Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

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10月8日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/462941?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161008&dcf_doctor=true&mc.l=182387299
「主治医・執刀医を大切にしなければ事故調査できず」 - 安福謙二・大野病院事件弁護人に聞く◆Vol.2
基本は関係者の事情聴取、事実認定

2016年10月8日 (土) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――『なぜ、無実の医師が逮捕されたのか』を上梓したのは、医療事故調査制度に警鐘を鳴らす目的があったとのことです。

 事故調査には、まずインフラ整備が必要です。そのインフラとは何か。一つには、手術の記録を正確に残す。具体的には録音、録画し、カルテも電子化し、それらの情報を医療者だけでなく患者とも共有し、患者が他の医師らの意見を聞きたい時にはすぐに確認できる体制にしておくこと。


事故調査において、まず「事実を知る」重要性を繰り返し強調する。
 この辺りは一定程度進んできたと思いますが、何よりも重要なのは、「何が起きたのか」、つまり事実を調べる体制を整えることです。裁判が「事実認定」から始まるのと同じように、医療事故調査でも、事実認定をしなければ何も始まらないわけです。しかし、関係者から事情を聞く体制は整っているとは言えず、そもそもその必要性についての認識すら欠けているのでは、と思うときがあります。

 その典型例が、大野病院事件のほか、先ほども触れた島根大学の医療事故(『島根大“事故調”、患者と医師の悲劇』を参照)、東京女子医大事件(『院内事故調が生んだ“冤罪”、東京女子医大事件』、『院内事故報告書は告発書兼鑑定書、女子医大事件』を参照)、神奈川県立がんセンター事件(『神奈川県立がんセンター麻酔事故、医師に無罪判決、横浜地裁』を参照)などです。

 乏しい経験ながらも、私が外部委員として参加したり、あるいは、見聞きした事故調査では、当事者である医師をヒアリングする上司や同僚たちの目が、「悪いことをした人を見る目」であることが少なくありません。

 「悪い結果を招いた人は、断罪すべき」という「評価」を先に決めてしまうと、正しい事実認定はできず、事実をゆがめます。いろいろな証拠を集め、話を聞き、その上で、慎重かつ精密に「構図」を作り上げていくべきなのに、構図を立てて証拠を集めていたのでは、本当の事実には辿りつけません。

 島根大学の医療事故がまさにそうでしょう(『主治医へのヒアリング、1回5分のみ』を参照)。「賠償金を払わなければいけない」という結論が先に決まっていて、それに見合う事実だけを集めていたのでは、まともな事故調査ができるはずはない。しかし、何も知らない患者やご家族、あるいはご遺族にしてみれば、その院内事故調査の結果を「真実」と思うのはごく当たり前。

 いったい何があったのか、本当の事実を知りたいのなら、「評価」を先に決めていたのではダメ。まずは関係者全員の話を、その道の専門家であるその当事者の話を、リスペクトを持って聞く。しかし、島根大学の医療事故の調査では、執刀医の話はわずか5分しか聞いていないとか。それは事故調査ではありません。

 「和を以て貴しとなす」。聖徳太子はもともと、お互いの話が合う部分、つまり「和」が成り立つ部分を探し出し、そこからその「和」の話を広げていこう、という意味で使ったのであり、「何でも手うちをする」という話ではないと私は理解しています。世間の様子を見て、周りに迷惑をかけない、突出しないことを最大の価値としているのが、日本社会であるように思う。しかし、私は医療事故調査制度においては、「正しい事実を知る」ことこそが、和を広げていく本当の道だと考えています。

 もちろん、事実認定の重要さは、医療機関における事故調査に限りません。検察の捜査でも、裁判においても同様です。しかし、何よりまず医療者に対して、その重要性を訴えたい。「主治医や執刀医を大切にしなかったら、本当の事故調査はできない」ということ。と同時に、「もし患者さんが言うところの、そしてドクターが求めるところの真実、本当の事実を知りたいなら、刑事責任を追及していたらできるはずはない」ということです。今回の本では、そこまで言っては刺激が強すぎると思い、「ミランダルール」の言及にとどめています。

