Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月2日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/473239?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161102&dcf_doctor=true&mc.l=187495581&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
「唯我独尊だったと反省」、群大病院が改革状況を報告
医療安全・管理学講座や先端医療開発センターを新設

2016年11月2日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 群馬大学医学部附属病院で同じ執刀医の腹腔鏡手術や開腹手術を受けた患者が相次いで術後に亡くなっていた問題を受けて、同病院や群馬県、県内医療関係者らで構成する「群馬大学医学部附属病院の再生を促進する協議会」が11月1日に群馬県庁で会議を開いた。会議終了後に会見を開いた田村遵一病院長が改革の状況を説明。新たに医療安全・管理学講座(仮)や先端医療開発センター(仮)を2017年4月に新設することを報告した。田村病院長は「応急処置は全てできた。今後はさらに意識改革を徹底したい」と説明。これまでは「(県内で)唯我独尊だったという反省もある」とし、県や地域医療機関と連携する姿勢を強調した。

 「群馬大学医学部附属病院の再生を促進する協議会」は、群大病院関係者9人、県からは副知事など8人、外郭団体として群馬県医師会長、群馬県病院協会長の計19人で構成する。会議は非公開で、この日は3回目の会議となり、これまでの改革状況や今後の方向性が示されたという。県は半年後を目途に改革状況を確認する方針。

「群馬県にある群大ということを身にしみた」
 会議後に病院関係者が会見を開き、今後の改革とこれまでの改革状況をそれぞれ説明した。今後については、2017年4月を目途に新設する医療安全・管理学講座(仮)や先端医療開発センター(仮)では、県内外の医療機関や他職種も利用できる仕組みにしたいとしている。田村病院長は、一連の問題を経て「群馬県にある群大ということを身にしみた。これまでは群馬県にありながら本当の意味で、地元とタッグを組んできたかというとそうではなかった。唯我独尊だったという反省もある」と述べた。

 新設する医療安全・管理学講座(仮)では、WHOと連携するなどして世界水準の医療安全管理体制を構築するための研究・人材育成に取り組むとしている。同講座が提供する学習内容を、助教以上の教員の習得必修化とする予定。

 先端医療開発センター(仮)では、医療開発研究、高難度医療、未承認薬などを用いる医療、保険外診療などの実施を集中的に管理するセンターとなる。病院長直轄の組織となり、各診療科が先端医療に取り組む際に必要となる研究倫理委員会、臨床倫理審査委員会などのやり取りを、専従のスタッフがコーディネーターとして支援する。大学外の医療機関が先端医療に取り組む際にも利用できるようにする。田村病院長は「群大病院は臨床研究中核病院整備事業の対象になっており、遅ればせながらの取り組み」と説明した。

 また、現在は地域枠学生の支援などをしている群馬県地域医療支援センターを発展させる形で、将来的には大学内に「地域医療研究・教育センター」を設置し、県と連携して医師配置の適正化や現在は各医局が行っている医師派遣を行う組織を作る考えも示した。田村病院長は「県域全体の医療レベル向上による良質で高度な医療の提供への貢献をしたい」と意気込みを語った。

センター長に権限集中させず
 これまでの改革状況では、病院の診療体制の改革等を報告した。2015年4月からは外科と内科では臓器別診療科をそれぞれの外科診療センター、内科診療センターとして統合し、センター長のもとに臓器別の診療科長を配置している。対応する講座の教授がいない診療科では、准教授が診療科長になる場合もあり、病院では診療教授として責任感を持たせるようにしていると説明した。また、センター長に権限が集中しないように、診療科長に各科の人事や予算の権限があるようにしているという。主治医制を取っていた診療科も全てチーム管理体制へ移行した。

 診療科に対応する形で、2017年4月から医学系研究科でも内科と外科は大講座制に再編する(『群大、内科と外科「大講座制へ」』を参照)。内科学講座、外科学講座の下に、臓器別分野を配置する。講座運営は各分野の教授や准教授らによる合議制になるという。田村病院長は、医学部以外の学部運営のように複数の教授や准教授がともに意見を出し合う組織に変えていく必要があると強調した。

 インシデント報告は、2013年度4051件、2014年度4822件、2015年度4866件と増加傾向にあり、特に医師からの報告が2013年度5.3%、2014年度8.5%、2015年度13.1%と増えている。田村病院長は「医師はインシデントを問題視しない風潮があるので、医療安全の世界では10%超えたのは意識が高まってきたと言える」と説明した。インフォームドコンセントの際に使う同意文書のひな型は、臨床倫理委員会専門委員会の承認が必要とし、2016年9月時点で675件を超えた。

 2つの委員会の提言(『死亡事故の背景、「手術数の限界を超え、悪循環」』、『「適格性疑われる医師のチェック機構、働かず」』を参照)を受けて、9月に「医学系研究科・医学部附属病院改革推進委員会」を設置し、委員会から求められた事項を整理した27項目について改革工程表を作成した 。医療安全・管理学講座(仮)や新講座先端医療開発センター(仮)の設置は27項目には含まれていない。田村病院長は「応急処置は全てできたと思う。第一段階として必要条件は満たした。ただ、十分条件としては、みんなで守っていこうと意識が浸透しているかというと、できているとは言えない」として引き続き、意識改革に取り組む必要があると述べた。

 日本外科学会が専門的な検討を行った50症例について、病院側が遺族に面談を求めたところ、11遺族からは不要という返答があった。39遺族については、病院長、医療の質安全管理部長、事務長などで、遺族の指定する場所まで出向いて説明した(3遺族については日程の関係で、病院長の代わりに副院長が参加)。補償については「コメントできない」と説明した。遺族が求めている執刀医と元診療科長の説明については、病院としては「真摯に対応してほしいとは何度も伝えている」とし、現状は双方の弁護士同士で調整している状況という。

マッチング結果、「暗澹たる気分」
 マッチ者数が16人に留まった2016年度のマッチング結果については、田村病院長は「暗澹たる気分」とコメント。一方で、事故調査委員会の報告時期の関係で、病院の改革状況について医学部生にも説明できなかったとし、今後は医学部生にも説明していきたいとした。



https://www.m3.com/news/general/473314
混合診療・介護は問題山積 淑徳大教授 結城康博 〈にっぽん診断〉
2016年11月2日 (水) 共同通信社

 今年4月から新たな医療保険制度として「患者申し出療養制度」が始まった。保険で認められていない薬は原則、日々の治療の保険内診療と併用できないが、政府は徐々に条件付きで認める施策を実施。保険内と保険外診療の併用を認める「混合診療」へ近づきつつある。

 一方、介護保険制度も「混合介護」の規制を緩和し、保険外と保険内のサービスの併用を促す報告書が9月5日に公正取引委員会から出された。

 保険外併用の「市場」のサービスが拡充すれば、企業のビジネスチャンスが増え経済成長に寄与するとも言われている。全額自費扱いの保険外サービスの併用を拡充することで、民間活力の活性化が期待されている。

 医療や介護の市場は保険料や税金が主な財源であるため、財政難の状況ではその拡充は期待しづらい。そのため、一定の経済力を有する患者や要介護者が保険サービスに上乗せした形で保険外サービスを自費で活用できれば、医療や介護の市場が広がるというのだ。

 しかし、筆者は介護現場の職務経験から、混合介護といった保険外サービス活用の規制は緩めるべきでないと考える。なぜなら、無駄な保険給付費を生み出してしまうからである。

