Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月14日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/467658
「医療崩壊を誘発、不当な勾留」、準強制わいせつ罪・起訴医師
東京保険医協会、早期釈放を求め東京地裁に嘆願書

2016年10月14日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東京保険医協会は10月14日に都内で記者会見を行い、東京都足立区の柳原病院で自身が執刀した女性患者に対する準強制わいせつ容疑で逮捕、起訴された乳腺外科医の早期釈放を求める嘆願書を、東京地裁の刑事部所長らに提出したことを公表した。嘆願書は10月13日付け。

 東京保険医協会会長の鶴田幸男氏は、「起訴後の現時点において、勾留の理由も、また勾留の必要性もないことは明らか。これ以上、勾留を続けることは、基本的人権を侵す上、医療行為をなし得ないという、医師としての極めて重大な不利益が認められるだけでなく、保険医に極めて深刻な萎縮作用が生じかねない」と語気を強め、勾留継続に断固反対、早期の釈放を求めた。

 同協会勤務委員会担当理事の佐藤一樹氏も、乳腺外科医について、「無罪とは思うが、それを主張するものではない」と断り、有罪か無罪かは「裁判所が必ず正しい判断をされると信じている」と述べ、本嘆願書は、あくまで刑事訴訟法に照らし合わせて、現時点での勾留は不当であり、釈放を求める趣旨であると説明。同協会内で計5回、複数人で検討、その結果、乳腺外科医は同協会の会員ではないものの、保険医全体にとっての問題であると判断し、嘆願書の提出に至ったという。

 佐藤氏は、勾留が不当である理由として、第一は、罪証を隠滅する恐れがないこと、第二は、医師の基本的人権を侵す上、医療崩壊を誘発する社会的問題であることという二つを挙げた。

 2001年3月の東京女子大事件で、業務上過失致死罪に問われ逮捕・勾留された経験を持つ佐藤氏は(『院内事故調が生んだ“冤罪”、東京女子医大事件』などを参照、東京高裁で無罪確定)、10月12日に、東京拘置所に乳腺外科医の家族とともに接見に行った。「大変やつれていた。独房にいると、情報が入ってこないため、世の中は皆、敵だと思ってしまう。そこで、二つのことを伝えた。一つは、先生には味方がたくさんいること。我々がこうした活動をしているほか、既に早期釈放を求める1万人以上の署名が集まっている。もう一つは、今まで相当ハードに仕事をしており、疲れている中で、精神的に参っていると思うので、次の戦いに向けて、心身ともに健康状態を作るということ」(佐藤氏)。

 乳腺外科医は、2016年5月10日に乳腺外科の手術を受けた女性患者に対し、乳首をなめるなどの行為をしたとして、準強制わいせつの疑いで、8月25日に逮捕・勾留された。8月27日に勾留決定準抗告したが棄却、同日勾留取消請求したが却下、9月5日に勾留理由開示公判が開かれ、乳腺外科医は被疑事実を否定したものの、9月14日に準強制わいせつ罪で起訴された。その後、9月16日に保釈請求したが、9月21日に棄却、9月23日に準抗告したが却下、10月11日に2回目の保釈請求をしたが14日に棄却、準抗告も却下された。乳腺外科医の逮捕・起訴は不当であるとして、柳原病院や同僚医師らは声明を出すほか、署名活動を展開している(逮捕医師の釈放求め署名活動始まる』などを参照)。

 なお、乳腺外科医の代理人弁護士によると、初公判の期日は未定だという。

「必要な捜査は終了している」

 嘆願書では、勾留が不当である第一の理由は、罪証を隠滅する恐れがないこと。具体的には、(1)起訴状の公訴事実と、勾留状の被疑事実では、犯行の時刻・時間・態様が変遷している、(2)証拠調べには、相当な時間が経過している――という根拠から、「必要な捜査は終了している」と判断されるほか、(3)乳腺外科医に証拠隠滅の意思はなく、阻止が可能であることを挙げた。

 (1)では、わいせつな行為は、被疑事実は2回だが、公訴事実では1回に減るほか、「自慰行為」の事実が削除されるなどの変遷がある。「21日間の逮捕・勾留期間中には、検察官による捜査と要求によって、医師本人や被害を訴える患者からの供述、柳原病院の医師や看護師ら病院関係者の期日前証人尋問を経て、自慰行為の存在は麻酔後のせん妄・錯視による誤解だと判断されて落とされたものと推測される」(嘆願書)。また(2)について、嘆願書では、「警察は犯行があったとされる5月10日当日から始め、8月25日の逮捕まで107日間捜査を行った上、起訴までの21日間も集中的に追加捜査をした」と指摘している。

 (3)では、乳腺外科医が実効性のある証拠隠滅行為に及ぶという「具体的な」可能性を示唆する根拠などはなく、万が一、何らかの行為に及ぶ可能性があるのであれば、禁止事項などを保釈条件に付ければ対応できるとしている。

 第二の理由は、医師の基本的人権を侵す上、医療崩壊を誘発する社会的問題であること。嘆願書では、刑事訴訟法を引用し、「起訴後における身体拘束は、極めて例外的な場合にのみ限られることは明らか」「恣意的かつ漫然的で具体性のない勾留理由での身体拘束は、身体的・心理的・経済的不利益を生じさせることになるほか、人道的にも容認できることではない」と指摘。

