月までに公表する最終取りまとめには活用される。

 延期が続く「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」については、「再開するかどうかの意思決定はできていない」と説明した。この日の検討会で、厚労省が配布した医師の地域偏在対策に関する資料は、今年6月に出された医師需給分科会の中間取りまとめではなく、2015年6月の「保健医療2035」の提言書をベースに作成されている。担当者は「(検討会と分科会の)取り扱いについて省として意思決定はできていない」と述べた。

 また、検討会での取りまとめ案を基に、来年の通常国会での医療法改正も視野に入れているが、「できるだけ通常のルートにしたい。検討会だけでいけるとは思っていない」と説明した。

 第2回会議で示された議論のたたき台は、(1)地域で患者と市民の生活を支える、(2)専門性の追求と人生の選択の両立、(3)生産性と質の向上、(4)経済活力(イノベーション・国際化)への貢献――の4つのビジョンに整理された(第2回会議は『医師の働き方ビジョン検討会、「患者の価値中心」が第一』を参照)。



https://www.m3.com/news/general/477213
現役並み収入の高齢者ら、医療費負担増へ 来年度から
2016年11月16日 (水) 朝日新聞

 厚生労働省が来年度から実施する医療や介護の負担増の大枠が固まった。現役世代並みの収入がある70歳以上の人は医療費の自己負担上限が上がり、新しく75歳になる人は保険料の軽減特例がなくなる。大企業の会社員らは介護保険料の負担が増える。さらに対象を広げるか財務省と調整し、年内に最終決定する。

 医療費では、年収に応じて自己負担月額の上限を定める「高額療養費制度」を見直す。年収が370万円以上で70歳以上の人は、上限を現役世代並みに引き上げる。年収370万円未満で住民税を払っている人も含めるかどうかは調整する。

 75歳以上の後期高齢者には年収が低い人を対象に保険料を軽減する特例があるが、来年度から新たに75歳になる人を対象に廃止する。すでに75歳以上の人は3年かけて段階的に廃止することも検討する。

 現役世代の介護保険料は、医療保険の被保険者の収入総額に応じて割り当てる「総報酬割」を来年度から数年かけて段階的に導入する方針。健保組合の約7割と共済組合のほぼすべてで保険料が上がる見通しだ。

 厚労省はこうした負担増などによって、来年度で約1400億円の社会保障費の抑制をめざす。

■医療や介護で固まった負担増

【医療】

・現役世代並みの収入がある70歳以上の毎月の自己負担上限引き上げ

 例)年収370万~770万円で外来医療費が月100万円の場合=約4万4千円→約8万7千円

・新たに75歳になる人の保険料の軽減特例を廃止

 例)年金収入が80万円以下=9割軽減→7割軽減

【介護】

・大企業の会社員や公務員の保険料引き上げ

・一般的な収入の人の毎月の自己負担上限引き上げ

 課税所得145万円未満で市区町村民税課税世帯=約3万7千円→約4万4千円



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/1116/mai_161116_5405902101.html
<麻薬所持容疑>横浜の医師逮捕…手術で余った分抜き取る
毎日新聞11月16日(水)23時11分

 勤務先の病院で医療用麻薬を無断で所持したとして、神奈川県警は16日、医師の安達奏(そう)容疑者(31)=横浜市都筑区荏田南1=を麻薬取締法違反(所持)容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は10月13日午前6時半ごろ、当時勤務していた同市旭区の病院で、麻薬のレミフェンタニルを含む水溶液7.9ミリリットルを所持したとしている。容疑を認め、「離婚問題などのストレス解消に使った」などと説明しているという。

 県警によると、同病院では手術にレミフェンタニルを含む鎮痛剤を使い、余った分は廃棄するまで一時保管される。安達容疑者はこの間に抜き取っていたという。【村上尊一】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/50003.html
医療機関内の禁煙化、日医など4団体が賛意
2016年11月16日 19時00分 CB News

 受動喫煙対策の強化について検討する厚生労働省などの課長級の作業部会は16日、対策のたたき台に関する関係団体の公開ヒアリングを行った。病院など医療機関の敷地内を全面禁煙とし、違反者に罰則を設けるたたき台の方向性に、日本医師会(日医)、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会(日看協)の4団体の代表者はいずれも賛意を示した。【佐藤貴彦】

