Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月18日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49815.html;jsessionid=A377B8A6DF77903DBDD1BC1AAE93E28A
Choosing Wisely日本が始動- 医師と患者の対話促進へ
2016年10月17日 15時00分 CB News

 一般社団法人医療の質・安全学会「過剰医療検証とChoosing Wiselyキャンペーン」ワーキング・グループは15日に東京都内で、米国発のChoosing Wiselyの日本での本格的な活動をするChoosing Wisely Japanを立ち上げた。設立宣言で、「患者にとって臨床上の効果が高く、害の少ない医療を実現するために、さまざまな調査活動とともに医療界および一般社会に広く啓発をする」との活動方針を打ち出した。【君塚靖】

 Choosing Wisely(医療における「賢明な選択」)とは、内科専門医を認定する米国内科認証機構財団が2012年、臨床系の専門学会に、過去の研究結果に基づいて価値が低く過剰だと考えられる検査や治療を5項目ずつリストアップするように呼び掛けて始まったキャンペーン。Choosing Wiselyは患者にとって望ましい医療について、医師と患者の対話を促進することを目指している。

 Choosing Wisely Japanの設立発起人を代表して、一般財団法人東光会七条診療所(京都市)の小泉俊三所長が、設立宣言を読み上げた。その中で、「私達Choosing Wisely Japanは、Choosing WiselyおよびChoosing Wisely Internationalと連携して、その活動をわが国に紹介するだけでなく、わが国においても根拠に乏しいまま実施されている医療の見直しを推進する」などとしている。

 同日は、Choosing Wisely Japanの設立を記念し、Choosing Wisely Canada代表のWendy Levinson 教授(Toronto 大学)を招いたほか、国内でChoosing Wiselyに取り組んでいる医師などがパネルディスカッションで、これからの活動に向けた課題などについて意見交換した。

 Levinson 教授は「世界に広がるChoosing Wiselyキャンペーン」と題した特別講演で、Choosing Wiselyの基本原則について、▽活動は臨床医が主導する ▽医療の質向上かつ有害事象の防止が目的 ▽患者の価値観を重視し、医師と患者の対話を中心とする ▽エビデンスに基づき随時見直す ▽多職種協働 ▽透明性の確保-を挙げた。



http://www.excite.co.jp/News/column_g/20161018/BestTimes_3428.html
よく耳にする医者のセリフ その真意はどこにある?
BestTimes  2016年10月18日 08時00分 (2016年10月18日 22時08分 更新)

「しばらく様子を見ましょう」

医師がもっともよく口にする常套句。病名を特定できないケースで使う。その上で「こういう症状が出たらすぐ病院に来てください」と具体的に指示する医師は信頼できるが、曖昧なことしか言わないのはダメ医者だ。

「とりあえず薬を出しましょう」

「様子を見ましょう」と同じで、診断がついていないことが多い。この言葉を頻繁に口にする医師は自分の見立てに自信がなく、無難な薬ばかり出すので、なかなか症状が改善せず、通院が長引くという結果に陥りやすい。

「薬がなくなったら、また来てください」

患者をお客さんとしか思っていないカネ儲け第一主義の開業医のセリフ。糖尿病、高血圧、高脂血症など、慢性期の疾患を持つ患者たちは通院が長期にわたるので、クリニックの経営を支えてくれる大切なお得意さまなのだ。

「(手術は)成功しました」

多くの場合は額面通りに受け取ってかまわないが、中には「開いたものはちゃんと閉じ、手術室で亡くなることはありませんでした」というケースも。大学病院で外科医が無理な手術に踏み切る例がたびたび報告されている。

「(患者からの質問に対し)心配しなくても大丈夫です」

きちんと症状の説明をしようとしない医師は自身の診断や治療法に自信がないか、面倒くさいかのどちらか。診療内容を知り治療法を自ら選ぶインフォームドコンセントは患者の権利。そうしたことを怠る医師は時代遅れだ。

「他に何か心配なことはありますか」

浅草クリニック副院長の内山さんが診察の最後に患者にかける言葉。そこで再び話しだしたり、疑問をぶつけてくる人も少なくないという。患者の不安を取り除き納得するまでフォローするのが“いい医者”の姿勢なのだ。

取材・文/田中 幾太郎



http://www.medwatch.jp/?p=10822
「収益横ばい、費用増大」の対策どうする?大改定に備える「自治体病院向け実践セミナー」を緊急開催!
2016年10月18日|GHCをウォッチ MedWatch

 「収益横ばい、費用増大」の現状、「病院大再編へ向けた大改定」になることが予測される2018年度診療報酬改定を乗り切ることができるのか――。大改定を目前に控えた今、このような悩みを抱えている病院も多いのではないでしょうか。

 こうした中、特にコストが抑えづらい環境にあることが多い自治体病院に向けて、GHCは管理職向けの実践セミナーを緊急開催することを決定しました(セミナーのお申込みページはこちら)。

ここがポイント!
1 大改定乗り切る4つの視点
2 無料経営相談会も
3 セミナー概要

大改定乗り切る4つの視点

 「収益横ばい、費用増大」の課題に向けた対策の切り口は、大きく4つに分けることができます。

 まずは「ビジョン策定」。自病院の中長期的な立ち位置を定めないと、現状の改善に着手することはできません。自病院を取り巻く外部環境と内部環境をしっかりと分析した上で、今後、自病院がどのような方向性で経営をしていくのかを決断することが、経営改善の第一歩となります。

 続いて「収益改善」と「費用適正化」。すべての収益を改善することには限界もあるので、策定したビジョンに基づき、自病院の強みと弱みを明確にした上で、何をターゲットに収益改善を進めていくかを判断していきます。費用の最適化についても、ベンチマーク分析などを用いることで、改善効果の大きなところから取り組んでいくのが有効的です。

 最後に、「業務改善」。日々、現場は忙しく業務に取り組んでいますが、一歩下がり、データに基づいて業務の見える化をしていくと、思わぬ改善点が見つかることがほとんどです。現場の努力をしっかりと経営・医療の質向上に結びつけるためにも、業務の可視化に基づく改善は重要です。

無料経営相談会も

 上記の視点に基づき、GHCが誇る上級コンサルタントが、経営改善に大きく貢献しうる「ビジョン策定」「収益改善」「費用適正化」「業務改善」の各観点より、自治体病院向けに課題抽出の手順と具体的な対策手法を徹底解説します。

 また、今回は2病院限定ではありますが、特別に無料の経営相談会も設けさせていただきます。

 以下のようなお悩みがある方へ向けた実践型の無料セミナーとなりますので、是非、ご検討ください。

・急性期病床の削減が進む中、自病院の将来像が描けない
・患者数が頭打ち。具体的な集患手法について聞きたい
・コストが年々増加し、コスト最適化の切り口が見えない
・業務が多すぎて現場スタッフが疲弊している
・経営企画やデータ分析を担う人材が育たない
・経営改善に向けた着手ポイントを無料でプロに相談したい