 さらに、「恐らくは、逮捕勾留前後で大きく異なっている麻酔によるせん妄状態であった患者の証言のみを根拠として医師の犯罪を疑い、逮捕し、起訴後も勾留を続けることが許されるのであれば、医療現場に混乱を萎縮を招き、正当な医療行為や診療行為が大きく制約を受け、いわゆる医療崩壊を誘発し、ひいては国民に重大な不利益を生じる。福島県立大野病院事件における逮捕・勾留が産婦人科領域の萎縮につながったことは周知の事実」との懸念を呈している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/467681
シリーズ: 安倍政権の医療制度改革
オプジーボ、「500以上の引き下げ」求める声も
経済財政諮問会議の民間議員、医療費の地域差半減も要望

2016年10月14日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 経済財政諮問会議は10月14日の会議で、2017年度予算編成に向けて歳出改革を議論、4人の民間議員は、オプジーボ(一般名ニボルマブ)の薬価の大胆な引き下げ、医療費の伸びの抑制、1人当たり医療費の地域差半減などを求めた資料、「メリハリを効かせた歳出改革の推進に向けて」を提出した(資料は、内閣府のホームページ)。

 会議後に会見した石原伸晃内閣府特命担当大臣が、会議の内容を説明。民間議員から、オプジーボについては、「500以上の薬価引き下げ」を求める声や、薬価算定の新たなルール作りが必要という意見が上がった。これらを受け、塩崎恭久厚労相は、薬価の改定年でなくても、オプジーボについては、国民負担軽減の観点から緊急薬価引き下げを実施するとともに、2018年度に薬価制度を抜本的に見直す旨を発言。

 安倍晋三首相は会議の最後に、歳出改革に当たり、1人当たり医療費の地域差半減や高額薬剤の引き下げなどについて、塩崎厚労相をはじめとする関係大臣に対し、今後、議論を深めて対応策を具体化するように指示した。

 「切除不能な悪性黒色腫」の適応で薬価が設定された抗PD-1抗体製剤のオプジーボは、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の効能追加で、年間販売額が当初予想を上回り、1260億円にも上ると推計され、中央社会保険医療協議会が、その対応を議論している(『「オプジーボ緊急的対応、医療保険堅持が目的」中川日医副会長』を参照)。

 中医協の現時点の議論では、「最大250引き下げ」の見通し。「500以上」の発言には特段の根拠はなかったものの、「オプジーボの薬価(100m)」は、日本では約73万円だが、英国は約15万円、米国約30万円という海外比較表が資料として提出されたことから、「250では不十分」との意見につながったとみられる。

 厚生労働省の今夏の2017年度予算の概算要求では、社会保障費の自然増は約6400億円。「骨太の方針2015」に基づき、自然増約5000億円への抑制が求められる中、安倍首相直轄の経済財政諮問会議でも中心的議題となったオプジーボの2017年度での薬価引き下げが不可避になってきた。

「改革工程表」44項目の実施を

 民間議員の提出資料では、オプジーボの問題のほか、2015年12月に経済財政諮問会議がまとめた「経済・財政再生計画 改革工程表」の全44項目の実施、特に1人当たりの医療費の地域差半減を求めたほか、地域医療構想の進捗を評価・検証できる仕組みなどを盛り込んでいる。

 民間議員が提出した参考資料では、1人当たりの医療費(2014年度)の上位5位は、福岡、高知、長崎、佐賀、北海道。下位5位は、新潟、千葉、静岡、長野、茨城。「1人当たりの医療費が高い県は、入院医療の受診率や1件当たりの日数の寄与が高く、医師数や病床が多い」と指摘。会議では、地域差が生じる要因の詳細な分析を求める声が上がった。



https://www.m3.com/news/general/467532
「診療拒否は違法」と提訴 中国で腎移植の男性 訴訟は初、浜松医大に
2016年10月14日 (金) 共同通信社

 「海外で臓器移植した患者は受け入れない」との内規に基づき浜松医大病院(浜松市)が診療を拒んだのは、正当な理由がない限り診療を拒んではならないと定めた医師法に違反するとして、中国で腎移植を受けた静岡県掛川市の男性(66)が、大学に慰謝料など約190万円を求める訴えを静岡地裁に起こしていたことが13日、分かった。

 医療関係者によると、海外で移植を受ける患者は年間数十人に上り同様の診療拒否も相次ぐが、訴訟に至ったのは初とみられる。各地での拒否の背景には「こうした患者を診療すると罰せられる」との誤解が一部にあると指摘する専門家もいる。

 厚生労働省は国内移植を推奨するが、渡航移植患者の帰国後の治療について「関係法令はなく、各病院の判断に任せている」として明確な方針を示していない。

 男性は提訴した理由を「診療拒否された患者の不安を知ってほしい」と説明。浜松医大は取材に「係争中のためコメントできない」としている。提訴は昨年7月24日付。

 男性の代理人弁護士によると、男性は渡航移植を仲介するNPO法人に申し込み、中国で腎移植を受けていた。

 大学側は男性に対し、診療全てを拒んではおらず検査はしたと説明。内規は、臓器を売買の対象とすることを禁じた国際学会の「イスタンブール宣言」をきっかけに定めたとし「治療すれば宣言に抵触する」と反論したという。