 政府は東京五輪・パラリンピックを開催する2020年に向け、受動喫煙の対策を強化する方向で検討を進めている。

 厚労省のたたき台は、世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)が共同で「たばこのないオリンピック」を推進し、近年の開催地や開催予定地で罰則を伴う対策が講じられているといった状況を踏まえたものだ。

 具体的には、英国と韓国の制度を併せた「混合型」の制度を導入し、官公庁や社会福祉施設などは「建物内禁煙」、医療機関などはより厳しい「敷地内禁煙」と規定=表、クリックで拡大=。両国とも医療機関は「建物内禁煙」だが、主に利用するのが患者らで、健康への影響を防ぐ必要性が高いとして、より厳しく定めている。

 また、対策の実効性を担保するため、禁止場所で喫煙しない義務を施設利用者に課すほか、施設管理者に対し、禁止場所での喫煙を制止する努力義務などを設ける。義務違反を繰り返す場合は罰則を適用する。

 16日にヒアリングを受けた4団体の代表者は、受動喫煙が健康に及ぼす影響を指摘し、対策を強化すべきだと主張。医療機関の敷地内を禁煙にする同省のたたき台に賛成した。

 さらに日医の今村聡副会長は、飲食店などに喫煙室の設置も認めないルールにするよう要望。日看協の中板育美常任理事も、若年で喫煙を始めた人は喫煙中止の成功率が低いといったデータを紹介し、▽大学の敷地内禁煙▽学生のアルバイト先となる飲食店などへの喫煙室の設置禁止-など、たたき台より厳しい対策を講じるよう求めた。

 公開ヒアリングはこの日が2回目。先月のヒアリングには、四病院団体協議会や日本ホスピス緩和ケア協会の代表者が出席し、それぞれ医療機関の敷地内禁煙に慎重な姿勢を表明。一部の病棟で喫煙所の設置を認めるよう要望していた。

 作業部会は今後、たたき台への関係団体の意見を踏まえて具体策の案をまとめ、内閣官房や財務省、厚労省などの局長級の検討チームに示す。



https://www.minpo.jp/news/detail/2016111636477
卒業生の県内定着へ教育課程や選抜検討 福島医大
 2016/11/16 10:25福島民報

 福島医大は平成33年4月に福島市で開所を目指す新医療系学部について、卒業後に県内に定着し、活躍する医療人材の育成に向けて教育課程や選抜の方法などを検討する。30年3月をめどに検討の中間結果をまとめる。15日に市内で開かれた設置準備委員会(委員長・菊地臣一福島医大理事長兼学長)の初会合で検討項目や日程を確認した。
 医師や有識者でつくる委員会では県内に根差した理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、臨床検査技師を育成する学部を目指し、教育の内容、施設・設備の整備計画、実習の計画、地域との連携などを定期的に協議する。
 おおむねの方向性が決まった後、同医大は32年3月に学部の設置を文部科学省へ申請する。同年9月に最終案をまとめ、33年1月に入学者選抜を行う。
 意見交換で、学生らを卒業後も県内へ定着させるとともに、各地域に配置できる仕組みづくりを求める声などが上がった。
 学部は市内栄町に新たな施設を整備する。費用は120億円に上る見通し。定員は145人とし、各職種で県内でリーダーとなる人材を育てる。



http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030200012/111600021/?rt=nocnt
医論・異論 from 日経メディカル
医師の9割が救急車の有料化を支持
医師3879人に聞く「救急車の有料化に賛成?反対?」

大滝 隆行=日経メディカル
2016年11月17日(木)

 救急車を要請した事案の多くが軽症患者だとして昨年、国の財政制度等審議会が救急車の一部有料化を検討するよう財務相に提言したことが話題になった。地域医療の第一線で日夜救急患者を受けている医師たちは、救急車の有料化についてどう思っているのだろうか。Webアンケートで聞いてみた。

