Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月24日 

https://www.m3.com/news/general/470316?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161024&dcf_doctor=true&mc.l=185187165&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
「精神指定医」不正取得で数十人処分へ…厚労省
2016年10月24日 (月) 読売新聞

 精神障害者の強制入院などを判断する「精神保健指定医」の資格を不正に取得したとして、厚生労働省は全国の数十人の医師について、資格の取り消しなどの処分を行う方針を固めた。昨年、聖マリアンナ医大病院(川崎市)で発覚した不正取得問題を機に、同省が調査していた。26日に開かれる医道審議会の専門部会に諮り、答申を踏まえて最終決定する。

 同省によると、聖マリアンナ医大病院では、実際には診察していない患者の症例を使い回し、組織的に虚偽リポートを提出していたことが発覚。同病院の医師11人と、指導役の指定医(指導医)12人の計23人の資格が取り消された。

 事態を重くみた同省は、2009~15年に資格を取得した計約3500人について調査。保管していた症例リポートと患者のカルテなどを照合し、計約100人の指定医から事情を聞くなどした結果、数十人が十分な診察をしていない患者の症例リポートを提出していたと判断した。事情聴取の対象になったことを知り、自主的に資格を返上した医師もいるという。

 指定医は、患者の意思に関係なく強制的に入院させる措置入院や、医療保護入院を判断できる精神科医。精神保健福祉法は、指定医として著しく不適当と判断した場合は、資格取り消しや職務停止を命じることができると定めている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/468076
地域医療構想が先、報酬は「下支え」- 迫井正深・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.2
DPCは軌道修正、「在るべき医療」目指す体系に

2016年10月24日 (月) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先ほど「フレームワーク自体を見直さなければいけない」という話があり、薬価制度のほか、DPCを挙げられました。

 DPCの調整係数(編集部注:診療報酬改定前年度の医療費実績の一部を担保するための医療機関別の係数)については、機能に応じた評価への変更が求められ、2010年度改定で調整係数を段階的に廃止する方針が決まり、2012年度改定から調整係数の機能評価係数IIへの置き換えが進められています(『DPC、調整係数の廃止期限変更、2018年度まで』などを参照)。

 だから本当は次のステージに向けた議論をしなければいけないのですが、個別の機能評価係数の議論が中心になっているように見えるのが、残念です。

 DPCでは、I群(大学病院本院)、II群(本院に準じる病院)、III群(それ以外の病院)に分けて、各群を報酬設定の単位としています。群ごとに、医療機関が目指すべき、あるいは追及している医療の在り方が異なる前提であり、各群の機能を報酬でいかに評価するかが、DPCのもともとの発想です。DPCは、医療機関の機能分化と連携を推進する一助にもなるように設計している枠組みです。

 大学病院本院をはじめ、特定機能病院に代表される施設で目指すべき医療とは何か。その一方で、地域医療中心の施設もある。各群に属する医療機関の特性を、機能評価係数に反映させるような評価の仕方を、次のステップとして進化させる必要があります。

――今は各医療機関が担っている機能を評価する点数設定に重点が置かれ、本来、果たすべき役割を考え、それに向けて進むような設定にはなっていない。

 はい。今は、「この病院はこんな医療をやっているにもかかわらず、評価として反映されていないから、機能評価係数をこう直すべき」といった議論になってしまっています。「DPCとは何か」というメッセージを十分に発信しきれていなかった、現場に伝える努力が不足していた反省があると思うのです。

 日本の医療システムの中の保険医療機関として、DPC病院が果たすべき役割は何か、目指すべき医療が先にあり、それをいかに評価するかという議論を進めていきたい。

――DPCは今、3群に分かれています。それぞれが目指す役割を踏まえ、3群の分け方自体を変える必要もあるのでしょうか。

 それも「変更ありき」の議論ではありません。「群によって、報酬単価が本来変わり得る」という設定で、分けています。各群で、求められている医療を明確にして、それに沿って報酬を設定する。結果として、今と同じ群分けでいいならそのままであり、進化させるなら進化させる、ということなのだと思います。

――今、各都道府県で地域医療構想の策定が進められています。構想とDPC病院は、どのように関連してくるのでしょうか。

 その点は、(迫井氏の前職の厚労省医政局)地域医療計画課長時代にもよく聞かれたことです。

 その時の経験も踏まえて今、強く感じているのは、「医療提供体制は、各地域でそれぞれ構築していく以外にはない」ということ。「日本の人口の高齢化はものすごいスピードで進展し、高齢者のケアニーズが高まっている」といった話は、マクロ的にはいいでしょう。

 しかし、地域包括ケアシステム、地域医療構想など、「地域」という言葉を付けているのは、「地域差があるという前提で物事を考えないと、リアリティーがない」という発信なのです。地域医療構想は、地域の医療関係者が集まって、在るべき姿を考えて、皆でそこに向かっていく取り組みです。

 言い換えれば、「共倒れや過当競争はやめていただきたい。そんな余裕は今の日本にはない」ということ。無駄の排除も含めて、効率的な医療を皆で提供してください、という大事なフレームワークが地域医療構想であり、「どの病床を削るか」といった話では、決してありません。

 地域医療構想は、地域でしっかり運用して、動かして使ってもらうことに意味があります。地域で話し合った結果が、報酬で裏打ちされることが重要なのであり、地域の実情を全然考えずに、霞が関で設定した診療報酬が誘導することは、地域医療構想のコンセプトにはありません。「経済誘導ありき」で地域の医療を形作るわけではないのです。