 例えば、週2回介護保険サービスでヘルパーを頼むとしよう。原則、現在の介護保険サービスでは要介護者本人の食事をヘルパーが作ることは許されるが、日中、働いて夜遅く帰ってくる同居家族の食事は作ることが許されない。

 仮に規制が緩和され、保険外と保険内サービスの併用が拡充されれば、家族分の食事も作りやすくなる。そうなると、それまで週2回のサービス提供であったものが、週4回ともなりかねない。

 要介護高齢者だけであれば週2回、食事を作り、他の日は配食弁当などで対処していたとしても、一定の経済力のある人は規制緩和で利用回数を増やすかもしれない。

 医療も同様で、仮に完全に混合診療が解禁されれば、おのずと治療回数も増えるであろう。

 混合診療と混合介護の保険外部分はあくまで自費かもしれないが、保険内サービスも併用されているため、自費との併用部分の利用回数と治療回数が増えれば保険給付部分も自然と増えていく。

 適正な利用であれば問題ないものの、規制緩和が進むと新たなサービスの供給が無駄な需要を生む懸念があり、歯止めがかかりにくくなる。混合診療と混合介護の促進は、保険給付の運用適正化の視点からは慎重に考えるべきだろう。

   ×   ×
 ゆうき・やすひろ 1969年生まれ。法政大院修了。専攻は社会保障論、社会福祉学。淑徳大准教授などを経て2013年4月から同大総合福祉学部教授。主な著書に「孤独死のリアル」「在宅介護」。



https://www.m3.com/news/iryoishin/472847
>診療科・地域の制限なくして解決なし
2016年再び議論!医師不足?それとも医師は過剰?◆Vol.3

2016年11月2日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

Q: 医師数をめぐる現状認識について、ご意見があればお書きください。

◆調査結果はこちら ⇒ 2016年再び議論!医師不足?それとも医師は過剰?

◆【関連記事】「医師が足りない!」、最多は東北、最少は近畿

【医学部定員◆現状維持】

◆地域・診療科偏在対策が必須
・地方の人口減少が著しく、かつ広大な面積の医療圏では、人口も、医療も医師も過疎となっている。高度の医療を行う局限された専門医はこのような地域では役に立たないし、またそのような医師は地方には来るはずがない。専門医制度は都会の大病院へ、今以上に医師が集中し、地域偏在を助長し、地域医療の崩壊につながる。医師の診療科の自由選択、勤務地の自由選択に制限をかけない限り、どんなに医師数を増やしても地域偏在・診療科偏在は解決しない。【勤務医】

・現時点では絶対数の不足もありますが、診療科や地域による偏在の方が不足の主要因になっているかと思われます。医療財源も不足している中で今後人口が減少していくことを考えると、対策として医師数を増やすよりも、施設や医師の集約化を図っていき、医師数の少ない診療科や地域に関しては報酬を上げるなどインセンティブを与えるような方針の方が望ましいと思われます。【勤務医】

・自由開業制、自由標榜医制を見直さなければ、いくら医師を増員しても、地域、診療科の偏在は解消しない。医師は、医師の養成のために多額の税金が投入され、しかも保険診療の恩恵を被っていることを認識すべし。【勤務医】

・いくら医師数を増やしても地域の偏在、診療科の偏在はよくならない。各県の医学部卒業生は、その県の医療機関に5年程度の一定期間勤務しなければならないと、義務化すべき。また診療科別に充足率等を調査して、不足している診療科への誘導を図るべきと思う。【開業医】

・救急医療や手術治療、お産や治療がうまくいかない方のサルベージをする医者の絶対的不足があると思う。しかも、それを行う病院にはリスクの少ない患者も受診したがる。軽症やリスクの低い患者を診る医師は足りていると推察する。リスクの高い治療を行う医師に関してはインセンティブを付けてももよいと思う。【開業医】

・専門以外は診ない医師、定時勤務の医師が増えたために、必要な科の医師がいないのだと思う。卒業後、医師の希望とは関係なく、不足する科やへき地勤務を義務化して、一定レベルを保ち、不足がないようにはできないのかと思います。【開業医】

◆医師、若者の都会志向は止まらず
・数を増やしても結局都会の人数が増えるだけになる可能性が高いと思います。そもそも、学生の出身地は都会が多いですから。加えて、田舎出身の学生も、田舎の大学を出た後は都会に行きたがります。特別なことではなく、医師以外の若者だって田舎から都会を目指します。現在の都会偏重の状態では、何を行っても生活のしやすい都会に人は集まるでしょう。強制的に田舎へ赴任させても、強制された年限が終われば都会へ行ってしまいます。数を増やしてトリクルダウンのように田舎まで行き渡らせるのは、無理ではないかと感じています。そもそも増やしているうちに、人口減少社会になりますし。限られた資源であることを認めた上で、医師が事務仕事にかかりきりにならなくても良い体制にして、有効活用する方が良いのではないかと思っています。事務仕事多くなりすぎです、最近。【勤務医】

・医師は都内に集まりすぎており、楽で儲かる分野に進む医師が多すぎる。救急要素が強い、多忙などのいわゆる大変な分野では、中堅以降の仕事をしない医師が多い。結果として医師不足として人数を増やすことになっているが、増えた人数はそのまま美容整形などに移行するだけで実質は変わりない。【勤務医】

・片道切符の僻地赴任を選ぶはずがない。医療訴訟の多い診療科にわざわざ行くはずがない。特に今の若い医師は・・・(決してみんなとは言いません。高い志を持った医師なら期待できるでしょうが)。【勤務医】

◆勤務環境の改善が必須
・医学部定員を増やしても女性医師の増加に伴い、比較的若年層の勤務医絶対数が伸び悩んでいる現状がある。重症患者に対応し、当直など夜間労働・長時間勤務を強いられるなど厳しい労働環境にありながら、報酬の少ない勤務医に対し、重症患者は病院へ紹介し、夜間対応さえしない開業医の報酬が多いという、提供する労働の質・責任に比例しない診療報酬のあり方を再考し、勤務医の離職を減らすことが重要。たとえ、経営リスクを評価するとしても、楽な方が儲かるでは医療の体制を維持できない。【勤務医】

・今から医学部の定員を増やしても、育ってくるには10-15年かかり、そのころには団塊の世代の患者はかなり減っていると思う。それよりも現時点で子供や家庭の事情で働けていない医師に支援をして(24時間保育所、格安でのヘルパー使用/ヘルパー使用の支援、医師としての仕事を一定以上すれば税の優遇など)、働ける即戦力を作った方が早いと思う。【勤務医】

・医師不足を理由に医学部定員の無計画な増員や、ましてや医学大学増設なぞ行うことには、大反対です。ならば、まずは全体医師数における女性の割合と、実務関与の有無の割合を正確に算出した上で、女性医師の恒久的な医療関与とそれに関する環境整備を国家的なプロジェクトとして立ち上げることを求めます。【開業医】

◆他職種との業務分担進めるべき
・現在医師が行っている仕事を、徐々にコメディカルに権限移譲すべきと思う。医師の収入は高いので、こうしないと社会保障が持たないだろう。もっとも、この考え方は海外では既に実現されているが(Physician AssistantやNurse Practitioner, Nurse Anesthetistなど)、日本で最も抵抗するのは、ほかならぬ医師だろう。看護師の特定行為に対してすら、医師会が反対している地域がまだある。【勤務医】

