Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月15日 

https://www.m3.com/news/general/476884?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161115&dcf_doctor=true&mc.l=190159385&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
勾留中死亡、法医が告発へ 「自白強要で暴行」 奈良県警の警察官
2016年11月15日 (火) 共同通信社

 2010年2月に奈良県警が業務上過失致死容疑で逮捕し、桜井署で勾留中の男性医師=当時(54)=が死亡したのは取り調べを担当した警察官の暴行が原因として、遺体の鑑定書を調べた岩手医大の出羽厚二(でわ・こうじ)教授(法医学)が、県警に特別公務員暴行陵虐致死容疑で告発することが14日、分かった。容疑者は特定していない。

 15日に告発状を県警に提出する。出羽教授は取材に「下半身に広範囲の皮下出血があり、多数の打撲で生じた可能性が高い。取り調べで自白させるために暴行し、死亡させるようなことがあってはならない。県警は真実を隠さずに調べてほしい」と話している。

 医師は勤務先の奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(廃院)で、06年に肝臓の手術ミスで患者を死亡させたとして、10年2月6日に逮捕され、同月25日に死亡した。

 告発状によると、警官は同月14~24日ごろ、医師の取り調べ中に頭部や胸部、上下肢を殴打して傷害を負わせ、急性腎不全などの多臓器不全で死亡させたとしている。

 医師を司法解剖した奈良県立医大の教授は、死因を急性心筋梗塞と判断したが、遺族から意見を求められた出羽教授は、広範囲の皮下出血から打撲で筋肉が挫滅し、腎不全や肝不全を引き起こしたと結論付けた。

 医師が逮捕された日の受診記録に皮下出血の記載はなく、遺体の皮膚の色などから、打撲を負ったのは死亡した日から1週間以内と考えられるという。

 奈良地検は当時、医師の死亡について「取り調べは適正で、因果関係はない」と説明した。

 医師の遺族は桜井署員が勾留中に適切な措置を取らなかったとして、奈良県に約9700万円の損害賠償を求め係争中。

 出羽教授は07年、新潟大准教授として大相撲の時津風部屋で急死した力士の遺体を解剖、暴行による多発外傷性ショック死と明らかにし、事件性はないとしていた愛知県警の判断を覆した。

 ※奈良の肝臓手術死事件

 奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(廃院)の元理事長が2006年、入院中の男性患者の良性腫瘍を肝臓がんと誤診。知識や経験がないのに、亡くなった男性医師らと同年6月、腫瘍の摘出手術をし肝静脈を傷つけ、失血死させた。県警は10年2月、業務上過失致死容疑で元理事長と医師を逮捕。元理事長は起訴され、禁錮2年4月の実刑が確定した。



https://www.m3.com/news/general/476947
遺体にあざ「真相調べて」 納得できず、解明託す
2016年11月15日 (火) 共同通信社

 3週間足らずの勾留中になぜ死亡したのか。男性医師の遺体にあざのような痕を見た遺族の女性(52)は「急性心筋梗塞」という死因に納得できずに6年以上を過ごした。岩手医大の出羽厚二(でわ・こうじ)教授(法医学)による告発に「警察は自らの手で、真相をしっかり調べてほしい」と解明を託した。

 女性は15日、出羽教授らとの記者会見で「解剖結果を不審に思った。本当のことが知りたいし、皆さんにこういうことがあったと知ってもらいたい」と訴えた。

 2010年2月25日、奈良県警から「すぐに来てください」と死亡連絡を受けた女性。駆け付けた病院で遺体と対面し、思わず目を疑った。「右足が真っ黒。なんでこんな状態になっているの」

 職業上、医師は健康にも気を付けていたといい、女性は急死に納得できず、県警や検察に問い合わせた。「県警からは検察に、検察からは県警に聞いてくださいと言われ、満足のいく内容は聞けなかった」と振り返る。

 遺体の鑑定書を調べた出羽教授は、下肢の広範囲に及んだ皮下出血の原因として、取り調べ中に殴打があった可能性を指摘する。女性も「勾留中に体の至る所をけがするなんて、普通あり得ますか」と語気を強める。

 「密室の中で何があったのか」。医師が死亡した日から、女性は今でも考え続けている。



https://www.m3.com/news/general/476943
救急搬送の延命中止36% 終末期患者で医師提案 8割は家族の意向通り
2016年11月15日 (火) 共同通信社

 死期が迫った状態で救急搬送された患者について、日本救急医学会が過去5年半の間に医師から報告された159件を調べたところ、医師側が患者の家族に延命治療の中止を提案したケースが36%に当たる57件に上ることが15日、分かった。

 いずれも複数の医師らによる医療チームが、回復の見込みがない「終末期」に該当する患者かどうか判断した上で延命中止を提案しており、57件のうち48件(84%)でチームの中止方針と家族の意向が一致していた。残り9件では家族の意向は中止ではなかったが、積極的な回復治療は求めなかった。最終的な処置は57件の大半で医師側の提案通りになったという。
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 調査を担当した国立病院機構大阪医療センターの木下順弘(きのした・よしひろ)・集中治療部長は「チームが丁寧に説明したことで家族の理解を得られやすかったのではないか」としている。