――その辺りは難しいかと思います。「地域医療構想と診療報酬の連動」という議論があり、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの医療機能について、どのように診療報酬で評価するのか。「下支え」とはどんな意味になるのでしょうか。

 「連動させるかどうか」は、イエス、ノーで答えられるような話ではありません。医療機関の機能や特性を大きく4つに区分し、その4つの特性に沿った報酬を設定することは、必要だと思います。「連動するから、問題だ」という話にはならないと思います。

 各地域で、それぞれの医療機関が機能を選択して、お互いに連携していくのに、「報酬が付いていかず、ペイしないから、その機能を担いません」となれば、それは報酬が足を引っ張っている話であり、そうならない報酬設定を目指します。これも「連動」に当たるでしょう。

 けれども、診療報酬の設定が先になり、地域の実情を全く勘案せずに、マクロ的に見て、平均在院日数を短縮したり、特定の機能の病床が多いから絞り込むといった話が先行して、地域医療構想が振り回される仕組みにはなっておらず、またそれをやってはいけません。この意味では、「連動」しません。



http://www.nishinippon.co.jp/feature/attention/article/284174
地方の勤務医 過重労働 宮崎県立全病院で「違法当直」
2016年10月24日 17時35分 西日本新聞

 宮崎県内の県立3病院全てで、医師が夜間や休日の当直時に労働基準法が定める業務内容を超えて診療に当たっていることが、西日本新聞の取材で分かった。本来、軽度な業務を行う当直時に、通常業務と同様に救急患者に対応するなどしており、日勤から翌日の日勤まで長時間勤務に就いていた。勤務医の過重労働は医療事故につながると以前から問題視されてきたが、地方の中核病院でも医師不足から違法状態を解消できないでいる実態が浮き彫りになった。

 県によると、3病院のうち県立宮崎病院(宮崎市)では2015年度、当直医は1日3人で、夜間の午後5時から翌日午前8時まで1日平均11・2人の救急患者の診療に当たっていた。延岡病院(延岡市)は当直医2人で同9・5人、日南病院(日南市)は1人で同4・9人だった。

 労働基準法では、当直業務は病棟巡回など軽度な内容に限定している。だが、3病院の当直医は、救急患者の診療など事実上の通常業務をこなし、翌日も日勤する30時間超の連続勤務だったという。宮崎病院は10年、夜間や休日の勤務が過重として、労働基準監督署から当直と認められず、通常業務と見なされたという。解消に有効とされる交代制勤務の導入は、医師不足で実現できない状態だ。

 3病院は労使協定で、医師の時間外労働の上限を月間70~80時間とすることで合意しているが、「手術時などは時間外労働が協定を上回る」(病院関係者)こともあるという。

 厚生労働省は宮崎の実態を「労基法違反の恐れがある」と指摘。同県病院局は「違法性は認識しているが、救急対応などで続けざるを得なかった。交代制勤務の導入は医師の大幅増員が必要で難しい」としている。

 ●国も“黙認” 是正が急務

 勤務医の労働組合「全国医師ユニオン」によると、医師が労働基準法や労使協定を超えて働く実態は、宮崎県に限らず全国的傾向で、事実上黙認されているのが実情だという。

 「当直時、多い日は一晩で救急車が10台来た」。宮崎県立病院に勤務経験のある50代の男性医師は打ち明ける。地方の病院では医師不足のため夜間や休日に急患対応で呼び出されることも多く、「知人の医師には、地方勤務を敬遠する人もいる」。別の30代男性医師は「当直明けの手術は危ないと思うが、労働基準法を守っていては医療現場は回らない」と漏らす。

 ユニオンの植山直人代表は「医療の必要性から国は違法労働を黙認し、病院も医師不足で勤務医に長時間労働をさせざるを得ない。悪循環だ」と訴える。

 国は医師不足解消策として2008年度以降、医学部定員を約1600人増員したが、厚生労働省の有識者会議は人口減少で将来は医師が余ると試算しており、増員措置がいつまで続くかは不透明な状況だ。

 大阪大大学院の水島郁子教授(労働法)は「このまま当直勤務を前提とする働き方を維持できるかは疑問。国は病院行政の強化と医師偏在の是正を、責任を持って行うべきだ」と指摘する。

この記事は2016年09月29日付で、内容は当時のものです。



http://www.medwatch.jp/?p=10910
総合診療医の養成に向け、プロジェクトチーム発足へ―日病・堺会長
2016年10月24日|医療・介護行政をウォッチ Med Watch

 総合診療医が不足している状況に鑑みて、日本病院会では日本赤十字社や済生会などと連携し、総合診療医の養成に向けたプロジェクトチームを発足させる―。

 日本病院会の堺常雄会長は、24日に開いた定例記者会見でこのような方針を発表しました。22日の常任理事会で固められたものです(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら/a>とこちら)。

 ただし、総合診療医は、新専門医制度の下にある「総合診療専門医」とは直接リンクしたものではなく、病院において「総合的な診療に携わる医師」というイメージです。今後のプロジェクトチームの動きが注目されます。

ここがポイント!
1  すでに臨床現場で活躍する医師を対象に、総合診療能力を高めてもらうことが目的
2  新専門医について役員病院にアンケート、2020年まで延期し課題解決求める声も多数


すでに臨床現場で活躍する医師を対象に、総合診療能力を高めてもらうことが目的

 22日に開かれた日病の常任理事会では、医師の需給や医師の教育をテーマとした議論が行われ、その中で「総合診療医が足りない。日赤や済生会などでは、自前で総合診療医を養成する動きがあるようだ。日病でも養成をしていくべきではないか」との声が多数出され、委員会やプロジェクトチームの発足が決まりました。