セミナー概要

◆セミナー名称
【緊急開催】大改定に備える!自治体病院・管理職向け実践セミナー
~「収益横ばい、費用増大」への現場対策を徹底解説~

◆日時
2016年11月29日(火)
13:00~16:00(12:30開場)
※無料経営相談会は11:30と16:15の二枠(いずれも1時間)

◆会場
GHC新宿オフィス(東京都新宿区新宿六丁目27‐30新宿イーストサイドスクエア5F)
http://www.ghc-j.com/corporate/about/summary.html

◆プログラム
11:30 無料経営相談会(第一部)
12:30 開場
13:00 「2018年度診療報酬改定のポイントとビジョン策定」
    冨吉 則行(GHCマネジャー )※紹介ページはこちら
14:30 休憩
14:45 「収益改善・費用適正化・業務改善の具体的な手順」
    本橋 大樹(GHCマネジャー )※紹介ページはこちら
16:00 閉会
16:15 無料経営相談会(第二部)

◆対象
現場をマネジメントされる病院事務部門関係者(課長職以上の管理職)にお勧めのセミナーです。
※企業関係者のお申し込みはご遠慮ください

◆参加費
無料(1病院2名様まで)

◆セミナーお申込みページ
http://www.ghc-j.com/event/seminar/161129.html



https://www.m3.com/news/iryoishin/455787?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161018&dcf_doctor=true&mc.l=184231925&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 島根大“事故調”事件を検証
事故の教訓生かし、医療の質・安全向上を◆Vol.5
緊急帝王切開手術、開始まで14分に短縮

2016年10月18日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 2006年に島根大“事故調”事件当時、島根大学産婦人科教授だった宮崎康二氏によると、本事件後、緊急帝王切開手術が必要になった場合、より早く準備ができるよう、手術室や麻酔科医などの協力も得て、消毒法、麻酔方法なども含め準備の手順や在り方を見直したという(本連載のバックナンバーは、こちら)。「従来は1時間近くかかることもあったが、患者役に見立てた職員をストレッチャーに乗せて、手術室まで運び、消毒、麻酔、手袋と術衣を付けて準備をするシミュレーションを重ねた結果、『グレードA』の緊急手術の場合、約14分でできるようになった」(宮崎氏)。

 医療に100%の安全性と確実性はない。問題点を見い出し、改善を重ねる営みを続けるからこそ医療の発展がある。それは新薬や新規医療機器の開発にとどまらず、医療者の技術や医療機関の運営体制など、さまざまな分野で当てはまる。患者にとって不幸な事態が生じた場合、次世代の医療安全につなげることこそが、現場の医療者が果たすべき事故に対する責任と言える。

 その実現のためには、責任追及ではなく、再発防止に向けた院内事故調査が求められる。それ故に、2015年10月からスタートした医療事故調査制度は、医療法上、その目的として、「医療の安全の確保」を掲げている。

 院内事故調査に端を発して、医師の責任追及の動きにつながった典型例が、福島県立大野病院事件(『「間違った鑑定書が冤罪を招く」』などを参照)。同事件は刑事裁判に発展、島根大“事故調”事件は民事裁判という相違はあるものの、院内事故調査が「医療の安全の確保」という目的で的確に行われないと、当事者である患者側と医療者側の双方に不幸な結果をもたらす点では一致している。

 県立大野病院事件で担当医の弁護人を務めた、弁護士の安福謙二氏は、「島根大“事故調”事件と大野病院事件は、よく似た構図」と指摘し、次のように語る。

 「島根大の当時の病院長が謝罪会見などを行って、産婦人科医らの過失を認めたにもかかわらず、それが裁判では、一転して過失を否定、裁判所も過失を一切認めなかった。患者家族にとっては、受け入れ難い病院の対応であり、そして結論だろう。他方、宮崎元教授をはじめ、産婦人科教室のスタッフも、裁判で結論が出るまでに10年近くにわたり、実質的には被告の立場におかれ、その精神的な負担、苦痛は大きなものを抱えていたと考えられる。

 結局、双方の苦痛は、院内事故調査報告書、さらにその前段階の特殊事例検討会の結論がもたらしたものである。これらは過失の有無を明らかにする目的で行われ、本来の医療事故調査制度のあり方とはかけ離れた議論がなされていることに驚きを隠せない。

 過去にさかのぼり、『誤った院内事故調査報告書』の再発を防止するため、報告書等と判決の齟齬、相違の徹底的検証が、患者家族や産婦人科医にもたらした苦痛に報いる必要かつ唯一の道ではないだろうか。

 そのほか院内事故調査の細部を見ても、(1)医療事故調査委員会の委員は、内部委員と外部委員の構成割合や、人選も含め適任であったか、(2)調査に当たって使用したカルテをはじめ諸記録の信用性の検証を行ったのか、(3)当事者へのヒアリングを丁寧かつ十分に行ったのか、(4)当事者からの再調査依頼への対応を適切に行ったのか、(5)報告書の記者会見の仕方は妥当だったか――などの点で、疑問を解消する義務が、当時の院内事故調査に関わられた方々に残るのではないだろうか」

 なお、島根大学医学部附属病院に対して、今回の医療事故の報告書をまとめた経緯や民事裁判の判決などについて取材を依頼したが、本連載の初回でも紹介した通り、「今回ご質問のあった案件につきましては、訴訟の中で大学側の主張を述べているところであり、結審した個別具体の案件についてのコメントは差し控えたいと考えますので、ご理解の程、よろしくお願い申し上げます」との答えだった。

 ただし、併せて質問した、医療事故の対応体制については回答が得られたので、以下その全文を記載する。

【島根大学附属病院の医療事故対応の体制(現在)】

 事故は医療安全管理室に報告され、特に調査が必要1)と認識された事例については、病院長を委員長とする医療問題専門部会2)が招集され、過失があったと判断された事例については、医療事故調査委員会3)にて、事故原因を調査究明するとともに、再発防止対策をまとめ病院長へ報告書を提出します。

 過失の有無の判断が困難な場合には、特殊事例検討会を設置し調査しますが、過失があったと判断した場合には医療事故調査委員会に移行し調査を継続します。

 調査には、当事者はもとより、主治医、当該診療科長、外部の専門家等、関係者の出席を求め、カルテの記載内容と照らし合わせながら意見交換を行っていきます。意見の食い違いについては、食い違いが生じる原因を確認しつつ、徹底的な解明を目指すため、調査委員会が複数回に及ぶこともあります。当然、意見の食い違いが残ることもありますが、その場合、併記することは当然と考えています。

