Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月13日 

https://www.m3.com/news/general/467111?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161013&dcf_doctor=true&mc.l=183186836&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
(インタビュー)福島、5年後のこころ 福島県立医科大学教授・前田正治さん
2016年10月13日 (木) 朝日新聞

 東京電力福島第一原発の事故から5年7カ月。福島の震災関連自殺は一向に減る気配を見せない。汚染されたふるさとの姿を自分に投影する被災者もおり、過酷な状況におかれた福島で、心の問題とどう向き合っていけばいいのか。福島県立医科大学で「災害こころの医学講座」教授を務める前田正治さんに聞いた。

 ――震災から5年半がたちました。原発事故被災者の心の健康はどんな状態ですか。

 「ゆっくりとした回復を示すデータと同時に、深刻な事態を示すような相反するデータもあり、二極化の様相を示しています。県内で避難指示が出た市町村に住んでいた21万人の健康調査を毎年行っていますが、うつ病の可能性がある人の割合は、2012年から4年間で14・60から7・80に下がりました。全国平均は約30ですからまだまだ高いですが、減る傾向にはあります。ただ、岩手、宮城では急減した震災関連自殺は、福島では依然として多く、累計で80人を超えました。アルコール摂取に問題を抱える男性も2割前後で横ばいが続いています」

 ――原発事故は、心の健康にどう影響しているのでしょう。

 「放射線への不安が広く深い負の影響を与えています。一つは、直接的な恐怖体験からくるストレス障害です。特に原発のそばに住み、何の準備もなく緊急避難を迫られた人々は、また恐ろしい事故が起きるのではないかと慢性的な不安が消えない。21万人調査では、事故後1年で220、最近でも80の人が心的外傷後ストレス障害(PTSD)のリスクが高いと判断されました。米同時多発テロの救急隊員の事故後3カ月のそれが約200ですから、いかに高いか分かります」

 「より深刻なのは、放射線被曝(ひばく)の遺伝的な影響を心配する被災者が、減ったとはいえ今なお4割近くいることです。原爆被爆者は遺伝的影響があるのではないかという根拠のないスティグマ(偏見)を非常に恐れ苦しみました。福島の方々も同様の偏見を恐れ、それが『結婚できないのではないか』『妊娠していいのだろうか』という不安に変わっています。実際、県外に避難している被災者の中には自分の出身を隠す方もいます」

 「当初は感じていなくても、外部の人が偏見を持っていると分かると、それを自分に投影して、自信をなくしたり、落ち込んだりします」

 「県外の方に十分考えてほしいのは、悪意のない一言にも、福島の人はとても敏感になっているということです。震災後3年目に支援団体が福島の子どもをキャンプに連れて行きました。子どもたちがキャンプ場で遊んでいると、地元の人が声をかけてきた。『かわいそうだね、放射能にまみれて。これを食べれば、放射線が抜けるから』とキノコを差し出した。子どもたちは最初はきょとんとしていましたが、ある子が『私たちは汚れてなんかいない』と泣き出しました。地元の人は悪意で言ったわけではないでしょう。しかし非常に傷つける言葉でした」

    ■     ■

 ――放射線被曝の自己偏見は広がっているのですか。

 「遺伝への不安は若年層に多いと推測していましたが、21万人調査では高齢者に高い。原爆や冷戦時代の核実験のイメージが生々しく残り、原発事故と原爆の悲惨なイメージが重なるのでしょう。欧米の研究者に『原爆の知見の蓄積があるのに、なぜこんなに不安がるのか』と聞かれますが、被爆国日本の特有のトラウマといってもいいかも知れません」

 「甲状腺がんの検査も続けていますが、わずかでも異常を示すような結果が出ると、泣き叫ぶ親御さんがたくさんいます。担当医が『あんな苦しみを与える検査ならしたくない』と言うほどです。甲状腺がんは経過が良好ながんとして知られていますが、そうした科学的事実は慰めになりません。『あの時、水を飲ませなければよかったのか』などと、震災時を振り返り自分を強く責める親御さんも少なくない。甲状腺の問題を周囲がどう思うか、『子どもは結婚できないのではないか』と検査結果が漏れるのをとても恐れます」

 ――人々のイメージを変えるのは簡単ではないと思いますが、対策はありますか。

 「科学的な根拠に基づいた知識を普及させると同時に、偏見を恐れる人たちの苦悩を理解することがとても大切だと思います。福島の人々はこうした不安を声に出して訴えることはありません。だからこそ我々研究者、支援者が伝えていく必要があります」