 調査は全国の救急医らに任意で報告を求め、2010年10月から今年4月までに集まった159件を分析した。

 救急医学会は07年に「終末期医療に関する指針」を策定。薬物注入などによる安楽死は禁じているが、人工呼吸器の取り外しや血圧を上昇させる昇圧剤の減量、人工透析停止といった延命中止行為を選択肢として認めている。57件の内訳は明らかになっていないが、こうした行為が含まれる。

 延命中止以外の102件は、治療レベルを固定して新たな投薬などをしない「差し控え」が59件、「心肺が停止しても蘇生措置を実施しない」が38件あった。5件はその他・不明。

 搬送された終末期患者の年齢は70歳以上が全体の64%を占めた。くも膜下出血や脳梗塞などの脳・神経疾患、肺炎などの呼吸器疾患が多かった。

 患者本人が延命治療に関し事前に意思表示する文書などを用意していたのは3件にとどまった。

 17日から都内で開かれる同学会の学術集会で報告される。

 ※終末期医療の指針

 2006年の富山県・射水市民病院の人工呼吸器取り外し問題を受け、日本救急医学会は07年、終末期の救急患者の延命治療に関し指針をまとめた。(1)不可逆的な脳機能不全(2)生命維持装置に依存し代替手段がない(3)さらなる治療方法がなく数日以内の死亡を予測(4)積極的治療の開始後に回復不可能な疾病の末期と判明―を「終末期」と定義。呼吸器取り外しを含む終末期の延命治療中止を、本人か家族らの同意を前提に容認した。現在は日本集中治療医学会、日本循環器学会との共同指針となっている。厚生労働省も終末期医療の指針を同年に定め、複数の医療従事者の関与で患者にとって最善の治療方針を決めるよう求めた。



https://www.m3.com/news/general/476913
診療報酬資料改ざん:元官僚と5業者「提携」 国、調査開始
2016年11月15日 (火) 毎日新聞社

 診療報酬の不正請求を調べる厚生労働省の「個別指導」を巡り、コンサルタント会社を営む元厚生官僚(65)が歯科医らに資料改ざんを指南していた問題で、少なくとも5業者が元官僚との提携をうたい、個別指導への対応を支援するなどと宣伝していたことが分かった。こうした業者を通して資料改ざんなどがさらに広がっている可能性がある。厚労省は元官僚の関与を含め、資料改ざんについて調査を始めた。【藤田剛】

 5業者は東京都港区と新宿区、奈良市、大阪府内のいずれも医療コンサルタント会社と大阪市内の公認会計士事務所。それぞれホームページ(HP)で元官僚を「提携コンサルタント」や「専門家」などと紹介していた。

 このうち港区のコンサル会社のHPは、個別指導で不正請求が発覚して廃業に追い込まれた事例を示し「このようなリスクに対する備えはありますか?」と強調。「対応は時間との勝負」とした上で「元厚労省本庁の技官(元官僚)による保険請求に関するアドバイス・支援を行います」と宣伝している。奈良市の医療コンサル会社は以前HPで、個別指導対策として「歯科診療録及び関係書類等を個別指導対応に整備」などと記載していた。

 こうした記載について、港区のコンサル会社社長は取材に「先生(歯科医ら)は個別指導を『怖い』とおっしゃるのでニーズは多い」としつつ、助言内容について「大きい声ではなかなか言えない」と言葉を濁した。奈良市のコンサル会社社長は「(元官僚が)やっていないことをやったように『資料を書き直せ』と言うかどうかは分からない。今はほとんど連絡を取り合っていない」と述べた。

 また、新宿区のコンサル会社と大阪市の公認会計士事務所は毎日新聞の取材や報道後、HPから元官僚に関する記載を削除した。

 こうしたコンサルなどについて、診療報酬の不正請求に目を光らせる厚労省医療指導監査室は「実態は分からない」という。というのも、健康保険法などに基づく個別指導は医療機関が対象で、コンサルなどは対象外。同法には指導時の資料改ざんに関する規定もない。元官僚は現役時、「医療Gメン」と呼ばれる医療指導監査官。指導に詳しい同省関係者は「行政に関わった人間が、法の抜け道を看板に掲げて仕事をするのは許されないが、現行法制下では直接手を打てないジレンマがある」と漏らす。

 一方、厚労省の鈴木康裕保険局長は8日の参院厚生労働委員会で、元厚生官僚による資料改ざん指南について「私どもの元職員が、報道によると、こうした行為(をした)ということ。これはあるべからざる行為だ。厳正に事実を把握して対処したい」と述べ、調査に前向きの姿勢を示した。質問に立った東徹氏(維新)は「詐欺罪など刑事告発を含めて考えるべきだ」と厳しい対応を求めた。



https://www.m3.com/news/general/476945
献体登録で全国初の協定 横須賀市と神奈川歯科大
2016年11月15日 (火) 共同通信社

 神奈川県横須賀市と神奈川歯科大(同市)は15日、死後に自らの遺体を医学や歯学の研究・教育のために提供する「献体」について、登録を希望する高齢者の情報共有を目的とした全国初の連携協定を締結した。

