Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

11月1日 

http://www.carenet.com/news/general/carenet/42728?utm_source=m1&utm_medium=email&utm_campaign=2016102800
理想の年収額は2,000万円以上―医師1,000人へのアンケート
ケアネット  公開日:2016/11/01

 ケアネットでは、9月9日(金)~12日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に「医師の年収に関するアンケート」を行った。その中で、ご自身の業務内容・仕事量に見合うと思う年収額について尋ねたところ、現在の年収帯と同じ年収帯を回答する医師が多かった。なお、全体で最も回答数が多かった年収帯は2,000~2,500万円(17%)であった。
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 年収別では、ほとんどの年収帯で現在と同じ年収帯を回答した医師が多かったが、800~1,000万円の年収帯では1,000~1,200万円(39%)、1,800~2,000万円の年収帯では2,000~2,500万円(40%)と、千万の位の数字が上がる年収額を回答した医師が最も多かった。2,000~2,500万円では38%が現在と同等という回答が最も多かった。3,000万円以上では90%が現在と同等の年収額を回答した。
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 年代別では、35歳以下では1,000~1,200万円(20%)という回答が最も多かったが、36歳以上では各年代とも2,000~2,500万円という回答が最多であった(36~45歳:19%、46~55歳:22%、56~65歳:23%、66歳以上:14%)。
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 上記のほか、男女別、病床数別、勤務先別、診療科別で集計したグラフについても、以下のページで発表している。

医師の年収に関するアンケート2016【第4回】適正年収
(ケアネット)http://www.carenet.com/useful/income2016/cg001774_index.html



http://medg.jp/mt/?p=7091
Vol.236
群馬大学病院事件を考える:認識、想像力、柔軟な発想 ~最優先課題はインフォームド・コンセント~

元亀田総合病院副院長
小松秀樹
医療ガバナンス学会 (2016年11月1日 06:00)

●想像力と柔軟性
 群馬大学病院の旧第二外科で、腹腔鏡下肝切除術の術後死亡率が高いことが、群馬大学全体を巻き込む大きな問題に発展した。その後、群馬大学病院で改革が進んでいる。関係者の努力を多としたい。しかし、事件には、人間の利己的性質、人の行動を支配する権力構造の性質、「旧慣への惑溺」(福沢諭吉『文明論の概略』)など厄介な問題がかかわっている。杓子定規に煩雑な手続きを現場に課しても、安全性は高まらない。現状の正しい認識、優先順位、想像力と柔軟な発想による賢い対応が必要になる。
 何年か前、群馬大学病院に講演のためによばれたことがある。当時の病院管理者は熱心で知識も豊富だった。事件の報告書(1)によれば、群馬大学病院では安全のための制度は整えられていた。制度はあったが、機能しなかった。
 筆者は、医療の改善を阻む最大の要因を、因習への惑溺だと思っている。福沢諭吉が『文明論之概略』で示した明治初期の日本人についての認識は、今も通用するところが多い。人の考え方や行動は簡単には変わらない。
 制度はすでに過剰になっている。患者安全のための制度は職員を追い立て、勤務時間外の会議を増やしている。議論を制度論から、因習への惑溺を減じる方法、人の考え方を変えていくための手段、プロセスに移す必要がある。

●認識
 現状を正しく認識するためには、比較が必要である。医学研究では、調査群と対照群の選択が認識の内容を決める。今回の事件では、旧第二外科が問題になった。しかし、旧第一外科も肝切除術、膵頭十二指腸切除術の手術死亡率が全国平均より高かった(2)。他の診療科について報告書に記載はなかったが、背景に群馬大学病院の体質があるとすれば、他の診療科にも問題があるかもしれない。
 群馬大学病院は、事件について外部委員を含めた調査委員会を設置した(3)。しかし、委員が一同に会して議論する場面が1回しかなかった。対照群との比較検討は行われなかった。総括報告書案を調査委員でない病院長が作成した。病院長は、個別報告書の事例ごとに「過失があったと判断される」と追記し、外部委員の許可なく、これを報告書として公表した。個人的不祥事として処理しようとしていると批判された。病院は第三者のみによる調査委員会(第三者委員会)を設けざるをえなくなった

●大学病院は新しい医療を好む
 日本の大学は、教育より、学問を優先する。学問はオリジナリティ、すなわち、新しさを要求する。このため、大学病院は新しい医療、目立つ医療に価値をおく。これが患者安全と矛盾する。自分たちのやりたい医療に患者を誘導しがちになる。
 2002年、慈恵医大青戸病院で腹腔鏡下前立腺全摘除術を受けた患者が死亡した。死亡原因は、輸血体制の不備により輸血が遅れたためである(『医療崩壊 立ち去り型サボタージュとは何か』朝日新聞社)。出血量は多かったが、輸血さえしていれば、死に至るようなレベルではなかった。慈恵医大の執刀医の手術技量は決して高くなかったが、当時、この手術の第1人者とされる医師の技量も高くなかった。「第1人者」が担当した慈恵医大本院の第1例目では、青戸病院事件とほぼ同量の出血に加えて直腸損傷があったが、輸血体制が整っていたため、患者の生命が脅かされるような状況にはならなかった。当時、全国の大学の泌尿器科学教室で、無理を承知で、この手術を導入しようとした。患者の自己決定権を尊重する説明は一般的には行われていなかった。
 大学病院の性質を冷静に認識し、制御方法を考える必要がある。病院を大学から切り離すことも選択肢から排除すべきではない。

●「解決」はない
 第三者委員会報告書の結論部分に、「『日常診療の中に標準から逸脱した医療が登場した場合、それを早期に発見し、より安全な医療へと是正する自浄的な取り組みをするにはどうすればよいか』という命題に対し、医療界の叡智を集めて解決することが求められる」と書かれていた。極めて重要な指摘である。
 しかし、「解決」があるとは思えない。有効な自浄的取り組みがあったとしても、成果は限定される。論理的整合性のある単一の大体系には、必ず嘘や無理がある。相矛盾する対策を、状況によって使い分ける必要も生じる。
患者安全の領域では、人間に由来する事故をシステムで対応することが提唱されてきたが、注意不足に起因するエラーの多くは、システムの問題として扱いようがない。ダブルチェックにしようが、トリプルチェックにしようが、注意不足が重複することを防げない。日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業の10数年間の歴史の中で、人間に由来する問題の多くがシステムで対応できるようにはならなかった(4)。
 医療行為は有害事象を伴う。患者・家族は永遠の健康を願うが、人間は生老病死から逃れられない。理性で感情をコントロールすることが困難である限り、医療をめぐる軋轢は永遠に続く。医療の問題に終着点があるわけではなく、歴史の流れの中で、揺れ動きながら、変化していく。目指すべきは、現状を悪くしないこと、できれば、多少なりとも改善することである。
 第三者委員会は、いくつかの対応策を提案したが、優先順位を示していなかった。実現が疑問視されるような提案もあった。人間の労力は有限である。不要な手続き、無理な制度は有用な安全対策のための労力を奪い取る。有用性の低い安全対策を廃棄しなければ、新たな労力を負荷することはできない。