 ――なぜ、福島だけ震災関連自殺が減らないのでしょう。

 「震災の年の関連自殺は宮城、岩手、福島の順に多く、津波の死者数に比例し、震災の直接的な影響と思われます。5年後も福島だけ突出して多いのは、原発事故の影響と考えざるをえません。福島の方々は郷土への愛着が強く、地域社会とのつながりがなくなることの喪失感は大変大きい。原発事故から時間がたち、当初は帰郷の希望を抱いていた人が希望を失いつつあります。地域社会との断絶が自殺の根底にあるのかもしれません。時間が経つにつれ地域社会の絆も弱まっています。我々の調査で、地域社会が持つ助け合い機能の低下が、人々の心の回復を妨げることもわかってきました」

 「原因は一つではなく、経済的困難とかうつ病など様々な理由が積み重なった結果ですが、家族の分断の影響も大きいと考えています。自殺者を震災関連とそれ以外に分けて調べると、関連自殺は家族構造が震災後に変化している人が多い。放射線が不安な妻子は県外へ移り、父親は福島で単身生活する家族もいます」

 ――どんな支援をしていますか。

 「21万人調査で判明した健康へのリスクが高い人に対し、約15人のカウンセラーが電話し、詳しい様子を聞いています。ある高齢の女性被災者に電話したら、避難で地域とのつながりをなくし、『もういなくなってしまいたい』と繰り返し、食欲もなくなり、体重が減ったと話しました。臨床心理士が抑うつ状態と判断、自治体の保健師が訪問して安全確認を行いました。毎年4千人に電話します。電話を用いた、こんな大規模で継続的な被災者支援は、日本はもちろん世界でも報告がありません。ただ電話支援は限界もあり、保健所や心のケアセンターなど他の支援機関と適切な連携をとることがとても大切だと考えています」

    ■     ■

 ――自治体職員も心の健康に影響が出ているようですね。

 「復興に従事する人たちへの支援を緊急に考えなければなりません。最前線で住民を支える市町村の職員の疲弊は想像以上です。原発事故で深刻な被害を受けた沿岸部の自治体で面接調査をしたところ、うつ病を発症している人が実に2割近くいて、自殺の恐れがある人も少なくありませんでした。7割の人が睡眠障害で苦しんでいました。考えられないほど高い割合です」

 ――なぜそこまで悪化したのでしょうか。

 「自分も被災者なのに、それを前面に出せず、住民の怒りを受け続けたのが大きい。『役場に鳴り響く苦情の電話の音が耳から離れない』と電話の音がトラウマになった人や、避難所ですさまじい罵声を浴び続けた職員がたくさんいます。忘れてならないのは、彼らもまた被災者で、今なお避難所生活を余儀なくされている人も多いことです。ただ自治体職員は、自ら悩みを訴え出ることはまずありません。住民が苦しんでいるのに自分の弱音は訴えられないといった心境です」

 ――対策はあるのでしょうか。

 「被災地で自衛隊員や消防隊員の活躍が称賛されたように、身近で奮闘する自治体職員もリスペクト(相手を尊重すること)してあげてほしい。自治体職員にとっては、住民からの支持や感謝こそがエネルギーです。職員向けカウンセラーを常駐させるなどの具体策も重要です」

    ■     ■

 ――5年たった福島で、これからどんな対策が必要でしょうか。

 「原発事故では、甲状腺がんの発症など身体への健康被害に焦点が当たりますが、それと同じように、精神面の健康問題が重要だという認識を持って欲しいです。チェルノブイリ原発事故では、甲状腺がんなど身体的問題とともに、うつ病やPTSDなどの精神的な問題が極めて大きかったことが多数報告されています。福島での震災関連自殺の多さはその重大な警鐘だと考えています。睡眠やアルコールの問題、あるいは生活習慣病に関わる問題にも注意しなければなりません」

 ――どう向き合っていけばいいのでしょうか。

 「県外の人には、福島の人々の苦悩を理解してほしいと思います。被災者の方々にまず理解して欲しいのは、放射線などの問題に対して不安を持つのは当然で、これ自体はまったく病ではありません。一方で、悩みが強くなったとしても、自分が弱いと思わず、周囲の人や支援機関に相談してほしいと思います」

 (聞き手・畑川剛毅)