 横須賀市は、身寄りがなく、収入や資産の少ない高齢者が生前に葬儀などの準備を整える「終活」の支援事業を進めており、協定はその一環。横須賀市の吉田雄人(よしだ・ゆうと)市長は締結後の記者会見で「市民が亡くなった後までしっかり支えるのは行政の使命。献体登録の促進につなげたい」と述べた。

 市によると、身寄りのない高齢者は火葬後の遺骨の引き取り手がいないことや、死亡したことを把握できないといった理由で献体登録を断られるケースが多い。

 大学側は、1人暮らしの高齢者から献体の申し出があった場合、市の支援事業を案内。事前に葬儀業者や埋葬先を確保することで、献体登録を可能にする。死亡時には、市が大学側に連絡する。

 市は、支援事業の相談に訪れた市民が希望する場合、献体事業の概要を説明。必要に応じて大学側に紹介する。

 同歯科大によると、現在、約750人が献体登録。年間約70人が新たに献体を申し出ているが、うち5、6人は条件をクリアしていないため、登録を断っている。

 支援事業は昨年7月に開始。全国的にも珍しい取り組みで、現在までに9人が登録。うち2人が亡くなっている。



http://mainichi.jp/articles/20161115/ddl/k30/070/449000c
レントゲン撮らず誤診、完治遅れた /和歌山
毎日新聞2016年11月15日 地方版 和歌山県

過失立証と賠償請求は困難

  家で大掃除をしていた際に、重たいものを足の甲に落として、医者に行きました。診断は「打撲」で、湿布を貼るなどの対処で十分とのことでした。レントゲン撮影がなかったので理由を尋ねると「撮るほどじゃない」と言われました。しかし、2週間経過しても痛みは消えず、しびれも出てきたので、別の医者に診断してもらいました。レントゲン撮影もあり、「骨折で全治1カ月」と診断され、松葉杖での生活を余儀なくされました。最初の段階で骨折と診断されていれば、完治が早かったかもしれません。最初の医師に賠償を求めることはできるでしょうか?

  いわゆる医療過誤の問題です。医療分野は専門性が高く、質問内容に含まれない事情で結論が異なる場合があることをご了解ください。

 本件はまず、最初の医師に過失があるのかが問題となります。医師は、患者の症状に関する訴えや患部の状態等からその傷病の内容を診断し、適した治療を提供する必要があります。本件で医師は、患者の症状に関する訴えを聞き、患部を触診するなどして単なる打撲なのでレントゲン撮影は不要と判断したと思われます。

 慎重を期してレントゲン撮影をすべきだったとも言えますが、それは結果論です。医師が通常の経験と専門的知識に基づき、患部の触診状況や事故状況、痛みの状態等から、骨折を疑わなかったのなら、判断はやむを得ないもので、過失に基づく損害賠償を認めるのは困難と言えます。

 医師の判断に過失があったとしても、レントゲン撮影をしていれば骨折が発見できたのか▽発見できていたら松葉杖での生活を強いられることはなく、治療期間も短くなっていたのか(質問内容の「完治も早かったかもしれません」という部分です)--が問題となります。いずれも肯定的な結論が出なければ、医師の過失によって損害は発生していなかった、因果関係はなかったということになり、損害賠償請求は認められません。

 裁判例には「レントゲン撮影があれば悪い結果を回避する可能性がなかったとまでは言えない」という論法で医療過誤を認めたものもありますが、これは死亡事故の事案でした。相当特殊な判断という意見が多く、私の感覚では、本件で損害賠償を求めるのは難しいと考えます。(和歌山弁護士会・廣谷行敏)



http://blogos.com/article/198041/
【読書感想】研究不正
科学者の捏造、改竄、盗用 (中公新書)
作者: 黒木登志夫

出版社/メーカー: 中央公論新社
発売日: 2016/04/19

fujipon2016年11月15日 08:30 BLOGOS

“内容(「BOOK」データベースより)
 科学のすぐれた成果を照らす光は、時として「研究不正」という暗い影を生み落とす。研究費ほしさに、名誉欲にとりつかれ、短期的な成果を求める社会の圧力に屈し…科学者たちが不正に手を染めた背景には、様々なドラマが隠されている。研究不正はなぜ起こり、彼らはいかなる結末を迎えたか。本書は欧米や日本、中韓などを揺るがした不正事例を豊富にとりあげながら、科学のあるべき未来を具体的に提言する。”


 「STAP細胞事件」は、世の中に大きなインパクトを与えたのですが、「研究不正」というのは、あの事例だけではないのです。
 というか、あれはまさに「氷山の一角」というか、マスメディアで話題になった研究、そして注目された研究者の不正だったがために、「その後」も大きく採りあげられることになっただけなんですよね。

 自らも高名な研究者である著者は、古今東西の「研究不正」の事例をたくさん集めて例示し、どんなときに、どんな人が不正を行ってきたのか、そして、それはどんな理由によるものだったのかを丹念に説明しています。