●最優先課題はインフォームド・コンセント
 最優先課題は、インフォームド・コンセントである。インフォームド・コンセントは、ニュルンベルグ綱領の第一項目に由来する。第二次世界大戦後確立した医療倫理の根幹である。インフォームド・コンセントが適正化できれば、医師・患者関係が大きく変わる。医療内容に大きな影響がでる。
 個人を尊重し、自他の区別を明確にしなければならないので、医師と医師の関係、医師と他の医療従事者との関係も変化する。適正化のためには、群馬大学病院で働く人たちの考え方を変える必要があるが、人の考え方は簡単には変えられない。現場の医療従事者による自発的な運動が必要になる。管理者側のリーダーだけでなく、現場のリーダーが求められる。
 第三者委員会の報告書によると、手術を受けるかどうかの判断に必要な情報が、患者、家族に伝わってなかった。医師と患者の間で、情報を共有しようとする姿勢があったとは思えない。執刀医は「手術をしない選択肢を示すことは、患者が『見捨てられた』と感じて落胆したり、紹介元の医師の意向に反することになるかもしれない」と述べた。患者、紹介元の医師、執刀医の判断が明確に区別できていない。自他の区別が明確でなければ、自己決定権を尊重できない。
 遺族へのヒアリングでは、「手術しないとあと半年」「手術で切除できる」「今ならば初期なので手術可能」「手術がベストである」「難しい手術ではない」「あと10年生きられる。これが最後のチャンスだ」「腹腔鏡でやりましょう。体力が残る。手術しかない」といった言葉が記憶に残っていた。遺族の記憶が正しいとすれば、患者の自己決定をゆがめる誘導があったことになる。手術成績が悪いことを承知した上で、このような説明をしたとすれば、非難されてしかるべきである。
 執刀医の考え方は少なくとも、20年前までは、大学病院の主流だった。群馬大学病院で、医師の考え方が20年前にとどまっていた可能性がある。旧第一外科の膵頭十二指腸切除術の術後死亡率は、全国平均よりかなり高かったが、手術件数は減少しなかった。正当な説明がなされていたとは想像しにくい。旧第一、第二外科以外の診療科で、正当な説明が行われていたと推測する理由はない。第三者委員会では、他の診療科の実情が調査されていなかった。
 筆者が20年ほど前まで在職した大学病院では、患者の自己決定権を尊重する医師はまれだった。適切な説明をする医師に、別の診療科の医師が苦情を述べる場面さえあった。群馬大学がこのレベルにとどまっていた可能性があるが、必要な調査がなされていないので分からない。

●想像力
 第三者委員会報告書には想像力を欠いた記述があった。倫理委員会という言葉が具体像をイメージすることなしに、万能の免罪符として使われていた。群馬大学病院で倫理委員会がほとんど開かれていなかったのは、不要と判断したか、議論の作法を具体的にイメージできなかったからだと想像する。
 筆者は、『医療崩壊 立ち去り型サボタージュとは何か』(朝日新聞社)を2005年に出版したあと、さまざまな病院に講演を依頼された。病院管理者は必ずしも、医療倫理について十分な知識をもっていなかった。現在の医療倫理がどのような経緯で登場したのか、どのような合意があるのか知らなかった。ニュルンベルグ綱領やヘルシンキ宣言の背景、内容、意義を知っているとは思えなかった。倫理委員会について、診療行為が倫理的に正しいかどうかを、フリーハンドで議論する場と考える管理者もいた。医師に、本人が適切でないと判断している医療を実施することを、上級医師が命令できると思っている管理者もいた。個別診療については、個々の医師が判断主体であり、自身の行動と言葉に自身で責任をとらざるを得ない。問題のある医療行為に加われば、命令に従っただけだという言い訳は通用しない。カンファレンスは、医師の判断を深め、不適切な医療を排除する。
 ナチス政権下、医師はドイツの国内法に従って、非人道的な医学実験や大量殺戮に関与し、戦後、個人として責任を問われた。現行の医療倫理はナチスの反省から生まれた。世界医師会によるジュネーブ宣言の第10項目は「私は、たとえ脅迫の下であっても、人権や市民の自由を犯すために、自分の医学的知識を利用することはしない」と宣言している。これは特定の国家に所属しない世界医師会が、全世界に向かって発出した宣言である。医師は、国内法が医師を処罰するかどうかにかかわらず、ジュネーブ宣言を優先させる。通常の国家は、ジュネーブ宣言やヘルシンキ宣言を尊重している。
医療倫理には歴史的経緯と議論の積み重ねがあり、世界的合意がある。倫理委員会の任務は、独自の医療倫理を考えることではない。受け入れるべき世界的合意の範囲を確認して、院内ルールをそれに則ったものにすることである。必ずしも、個別医療を倫理委員会で検討する必要はない。世界的合意の外にある問題でない限り、倫理委員会は独自の判断をすべきではない。世界的合意が何かを知らないまま、倫理委員会で議論してはならないのである。

●非公式情報収集
 群馬大学病院では、国立大学病院共通ガイドラインの基準によるインシデント報告制度を導入していた。2010年9月よりこれに加えて、バリアンス報告制度を導入していた。これは、術中の問題を把握するためのもので、術中、あるいは術後の心停止、呼吸停止、心筋梗塞、肺塞栓など重篤な合併症、予定外の再手術、想定外の大量出血などを報告する制度である。実は、筆者が虎の門病院在職中に考案したものである。当事者でなくても報告できるが、当事者以外だと告発というニュアンスが生じる。旧第2外科では、肝切除後の死亡事例18例中、2010年に1例がバリアンスとして報告されていただけで、残り17例はインシデントとしてもバリアンスとしても報告されていなかった。
 報告が少ないのは、人間の性質に起因する。医療の結果が悪い場合、医師は報告したがらない。自分が処罰されるとすれば、なおのことである。当事者以外の報告も期待しにくい。日本では、内部告発者は同定され、孤立し、しばしば処罰されてきた。千葉県立がんセンターでは、内部告発者が、パワーハラスメントで退職に追い込まれた。告発者は損害賠償を求めて千葉県を訴え勝訴した。千葉県は自らの正当性を主張し、控訴して争った。内部告発者を退職に追い込んだことを反省しているとは思えない。
 院内報告制度では、健康被害が生じた事例は、重大であればあるほど報告されにくい。健康被害がない膨大な事例が報告されても、努力しているというアリバイにしかならない。患者安全を高める効果はない。
 筆者は、ある病院で、手術に問題がないか非公式にモニターしていたことがある。問題がある可能性のある手術について、手術室の職員に定期的にリストを出してもらっていた。診療録を調べて問題があるかどうかをチェックした。比較的簡単に問題事例をチェックすることができた。他に、院内での死亡例について退院サマリーをチェックすることでも、問題事例をスクリーニングできる。病院管理者は、報告制度に頼らず、非公式な方法を含めて複数のルートで診療を継続的にモニターすべきである。

●柔軟な対応
 事故調査委員会という言葉には、非日常的出来事の印象が強い。手術成績という日常診療の水準を議論する場としては、医療事故調査委員会が適切とは思えない。有害事象の総和が大きくなる前に対応するという意味では、日常的に医療についてモニターし、自己評価することがより重要である。
 対応すべき問題だと認識した後の対応は難しい。過去、多くの院内医療事故調査委員会が、社会への対応を優先するために、個人に責任を押し付けてきた。これが二次紛争を招いた(5)。東京女子医大病院事件(6)では、非科学的な実験までして、無理やり個人に責任を負わせた。院内事故調査委員会報告書のために、佐藤一樹医師は、無罪が確定するまで、7年間、刑事被告人としての立場を強いられた。
 善悪の問題として個人を断罪し、処分するには、人権に配慮した厳密な手続きが必要である。処分の重さが適切であることを示す合理的ルールが必要である。処分される個人に、反論の機会を与える必要がある。処分の判断を下す人間に、利益相反があってはならない。権力闘争にかかわっている大学人では、何らかの利益相反が生じるのは避けられない。意見の対立を無理やり解決するのは、手続きと権限を持っている裁判所でしかできない。裁判官はこのために、社会から隔絶した生活を送り、利益相反が生じないよう配慮している。
 病院には、過失を認定したり、処罰を確定させるための、機能と権限が備わっていない。対立を強制的に終結させることはできない。対立が大きければ二次紛争に発展する。調査委員会の責任が問われることもある。
早い段階だと、問題として確定させることもできない。明確な服務規程違反がなければ、手術死亡率が多少高いからといって、解雇するのは難しい。多数の委員により構成される事故調査委員会では対応は不可能である。病院管理者が自身の責任で対応するしかない。退職に持っていくとしても、乱暴なやり方では、反発を招き、紛争化する。医師の将来まで配慮しなければ合意は得にくい。
 手術技量に問題がある場合、よほど特殊な事例でない限り、再教育で改善されるとは思えない。本人を説得し、実施できる手術を限定させたり、手術以外の業務に専念させる必要がある。抜本的対策は、人の入れ替えだが、簡単なことではない。