    *

 まえだまさはる 1960年生まれ。専門はトラウマ関連障害。2013年に久留米大准教授から転じた。ふくしま心のケアセンター副所長も兼ねる。



https://www.m3.com/news/general/467214
産科医数7年ぶり減少 都市近郊で負担大きく 人材確保が急務
2016年10月13日 (木) 共同通信社

 開業医らでつくる日本産婦人科医会は12日、1月時点の産婦人科の医師の数は前年同期比22人減の1万1461人と、7年ぶりに減少に転じ、埼玉や千葉、兵庫など、大都市近郊で医師の負担が大きくなっているとの調査結果を発表した。今後も大幅な増加は見込めないといい、同医会は人材確保と適切な配置が急務の課題だと訴えている。

 医会によると、産婦人科医は2009年に1万79人まで減った後、労働環境改善などによって増加していた。しかし、新たに産婦人科医になる人より退職者が多く減少に転じた。

 産婦人科が研修医の必修科目から選択科目に変わり、12年以降は新たに産婦人科を専攻する医師が減少していることが背景にあるという。

 出産を扱う産科・産婦人科の医師は、他の診療科と比べて当直や呼び出しが多く激務であることや、患者側から訴えられる「訴訟リスク」も敬遠される一因とされる。

 出産数も減少しているが、地方と大都市近郊で度合いが異なるため、産科医の負担の地域格差が大きくなっている。出産千件当たりの医師数は埼玉5・5人、千葉6・2人、兵庫6・7人だったのに対し、最も多い山形は14・7人で、最大約2・6倍の差があった。

 過去10年の出産数は、秋田で23・9%減、福島19・1%減、青森で18・1%減などと、大幅に減った。

 調査した日本医大の中井章人(なかい・あきひと)教授は「妊婦の多い大都市近郊で医師の負担が大きくなっている。地域の産科医療を支える診療所や周産期母子医療センターの人材確保が課題になる」と指摘した。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161013-OYTET50031/
産科医7年ぶり減少…高リスク出産増で「危機的状況」
2016年10月13日 読売新聞

 2009年以降微増してきた産科医の数が、今年7年ぶりに減少したことが日本産婦人科医会の調査でわかった。

 高齢出産などでリスクの高いケースが増え、産科医不足解消が求められる中、同医会では「危機的な状況。医師の診療科や地域の偏在への対策が必要だ」としている。

 同医会は毎年1月時点での産科医数を全国調査している。09年の7290人から15年には8264人に増えたが、今年は8244人と前年に比べて20人減少した。

 安全に出産できる体制を維持するには、毎年新たに産科医になる研修医が470~500人必要と同医会は試算。11年は450人に増えたが、その後は減り続けて昨年は364人となり、高齢などによる退職者数を補い切れなかった。

 同医会は、医師国家試験合格後の臨床研修の中で必修だった産婦人科が10年度から選択科目になったことなどが、響いていると分析。今後、〈1〉女性医師が妊娠・出産した後に復職しやすい環境作り〈2〉臨床研修での産婦人科の再必修化――などを目指す。



https://news.nifty.com/article/economy/economyall/12158-20161013134/
高額薬剤、使用制限をかけるべき? - 医師の半数が「制限すべき」
2016年10月13日 18時24分 マイナビニュース

メドピアは10月13日、医師を対象に実施した「高額薬剤の使用制限に関するアンケート」の結果を発表した。調査期間は9月5日~11日、対象はMedPeerに会員登録した医師で、有効回答数は4,199人。

○「民間の保険でカバーすべき」という声も

厚生労働省が9月に発表した2015年度の医療費(概算)は41.5兆円で、過去最高額を記録。医療費増加の要因は「高齢化や医療技術の高度化に加えて、高額な医薬品の使用が増えたため」(同省)とされる。

同省は医療費の財源を圧迫する高額薬剤への緊急的な対応として、抗PD-1抗体「オプジーボ」などの薬価の引き下げを含む検討を開始した。

こうした状況を受け、メドピアは医師に「『高額薬剤の使用制限』についてどのように考えるか」を尋ねるアンケートを実施。その結果、「制限すべき」が51.7%過半数、「制限すべきだが、実際には難しい」が35.5%となった。一方「制限すべきではない」は4.7%、「わからない」は8.1%でいずれも1割未満であった。
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「制限すべき」という医師からは次のようなコメントが上がった。