 堺会長は「養成に向けた素案はまだないが、総合診療専門医を指導する総合診療医が地域にいないと思う。すでに指導医向けの講習会なども行われており、それが日病でも実施できないか、日赤や済生会などの会員病院とも連携して検討していきたい」との考えを24日の会見の席で述べています。

 もっとも、「日病の会員病院が取り組みやすい形としていきたい」とも堺会長は述べており、家庭医療専門医などの養成を行っている日本プライマリ・ケア連合学会などと連携した「総合診療専門医の養成」に乗り出すかどうかは現時点では未定です。堺会長は「初期臨床研修を終え、これから総合診療専門医を目指す医師を対象とするのではなく、すでに会員病院などで活躍し、総合診療に携わりたいと考える医師を対象に、総合診療の能力を高めてもらうほうがよいのではないか」とのイメージも語っています。

新専門医について役員病院にアンケート、2020年まで延期し課題解決求める声も多数


 また24日の会見では、「新たな専門医の仕組みに関するアンケート」集計結果も発表されました。これは、日病の役員病院(79病院)を対象に緊急に実施されたもので、67病院が回答しています。結果を眺めると、次のような状況が明らかになっています。

▼初期臨床研修に基幹型・基幹型+協力型として参加しているのは48病院・71.6%

▼現在、後期研修医の研修を行っているのは53病院・79.1%

▼基幹施設として新専門医制度の研修プログラムを提出したのが37病院、連携施設として研修プログラムを提出したのが50病院

▼新専門医制度の開始延期には44病院・65.7%が賛成(開始時期は、日本専門医機構で決定された「2018年から」が22病院・33.8%、「19年から」が13病院・20.0%、「20年から」が30病院・46.2%)

▼研修プログラム、研修施設認定の仕組みに「問題あり」と考えているのが42病院・63.6%(大学病院などへの集中、認定のハードルが高い、地域・診療科偏在が是正するなどの理由)

▼新専門医制度の改革のみで地域・診療科偏在が軽減できると考えているのは32病院・47.8%にとどまり、半数超(35病院・52.2%)は「軽減は不可能」と考えている

▼新専門医制度へのマッチング導入については、賛成が34病院・51.5%

▼専攻医の給与について、連携施設での勤務中は「初月から連携施設が支払うべき」と考えるのが48病院・71.6%

▼総合診療専門医の養成期間3年について、「2年間を総合診療専門医全般の研修、残り1年は家庭医、病院総合医などの研修に充てるべき」との考えが23病院・34.3%、「3年間すべてを総合診療専門医全般に充て、家庭医・病院総合医などの研修はサブスペシャリティとすべき」との考えが19病院・28.4%、「家庭医・病院総合医などに区分すべきでない」との考えが15病院・22.4%

▼総合診療専門医の養成数について、「専門医全体の1割程度」との考えが24病院・36.9%、「2割程度」との考えが16病院・24.6%、「3割程度」との考えが18病院・27.7%

▼基本19領域でのダブルボードを認めるべきとの考えが46病院・68.7%

▼専門医資格と標榜科の関係について、「専門医を取得した診療科のみを標榜できるようにすべき」との考えが36病院・53.7%、「自由標榜」(現行どおり)が17病院・25.4%

▼専門医資格を診療報酬で評価すべきとの考えが27病院・40.3%

 このように、日病の役員病院間でも新専門医制度については見解が大きく異なっている部分もあります。日本専門医機構では、基本問題検討委員会を立ち上げ、総合診療専門医やダブルボード、基本領域とサブスペシャリティ領域との関係などをこれから再整理していく考えですが、議論すべき課題は山積しています。こうしたことから、上記にあるように、「2020年まで新専門医制度の一斉スタートを延期すべき」との声が少なくないのでしょう。

 また、今回のアンケートでは日本専門医機構に対して「学会の移行に沿った方向になりつつある」「オールジャパンというが、このままでは同じ轍を踏むことになる」といった厳しい意見も出されています。この点について堺会長は「日本専門医機構の出す情報と、医療現場が受け取る情報との間にギャップがあるのではないか」と見ており、日本専門医機構からのさらなる情報提供が期待されます。

 なお、日病に対して「積極的に発言していくべき、制度設計から関わるべき」とのエールが多数ある一方で、「日本の病院の将来を構築する視点での検討会がない。存在価値が問われる」という非常に厳しい意見も出されており、堺会長は「真摯に受け止めたい」とコメントしています。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49868.html
日病、病院総合医に関する検討の場を設置へ- 公的病院などとも連携
2016年10月24日 20時00分 CB News

 日本病院会(日病)の堺常雄会長は24日、記者会見を開き、病院総合医について内部で検討する場を新たに設けることを明らかにした。今後、委員会を立ち上げ、日本赤十字社や済生会、厚生連などとも連携しながら、病院の医師を有効に活用するための方策などを話し合う方針だ。【敦賀陽平】

 病院総合医をめぐっては、独立行政法人「地域医療機能推進機構」(JCHO) が先月、「JCHO版病院総合医」の育成プログラムを来年春に開始することを明らかにしている。

 22日に開かれた理事会では、「自前で総合医を育成する動きがある中、日病として何もしないのか」といった声が上がり、出席した理事全員が、内部に検討の場を設けることで一致したという。