文献
1.群馬大学医学部附属病院 医療事故調査委員会報告書 平成28年7月27日
2.国立大学法人 群馬大学医学部附属病院腹腔鏡下肝切除術等の医学的評価報告 2016年4月6日
3.群馬大学医学部附属病院 腹腔鏡下肝切除術事故調査報告書 平成27年2月12日
4.小松秀樹:規範的医療事故報告制度と認知的医療事故報告制度. MRIC by 医療ガバナンス学会. メールマガジン; Vol.1036, 2015年2月24日. http://medg.jp/mt/?p=3166
5.小松秀樹, 井上清成:「院内事故調査委員会」についての論点と考え方. 医学のあゆみ, 230, 313-320, 2009.
6.小松秀樹:東京女子医大院内事故調査委員会 医師と弁護士の責任を考える. m3.com医療維新,
2010年4月26日, http://www.m3.com/iryoIshin/article/119297/
2010年4月28日、http://www.m3.com/iryoIshin/article/119298/
2010年4月30日、http://www.m3.com/iryoIshin/article/119299/



https://www.m3.com/news/iryoishin/472844?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161101&dcf_doctor=true&mc.l=187302734&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: m3.com意識調査
「医師が足りない!」、最多は東北、最少は近畿
2016年再び議論!医師不足?それとも医師は過剰?◆Vol.1

2016年11月1日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 m3.com意識調査「2016年再び議論!医師不足?それとも医師は過剰?」の医師の回答結果を、全国8つのブロック別に分析すると、ご自身の今の仕事において、「医師が足りない」と感じるのは、最も高い東北ブロックでは68.3%に上る一方、最も少ない近畿ブロックでは52.2%で、16.1ポイントの開きがあり、地域による差が大きいことが分かった(調査は2016年10月21日から27日に実施。開業医600人、勤務医1760人の回答を集計。詳細はこちら)。
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 ただし、今後の医学部定員の在り方を「増やすべき」「現状維持」「減らすべき」「分からない」の4つの選択肢で聞いたところ、いずれのブロックでも「現状維持」が最も多く、最多の四国ブロック62.5%、最少の東北ブロック45.3%。次が「減らすべき」との回答が続く結果だった。「増やすべき」との回答は、最も多かった東北ブロックでも16.2%にとどまった。

 その理由として、どのブロックでも、医師不足の実態は、「地域・診療科偏在のみ」と感じている人が多いことに加えて、「医師が、医師以外でもできる仕事をしている」と捉え、業務の一部を他職種に移譲することで、医師の負担を軽減でき、医師不足の問題解決につながると考えている医師が多いことが挙げられる。

 もっとも、医師の立場によって意見はさまざま。下記の記事において、今回の調査に寄せられた自由意見を紹介する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/472846
シリーズ: m3.com意識調査
過酷な時間外労働、どこの世界の話?
2016年再び議論!医師不足?それとも医師は過剰?◆Vol.2

2016年11月1日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

Q:医師数をめぐる現状認識について、ご意見があればお書きください。

【医学部定員◆減らすべき】

◆将来は人口減、医師過剰
・現在~将来人口が減少するのに医師数を増やしてどうするつもりだ。厚労省・政府は今しか見てない。今、医学部定員を増やしたとして、その人たちが一人前の医師として働けるようになるには(医学部の6年+初期研修・後期研修で6年+さらに多くの経験を積むために6-8年の合計)18-20年先になる。そのころの人口、医療必要者数を想定しているのか大いに疑問だ。【勤務医】

・今の行政は今を取りつくろうことだけを考えているような気がし、将来の展望を考えているとは思えない。人口減少を考えれば、老人も減り、将来的には医師は過剰になるはず。今増やしている医師候補者は、当然過剰となるのではないのではないだろうか?
 今の医学部の状況を見てみると、落第が多くなってきていると思う。そのはず、能力が急に増えるはずもないのに入れる定員を増やす、つまりレベルを下げて、定員を増やしているからだ。各大学では国試合格率の維持は重要である。では能力のない学生はどうなるのか、落第するに決まっている。急に日本人の高校生が利口になるはずがないのに。彼らも気の毒ではないだろうか?
 学年が上がらない、卒業ができない、医師になれない。医学部は専門学校である。それがその専門に就けない。現在の医療政策を考えるものは、常識・当たり前のことを無視して、いわゆる“正義”をかざしているだけではないか? このシステムは誰を幸せになるのだろうか?患者の気持ちを考える神様のような医師像を考えてるようだが、患者さんは能力のない気持ちの良い医師と、気持ちが良くなくても能力のある医師のどちらを選ぶだろうか? 日本が貧乏国になったとき、患者さんは、ご飯を買うお金を選ぶのだろうか?それとも薬を買うお金を選ぶのであろうか? 行政を行うもの、これは神(昔のお上)であろう、自分たちの行いに、自分の人生をかけなさい。【勤務医】

・昭和41年には18歳人口699人に1人が医学部に入学していたのに対し、平成26年には、18歳人口の130人に1人が医学部に入学してきている(医学部入学定員9069名。18歳人口118万1000人)。これは、医学部入学がやさしくなったことだけを意味しない。経済学的に考えると、もし仮にある医師の同一世代が1人年間10万円の医療費を払うとすると、過去は699×10万円=約7000万円で、1人の医師とパラメディカルの給料、機械代、薬代を支えていた。日本人1人が払う医療費が変化しないと仮定すると、未来は、130×10万円=約1300万円で1人の医師とパラメディカルの給料、機械代、薬代を支えないといけない。この計算は、非常に概算のものだが、考え方は正しいと思う。今のままでは、将来医師の貧困化が到来する。【勤務医】

◆既に医師は過剰
・私はトップレベルとみなされる大学医学部の卒後24年だが、もう15年前から医局に所属していながら、母校卒・専門医取得後・医局所属医師の勤務先が確保されないほど、首都圏では形成外科医師についてあり余っている。(新たに自分自身で勤務先を開拓するか、開業するしか選択肢はない状態)。首都圏で働きたければ、仕事先は自分で何とかしなければならない状態であり、当の昔から医師過剰状態の何物でもない。【勤務医】

・夜間勤務・緊急呼び出し、過酷な時間外労働はどこの世界の話なのか?医師自身の仕事の効率の悪さで時間を食って、仕事をしているのは見かけるが、朝は外来開始時間ギリギリの出勤、昼はゆうに2時間の休憩、夕方ちょこっと回診して、口頭指示で電子カルテ入力もしない。オペは楽しんでやっているが、外来診療は、医師一人に診療補助の事務員一人を付けた上に、看護師は余るほどで、トータルは赤字。医師が「仕事」をしていても、赤字になるなら給与を見直すべき。それなら地域・診療科の偏在も解消されるのでは? 【勤務医】

・開業医が多すぎて過当競争です。病院も生き残るために不要な仕事を増やしているだけです。医療が必要な人がどれだけいるのかを検討しないときりがありません。【開業医】

◆地域・診療科偏在対策が必須
・医師数をめぐる問題は診療科、地域のことなしには議論しても意味がない。東京圏では医師数は数年前と比べ大分充足してきたが、それ以外の地域では依然と医師数は足らない。どこの地域で働いている医師に聞くかによって意見は全く違うと思います。医師数を増やす議論より、偏在を解消することに論点を置いた方が有効なのではないでしょうか。【勤務医】

・地域偏在は、卒後10年の地方勤務を義務付ける。高級公務員扱いとして給与プラス年金受取額のアップを確約する。診療科偏在はアメリカのように専門機関を置いて、診療科選択の入り口をコントロールする。人口減社会なので医師数を増やす必要はない。【勤務医】

・医師を強力にコントロールできる大学医局制度(奴隷制度ではありません)が望ましい。医者はプライドが高いので、昔のように医師補制度(軍隊での衛生兵みたいな)で簡単な医療を専ら行う職種があってもよいかもしれない。【勤務医】

・医師数をめぐる問題は、単に地域・診療科の偏在のみの問題です。その解消には、他国が通常行っているような一定の制限や行政の介入が必要です。このままでは、医療費の膨大化が進む割には、医療レベルが医療先進国と肩を並べられない状態から抜け出せないでしょう。日本の医療レベルは、平均寿命では世界の中でトップレベルに見えてしまいますが、本来、医療レベルは健康寿命で測られるべきでしょう。そして、単なる平均寿命の高さが、その国の真の社会保障の充実度を反映しているのではないと、そろそろ国民も気づく頃だと思います。人間の尊厳という観点から、多くの寝たきり患者を大量に生産あるいは養っていく医療制度は、今後も持続可能なのでしょうか。むしろ、医療の限界、あるいは医療提供の限界を国民に納得させることも必要な時代だと思います。2025年を過ぎた先には、医師過剰が問題となることは目に見えております。目先の医療の供給不足を憂うのではなく、供給体制の合理化、際限なく医療は提供されると思い込んでいる国民意識の啓発こそが必要な時代だと思います。【開業医】