・現状医師不足ではあるが、人口が減るので少なくとも定員を増やさなくても良いと思う。それよりも看護師などのコメディカルでもやれること(国際的にみれば本来コメディカルがやるべきこと)を医師がやらないといけないという状況が非常に多く、日本の医療現場は極めて非効率なのが問題。医師に雑務をやらせる時間があるなら、その時間をできるだけ診療行為に当たらせた方が医療資源の有効活用になり、その分たくさんの患者さんが治療を受けることができ、待ち時間も短縮され医療の効率化もなされ、医療費削減にもつながると思う。【開業医】

◆女性医師への対応も必要
・個人的な意見ですが、近年は女性医師が急増しています。公的な病院をみても、ICUや脳外科、循環器外科など勤務がハードは科には女性医師はほとんどいません。さらに離島や山間部などの都会から離れた病院にも女性医師はほとんどいません。医師不足が深刻な病院は、地方やへき地に多いと感じます。総医師数はそれほど不足していないはずです。地域、診療科の偏在もありますが、女性医師が増加したことも大きな要因と考えます。医学部を新設するなら、男子医大を作るべきだと思います。東京には女子医大があるのですから、男子医大をつくっても異論はないと思います。【開業医】

◆患者の受療行動も改善の余地
・患者権利の過剰な台頭(と感じられる状況)により、過剰検査、過剰受診、過剰投薬、過剰病状説明がなされているのが問題だと思う。医師の数によらず、医師のなすべきことが過剰に発生しているのは、医師の労働環境という面でも、医療経済面でも健全とは言えないと思う。そこが是正できない限り、医師数の不足感と医療費増大は解決しない問題だと思う。【開業医】

◆その他
・現状では医師不足であるが、5年、10年後には患者数の減少とともに不足は解消すると思われる。また、臓器別の専門医のみで構成する医師群は非効率であり、総合診療医の充実がポイントであろう。【勤務医】

・医局制度を必ずしも善とはしないが、この制度の崩壊でかろうじてまかなっていた地方病院の医師補完ができなくなったことは事実である。医師を増員しても、おそらくこの問題は解決しないと思われる。【勤務医】



https://www.m3.com/news/general/473110
(読み解き経済)調剤医療費の削減 ゲーム理論を研究する松井彰彦さん
2016年11月2日 (水) 朝日新聞

 ■ジェネリック、進まぬ理由

 日本の国民医療費が、膨らんでいる。2013年度には40兆円を超え、1989年度の2倍強に達した。13年度の薬局調剤医療費は実に前年度比6・0%増となり、7兆円を超えた。医療費増加の要因の約5割が、調剤医療費だった。医薬品メーカーに創薬の意欲を持たせつつも、調剤医療費の削減が急務と言える。しかし、政府の施策には首をかしげるものも多い。この問題を、経済学の中心的分析ツールであるゲーム理論を用いて読み解いてみよう。

     *

 周知のように、国民皆保険が建前の日本では、保険収載し、実用化されている薬の価格(薬価)は、公定価格だ。新薬の薬価は、製造原価や海外での市場価格を参考に算定される。その多くは一定期間、特許によって守られた後、後発医薬品(ジェネリック)との競争にさらされる。

 政府のもくろみは、こうだ。競争によって、医薬品の市場実勢価格は下落する。2年後の薬価改定時には、市場実勢価格を次期の薬価とすることで、薬価の自然な低下が引き起こされる。さらに、より安い後発医薬品へと代替が進めば、調剤医療費は抑えることができる。

 しかし、次期の薬価となる市場実勢価格は容易に下落せず、後発医薬品への代替も進んでこなかった。たとえば、13年10月~14年9月の世界の後発医薬品のシェアを数量ベースで見ると、米国92%、ドイツ83%に対して、日本はわずか49%だ。

 政府もただ手をこまねいてきたわけではない。様々なゆがみをもたらしかねない非価格政策はともかく、後発品の薬価の決め方を大きく変更した。すなわち、それまで先発品薬価の「7掛け」だった後発品の薬価を、14年度に「原則6掛け」、16年度には「原則5掛け」にした。通常の市場なら、安いものが売れるという需要の法則にしたがって、同等の効果を持つ低価格の後発品が普及すればよい。その点で、政府の考え方は経済学の教科書に忠実である。

 問題は、医薬品市場が薬価という公定価格に縛られた市場であり、通常の議論が成立しないという点にある。分析のため、ゲームのプレーヤーとして、売り手の医薬品メーカーと買い手の患者の間にいる薬局・病院に注目してみよう(東京大学の村上愛〈めぐみ〉さんの論文を参照した)。「当薬局には先発品しかありません」と言われれば、他の薬局を探すのも面倒な患者の多くは、先発品を買う。医薬品は他のモノと異なり、「高いから買う量を減らす」ということにもなりにくい。いきおい、先発品と後発品の間の競争は、医薬品メーカーと薬局・病院の間で行われる。

     *

 さて、薬価と市場実勢価格の差を「薬価差益」と呼ぶ。仮にある先発品の薬価が、100円だとしてみよう。薬局・病院はこれを80円の実勢価格で仕入れれば、差額の20円が利益として入ってくる。メーカーの値引き率は20%だ。この市場に、同じ品質の後発品が導入されたとする。仮にその薬価は「7掛け」の70円だったとする。このとき、価格以外の要素で決まる奇妙な規制がないならば、薬局・病院は先発品と戦えるよう、同じ額の差益を得ようとして、50円の実勢価格でないと仕入れようとしない。メーカーは最低でも20円値引きを求められるから、値引き率は約29%に達する。

 ここで、政府が「5掛け」の政策を採ったとする。後発品の薬価は50円になる。すると、メーカーは同じ論理で、実勢価格を30円に下げる。値引き率は実に40%となる。仮に原価が35円だとすると、「5掛け」の後発品ではメーカーが原価割れとなり、撤退の憂き目に遭う。後発品の普及をめざした政府の政策は、裏目に出てしまう。

 実際、昨年12月に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)薬価専門部会114回の資料によれば、14年6月~15年6月に収載された新規後発品(内用薬)のうち、「6掛け」の値引き率の平均値は18・0%で、「5掛け」は31・7%とある。薬価を抑えられた薬品のほうが、値引き率が高い。ちなみに、同等の効果を持つ先発品の値引き率は、8・9%にすぎなかった。

 さらに、後発品市場が原価ぎりぎりまで値下げをする完全競争の状態を、先ほどの例で考えよう。原価を35円とし、先発品の薬価を100円とする。「7掛け」のとき、後発品の薬価は70円なので、35円の薬価差益が発生する。このとき先発品も薬局・病院は同じ薬価差益を求めようとするので、メーカーは35円の値引きに応じ、実勢価格を65円にせざるを得ない。しかし、「5掛け」のときは後発品の薬価は50円、原価は35円で、15円の薬価差益しか発生しない。先発品でもメーカーは15円の値引きに応じればよく、実勢価格は85円ですむ。後発品の薬価を抑えることで、逆に先発品の薬価の高止まりを許してしまう。

 経済学の祖のアダム・スミスは、人間社会をそれぞれのコマがそれぞれの行動原理に従う巨大なチェス盤にたとえ、為政者がそれを見誤れば社会は混乱する、と語った。医薬品市場を駆け回るプレーヤーたちの行動を読み解き、医療制度を持続可能なものとするための知恵がいま、為政者たちに求められている。