 宣言は移植医らでつくる国際移植学会が2008年5月に発表し、富裕国の患者が海外で貧困層や死刑囚をドナーとする移植を受けることを批判。臓器売買を禁止するよう各国に求め、日本移植学会も準拠した指針を策定している。

 訴状によると、男性は15年1月、中国に渡航し腎移植を受けた。帰国後の同4月、継続治療のため浜松医大病院を受診。血液と尿の検査後、医師に中国で手術を受けたと伝えると「海外で移植した患者の診療は断ると内規で定めている」として、他の病院を探すよう求められたとしている。



https://www.m3.com/news/general/467515
群馬大教授の指導医資格不正取得、新たな防止策取らず…肝胆膵外科学会
2016年10月14日 (金) 読売新聞

 群馬大病院で相次いだ手術死に関連し、旧第二外科教授(7月29日付で諭旨解雇)が虚偽の手術実績で指導医の資格を取得していた問題で、日本肝胆 膵すい 外科学会は、新たな対策は取らない旨の見解を学会のサイトで公表した。

 同学会が定める高度技能指導医は、一定以上の難度の手術件数などが必要としている。群馬大が設置した第三者の調査委員会が今年7月に公表した調査報告書では、指導医資格が虚偽の実績で取得可能だったことに対し、「防止策を講ずるべきだ」と同学会に要望。これを受け、同学会は「不正防止対策はすでに十分講じているが、さらに会員に周知徹底する」とした。



https://www.m3.com/clinical/news/467259
レセプト関連の不審メールに注意喚起
社会保険診療報酬支払基金に情報相次ぐ

m3.com編集部2016年10月14日 (金)

 社会保険診療報酬支払基金は、「レセプト電子請求に併せて」と題した不審なメールの報告が相次いでいることから注意喚起を発した。同基金では、そのようなメールは送付していないとして冷静な対応を呼び掛けている。

 同基金によると最近、レセプト電子請求の情報をにおわせる不審メールが増えているという。このため同様のメールを受信した際は、「メール本文中のURLをクリックしない」「添付ファイルを開かない」「届いたメールに対して返信しない」よう求めている。



http://news.livedoor.com/article/detail/12145637/
「人生は完結」と思う高齢者の自殺ほう助認める動き、オランダ
2016年10月14日 14時34分 AFPBB News

【AFP=時事】安楽死の合法化から約15年を経たオランダで、病気でなくても人生は「完結した」と感じている高齢者が自殺ほう助で死ぬ権利を法的に認めるよう、安楽死法の範囲を拡大する動きが出ている。

 オランダ保健相と司法相は12日、議会に宛てた書簡のなかで「熟慮した末に自分の人生は完結したとの確信に至った人たちが、厳格な条件の下で、自身が選択した尊厳ある方法で生涯を終えられるようにすべきだ」と提案した。オランダは来年3月に総選挙を控えているため、提案が法案として審議される可能性は低いが、既にオランダ国内では激しい論争が巻き起こっている。

 オランダと隣国のベルギーは共に2002年、世界で初めて安楽死を合法化した。ただし安楽死は、他に合理的な解決法がなく患者の苦痛が「耐えがたく改善の見込みがない」と2人以上の医師が認めた場合に限るとの厳格な条件の下で行われている。

 昨年にオランダで実施された安楽死の件数は約5516件で、全死亡者数の3.90を占めた。また安楽死による死を選択した人たちの700以上が、がんと診断された人たちで、認知症または精神疾患の人たちが約2.90だった。安楽死の件数は2010年の3136件から確実に増加している。

 安楽死は繊細な問題で、12~18歳の未成年の末期患者も安楽死を選択でき、認知症など、ある種の精神症状が「耐えがたい苦痛」とみなされるなど、国外ではいぶかしむ人も多い。
【翻訳編集】AFPBB News



http://www.swissinfo.ch/jpn/society/0E609C0800E60960B00E70B50B10E80A8088_0E80870AA0E60AE0BA0E30810BB0E30810860E508A0A90E308108C0E30820B90E30820A40E30820B90E30810A70E50A20970E508A0A0/42514410
最新統計  自殺ほう助がスイスで増加
2016-10-14 10:00 Swiss Info

最新の統計によると、スイスで行われた自殺ほう助の件数は前年から260増加していることが分かった。自殺ほう助で死亡した人の大半は末期患者だった。

 連邦統計局の報告書によると、スイスで行われた自殺ほう助の件数は2014年で742件あり、5年前に比べ2.5倍増加。スイスの死亡原因のうち、1.20が自殺ほう助だった。
 自殺ほう助を受ける人の数は男女ほぼ同じで、人口比率に換算すると男性は10万人中10人、女性は10万人中9人がこの手段を選択した。
 自殺ほう助を受ける理由として、「がんによる病気」を挙げた人は420。ほかには、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患(140)、心臓血管疾患(110)、筋骨格系の疾患(100)が挙げられている。
 14年に自殺ほう助を受けた人のほとんどがチューリヒ州在住者。ジュネーブ州、ヌーシャテル州、ヴォー州、アッペンツェル・アウサーローデン準州、ツーク州でも自殺ほう助を受けた人の数は平均より高かった。
 連邦統計局によると、手助けを得ずに自殺した人の数は過去数年で一定数を保っており、14年では1029人だった。

自殺ほう助は合法?