◆他職種との業務分担進めるべき
・医師でなければできない仕事が多すぎるため、他職種の役割を増やす(ただし、医療もどきをするのであれば、それなりに責任は負ってもらう)。拘束時間や命に直結する重症患者を扱う分野へのドクターフィーを認めるべき。【開業医】

◆医師のニーズは変化、減少
・日本の人口減少、財政面での医療費負担が進んでいること、高齢化が進んでいる現状を見たとき、AIの導入や医療技術が進歩することで、医療にかかわる人の数を少なくして医療を行っていくことが可能になる。一方で、財政面から考えると、医療費や保険を負担する世代が減少している点から考えると、先端医療受給者に対しての負担増ならびに急性期医療機関の数を減少させなければいけないと思う。一方で、高齢化社会が進むと、人口の流動性が減り、多くの疾患を抱えることから、地域医療およびかかりつけ医による総合的な管理を行えるようにしていく医療の需要が増えるものと考える。【勤務医】

・有能な医師の絶対数が少なすぎます。単純に医師数の問題ではなく、過疎地の医師には医師としての能力、体力、精神力などが必要で、能力のない医師には自信がなく仕事はできません。特に外科系の医師の修練は現在の医療体系、社会情勢では十分にできません。私は外科医でしたが、昔から自身が安心してかかれる医者が周辺にはなく心配でした。有能な医師の必要性は大きく不足もしていますが、作ることは困難です。だめ医者が多すぎ。この人たちの仕事はAI技術の進歩により取って代わられます。じきに有能な医師以外は過剰となると考えています。このアンケートは無意味でしょう。【勤務医】

・専門分野と称してどんどん細分化してワークシェアリングを行ってきたが、その結果、臓器や疾患を診る医師が増えて、人を診られる医師が激減した。患者にとって任せられる医師がいなくなった状態を、医師不足と表現している。数をいくら増やしても、満足して医療を受けられない限り、医師不足感は解消しない。【開業医】

◆患者の受療行動も改善の余地
・今の診療報酬体系と国民皆保険制度では、かなり大量生産で患者さんを見なくてはならず、この点が問題。診療報酬を高くし、患者の自己負担を増やせば(一般の方、さらに生活保護も自己負担を設定する)、かなり医者の数の問題は改善しますよ。要するに欧米のように、安易な受診を減らしていくのも必要では。【開業医】



https://www.m3.com/news/general/472869
看護師を停職1カ月 患者の病名漏らす、大阪
2016年11月1日 (火) 共同通信社

 地方独立行政法人の大阪府立病院機構は31日、患者の電子カルテを閲覧し、病名などを自分の家族に漏らしたとして、府立成人病センターの女性看護師(47)を停職1カ月の懲戒処分とした。「興味本位でやってしまった」と話している。

 機構によると、看護師は7月、患者の電子カルテをパソコンで閲覧し、自分の家族に病名や病状を伝えた。患者と家族は知人だったが、看護師は面識がなかった。

 家族から「(患者が)成人病センターにかかっている」と聞き、職務上関係のない患者情報を見てはいけないと知りながら閲覧したという。病院から説明を受ける前に、家族が病名などを患者に話し、発覚した。



https://www.m3.com/news/general/472931?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161101&dcf_doctor=true&mc.l=187302741&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
1326万円を不正受給 京都のマッサージ師処分
2016年11月1日 (火) 共同通信社

 大阪府内全43市町村でつくる府後期高齢者医療広域連合(事務局・大阪市)は1日、マッサージ施術をしたと装うなどして療養費約1326万円を不正に受け取ったとして、郡田貴伸(ぐんだ・たかのぶ)施術師(38)=京都府宇治市=に対し、患者から委任されて療養費を請求し支給を受ける「代理受領」を5年間できなくなる処分にしたと発表した。刑事告訴も検討する。

 同連合によると、郡田施術師は現在、所在不明で連絡がとれていない。

 郡田施術師は出張専門の施術師として、2011年8月~16年4月、大阪府内の75歳以上の5人の患者に対し、施術をしたと装ったり、移動距離を実際より長く算定したりして療養費や出張料(往療料)を不正請求した。

 今年5月、患者の一人が、医療費通知に記載された施術日数が多いことに気付いて発覚した。郡田施術師は代理受領者のマッサージ関連会社から委託を受けて施術しており、不正受給分は会社が全額返還した。



https://www.m3.com/news/general/472862?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161101&dcf_doctor=true&mc.l=187302871&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
介護、3割負担案浮上 高所得の高齢者対象に 給付費抑制で政府
2016年11月1日 (火) 共同通信社

 介護保険制度の見直しで、現役並みに所得の高い高齢者を対象に、サービス利用時の自己負担を3割に引き上げる案が政府内で浮上していることが31日、分かった。増え続ける介護給付費の抑制が目的。実施する場合、来年の通常国会に提出予定の介護保険法改正案に盛り込むことになる。

 ただ、介護保険の自己負担は制度スタートから一律1割で、昨年8月から一定以上の所得(単身で年金収入だけの場合年収280万円以上)がある人を対象に2割にしたばかり。浮上しているのは、2割負担の人の一部をさらに引き上げる内容。高齢者からの反発は必至で、調整は難航しそうだ。

 厚生労働省は制度見直しの一環として、40~64歳が支払う介護保険料の計算方法を変え、大企業社員の負担を増やす「総報酬割」を早ければ来年度にも導入する方針。

 大企業の負担が増えるため、経済界は「給付抑制策も実施するべきだ」と反発しており、支払い能力のある高齢者に負担を求め、現役世代の理解を得たいとの考えがある。10月19日に開かれた社会保障審議会の部会でも、高所得の高齢者の負担増には理解を示す意見が大勢を占めた。

 政府は、高齢者の上位20%の所得層が対象となっている2割負担の対象拡大を検討してきた。だが、これ以上広げると、中所得層に負担増が及ぶため与党内に異論が強く、負担割合引き上げの検討を始めた。

 医療では、70歳以上は原則1~2割負担だが、年収370万円以上の場合などは「現役並み所得者」と区分し、自己負担を3割としている。「介護もそろえるべきだ」との意見がある一方、「医療と違って介護は長期間続くため、負担が大きい」との慎重論もある。



http://www.minpo.jp/news/detail/2016110136043
「保健医療推進監」を新設 丹羽氏(県病院事業管理者)就任へ
2016/11/01 10:44 福島民報

 県は保健・医療・福祉分野の施策で県に総合的な助言などをする非常勤の特別職「保健医療推進監」を新設する。2日付で県病院事業管理者の丹羽真一氏(69)が就任する。県が31日、発表した。
 保健医療推進監は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後の課題となっている医療・介護などの人材確保や県立病院事業の推進などについて専門的な立場から県に助言する。保健福祉分野の計画策定や目標達成などにも力を尽くす。
 丹羽氏は愛知県犬山市出身。東大医学部卒。福島医大付属病院長、福島医大副理事長などを歴任した。平成24年11月から務めた県病院事業管理者は1日付で退任する。

■被災地の医師確保を 丹羽真一氏に聞く
 2日付で県保健医療推進監に就く丹羽真一氏は31日、福島民報社のインタビューに応じ、これまでの経験を生かして県民の健康を守り、被災地の医師確保などにも努める考えを示した。
 -就任に向けての抱負は。
 「東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後、県民の健康への意識は一層高まっている。県内各地域の需要をしっかりと把握し、県の施策に助言するとともに業務に取り組む職員を支えたい」
 -被災地の医療・介護の環境整備が大きな課題となっている。
 「病院事業管理者として開設に携わった楢葉町のふたば復興診療所は大勢の住民が利用しており、医療ニーズの高さを再確認した。これまでの経験や人脈を生かし、富岡町のふたば医療センター(仮称)の整備とともに人材を着実に確保し、住民の帰還を促進していく」
 -県は今年度中に新たな県立病院改革プランを策定する。県立病院の機能をどう充実させるか。
 「避難者の心のケアが課題となっており、矢吹病院が対応の拠点となるよう改修などを進める。改革プランには県立病院が地域おこしなどにも携わる内容を盛り込む」
   ◇  ◇
 丹羽氏は31日、県保健医療推進監への就任と県病院事業管理者の退任のあいさつのため、福島民報社を訪れ、高橋雅行社長と懇談した。佐竹浩県病院局長らが一緒に訪れた。



http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20161031-OYTNT50096.html?from=oytop_ymag
薬の重複 ありませんか
2016年11月01日 読売新聞