 「軽症」をどう線引きし誰が判断するかは今後の課題だが、アンケートでは次の3つの選択肢を用意し、自身の考えに近いものを1つだけ選んでもらった。

(1)救急車を要請した事案全てに料金を請求すべき
(2)搬入後に軽症と診断された場合は料金を請求すべき
(3)救急車は有料化すべきではない

図1 救急車の有料化について、どう思いますか?
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[画像のクリックで拡大表示]
図2 救急車の利用1回当たりの患者負担額はいくらが妥当と思いますか?
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[画像のクリックで拡大表示]
 回答した3879人の医師のうち、47.6%の医師が「救急車を要請した事案全てを有料化すべき」と答え、「搬入後に軽症と診断された場合は料金を請求すべき」とした39.0%を合わせると、約9割の医師が救急車の有料化を支持している実態が明らかになった。(図1)。

 また次の設問では、救急車の有料化を支持している医師に対し、救急車の利用1回当たりの患者負担額はいくらが妥当か尋ねたところ、1万円以内とする回答が大半を占め、中でも5000~1万円の負担が妥当とする意見が最も多かった(図2)。

●救急車の有料化に賛成

・不適切な利用は有料化以外には解決しないと考えます。(40代勤務医、呼吸器外科)

・安易にタクシー代わりに利用するケースが多い。(50代勤務医、代謝・内分泌内科)

・かぜ程度の病気であるのにタクシー代わりに救急車を頻繁に利用する患者がいるから。(60代勤務医、整形外科)

・以前からだが、簡単に救急車を呼び過ぎ。ひどい患者になると待つ時間がイヤで呼ぶケースも。有料にしないと改善しないでしょう。(40代勤務医、その他の診療科)

・タクシーと同程度の費用は請求してもいいのではないか(保険外で実費で)。1日に数回、毎日救急車でくるような患者も実在する。(50代勤務医、小児科)

・診察や治療を受けたら料金を支払うわけで、救急車にも料金が発生しても問題ない。(30代勤務医、麻酔科)

・救急車の不正利用があまりにも多いと現場で感じる。せめて100円でも請求すれば、不正利用を減らせるのではないか。(30代勤務医、精神科)

・1000円以下の負担ではタクシー料金よりも安くなるのでダメ。ほんとに生命のかかわるものであれば3000円でも安く感じるはず。「有料化すべきでない」という人の気が知れない。 (50代開業医、整形外科)

・実際に東京ルール病院で救急車を受け入れていたが、明らかに搬送不要な案件でも運ばれてきた以上診察義務が発生する。特に夜間は医療スタッフの数は限られており、本当に重症な患者の診療の妨げになっていた。どのようなときに救急車を呼べばいいか、繰り返し言っても理解できない患者がいる以上、このような現状に対処するには有料化は避けられないと思う。(20代勤務医、その他の診療科)

・必要なら有料でも利用するはず。(30代勤務医、神経内科)

・素人判断は困難なのかもしれないが、無料だからと安易に救急要請されている事例が多過ぎ、勤務医疲弊の一要因になっている。救急医療も含めて、なにかあると医療に責任を負わされるのであれば、しっかり体制づくりをして医療が大変な思いをしている分は、適性な対価を要求すべき。今のボランティア精神にたよる救急医療は先進国でまれにみる貧弱な体制で、善意だけに頼るのは医療崩壊の原因となりうる。(50代勤務医、消化器内科)

●救急要請全事案の有料化を

・ぜひ有料化してほしい。本当の急患からタクシー代わりに来る患者まで全てに請求すべき。世界的に見て、無料で搬送するのは時代に遅れているようだ。当直医夜間医師のストレスを分かってほしい。(50代勤務医、整形外科)

・安易な理由で救急車を要請する事案が多過ぎます。軽症と診断された場合に請求するとなると、現場に対する圧力や危害が及びかねないので、一律に有料とした上で後日返金可能かどうかを検討すべきだと思います。(30代勤務医、一般内科)

・救急車の搬送後の救急医療にお金が掛かるのですから、救急車による搬送が無料である必要はないと思います。軽症だけ有料というのは、軽症か重症かの判断を救急隊員もしくは医師にさせるものであり、誰かの負担が大きくなるのでやめてほしいです。(40代勤務医、呼吸器外科)

・確かに重症者・重傷者まで料金を徴収するのは申し訳ないような気もします。しかし、それが救急車が必要な病態であったか否かを誰が判断するのか? 受け付けた医者ということになればまた様々な圧力に悩まされることになります。であれば一旦は全症例で課金するしかないのではないでしょうか。(50代勤務医、一般内科)