――日本の刑事司法では、「ミランダルール」が取られていないことが、2013年の国連人権機関である拷問禁止委員会で問題視されたことを、安福先生はかねてから指摘されています。

 ミランダルールとは、1966年のアメリカ合衆国の最高裁判決により明確化された、身柄拘束中の被疑者の取り調べにおける黙秘権や弁護人選任行使権についての基本を明確にルール化したものです。2013年の拷問禁止委員会で、このミランダルールに反する日本の刑事手続きは「中世のものだ」と批判されました。日本の大使がその批判に反論し、「Shut up!」と発言したことがニュースになり、世界を駆け巡りました。

 しかし、司法記者クラブの記者でも、この「Shut up!」発言の背景事実自体を知らない人がいます。「ミランダルール」について書いた本は幾つかありますが、「医師も含め、司法とは関係ない一般の方に、日本の司法の根源的な誤りを理解してもらいたい」と思ったことも、本書を書いたきっかけです。医師たちは、「医療事故に警察や司法が介入することはおかしい」「医療裁判はひどすぎる」などと言いますが、おかしいのは日本刑事司法そのものなのです。

 本書で、元裁判官の木谷明先生の『刑事裁判のいのち』(法律文化社)を引用したのも、日本の刑事司法の現実を知ってもらうためです。木谷先生は若き日に検事から、「裁判官は検事の主張とあまり違ったことを言わない方がいい」「検事は地方検察庁、高検、最高検まで巻き込んで協議しているのに、裁判官は1人、多くて3人で議論しているだけであり、検事たちに勝てるはずはない」と言われたことを吐露しています。

 裁判の一端を知ってもらうため、大野病院事件の2007年1月の初公判のエピソードも紹介しています。私は冒頭陳述で、全国の医療者が「加藤医師の手術手法をとがめ、過失犯に問うことは間違い」と怒りを表明していることに触れました。検察は、「裁判の審理に不当な圧力をかける」として阻止しようとしました。しかし、私は「加藤医師の行為を過失と呼ぶかどうかは、現場にいる医療者の感覚こそ重要だ」と過失の評価に絡めて、主張の正当性を訴えました。これに対し、裁判官はしばし考え「弁護人、続けてください」と述べました。「裁判官は、日本の医療者の矜持を否定するような判決を書くのか」と問いたかったのが、私の真意です。



https://www.m3.com/news/iryoishin/465907?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161008&dcf_doctor=true&mc.l=182387302
医療計画の5疾病対策、「回復期から慢性期」重要
高齢化に伴う疾病構造の変化重視、予防の視点も

2016年10月7日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」(座長:遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は、10月7日の第5回会議で、「5疾病の現状と課題」について議論した(資料は、厚労省のホームページ)。

 同省は、高齢化の進展による疾病構造の変化などを踏まえ、(1)脳卒中と急性心筋梗塞については、「搬送~急性期」に加えて、「回復期~慢性期」に至る診療体制の充実を図る、(2)糖尿病については、発症予防だけでなく、重症化予防の徹底の視点を盛り込む、(3)精神疾患については障害福祉計画等と整合性を図るとともに、地域移行という視点なども重視する、(4)均てん化を目指してきたがん診療提供体制の整備は、現状の体制を維持、ゲノム医療などの特定分野については集約化――などを提案。各疾患の医療提供体制の在り方は、各種検討会やワーキンググループで別途議論されており、それらの結論を順次医療計画の見直しに反映させる方針。

 さらに各疾病に共通する論点として、健康増進計画など他の計画における疾病予防対策と調和の取れた計画とするほか、医療提供体制における現状把握や課題抽出の際に必要な指標作成に当たってはNDB(ナショナルデータベース)も活用するなどの案も提示した。

 奈良県立医科大学教授の今村知明氏は、人口構成の変化から、今後は、急性期が減り、回復期、慢性期の医療需要が増える状況を踏まえ、「この辺りについて、どう対応していくかが重要課題。特に循環器系疾患における回復期や慢性期の在り方をどう考えるかが、医療計画の根本になるので、力を入れて議論すべき」と指摘した。