 検討の結果については、患者さん側へ口頭又は文書にて説明しますが、報告書の開示は行っておりません。

 公表については、基準を設けて対応しています。

 明らかに誤った医療行為又は管理に起因して、患者が死亡若しく障害が残存した事例又は重篤な事例で恒久的な治療を要した事例にあっては、医療上の事故等の発生後又は覚知後速やかに公表することとし、医療事故調査委員会等の調査結果を待って、その概要、原因及び改善策を本院のホームページに掲載することとしています。

 ただし、公表を決定した場合には速やかに公表することにしていますが、患者の状態、臨床経過、原因究明の状況、患者及び家族の公表に関する同意など踏まえ、時期や方法は総合的に勘案することになります。

 また、一過性に濃厚な処理又は治療を要した事例についても、医療事故調査委員会等の調査結果を待って、その概要、原因及び改善策を本院のホームページに掲載することとしています。

 なお、明らかに誤った医療行為又は管理は認められないが、医療行為又は管理上の問題に起因して患者が死亡し若しくは患者に障害が残存した事例又は濃厚な処置若しくは治療を要した事例にあっては、日本医療機能評価機構に報告し、同機構を通じて公表します。

注について
1)(1)過失により患者が死亡若しくは重篤で恒久的な障害が残存した場合、(2)(1)に含まれる状態が、医療の経過上発生したものか事故かの判断が困難な場合、(3)事例発生後の説明に患者或いは家族の納得がえられず、医療紛争への移行が懸念される場合
2)医療問題専門部会
 病院長、副病院長(安全管理担当)、内科系診療科長:2人、外科系診療科長:2人、法医学講座教授、中央診療施設の部長:1人、特殊診療施設の部長:1人、薬剤部長、薬剤部長、専任リスクマネージャー、その他病院長が必要と求めた者:若干人
3) 医療事故調査委員会
 副病院長(安全管理担当)、医療問題専門部会の部会員・外部の専門家・その他病院長が必要と求めたもの:いずれも若干人



https://www.m3.com/news/iryoishin/271974
シリーズ: 混迷する”医療事故調”の行方
「事故から学ぶ」医療安全は限界
医療の質・安全学会、医療事故調のシンポジウム

2014年11月24日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 第9回医療の質・安全学会学術集会で11月23日、シンポジウム「WHOドラフトガイドライン 成功する報告システムの特性 医師法21条拡大解釈の反省から患者医師信頼関係へ」が開かれ、2015年10月からスタートする医療事故調査制度に対し、WHOドラフトガイドラインに準拠し、責任追及ではなく、医療安全に資する仕組みを作る重要性が異口同音に指摘された。

 5人のシンポジストは、医療安全の専門家、大学病院長、弁護士、大学教授と立場が異なるが、いずれも医師免許を持つ。厚生労働省はこの11月から医療事故調査制度の詳細な制度設計に着手しているが、5人の発言は、同制度が責任追及につながる懸念がいまだに払拭できない表れと言える(『“事故調”検討会、来年2月の取りまとめへ』を参照)。


 大阪大学医学部付属病院中央クオリティマネジメント部部長の中島和江氏は、異型輸血をはじめ、何度も繰り返し同じ医療事故が起きている現状を指摘、「事故を調査し、再発防止につなげる」という制度設計そのものも疑問視。「事故調査は、『後知恵バイアス』がかかり、犯人探しになる。失敗には原因があるという発想自体、言い換えれば、有害事象が起きるまでは、何も行動しないこと」と指摘し、事故から再発防止につなげるという発想を転換し、「成功事例から学ぶ」必要性を強調した。「日常診療の大半はうまくいっているのであり、そこから学ぶ取り組みをしないと、真の医療安全にはつながらない」(中島氏)。

 医師・弁護士で、厚労官僚の経験も持つ、田邉昇氏も、「医療事故の原因究明は難しい。院内でも、また第三者機関で調査しても、容易ではない。つまみ食い的に調査しても、再発防止に役立たない。そもそも事故が起きるのは、金(診療報酬)がなく、人手が不足しているからだ。医療事故調査に予算を付けるなら、診療報酬を上げて、人手を増やすべき」と発言し、「診療報酬10倍論が持論」と明かした。

 医療事故調査の報告書が、民事訴訟などの責任追及に使用される懸念も根強い。昭和大学病院長の有賀徹氏と、埼玉医科大学総合医療センター病院長の堤晴彦氏が、期せずして共に紹介したのが、今年10月25日の読売新聞の「交通事故訴訟、10年で5倍に…弁護士保険利用」というニュース。弁護士が過剰気味とされる折、医療事故に関心を持つ弁護士が、「喧嘩の構図」を医療事故調査に持ち込むことをけん制した。また現在、医療事故情報等収集事業を行う日本医療機能評価機構と、「診療行為に関連した死亡に関する調査・分析モデル事業」(以下、モデル事業)を行う日本医療安全調査機構があるが、両氏ともに、類似の組織は「二つも要らない」と指摘し、医療事故調査関連の組織は一本化すべきとした。

 浜松医科大学医学部法学教授の大磯義一郎氏も、医療事故調査に当たっては、「不可罰性」と「秘匿性」が重要になると強調。特に課題は「出口」であり、遺族に対し、何を説明、報告、通知するのかがポイントになるとした。

 シンポジスト5人の発表後のディスカッションで議論になったのが、「秘匿性」、特に医療事故のマスコミへの発表が、医療安全に資するかという点だ。中島氏は、医療は行為と結果との因果関係が分かりにくいシステムであるため、「誰が、ではなく、どのような状況で仕事をし、事故が起きたのかを把握するのが重要」と指摘し、個人を特定するような報道を問題視した。

 田邉氏は、病院の弁護士を担当している経験を踏まえ、「記者会見をし、テレビが入ると、(放映され)大きな事件と見られる。その結果、警察が動くので、禁止している」とコメント。大磯氏も、「事実関係がまだ不明確な段階で、特定の個人がミスを犯した可能性に触れ、記者会見するのは問題」と指摘し、医療事故調査制度で「透明性」や「中立性」が求められる場合、その当事者、関係者は誰かが問題になるとした。堤氏も、「透明性が求められると言われても、何を意味するのかが分からない。医師の名前も、何もかも明らかにするというのは反対」と述べた。


◆中島和江・大阪大学医学部付属病院中央クオリティマネジメント部部長
 「レジリエンス・エンジニアリングの医療安全への展開:うまくいっていることから学び、うまくいくことを増やす」