“ わが国では、2000年まではほとんど目立った研究不正はなかったが、21世紀に入ってから急速に増えてきた。第七章で述べるように、撤回論文数のワースト10には、日本人が1位と7位に、ワースト30には5人も入っている。
 どうして急に増えてきたのであろうか。一つには、国立大学の法人化(2004年)の前あたりから、大学の財政が苦しくなり、競争的資金がないと研究ができないようになったことがあるのではなかろうか。論文発表、評価、研究資金獲得などの圧力のなかで、選択と集中が進み、競争が激しくなった。研究者たちは、圧力とストレスにさらされ、不正に走る人が増えてきたのであろう。加えて、わが国は、研究不正に関して初心(うぶ)であり、あまりにも無関心であったことがある。”


 いやほんと、この本で紹介されている「21の事例」のなかには、「なんでこんなに論文を大量生産している人が怪しまれなかったのだろう?」と疑問になるようなものも含まれています。

 論文撤回ワースト1位になったという日本の麻酔科医YF氏の事例は、こんなふうに紹介されています。

“ 1987年東海大医学部卒、東京医科歯科大学、筑波大学の麻酔教室を経て、東邦大学医学部の麻酔科准教授になった。2000年、ドイツの麻酔科医師が、麻酔科の国際誌に、「YFの論文は信じられないくらい素晴らしい!」という皮肉なタイトルで、YFの論文への疑問を投稿した。1994年から1999年までに発表された47の論文について、こんな素晴らしい結果が出るのは、統計学的に信じられないというのだ。しかし、YFは反省するどころか、指摘に対して反論をしている。もし、このとき、YFの教授であったHTや周囲の人たちが気がついていれば、ワーストランキングのトップという汚名は免れたはずである(それでもワースト5位には入るが)。”


 このYF氏の捏造っぷりは、本当にすごいのです。
 よくここまでやるなあ、としか言いようがない。

“・原著論文216報(うち英文論文205報)のうちねつ造論文172、ねつ造の根拠不足の論文37を数えた。ねつ造のない論文は3報のみであった。ねつ造は、1993年から2011年までの19年間にわたり行われた。報告書には、「あたかも小説を書くごとく、研究アイデアを机上で論文として作成した」と記されている。

・ランダム化二重盲検による臨床研究126報はすべてねつ造であった。二重盲検臨床研究は、多数の患者を多施設から集め、ランダム化した上で、医師にも患者にも治療の内容を教えない(二重盲検)という大がかりな研究である。研究をデザインするだけでも大変なのに、それを126報もねつ造するなど、感心するばかりである。

・倫理審査委員会の審査を受けたことは一度もない。患者からの同意もとっていない。

・生データがほとんど残っていない。

・これらの論文を教授選考、学会賞などの応募に使用した。最終的に東邦大学准教授に採用された。”


 ここまで多くの論文を「創作」するなんて、よくやるよなあ、と。
 むしろ、「ねつ造ではないとされた3報」って、どんな論文だったのだろうかと、気になります。

 研究というものをかじったことがある僕からすると、研究不正というのは発覚すれば研究者生命を断たれることが確実ですし、注目を集めるような有名な雑誌に載る論文ほど、追試されたり、引用されたりする機会が多くなるので、バレる可能性が高くなるんですよね。
 その一方で、研究の世界というのは、学会発表、そして何と言っても論文の質と量が実績となるので、なんとかして認められたい、という誘惑に抗えない人がいるのも、わかるような気がします。
 論文を書けなければ、職を失ってしまうリスクもありますし。
 だからといって、不正は許されません。
 「研究者が不正をしないこと」は科学論文の大前提で、嘘をついているかどうか、データが正しい、実在するものかどうかを全部検証していては、論文の査読(論文が雑誌に掲載するに値するかどうか判断すること)には膨大な時間がかかってしまいます。

また、ノバルティス社の「ディオバン」をめぐる研究不正についても、詳しく説明されています。

“ 慈恵医大の研究者は、「自分たちにはデータ解析の知識も能力もない」と語っている。これは驚くべき証言である。「知識も能力もない」研究者はノバルティス社に丸投げするほかなく、ノバルティス社は研究者の無知につけこんで、自由に都合のよいデータを作ったことになる。その意味で、ノバルティス事件は、わが国の臨床研究の抱える構造的な問題を反映していると言える。現状を考えると、第二、第三のノバルティス事件が起こらないとは限らない。その意味で、ノバルティス事件は、STAP細胞事件よりも、はるかに根が深いと言わざるをえない。”

 最近の研究では、ものすごい数のデータを統計学的に処理することが多いのです。
 そうなると、臨床医の付け焼き刃の統計学の知識では、太刀打ちできなくなってしまいます。
 研究機関のなかにも、臨床医がデータを集めて、統計の専門家がそれを解析する、というシステムをとっているところが少なからずあるのです。
 もちろん、それが正しく運用されていれば、悪いことではないんですけどね。  

 ちなみに、世界の国々が重大な研究不正として認定しているのは、
「ねつ造」「改ざん」「盗用」の三つの不正だそうです。
 どの不正が多いかについて、アメリカ研究公正局(ORI)の調査では、生命科学系の事例133件のうち、重大不正の分布は、以下の通りでした。