 日本医療法人協会会長の加納繁照氏は、脳血管疾患の人口当たりの死亡率は減少しているのは、第6次医療計画で、「脳梗塞に対するt-PAによる脳血栓溶解療法の実施可能な病院数」が追加された効果もあるとしたものの、要介護に至る原因は脳血管疾患が多いため、今後も対応が必要であるとし、脳血管内治療による血栓除去術など、新しい治療法も計画に盛り込むことを求めた。

 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏からは、5疾病についての計画策定、実行に当たっては、都道府県では“縦割り”であり担当部局が異なることから、総合的な議論がなされていないとの指摘も出た。

 2018年度から始まる第7次医療計画では、地域医療構想と在宅医療との関係の整理も、重要課題。「地域医療構想に関するワーキンググループ」と「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」を別途設置し、議論した。その結論も7日の会議で報告され、次回以降、議論を深める(『ICUとCCU「既存病床数」に含めるか否か、結論出ず 』、『第7次医療計画、「在宅医療」の方向性固まる』を参照)。

 対象は「5疾病」、新規に追加せず
 医療計画上、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患の5疾病については、疾病別の医療提供体制についての計画を盛り込むことになっている。第7次医療計画で、5疾病に追加するか否かは、6月の第2回の会議で議論されたものの、引き続き現行のものを充実していく方針で固まっていた(『2次医療圏、「構想区域と一致」が基本』を参照)。

 5疾病のいずれも、高齢化を見据えた対応が必要になっている。例えば、脳血管疾患は、要介護原因の第1位であり、回復期から慢性期の体制が充実であるほか、慢性心不全の約40%は、1年以内に再入院するというデータもあり、「予防」が重要となる。

 厚労省が提示した論点には、あまり異論が出なかったものの、日本病院会副会長の相澤孝夫氏からは、「高齢化の進展による疾病構造の変化は、何が問題となっており、医療計画をどう変えなければいけないのかが、明確ではないまま、“計画ありき”で議論されている。何が問題なのかを明確にして、その問題解決策は何か、医療提供体制が問題なら、どう変えるべきかという視点から議論すべき」との意見も出た。相澤氏はさらに、2次医療圏ごとに人口に相違があることから、一律の考え方を当てはめることには無理があり、医療機関までの時間で区切るのか、あるいは医療の質を考える単位なのかなど、2次医療圏の在り方を検討する必要性も指摘した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/465884?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD161008&dcf_doctor=true&mc.l=182387301
「オプジーボ緊急的対応、医療保険堅持が目的」日医中川副会長
2018年度に向け、薬価制度の抜本的改革目指す

2016年10月7日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本医師会副会長の中川俊男氏は、10月6日に開かれた日医の第60回社会保険指導者講習会で、「高額な薬剤への対応」をテーマに講演、抗PD-1抗体製剤であるオプジーボ(一般名ニボルマブ)について「緊急的な対応」としての薬価引き下げに「一定程度の同意」をしたのは、「期中改定ではなく、公的医療保険制度を守るため」であると説明。「高額な医薬品が医療費全体に影響を及ぼし、ひいては国民皆保険の根幹を揺るがしかねない懸念を誰もが感じている」と指摘、製薬企業主導ではなく、公的医療保険制度を堅持していくかという視点で、2018年度改定に向けて、薬価制度の抜本的改革を行政に求めていく方針を表明した。

 年間販売額が当初予想を上回り、1260億円にも上るとされるオプジーボについては、厳しい医療保険財政の折、次期2018年度薬価改定を待たずに、薬価を引き下げることが議論されている。中川副会長は、講演前日の10月5日の中央社会保険医療協議会薬価専門部会でも「かなり激しいやり取りをした」と説明(『オプジーボの「緊急的な対応」、薬価専門部会で合意』を参照)。診療側、支払側ともに、改定時期や引き下げ幅は未定なものの、「緊急的な対応」での薬価引き下げに合意。中川副会長は講演で、「緊急的な対応」に至る経緯を中心に、昨今の高額薬剤をめぐる動向を解説した。