     *

 まついあきひこ 1962年生まれ。東京大学大学院経済学研究科教授。専門はほかに理論経済学、障害と経済。著書に「高校生からのゲーム理論」「慣習と規範の経済学」など。



http://news.biglobe.ne.jp/sports/1102/joj_161102_7352339781.html
行き場ない患者が急増も…医療・介護に忍び寄る「2025年問題」
女性自身11月2日(水)12時0分

「地方の公立病院の危機ばかりがクローズアップされているため“東京では医師や病院が多いので安心”と楽観視する首都圏の人も多いはずです。しかし、団塊世代がすべて後期高齢者となる2025年から、首都圏では医療・介護危機が始まることが予想されます」

そう警鐘を鳴らすのは、「医療ガバナンス研究所」理事長で医師の上昌広さんだ。

「あまり知られていませんが、現在でも首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)の10万人あたりの医師数は230人で、四国278人や九州北部287人に比べても少ないんです。“首都圏は医師が充足している”というのは幻想です」(上さん・以下同)

それが’25年を境に、さらに悪化の道を辿るというのだ。

「’70年代の“1県1医大構想”によって、40校の医学部や医学校が新設されましたが、当時の卒業生たちが60歳近くになり、当直や手術をどんどんこなすような第一線の勤務医から退いていきます。もちろん医師と同じように患者も高齢化しますので、病気になる人も増えてきます」

75歳以上の人口1,000人に対しての75歳未満の医師数も、首都圏では全県にわたり減少することが予想されている。

「たとえば’15年と’25年を比べると、東京では24.47人から22.49人に、千葉では14.29人が11.12人、埼玉では13.07人が9.72人にまで減少します」

そして、医師不足が病院の経営を悪化させる。

「将来的に、都立病院であっても統廃合されたり、潰れてくるところも出てくるでしょう。医療機関が少なければ、患者の受け入れもできない。長時間の診療待ちによって、待合室は患者であふれかえってしまいます。さらに命に関わるような症例であっても、救急車のたらい回しは常態化するはずです。医師とのコネや、お金がある一部の人が優先的に診察を受けるような医療体制になることも考えられます」

これは決して絵空事ではなく、すでに兆候もあるという。

「’13年に埼玉県在住の男性が、36回も救急搬送の受け入れを拒否され、死亡する事件がありました。現状のままでは、将来こうしたケースが頻発するということです」

さらに、国は膨れ上がる医療費を支えきれず、“医療費抑制”へと舵を切る。

「これまでのように患者が3割、国が7割の医療費を維持することは困難。患者が全額負担する自由診療の幅も広がり、金銭的に医療が受けられない人も出てくる恐れもあります」

病気ばかりではない。介護問題も深刻だ。

「病気の種類によって異なりますが、今の医療制度は入院期間がある一定の日数を超えると、診療報酬がガクンと下がります。当然、公立病院のような赤字体質の病院の場合、採算を取るために“日数超え”した患者を早々に退院させ、医療点数の高い新規の患者を受け入れるサイクルを取ることになります」

患者が介護を要するような状態になった場合が悲惨だ。

「首都圏にはまだ介護施設も少なく、2025年以降には“行き場がない”患者さんも多く出てくるはずです」



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09112180S6A101C1CR8000/
新出生前診断、認定外施設は検査中止を 5団体が声明
2016/11/3 1:52 日本経済新聞

 妊婦の血液で胎児の染色体異常を調べる「新出生前診断」について、日本医学会が認定した施設以外で検査が行われているとし、日本医師会や日本産科婦人科学会(日産婦)など5団体は2日、「直ちに検査の受諾および実施を中止すべきだ」などとする共同声明を発表した。

 新出生前診断はダウン症などの有無を事前に知ることが中絶につながりかねないとして、日産婦は検査結果の説明を十分に行うために「遺伝カウンセリング」の体制整備などを指針で規定。日本医学会が体制の整った医療機関を認定している。

 日産婦によると、日本医学会の認定施設以外で妊婦から採血し、血液を検査機関に送っている施設は少なくとも3施設あるという。この3施設では十分な検査結果の説明が受けられない可能性があるとみて、施設の医師への事情聴取を行っている。



http://mainichi.jp/articles/20161103/ddm/041/040/109000c
着床前検査
実施の医師、資格喪失処分に 日本生殖医学会

毎日新聞2016年11月3日 東京朝刊

 日本生殖医学会(苛原稔理事長)は2日、受精卵の染色体を幅広く調べ、異常のないものだけを子宮に戻す「着床前スクリーニング(PGS)」を実施したとして、浜松市の不妊治療施設「アクトタワークリニック」の医師を、同学会が認定する生殖医療専門医の資格喪失処分にしたと発表した。

 PGSは流産を減らす可能性がある一方、命の選別につながるとの批判も強く、日本産科婦人科学会が実施を禁止する会告(見解)を出しており、これに違反したため。同専門医で資格喪失処分は初めて。今後、自治体が患者の不妊治療費を助成する医療機関の指定に影響する可能性がある。この施設は今年6月時点で47人にPGSを実施し、1人が出産、6人が妊娠中だと発表していた。【千葉紀和】



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09112110S6A101C1CR8000/
医療事故、届け出に1カ月 「医療機関、迅速に報告を」
2016/11/3 1:25 日本経済新聞

 患者の「予期せぬ死亡」を対象とする医療事故調査制度で、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京・港)は2日、昨年10月の制度開始から1年間に起きた事故の分析結果を公表した。患者の死亡から届け出までの期間は平均31.9日だった。同機構は「時間がかかりすぎている。記憶が薄れ、証拠が失われるなど原因究明への影響が懸念される」と速やかな報告を求めている。

 制度開始後1年間に患者が死亡し、医療機関が医療事故として同機構に届け出たのは388件。患者の死亡から届け出まで最も時間がかかったのは237日で、3カ月以上かかった事例は25件(6.4%)だった。

 同制度は予期せぬ死亡について「医療に起因すると疑われる死亡で、管理者が予期しなかったもの」と規定。医療法は「遅滞なく」届け出ることを求めている。

 届け出まで平均約1カ月かかっている背景として、同機構は医療機関が予期せぬ死亡の判断に迷っていることがあると分析。判断基準の統一に向け年内にも協議会が発足するが、同機構の今村定臣副理事長(日本医師会常任理事)は2日の記者会見で「白黒はっきりしないグレーゾーンの事例も報告すべきだ」と指摘した。

 原因究明が行われ、同機構が調査結果を受け取ったのは161件。1件を除き調査委員会が設置されていた。ただ4分の1の40件では、「中立、透明性の確保のため重要な要素」(今村副理事長)とする外部委員は加わっていなかった。外部委員が2人だったのは48件で、1人と3人以上はいずれも36件だった。

 同機構は原因究明のため、コンピューター断層撮影装置(CT)などを使う死亡時画像診断や解剖を行うべきだとしている。ただ提出された調査結果のうち、72件(44.7%)はいずれも未実施だった。解剖は遺族が断るケースがあり、理解を深めることが課題という。

 同制度は医療事故が起きたら再発防止策を検討するよう求めているが、「防止策なし」と記載したり、何も言及がなかったりした調査結果が19件(11.8%)あった。



http://resemom.jp/article/2016/11/02/34719.html
医学部人気ランキング2016…合格倍率・受験者数・辞退率教育・受験 高校生
2016.11.2 Wed 20:15 リセマム