“・ねつ造      22パーセント
・改ざん      40パーセント
・盗用       6パーセント
・ねつ造+改ざん  27パーセント
・改ざん+盗用   4パーセント
・その他      1パーセント”

 ねつ造、改ざんが多くて、盗用は割合としては低めのようです。
 創作はよくても、盗用はプライドが許さない、ということなのでしょうか……

 世の中には、信じられないような不正をする人もいて、この本のなかで紹介されている事例のなかには、苦笑してしまうようなものもあるのです。

“・マウスの背中をフェルトペンで塗ったサマリン
・他人の論文を盗んでは、自分の名前に変えて投稿したアルサブチ
・自分で埋めた石器を自分で発掘したSF”


 最後の「石器ねつ造事件」なんて、発覚したときには驚いたというより、呆れてしまいました。
 でも、新聞社が証拠の映像を撮影して告発するまでは、SF氏は「神の手」なんて呼ばれていたんですよね。
 ひとりのねつ造者のおかげで、日本の古代史が変わってしまうところだったのに、みんな、なかなか気づくことができなかった。

 研究不正の世界も、なかなか奥が深いものだな、と思いながら読みました。
 最近では、ネットで有志による論文のチェックが行われることもあり、不正はどんどん困難になってきています。

 いやほんと、研究不正とか、やるもんじゃない。
 ただ、「論文にならないものは無価値である」という研究の世界のプレッシャーを考えると、壊れてしまう人がいるのも、わかるような気がするんですよね……

論文捏造 (中公新書ラクレ)
作者: 村松秀
出版社/メーカー: 中央公論新社
発売日: 2014/07/11
メディア: Kindle版



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1115505674/
精神保健指定医の資格審査方法を見直しへ〔CBnews〕
厚労省検討会で不正申請防止など議論

CBnews | 2016.11.15 18:20

 厚生労働省は、精神保健指定医の資格審査の方法を見直すことを決めた。資格申請の不正行為が相次いだことを踏まえた措置。厚労省の検討会で、資格審査の問題点や口頭試験を導入するかどうかなどを議論し、審査方法の改善や再発防止に関する意見を取りまとめる見通し。

 指定医の行政処分をめぐっては、厚労省が昨年、指定医の申請に必要な患者の診断や治療などを含めた医学的な知識を証明する「ケースレポート」の不正作成などにかかわった指定医23人の資格を取り消した。その後の調査で、ほかにも不正が疑われる申請があったことが判明。厚労省は11月9日付で指定医89人(申請者と指導医)の資格を取り消した。

 指定医の取り消しに関する審査を行った医道審議会医師分科会精神保健指定医資格審査部会は、不正の防止策として、指定医に求められる精神障害者の診断や治療に従事した経験を確実に審査できる手法の導入を挙げていた。また、日本精神科病院協会も資格試験に関する改革が必要とする声明を出し、口頭試験の導入を求めていた。

 こうした状況を踏まえ、厚労省は、11日に開かれた「これからの精神保健医療福祉のあり方に関する検討会」の会合で、指定医の資格審査の方法を見直すことを提案。厚労省の担当者は「医師が指定医に課せられた役割の重要性について改めて認識することが必要」とし、不正行為の再発防止に主眼を置いて議論することを促した。

 委員からは、大学病院の医師の資格取り消しが目立ったことについて、ケースレポートの対象となる患者があまり来院しないにもかかわらず、指定医の「候補生」が多かったことが不正を引き起こした一因との指摘があった。次回の会合で資格制度の問題点を把握し、指導医の位置付けや不正の再発防止策などを議論する予定。

(2016年11月14日 新井哉・CBnews)



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016111500565&g=soc
群馬など7大学「やや遅れ」=国立大評価、東大も-文科省
(2016/11/15-14:41) 時事通信

 文部科学省の国立大学法人評価委員会は15日、国立大など90法人の中期計画(2010~15年度)に基づく15年度の業務実績評価を公表した。達成目標のうち、群馬大や東京大など7大学が、業務運営や法令順守など5項目のいずれかで5段階の下から2番目の「やや遅れている」とされた。
 最低の「重大な改善事項がある」とされた大学は3年ぶりにゼロだった。
 付属病院で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた患者が相次いで死亡した群馬大は「医療安全管理体制の重大な欠陥に係る改善の徹底不足」と指摘されたが、最低評価だった前年度からは1段階改善した。東大は、出資事業で年度計画が達成できなかったことが要因。このほか5大学は、研究費の不適切な経理があった。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201611/549023.html
記者の眼
避けては通れぬ「誤診」から逃れるには?