 2015年度医療費増、主因はC型肝炎治療薬
 中川副会長はまず、2015年度の概算医療費の動向を説明。9月28日の中医協でも議論された内容で、対前年度比で3.8%の高い伸びとなったのは、C型肝炎治療薬であるソバルディ(一般名ソホスブビル)とハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビルの配合錠)の薬剤料の伸びの影響が大きい(『ソバルディとハーボニー、2015年度の医療費増の主要因』を参照)。

 3.8%の内訳は、人口高齢化の影響1.2%、その他(医療の高度化等)2.7%、人口減の影響マイナス0.1%。その他2.7%のうち、調剤のウエイトが大きく1.5%。

 調剤の中でも、伸びが大きいのは薬剤料1.4%で、薬効分類別では、化学療法剤が0.77%を占め、増加が際立つ。「医療費が3.8%増であっても、その実感がないのは、このためだ」と中川副会長は語る。化学療法剤のうち、ソバルディとハーボニー配合錠を含む抗ウイルス剤の薬剤料(院外処方分)は、2014年度1185億円だったが、2015年度4139億円で、249.1%の急増。「院内処方分も、院外処方分と同じという前提で計算すると、医療費の伸び3.8%のうち、C型肝炎治療薬を含む抗ウイルス剤の影響は1%程度」(中川副会長)。

 中医協での厚労省の説明によると、IMSデータによる薬価ベースの四半期ごとの売上は、ソバルディ(2015年5月薬価収載)は、433億円(2015年7-9月)、643億円(同10-12月)がピーク、以降減少し、391億円(2016年1-3月)、246億円(同4-6月)と推移。ハーボニー配合錠(2015年9月薬価収載)は、1101億円(2015年10-12月)、1517億円(2016年1-3月)がピークで、2016年度改定後は698億円(同4-6月)に減少。いずれも2016年度薬価改定で、市場拡大再算定の特例引き下げの対象となり、31.7%の大幅減となったが、それ以上に売上が減っているのは、処方量の減少があると見られ、「まず使われるべき患者には、ほぼ行きわたってきたことが予想される」(中川副会長)。

 中川副会長は、「団塊世代が75歳を迎える2025年に向けて、医療、介護を含む社会保障費は、これから先も増加する。消費税率10%への引き上げは、2018年10月まで延期されることが決まり、社会保障費に充てる今後の財源確保に不安がある中、市場規模が極めて大きい高額の新薬の薬価収載が続いている」と指摘し、高額薬剤への対応の重要性を強調した。

 オプジーボ、「1兆7500億円がいまだ独り歩き」
 次に中川副会長が取り上げたのが、オプジーボ。2014年9月の薬価収載時は、「切除不能な悪性黒色腫」の適応で、ピーク時の予想対象患者数は年470人、予想販売額は年31億円だった。その後、2015年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応が追加された。

 「患者数が非常に少ない効能・効果で申請されたことから、高額な薬価で収載されたが、その後、適応が追加され、市場規模が非常に拡大したにもかかわらず、薬価改定とのタイミングがずれ、薬価は高額のままとなっている。今年4月の財政制度等審議会では、年間市場規模予測が薬価ベースで1兆7500億円という試算が出て、大騒ぎになった。この数値がいまだに独り歩きしている」(中川副会長)

 一方、オプジーボの販売元である小野薬品工業は、2016年度の予想販売額として1260億円(出荷価格ベース)という数値を公表している。中川副会長は、「現実的にはこちらの方が正しいと思う」と語り、オプジーボはまだ効果がある患者を事前に予測するのが難しく、どんな副作用が出るかが分からないなど、未確定な部分があることなども踏まえ、「確かな数値を基に慎重に議論をしていきたい」と付け加えた。

 さらに高額薬剤の例として、中川副会長は、2016年4月に薬価収載された家族性高コレステロール血症等に適応があるレパーサ皮下注(エボロクマブ)も挙げた。現状の薬事承認の際に、医療経済上の影響が全く考慮されないのは、厚労省の「縦割り」の組織に問題があるとし、抜本的な見直しが必要だとした。薬事承認は、厚労省の医薬食品局、薬価収載は保険局がそれぞれ担当しており、両局の連携を求めた上、「高額な医薬品の考え方」を下記のように整理した。