 大学入試センター試験の出願が10月6日に締め切られ、いよいよ受験シーズンに突入した。リセマムでは、2016年度の入試結果から国公私立大学医学部の合格倍率や受験者数、入学辞退率をまとめた。

 「医学部人気ランキング2016」では、2016年に実施された第110回医師国家試験における合格率トップ20の学校を比較した。横浜市立大学や日本大学など総合大学は医学部のみ集計。各数値は代々木ゼミナールがWebサイトで公開している「2016年度入試結果」を参考にした。

 合格倍率(受験者数/合格者数)がもっとも高かったのは、「東邦大学医学部」22.1倍。ついで「日本大学医学部」19.0倍、「藤田保健衛生大学医学部」17.8倍、「自治医科大学」12.9倍、「兵庫医科大学」11.9倍となり、上位5大学はすべて私大が占めた。

 受験者数が多い順に見ると、1位「藤田保健衛生大学医学部」、2位「日本大学医学部」、3位「順天堂大学医学部」、4位「東邦大学医学部」、5位「自治医科大学」となった。

 辞退率(合格者数と募集人員との差の、合格者数に対する割合)が低い順に見ると、1位「名古屋市立大学医学部」は0%であった。続いて2位「島根大学医学部」1.2%、3位「札幌医科大学」2.4%、4位「大阪市立大学医学部」2.6%、5位「佐賀大学医学部」2.9%と上位5大学は3%未満であった。また、上位10大学はすべて国公立大学が占めた。特に医学部においては国公立大学は私立大学よりも学費がかからないため、辞退率が低い傾向にある。

 各項目でのトップ10は次のとおり。

◆合格倍率トップ10
1位「東邦大学医学部」  22.1倍
2位「日本大学医学部」  19.0倍
3位「藤田保健衛生大学医学部」 17.8倍
4位「自治医科大学」    12.9倍
5位「兵庫医科大学」    11.9倍
6位「名古屋市立大学医学部」  6.3倍
7位「東京慈恵会医科大学」   5.7倍
8位「浜松医科大学」     4.4倍
9位「島根大学医学部」   4.3倍
10位「山形大学医学部」  3.5倍

◆受験者数トップ10
1位「藤田保健衛生大学医学部」 4,219人
2位「日本大学医学部」   4,138人
3位「順天堂大学医学部」  3,876人
4位「東邦大学医学部」   2,857人
5位「自治医科大学」     2,614人
6位「東京慈恵会医科大学」  2,602人
7位「兵庫医科大学」     2,579人
8位「浜松医科大学」     797人
9位「福島県立医科大学」  759人
10位「島根大学医学部」   710人

◆辞退率トップ10
1位「名古屋市立大学医学部」 0%
2位「島根大学医学部」    1.2%
3位「札幌医科大学」     2.4%
4位「大阪市立大学医学部」 2.6%
5位「佐賀大学医学部」    2.9%
6位「山形大学医学部」    3.6%
7位「浜松医科大学」      3.8%
8位「和歌山県立医科大学」 4.3%
9位「東北大学医学部」    4.5%
10位「千葉大学医学部」「福島県立医科大学」4.9%
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http://www.medwatch.jp/?p=11055
医薬品の最適使用推進ガイドライン、医療経済でなく「学術的」根拠に基づき作成せよ―日病協
2016年11月2日|医療・介護行政をウォッチ MedWatch

 超高額な抗がん剤のオプジーボ(ニボルマブ製剤)などで作成が進められている「最適使用促進ガイドライン」は、あくまで学術的根拠に基づいて作成されるべきである―。

 2日に開かれた日本病院団体協議会(日本病院会や全日本病院協会、全国公私病院連盟など13の病院団体で構成)の代表者会議では、今後の中央社会保険医療協議会などでこういった主張をしていく方針を固めたことが、終了後の記者会見の席で神野正博議長から報告されました。

 また、社会保障審議会の医療保険部会にも病院団体の代表者を委員として出席されるよう求めていく方針も発表されました。

ここがポイント!
1 オプジーボやレパーサといった新規作用機序医薬品を対象に、ガイドラインを作成
2 高額療養費など議論する社保審・医療保険部会にも病院代表の委員を

オプジーボやレパーサといった新規作用機序医薬品を対象に、ガイドラインを作成

 中医協を中心に、オプジーボなどの超高額医薬品の薬価の在り方に関する議論が進められています。これまでに、当面の対応として▼専らオプジーボを対象として緊急の薬価引き下げを行う▼最適使用推進ガイドラインを定め、診療報酬上の留意事項通知に盛り込む―方針が薬価専門部会で固まっています(関連記事はこちらとこちら)。

 後者の最適使用推進ガイドラインは、新規作用機序医薬品(当面、オプジーボと高コレステロール血症治療薬のレパーサ)を対象に、▼当該医薬品を使用する医療機関に求められる施設要件(施設の専門性や、副作用への対応体制など)▼当該医薬品の患者要件―を定めるもので、厚生労働省や関係学会、PMDA(医薬品医療機器総合機構)で作成が進められています。


 日病協では、この最適使用推進ガイドラインの性質について「あくまで学術的な根拠に基づいて作成されるべきである」「(根拠は順次蓄積されていくため)普段の見直しが必要である」という点を中医協などで主張していく方針を確認しました。2日の記者会見で神野議長は「ガイドライン作成するか否かを決める時点では、『高額』という経済的な視点があると思うが、ガイドラインそのものの中に医療経済的視点を盛り込むことはおかしい」と説明しています。

 この点について中医協では、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)を中心に「医療経済的な視点に立って医薬品の価格や使用方法などを検討する必要がある」旨の発言が出されています。日病協は「最適使用推進ガイドラインは、新規作用機序医薬品について、学術的な面からの適正使用を進めるもの」と主張する構えであり、両者は別々の側面からの指摘と理解することができそうです。

高額療養費など議論する社保審・医療保険部会にも病院代表の委員を

 2日の日病協・代表者会議では、医療保険部会の委員に関する議論も行われました。医療保険部会では、来年(2017年)の医療保険改革に向けて高額療養費や入院患者の光熱水費(居住費)負担に関する検討が行われています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 この点について代表者会議では、高額療養費の対象には医療資源投入量の多い急性期の入院患者が多いにもかかわらず、医療保険部会には病院代表の委員が入っていないという点が問題視されました。神野議長は厚労省に対し「医療保険部会の委員として病院代表者を加える」よう要望していく考えを示しています。


 また、介護療養病床や看護配置4対1などを満たさない医療療養病床の新たな転換先が社会保障審議会の「療養病床の在り方等に関する特別部会」で議論されていますが、代表者会議では「一般病床からの転換も認めるべき」との方向で一致しています。年末にかけて特別部会で詰めの議論が行われますが、そこでの議論に要注目です(関連記事はこちら)。


 さらに厚労省の医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会では、年末に「偏在対策」に関する意見を取りまとめる予定です。この点について神野義長と原澤茂副議長から「保険医定数制などを求める意見も出され、これに明確な反対意見は出なかった」旨が紹介されましたが、日病協としての結論には至っていません(関連記事はこちら)。

11月2日の日本病院団体協議会・代表者会議後に記者会見に臨んだ、原澤茂副議長
 なお、医師需給について厚労省は「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」(ビジョン検討会)を設置し、そこでの結論を踏まえて、医師などの将来需給推計を改めてより精緻に行うことを決めています。この点について日病協・代表者会議では「働き方のビジョンなどは医師需給分科会で議論するものと思っていたので、医療界は違和感を覚えている。(ビジョン検討会設置の目的ななどについて)きちんとした説明が必要である」旨を指摘しています(関連記事はこちらとこちら)。



http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49990
医療 「余命半年」の宣告…がんの名医ががんになって初めてわかったこと
患者にとって一番大切なものとは?