2016/11/16 加納 亜子=日経メディカル

 日常診療において、臨床医が避けられないものの1つが「誤診」だ。医師が診断を誤ることを指す言葉と考えられるが、国内では明確な定義付けはされていない。

 「患者から見て、最初に示された診断名と最終的な診断名が違ったこと」を誤診と表現するなら、所見や鑑別疾患の見落としなどのミスで正しい診断が付かなかった事例だけではなく、診断が遅れてしまったり、予期せぬ合併症を来したケースも含まれることになる。

 米国では最近、これら診断を誤ったり見逃したり、診断が遅れた事例を「diagnostic error(診断エラー)」と定義し、学術的に振り返ることによって、なぜ診断エラーが起こるのか、可能な限り防ぐ方法はないのかという視点で、診断の精度を上げるための研究が進んでいる。

 これらの研究により、米国の初期診療現場における診断エラーの発生率は約15%もあることが示された。31の研究をメタ解析した研究ではICU患者の剖検5863例の28%に診断エラーが生じていたことが報告されており(死因に直結する診断エラーは8%)、異なる研究結果では4万~8万人/年が診断エラーで死亡しているといった推計も示されている。診断エラーの頻度の高さが指摘されているのだ。

 そして、診断精度を上げるには、診断経験の積み重ねとその振り返りが最も大切であることを示唆する論文も発表されている。

 日本では「診断エラー」や「誤診」に関する研究はほとんど進んでいないが、米国でこれだけの報告がある診断エラーが、日本で起きていないはずがない。また、診断の振り返りが診断の精度向上につながるといった考えは、我が国の医師にも当てはまると推測できる。

 米国で行われている診断エラーに関する研究内容を踏まえ、誤診を減らすコツを若手医師向けに解説するセミナーが、10月22日に岡山大学で開催された。「しくじり診断学」と題したこのセミナーでは、亀田総合病院感染症科の藤田浩二氏と島根大学卒後臨床研修センター助教の和足孝之氏が発表者として登壇した。

診断を間違える原因は知識不足じゃない?
 セミナーで和足氏は、100例の診断エラーを解析した研究を取り上げた。「診断エラーと聞くと、医師の知識・経験不足が原因だと捉えがちだが、知識の誤りが原因だったケースは3%にすぎない」と指摘。誰がどう取り組んでも難しい「過失なし」は7%、「システム上の問題」が19%、医師が直感的に判断をしようとした際に認識が誤ってしまった「認知バイアス」が28%、そして「認知バイアス」と「システム上の問題」の両者があったケースが最も多く、46%だったと述べた。

 この研究で診断エラーに大きく関わることが示された「認知バイアス(cognitive bias)」とは、経験に基づく直感的・短絡的な考えにより陥るエラーのこと。様々なパターンがあるが、具体的には、症例の所見やエピソードからつい想起しやすい疾患を鑑別に挙げてしまったり、コンサルト先の専門医の判断を盲目的に信じてしまったり、最初の印象や判断に固執してしまったり──といったものだ(表1)。

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表1 診断する上で考慮すべき認知バイアス

 多くの医師は経験に基づいた直観的なひらめきを診断に生かしている。鼻水・鼻詰まり、喉が痛い、熱があるといった患者を見たら「かぜ」を念頭に置きつつ、一方で「かぜに見えるけれど違う疾患かもしれない」と思いを巡らせる──といった考え方だ。これらは、かぜ症状の患者や、かぜと似た症状だったもののかぜではなかった患者を診療した経験に基づく直感的な判断であり、医師が無意識に下した判断となる。

 この経験に基づく直感的な判断は、「認知バイアス」つまりは診断する医師が過去にヒヤリとした経験など、目立つ事例や経験、診断する医師の心理状況、判断が難しい疾患や対応に難渋しそうな患者にはできるだけ関わりたくないといった利害関係などの影響を受けやすい判断方法でもある。

 従って、医師の診断精度を上げるには、認知バイアスの影響を最小限にすればよいということになる。そのためには、「多くの経験を積み重ね、過去の診断内容や診断エラーの振り返りにより、常に自分自身がどのような状況にあるかを第三者的な目で見て、何に影響を受けやすいかを知ることが重要だ」と和足氏は言う。藤田氏も「診断には特に、最初にどう判断するかが大きく影響する。判断に関わる自身の知識力や感情・体調の状態を把握する習慣付けが臨床医には欠かせない」と話す。

 日常診療で認知バイアスによる影響を減らすには、以下の影響を見極めることが重要だという。

・肉体的ストレス(睡眠不足や発熱などの体調不良、過重労働など)
・精神的ストレス(空腹やトイレに行けないなどの生理的欲求による集中力の欠如、上司や先輩からのプレッシャーなど)
・ネガティブな感情(怒りや不安、悲しみなど)
・ポジティブな感情(過去の成功体験から得た自信、楽しさから来る高揚感など)

 これら自身の感情・体調による影響の有無を常に認識することに加え、「可能な限り客観的に、漏れなく重複なく論理的・分析的に診断を詰めていく『分析的な思考』を取り入れることが診断エラーを減らす最大のポイントになる」と和足氏は言う。

 「分析的な思考」とは、患者が「咽頭痛がある」と言えば、その症状を起こす疾患を重篤・頻度別に挙げ、その頻度や検査実施後の感度・特異度を踏まえて他の疾患を除外するといった流れで鑑別疾患を絞り込んでいく考え方だ。症状に応じて体系的かつ網羅的に鑑別疾患を挙げるため、解剖生理学的に鑑別疾患を1つずつ考えたり、系統的に列挙されたスマートフォンのアプリケーションといった既存のツールを用いて自らの診断が妥当か、鑑別すべき疾患に漏れがないかを見直すことが有効だという。