 中島氏は、これまでの医療安全への取り組みは、(1)さまざまな機能(人やモノなど)が関係する医療は、複雑系のシステムの代表格であり、機能が及ぼす結果の予測が困難、(2)「失敗には必ず原因がある」との発想を前提にしている――などの理由から限界があり、発想を転換する重要性を強調した。「失敗には原因があるという発想は、言い換えれば、有害事象が起きるまで、何も行動しないこと。原因を探すといっても、『後知恵バイアスがかかり、犯人探し』になる」(中島氏)。

 これからの医療安全は、(1)複雑系を前提、(2)失敗と成功は等価、(3)必ずしもはっきりとした原因がない、(4)安全の定義を動的(想定内の状況でも、想定外の状況でも、システムが求められた機能を果たしていること)、(5)許容されるアウトカムを増やす、(6)先行的――という視点での取り組みが求められるとした。「日常臨床業務の大半は、同じことをやっても成功しているのであり、その成功例から対策を見いだすことが求められる。その際のポイントは、日常臨床業務の複雑性を理解する、機能(function)に着目する、頭の中で考える仕事(work-as-imagined)と実際の仕事(work-as-done)を近づける。これら3つが、レジリエンス・エンジニアリングの中核であり、臨機応変、柔軟な対応が必要」(中島氏)。

 「日本医療機能評価機構の医療事故情報等収集事業には、異型輸血の事故が報告されるが、なぜ救急センターや、ICUで繰り返し起きるのかを考えてもらいたい」(『なぜ繰り返される異型輸血の事故 - 中島和江・阪大病院中央クオリティマネジメント部部長に聞く』を参照)。中島氏はこう問いかけ、何らかの対策を講じた場合、それを検証、フィードバックし、対策の妥当性を評価する必要性も指摘。

 日常臨床業務の複雑性を記述する方法に、「FRAM(Functional Resonance Analysis Model)」がある。これは、「I:input(入力)、O:output(出力)、P:precondition(前提条件)、R:resource(リソース)、T:time(時間)、C:control(制御)」の6つの要素から業務を把握するやり方だ。

 さらに、中島氏は、FRAMの考え方を社会システムに広げた。「犯人を特定し、罰を与える」刑事司法は、患者の「P(前提条件)」に「不信感」を与えてしまった。医療提供者には、「C(制御)」が働き、医療が持っている大事な機能が止まり、診療拒否など、よくない状況に陥る懸念がある。モデル事業も同様であり、刑事司法と同様に、「work-as-done」ではなく、「work-as-imagined」になっている上、調査にもかなりのマンパワーが割かれているという。

 最後に中島氏は、新しい医療事故調査制度について、(1)患者と医療者の信頼関係を前提とし、これを壊さない、(2)複雑系を理解した調査、報告書作成、提言が行われること、(3)本来診療にあてるべきリソースを消費しないこと――を求めた。

◆有賀徹・昭和大学病院長
 「全国医学部長病院長会議の考え方」

 有賀氏はまず、全国医学部長病院長会議が2013年にまとめた、医療事故調査制度に関する報告書を紹介。WHOドラフトガイドラインに準拠し、院内調査を基本とするのが骨子だ(『「事故調査は医療者の責務」、全国医学部長病院長会議』を紹介)。同会議の今年5月の「死因究明に向けての動向に鑑みて」では、「一般診療と同様に、医療安全の面でも中小病院を地域の基幹病院が支援する構図になっている。このことにより、事故の当事者である患者・家族と医療者の間における信頼関係が強化・補完できる」と提言していると説明、医療事故への対応は、日常診療の延長戦上で行うものであり、「医療の外」で行う紛争処理とは次元が異なるとした。

 有賀氏は、今年10月25日の読売新聞に掲載された、「交通事故訴訟、10年で5倍に…弁護士保険利用」というニュースを紹介。「弁護士の報酬が目的か」と問いかけ、同様の「喧嘩の構図」を医療事故調査に持ち込むことをけん制した。

 今後の医療事故調査制度の制度設計に当たっては、(1)調査報告書の扱い、(2)遺族が、院内事故の結果を「諒」としない場合に、第三者機関に訴える場合の対応――がポイントになるとした。(1)の調査報告書は、日常診療の延長線上で事故調査を行う以上、まずは結果をカルテに記載するのが第一歩であり、報告書はA4判1枚程度のレポートを迅速に作成するのが、全国医学部長病院長会議の考え方だ。「報告書」を訴訟などに使うことは、「目的外使用」であると問題視。

 現在、日本医療機能評価機構と日本医療安全調査機構があるが、類似の組織は「二つも要らない」とも指摘した。

◆堤晴彦・埼玉医科大学総合医療センター病院長

 「医療事故調査制度の創設に対する日本救急医学会の意見」

 堤氏は、「日本救急医学会ではなく、救急医療の現場で働く一人の医師の立場から発言する」と断り発言、問題追及の矛先は、厚労省、患者側弁護士、検察、メディアに及んだ。

 まず厚労省については、医療事故調査制度を創設する狙いが、「調査権と行政処分権を得る」ことであれば、「いまだに(2008年の)大綱案の議論が繰り返されている。これでは悪代官に十手を渡すようなもの」と問題視(『「悪代官・厚労省に十手を渡すな」』を参照)。しかし、厚労省の「医療事故調査制度に関するQ&A」サイトに、「WHOドラフトガイドライン」に準拠すると記載されていることから、「大岡越前のような官僚も、厚労省内にいることが分かった」(堤氏)。

 また第三者機関である医療事故調査・支援センターへの医療事故の報告対象として、「医療行為に起因しない管理」は外れたが、「これは厚労省の保身ではないか」との見方を示した。「高齢者の転倒が報告されると、再発防止策を検討する中で、その原因として病棟の看護師の配置数が少ないことが指摘される。これは行政としては、非常に困る」(堤氏)。

 また遺族からは「逃げない、隠さない、ごまかさない」ことが求められ、この点には賛同するものの、「今必要なことは、素直に謝罪できる環境作りではないか」とし、対立から対話への転換が必要とした。「ただし、対立を煽るような人たちが加わるとうまくいかない」。こう指摘する堤氏は、一部の患者側弁護士が医療事故調査で作成された報告書を、民事訴訟に活用する動きを次のように形容。

 「悪代官:越後屋、そちも悪じゃのう」
 「越後屋:いえいえ…、お代官さんほどでは…」

 さらに検察に対しては、杏林大学割り箸事件、東京女子医大事件、福島県立大野病院事件という、医療事故が刑事事件になっても、担当医が無罪になった例を挙げ、検察の仕事についても、第三者機関で検証する必要性を指摘。杏林大学割り箸事件では、事故発生時には、担当医を問題視する一方的な報道がなされたほか、無罪判決後もその論調が変わらない報道が一部にあったことを挙げ、書類送検時の医師の実名報道をやめるなど、メディアにも改めるべき点があるとした。