・重軽症の判断はあくまで来院時のものであり、軽症のみを有料とすると重症化する疾患の早期受診を妨げ、係争の原因となることもあるため、一律に有料化するのがよい。(50代勤務医、小児科)

・救急車で受診しようが自力で受診しようが診療は有料である。区別する必要はない。搬入後に軽症と診断した場合に有料とすると医師が責任を問われるのは目に見えている。医師を矢面に立たせるべきではない。シンプルイズベストである。(50代開業医、総合診療科)

・諸外国では有料が当たり前。日本だけが無料を貫くべき理由などない。救急医療体制の制度設計には税金を投入すべきだが、1件1件については重症度に関係なく受益者負担の要素を取り入れてよいだろう。同時に諸外国と同様、救急車搬送費用をカバーする医療保険の販売も認可する必要がある。(40代勤務医、救急科)

・搬入後に軽症と診断された場合は料金を請求すべき、とした場合には、救急受診患者が医師に軽症でないと診断するように圧力を掛けたり、重症感を出すためになかなか帰宅しなかったりと、医師側の負担増大のリスクが高い。また、軽症と診断された場合とあるが診断の詳細は、きっと行政側から医師側に丸投げされて責任とともに押し付けられる可能性が高い。(50代勤務医、一般内科)

・ほとんどの救急搬送が医療の必要性よりも運ぶ手段、言い換えればタクシーとして利用されている。自分で来院している患者との差別化するためにも有料化は絶対に必要。重症度や緊急度は非常に曖昧であり、線引きが難しい。入院を基準にするとむやみに入院させるよう要望が来て、病院も診療報酬が増えるため抑制しなくなる。よって一律で料金を課すべき。(30代勤務医、総合診療科)

・救急の場で、軽症かそうでないか(救急車代が無料か否か)医者が決めることになると、必ず「どうして軽症といえるのか」と担当医に食って掛かる人が出てきます。全症例について一旦は料金を徴収し、(重症なら当然入院するので)退院時に清算できるようにすればよいと思います。乳幼児の医療費無料化についても同様で。夜間・休日だけは、いったん定額を徴収し、(時間外に受診するほどの病状なら当然再診させるので)その再診の会計時に清算させて、医療はただではないことを認識してもらった方がよいと思います。経済学分野から、「医療無料化がコンビニ受診を助長している」という論文が出ています。 (40代勤務医、小児科)

・軽症、重症の判断はいったい誰が行うのでしょうか。恐らく医師になると思いますが、トラブルに巻き込まれるため、反対です。全て有料化するしかないでしょう。救急車を使って、救急病院へ行っても、保険診療分がただになるわけではありません。(50代勤務医、一般内科)

・有料化を「軽症と診断された場合」にしたいですが、軽症の判断が難しく絶対に問題になるので、全部有料にした方がよい。(50代勤務医、小児科)

・無尽蔵に救急要請が増加する中、今後もさらにこの傾向は続くと予想されている。この制度を維持するため、重症、軽症を問わず料金を聴取することが望ましい。一刻も早く開始すべきだろう。このままではいずれパンクする。(60代開業医、一般内科)

●軽症など一部の救急車有料化に賛成

・入院した場合などは返金すればいいと思う。タクシーで来院するように指示しても無料だからと救急車をよく使用する患者が以前いた。ただ、返金を担当医師が判断するともめるので入院した場合に限り返金などルールが必要と思われる。(30代勤務医、その他の診療科)

・救急車は一時負担で、のちに申請して償還払いでよいので、必ず一度は財布からお金を出すようにするべき。無料のタクシー的な発想の利用者が少なからず存在する。個人的には「当該患者において適切な使用であり無料と判断する」権限を医師に持たせてもよいのではないかと思う。(30代勤務医、耳鼻咽喉科)

・遠方だと、タクシーで1万円することもあるので、救急車は1万円以上にして、高額療養費に充てられることにすれば、入院治療が必要な場合は問題なくなると思います。(30代勤務医、精神科)

・救急車利用が適切であったか否かの判断については、直接対応した人間に対する利用者からの圧力や逆恨みを避けるために、第三者が行うのが望ましい。重症度以外に、患者の障害度移動などの判断基準を設ける必要がある。生活保護の患者の中に、何をするにも無料であるからという考えが背景にあるかと思われる、目に余る行動をとる人間がいる。生活保護の患者からも等しく徴収することが重要である。(40代勤務医、神経内科)