 堺会長は会見で、「現在病院にいる人の活用から考えたい。新たに専攻医(研修医)になる人に、『入りなさい』というわけではない」と述べた。

■新専門医制度の開始、「20年以降」が最多

 堺会長はまた、日病の役員が所属する病院を対象に行った新専門医制度に関するアンケート調査の結果を公表した。新制度の導入が医師の地域や診療科の偏在の解消につながるかどうか尋ねた質問では、「不可能」と回答した病院が全体の52.2%を占め、開始時期については、「2020年以降」(46.2%)が最多だった。

 新制度の開始時期の延期に関しては、「賛成」が全体の6割超に達し、その理由を複数回答で聞いたところ、大学病院などに研修医が集中することを懸念する病院が47施設で最も多かった。また、研修医と受け入れ先の病院の希望を事前にすり合わせる「マッチング」の導入については、「賛成」が半数超を占めた。

 また、専門医と診療科の関係について尋ねた質問では、現行の自由標榜制ではなく、専門医資格の診療科の標榜に限定するよう求める病院が半数超に達し、資格の取得者が働く医療機関は「診療報酬上で評価すべき」と回答した病院が40.3%でトップだった。

 調査は先月末から約10日間にわたって行われ、67病院から回答を得た。医療法人などの民間病院が回答全体の約4割を占め、400床以上の病院が半数超だった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/470437
日病が「総合診療医」養成を検討
「シニアグループ」対象で、総合診療専門医とは住みわけ

2016年10月24日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会の堺常雄会長は10月24日の定例記者会見で、総合診療医を養成するための検討会やプロジェクトを会内に立ち上げる考えを示した。22日に開かれた理事会での議論を報告した。

 理事会では専門医の在り方が問題となり、「足りないのは、総合診療医や総合診療を教える医師」との声が多く出たという。日病としても養成に取り組む必要があるとの意見が出され、「挙手をしたらほぼ全員」(堺会長)となった。既に会員病院の日本赤十字社や済生会病院、地域医療機能推進機構(JCHO)などでは自前で養成しようという動きがあることから、日病としても連携して講習会等を開催する考え。

 新専門医制度で19番目の専門医と位置付けられる総合診療専門医との違いについて、堺会長は「総合診療専門医は初期臨床研修が終わってこれから専門医になる人。こちらは既に医師として活躍していてやってみたいという人や適性がある人で、シニアグループ。すぐに活躍できる人を考えている。新たに専攻医になる人をこちらに呼び込むというものではない」と説明した。時期にはついては「できるだけ早くやりたい」としつつ、未定とした。

 また、理事会での厚生労働省の医師需給分科会に関する議論についても報告した。堺会長は「医師を(現状以上のペースで)増やせる状況なら増やしてほしいが、今後は病院が少なくなることが想定され、7対1病床も厳しい状況で無条件に増やせるのかなという懸念がある」とし、地域や診療科の偏在対策が重要になると指摘。考え方の視点として(1)専門医制度を含む医学教育、(2)医療計画、(3)保険医、管理者要件――の3点を挙げた上で、医師需給分科会と厚労省の「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の関係について、「そんなに違いはないと思うが、どういう関係になるのか見えないのが苦労するところ」とコメントした。

 地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏が提案している保険医登録を2段階に分け、保険医療機関の管理者になるためには、「医師不足地域への一定期間勤務を要件」とする案については(『診療科別の「専攻医研修枠」、JCHO尾身氏が提案』を参照)、「プロフェッショナルフリーダムを認めると同時に地域のニーズに応える義務があるとしており、まさにその通りだと思うが、最近なかなか難しいのはそのようなことを忘れがちで、自分の権利を主張する傾向が強い気がする。その辺りを考慮する必要がある」との見解を示した。



http://univ-journal.jp/10189/
文部科学省が医学部定員を18人増やす計画を発表
2016年10月24日大学ジャーナルオンライン

 文部科学省は、2017年度に国立の長崎大学と埼玉医科大学など私立4校合わせて医学部定員を計18人増やす計画を明らかにした。これとは別に国家戦略特区の千葉県成田市で国際医療福祉大学の医学部新設が認められており、国内医学部の総定員は9,420人になる。

 文科省によると、定員増を申請したのは、長崎大学2人、埼玉医科大学1人、順天堂大学7人、日本医科大学2人、川崎医科大学6人。

 文科省は地方の医師不足を解決するため、2019年度まで一定の定員増を認める方針。私立大4校が申請した計16人分の増員は、松野博一文科相から大学設置・学校法人審議会に諮問された。長崎大学分とともに同審議会の意見を求める。

 文科省は医学部の定員枠を徐々に拡大しているが、地方や一部診療科の医師不足は依然深刻なままで、医師の偏在が大きな社会問題に浮上している。2年間の臨床研修が2004年に必修化されるまで、大学病院での研修者は卒業生全体の7割を占めていたが、2016年度も42.6%と低水準にとどまっている。多くの卒業生が研修先に都会の病院を選び、大学へ戻らなくなったからで、呼び出しや緊急手術、残業を嫌う最近の若者気質も一部診療科の医師不足に拍車をかけている。

 今回の定員増はそうした傾向に歯止めをかけようと計画したものだが、どこまで効果があるかは疑問とする声も医療関係者らから上がっている。

参考:【文部科学省】平成29年度からの私立大学医学部の収容定員の増加に係る学則変更認可申請一覧



http://www.huffingtonpost.jp/hideki-komatsu/fukushima_medicalschool_b_12614528.html
福島県立医大は専門医の育成機関として適格か
小松秀樹
投稿日: 2016年10月24日 15時24分 JST 更新: 2016年10月24日 15時24分 JST ハフィントンポスト