 ◇東近江市 複数受診、60~74歳に通知

 複数の医療機関を受診して処方された薬が重複していないか確認してもらおうと、東近江市は処方された全ての薬を表示した「服薬情報通知」を発送した。薬の飲み合わせによる健康被害を防ぐとともに、増加傾向にある市の医療費負担の軽減が目的で、全国初の試みという。

 国民健康保険加入者で複数の医療機関を受診し、6種類以上の薬を処方されている60~74歳の1152人が対象。入院と歯科を除き、診療報酬明細書(レセプト)の情報を基に6月分で作成し、10月27日に送付した。

 医療機関名と薬局名、薬の名前を一覧で表示。数量や回数、調剤日、内服・頓服など剤型も記されている。成分が同一の場合、「○」印を付け、一目で薬の重複がわかるように工夫しているのが最大の特徴だ。

 服薬履歴は、薬局や医療機関で配られる「お薬手帳」で確認できるが、複数の医療機関を受診した場合、履歴情報の一元管理が手間になる。市は今後、送付の翌月となる11月診療分のレセプトと比較し、通知の効果を検証する。

 担当者は「薬の飲み合わせが悪い場合もある。通知を医師や薬剤師に見せて情報を共有してもらい、適切な処方につながれば」と話している。(小宮宏祐)



http://mainichi.jp/articles/20161101/dde/041/040/072000c
かかりつけ薬局
「ある」41% 「指示通り使う」4割どまり

毎日新聞2016年11月1日 東京夕刊

 いつも薬を受け取る「かかりつけ薬局」を決めている人は、昨年末時点で41%との調査結果を、製薬企業でつくる「くすりの適正使用協議会」が発表した。

 協議会は5年ごとにインターネット調査を実施。2015年12月、全国の20~69歳の男女1500人に答えてもらった。その結果、かかりつけ薬局を決めている人は「処方箋を出して薬をもらう薬局として」「薬のことを相談する薬局として」などを合わせて41%。前回調査(10年)の34%から7ポイント増えた。

 医療機関で処方された薬の使用方法では「きちんと指示通りに使う」が42%で、前回の36%より増加。しかし、それ以外の答えをした人に、処方薬が残った場合にどうするかを尋ねたところ、「保存しておいて同じ症状が出たときに使う」「同じ症状の家族や友人に分けてあげる」など、誤った「使い回し」をしている人が38%(全体に対する割合では22%)いることが分かった。

 同じく「きちんと指示通りに使う」以外の人に、薬が余ることへの意識を聞くと(複数回答)、「医療費が無駄だと思う」との答えが42%で最多だったが、「次の診察時に医師や薬剤師に伝えるべきである」としたのは23%にとどまった。

 かかりつけ薬局は、患者の普段の体調や持病を把握していて、適切な服薬の管理や指導ができるなどの利点が指摘されている。



http://toyokeizai.net/articles/-/142957
年間約10兆円!薬剤費の膨張を止められるか
あの手この手で無駄をなくせ

2016年11月01日 AERA編集部/東洋経済

年間40兆円を超える国民医療費のうち、約2割を占めるのが薬剤費。医療費全体を上回るペースで伸びている。放置して大丈夫か。

宇都宮市にある国立病院機構栃木医療センターで内科医長を務める矢吹拓さんがこの日訪れたのは、畑違いの整形外科病棟。骨折で入院した80代の患者に、こう声をかけた。

「血圧が100を切っていますね。お薬が効いているようですが、あまり下げすぎても転ぶ危険があるので、ちょっと減らしてみましょうか」

矢吹さんはこのとき、「ポリファーマシー外来」での役割を果たしていた。2015年1月に全国で初めてつくられたチームだ。ポリファーマシーは、英語で「多くの」を意味するpolyと、「薬」のpharmacyを組み合わせた造語で、高齢者を中心に社会問題化している多剤投与を防ぐのが目的だ。

「多剤」に苦しむ高齢者

同センターに1週間以上入院する見込みで、5種類以上の内服薬を処方されている高齢者(65歳以上)の中から希望者が受診できる。5種類を超えると、組み合わせの問題などでふらつき、認知機能の低下などが生じやすいとされるためだ。

時には複数にわたるセンター内外の主治医から情報提供を受けたうえで、チームの内科医たちが、入院中の患者の病歴や診察所見、検査値などと照らし合わせながら、本当に必要な薬はどれか、整理していく。

きっかけは14年。口腔疾患で入院した高齢の患者が、入院1週間後からふらつき、転倒、食欲低下、さらに意識障害を起こし、院内で亡くなった。この患者は、日常的に生活習慣病を中心に14種類の薬を飲んでいたが、入院後に抗菌薬も加わった。死因はある薬の中毒だと分かった。医師や薬剤師、看護師だけでなく、事務職員も参加して再発防止を図るチームができた。

ポリファーマシー外来では、週に2回、1人の患者に30分~1時間ほどかけて、じっくり話を聞く。1日に2人をみるのが精いっぱいだ。開設後1年間に受診した47人で、受診前の平均9種類を5種類に減らすことができた。全員で削減できた薬剤費は年間約900万円。1人当たり20万円近くに上る。最も多く削減できたのは睡眠薬だった。

ただ、入院中の規則正しい生活や減塩、カロリー計算された食事といった環境変化が、血圧や血糖値の正常化につながった面も考えられる。矢吹さんは、「生活習慣を整えれば、薬を減らせるという“成功体験”を積んでもらうことも有用」という。「退院後、環境や生活習慣が元に戻れば、元の薬が必要になるかもしれない」とも伝えるようにしているという。

多剤問題は、単純に薬剤費が膨らむだけでなく、多剤になることによって飲み残し(残薬)が増えるという側面もある。日本薬剤師会の推計によると、在宅の75歳以上の高齢者だけで、残薬は年間およそ475億円分に上る。

子どもの場合、多剤の長期化はまれだが、風邪などでせき止め、熱冷まし、鼻水止め、整腸剤、漢方、貼り薬、そして抗菌薬などと、一時的に薬が積み重なることがある。特に抗菌薬は、安易に使い過ぎると耐性菌が蔓延し、効く抗菌薬が将来的になくなる恐れがある。薬剤耐性菌は、先の主要7カ国(G7)保健相会合でも主要課題になったほどで、とりわけ、抗菌薬の使用が突出して多い日本は、適正使用が求められている。

今年度の診療報酬改定では、入院患者の内服薬を減少させる取り組みを評価する「薬剤総合評価調整加算」も新設されて、国も多剤の対策に本腰を入れ始めている。

ただし、患者の自己判断で薬を減らしたり中止したりすると、病状の悪化につながる可能性もある。気軽に相談できるかかりつけ医やかかりつけ薬剤師を持っておくことが肝心だ。

薬剤費を減らすなら、量だけでなく値段にも注目する必要がある。

費用対効果の視点も

1年間使えば薬代が3500万円に達するがんの免疫療法薬「オプジーボ」など、高額の薬剤が最近、何かと世間をにぎわせている。このままではいけないと、薬や医療機器の価格を議論するときに「費用対効果」を考慮しよう、という取り組みが今年度から始まった。

基本的にメーカーと使う側の「交渉」と市場価格に基づいて決まる欧米諸国のやり方に対し、日本には薬価を決めるための「ルールブック」があるが、そこには「費用対効果」という観点は入っていなかった。

厚生労働省の中央社会保険医療協議会に12年、費用対効果評価専門部会ができた。ここでいう「費用」は、個人の負担ではなく、国全体の負担を指す。今年4月、費用対効果の検討対象になった医薬品は、オプジーボやC型肝炎治療薬のソバルディやハーボニーなど七つ。具体的には、メーカーに分析データの提出を求め、専門家が分析結果の妥当性を検証。次回の薬価改定時に、価値に見合った価格に是正していく。

検証には、「質調整生存年(QALY)」と呼ばれる指標を使う。QALYは、薬によって延びた生存年数に、その間の生活の質も加味したもの。すでに英国などで利用実績がある。

英国では、医療費はすべて国の税金で賄われており、費用対効果への意識は高い。一方、医療サービスの内容に地域間格差があったことから、1999年に国立医療技術評価機構(NICE)が創設され、薬などの費用対効果を測り、使い方の推奨などを提言するようになった。