・以前月曜日の朝、当院産婦人科に予約が入っている患者が救急車で搬送され、特に症状の訴えはありませんでした。大丈夫と言って、さっさと歩いて婦人科外来に行きました。まるで、救急車をタクシー代わりに使ったとしか言いようがありません。救急医療体制を維持する上で軽症例の有料化は必要です。(50代勤務医、一般外科)

・有料化となれば軽症であっても自家用車で無理矢理来院する症例も増えるはず。よって、ある程度の基準を作成し来院後軽症と判断された場合には有料とする方がよいと思われる。この場合、必要以上の“気軽な”救急要請を抑止することが目的であれば、ある程度の高額にしなくては意味がない。(50代勤務医、呼吸器外科)

・基本は例外なく課金すべきと考えます。重症であったり、DOAである場合は、後から返金するような形が望ましいかと思います。(40代勤務医、一般内科)

・支払い能力があって、タクシー代わり、あるいは「混まずに診てもらえる」などと考える人たちには大病院の紹介状なしの料金ぐらい払らってもらうのが妥当と思います。むしろ問題なのは、どういう制度にしても支払わない人々(結局未収になる)がいることです。医師法・医療法を盾に、結局正直者がバカをみるようなシステムになっているようにも思います。(60代勤務医、一般内科)

・救急搬送1回当たり実際には数万円の費用がかかっており、税金で支払われている。医療費でさえ原則3割負担であることから、少なくとも一定額の負担を原則とすべきである。(50代その他、一般内科)

・軽症患者の救急車使用を減らすために有料化は行った方がいいと思う。待ち時間が嫌で救急車を利用したり、タクシー代わりに使用することが増えていると実感しているので。(30代勤務医、小児科)

・タクシー代わりに使用する患者を排除すべきである。軽傷の定義は国が示すべきである。(50代勤務医、消化器外科)

・救急車を適切に利用されている方がほとんどなのかもしれませんが、最近、安易にタクシーより安いから利用しているように見受けられる方が急激に増えているように思います。公平性の観点からも有料化を考えるべきと思います。だたし、重症患者の受診をためらわすことがないように、実際の運用時に、料金を請求するのは確信犯的に軽症での利用を繰り返す方などに限定する方向で考えるべきと思います。(40代勤務医、眼科)

・実際、深夜の救急外来に来る患者は、救急車をタクシー代わりに使っている者がほとんど。緊急手術が必要になる症例は年1~2例程度である。なので、昼間独歩で受診できるような軽傷者は有料にすべき。(50代勤務医、眼科)

・少なくとも移動手段としてのコストは請求すべき。(40代勤務医、呼吸器外科)

・不要不急に応じていた場合、緊急を要する患者さんに対応出来なくなり救急車の意味が無くなる。出来るだけ軽症・自家用車のある場合は控えてほしい。(70代以上勤務医、小児科)

・かかりつけ医が徹底されれば、救急車搬送の判断がまず主治医により検討されるので、その場合は有料化は考慮しなくてよい。それなしで救急車を呼び搬送された場合には、軽症であれば料金を要求する仕組みとなるのがよいのでは。軽症化否かの判断が難しいかもしれないが。(60代勤務医、脳神経外科)

・「結果として軽症であった」と「明らかに軽症である」の区別が問題と思いますが…。(50代勤務医、整形外科)

・単純に有料化すべきではないが、一部料金の負担や要請の必要度の検証など安易に呼ばないシステムが必要。(60代勤務医、消化器内科)

・中途半端に安ければ、田舎の深夜とかだとタクシー使うより安くて早いので抑止力にならない。軽症判断を基準にすれば、判定する医師に対する患者側からの要求や圧力、入院要請等、現場への負荷がさらに増える上、下手すれば軽症判定された患者からの恨みやこれに伴う危害等にも発展しかねない。あくまで、医療現場に判定根拠を求めるべきではなく、所得に応じての役所での全額か一部返還請求等で対応してもらいたい。(40代勤務医、放射線科)

●救急車の有料化に反対

・救急救命士の責任が重くなるので有料化すべきではない。(50代勤務医、救急科)