「一部の利益のために全体の資源を食い潰して医療が受けられない人が出てくるのは問題だと思う。患者としてはわらにもすがる思いなので薬自体は否定できない。民間の保険でカバーするのがベターだと思う」(30代、整形外科・スポーツ医学)、「限られた予算を有効に使うべきで、財政破綻するような使い方はすべきでない。そのためには制限は当然。命のためなら金に糸目はつけないという時代ではない。どうやって制限するかは難しいが、高齢者の医療費を増やすべきではない」(40代、一般内科)

「制限すべきだが、実際には難しい」と回答した医師のコメントは次の通り。

「高額薬剤を制限することは、実際の臨床の場では困難だと感じている。長期生存が可能かもしれない選択肢があるのにそれを提示しないのは犯罪に近い。年齢等で制限するのも困難。自己負担金額を増やすのが良いと思うが、日本国民が受け入れるか疑問」(50代、呼吸器内科)、「効果のある薬の効果をできるだけ多くの患者が享受できるように工夫が必要。ある程度の薬価がつかないと新しい薬剤開発ができない。そうなると薬剤効果を享受できない。保険の破綻も薬剤効果の享受にマイナス効果。そのバランスが大切」(50代、一般内科)

「わからない」と回答した医師からは「巨額の税金が必要とされるのでしょうが、望みがあるのなら患者さんは使用したいと思うのでは、と思うと、制限すべきかどうか、私にはわかりません」(40代、健診・予防医学)、「他の国のように、当初薬価を低く設定し、効果があれば薬価を上げるようにすればいいような気がするのですが」(30代、整形外科・スポーツ医学)という声が上がった。

「制限すべきではない」という医師からは「医師には最善の治療を行う義務があり、患者はそれを受ける権利がある。薬剤費、医療費は、適正に設定すべきです」(60代、一般内科)、「有効性と対象患者が明らかならば使用制限はすべきではない。むしろ低額で有効性に疑問があり、大量に使用されている薬剤を使用制限や保険不適用にすべきである」(50代、小児科)といった意見が寄せられた。



https://medpeer.jp/news/article?id=322&from=top_news_detail
「係争の具」となるなら調査中止を
2016年10月11日 MedPeer

医療安全調査機構にAJMCが申し入れ

 全国医学部長病院長会議(AJMC、新井一会長)は9月23日、国指定の医療事故調査・支援センターである日本医療安全調査機構に対し、事故調査報告書が訴訟資料などに利用されることが明らかとなった場合は、機構による事故調査や院内事故調査情報の整理・分析など制度が定める一連の作業を中止するよう申し入れを行いました。医療事故調査制度の目的は「医療安全の確保」であり、制度に基づいて作成された事故調査報告書が訴訟に利用されることは制度の目的から外れているとの主張に基づく要請です。

センターの法的業務について再確認を求める

 医療事故調査制度は改正医療法により昨年10月から運用が始まりました。医療安全調査機構は国指定の医療安全調査・支援センター(センター)として、主に次のような業務を担っています。

・医療機関の院内事故調査報告により収集した情報の整理・分析を行う
・院内事故調査報告をした病院などの管理者に情報の整理・分析結果を報告する
・医療機関の管理者が「医療事故」に該当するとしてセンターに報告した事例について、医療機関の管理者・遺族から調査の依頼があった場合に調査を実施し、その結果を医療機関の管理者・遺族に報告する

 AJMCに設置された「大学病院の医療事故対策委員会」(有賀徹委員長)はこれまでの検討結果を踏まえ、医療安全調査機構に対して、医療事故調査制度が「警察への届け出の代わりとなるものではない」「係争の手段ではない」について確認することなど6項目の申し入れを行いました。改正医療法等で定めたセンターの業務を再確認するよう求めた内容です。6項目の中には、事故調査報告書が「係争の具として利用されることが明らかになった場合」、つまり報告書が民事訴訟などの資料として利用されることが分かった場合について、改正医療法が規定するセンターとしての作業(上記)を差し控えるよう求めています。

 9月27日の定例会見で今回の申し入れについて説明した有賀委員長は、「訴訟に発展することがおおむね明らかになった瞬間に、作業をフリーズしてほしい」と述べ、すでに調査が始まっていた場合についても作業は中断すべきとの見解を示しました。

目的外使用はやめてほしい

 医療事故調査制度は、医療事故が発生した医療機関で院内調査を実施し、その調査報告を第三者機関であるセンターが収集・分析することで再発防止を図り、医療安全を確保する制度として、改正医療法に位置づけられています。