 そのほか、堤氏は、有賀氏と同様に、交通事故における訴訟の増加、「二つの機構」の問題点も指摘した。

◆田邉昇弁護士(医師)
 「医師法21条に関する最高裁平成16年4月13日判決」

 田邉氏は、医師法21条の解釈の変遷を紹介。1994年の日本法医学会の異状死ガイドラインは、「明らかな診療中の疾病死以外は全て異状死」とし、21条の拡大解釈との批判がある。その経緯について、当時、脳死移植を進めている現状があり、脳死判定につなげたいという背景があったと説明。

 1999年に起きた東京都立広尾病院事件では、担当医と院長が異状死体の届け出を定めた医師法21条違反に問われた(担当医は略式命令で終了)。争点は、(1)異状死体の定義(A:「異状」とは、外表面説か、経過異常説か、B:「検案した医師」とは診療中の死亡診断は、検案に当たるか)、(2)医師法21条は黙秘権の侵害に当たるか――だが、評釈は、(1)-AとBが中心だったという。

 2004年の最高裁判決では、「検案とは、医師が死因等を判定するために死体の外表を検査すること」「検案して異状があると認めた時は警察署に届け出る」とされ、「外表面説」で判断。黙秘権については、あくまで、「外表の異状」の有無を届け出るにすぎず、「届出人と死体とのかかわり等、犯罪行為を構成する事項の供述までも強制されるものではなから、黙秘権侵害に当たらない」とされた(『医師法21条、法改正の必要なし - 田邉昇弁護士に聞く』を参照)。違憲判決をするのではなく、医師法について、合憲限定解釈し、黙秘権侵害の問題を解決した。

 田邉氏は、外表面説を取る医師法21条の届け出範囲は意外に狭いため、「医師法21条による介入を恐れて、医療事故調を作るべきという議論は誤り」と強調。また厚労省や医師会が、医師法21条の解釈を正しく伝えないことも問題視した。

◆大磯義一郎・浜松医科大学医学部法学教授
 「医師法21条の法的問題と医療事故調査制度への課題」

 大磯氏も、田邉氏と同様に、2004年の東京都立広尾病院事件の最高裁判決に触れ、医師法21条が合憲とされた理由について、(1)(異状死体の届出は)公益性が高い、(2)医師免許に付随する合理的負担、(3)異状死体があったことのみの届け出である――と整理したが、いずれも疑問視した。例えば、(3)については、広尾病院事件の場合、院長は、医師法21条違反だけでなく、「虚偽有印公文書等作成および同行使罪」で有罪になっている。医師は、死亡診断書もしくは死体検案書の作成も求められ、「異状死体の届け出のみ」では済まない状況にあるからだ。

 広尾病院事件の最高裁判決以降、医師法21条に基づく異状死体の届け出やそれに基づく立件送致数が増え、萎縮医療や“医療崩壊”が起きたのは、リスクを他者に「転嫁」することができず、「回避」する行動の結果だと説明。ただし、福島県立大野病院事件の2008年の無罪判決以降、「裁判所の医療に対する理解が進展し、検察も無理しなくなり、司法と医療の相互理解」が進みつつあるとの見方を示した。

 大磯氏は、「悪者を作り上げて、徹底して責任追及するのではなく、医療安全を進めていくことが、一般国民の最大の利益」と指摘。医療事故調査制度の設計に当たっては、WHOドラフトガイドラインに準拠し、事故について報告する者に対する「不可罰性」と、患者や報告者の個別情報の「秘匿性」を厳守する重要性を強調。医師自身が信頼できる仕組み作りのためにも、これら二つが重要であり、厚労省令やガイドラインも「不可罰性」と「秘匿性」が求められるとした。特に課題は「出口」であり、遺族に対し、何を説明、報告、通知するのかがポイントになるとした。



https://www.m3.com/news/general/468598
がん治療薬盗んだ疑い 元社員逮捕、転売目的か
2016年10月18日 (火) 共同通信社

 札幌・中央署は17日、以前勤務していた医薬品卸会社からがん治療薬約850万円相当を盗んだとして、窃盗などの疑いで、札幌市豊平区、会社員木村一磨(きむら・かずま)容疑者(24)を逮捕した。

 逮捕容疑は9月、札幌市中央区の医薬品卸会社「モロオ」の事業所に侵入し、がん治療薬「アバスチン」60個を盗んだ疑い。

 署によると、木村容疑者は今年1月末に同社を退職した。インターネット上で製薬会社にアバスチンを売っていたことから発覚。転売目的だったとみて捜査している



https://www.m3.com/news/general/468674
焼津の研修医逮捕 準強姦容疑、3回目
2016年10月18日 (火) 静岡新聞

 焼津署は17日、準強姦(ごうかん)の疑いで、焼津市小川、焼津市立総合病院の研修医の男(28)=別の同容疑で逮捕、起訴=を再逮捕した。同容疑での逮捕は3回目。

 再逮捕容疑は6月中旬、県中部の飲食店で20代の女性に薬物のようなものを混ぜたアルコール飲料を飲ませ、意識がもうろうとした女性に自宅でわいせつな行為をした疑い。

 同署によると、男は黙秘しているという。



https://www.m3.com/news/general/468680
浜田市 医師負担考慮で休日診療一本化へ
2016年10月18日 (火) 山陰中央新報

 島根県浜田市は、旧那賀郡4自治区の休日診療在宅当番医制を廃止し、同市殿町の市役所内に設けている休日応急診療所に一本化する方針案をまとめた。休日応急診療所を担当する市医師会の医師の減少と高齢化が理由で、那賀郡医師会とともに9月、一本化の要望書を提出していた。市は、各自治区の地域協議会への説明を経て、2017年4月以降の実施を目指す
G3註:地域地図
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https://www.m3.com/news/general/468683
精神科救急相談、制度10カ月で257件 鹿児島県内
2016年10月18日 (火) 南日本新聞

 地域で暮らす精神障害者や家族らを支えるため、鹿児島県が昨年10月から始めた「精神科救急医療電話相談」の件数がまとまった。7月末までの10カ月で257件あった。うち強い自殺願望や多量服薬、対人的暴力など、即受診が必要と判断された相談が47件、約2割あった。

 17日、県庁であった県精神科救急医療システム連絡調整委員会(委員長・佐野輝鹿児島大医学部長)で県障害福祉課が報告した。

 電話相談は、県内で精神科のある42病院が輪番で担当。研修を受けた精神保健福祉士や看護師らが応じる。

 相談者は本人が166件、家族などが91件だった。相談は平日午後5時~翌日午前9時、日曜祝日と年末年始は24時間の対応。午前0時~9時の相談が4割を占めた。

 具体的には、女性から未明に「父が棒を振り回し大声を出している」と相談があり救急受診が必要と判断、県立姶良病院につないだ例があった。

 また、公的機関からの要請を受け患者の受け入れ病院を手配する精神科救急情報センター(県立姶良病院)は、昨年10月から運用時間を拡充。2015年度は81件の要請があり、前年度の43件からほぼ倍増した。要請機関は警察が42件で最多、消防が16件だった。