・有料化は医療に対するアクセス性の低下を招くことを意味する。財政のためにアクセス性を犠牲にするのも辞さない、という覚悟の下で導入するのであれば一つの方法論と言える。(40代勤務医、循環器内科)

・有料化することにより、どの程度不必要な救急車事例を減らすことになるか、疑問です。(60代勤務医、小児科)

・患者さんには軽症か重症かは判断できない。救急車の使用を制限する有料化は反対です。(60代勤務医、一般内科)

・医師の判断で、有料か否かが決まるような制度では、受付事務の方や更には医師にクレームがついて救急外来が回らなくなることは明白だと思います。(30代勤務医、その他の診療科)

・反対である。無駄な救急車依頼を減らすための教育こそなされてしかるべき。(50代勤務医、一般内科)

・救急の必要性が問われているが救急の減少で一番困るのは医者本人である。収益が減少するので。このことも及びつかずに目先の仕事の減らしを必要性にすり替えて論じると自分の首を絞めるだけ、単純な事すら分からない医師が多過ぎる。(50代勤務医、整形外科)

・有料化されたら、道で倒れている人を助けて救急車を呼んだ場合など支払いが問題になる。(40代開業医、循環器内科)

・非救急であるにもかかわらず救急車を利用する一部の不心得者を無駄に救急搬送する事例があったとしても、圧倒的多数の善意の救急車利用者に負担を求めるべきではない。(50代開業医、脳神経外科)

・救急車を要請した時点では軽症患者と判断・断定すること困難~リスキーである。しかし「花粉症の症状がひどくで救急車を呼んだ」(自身が当直医であった時に経験)など明らかな救急搬送の非適応例は、救急要請の時点で搬送を断るべきと思う(救急搬送非適応例の明文化が必要)。(50代勤務医、一般内科)

・有料にすると安易にタクシー代わりに利用するケースが増える可能性が高いのでは? また、軽症と判断された症例が後に重症な病気の診断となる可能性もあり得るが、料金を課すとますます問題が大きくなる。(50代開業医、一般内科)

・救急は社会のsafety netであり、undertiageは限りなく減らすべきである。そういう意味で有料化はすべきではない。救急車で来た患者もきちんとtriageし、待てるようなら待たせることにすればよい。また緊急性はないが、高齢で動けないからといった理由での救急要請には救命士1人+消防隊員2人などのstep down ambulanceなどを作るのもよいのではないかと思う。車両も簡単化してコスト減を測れるであろう。(50代勤務医、救急科)

・基本的には有料化すべきでないと思うが、頻回に使う人については、有料化を考えてもよいと思う。(60代その他、整形外科)

・有料化すべき性質のものではない。ただし明らかに自分で病院に行けるような患者は搬送すべきではない。(60代勤務医、一般内科)

・それよりも一般市民の認識を変えるように、毎朝毎夕軽症で救急車を呼ぶなとマスコミが言えばいい。頭の中が変わらなければ何をしたって一緒。有料化したって結局呼ぶ人は呼ぶし、そういう人は平気で利用料を踏み倒す。(40代勤務医、一般外科)

・軽症と考えられて帰宅させたが死亡したなどの医療事故の問題が起きており、軽症と思ってもそうでない場合があり、安易な判断は危険だと思います。ただし、小さな切り傷で救急要請するなどの明らかな軽症の場合は、搬送を断ってもいいと思います。(40代勤務医、脳神経外科)

・救急車の半分以上は本人が要請していないケースである。これに対して負担を請求されたらトラブルになる可能性がある。最終判断を医師にゆだねると、医師に苦情が来る。(40代勤務医、救急科)

・本当は有料化してほしいところですが、金がない人が我慢して呼ばない問題と、金払っているからいいだろと開き直り乱用し続ける人が増える問題が予想されるので、無料化と啓蒙しかないかなと思う。担架対応(部屋から乗車の担送含む)介護タクシーの普及を期待したい。このためそれほど重症でなくても救急車を利用せざるを得ないケースも結構ある。(50代勤務医、消化器内科)
<調査概要> 日経メディカル Online医師会員を対象にウェブアンケートを実施。期間は2016年10月24~30日、回答数は3879人。回答者の年代の内訳は、20歳代93人(2.4%)、30歳代653人(16.8%)、40歳代1105人(28.5%)、50歳代1424人(36.7%)、60歳代542人(14.0%)、70歳以上62人(1.6%)。



http://mainichi.jp/articles/20161117/ddm/008/040/098000c
オプジーボ
製薬業界、値下げ反発 「新薬開発、投資困難に」