 有賀委員長は、不幸にも起こってしまった事故を反省材料として医療安全や医療の質をよりよくすることが制度の基本ルールだとし、事故調査報告書が目的外使用されるようなことを医療安全調査機構はやるべきではないと説明しました。その上で「実際に訴訟に利用されることが明らかな場合があり、悩ましい問題だ」とも述べました。

 大学医学部や大学病院が制度の支援団体として、解剖や外部専門委員の派遣などを行っています。

 申し入れでは、「センターへの報告事例は法的に定義された医療事故であること」「調査の主体は病院などの管理者にあり、“中立性”などを理由に外部からの不要な干渉は許されないこと」―などの確認も求めました。

メドピア編集部
小野 博司 (おの ひろし)
MedPeer編集部 記者。1995年から健康・医療分野を中心に取材活動をしています。関心事は、これからの社会保障システムのあり方、医療安全、被災地の医療復興など。2014年12月よりメドピアに在籍。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49797.html
医療事故による死亡、院内調査で原因究明を- 日医が職業倫理指針を改訂
2016年10月13日 17時00分 CB News

 日本医師会(日医)は、会員向けの「医師の職業倫理指針」に、医療事故で患者が死亡した場合は院内で事故調査を行って原因を究明するよう求める内容などを新たに盛り込んだ。この倫理指針は、臨床現場で遭遇することが想定される具体的な事例を取り上げ、その対応方法などを示したもので、このほど8年ぶりに改訂された。【松村秀士】

 改訂版には、▽医療による死亡事故が発生した場合 ▽出生前に実施される遺伝学的検査・診断 ▽患者が虐待されていると疑われるケース―の対応方法などが追記された。

 医療によって死亡事故が発生した場合、担当医や病院などの管理者は遺族らに病理解剖を勧め、院内での事故調査によって原因究明すべきとした。また、臨床に携わる医師に対して医師賠償責任保険や医療施設賠償責任保険に加入するよう求めた。

 出生前に実施される遺伝学的検査・診断については、実施する医師はあらかじめ妊婦やその家族らにその特性や意義などを十分に説明する必要性を強調。さらに、事前に妊婦らに対して必要な情報提供や心理的な支援などをする「遺伝カウンセリング」を実施した上で、同意を得るよう求めた。

 遺伝カウンセリングに関しては、遺伝学的検査の普及とともに重要性が高まっていることから、すべての医師が基礎的な知識や技能を習得することが望ましいとした。

■虐待疑いの通報、「守秘義務は適用されず」

 患者への虐待が疑われるケースでは、医師は公的機関に積極的に通報する必要があると記載。また、医師が患者への虐待を疑って通報した場合でも、「守秘義務は適用されず、責任が問われることはない」とした。

 さらに、医療機関や介護施設などでは認知症の人や精神障害者、知的障害者らが身体拘束されるケースもあると指摘。患者や入所者に納得できない外傷やあざなどがあった場合、「医師はその原因調査と再発防止に協力すべき」との考えも示した。

 日医では近く、すべての会員に改訂版を配布する予定。



http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=561725004
島根ワイド : 公衆衛生医、島根県 研修地に認定 全国で初
'16/10/13 山陰中央新聞

 新しい専門医制度で、島根県が作った「公衆衛生医」の研修プログラムが、日本衛生学会や全国保健所長会など11学会・団体でつくる「社会医学系専門医協議会」の認定を受けた。

 2017年度から、初期研修を終えた医師が県内の保健所などで実務をこなしながら、必要な専門知識を習得することが可能となる。感染症対策や医療政策を担う公衆衛生医は、近年県が募集してもなり手がない状態といい、県は研修の受け入れを機に、人材確保につなげたい考えだ。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161013-00000140-jij-soci
病院検査でホルマリン誤投与=患者が告訴状―兵庫・姫路
時事通信 10月13日(木)20時23分配信

 内視鏡検査時に誤ってホルマリン液を投与され神経痛などの後遺症が出たとして、兵庫県姫路市の70代の男性が13日、業務上過失致傷容疑で製鉄記念広畑病院(姫路市)の男性医師に対する告訴状を県警網干署に提出した。

 同病院で誤投与された可能性のある人は男性を含め計56人いるという。

 告訴状によると、昨年7月22日、男性が同病院で受けた内視鏡検査で、担当の男性医師が本来は精製水を使うところ、誤ってホルマリン液計120ミリリットルを十二指腸に注入。男性は検査後、嘔吐(おうと)や下血などがあり治療を受けたが、今も全身に神経痛などの症状が残っているという。