 本人が自ら死に至る行為を行い、その人が死ぬことで援助者が個人的な利益を得ることがなければ、スイスでは自殺ほう助は合法とされる。1940年代から自殺ほう助が認められている。
通常の手段では医師が処方した致死量の睡眠薬が用いられる。自殺志願者は経口摂取、点滴静脈注射、胃管など、いずれの方法においても、自ら毒を摂取しなくてはならない。スイス連邦裁判所は2006年、健全な判断が出来るすべての人々には、精神病を患っているか否かに関わらず、自らの死の手段を選ぶ権利があるとの判断を示している。
(英語からの翻訳・鹿島田芙美 編集・スイスインフォ)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49799.html?src=topnewslink
地域医療連携は行政と地域医師会主導で- 日医・横倉会長が東大で講演
2016年10月14日 15時00分 CB News

 日本医師会(日医)の横倉義武会長は13日、東京大学で講演し、これまでの地域医療連携が医師会、病院、行政、地域包括支援センター、それぞれが主導して進められてきたなどと指摘した上で、「これからは、地域にあった連携システムを構築するために行政と地域医師会が中心となって主導していく」と述べた。【君塚靖】

 この講演会は、文部科学省の「未来医療研究人材養成拠点形成事業」により、シリーズで開催されているもので、「最先端の在宅医療を考える」がテーマ。研修医を含む医師、医学生、在宅医療の関係者などを対象にしている。今回は、日本の医療政策の中で医師会がどのような役割を果たすのかについて、日医の横倉会長が講演した。

 横倉会長は、日医の役割は地域医療や医療政策をはじめとする医療提供体制全般に責任を持つことだと強調し、その一環で日医の生涯教育制度などを通じて、在宅医療に関する教育・研修に注力していることを説明した。研修の具体例として、4月から実施している「日医かかりつけ医機能研修制度」を挙げた。

 一方、今年度中に、ほぼすべての都道府県で策定される見込みの地域医療構想については、「将来の病床の必要量が注目されているが、決して病床削減ツールではない」と強調し、「地域医療構想の策定で『終わり』ではなく、将来の姿を見据えつつ、医療機関の自主的な選択により、地域の病床機能が収れんされるべき」と述べた。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1014504979/
医療事故による死亡、院内調査で原因究明を
日医が職業倫理指針を改訂

CBnews | 2016.10.14 13:33

 日本医師会(日医)は、会員向けの「医師の職業倫理指針」に、医療事故で患者が死亡した場合は院内で事故調査を行って原因を究明するよう求める内容などを新たに盛り込んだ。この倫理指針は、臨床現場で遭遇することが想定される具体的な事例を取り上げ、その対応方法などを示したもので、このほど8年ぶりに改訂された。

 改訂版には、▽医療による死亡事故が発生した場合 ▽出生前に実施される遺伝学的検査・診断 ▽患者が虐待されていると疑われるケース―の対応方法などが追記された。

 医療によって死亡事故が発生した場合、担当医や病院などの管理者は遺族らに病理解剖を勧め、院内での事故調査によって原因究明すべきとした。また、臨床に携わる医師に対して医師賠償責任保険や医療施設賠償責任保険に加入するよう求めた。

 出生前に実施される遺伝学的検査・診断については、実施する医師はあらかじめ妊婦やその家族らにその特性や意義などを十分に説明する必要性を強調。さらに、事前に妊婦らに対して必要な情報提供や心理的な支援などをする「遺伝カウンセリング」を実施した上で、同意を得るよう求めた。

 遺伝カウンセリングに関しては、遺伝学的検査の普及とともに重要性が高まっていることから、すべての医師が基礎的な知識や技能を習得することが望ましいとした。

虐待疑いの通報、「守秘義務は適用されず」

 患者への虐待が疑われるケースでは、医師は公的機関に積極的に通報する必要があると記載。また、医師が患者への虐待を疑って通報した場合でも、「守秘義務は適用されず、責任が問われることはない」とした。

 さらに、医療機関や介護施設などでは認知症の人や精神障害者、知的障害者らが身体拘束されるケースもあると指摘。患者や入所者に納得できない外傷やあざなどがあった場合、「医師はその原因調査と再発防止に協力すべき」との考えも示した。

 日医では近く、すべての会員に改訂版を配布する予定。

(2016年10月13日 松村秀士・CBnews)



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161012-OYTET50034/
イグ・ノーベル・ドクター新見正則の日常(コラム)
日本の医療制度が破綻危機、何とかしなければ…

2016年10月14日 読売新聞

 先週にイギリスの短期出張から戻り、時差ぼけも少なく仕事に励んでいました。いろいろな医療の記事を読んでいて、ほとんどは既に知っていることか、自分の予想の範囲内のことなので、 滅多めった に記事を見て、びっくりすることはありません。ところが、10月6日の日経産業新聞の記事(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO08036870V01C16A0X11000/)には、久しぶりに度肝を抜かれました。