実績積み重ねる英国

NICEの基準は、「1QALY(健康で活動的に1年生きている状態)当たりの費用が、2万~3万ポンド(約250万~380万円)以下であれば費用対効果として良好。それ以上であれば税金の賢い使い方とは言えない」。単なる総医療費の削減ではなく、定められた財源の中で、より効率的な治療を提供することをめざす。

NICEが肯定的な提言をした場合、すべての地域の医療機関はその決定に基づいた治療を3カ月以内に提供することが義務付けられる。逆に否定的な提言に強制力はないが、「費用対効果に見合ったものではない」とされると、その薬の使用は事実上難しくなる。

NICEは最近、高額の抗がん薬を中心に評価し、約半数について「費用対効果の点から非推奨」とした。

国際医療福祉大学薬学部の池田俊也教授は、「例えば、延命効果が数週間の抗がん剤があるとすると、患者にとって数週間はとても重要だが、そこにかけるコストも考慮せざるを得ない」と語る。

日本でもこれまで、2年に1度の診療報酬改定に合わせて、すべての薬剤について薬価を見直してきたが、その基準は市場価格の動向だった。費用対効果評価専門部会の参考人でもある池田氏は、「日本では、患者や社会にとってどれぐらい価値があるのかという視点で薬価が定められていなかった。現場でも、例えば生活習慣病の薬に複数の選択肢がある中で、効き目が同等ならより安価な物をといったコンセンサスがなかった」と指摘する。18年からは、高額な薬剤や医療機器などについて費用対効果指標に基づいて、薬価の見直しが行われる予定だ。

後発医薬品なら4割安

医療経済にも、個人の財布にとっても「救世主」と期待されるのが、後発医薬品(ジェネリック)だ。

新薬が市場に出るまでには10年以上もの年月と数百億円規模の研究開発費がかかるため、先発品の公定価格(薬価)はそのコストを回収できるよう、高めに設定される。さらに、特許申請から20~25年間は、先発品メーカーにその薬を独占的に販売できる権利があるが、特許期間切れを迎えた薬は、他の製薬会社が効能・効果、用法・用量などが同じ医薬品を製造・販売できるようになる。これがジェネリックで、先発品に比べて開発費用がかからないため、価格も先発品の6割以下に抑えられることが多い。

政府は、18年度から20年度末までのなるべく早い時期に、後発品があって代替可能な薬剤のうち、後発品のシェアを数量ベースで80%にし、国民医療費を年間で約1兆3千億円削減することをめざす。

後発品シェアはすでに56%に達している。ジェネリックが普及した理由の一つが、10年前から始まった処方箋(せん)の様式の変更と、処方する医師や調剤する薬局への診療報酬上の加算だ。

以前の方式では、医師は処方箋に薬の「商品名」を書き、患者はその通りの薬しか受け取れなかった。しかし06年からは、先発品の商品名で処方された場合も、医師が処方箋に「後発品への変更可」のチェックをすれば、薬局で後発品に変更できるようになった。

さらに08年からは、後発品への変更に差し支えがあると医師が判断した場合に医師がサインするやり方に改定。12年からは、一つひとつの薬剤ごとに「変更不可」欄にチェックを入れなければならない方式になるなど、一貫してジェネリックへの切り替えを促す制度改正が続いてきた。ただ、いずれの場合も、後発品に変更するかどうかは、薬剤師が患者に十分な説明をして、同意を得た場合に限られる。

後発品が安いのは間違いないが、効果や安全性への不安を持つ患者は依然としている。先発品と後発品は、有効成分(原薬)は同一だが、成型などを目的に加えられる賦形剤やコーティング剤、着色剤などの添加物まで一緒とは限らない。例えば、色素に過敏反応を示すかもしれない人は、ジェネリックに替えるには慎重さが求められるだろう。

とはいえ、アレルギー症状が起きるかは体質の問題であって、先発品だから安全とは言えない。先発品は発売前、多くて約1千人規模の臨床試験で、効果と安全性が確認されたにすぎず、市販後に未知の副作用が判明する可能性がないとは言えない。後発品は、発売から特許が切れるまでの間、多くの患者に使われた実績のある先発品に基づいて製造されており、予期せぬ副作用の可能性は低いと考えられる。

実際には、先発品も含めて原薬は輸入品が多く、先発品と後発品が同じ製造ラインで生産されている例もあるという。

日本大学薬学部の亀井美和子教授は、「後発品だけを特段不安に思う理由はない」と語る。

さらに近年、注目を集めているのが「オーソライズドジェネリック」だ。後発品メーカーが、先発品メーカーから独占的に許可を得て、原薬はもちろん、使う添加物も製法も全く同じで、いわば同一の医薬品を製造する。現在、抗アレルギー薬や降圧薬などで14銘柄が市販され、通常のジェネリックに比べ価格差は小さいものの、先発品よりは低い価格で市場での存在感を強めている。

先発品しのぐ後発品も

「スーパージェネリック」、または「アドバンストジェネリック」と呼ばれる後発品も登場した。後発であることを生かし、服用のしやすさや容器の改良などで先発品に付加価値をつけた薬のことだ。例えば、子どもにも飲みやすくするよう、苦みを抑えてフレーバーを加えたり、錠剤をラムネのような口腔内崩壊錠にして、水がなくても飲めるようにしたりする。飲み間違いを防ぐために、表示を見やすく改良したものも登場している。

国民は、自己負担額の増加や保険料の引き上げに抵抗感が強い。一方、薬価の引き下げについては製薬企業や医療従事者の賛同が得られにくい。そんな対立構造にはまらないために、従来のやり方にとらわれて温存された「無駄」を、柔軟な発想でなくすよう、誰もが積極的に取り組むべきだろう。

(ジャーナリスト・塚崎朝子)
※AERA 2016年11月7日号



http://mainichi.jp/articles/20161101/ddl/k40/040/545000c
患者塾
医療の疑問にやさしく答える がん検診は受けない方がいいですか/下 /福岡

毎日新聞2016年11月1日 地方版

 ■今回のテーマ・がん検診は受けない方がいいですか

 「がん検診は受けない方がいいですか」をテーマに、9月24日に福岡県水巻町であった第202回患者塾。医療に関するさまざまな情報とのつきあい方、診療ガイドラインの考え方について専門家が助言した。
アレルギー性鼻炎は治る?

 ◆会場からのおたずね 39歳の息子は子供のころからアレルギー性鼻炎です。どうしたら治りますか。
新療法で根治の可能性も

 西間さん アレルギー性鼻炎には季節性と通年性があります。季節性はイネ科やスギヒノキ科の花粉、通年性はダニが原因です。アレルギー性鼻炎などアレルギーは、基本的には治りません。免疫異常だから完全に消えることがないのです。小児ぜんそくも中年以降にまた出てきます。

 今、アレルギーを唯一、根本から治す可能性があるといわれる新しい治療法に、舌下免疫療法があります。アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含む錠剤またはエキスを舌の下に投与し、体内に吸収させる方法です。この投与を継続的に行うことで症状を軽減させていきますが、3年くらい毎日続けなければなりません。これ以外は対症療法ですが、抗ヒスタミン剤やステロイドなどの薬でも、うまくやればかなり効果はあります。

経過観察の定期検査は無意味?