 この方法は、症状から漏れなく鑑別疾患を挙げて判断できるメリットがある半面、診断を付けるまでに非常に時間が掛かるというデメリットがある。

 そのため、自身が陥るバイアスのリスクを念頭に置きながら、様々なツールを駆使して経験からくる直感的な判断と分析的な思考とを行き来しながら鑑別診断を行う──。これが、診断エラーを最小限にする鑑別診断の方法なのだという。

自身の診断・誤診経験を振り返る習慣を
 米国と日本では医療環境は大きく異なる。前述したセミナーの内容は、あくまで米国における研究の結果を日本の臨床医に当てはめるとどうなるか、という考えから導かれたもの。

 日本では日常的に医師が自身の診断結果や診断エラーを振り返る習慣はあまりない。医師としてのキャリアや診療科、労働環境ごとの認知バイアスはもちろんのこと、日本の臨床医特有の認知バイアスはどんなものなのかも明らかになっていない。そもそも日本で診断エラーがどの程度の頻度で起きているかすらも分からない状況だ。

 今後、国内の臨床医の診断の精度を上げるには、診断エラーを隠したり、その過失をただ糾弾するのではなく、まずは臨床医の診断を学術的に振り返り、検証する機会を設ける必要があるだろう。そうすることが、同様な事例の再発を防ぎ、臨床医の診断精度の向上につなげるためのデータの蓄積につながるはずだ。併せて、臨床医の分析的思考を助けるツールの開発も進める必要があるだろう。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/ishiyama/201611/549008.html
連載: 石山貴章の「イチロー型医師になろう!」
患者のストーリーを頭に描け!糸口は必ず病歴に

石山 貴章(魚沼基幹病院)
2016/11/16 日経メディカル

 私の臨床技術はお師匠さんからの「のれん分け」だと、個人的には思っている。コミュニケーションの重要性に関する意識、病歴聴取の重要性に関する意識、そしてそれらのスキル。日本で内科研修を受けたことのない私にとって、これらは皆米国内科レジデンシー、さらにその後のホスピタリストシステムを介して、全てお師匠さんから受け取ったものだ。

秋田大学で11月5日に行われた、臨床教育に関する全国シンポジウムに参加した際の一コマ。向かって右端が筆者。日本の本州北の端で、今後の臨床教育に関して、熱い議論が交わされた。

 この「のれん分け」の真髄といったものを、今度はこの日本で若い人たちに伝えていきたい。これが、昨年私が帰国を決めた大きな理由である。まだまだ道半ばではあるが、これを形にしていきたい。私のお師匠さんが今も地球の裏側、わずか半周分の距離の所でやっているように。

 さて前回インターミッションを挟んでしまったが、早速「病歴聴取の基本六原則」の続きに戻ろう。第一、第二原則は既に述べた。今回は、第三、第四原則について述べてみたい。

第三原則:全体から理解する
 病歴聴取を行い、診断を考え始めると、どうしても一部の異常所見、データ、そしてストーリーにこだわってしまう、ということが生じがちだ。そういった、一部に拘泥することなく、常に患者全体として何が起きているのか、まず「俯瞰図」を得る。鳥が上空から地上を眺めるようにして、対象を理解しようとする。そういうイメージである。

 何事においてもそうだが、まず全体を把握し、それに基づいて部分を理解すると、重要なことを外さずに済む。患者の訴えに耳を傾けている間に、あるいは、検査データの細かい点にとらわれている間に、患者の主な訴え(主訴)自体を忘れてしまう、などといった笑い話のようなことも、案外多い。患者の主訴から始まる全体のストーリーを、まず大きく把握する。それによって病歴全体、あるいは検査データといった、患者情報の重要な点の見極めが可能となる。これは、非常に大切だ。

 だが、これはかなり難しい。意識しているつもりでも、私自身、普段の日常臨床で、つい忘れがちになる。いわゆる「視野狭窄」に陥った状態である。これは、実地臨床を行う上で実に危険な状況である。そしてこの状況を防ぐためにも、この第三原則は非常に有効となるはずだ。

第四原則:八割原則
 日本においても、近年ますます高まる入院日数短縮のプレッシャー。その中で、日常臨床とタイムマネジメントの重要性はより高まっている。そしてまた、患者の鑑別診断を行う上で、初動捜査を誤ると致命的である。忙しい毎日の生活の中で、毎日新しい患者が入ってくる。後でやろうと思ってもできない。患者の状態もどんどん変わっていく。

 きっちりとした病歴聴取が重要なことは、これまでの議論ではっきりしてきたと思う。が、その一方で実生活では、時間は限られている。これは読者の方々も、肌で日々感じていると思う。こだわり過ぎるのも良くない。8割の情報が得られた、と感じたら、次に移った方がよい。