 超高額抗がん剤として話題を集めている「オプジーボ」の値段が、アメリカでは日本の4割、イギリスでは日本の2割で販売されているそうです。

医療費増は当然の成り行き

 自分が出演するラジオや、自分が書き下ろす原稿で、すでに「日本の薬の値段の算定システムはフェアである」と表明してきた自分にとっては、本当にびっくりする記事でした。

 日本では最初に悪性黒色腫という 希まれ な疾患に保険適用されたこと、そして日本で最初に薬剤として承認されたことなどが影響しているのでしょう。オプジーボの薬価の算定システムはフェアとしても、実際にイギリスでは日本の5分の1の値段で売られているというのでは、日本でのオプジーボの値段も当然に下げるべきです。ところが、薬価は2年ごとに改定されます。さすがに厚生労働省も超高額であることを認識して、通常の2年を待たずに薬価を下げるようですが、半額に下げても、アメリカよりも高いことになります。半額に下げてもイギリスの2.5倍の値段です。とんでもなく高いですね。

 僕は、とんでもなく高くても、日本の経済が順風満帆ならばそれほど問題ではないと思っています。ところが日本経済は残念ながら 喘あえいでいます。そして、 日本の医療費(概算)の総額が前年度から1.5兆円増加して、41.5兆円になりました 。この原因は高齢化の進展と高額薬剤の使用頻度の増加にあると解説されています。この医療費の増加を 補填ほてん するだけの経済成長はとても見込めません。

 41.5兆円は、とんでもない高額です。そして、ここにはトリックがあって、この値は医療機関からの診療報酬請求に基づく集計の速報値で、労災や全額自己負担分の医療費は含まれていません。その上、実は200万人を超える生活保護の方々の医療費も含まれていないのです。

 2025年には、団塊の世代がすべて後期高齢者となります。75歳以上になるということです。団塊の世代とは1947年から1949年、つまり昭和22年から昭和24年に生まれた人々で、その3年間の年間出生数は毎年260万人を超えています。2015年に生まれた赤ちゃんは約100万人ですから、団塊の世代がどれほど多いかがわかります。つまり日本の人口構成で高齢化は避けられません。

 そして、サイエンスが進歩して、医療が高度化し、高額薬剤が登場し、一人当たりの医療費が増加することは当然の成り行きです。

日本の保険制度の素晴らしさは?

 つまり、医療費を今までのような国民皆保険制度でカバーするのはそろそろ限界なのです。日本の保険制度の素晴らしさは、基本的に全員が加入していること、そしてどこの保険医療機関にも自由にかかれること(フリーアクセス)です。

 さて、イギリスの話をします。イギリスにも国民皆保険制度があります。NHSと呼ばれるもので、イギリスに住んでいれば外国人でもその制度を利用できます。僕もオックスフォードで勉強した5年間は、この制度にお世話になりました。基本的に医療費は、ほぼ無料です。

 日本のシステムとの最大の相違点は、フリーアクセスではないということです。自分が住んでいる地域内で、かかりつけ医を見つけて登録しなければならないのです。そして、どんな病気でも、このかかりつけ医がまず診察、治療し、必要に応じて専門医に紹介するシステムになっています。つまり皆保険制度を利用してのフリーアクセスは完全に否定されています。

 また、日本では、病院やクリニックなどの診療機関は患者さんに施した医療費の自己負担分を除いた金額を保険請求できます。1年間にいくら使おうが、必要な医療費であればすべて償還されます。償還とは、一時的に医療機関側が支払ったお金(債務)を返済してもらえるという意味です。ところがイギリスでは、1年間に使用できる医療費が医療機関ごとに決まっています。つまり総量規制が働いています。ですから、かかりつけ医でも簡単に薬はくれません。風邪で受診しても、薬剤が処方されないこともあります。

 日本のようにフリーアクセスで総量規制がない制度と、イギリスのように初診では、かかりつけ医に行くことが義務付けられて総量規制が働いている制度では、当然にイギリスの方が窮屈です。また、適切な医療がうけられないリスクはイギリスの方が高いとも思われます。

 しかし、医療費が高騰する中、何か手を打たなければ日本のすばらしい医療制度は早晩破綻します。何か変化が起こるときに、窮屈になってリスクが増えることは、誰もが反対です。でも、制度が潰れるよりはましですよね。

 例えれば、日本では、どこのレストランで、どんなものを食べても、それが必要とされる範囲内なら、7割から10割を補助されていました。そして高額療養費制度があるので、ある程度を支払ったら、それ以上は暦月内ではいくら注文しても自己負担は増加しないのです。ところがイギリスの制度は、行きつけの食堂を決めて、1年間にその食堂が全体として使えるお金が決められているのです。その食堂でどうしても満足できないときに他を紹介されます。でも、そんな食堂の制度でも、イギリス人は誇りに思っています。そして日本の制度よりも長期的には存続可能だと思われます。

 そろそろ真剣に医療サービスの担当者が、政府が、そして国民が、将来の医療制度を考える時期に来ていると思っています。

 人それぞれが、少しでも幸せになれますように。



http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=54101?site=nli
コラム
日本の医療は世界一か?-医療の国際数量比較

保険研究部 主任研究員・年金総合リサーチセンター兼任 篠原 拓也
2016年10月14日 ニッセイ基礎研究所

各国の医療従事者と病床数

日本は、他国に比べて、病床数が突出して多い。医療スタッフを見ると、医師数は少なく、看護師数は中位に位置している。一方、薬剤師数は多い。

各国の医療従事者と病床数[人口1,000人あたり]
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各国の医療機器数

また、高度医療機器であるCTやMRIの配備数では、日本は、他国を圧倒している。

各国の医療機器数 [人口100万人あたり]
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このように、日本は、医師数を制限する一方、病床数を増やして、入院による医療を展開している。