日本人は、行政による一元支配を好む。しかし、一元支配は民主主義と相性が悪い。権力の乱用を防止して、民主主義を守るためには、権力が一つの機関に集中するのを避ける必要がある。立法、行政、司法の三権分立は最も有名なチェック・アンド・バランスの方法であるが、権力分立の概念とそれが必要とされる範囲は広い。

地方自治が行われるのは、中央政府と地方の利害が必ずしも一致しないからである。日本国憲法92条は、住民の意思によって地方自治を行い(住民自治)、中央政府に対抗すること(団体自治)でチェック・アンド・バランスを期待している。
民間でも、個人や法人が複数の機能と権限を持つと、しばしば権利の侵害が常態になってしまう。

教える側と教えられる側の権威勾配を当然とする日本の習慣は、教育者の被教育者に対する権利侵害を許容し、あるいは、被教育者の進歩を抑圧しがちである。とりわけ、教育と人事権を単一の組織が担うと人権侵害が生じやすい。日本には、徒弟に伴う人権侵害の歴史がある。このため、労働基準法は「徒弟の弊害排除」について規定している。

第69条 使用者は、徒弟、見習、養成工その他名称の如何を問わず、技能の習得を目的とする者であることを理由として、労働者を酷使してはならない。

悪名高い日本の外国人研修制度も、研修ということばが人権侵害を促進した側面がある。この制度は安価な労働力確保のために利用されることが多く、パスポート取り上げ、時間外労働、補償金・違約金による身柄拘束、最低賃金法違反、性暴力など人権蹂躙が頻発した。追い詰められた外国人労働者による殺人事件まで発生している。アメリカ国務省の人身売買に関する年次報告書に記載されるなど国際的に問題にされている。

●「生きがいと価値の提示」と「医局の命令」

南相馬市では、原発事故後、医師、看護師など医療従事者の半数が離職した。南相馬市立総合病院では医師数が、震災前の12名から4名にまで減少した。福島県立医大の医局から派遣された医師が、相双地区の病院を離職し、福島県立医大、あるいは、他の地域の関連病院に異動したり、福島県立医大の医局そのものを辞めて、他県に異動したりした。

南相馬市立総合病院は、初期研修を行う臨床研修病院になることと、魅力的な活動の実施と発信によって全国から医師を確保しようとした。現在、南相馬市立総合病院の医師数は震災前の2倍をはるかに超えた。集まっている医師の大半は県外出身である。浜通りに医師を集めるのに、「生きがいと価値の提示」が「医局の命令」より有効だった。

●医育機関と人事権

南相馬市立総合病院には初期研修医が集まり続けている。その中の一人、山本佳奈医師が、産婦人科医として南相馬に残ることを決意した。南相馬で研修できるのか。福島県には、産婦人科の研修基幹病院は福島県立医大病院しかない。彼女はふくしまこども女性医療支援センターの高橋俊文教授に問い合わせた。高橋教授は産婦人科医であり、福島県立医大病院の産科・婦人科にスタッフとして名前を連ねている。

高橋教授からの返事によれば、産婦人科の専門医制度では、研修基幹病院とその協力病院での研修だけが研修期間として認められる。決定的なのは、人事権である。「南相馬の産婦人科は単独では専攻医(筆者注 専門医研修プログラムで研修を受ける医師)はとれない施設です(現在および将来も)。福島県立医科大学の研修プログラムで派遣されるのであれば可能という解釈でいいと思います。しかし実際は産婦人科が1名しかいない病院に専攻医を派遣することはありません。もしあっても1~3ヶ月以内の短期でしょうね。」

研修基幹病院が専攻医の人事権を持つ。専攻医に選択権を認めていない。これでは従来の医局と同じか、もっと悪い。専攻医に隷属を強いる制度である。

従来、日本の多くの病院は、医師の供給を大学の医局に求めてきた。医局は、今も日本の最大の医師紹介機関である。医師の派遣主体は、大学ではなく、個々の医局である。医局は、自然発生の排他的運命共同体であり、法による追認を受けていない。この意味でやくざの組織に似ている。派遣病院は縄張りとして、医局の支配下にあるものとみなされる。

医局出身者以外、あるいは別の大学から院長を採用したり、他の医局の医師を採用したりするだけで、医師を一斉に引き揚げることがある。全国で、医師の供給を大学だけに求めてきた病院が苦境に陥っているのは、医師にとって魅力的な病院にするための努力が欠如していること、医局員の数がニーズに対し相対的に減少したことに加えて、医局が医局外の医師の参入障壁になっているためである。

●制度の多様性

筆者は1974年、大学の泌尿器科医局に入ったが、大学では、合理性より、古めかしい因習が重んじられていた。大学病院には最初の1年だけしか勤務しなかった。自分で自分を鍛える方法を選択できる環境を求めて努力した。患者数が多く、合理的な議論が可能な病院を渡り歩いた。

手術では患者の生命が奪われることがある。筆者は、手術を怖いと思うと同時に、当時の日本の水準を受け入れたくなかった。手術水準の向上の契機を、泌尿器科以外の外科系診療科と世界に求めた。大量の手術書と論文を読んだ。泌尿器科のみならず、消化器外科、血管外科、甲状腺外科、産婦人科の手術書は筆者の愛読書だった。