◆「高額な医薬品の考え方」
・治癒を目指す薬剤(C型肝炎治療薬 ソバルディ、ハーボニー):生涯医療費との比較
・生活習慣病治療薬(レパーサ):従来型治療で効果の少ない症例
・延命を図る薬剤(オプジーボ):丁寧で冷静な議論

 さらに高額薬剤、特に新規作用機序医薬品については、薬事承認審査と同時並行的に、厚労省、PMDA(医薬品医療機器総合機構)、関係学会が連携して「最適使用推進ガイドライン」を整備し、薬価収載時には、同ガイドラインを留意事項通知に落とし込むなど、使用方法、経済性などの観点を踏まえた医療保険制度上の取り扱いを進めていく必要性も指摘した。

 薬局と医科の調剤料の格差、次期改定に向け議論
 中川副会長の講演は、製薬企業の業績にも発展。2016年度薬価改定は、7%以上のマイナスだが、2016年度第一四半期の売上高は、大手製薬企業は前年同期比増収のケースが多い。「総量の増加もあるが、各社の決算資料では、長期収載品の売上は減少したものの、新薬が増加している」と指摘し、薬価改定から次の薬価改定までの間に平均薬価が上昇する背景として、(1)期中の新薬の薬価収載、(2)製薬企業が、長期収載品に見切りを付け、新薬の販促を進めている――などが考えられるとした。

 さらに、薬局と医科の調剤料の比較も提示。ここ数年の動向を見ると、薬局の処方せん1枚当たり調剤料・加算料は上昇しているものの、医科の処方1回当たり調剤料は横ばい。「薬局の調剤料は、31日以上は一定だが、それまでについては処方日数が長くなるほど段階的に高くなる。一方、医科院内処方にはこのような仕組みはないため」であると分析、2018年度改定に向けて、この辺りを問題視していくとした。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161007-00000003-wordleaf-soci&p
国立33大学で定年退職者の補充を凍結 新潟大は人事凍結でゼミ解散
THE PAGE 10月8日(土)11時5分配信

大学は教員を削減して財政の健全化を図ろうとしている(アフロ)

 2015年度に国立大学86大学のうち、33の大学(38%)で定年退職した教員の後任補充を凍結する人件費抑制策が取られていたことがわかった。国立大学の人件費抑制策については、ノーベル賞受賞者を輩出するなど、高い研究力・教育力を誇る北海道大学が8月、国から交付される「運営費交付金」の減額などによる財政悪化を理由に、来年度から2021年度までに教授205人分に相当する人件費を削減するよう各部局に求めている。新潟大学も今年度から約2年間、教員人事を凍結する方針を打ち出し、ゼミがなくなるなどの影響が出ているという。大隅良典さんのノーベル医学生理学賞受賞決定に沸く日本だが、大隅さんの研究の舞台となったのも国立大であり、このまま教員が削減されれば国立大学が地盤沈下しかねない状況だ。

国大協は「実際には凍結している大学が33以上ある可能性がある」

 北海道大学が定年や任期満了などで退職する教員の補充を行わない形で、教授205人分の人件費を削減する提案を教員側に示していたことを受け、同様の人件費削減策を行った大学がほかにないか取材した。

 国立大学協会が、昨年、国立大学を対象に行った調査では、2015年度に「定年退職する教員の補充を一部凍結している」と回答した大学が33に上った。担当者は取材に対し、「自発的に答えた大学が33あったというだけで、やっている大学が他にもある可能性がある」と話す。

 後任人事を凍結する大学が増えている理由としては「国からの運営費交付金が年々減っているなか、大学の規模に関わらず、常勤雇用の人件費の確保に苦慮している。研究資金として期間限定の人材を採ることはできても、定年までの人件費を見込むとなると厳しいため、運営費交付金の確実な措置がなければ、人件費抑制が進んでいくと思われる」と説明する。