医師や看護師の診療やケアを、薬剤師の調剤や、医療設備の技術がサポートすることで、医療の質を確保している。

出典 : OECD Health Statistics 2016


※看護師数:フランス、アメリカは、業務管理・研究等、患者に接しない看護師を含む
※薬剤師数:アメリカは、業務管理・研究等、患者に接しない薬剤師を含む


※詳細はこちら
 医療の国際数量比較-日本の医療は世界一か?
 http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=52143?site=nli



http://www.medwatch.jp/?p=10790
2016年度診療報酬改定で、7対1病棟の入院患者像や病床利用率はどう変化したのか―入院医療分科会
2016年10月14日|医療・介護行政をウォッチ  MediWatch


 2016年度の診療報酬改定で大幅に見直された「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度」や「退院支援加算」(退院調整加算からの組み換え)によって、医療現場にはどのような影響が出ているのか―。

 12日に開かれた診療報酬調査専門組織の「入院医療等の調査・評価分科会」(入院医療分科会)では、こういった点を把握するための調査票が固められました(関連記事はこちら)。

 親組織である中央社会保険医療協議会の了承を待って、近く調査が開始されます。

ここがポイント!
1 入院医療に関する診療報酬改定、入院医療分科会の議論がベースとなる
2 看護必要度見直しの影響を詳しく調査、Hファイルも活用
3 患者像の把握は、医師による「指示見直しの頻度」だけでなく「診察の頻度」も勘案


入院医療に関する診療報酬改定、入院医療分科会の議論がベースとなる

 2014年度の診療報酬改定は、7対1・10対1病棟での特定除外制度を事実上廃止するなど、病院・病床の機能分化に先鞭をつける大きな見直しが行われましたが、具体的な内容は実質的に入院医療分科会で決まりました。

 また前回の2016年度改定では、入院医療分科会の所掌は「専門的な調査・分析」と「技術的な課題に関する検討」にとどめられることになりましたが、一般病棟やICUにおける重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)の見直しなど、改定の柱は実質的に分科会で固められました(関連記事はこちらとこちら)。

 このように、入院医療に関する診療報酬改定について、入院医療分科会の議論は極めて重いものとなっており、2018年度の診療報酬・介護報酬同時改定でも、同様の構図になると予想されます。入院医療分科会では、まず「前回改定の効果・影響」を詳細に調査し、その結果やDPCデータ・NDBデータをベースにして、入院医療における課題を洗い出し、解決に向けた方策を探るという形で検討・議論が進められます。

 12日に開かれた入院医療分科会では、2016年度改定が入院医療に与えた影響を把握するための下記の4項目に関する調査(2016年度調査)の調査票が厚生労働省から提示され、概ね了承されています。

(1)一般病棟入院基本料・特定集中治療室管理料における看護必要度などの施設基準の見直しの影響(その1)

(2)地域包括ケア病棟入院料の包括範囲の見直しの影響

(3)療養病棟入院基本料などの慢性期入院医療における評価の見直しの影響

(4)退院支援における医療機関の連携や在宅復帰率の評価の在り方

看護必要度見直しの影響を詳しく調査、Hファイルも活用

 看護必要度については、一般病棟では ▼A項目における救急搬送患者などの追加 ▼B項目における認知症患者の抽出を目指す項目見直し ▼手術症例を中心としたC項目の新設―が行われました。また、7対1病棟については、施設基準のうち「看護必要度の基準(A項目2点以上かつB項目3点以上、A項目3点以上、C項目1点以上)を満たす重症患者割合」が、従前の150以上から250以上(200床未満では230の経過措置あり)に引き上げられました(関連記事はこちらとこちら)。

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一般病棟とその加算、地域包括ケア病棟、回復期リハ病棟では、重症患者の対象範囲が異なる

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退院支援加算1・2の施設基準・算定要件の概要。加算1を届け出るためには病棟に退院支援業務等専従の看護職員・社会福祉士の配置などが必要となる

 多くの7対1病院にとって、こうした見直しは「施設基準の厳格化」でもあり、全病棟で7対1を維持するか、一部あるいは全部を他の入院料に転換するかが、重要な経営判断の1つとなっています。また7対1を維持するためには、重症患者割合を高める必要があり、「急性期治療を一定程度終え、看護必要度が低くなってきた患者の退院支援」や「後方病院や介護施設などとの連携強化」などが進められています。

 こうした状況を把握するため、今般の調査では、急性期病院における ▼病棟構成の現状と変化 ▼重症患者割合―などのほか、「在宅復帰率」「病床利用率」「退院支援加算の算定状況」なども詳しく調べられます。前述のとおり、重症患者割合を高めるために、急性期治療を終えた患者に積極的な退院支援を行い、在院日数を短縮していくことが必要です。ただし在院日数の短縮は病床利用率の低下にもつながるため、厚労省は「病床利用率の現状と、1年前からの変化」も調べることにしています。

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2016年度診療報酬改定では、7対1入院基本料の施設基準厳格化(重症患者割合の250への引き上げなど)が行われており、これによって病棟の構成などにどのような変化が生じるのかを調べる

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2016年度診療報酬改定では重症度、医療・看護必要度の見直しが行われており、これが入院患者の構成などにどう影響を与えたのかを調べる