アメリカ、ヨーロッパの高名な泌尿器外科医の手術を観察させてもらった。教えを乞うのではなく、世界最高水準とされる人たちの技術と考え方を、自分の目で見て、評価するのが目的だった。良い点もあったが、悪い点も目についた。自分の到達点を確認することができ、努力の方向に確信が持てた。

未来に向かって医療は変化する。新しい手術や新しい考え方を導入し、発展させるのは30代の若い医師である。50代、60代の教授の出番はない。指導者は必ずしも必要ではない。指導者より環境がはるかに重要である。専門医研修を受ける医師の能力、望ましい専門医像は多様である。当然、教育環境も多様であるべきである。将来の医療の進む方向を変に固定させないためにも、専門医制度自体が複数あった方が望ましいし、国家権力からも独立しているべきである。

●人事支配による経済的利益と医師の参入障壁

大学病院が、医師の人事を支配することは、大学の権力拡大のみならず、経済的権益にもなる。

福島県立医大の地域産婦人科支援講座は、いわき市の寄付講座である。2014年1月1日に設置された。いわき市からの寄付額は年間5000万円。2014年1月1日から3月31日までについては、1名の産婦人科医師が磐城共立病院に派遣されていた。ただし、この1名はそれまで磐城共立病院に在職していた医師だった。2014年4月1日以後、寄付講座からの常勤医派遣数が1名増えて、2名になった。医局員を寄付講座から派遣すること、すなわち、医師の人事を支配することで、大学と産婦人科学講座は利益を得ている。

寄付講座は参入障壁としても機能する。寄付講座が支配する診療科で、寄付講座に所属する医師と、外部から参入した医師が同等に扱われると誰も思わないからである。

いわき市の税金が、福島県の税金を使って設立されている大学病院に吸い上げられている。福島県の税金を使って設立されている大学病院によって、磐城共立病院の医師調達コストが高騰した。福島県の税金を使って設立されている大学病院が、磐城共立病院への産婦人科医の参入障壁になっている。

●「中間搾取の排除」

いわき市は、寄付講座が学問的業績を挙げるのを支援するために寄付したのではない。医師派遣への見返りである。素直に見れば、寄付講座の収入は本来、磐城共立病院に派遣された医師の労働の対価に含まれるべきである。派遣された医師側からみると、自分の給与の一部が県立医大に吸い上げられている。

労働基準法はこうした問題も想定して、「中間搾取の排除」を規定している。

第6条 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。

寄附講座は法に基づいていたとしても、中間搾取に相当しかねない危うい制度である。筋の悪い制度であることは間違いない。

●病院の専制支配

さらにひどい話がある。震災前、南相馬市立総合病院から、心臓カテーテルなどの技術を持った循環器内科の医師が、福島県立医大の医局に引き揚げられ、地域の急性心筋梗塞患者に対処できなくなった。困った院長が、県外の病院に医師の派遣を依頼した。赴任してくれる医師が見つかり、話がまとまったところで、福島県立医大の医局から横やりが入った。医師を引き揚げるが、他から採用することはまかりならぬという。南相馬市立総合病院はこれに従った。

福島県の税金を使って設立されている大学病院の循環器内科が、南相馬市立総合病院への循環器内科医の就職を妨害した。

筆者はこの件について、2012年、メールマガジンMRICに「医師参入障壁としての医局: 医師を引き揚げるが、他から採用することは許さない」と題する文章を投稿して批判したが、福島県立医大からは何の反応もなかった。明らかな不祥事であるが、福島県立医大は不祥事として処理していない。反省していないので、今後も同様のことが生じる。

南相馬市やいわき市の住民は、福島県立医大から被害を被っている。県民として異議を申し立てる正当な理由がある。
福島県立医大病院は、様々な人事上の問題を引き起こしてきた。専門医制度が人事権をもつとすれば、福島県立医大病院は、専門医制度の研修基幹病院として不適格である。

●専門医制度は専門医の育成に特化すべし

福島県の状況は、単一の機関が専門医教育と人事権を地域で独占的に持つと、専制を招き、結果として、医師の権利を侵害し、地域の病院と住民に不利益をもたらすことを示している。専門医の育成と人事権を分離して、専門医制度は専門医を育成することに特化すべきである。研修の質を高め、日本の医療の質を高めるためには、基幹病院と協力病院の紐づけをなくす必要がある。専攻医の発意と病院との合意で研修先を決めるべきである。

ドイツの職人が全国を渡り歩いて技術を高めるように、医師も自らを高めるために、それぞれの目標をもって全国を歩けばよい。世界を歩けばよい。各病院は、研修環境を改善し、医師のモチベーションを高める努力をしなければならない。基幹病院による専制支配からは、質の高い研修は生まれない。未来の医療は生まれない。

(2016年10月24日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)



http://www.qlifepro.com/news/20161024/national-medical-data-integration-in-people.html
厚労省「PeOPLe」-既往歴、服薬歴を一元管理、国民の医療データ統合へ
2016年10月24日 AM11:00  QLifePro

厚生労働省は、健康な時から病気や介護が必要な状態になるまでの国民の基本的な保健医療データを統合した情報基盤「PeOPLe(ピープル)」を整備し、2020年度を目標に段階的に運用を開始し、25年度までに本格運用をスタートさせる予定。薬剤師や医師などの医療専門職が服薬歴や既往歴を把握し、効果的な治療法を提案できるようになるほか、全ての患者や国民もアクセスでき、活用できる開かれた情報インフラとして健康管理などに活用してもらう狙いだ。