西村元一
2016.11.02 現代ビジネス

ある日を境に、がんの外科医は、がん患者になった。手術、抗がん剤、医者とのコミュニケーション……自分が病気になって初めて分かったことがある。金沢赤十字病院・西村元一副院長が知った、がん患者にとって一番大切なものは何か。

後輩の外科医に告知され

「治療をしなければ余命半年」――そう宣告されてから9月で2回目の誕生日を迎え、58歳になりました。

私は消化器、主に大腸がん専門の外科医として、数多くのがん患者を治療してきました。これまでがんを治す側だった人間が、がんになって初めて見える世界があったのです。

それを綴ったのが自著『余命半年、僕はこうして乗り越えた! がんの外科医が一晩でがん患者になってからしたこと』(ブックマン社)です。

胃にがんが見つかったのは昨年の3月でした。患者さんを診療中に気分が悪くなりトイレで下血し、胃カメラ検査を受けたところ食道から胃に入るところに腫瘍があったのです。

僕は石川県金沢市生まれ、'83年に金沢大学医学部を卒業。同大病院胃腸科外科科長などを経て、'08年に金沢赤十字病院第一外科部長、'09年から同病院の副院長を兼務してきました。

自分は外科医として大腸がん検診を推進してきた手前、大腸がんになるのは困ると思い、毎年、大腸がん検診は受けてきたのですが、胃がん検診は6年間受けませんでした。胃がんのことも頭の片隅にありましたが「まだ若いから大丈夫だろう」と根拠のない自信を持っていたのが悪かった。

がんはすでに胃だけでなく、肝臓やリンパ節にも転移していた。僕に「余命半年」とがんを告知してくれたのは、後輩の外科医です。

告知された瞬間は「やっぱりな……」という程度で、よく言われるような「頭が真っ白になる」ことはなかったですね。ただし、がん告知を受けてからは常に「死」というか「終わり」を意識するようになりました。

がん専門医でありながら、これから自分にどんな症状が出て、最後はどうなって死ぬのかなと不安にもなりました。

僕は、がんという病気と治療法を熟知している特殊な患者です。その点、後輩の担当医はやりづらい部分もあったと思う。

がんの遺伝子構造は一人一人異なり、一つとして同じがんはありません。だから治療法も人それぞれ違う。「これが絶対」という治療法はないのです。

がん治療は選択肢を間違うと、やり直しがききません。大事なのは医師が病気と治療法の選択肢について患者に正確に伝えること、そして患者自身も正しい情報を集めること。医師が示した選択肢の中から、自分にふさわしい治療法を患者が選び、納得して治療を受けることが大切です。

僕は、まず抗がん剤でがんを叩いて小さくした上で、胃、肝臓の一部など怪しいところを全部切除することにしました。

薬の副作用は「味覚障害」

納得して決めたことですが、それでも想像以上に苦しかったのが「抗がん剤の副作用」でした。その中でも特に僕を悩ませたのは、「味覚障害」でした。

専門医として味覚障害の副作用を知っていたつもりですが、実際の体験は予想とはまるで違いました。僕の理解では、すべての味覚が落ちると思っていましたが、実際は、口の中が絶えず甘くて苦い感じで、水やお茶を飲んでもとても甘い。

元々ケーキとか甘いものが好きでしたが、副作用が出てからは、人工甘味料が入ったものは甘みがキツくてとても飲んだり、食べたりできませんでした。

そのため、経口抗がん剤でもある口腔内崩壊錠(OD錠)と麻薬性鎮痛剤の細粒も、僕にとっては「有り難迷惑な薬」でしかなかった。

OD錠は、水がなくても唾液だけで服用できるので、僕も非常に便利な剤形だと思って患者に処方してきました。

ところがOD錠は口の中で溶けだすと甘くなるため、甘みがキツくて、とても飲み込めませんでした。溶けないように一気に喉の奥に送り込んだところ、喉にひっかかって何度も辛い思いをしました。こうしたことは患者になるまで予想もしませんでした。

この自分の体験を少しでも役立てたいと思い、同僚の医師や薬剤師らだけでなく、製薬会社にも連絡して、副作用の出方を細かく伝えました。もちろん、すぐに改善は無理ですが、長い目で見れば、きっと意味があると思っています。

辛い抗がん剤治療が終わり、いよいよ次は手術となりました。しかし、検査で新たなリンパ節転移が判明したため、がんが腹膜に転移している可能性も考え「無理に手術をせず、抗がん剤治療を続けようか」と迷いました。

神頼みもした

私は外科医としての自負を持っていますが、手術が絶対に正しいわけではありません。手術が引き金でいろんな合併症が起き、致命的な状況になるかもしれない。

「死」という最悪の事態も頭をかすめました。外科医だからといって手術を簡単に受け入れたわけではありません。

一晩悩んだ後、うまく切除できれば、がん組織が減量できて予後が延びるかもしれないと考え、妻に相談して手術を決めました。妻に話したのは背中を押してもらいたかったのかもしれませんね。

栄養剤を飲むなどして体力をつけ手術に備える一方で、インターネットで偶然知った「がん封じ寺」を夫婦で訪ねました。

医者が神頼みなんて奇妙に思われるでしょうが、がんになってからは「がん」や「命」「死」などの単語にナーバスに反応するようになったのです。これは自分でも驚きでした。手術までに「神頼みでも何でも、できることはやろうじゃないか」という気持ちでしたね。

手術では胃を全摘し、膵臓や肝臓の一部も切除した。手術は成功しましたが、術後に腸液が漏れ出すなどのトラブルもあり、「一から手術のやり直しかも」、「手術しないほうがよかったんじゃないか」と軽いパニックになったこともありました。

医師として、このような合併症は時々経験してきましたが、いざ自分のことになると最悪のことばかり考えてしまう。でも「人間は強し」ですね。その後自然と回復の方向に向かっていきました。

患者が言われると傷つく言葉

術後は放射線治療を追加し、免疫細胞治療も受けました。「抗がん剤と免疫細胞治療の両方をやるとどっちが効いたか分からなくなるので、併用しない」という医者もいますが、自分ががんになったら本当に同じことを望むでしょうか? 