 また、同じ7対1病院であっても、「7対1病棟のみで構成される病院」と「7対1と地域包括ケア病棟や回復期リハビリ病棟のケアミクスを行っている病院」とでは、患者の動向が異なることが予想されます。この点について厚労省は「施設表で病院のタイプを判断し、病床利用率も加味してタイプ別の分析を行う」考えです。

 この点、武井純子委員(社会医療法人財団慈泉会本部相澤東病院看護部長)は、「A項目の追加やC項目新設により、院内での多職種連携が進んだほか、医師の看護必要度への理解が深まってきているという状況もあるようだ。そうした点も見えるようにしてはどうか」と提案しています(関連記事はこちらとこちら)。


 なお今般の調査では、個別患者を対象として、1週間の中で「看護必要度のどの項目を満たしているのか」の把握も行われます(補助票)。これにより、より入院患者の状態が明確になることが期待されます。

 ただし、個別患者について改めて看護必要度の評価状況を転記することは病院にとって少なからず負担となるため、厚労省は「Hファイル」(看護必要度の生データ)の提出を行っている病院(DPC病院やデータ提出加算届け出病院)では、補助票の提出は不要としています。逆に見れば、患者像の把握に向けて「Hファイル」が最大限活用されることになります。

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2016年度の入院医療調査では、個別患者を対象にした看護必要度のチェック状況も調べる。ただしHファイルを提出している病院では、この補助票を提出する必要はない(Hファイルを活用する)

患者像の把握は、医師による「指示見直しの頻度」だけでなく「診察の頻度」も勘案

 2014年度改定・16年度の診療報酬改定では、療養病棟や障害者施設、特殊疾患病棟などの慢性期入院医療についても「在宅復帰機能強化加算」の新設などの重要な見直しが行われました(関連記事はこちら)。

 その際、各病棟の入院患者像を明確にする指標として、厚労省は「医師による指示の見直しの頻度」などを選択しました。今般の調査でも、こうした指標で継続した調査を行うこととしています。

 しかしこの点について、神野正博委員(社会医療法人財団董仙会理事長、全日本病院協会副会長)や池端幸彦委員(医療法人池慶会理事長、日本慢性期医療協会副会長)、石川広巳委員(社会医療法人社団千葉県勤労者医療協会理事長、日本医師会常任理事)は、「医師が毎日診察したり、看護師から詳細な状況報告を受けて、結果として『指示の変更はなし』と判断することもある。これを持って、患者の重症度の判断につなげるのは間違っている」旨を強調しました。例えば、ICUの入院患者に対し、毎日診察を行った結果、『現在の薬剤投与を継続』と判断して、指示変更をしていなくとも、その患者が重症であることには疑いがないということを池端委員は例示しています。

 厚労省保険局医療課の担当者はこうした意見を踏まえて、新たに「医師の診察(判断、処置など)の頻度」という設問項目を追加することを明確にしました。2018年度改定に向けて、「医師の指示見直しの頻度」と合わせて「医師の診察の頻度」という指標で、各病棟の患者像を見ていくことになります。

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入院患者の状態を把握するため、指標の1つとして「1-2 医師による指示の見直しの頻度(向かって右欄参照)」が活用されているが、2016年度調査では1-1と1-2の間に「医師による診察(判断、処置など)の頻度」が盛り込まれて、新たな指標として活用されることになる


 なお池端委員は、「療養病棟でもデータ提出加算の届け出をし、DPCデータを提出する病院が増えてきている。ここから、療養病棟においてどのような医療行為を行っているのかが見えてくる。それをベースにして『医療区分』の見直しに向けた議論を始めるべき」と提案しています。

 療養病棟では、患者の罹患疾病や処置の内容などに応じた医療区分を設定し、入院基本料のベースとしています(医療区分3のほうが、医療区分1よりも点数が高い)。ただし、医療区分3はスモンなど、医療区分2は筋ジストロフィーなどとなっているものの、医療区分1は「医療区分2、3以外」と定義され、医療区分1には軽症から重症までさまざまな患者が混在していると指摘されます。池端委員は、客観的なデータをもとに医療区分のあり方を議論すべきとの考えを強調しているのです。2018年度改定に向けて、どのような議論が行われるのかが注目されます(関連記事はこちら)。



https://www.m3.com/news/general/467516
健保連・幸野理事「調剤権拡大、次期改定の重点事項」 - リフィル、変更不可欄削除など提案へ
2016年10月14日 (金) 薬事日報

 健康保険組合連合会の幸野庄司理事は10日、名古屋市内で開かれた第49回日本薬剤師会学術大会で講演し、薬剤師の調剤権を医師の処方権と「同等に近づけたい」と述べ、「調剤権の拡大・強化」を2018年度診療報酬改定の重点事項の一つに位置づける考えを示した。中央社会保険医療協議会の支払側委員でもある幸野氏は、具体例として、薬剤師が残薬を確認した場合の分割調剤や、リフィル処方箋の導入、処方箋の後発品変更不可欄の削除を挙げた。いずれも、医療費抑制の観点から提案する予定だが、支払側として、中医協の場で「しっかりと後押し」できるよう、かかりつけ薬剤師・薬局を着実に普及させるなどし、実績を作っておくことも求めた。

 幸野氏は、中医協での議論を通して、「医師の処方権があまりにも強いため、薬剤師の調剤権と格差がありすぎる」との印象を語り、「こうしたことが医薬分業を歪ませた一つの要因になったのではないか」と指摘。18年度改定に向けて、「薬剤師の調剤権を医師の処方権と同等に近づけていく。これは強く主張していきたい」と述べた。