 委員会では、自傷や多量服薬で一般病院に救急搬送された患者への、退院後の支援が不足しているとの意見が出た。かかりつけのクリニックとの情報共有が不十分との指摘もあった。

 精神科救急医療電話相談=099(837)3458。



http://mainichi.jp/articles/20161018/ddl/k21/040/041000c
市立新恵那病院
完成 来月21日診療開始 /岐阜

毎日新聞2016年10月18日 地方版

 恵那市が同市大井町に建設を進めてきた新市立恵那病院が完成し=写真・恵那市提供、11月21日に一部を除いて診療を開始する。16日には一般市民らを対象にした建物内部の内覧会が開かれた。

 新病院は現在の恵那病院の隣接地に建設。建物は鉄筋コンクリートの免震構造で地上4階建て。延べ床面積は1万6498平方メートルで、病床数は199床、診療科は20科。隣接する既存の建物の解体や周辺整地など、すべての工事が完了するのは2018年3月末の予定。事業費は約85億5200万円。

 市では唯一の産院が医師不足から07年5月に閉院して以来、産科病院はなく、母親らが1万人を超す署名を添えて要望書を提出するなど産科診療施設の設置が熱望されていた。新病院では、来年春に産婦人科がスタートする予定だ。他にも、新たな施設として血液浄化センター、健康管理センターなどが加わる。【小林哲夫】



http://www.nagano-np.co.jp/articles/9358
岡谷市民病院開院から1年 診療科新設で体制充実
2016年10月18日 6時00分 長野日報

岡谷市の岡谷市民病院が昨年10月の開院から1年を迎えた。「病院が明るくなった」など建物や設備を評価する声が聞かれ、開院以降、新たな診療科が開設されるなど、医療体制の向上が図られた。一方で待ち時間の長さの改善を求める声は根強い。根本的な解決には医師確保が欠かせず、病院側は医師不足の解消を「最重要課題」に位置付けている。

市は開院に先立つ昨年4月、元信州大学医学部付属病院長の天野直二氏を院長に迎え、信大医学部との連携を強化した。天野院長が担当する認知症などを対象とした「シニアこころ診療科」や歯科口腔外科が新設された。医師確保に向けては信大などに派遣を要請するほか、民間の紹介業者も活用している。5月に内科医1人が民間業者を通じて着任し、10月1日付で信大から後期研修医1人が派遣され、現在の常勤医は37人。

課題となっている「待ち時間の長さ」の根本原因は医師不足。特に高齢社会の進展で患者が増えている整形外科は常勤医が2人、耳鼻咽喉科は1人のみ。いずれも「全国的に医師が少ない診療科」(同病院)という。

市民病院の医師一人当たりの患者数は2015年度、入院が6・3人で近隣の公立病院(諏訪中央病院や伊那中央病院など県内6病院)平均の5・2人、全国平均の4・5人よりも多い。外来は15・3人で近隣公立病院平均(同)の11・6人よりも多く、全国平均の7・5人の2倍以上となっている。

同病院を運営する市病院事業の15年度決算によると、入院は移転に伴う準備の影響や病床数減により、延べ患者数が3・9%減の8万5283人となったが、外来は移転に伴う休診があっても1・5%増の15万9930人となった。増加する患者に対し、医師が足りていない現状だ。

医師の負担は大きいが、天野院長は「医者なら誰でも良いというわけにもいかない。日常業務に加えて救急対応ができる医師が必要であり、早期の医師不足解消の大切さを理解しつつも一方で慎重さが必要」と話している。

待ち時間対策ではこのほか、待合室を離れても診療順が近づいたことを携帯電話で知らせるなどの対応を行うほか、接遇の改善を図り、「長い」をストレスに感じさせない工夫も重ねている。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO08525320Y6A011C1CR8000/
オプジーボ、副作用追記を指示 小野薬品に厚労省
2016/10/19 1:59 日本経済新聞

 厚生労働省は18日、がん治療薬「オプジーボ」を投与された60代の患者1人が、副作用とみられる心筋炎を発症し死亡したとして、製造元の小野薬品工業に、薬の添付文書に重大な副作用として追記するよう指示した。

 厚労省などによると、2014年7月の薬の承認以降、死亡した1人を含む3人が心筋炎を発症した。血小板が減り出血しやすくなる「免疫性血小板減少性紫斑病」や「横紋筋融解症」を発症した患者もおり、これらも重大な副作用とされた。

 オプジーボの投与を終えた後、14人が糖尿病などを発症したことも判明。厚労省は、投与終了後の副作用についても注意喚起を求めた。

 オプジーボは、一部の患者に優れた効果があるが極めて高額な薬剤。悪性黒色腫と非小細胞肺がん、腎細胞がんの治療に保険が適用されている。〔共同〕



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54712/Default.aspx
厚労省 重大な副作用などで添付文書の改訂指示 ワルファリンとミコナゾール併用禁忌に
2016/10/19 03:50 ミクスオンライン

厚労省医薬・生活衛生局は10月18日、新たな重大な副作用などが判明した医療用医薬品の添付文書を改訂するよう日本製薬団体連合会に通知で指示した。この中で血栓塞栓症に用いるワルファリンと抗真菌薬ミコナゾール(ゲル剤・注射剤)の併用により直近3年で31例の出血症例(因果関係が否定できないもの)が報告されているとして両剤の添付文書で「併用禁忌」と明記することした。

両剤の併用については、ミコナゾールの添付文書で「慎重投与」「重要な基本的注意」「併用注意」で注意喚起していたが、重篤な出血症例が多数報告され、同省としては「抗凝固作用モニタリング等をさらに強化することによるリスク回避は困難」と判断、「禁忌」扱いとした。この措置により、他のアゾール系抗真菌薬が使用される機会が増えると予想されることから、ワルファリンとの併用について「慎重投与」「重要な基本的注意」に追記し、注意喚起することにした。

改訂指示のあった薬剤と指示内容は以下のとおり(カッコ内は成分名、会社名)。
▽ワーファリン錠、同顆粒(ワルファリンカリウム、エーザイ)他
▽フロリードゲル経口用、同F注(ミコナゾール、持田製薬)
指示概要:両剤それぞれに相手薬剤を「禁忌」「併用禁忌」欄に追記
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):併用による出血関連症例31例(うち死亡なし)
薬効分類:
333 血液凝固阻止剤(ワルファリン)
629 その他の化学療法剤(ミコナゾール)