 ◆福岡市の男性(71) 大腸がん手術の後、経過観察で定期的に腫瘍マーカーの測定など血液検査と内視鏡検査、CT(コンピューター断層撮影)検査をしています。しかしある医師が書いた本に、こうした検査は意味がないと書いてありました。
最低限、術後5年は診察を

 平田さん 治療にはガイドラインがあります。大腸がんの場合、再発リスクがある方には術後5年は3カ月ごとの診察と採血、腫瘍マーカー、半年ごとのCT検査を勧めています。しかしこれは法律ではないので、5年たっても続ける医師がいれば、途中で見なくなる医師もいます。大腸がんの転移で一番多いのは肝臓ですが、早めに切除できれば再発しない人もいます。

 ガイドラインは科学的に根拠のある多くの臨床データを集約したマニュアルです。最先端の治療から数年遅れていますが、既に確立されたものです。大腸がんの肝臓転移のガイドラインは、まず切除できるものはする。できないものは抗がん剤治療をする。抗がん剤治療をする体力のない人には緩和治療となっています。

 伊藤さん CT検査は半年に1回は受けた方がいいでしょう。僕だったら3年間は年2回、CTと血液検査は受けますね。ガイドラインには幅があり、患者さんの事情で選択もできますが「手術した責任があるから最低ここまでは受けてください」と言います。

 小野村さん 「検査に意味がない」というのは法律的に問題はありませんか。

 松村さん 意見の表明自体に法的責任を問うのは難しいですね。また、スタンダードではないという見解が本に記載されていても、これを全面的に信用するということは一般的ではないといえるので「本の記載を信じたせいで疾病の発見や治療が遅れた」として責任を問うのも困難でしょう。

    ◆

 第204回患者塾「心の病気の見つけ方 治し方」は3日午後1~3時、北九州市八幡西区の産業医科大学ラマツィーニ小ホールで。入場無料。

出席された皆さん 
 西間三馨さん=国立病院機構福岡病院名誉院長(福岡市、アレルギー科・小児科) ▽矢田親一朗さん=遠賀中間医師会おんが病院院長(福岡県遠賀町、消化器内科) ▽平田敬治さん=産業医大第1外科教授(北九州市) ▽津田文史朗さん=遠賀中間医師会会長(福岡県水巻町、小児科・アレルギー科) ▽伊藤重彦さん=北九州市立八幡病院副院長(外科) ▽安藤由起子さん=安藤ゆきこレディースクリニック院長(北九州市、産科・婦人科) ▽松村龍彦さん=安原・松村・安孫子法律事務所弁護士(福岡市)
 ▼司会 小野村健太郎さん=北九州市立大大学院特任教授、おのむら医院院長(福岡県芦屋町、内科)

質問は事務局へ
〒807-0111
福岡県芦屋町白浜町2の10「おのむら医院」内
電話  093・222・1234
FAX 093・222・1235
〔福岡都市圏版〕



http://www.miyakomainichi.com/2016/11/94126/
診療費未収2億6600万円/宮古病院
前年比減も高水準/経営圧迫、サービス低下懸念

2016年11月1日(火) 9:06 宮古毎日新聞

 県立古病院は31日、同院で診療を受けたものの、支払いを未だ受けていない未収金(個人医療費分)は2016年9月末現在(累計)で総額2億6600万円、人数にして2604人に上ると発表した。前年に比べ0・2%減少したが、依然として高い水準で推移している。生活困窮のため医療費が払えない人や、健康保険料未納に伴う自己負担分の増加などが要因と見ている。会見で上原哲夫院長は「未収金が多くなると病院の経営が圧迫された状態になる。医療器具が購入できなくなり、医療サービスの質の低下につながる可能性がある」と指摘した。11月は県立病院の未収金対策強化月間。

 医療費を払えない理由として「経済的」を挙げる人が多く、「分割納入」や、納入を約束しても守らない「納入約束不履行」が全体の6割以上を占めている。

 交通事故の自賠責委任や、生活保護などの社会福祉制度を申請中の人もいる。

 「その他」は、亡くなった人や住居不明な人などで、全体の約3割を占め請求が難しい状況だ。

 上原院長は「原則として診療費による収入によって病院を経営している」と強調。「宮古病院は県立病院だから、赤字が出ても県から補てんされる」などといった誤解が未収金を発生させる要因の一つになっていることも挙げた。

 同院は未収金の縮減に向け文書や電話、訪問督促などを実施。支払う能力があるのに支払わないなど、特に悪質と思われる滞納者に対しては財産差し押さえなどの法的措置を実施する。
 過去には、実際に法的措置を実施したこともあり、また、数人については法的措置を準備中という。

 同院では、診療費の支払いが難しい場合には気軽に相談するよう呼び掛けている。

 連絡先は宮古病院未収金対策係(電話72・3151)まで。



https://www.m3.com/news/general/472854
予防接種ミス、過去最多の6168件…15年度
2016年11月1日 (火) 読売新聞

 全国の市区町村で2015年度に行われた定期予防接種で、対象でない人に接種してしまったなどのミスが過去最多の6168件に上ったことが、厚生労働省の専門家会議で報告された。

 接種10万回当たりでは約14件になる。感染など健康被害は確認されていない。

 それによると、最も多いのは、接種間隔のミスで2991件(49%)。このほか、規定の回数より多く接種925件(15%)、期限の切れたワクチンの使用671件(11%)など。使用済みの注射器を別の人に使ってしまったなど血液感染のおそれがある重大な間違いも8件あった。

 ミスの件数が最多となった背景について同省は、14年10月から、子どもの水痘ワクチンと高齢者の肺炎球菌ワクチンが新たに定期接種になり、全体の接種回数が増えた影響と見ている。



https://www.m3.com/news/general/472923
こども病院医師、暴行容疑で逮捕 静岡中央署
2016年11月1日 (火) 静岡新聞

 静岡中央署は31日、暴行の疑いで静岡市葵区大岩、静岡県立こども病院の医師の男(39)を現行犯逮捕した。逮捕容疑は同日午後3時半ごろ、同区漆山の同病院敷地内で、同区の建設業男性(42)の頭を平手で殴った疑い。同署によると、容疑者と男性が口論になったという。

 同病院によると、容疑者は小児集中治療科の医長。同日は午後5時から勤務の予定で、病院に出勤してきたところだったという。瀬戸嗣郎院長は「極めて遺憾であり、事実関係を確認した上で、厳正に対処してまいりたい」とコメントした。



http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20161101-OYTNT50297.html?from=ycont_top_photo
群大、医療安全講座設置へ
2016年11月02日 読売新聞

 ◆先端医療センターも新設

 群馬大学は1日、同大病院の手術死問題を受け、来年度から医療安全の教育や研究を行う「医療安全・管理学講座」を設置すると発表した。同病院には「先端医療開発センター」を新設し、難度の高い医療を安全に行える体制を整備する。

 県とともに同病院の医療安全体制の構築などを話し合う第3回協議会で報告した。

 同大によると、医療安全・管理学講座では、医学生などが医療倫理や医療事故の発生メカニズム、安全管理体制の構築などについて学ぶ。県内の他の医療関係者も受講できるようにする。教職員が国内外の大学などで安全管理に関する研修を受けられる制度も設ける。

 一方、同病院に新設する先端医療開発センターでは、最新で難度の高い医療技術や未承認薬を使った医療を、国際標準の安全管理体制のもとで実施できるようにする。

 地域にある他の医療機関の医師らもセンターに集まれるようにし、医療技術などのノウハウを共有し、効率的かつ安全に診療を行えるようにする。

 同大は、病院の管理体制について外部の有識者が検証する改革委員会などから、医療事故の報告が複数部署からあがる仕組みの構築など、改革に向けた様々な提言を受けている。

 こうした提言に基づき、同大は改革の工程表を作成した。その上で、インフォームド・コンセント(説明と同意)の書類の様式を675種類まで増やし、説明を尽くせるようにした。また、医療事故につながりかねない事例の報告が、医師を中心に増加したとしている。

 田村遵一病院長は記者会見で「医療安全体制を整える上で、ここまでやればいいということはない。県や医師会などと連携し、医療レベルの向上に努めたい」と述べた。

 同大の報告を受け、反町敦副知事は「地域医療への貢献も書き込まれており評価できる。病院長や本部役員がリーダーシップを発揮し、病院のガバナンス(統治)が強化されることを期待している」とコメントを出した。

 ◆今後の改革に向けた取り組み

 ▽「医療安全・管理学講座(仮称)」を新設し、国際標準の医療安全教育・研究を実施する
 ▽「先端医療開発センター(仮称)」を設置。難易度が高い医療技術や未承認薬を用いた医療を安全に提供する
 ▽県や県医師会、医療機関などと医師の交流や育成を行い、県全体の医療レベルの向上に貢献する



http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20161101-OYTNT50116.html
新病院暫定的に市営化 
2016年11月02日 読売新聞 滋賀

 ◇野洲市、2段階方式説明

 野洲市は1日、2020年10月の開院を目指す新市立病院について、民間の「野洲病院」の資産・事業を19年7月に引き継いで暫定的に市直営とし、JR野洲駅南口で整備する新市立病院へ移行する「2段階方式」で進める方針を明らかにした。