 ただ、この感覚は漠然としていて、最初は分かりにくい。私にとっての目安は、自分の中である程度患者に関するストーリーが得られた、と感じられるところ、である。

 かつて受験生時代、皆試験問題を解く場合、1つの問題に掛かり切りにならず、一応の答えを出したら別の問題に移った記憶があるだろう。その上で、時間があれば戻ってくる。これと同じことを、患者の情報収集においても行うわけだ。

 念のために言うが、これは「8割しか情報を集めなくてよい」と言っているわけではない。無論時間があれば、その患者に戻ってさらに情報収集に努めるべきだ。8割得られたら「取りあえず前進せよ」、そう言っているだけだ。くどいようだが、時間は限られている。

 さらに言えば、情報収集に時間を取り過ぎると問題になる場合もある。典型例は臓器障害を伴うsepsis、あるいはshock conditionであろう。情報収集をしている間に、患者に重篤な転帰が生じる場合もある。

 これは、日常臨床における、時間管理の問題でもある。重要度に従い、優先順位をつける必要が常にある(sepsisの場合、重症度によっては、この優先順位に変化が生じる。すなわち、通常トップにある病歴聴取だが、そのレベルが下がることが多い)。これに関しては、「日常臨床とタイムマネジメント」として、連載後半で詳しく述べる予定だ。

 今まで述べてきたことを別の言葉で述べる。簡単に言えば、末端にとらわれ過ぎることなく、患者のストーリーを頭に形作れ、ということである。無論、その後にさらに細かい情報が必要になってくることは多々ある。そのためには、患者のベッドサイドに戻ることも厭わない。

 特に、「何が起きているのか分からない」ケースの場合、その手掛かりは必ず病歴聴取の中に隠れている(少なくとも、私はそう信じている)。どこからどう攻めていいのか分からないとき、その「取っ掛かり」を探す、そういう意識で「攻める」ことが大事である。

 なお、この「取っ掛かり」のことを英語ではPDCs (Potentially Diagnostic Clues)と呼ぶ。どこかに隠れているPDCsを、病歴聴取や身体診察を用いてなんとか探り当てる。そして、その「取っ掛かり」からClinical reasoningを行い、正しい診断にたどり着いたその時の興奮は、まさに「病み付き」となる。この興奮を、総合診療を目指す若い医学生や研修医にも、ぜひ味わっていただきたい。

 さて、次回は「病歴聴取の基本六原則」の大詰め。残りの2原則に関しての話をしたい。その後は、具体的な「型」と「テクニック」の話である。乞うご期待!
 



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09581700V11C16A1CR8000/
信州大「不正認められず」 子宮頸がんワクチン研究
2016/11/16 0:25 日本経済新聞

 信州大の池田修一教授が厚生労働省研究班の代表として実施した子宮頸(けい)がんワクチンの副作用に関する研究で不正が指摘されていた問題で、外部有識者による信州大の調査委員会は15日、「不正行為は認められない」との結論を公表した。

 池田教授は3月、厚労省の会合で、免疫の異常を起こしやすくしたマウスに子宮頸がんワクチンを接種すると、神経細胞を攻撃する抗体が作られたと発表。雑誌で「都合の良いデータを選んでいる」と指摘された。

 調査対象は池田教授と研究者2人。実験ノートを調べるなどした結果、データの捏造(ねつぞう)や改ざんはなかった。ただ、データは予備段階の実験で得たものだったのに発表の際、断定的な表現を使ったためワクチンが原因で異常が起きたことが科学的に解明されたかのような印象を与えたとし、発表内容の修正と再実験を求めた。

 委員長の前田雅英・日本大大学院教授は記者会見で「社会的な影響が大きいため、公表には細心の注意を払うべきだった」と述べた。

 池田教授は「研究に捏造も不正もなかったことが実証され安堵した」とのコメントを発表した。

 信州大は6月、学内の規定に基づき予備調査を開始。9月には外部有識者5人による調査委を設置した。

 雑誌で不正の疑いを指摘した医師でジャーナリストの村中璃子氏は「調査委が適切で十分な調査を行ったのか疑問がある」としている。



http://www.asahi.com/articles/ASJCH339FJCHOIPE002.html
愛知県、4億4500万円の債権放棄 看護学生へ貸付金
2016年11月15日22時34分 朝日新聞

 愛知県は15日、看護学生に貸し付けた修学資金で、40年以上にわたり返還督促などを怠っていた23億7900万円のうち、4億4500万円を回収不能と判断し、債権放棄すると発表した。関係職員は退職者を含め83人とされ、在職中の16人を戒告などの処分とする。

 貸付金は県内の中小医療機関に一定期間勤務すれば返済が免除されるが、県は昨年3月、対象者の就職先確認や返済督促を怠り、約4千人分の約23億8千万円が放置されていたと発表した。

 調査の結果、資料が破棄されて追跡不能な額が4億4500万円となり、債権放棄せざるを得ないと判断した。このほか、返還免除の対象が14億8500万円分と確認され、返還済みが6100万円、時効により回収できなかった額は3億3500万円となった。

 県は今後、退職者を含む関係職員76人に各25万~45万円、健康福祉部の約1200人に各5千~10万円の「協力金」の支払いを求める。

  1. 2016/11/16(水) 05:39:50|
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