▽イトリゾールカプセル、同内用液、同注(イトラコナゾール、ヤンセンファーマ)他
▽ジフルカンカプセル、同ドライシロップ、同静注液(フルコナゾール、ファイザー)他
▽プロジフ静注液(ホスフルコナゾール、ファイザー)
▽ブイフェンド錠、同錠、同ドライシロップ、同静注用(ボリコナゾール、ファイザー)他
指示概要:
「慎重投与」に「ワルファリンカリウムを投与中の患者」追記
「重要な基本的注意」にワルファリンカリウムとの併用に関する注意喚起を追記
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):併用による出血関連症例はフルコナゾールとボリコナゾールで各1例(うち死亡なし)
薬効分類:
617 主としてカビに作用するもの
629 その他の化学療法剤

▽ローコール錠(フルバスタチンナトリウム、ノバルティスファーマ)他
▽メバロチン錠、同細粒(プラバスタチンナトリウム、第一三共)他
▽リポバス錠(シンバスタチン、MSD)他
▽リピトール錠(アトルバスタチンカルシウム水和物、アステラス製薬)他
▽リバロ錠、同OD錠(ピタバスタチンカルシウム水和物、興和)他
▽クレストール錠、同OD錠(ロスバスタチンカルシウム、アストラゼネカ)
▽カデュエット配合錠(アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチン
カルシウム水和物、ファイザー)他
指示概要:
「重要な基本的注意」に免疫性壊死性ミオパチーに関する注意喚起を追記。
「重大な副作用」に「免疫性壊死性ミオパチー」追記
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):アトルバスタチンとロスバスタチンで各1例(うち死亡なし)
薬効分類:
219その他の循環器官用薬(アムロジピンとアトルバスタチンの配合剤)
218 高脂血症用剤(上記以外)

▽ステラーラ皮下注(ウステキヌマブ遺伝子組換え、ヤンセンファーマ)
指示概要:「重大な副作用」に「間質性肺炎」追記
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):6例(うち死亡なし)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品

▽オプジーボ点滴静注(ニボルマブ遺伝子組換え、小野薬品)
指示概要:
「重要な基本的注意」の「過度の免疫反応」に関する記載に「投与 終了後の副作用」に関する注意喚起を追記
「重大な副作用」に「免疫性血小板減少性紫斑病」「心筋炎」「横紋筋融解症」追記
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):
投与終了後の副作用14例(うち死亡なし)
免疫性血小板減少性紫斑病3例(うち死亡なし)
心筋炎3例(うち死亡1例)
横紋筋融解症4例(うち死亡なし)
薬効分類:429 その他の腫瘍用薬

▽キュビシン静注用(ダプトマイシン、MSD)
指示概要:「重大な副作用」に「急性汎発性発疹性膿疱症」追記
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):1例(うち死亡なし)
薬効分類:611 主としてグラム陽性菌に作用するもの

▽ラピアクタ点滴静注液バッグ、同点滴静注液バイアル(ペラミビル水和物、塩野義製薬)
指示概要:「重大な副作用」の項に「急性腎不全」追記
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):2例(うち死亡なし)
薬効分類:625 抗ウイルス剤

改訂指示関係資料はこちら(PMDAのHPへ)
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/revision-of-precautions/0306.html



http://mainichi.jp/articles/20161019/ddm/016/100/023000c
サービス付き高齢者住宅
制度5年 利用者、想定とずれ

毎日新聞2016年10月19日 東京朝刊

 見守りなどのサービスがあるサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が、2011年10月の制度開始から5年を迎えた。参入規制が緩いうえ国から補助金が出るため、急速に建設が広がり、20万戸を超えている。当初は早めの住み替えを検討している高齢者の利用を想定していたが、実態は介護の必要な高齢者の受け皿に。このため、制度と入居者の実態にずれが生じている。【有田浩子】

実態は介護施設
 「諸般の事情により10月末日を持ちまして業務を終了する運びとなりました」。三重県四日市市で昨年9月30日、サ高住の運営事業者が突然、廃業を通知し、認知症だったり生活保護を受けていたりする高齢者を含む入居者22人に1カ月後の立ち退きを迫った。14年秋に開業したばかりだった。

 廃業の通知を知ったケアマネジャーの斎藤則子さん(59)は市に通報。他の事業者が引き継がなければ入居者の行き先がなくなるため、すぐに他のケアマネジャーとともに受け入れ先探しに奔走し、月内に全員を転居させた。

 サ高住は高齢者が暮らしやすい環境を整えた賃貸住宅で、都道府県などへの登録制になっている。入居者は高齢者のため、登録基準に「居住の安定が図られた契約」があり、10年以上は運営するよう求められている。譲渡する場合でも事業者が引き継ぎ先を探すのが通例だ。

 しかし、四日市市のケースでは事業者と連絡が取れなくなり、県や市が「対応困難」と判断したのは月の半ばを過ぎていた。担当部署は県の住宅担当の課のほか、市の高齢福祉や生活保護の担当課など複数にわたり、情報共有や連携にも時間がかかった。

 斎藤さんは「行政に情報を伝えて働きかけても明確な返答や指導がもらえなかった。私たちが動かなかったら利用者はどうなっていたか。今でも何もしてもらえなかったとの思いが残る」と話す。

 この反省を踏まえ、県と市は今年2月、廃業により入居者の住まい確保が必要になった場合の取り組みをまとめ、県が主体となって関係者と連携することを確認した。

 入居者の9割が要介護認定を受けているとの調査もあり、多くのサ高住は実態として介護施設化している。だが、入居希望者向けに公開されている登録情報は「賃貸住宅」並みで安心して暮らせるかどうかはわかりにくい。医療や介護が十分に受けられない物件もある。

 東京都内のサ高住で訪問診療する医師は「ヘルパーは日中しか来てくれないので、ある末期のがん患者は、最期の2週間は24時間付き添いヘルパーを入れた。サ高住には医療も介護もそろっていると勘違いしている家族がいる」と話す。

 有料老人ホームなど高齢者住宅の事情に詳しいタムラプランニング&オペレーティングの田村明孝社長は「『早めの移り住み』とか『自立した高齢者の生活の場』といわれたが、現実は介護度が高く行き場のない高齢者の受け皿になっている。政府は、多額の建設・運営費がかかる特別養護老人ホームの増設には消極的で、介護費用の高い介護付き有料老人ホームも介護保険財政を悪化させるとして総量規制をしている。それをサ高住が担う形になっている」と指摘。情報の公開も不十分だとし、「介護サービスを受けたくても『うちはできない』と言われればそれで終わり。入居の際に確かめるしかないのが現状だ」と話す。こうした状況を受け、国土交通省は、登録情報を閲覧する際に、より詳細な情報がみられるよう事業者に求める方針を決めている。