 同病院の医療事故調査報告書などによると、男性への超音波内視鏡検査の際、誤って100のホルマリン液を使用。スタッフはマスクをしていたためホルマリン臭に気付かなかったとしている。同液は本来、手術室で使用される予定だったが、間違えて内視鏡センターに運び込まれていた。

 この男性を除く55人にも昨年7月、ホルマリンが少量付着した可能性がある内視鏡を検査で使用したが、健康被害はなかったとしている。 



https://www.m3.com/news/iryoishin/461155
「大病院のメリット、改めて実感」 - 村上智彦・ささえる医療研究所理事長に聞く◆Vol.4
専門医療、“中途半端な病院”は不要

2016年10月14日 (金) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生のお話をお聞きしていると、救急疾患で、時間を争う処置が必要な疾患に対応できる病院は、2次医療圏単位に必要であっても、急性白血病に代表される専門的な治療については、中途半端な病院は要らないように思います。

 急性白血病に限らず、もともとは一つの病気であっても、精神科や皮膚科、歯科による治療が必要だったり、リハビリなどもやらなければいけないことが多い。糖尿病も持っている場合にはその対応も必要。今回の入院を通じて、それぞれについて専門的に対応できる大病院のメリットを改めて感じました。中途半端な規模の病院を残そうとするから、「何ができるのか」となる。普通の生活習慣病の管理だったら、診療所で十分に対応可能。

 急性骨髄性白血病は、人口10万人のうち、年間5、6人は発症します。北海道なら、札幌に血液内科を集約するしかないでしょう。他の地域の病院で、血液内科医4、5人を揃えることは難しい。

 特に癌が典型ですが、専門的な医療こそ集約化するべきだと、まさに身を持って感じたわけ。「集約化すると不便になる」とか言うけれど、中途半端な病院で、中途半端な医療をやることの“被害”の方がすごく大きい。その代わりに、身近な地域でフォローができるよう、退院後のケアを充実させることが必要。

 同様に急性期で一刻を争う医療についても、一定の集約化は必要でしょう。本当に一刻を争うような疾患は、脳卒中、急性心筋梗塞、大動脈解離などに限られます。肺炎と言っても、急病ではあるけれど、そこまで時間を争わない。北海道は医師が少なく、例えば、循環器が不足している病院が3カ所あったら、それぞれに派遣してしまう。1人体制であれば結局、その先生は疲弊してしまう。そうではなく、1カ所に複数の医師を集めて24時間いつでも心臓カテーテル検査や治療をできる体制を作る方が重要。

 そもそも人口が減っている国で、従来の体制を維持しようとしていること自体、おかしい。理にかなっていない。皆、「高度成長病」。前にあったものがなくなると、「すごい損失」と思い込むけれど、人口が減少し、経済的に大変なら、集約しないとダメ。

――血液内科のように、医療の在り方が急速に進展している分野では、キャッチアップが必要であり、その意味でも集約化が必要。

 その通りです。ケアには、看護師はもちろん、薬剤師、栄養士、リハビリなどの各職種が必要で、充実したスタッフをそろえ、チーム医療を実践、向上する観点からも集約化が必要。北大病院のスタッフは、本当に良く勉強し、また情報も共有されていました。「チーム医療ができる」のが、総合病院の最低条件。

――医療機関へのアクセスと、そこで受けられる医療の質、どちらを重視するかということ。

 皆は「距離が近くなければ」と言うけれど、かかりつけ医が近くにいればいい。ドイツなどのように、かかりつけ医の紹介がなければ、専門病院を受診できないようにすればいい。その代わりに専門病院を受診したら、専門医もいて、集学的に診てもらえて、ケアが充実し、退院しても継続してケアを受けられるようにする。

 繰り返しますが、「専門的な医療ほど、ケアが必要」。それは退院後も継続して必要ということ。これは、「もっと地元の看護、介護を使ってくれ」という話。そうすれば、自分たちの子供や孫の雇用を生み出すことができます。「自分たちの子供たちの雇用を作る感覚で使ってくれ」と言いたい。それが嫌だといったら、誰もいなくなっても当然で、新たな産業を興すのかと問いたい。けれども、看護や介護は「高齢者がいる」というだけで需要が生まれる産業。人口減少地域で今まで通りに駅前開発しても、誰も戻ってこない。けれども、看護や介護で雇用が生まれれば、自分たちの孫たちが地元に帰ってきれくれる。そうした意識でやらないと。