 同日の第三者委員会(委員長=塩田浩平・滋賀医科大学長、12人)で示した。

 市側は、市や銀行への多額の債務を抱える民間の野洲病院の返済見通しを精査し、残債などが想定より早く軽減できると説明。▽新病院のスタッフを確保しやすくなる▽地域医療が切れ目なく継続できる――などと理解を求め、了承された。

 第三者委は今後、新病院各階の構成などを専門委員会で審議する。(名和川徹)



http://mainichi.jp/articles/20161102/ddm/016/010/003000c
介護・医療保険制度見直し
目立つ利用者負担増 所得・年齢に応じた割合議論

毎日新聞2016年11月2日 東京朝刊

 2018年度の介護報酬、診療報酬の同時改定に向けて、介護保険制度と医療保険制度の見直しが議論されている。年末までに結論を出し、来年の通常国会に関連法案を提出、一部は来年度から実施する予定だ。介護、医療費が増え続ける中、両制度の「整合性」を理由とした負担増の項目が並ぶ。【有田浩子、阿部亮介】

 原則1割の利用者負担(9割は保険給付)で00年に始まった介護保険サービスは、15年度の前回改定で、所得上位20%の層にあたる一定以上の所得のある高齢者(年金収入のみの場合280万円以上)に、初めて2割負担を導入した。

 厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会では今回、医療保険の患者負担割合との均衡を図るなどとして、所得や年齢に応じた利用者負担の拡大が検討されている。

 具体的には2割負担の対象者拡大と、利用者負担が高額になった時に払い戻される「高額介護サービス費」の上限額の引き上げだ。

 ただ昨年8月に2割に引き上げたばかりで、対象者の拡大により中所得層の負担が増すことには与党内に慎重論も強く、2割負担の高齢者のうち現役並み所得者の負担割合を3割にすることも検討する。医療保険では、70~74歳は2割負担に移行中で75歳以上は1割だ。だが年収370万円以上の現役並み所得者についてはいずれも3割となっており、これをモデルとする。
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 高額介護サービス費も、医療保険の「高額療養費」に合わせ現役並みの所得層だけでなく、課税されている一般所得層について月額3万7200円から4万4400円に引き上げることが論点として示されている。

 一方、社会保障審議会医療保険部会では、介護保険との整合性を踏まえた負担増が論点として示されている。

 介護保険では、所得に応じて食費や居住費の補助(補足給付)を行っている。これを参考に、入院患者の預貯金など、金融資産に応じて医療費を負担する仕組みが導入できないかや、前回の介護報酬改定で1日320円の介護施設の光熱水費(居住費)が370円に引き上げられたのにならい、療養病床に入院する65歳以上の医療必要度の低い患者についても引き上げる案が検討されている。金融資産に応じた患者負担については慎重な意見が多く、導入は見送られそうだ。

 両部会とも、所得や年齢に応じた自己負担割合の設定について、容認する意見がある一方、同列に論じるべきではないという意見もある。介護部会では、要介護度の低い人ほど利用者負担を重くすることが論点として示されたが、賛成意見はなかった。

 医療、介護の両サービスを使っている場合にも、自己負担額を合算し上限額を超えれば還付される制度がある。しかし、いずれにしても過度な負担になれば利用を控えるようになり、症状が悪化したり、在宅生活が難しくなったりする可能性がある。両部会の委員からは、家計への影響や高齢者の負担余力について、国が示すデータでは不十分との意見も出ており、低所得者へのきめこまかな配慮などが求められる。
生活援助縮小、論点に

 このほか介護保険では、調理や掃除など生活援助を保険給付から外す案など、サービスの縮小が論点としてあがっている。しかし、前回の改定で先行実施が決まった要支援1、2の高齢者の訪問介護、通所介護を、実際に地域支援事業に移した自治体は、昨年4月から1年半が経過してなお半分に満たない。このまま対象が広がれば混乱を招くとみて、要介護1、2については介護給付に残る見込み。

 ただし、生活援助サービスを実施する人員基準を緩和することなどで新たな担い手の類型をもうけ、介護報酬を引き下げる方向で検討が続いている。

 被保険者については、大企業の社員ほど負担増となる総報酬割りは段階的に実施される方向だが、介護保険料の支払いを40歳未満にも求めることは見送られそうだ。

 医療保険では後期高齢者制度で低所得者の保険料を最大9割軽減している特例の廃止を17年度から実施予定。ただし現在の月額平均380円から、年間にすると1万円程度新たな負担が発生するため「混乱のないように進めるべきだ」との注文がつく。かかりつけ医以外を受診した場合の定額負担なども検討されているが、「かかりつけ医」の定義がはっきりしないことから見送られる公算が大きい。

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 おおむね実施が固まったのは、介護職員の待遇改善(月1万円)▽事務負担などが課題だった要介護認定の更新期間の延長(2年から最大3年)▽超高額薬オプジーボの価格引き下げ--などだ。
社会保障給付費 25年度に148兆円、15年度比20%増

 厚生労働省が行った社会保障給付費の推計によると、2025年度は148・9兆円に達する見込みで、15年度より20%以上増加する。中でも介護給付費は、25年度には19・8兆円と15年度に比べ2倍近くに増加することが見込まれる。医療の方も54・0兆円と40%近く増える見通しだ。

 これは、前後の世代に比べ人数の多い団塊の世代が、25年には全員75歳以上となるためだ。国民の4人に1人が75歳以上という超高齢社会を迎え、増大する医療や介護費用への対策は急務だ。

 このため保険料の引き上げも必要で、65歳以上の介護保険料は15~17年度は全国平均で月額5514円となっているが、25年には8000円を超えると見込まれている。




http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49923.html
出来高手術実施、包括ケア患者の1割未満- 地域包括ケア病棟協会の会員調査
2016年11月01日 21時00分 CB News

 急性期治療を終えてリハビリテーションが必要な状態の患者や、在宅療養中に急性増悪した患者らを入院させる病院の「地域包括ケア病棟」で、入院患者に手術(「短期滞在手術」を除く)を行ったケースが1割に満たないことが、「地域包括ケア病棟協会」(仲井培雄会長)の会員調査で明らかになった。【佐藤貴彦】

 地域包括ケア病棟は、病院の役割分担を進める上で、急性期治療後の患者を受け入れる「ポストアキュート」機能や、在宅療養中に急性増悪した患者を受け入れる「サブアキュート」機能などを果たす病棟が必要になるとして、2014年度の診療報酬改定で創設された。

 当初、手術や麻酔を含め、ほとんどの医療サービスが定額の入院料に含まれていたが、今年春の改定で、病院が手術・麻酔の診療報酬を、入院料と別に出来高で算定できるルールに見直された。この見直しは、同病棟の「サブアキュート」機能を強め、手術が必要な状態の患者の受け入れを促すためのものだ。

 地域包括ケア病棟協会は8月22-31日、今年春の改定の影響などを調べるため、地域包括ケア病棟を持つ会員病院の実態調査を実施。地域包括ケア病棟から退院・転棟した1132症例について調べ、同協会のホームページで「中間報告」として結果を公表している。

 それによると、入院中に手術を行い、その報酬を入院料と別に出来高算定したのは80症例(7.1%)で、そのほかに70症例(6.2%)で「短期滞在手術」を実施していた。入院中に「短期滞在手術」を実施した患者には原則、地域包括ケア病棟の入院料を算定できない。

■改定後、「サブアキュート」の割合に変化

 また同協会が、地域包括ケア病棟の機能別の症例数を調べたところ、分類できない20症例を除く1112症例のうち、「ポストアキュート」は706症例(63.5%)、「サブアキュート」は137症例(12.3%)だった。

 昨年秋の状況を調べた前回の会員調査で、「ポストアキュート」の割合が68.8%、「サブアキュート」の割合が9.9%だったのと比べると、今年春の改定後、「サブアキュート」機能がより発揮されていると言えそうだ。

 また今回の調査では、入院患者に対して看護職員数が手厚い看護配置「10対1」以上の一般病棟がある病院と、そうでない病院とに分けて、地域包括ケア病棟の機能別の症例数を集計している。その結果、「10対1」以上の病棟がある病院は、「ポストアキュート」の割合が71.4%で最も高く、「サブアキュート」は6.6%だった。これに対し、「10対1」以上の病棟がない病院では、「サブアキュート」(34.6%)が「ポストアキュート」(32.9%)を上回った。


  1. 2016/11/02(水) 06:23:26|
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