ごちゃ混ぜでもなんでも効けばいい。どっちが効いていようが患者には関係ないのです。

もちろん、治療を受けたからといって100%、元の体に戻るわけではありません。いまは小康状態を保っていますが、ストレスを受けると体調が悪くなります。しかし余命半年と言われてから2年弱。いまは「プラスαの人生を生きているのだ」と前向きに考えるようにしています。

僕は以前、進行がんの患者さんから「先生はがんになったことがないから分からないよね」と言われたことがあるんです。その言葉がずっと頭に残っていました。

自分は「がんを知っているフリ」、「がん患者のことを分かっているフリ」をしているだけなんじゃないかと、思うことがあった。自分ががんになって、やはりその通りだったと気づきました。

たとえば周りから、「ゆっくり休んでね」と何気なく言われた言葉が患者には「もう自分は必要とされていないんだ」と思える。

「痛みはありますか」と医者に聞かれたら「後で痛くなるのか、何か隠しているのか」と疑心暗鬼になる。

そういうことも自分ががん患者になって初めて分かりました。

その一方で患者も医者や家族の前では、見かけ以上に強がって元気なフリをします。
医者と患者のこの「ズレ」が大きくなると、いい医療は絶対にできません。

そこで僕が現在、精力を傾けているのが、がん患者と家族、医療者が本音で語り合える場所(金沢マギー)作りです。

有り難いことに、全国から講演依頼がきているので、体調の許す限り自分の経験を多くの人に話したいと思っています。

がんの外科医でありながら、がん患者でもある僕だからこそ、できることがある。それが今の僕の生きがいになっています。

繰り返しになりますが、病気になった時、大切なことは病院任せ、医者任せにしないこと。自分で納得して決めることが重要です。

人生は「予想外」の連続。僕がこうしてまだ生きていることも、医者からすればある意味予想外のことかもしれません。だから僕と同じようにがんと闘っている患者さんも、どうかあきらめないでください。

「週刊現代」2016年10月29日号より



http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20161102-OYTNT50081.html
田野畑 常勤医不在、看取りに懸念
2016年11月03日 読売新聞 岩手

◆死亡診断書交付で 最期を前に救急搬送も想定

 国民健康保険田野畑村診療所の唯一の医師が7月末で退職し、田野畑村で常勤医が不在となっている。村の高齢化率が3割を超える中、医師が死後診察をして作る「死亡診断書」を円滑に発行できない恐れがある。最期を迎える前に病院に救急搬送されるケースも想定され、安らかな看取みとりができないことへの懸念が広がっている。(高橋学)

 村では2006年4月から診療所に勤務していた男性医師が7月末、「一身上の都合」を理由に退職した。村によると、診療所の常勤医が不在となるのは35年ぶりという。

 常勤医の退職後、診療所は県立宮古、久慈、中央病院、盛岡市の整形外科医院の4医療機関から応援医師の派遣を受けている。しかし、休日や夜間は応援医師は不在で、すぐに駆け付けられる医師は近くにいない。

 これを受け、80~90歳代を中心に長期入所者50人がいる村内の特別養護老人ホーム「寿生苑」は、入所者の健康状態が悪化して死期が近いと考えられる場合、看取りに備え、家族の了解を得たうえで済生会岩泉病院(岩泉町)に入院してもらう方針に変えた。施設長の穂高正実さん(63)は「死亡後に診察を受けられず、死後硬直が始まると、死亡診断書が交付されない恐れも出てくる。家族から施設への信頼も傷つきかねない」と理由を説明する。

 医師法は、医師が診察をせずに死亡診断書を交付することを禁じている。患者が診察後24時間以内に診療していた疾患で死亡した場合は死後診察は必要ないが、24時間が経過した場合は改めて死後診察が必要になる。死因の特定など死亡確認がスムーズにできず、死体に異常があると判断されると、事件性の有無を調べるために警察が介入して死体検案を行う場合もある。

 最期を目前に入所者を救急搬送することについては、日本看護協会(東京都)が「安らかな看取りとはほど遠い」と訴えるなど、議論も広がっている。寿生苑では職員の精神的な負担にもなっているといい、穂高さんは「健康状態の変化に早く気付かなければならないため、職員の緊張度も高まっている」と打ち明ける。

 村は後任を探しており、候補となる医師との交渉も進めている。村診療所の佐藤俊一事務長は「年度の途中で異動が難しい時期だが、一日も早く見つけたい」としている。

◆死亡診断書 規制緩和17年度に…政府方針

 政府は今年6月の閣議で、医師が対面して死後診察しなくても死亡診断書を交付できるように、条件付きで規制を緩和する方針を決定した。2017年度中の実現を目指している。

 規制の見直しは、日本看護協会が昨年10月に提案。死亡診断が困難な例として、「嘱託医による24時間対応がない特別養護老人ホームで、夜間に入居者が死亡する」ケースなどを挙げ、「死亡診断のためだけに病院へ搬送せざるを得ない状況が起きている」と指摘した。

 条件は〈1〉医師による対面の死後診察が難しい〈2〉法医学など一定の教育を受けた看護師が医師に必要な情報を報告できる〈3〉医師がテレビ電話などで死亡確認でき、異常がないと判断できる――など五つで、全てを満たした場合に医師の対面なしで死亡診断書が交付できる。

 見直しは、死亡後に医師がすぐに対応できない離島などを考慮したもので、厚生労働省医事課は「陸続きでも医師が常駐せず、交通の便が悪いへき地も想定している」と説明している。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161020-OYTET50029/
さよならを言う前に~終末期の医療とケアを語りあう~
本人の意思を尊重、次に家族の意向とは言うけれど……
老年医学を学んだ救命救急医の立場から 岩田充永

2016年11月3日 読売新聞

テーマ:意思決定 誰がどのように決めるのか?

 大切な家族の病気やけがが非常に重く、それを見守る家族が治療方針についての決断を迫られることの苦しさ、そして、どのような決断をしても「本当にこれでよかったのだろうか?」と時が経過しても悩む場合があることは、他の方のコラムでも述べられています。

 私も家族の立場で決断を求められたら、大切な家族であればあるほど、どのような判断をしたとしても「自分の決断が正しかったのか?」と悩むと思います(「自分の決断」についてそれほど後悔しない方のことを、家族のことを大切に思っていないという意味では決してありません)。

 しかし、私は医療者として、ほぼ毎日、ご家族に決断を求めています。自分が求められたら困ることが分かっているにもかかわらず……。

 なぜ、医療者は家族に判断を求めるのか、改めて考えてみました。

 自らの経験からも、医療者の立場では (法律家の見解も考慮して)、

・医療について(特に、回復の見込みが難しいと判断されるような局面では)の決定権は患者本人にある。

・患者本人の意思を確認できない時に、それを最も推定し得るのは「家族」である

・だから「家族」に治療方針の意見を求めよう。

 という思考過程があると思います。

 そして心の底には、

・救急、集中治療領域での終末期医療に関するガイドライン(運用指針)でも、家族の意向は重要視されているし……。

・家族の意向に反する決断はトラブルの原因になるので、家族の意向に従うことが大原則。

 という考えもありそうだと、推察します

 編集長から示されたテーマからは脱線しますが、今回は「家族に求められる決断」ということで、心に残っている苦い症例を述べさせていただきます

 1例目は、80歳代の男性です。お 寿司すし 屋さんで刺し身を喉に詰まらせて窒息し、心肺停止状態に陥りました。救命救急士の現場での処置も適切で、病院到着時に自己心拍と呼吸は再開しましたが、意識は回復せず、様々な診察や検査の結果からも「意識の回復は難しい」状態と判断されました。生命を維持するためには人工呼吸器の補助は不可欠な状態です。

 気管切開や栄養方法など今後の治療について、息子さんに説明し相談したところ、「父はそのような治療は望まないと思います。しかし、私にはとても大切な父親です。救急の先生から見て延命治療と思われるかもしれませんが、私の口からはやめてくださいとは言えません」と言われました。