 日本はとかく感情論で「病院がなくなるとかわいそうだ」となる。しかし、特に北海道は、(日本創成会議が2014年5月に発表した)消滅可能性都市が780を占めます。人口が減って消滅する都市が出てくる中で、多額の税金を投入して、病院を成り立たせることはできません。どうしても「病院がほしい」と言うなら、生協などを作り、皆がお金を出し合って運営すべき。

――医師不足に悩む自治体立病院に医師が赴任しても、住民、患者さんの対応に嫌気が差し、辞めてしまうケースもあります。

 住民たちは、「税金を出しているから、当然でしょう」と思い、権利意識が強くなる。だけど、そうしたところに来てくれる奇特な先生はいない。病院がなくなったのなら、諦めてもらう。その地域に住むなら、そうした不便も受け入れる。それが嫌なら都会に移り住んでもらえばいい。

 ちょっとやはり皆、頼りすぎかな。高度成長病。ごねれば、誰かが何かをやってくれる。北海道はそうした傾向が強い。実質公債費比率が300を超えていますから。要するに、払っている税金以上に公共サービスを受けているのです。



https://www.m3.com/news/general/467217
病院、学校を全面禁煙 違反者本人に罰則 厚労省の受動喫煙対策
2016年10月13日 (木) 共同通信社

 厚生労働省は12日、2020年東京五輪・パラリンピックに向け他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙防止策として、病院や学校を敷地内全面禁煙とする強化策の案をまとめたと明らかにした。飲食店は喫煙室の設置を認める。

 違反した場合、施設の管理者だけでなく喫煙者本人にも罰則を適用する方針。現状の努力義務よりも実効性を高めることを狙い、法制化を目指す。ただ関係省庁やたばこ業界などとの調整が必要で曲折もありそうだ。

 強化策では、スタジアムなどの運動施設や社会福祉施設、官公庁、大学の建物内を全面禁煙とする。

 飲食店やホテルなどのサービス業や一般の事務所では、喫煙室の設置を認めるが、建物内は原則禁煙とする。駅や空港ビル、バスターミナルも同様の原則禁煙とした。交通機関では、バスやタクシーは全面禁煙とするが、鉄道や船は喫煙室の設置を認める。

 喫煙室に必要な要件や罰則の内容は今後議論する。関係団体からのヒアリングを進め、内閣府に設置された「受動喫煙防止対策強化検討チーム」で合意を目指す。

 受動喫煙に関して、現状は健康増進法に基づき、多くの人が集まる公共の場での防止策を努力義務にとどめており、罰則はない。

 厚労省の専門家会合は8月末、受動喫煙が肺がんなどさまざまな病気のリスクを高めるとした「たばこ白書」をまとめた。世界保健機関(WHO)によると、公共の場を全面禁煙とする法律を施行している国は14年末に49カ国に上り、日本の防止策は「最低レベル」と判定されている。



https://www.m3.com/news/general/467308
敷地内薬局問題に意見集中 - 日薬・山本会長「抵抗していく」
2016年10月13日 (木) 薬事日報

 日本薬剤師会は8日、名古屋市内で第3回都道府県会長協議会を開いた。医療機関による敷地内薬局誘致の問題について意見が集中。会議に出席した都道府県薬剤師会長らは、こうした動きが全国に広がりつつある状況に危機感を示し、敷地内薬局阻止に向けた対策を強化するよう求めた。山本信夫会長は「あきらめずに、なお努力していく。医薬分業がなぜ必要かという本旨から外れないよう抵抗していく」と語った。

 会議では、佐賀県の佛坂浩会長が、「医薬分業の本質からすれば、敷地内薬局はおかしい」と指摘。日薬が9月27日に公表した見解では、厚生労働省が今年3月に発出した留意事項通知を厳格に適用し、少しでも独立性に疑問がある場合は指定しないことを強く求めているが、「敷地内薬局は認めないといった元の形に戻せないか」と訴えた。

 和歌山県の稲葉眞也会長は、いくら地域の医療協議会などで薬剤師会が反対しても、基準さえ満たしていれば敷地内薬局の保険指定が認められてしまうため、「なかなか難しい」と説明。「何とか、中央で押し戻す努力をしてもらいたい」と要望した。