毎日新聞2016年11月17日 東京朝刊

 高額のがん治療薬「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)について、厚生労働省が16日、中央社会保険医療協議会(中医協)に50%の緊急値下げを提案し、了承されたのを受け、製薬業界が反発している。薬価改定は原則2年に1回で次回は2018年4月の予定だったが、特例で17年2月の引き下げが決まったからだ。

 「新薬から十分な収益が得られなければ次の新薬開発への投資が困難になる」。業界団体の日本製薬団体連合会と日本製薬工業協会は同日、連名で決定に懸念を示すコメントを出した。その背景には、新薬の研究開発費が膨らむ中、特例とはいえ、急な変更は企業の投資回収に影響し、収益を圧迫しかねないとの思いがあるためだ。

 新薬開発には9~16年かかるとされ、発売に到る確率は約2万5000分の1と極めて低い。同協会によると、国内製薬企業の平均開発費は07年に1000億円を突破すると、14年には1337億円に達した。開発費が売上高に占める割合も最近は20%前後で推移しており、製造業全体の平均約4%より高く、業界は「厳しさを増すばかり」(製薬大手)と危機感を強める。

 こうした状況下、オプジーボは久々に登場した国内発の新薬だった。発売元の小野薬品工業もオプジーボ効果で、16年9月中間連結決算は最終(当期)利益が231億円と過去最高を記録し、今後も大きな収益源と期待されていた。新薬の成功確率は低く、開発費用は膨らむ一方なだけに、企業の開発姿勢や収益に影響しそうだ。【高橋慶浩】



http://mainichi.jp/articles/20161117/ddm/016/040/023000c
がん治療薬
オプジーボ半額に 厚労省、異例「狙い撃ち」 対象拡大/海外と価格差

毎日新聞2016年11月17日 東京朝刊

 厚生労働省は16日、中央社会保険医療協議会(中医協)に高額ながん治療薬「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」の値段を来年2月から特例で50%引き下げる案を示し、了承された。高額薬は患者負担の観点から注目されてきたが、社会保障財政への影響にも懸念が広がり、当初は慎重だった厚労省も異例の「狙い撃ち」となる緊急値下げに踏み切ることになった。【細川貴代、下桐実雅子】

 「2018年度薬価改定までこの薬価を維持することによる医療保険財政への影響が極めて大きく、緊急的に対応を講ずるものとする」。16日の中医協の冒頭で厚労省の担当者がこう説明した。担当者はその後も「緊急的な対応」という言葉を繰り返した。

 薬の値段の決め方には大きく二つある。似た効果の薬がある場合は、その薬の薬価を参考に決める。類似薬がない場合、開発費、製造原価、営業利益、流通経費などを積み上げて算出する。


家族と患者のコミュニケーション方法について伝授する高森信子さん(中央)=川崎市の地域福祉施設ちどりで
 オプジーボは14年、日本で初めて承認されたため類似薬はなかった。また、開発に約20年かかるなど開発費が膨らんでいた。さらに最初に皮膚がんの一種、悪性黒色腫の治療薬として発売されたため、想定患者は年約470人と少なく、利益を確保するため100ミリグラム約73万円と極めて高い薬価になった。

 15年、保険適用が肺がんに広がると患者数が急増。販売元の小野薬品工業(大阪市)は、16年度の肺がんでの使用を1万5000人と見込んだ。だが、薬価改定は2年に1度。15年末に適用拡大されたオプジーボは16年度改定には間に合わず、通常の18年度改定まで価格が据え置かれることになった。

 その高い薬価が注目されたのは、今年4月に財務省で開かれた審議会での国頭英夫・日赤医療センター化学療法科部長の指摘だ。肺がんの場合、患者1人当たり年約3500万円かかり、対象の肺がん患者を5万人と想定すると年1兆7500億円かかるとの試算を公表し、社会保障財政への影響について「何とかして破滅を回避しなければならない」と訴えた。

 小野薬品は今月7日、16年9月中間連結決算を発表し、売上高は前年同期比67・5%増の1177億円と、中間期として過去最高となった。だが、相良暁社長は同日の決算会見で、「(オプジーボの)患者の獲得が予定を下回っている」と述べ、薬価の決定過程について企業経営に配慮した仕組み作りを求めた。