塩崎恭久厚生労働相の私的懇談会「保健医療分野におけるICT利活用推進懇談会」が提言をまとめた。情報基盤“ピープル”は、性別や年齢などの基本情報や既往歴、服薬歴、アレルギー、副作用等の患者データを統合し、医療用のIDを活用して管理するというもの。データは薬剤師や医師などの医療専門職が共有することにより、過去に処方した薬を把握して効果的な治療法を提案できるようになるほか、処方された後発品について効果があったかどうか判断することや、在宅医療の現場で医師、薬剤師、看護師など医療者間の情報共有を円滑にし、効率的できめ細かな対応ができるとしている。

救急搬送時や災害時に、かかりつけではない医療機関を受診した場合や発作などで患者本人が意識を失っているケースでも、データベースに蓄積されている患者情報をもとに最適な治療が受けられるようになる。患者自身もデータベースである“ピープル”にアクセスできるようにすることで、病気を予防するための生活習慣など、健康管理に役立つ情報を提供する。ただ、個人情報を取り扱う観点から“ピープル”への参加には本人の同意が必要としている。

また、統合したデータを産官学が活用できる「データ利活用プラットフォーム」も同時に整備する。製薬企業や研究機関、自治体などの利用者のニーズに応じて、データを匿名化して提供する。

利用者には、人工知能(AI)を活用してデータの質向上や効率化を行い、革新的創薬の実現や医薬品の安全対策などの成果として、社会に還元してもらう考えだ。



https://www.rodo.co.jp/news/7779/
産業医制度見直し 保健チーム形成し多様化に対処 厚労省が検討会報告書
2016.10.24【労働新聞】

 厚生労働省は、「産業医制度の在り方に関する検討会報告書」(案)をまとめた。

 過重労働、メンタルヘルス、疾病治療と職業生活との両立など健康確保対策の多様化に対応するため、産業医を始め歯科医師、看護職、衛生管理者、心理職などが産業保健チームを形成し、連携して取り組む必要性を訴えている。医師による面接指導を充実させる方策として、対象労働者の業務に関する情報提供を事業者に義務化すべきと提言した。…



https://www.m3.com/news/iryoishin/470462
シリーズ: 医師不足への処方せん
「医師不足地域での勤務」、保険医療機関の責任者の条件
NPO法人「全世代」私案、塩崎厚労相にも説明

2016年10月24日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 NPO法人「全世代」は10月24日、医師の地理的遍在の対策として、専門研修を終えた後の一定の時期に、保険医療機関の責任者になる条件として、医師不足地域での勤務を一定期間義務付ける私案を公表した。本私案は10月14日に、塩崎恭久厚労相に説明済み(資料は、同NPO法人のホームページ)。

 医師免許取得時には「一種登録証」を、医師不足地域での勤務後に「二種登録証」をそれぞれ付与する。ただし、保険医登録証を現在保持する医師については、経過措置として「二種登録証」を交付する。

 この私案の実現には、「然るべき法律改正が必要」と思われるものの、(1)医師の地理的偏在が短期間に改善、(2)一部の医師だけに地域医療の負担を負わせる状態が改善――などの効果が期待できるという。

 NPO法人「全世代」は、2015年10月に発足。本私案は、地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏をはじめ、計26人の医療者から成る「医療分科会」で検討を重ねてきた。医師の診療科偏在は、日本専門医機構が議論しているとし、今回の私案は医師の地理的遍在に焦点を絞った内容。なお、尾身氏は厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」では、診療科偏在についても提言している(『診療科別の「専攻医研修枠」、JCHO尾身氏が提案』を参照)。

 「医師、社会的責務果たすことを期待」
 私案はまず前提条件して、(1)医療は保険料と税金で大部分が賄われている、(2)医学部教育には、国公私立を問わず、多額の税金が投入されている――ことから、「医療は国民共有の財産として運営されていることは明らか」「医師には、公共の福祉、地域のニーズに貢献する社会的責務を果たすことが期待されている」と指摘。

 その上で、基本的な考え方として、「若手医師のみならず、全ての世代の医師が可能な範囲で協力して行くことが求められている」ことを挙げている。

 地域医療構想圏、3つに区分
 私案は、(1)全国レベルの情報を集約、都道府県地域医療構想圏(2次医療圏)レベルでの医師不足地域を確定、(2)その後、どの医療機関に勤務してもらうか、いかなる支援体制を構築するかなど、具体的な取り組みは各医師不足地域が責任を持って行う――という2つのステージでの実施を提案。

 (1)では、地域医療構想圏をA 、B 、C(Cが最も医師不足が深刻)の3種に区分(都道府県は、これらの加え、島しょや過疎地域に限定した特殊地域Sを設ける)。その上で、保険医登録を全国共通に一本化、「一種登録証」は医師免許取得時に全員授与。「二種登録証」は、臨床研修修了後の医師不足地域での勤務実績(文末を参照)によって授与する。

 (2)の通り、医師不足地域内で、どの医療機関に勤務するかは、当該医師個人の考えを十分に尊重し、決定する。マッチング制の導入、複数医療機関のネットワーク化による受け入れなども想定されるが、都道府県地域医療構想圏の地域医療構想調整会議が、都道府県の地域医療協議会と連携して、責任を持って行う。

 「一種登録証」「二種登録証」の効力・定義については、「選択肢A」(一種登録証のままでも、通常の保険診療を継続的に行うことが可)、「選択肢B」(一種登録証のままで保険診療をできる期間を、例えば10年と規定し、更新を必要とする)という2つの選択肢があるとした。