 一方、医療も介護もそろっていても問題のあることも。あるケアマネジャーは「事業者が指定するデイサービス、ホームヘルプ以外、一切使わせないところもある」と明かす。入居者に系列の介護事業者を使わせて確実に利益を確保する事業者もある。「囲い込み」と呼ばれ、利益のために必ずしも必要ではないサービスまで受けさせられるケースもある。

空き家活用の動きも 負担より軽く
 サ高住は、社会福祉法人や医療法人だけでなく株式会社も手がけることができる。老人福祉法の規制を受ける有料老人ホームより参入しやすい上、国などの補助金もあり、急激に成長した。政府は、サ高住だけでなく高齢者向けの住宅について、20年までに12年(約54万戸)から倍増させ、100万戸以上とする目標を掲げている。15年度補正予算でサ高住約2万人分の整備費が盛り込まれた。

 ただ、大都市圏では家賃・共益費に生活相談・見守りサービスをつけると平均月11万円を超え、食費や介護費用も別途必要で、生活資金に余裕のない高齢者にはハードルが高い。

 そこで、空き家などを活用した高齢者向けの住宅を提供する試みも始まっている。東京都町田市の住宅街にあるアパートに住む男性(78)は2年前、静岡県から夫婦で転居してきた。対応した不動産業者は男性の様子から認知症を疑い、特養などを運営する同市内の社会福祉法人「悠々会」を紹介した。

 悠々会は、高齢者の生活を支援する見守り付き賃貸アパート「あんしんハウス」を運営する。要介護2の男性は妻(67)とハウスに入居した。あんしんハウスでは、室内に生活の状況から異変を察知したり、ガス漏れをチェックしたりするシステムが整い、職員が日常生活の相談にも応じてくれる。費用は月額6万4000円だ。空き家のオーナーに賃貸料の引き下げを交渉して借り上げることで入居者の負担軽減を図っている。

 あんしんハウスの事業を始めたきっかけは、介護を必要とする人の相談などに応じる地域包括支援センターの運営を市から委託されたことだ。持ち家がなく生活に困っているうえ、介護が必要な高齢者や、保証人がいないため賃貸住宅に入居しにくい高齢者らの多いことを知った。

 物件は入居希望者と一緒に探し、現在は7組8人が別々のアパートに暮らす。担当の鯨井孝行さん(36)は「法人が借り上げるためオーナーも貸しやすい。今後は、入居者の孤立を防ぐ社会参加や就労の機会を提供していきたい」と話す。

立地の偏りに課題
 サ高住の登録制度は「高齢者住まい法」の改正で創設された。原則25平方メートル以上▽バリアフリー構造▽見守りサービス▽生活相談−−の四つを満たすことが条件で、事業者が都道府県や政令市、中核市などに登録。家賃やサービスに関する情報が公開されている。新築だと1戸につき最大120万円の補助金が国から出る。入居費用は家賃、共益費、生活相談・見守りサービス費用の合計で全国平均9万9000円。

 地価が安いところほど多くつくられる傾向にあり、立地の偏在が課題だ。入居者の3割以上が要介護3以上で、認知症で日常生活に支障が出るとされる2以上も4割を占める=グラフ。

 約8割は通所介護事業所など高齢者支援施設を併設しているが、デイサービスや訪問介護、泊まりなどの機能を持つ「小規模多機能型居宅介護」の併設・隣接は1割程度にとどまる。



http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20161018-OYT8T50025.html
在宅医療費、保険で軽減
2016年10月19日 読売新聞

特約、各社から続々…一時金や終身保障も

 高齢化が進み、入院せずに自宅などで療養する在宅医療を受ける人が増えている。病気やけがをした際に給付金が支払われる民間の医療保険は、これまで入院保障に重点を置いてきたが、在宅医療も特約で保障の対象にするものが出てきた。

患者数2.4倍に

 日本在宅医療学会の理事長で、横浜市の「睦町クリニック」の城谷典保医師は、自宅や介護施設で療養を続ける患者の訪問診療を行っている。末期がんや人工呼吸器を必要とするような重症患者も多いという。「自宅で最期を迎えることは、もはや珍しくありません」と話す。

 厚生労働省の推計では、2014年に在宅医療を受けた患者数は1日あたり約15・6万人で、05年の約6・5万人から2・4倍に増えている。政府は医療費を抑制するため、療養患者の入院ベッド数を減らしており、長期の入院はますます難しくなりそうだ。城谷理事長は「高度な治療を行う病院を退院して、在宅医療を勧められるケースは増えていく」とみている。

条件はさまざま

 こうした流れの中、民間の医療保険で、在宅医療の保障付き特約が登場している。基本の保険料などに数十円から千数百円の特約保険料を加えることで契約できる。

 SBI生命が今年2月発売した終身医療保険「も。」の在宅医療向け特約は、給付金が月6万円(70歳以上は3万円)、最長36か月まで支給される(入院保障1日1万円の場合)。

 明治安田生命の医療保険「メディカルスタイルF」は、退院翌日から180日(がんの場合は730日)間、医療費の自己負担分の全額を支給するほか、一時金として1万円を給付する。この2社は、入院時と同じ病気やけがで在宅医療を受けた場合が対象となる。

 また、医療機関以外で自己注射、人工透析、酸素療法のいずれかを受けた場合を保障の対象にする特約もある。

 マニュライフ生命の「こだわり医療保険 with PRIDE」は毎月3万円が60回を限度に、フコクしんらい生命の「医療自在FS」は、85歳まで5万円~50万円の一時金が、それぞれ支給される。

 介護ジャーナリストの小山朝子さんは「負担感を和らげるのに役立つが、年齢や治療内容によっては給付の対象外の場合もあるので、条件を調べて契約する必要がある」と話す。

高まるニーズ

 在宅医療にかかる医療費は一定の範囲に収まるのが一般的だ。公的医療保険の高額療養費制度によって、70歳以上の高齢者ならば、収入に応じて月8000円~4万4400円を超える医療費は支払いが免除される。

 ただ、小山さんによると、滅菌ガーゼ、カテーテルなど、日常のケアに使う医療関連品を自己負担する場合もあるという。さらに在宅医療では、生活費や介護費などの費用がかさむことになる。

 医療情報サイト「QLife(キューライフ)」の昨年の調査では、、在宅医療を受ける患者の家族500人のうち76%が費用を「負担に感じている」と回答した。保険の役割は今後も高まり、利用者のニーズを把握した内容の充実が求められそうだ。(宮木優美)

2016年10月19日 Copyright © The Yomiuri Shimbun



  1. 2016/10/19(水) 06:26:27|
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