 調剤権を発揮してもらいたい具体的な事例の一つに、残薬を確認した場合の分割調剤を挙げ、「薬剤師の判断で行えるようになればいい」と強調。

 リフィル処方箋については、導入されれば再診料や処方箋料が不要になるため、「医療費に大きく関わってくる。今回は診療側の大反対で実現できなかったが、提案していきたい」との考えを示した。

 後発品の使用促進についても、「医師が後発品に変更不可と判断した場合、薬剤師が勝手に変更できず、薬剤師が調剤権を発揮できない仕組みになっている」と問題視。中医協のデータでは、患者が後発品に変更したきっかけの大半が「薬剤師の説明」だったことに触れ、「後発品への変更は薬の専門家である薬剤師の調剤権。医師の意見がなくても薬剤師が行うべき」と強調した。

 その上で、政府が後発品数量シェア800の目標を掲げる中、「処方箋に変更不可の欄が残っていて、8割まで普及するのか」と疑問視。変更不可欄について、「一刻も早くなくすことを提案したい」と述べた。

 一方、医薬分業の量的な拡大を図る過程で、医療機関に寄り添うように立地し、医師の処方権をここまで大きくしてしまった薬局・薬剤師側の責任も指摘。歪んだ医薬分業によって、国民のセルフメディケーションに対する意識を喪失させたことは「大きな弊害だ」と述べた。

 その上で、「かぜ気味だけど病院に行くまでもない」「最近、疲れやすくて調子が良くない」といった状態にあったり、「認知症が疑われる祖父が何種類も薬を飲んでいるが大丈夫か」などと考えている人たちは、「薬局で何らかの相談に乗ってもらいたいと思っている」と指摘。こうしたニーズは「40年前も今も変わっていない。なのに薬局が変わってしまった。これが残念でならない」と述べ、OTC薬の活用などを通して薬局本来の機能を取り戻すことにより、“まずは病院”という国民の意識を“まずは薬局”という方向に「変えてもらいたい」と訴えた。

 幸野氏は、重ねて「処方権より調剤権が低くなってしまったことが非常に悲しい」と強調。今後、中医協の場で「様々な提案をし、後押ししていきたい」とする一方で、実行を確保するためには、「説得力がないと駄目。ぜひ、かかりつけ薬局・薬剤師を普及させてもらいたい」と述べた。

 今回の改定で新設したかかりつけ薬剤師指導料が万が一、普及しなかった場合は「お先真っ暗となる」としたが、思ったより普及していた場合、「薬剤師の信頼・求心力が高まり、もっと薬剤師に権利を持たせようという動きに変わってくる」と見通した。

 ただ、「権利には義務がついてくる」ともし、「大変だと思うが、しっかり取り組んでもらいたい」とエールを送った。



https://www.m3.com/news/general/467528
ホルマリン液を誤投与 患者56人、男性に後遺症 兵庫・姫路の病院
2016年10月14日 (金) 共同通信社

 兵庫県姫路市の製鉄記念広畑病院の医師らが昨年7月、内視鏡検査の患者に精製水と誤り、ホルマリン液を投与したことが13日、病院などへの取材で分かった。誤投与したのは10~80代の最大56人。同市の70代の男性患者1人が健康被害を訴え、現在も全身の神経痛などの後遺症がある。

 男性患者は13日、業務上過失傷害容疑で、担当した同病院内科部長の男性医師に対する告訴状を県警網干署に提出した。受理される見通し。

 病院は取材に「院内で運ぶ場所を間違え、医師も中身を確認しなかった。気付くタイミングがあり、きちんとチェックしていれば避けられた」と釈明。昨年12月に「医療事故調査報告書」を姫路市保健所に提出したが、公表はしなかった。「患者56人全員に説明しており、必要ないと判断した」としている。

 病院などによると、院内の薬剤部で調合したホルマリン液を手術室に運ばず、契約職員が間違って内視鏡センターに搬送。検査で使用した医師も中身を確認していなかった。ホルマリン液が入った箱には「精製水」の表記があり、上からペンで「×」と書かれていた。

 昨年7月22、23日に内視鏡検査を受診した56人に誤投与の可能性があり、男性患者は同22日、超音波内視鏡検査のため十二指腸に100ホルマリン液を120ミリリットル注入され、嘔吐(おうと)や下血の症状が出た。後遺症や治療薬の副作用で行動範囲が狭まるなど日常生活に支障が出ているという。他55人の注入量はいずれも数ミリリットルとされ健康被害はない。

 男性患者の弁護士は13日、姫路市内で記者会見し「病院は投与する液体の中身を確認する義務を怠った。男性が痛みを訴えたのに誤投与を疑わず、検査を中止しなかった」と批判した。

 広畑病院は1940年、日本製鉄広畑製鉄所病院として開設、兵庫県の民間病院で唯一救命救急センターを併設する。

 ※ホルマリン
 刺激臭のある無色の気体「ホルムアルデヒド」の水溶液。生物標本を作る際の防腐処理や化学薬品の製造、消毒などに使用され、用途は広い。発がん性が指摘され、毒劇物法で劇物に指定されている。


  1. 2016/10/15(土) 05:42:00|
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