 茨城県の根本清美会長は、県内の国立大学病院でも敷地内薬局を誘致する動きがあるとの「うわさが出ている」とし、民間病院ではなく、国の公的医療機関が経営上の観点から進めていることに対して、「これは由々しき問題。黙って見過ごせない」と憤った。

 山本氏は、「皆さんの気持ちと変わらない」ことを強調し、敷地内薬局を誘致しようとする医療機関が「国公立であるかどうかにかかわらず、あらゆる場面で反対していく」と述べた。

 長野県の日野寛明会長は、先月の理事会で敷地内薬局の開設に「断固として反対する」といった趣旨の決議文を採択したことを明らかにした上で、「各都道府県が、敷地内薬局に反対だということをしっかり意思表示し、行動することが大事」と強調。山形県の東海林徹会長は、国立大病院の薬剤部長会議や、日本病院薬剤師会などに対し、「日薬としての主張を明確に文書で示すべきでは」と主張した。

 山本氏は、長野県薬で決議文を採択したことを評価した上で、日薬としても「決議文を作るかどうか、考えたい」と述べた。

 会議では、敷地内薬局について、「医療保険上、院内調剤所と同じ条件にすべきという提案はできないのか」といった意見も出た。



http://www.nagasaki-np.co.jp/f24/CO20161014/he2016101401000009.shtml
「診療拒否は違法」と提訴 中国で腎移植の男性
10月14日 長崎新聞

 「海外で臓器移植した患者は受け入れない」との内規に基づき浜松医大病院(浜松市)が診療を拒んだのは、正当な理由がない限り診療を拒んではならないと定めた医師法に違反するとして、中国で腎移植を受けた静岡県掛川市の男性(66)が、大学に慰謝料など約190万円を求める訴えを静岡地裁に起こしていたことが13日、分かった。

 医療関係者によると、海外で移植を受ける患者は年間数十人に上り同様の診療拒否も相次ぐが、訴訟に至ったのは初とみられる。各地での拒否の背景には「こうした患者を診療すると罰せられる」との誤解が一部にあると指摘する専門家もいる。



http://this.kiji.is/159245566191289851?c=110564226228225532
大学の研究費、百万円未満が8割 文科省アンケート
2016/10/13 19:24 共同通信

 文部科学省は13日、大学から支給される研究費が、年100万円に満たない研究者が約8割だったとするアンケート結果を発表した。10年前と比べ「個人研究費が減っている」との回答も約4割あり、研究資金の確保の難しさが示された。

 ノーベル医学生理学賞に決まった大隅良典東京工業大栄誉教授が「浮かれている状態ではない」と懸念する日本の研究環境の実態が浮かび上がった。

 アンケートは国公立大や私立大などで研究する約1万人が対象で、文系理系を合わせ約3600人が回答した。大学から配分される使途の自由な研究費が年50万円未満と答えた人が約6割いた。


G3註:アンケート結果(文部科学省)
学術研究の持続的発展のために(談話)―平成28年度科学研究費助成事業の配分の公表に当たって― (PDF:1084KB)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/__icsFiles/afieldfile/2016/10/13/1377914_02.pdf
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https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-1013m040025/
ノーベル賞:基礎研究の充実を…大隅さん、自民本部で講演
2016年10月12日 19時26分 毎日新聞

 ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)が12日、自民党本部で講演した。国立大の運営費交付金が減り、政府の助成対象として産業や医療への応用研究が重視されている現状について「とても危惧している」と指摘。「技術のためではなく、知的好奇心で研究を進められる大事な芽を大学に残してほしい」と、基礎研究の充実を訴えた。

 同党の会合には鶴保庸介科学技術担当相や馳浩前文部科学相らが出席。大隅さんは受賞テーマとなった細胞のオートファジー(自食作用)について解説し、「知的好奇心から研究を続けられる幸せな時代を生きてきた」と振り返った。

 その上で、「日本の研究環境は劣化している。多くのノーベル賞受賞者が『このままでは10年、20年後に日本人受賞者は出なくなる』と言っているが同感だ」と述べた。「研究費助成を受けるにも出口(成果)が求められ、若い研究者はすぐ先に見える成果を追いがちだ。しかし、解けるかどうか分からない問題にチャレンジすることこそが科学。彼らが育っていく社会を実現したい」と訴えた。【阿部周一】


  1. 2016/10/14(金) 06:11:54|
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