 国内外の製薬企業は緊急値下げに「新薬開発の意欲がそがれる」と反発、厚労省も「企業から訴訟を起こされる恐れもある」(幹部)と値下げに慎重だった。しかし、オプジーボの適用が腎細胞がんへ広がり、さらに悪性リンパ腫にも拡大される方向になり、中医協も8月、緊急値下げを容認した。

 これを受け、厚労省は、想定を超える売り上げとなった薬の価格を下げる制度「特例拡大再算定」を参考に、オプジーボを通常の薬価改定時期である18年度改定を待たずに「最大25%」引き下げる案を検討し、決着を図った。

 だが、10月上旬、共産党の小池晃書記局長による参院予算委員会での質問で、オプジーボの海外価格が日本の半値以下と判明した。海外の薬価が安いのは、対象のがんの種類が多く、薬価を決める制度が異なるためだが、この海外との価格差を基に政府の経済財政諮問会議から「25%では低い。50%引き下げていい」と一層の引き下げを主張する声が相次いだ。

 「25%」か「50%」か。最終的に50%で決着した背景には、社会保障費抑制がある。政府は16~18年度予算で、社会保障費の自然増を年5000億円程度に抑える目標を掲げている。厚労省の17年度予算の概算要求は前年度比6400億円増となっており、1400億円削らねばならない状態だった。オプジーボを50%下げれば最大200億円の削減が可能とされ、最終的に厚労省も「譲歩」を選んだとみられる。

進む薬の高額化 識者、保険給付「メリハリを」

 オプジーボに限らず、バイオ製剤や狙ったがんを攻撃する「分子標的薬」など、従来よりも開発費や製造費がかかる新薬が増え、薬の高額化が進んでいる。15年に承認されたC型肝炎治療薬も高額だ。15年度の医療費(概算)は41兆4627億円と過去最高となり、中でも薬の値段と薬剤師の技術料を合計した調剤費が急増した。C型肝炎治療薬が影響しているという。

 厚労省は18年度の薬価改定に向け、高額な薬が想定以上売れた場合、即時に価格を引き下げる新たな仕組みの検討を始める。一方、今年9月に承認を受けたオプジーボの類似薬「キイトルーダ(一般名ペムブロリズマブ)」は、製造販売元がオプジーボの値下げ論議で薬価収載の申請を見送る事態になっている。

 日本には、患者の収入に応じて医療費の自己負担の上限額を決める「高額療養費制度」があり、オプジーボを使っても毎月の自己負担は約3万5000~25万円超(70歳未満)だ。残りは公的医療保険でまかなう。抗がん剤の高額化が問題となる中、ある大学病院の医師は「オプジーボが効いた70歳代の男性が『私のようなものが使っていいのか』と聞いてくる。がんとともに生きる人への配慮があってもいいのではないか」と話す。

 オプジーボ緊急値下げのきっかけを作った国頭氏も「薬価の適正化が無意味とは言わないが、医療の高度化と人口の高齢化が問題の本質であり、次々に高額薬は出る。個々への対応はその場しのぎに過ぎない。誰もが高額な治療を求めれば、医療保険財政はいずれ破綻する」と訴える。

 英国など海外は、薬が効果に見合う価格かを調べ、保険適用の可否や価格を判断する「費用対効果」と呼ばれる手法を導入する。日本も今年度から試行が始まった。薬価制度に詳しい五十嵐中・東京大特任准教授は「『医療にお金を持ち込むな』との発想に対し、オプジーボの議論は『医療もお金を考えないといけない』と問題提起した。保険給付にも一定のメリハリをつけることを考えていくべきだ」と指摘する。

 さらに、薬は万人に効くわけではない。オプジーボも効果があるのは2割程度だが、現状では投与前に見分けられない。このため、全国の研究者らが、効果がある患者の早期の絞り込みや、薬のやめどきを見極める研究に取り組む。

 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は「国民皆保険制度を守るため、保険給付の見直しは避けられないかもしれないが、病気になっても使いたい薬を使えない事態を受け入れられるのか。皆が危機感を持って考えてほしい」と話す。


  1. 2016/11/17(木) 05:45:11|
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