 その後、息子さんの意向を尊重した治療を行ったのですが、入院中だけでなく救命救急センターから転院された後も私のもとを訪ねてくださり、「先生、私は間違った判断をしましたよね。父に申し訳ない」と涙を流されることが何度もありました。

 私は「私が息子さんの立場でも、とても悩みます。でも、これだけ真剣にお父様のことで悩み考えた末の決断された息子さんのことをお父様は喜んでいらっしゃると思いますよ(そう信じたい……)。お気持ちが変わっていくのは当然です。その時々で、お父様にとって最善という決断をしていきましょう」としか述べることができませんでした。

 「人生の最期を自分で決めることは大切な権利である」と、私も述べてきました。しかし、自分が意思表示できない突然の事故・病気に遭遇した際、家族が代理の決断を迫られると、本当に悩むことが多いと感じます。医師は、情報を提示して、家族とともに治療方針を決定するというのが現在の医療の考え方です。でも、家族が悩み続けるのであれば、一昔前の医療のように、「この選択肢の方がお父さんは幸せだと思いますよ」という医師の誘導があった方が、ご家族の苦しみは少なくできるものでしょうか? 

 2例目は60歳代の男性です。

 心肺停止状態で救命救急センターに搬送されました。残念ながら救命することができず亡くなられました。ご家族にお話を伺うと、「朝に体調が悪く、別の病院に救急車で搬送され、特に大きな異常はないと言われて帰宅した。その後、夕方に心肺停止状態で発見された」という経過であることが判明し、最初の病院に対して大きな怒りを持っていることがわかりました。

 私は、「懸命に治療をしたが救命できなかったこと」を述べ、「朝にも病院を受診したにもかかわらず、帰宅となって、同じ日にこのような状態になってしまったことへのお怒りは理解できます。今後、原因がはっきりしないままに、怒り続けることはとても苦しいと思います。私たちができることは、お父様の心停止に至った原因を究明するために解剖させていただくことです。原因がはっきりしないと、朝の受診との因果関係は何とも申し上げることができません。今は、大変混乱されていると思いますが、後々死因を知りたいと思っても、解剖所見がないと難しい状況と判断しています」と説明しました。

 息子さんは解剖に前向きでしたが、別の親族から「遺体に傷をつけるなんてとんでもない」という意見があり、結局、解剖は行われませんでした。後日、息子さんが「父親はなぜ亡くなったのか? 朝の受診と関係あったのか? 自分たちが別の病院を選んでいれば、あるいは入院させてもらうように頼み込むべきであったのか?」と悩んでいる旨の連絡がありました。

 もう、解剖することはできません。

 私は、「お父様が心肺停止状態になってしまった後しか診療できていません。大変申し訳ありませんが、息子さんの疑問には“わからない”としかお答えできないのです。申し訳ありません」としか返事ができませんでした。

 決断をするのが一度だけで後からは戻ることができないような場合でも、家族の間で意見が割れることはよくあることです。

 このような場合に医師として、どちらかの意見を支持する(今回の場合は、「反対意見があっても強く解剖を勧める」)ことがご家族のためには適切でしょうか?

 自分がされたら困る質問を、毎日しているというのは本当に複雑な気分ですが、今後も治療について家族に意思決定が求められることが多い現実に大きな変化はないだろうと感じています。

 読者の皆さんは、自分の最期の意思表示、家族としての意向について、ご家族の中で話題にされることはありますか?

【略歴】 岩田 充永(いわた・みつなが) 藤田保健衛生大学救急総合内科学教授
 1998年、名古屋市立大医学部卒業。同大学病院、名古屋大学病院、協立総合病院で内科・老年科・麻酔科を研修後に名古屋掖済会病院救命救急センターで勤務、名古屋大学大学院老年科学にて博士号取得。2008 年より名古屋掖済会病院救命救急センター副救命救急センター長、12 年10 月藤田保健衛生大学救急総合内科准教授、14 年4月同教授。日本救急医学会救急科専門医、指導医、日本内科学会総合内科専門医、日本老年医学会老年病専門医



http://www.sankei.com/life/news/161102/lif1611020050-n1.html
医療事故調、25%で外部人材入らず
2016.11.2 23:57 産経新聞

 患者の予期せぬ死亡を対象に、医療機関が第三者機関に届け出て自ら原因を調べ、遺族に報告する「医療事故調査制度」が丸1年を経過したことから、第三者機関である日本医療安全調査機構が2日、会見を開き、調査委員会の25%で外部人材が入っていなかったなどと公表した。公平公正な制度を目指すため、機構は「外部の参加は義務に近い原則」として改善を求めている。



http://www.asahi.com/articles/ASJC27F72JC2UBQU014.html
院内事故調査25%外部委員なし
黒田壮吉
2016年11月2日22時32分 朝日新聞

 患者の予期せぬ死亡を調べる国の医療事故調査制度で、昨年10月の運用開始から1年間で報告された、医療機関が自らする院内調査161件のうち、40件(25%)で調査委員会に外部委員が参加していなかった。第三者機関の日本医療安全調査機構が2日、発表した。遺族が調査に納得できず、機構に再調査を依頼したのは13件に上った。木村壮介常務理事は「院内調査は公平性、中立性を確保するため、外部委員が参加するのが望ましい。病院への周知を図るとともに、委員の推薦体制整備など支援を充実させたい」と話す。

医療事故調 浸透遠く 運用開始1年
 この制度は、患者の予期せぬ死亡事故が起きた医療機関・助産所が自ら原因などを調べ、結果を同機構と遺族に報告する。

 昨年10月~今年9月に提出された院内調査報告書161件を機構が分析したところ、再発防止策の不記載も19件に上った。遺族からの意見の記載は59件にとどまった。

 事故の届け出数は1年間で388件で、当初想定した年1300~2千件を大幅に下回った。患者が死亡してから届け出るまでは平均31・9日で、最長は237日。届け出対象となるか、医療機関が判断に迷うケースも多いとみられ、厚生労働省は6月に省令を改正し、届け出基準の統一化を進めている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49930.html
医療事故調での再発防止策、年明けにも公表- 安全調査機構
2016年11月02日 21時00分 CB News

 昨年10月にスタートした医療事故調査制度(事故調)で、医療事故調査・支援センター(センター)の業務を担う日本医療安全調査機構の木村壮介常務理事は2日に記者会見し、院内調査の結果報告を踏まえた再発防止策を、年明けにも公表することを明らかにした。また、事故調で実施される病理解剖について、遺族などの意向を踏まえた上で、今後も推進すべきとの考えを示した。【松村秀士】

 同機構によると、この制度で今年9月末までの1年間に報告された医療事故は計388件。このうち、医療機関が院内調査を終え、その結果をセンターに報告したのは計161件あった。また、161件のうち、病理解剖が行われたのは52件で、実施率は32.3%だった。

 会見で木村常務理事は、「報告で挙がった161件の中からテーマを決め、年明けにも再発防止策を公表する」とした。具体的な防止策は今後、固める方針だが、センターへの報告事例の多かった、輸液するために頸部などに注射針を刺す「中心静脈穿刺」がテーマとなる見通しだ。

 木村常務理事はまた、病理解剖の実施について、「数字としては高い。(患者が)亡くなった場合の原因などが分かる場合もあるので、これからも進めていかなければならない」と述べた。



  1. 2016/11/03(木) 08:28:52|
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