【勤務実績の例】
地域医療構想圏A 新規の保険医登録の実績にならない
地域医療構想圏B 2年の勤務実績により二種登録証を授与
地域医療構想圏C 1年の勤務実績により二種登録証を授与
特殊地域 S 6カ月の勤務実績により二種登録証を授与



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/lancet/201610/548761.html
海外論文ピックアップ Lancet誌より
医師の燃え尽きは介入で減らせる
対象者と介入方法の組み合わせが今後の課題

大西 淳子=医学ジャーナリスト
2016/10/25 日経メディカル

 米国の医師の50%前後に燃え尽きが認められるという報告もあり、状況は深刻化している。米Mayo ClinicのColin P West氏らは、燃え尽きに対する様々な介入の利益について検討していた研究の系統的レビューとメタアナリシスを行い、個人を対象とする介入も、構造的または組織的な介入も、医師の燃え尽きを減らすのに一定の効果があると報告した。詳細は、Lancet誌電子版に2016年9月28日に掲載された。

 医師の燃え尽きは、提供される医療や医師自身の安全(精神面の健康の悪化や自動車事故の危険性など)に悪影響を及ぼす。燃え尽きを減らす、または予防するためのアプローチは複数あるため、それらに関するデータを分析し、さらなる研究の方向性を見いだす必要があると考えた著者らは、系統的レビューとメタアナリシスを実施した。

 MEDLINE、Embase、PsyINFO、Scopus、Web of Science、Education Resources Information Centerに2016年1月15日までに登録されていた研究の中から、妥当性を裏付けるエビデンスが示されている燃え尽き指標(主にMaslach Burnout Inventory:MBI)を用いて、医師特異的な燃え尽きに関するデータが提示されていた研究を抽出した。RCTやコホート研究がメインだが、介入前後の状況を比較していたシングルアームの研究も対象に加えた。医学生や医師以外の医療従事者を対象にしていた研究は除外した。

 評価項目は、燃え尽きの有病率、情緒的消耗感(emotional exhaustion)のスコア(0~54点)と、高レベルの情緒的消耗感の有病率、脱人格化(depersonalization)のスコア(0~30点)と、高レベルの脱人格化の有病率の介入による変化とし、ランダム効果モデルを用いてプール解析した。

 抽出した2617本の論文のうち、フルテキストが入手でき、介入の効果を対照と比較しており、検証されたスコアで数値化して評価しているという条件を満たしたのは、15件のRCT(716人が対象)と、37件のコホート研究(2914人が対象)だった。RCTのうちの3件は職場環境での構造的介入(勤務時間やローテーションの短縮、作業過程の修正など)、12件は個人を対象とする介入(ストレス管理とセルフケアトレーニング、コミュニケーションスキルの訓練など)について評価しており、全て介入終了直後と介入前の変化を比較していた。5件はその後も19週間から4年弱の追跡を行っていた。1件以外はMBIを評価指標として用いていた。

 37件のコホート研究のうち17件は構造的介入、20件は個人を対象とする介入について報告していた。介入結果の評価後も追跡を継続していたのは4件で、追跡期間は1カ月から2年の範囲だった。3件以外の研究はMBIを評価指標として用いていた。

 燃え尽きの有病率を報告していたのはRCT5件とコホート研究9件で、燃え尽き有病率は介入により54%から44%に低下していた。絶対差は10%(95%信頼区間5-14%、I2=15%)。個人を対象とする介入より、構造的または組織的介入の方が効果は高かった。6件は、レジデントに対する労働時間の制限の効果を検討しており、燃え尽き有病率は62%から50%に低下していた(絶対差は12%、95%信頼区間6-17%、I2=28%)。2件が個人を対象とするマインドフルネス・ベースの介入またはストレス管理に焦点を当てた介入について評価していた。有病率は34%から28%に低下していたが、絶対差は6%(-2から14%、I2=0%)で有意ではなかった。

 RCT12件とコホート研究28件が、情動的消耗感のスコアの変化を報告していた。プール解析したところ、介入によりスコアは23.82点から21.17点に低下、絶対差は2.65点(1.67-3.64点、I2=82%)だった。このスコアは、構造的または組織的な介入と、個人を対象とする介入による差がつかなかった。

 RCT11件とコホート研究25件が、脱人格化スコアについて報告していた。介入によりスコアは9.05点から8.41点に低下、絶対差は0.64点(0.15-1.14点、I2=58%)だった。構造的または組織的な介入と、個人を対象とする介入の間に有意差は見られなかった。10件がマインドフルネス・ベースの介入またはストレス管理に焦点を当てた介入について評価しており、他の介入法よりも大きなスコア低下を報告していた(8.54点から6.53点に低下。絶対差は2.01、95%CI1.34-2.67、I2=0%)。

 分析対象になった52件の研究のうち、47件(90%)は、介入による有害事象はなかったと報告していた。ネガティブな影響としては、4件の研究が勤務時間の短縮によりレジデントの教育とスキルに悪影響が出たと報告している。

 これらの結果から著者らは、構造的または組織的な介入も、個人に焦点を当てた介入も、医師の燃え尽きを減らすのに有意義だったとしている。今後はどんな医師たちにどのような介入を組み合わせれば最も効果的かを調べる研究が必要だと結論している。

 原題は「Interventions to prevent and reduce physician burnout: a systematic review and meta-analysis」、概要はLancet誌のウェブサイトで閲覧できる。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(16)31279-X/abstract


  1. 2016/10/25(火) 06:04:56|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<10月24日  | ホーム | 10月23日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する