今年度から人事凍結した新潟大学では教員退職でゼミがなくなる

 新潟大学は人件費抑制のため、今年度から2年間、教員人事を原則凍結する方針を打ち出している。定年退職や年度途中で転出する教員が出ても新規募集を行わず、内部昇任も控えることで人件費を抑えようとしている。さらに今年1月からは、50歳以上を対象とする教職員の早期退職募集制度も始め、人件費の抑制策を進めている。

 新潟大学職員組合によると、人事を凍結した影響は学生にも及んでいるという。ある学部では、ゼミを担当していた教員が前期で退職し、他大学へ移ったが、後任が補充されないためゼミは解散になったという。学生は後期から他のゼミへ移動を余儀なくされた。「1人で1分野を担当している体制だと、担当教員が退職した場合、その分野の教育・研究が丸々失われる事態となっている。突然の退職があれば学生への影響も大きい」と説明する。

北大では文・理の部局が見直しを求めて総長に意見書を提出。徹底抗戦の構え

 北大では、大学側が示した人件費削減策に対抗する動きが出ている。大学の示した案では、医学部・歯学部・小部局を除く部局に一律、今年度比14.4%の人件費削減を2021年度までに行うように求められた。目標が達成できない場合は新規の採用や昇任人事が行えなくなるほか、部局への配分経費がカットされる。

 北海道大学教職員組合の光本滋書記長は、取材に対し「これまでこんな話はなく、一気に削減を突きつけられた。他大学と比べて教員数が突出して多いということもなく、困惑している。財政が厳しいのは理解するが人を切る前に、別の方策も考えるべき」と話す。

 同教組は9月中旬に方針撤回を求める声明を発表。文系の部局長と理系の部局長もそれぞれ連名で、削減案の見直しを求める意見書を総長宛に提出した。

 北海道大学広報課は取材に対し、「削減案を示したのは事実。ただ、この件について、コメントするのは差し控えたい」と説明し、削減案を示した理由などに対する回答は得られなかった。10月中旬にも部局長等連絡会議が開催され、削減案について大学側と各部局が再度協議する予定だ。

運営費交付金は12年間で1470億円減少

 様々な大学が財政難になった理由にあげている運営費交付金とはどのようなものか。運営費交付金とは、国が人件費・物件費など大学の基盤となる経費として渡す交付金。国が各大学から提出される次年度の収入と支出の見積もりを積み上げて、収入の不足分を予算として計上する。運営費交付金は国立大学の収入の3~4割を占めている。国立大学は運営費交付金のほか、授業料や病院収入等を合わせて運営している。

 2004年に国立大学が法人化されて以降、運営費交付金はほぼ毎年度減額されている。2004年度には1兆2415億円(全大学合計)だったが、今年度は1兆945億円で、2004年度から段階的に1470億円、11.8%減った。

 今年度からは交付金を大学の取り組みごとに差をつけることも始めた。大学を目的別に3分類し、取り組み内容に応じて交付金の一部を再配分する。これにより運営費交付金がさらに減るところも出てきている。

運営費交付金の0.8%~1.6%をあらかじめ減額し、捻出した約100億円を評価によって再配分。86大学のうち42大学が増額、43大学が減額となった。(1大学は配分を要望しなかった)。最も増えた大学(和歌山大など)では118.6%の配分を受けられたが、最も少ない京都教育大では75.5%の配分にとどまった。

 北海道大学の場合は、取り組みが評価され100.2%の再配分を得たものの、その配分の原資になる資金を元々の交付金から1.6%減額されたため、厳しい財政状況を変えるまでには至っていないとみられる。北海道大学の今年度の運営費交付金は362億2680万円で、前年度から7億4950万円減っている。

文部科学省「学費値上げの検討、必要な場合も」

 文部科学省国立大学法人支援課の担当者は「経費削減などの効率化を図る大学が一部にはあると認識している」と話し、複数の国立大学で人件費削減策が取られていることを把握しているとした。運営費交付金の減額が影響しているのではとの問いに対し、「財務省に増額を要求しているが国の財政事情を踏まえると理解が得られるかというところだ」と説明する。来年度の概算要求についても運営費交付金など大学の基盤経費として前年度比485億円の増額を要求しているといい、「大学がしっかり教育・研究ができるよう基盤的経費を確保することに努めたい」と話す。

 足りない運営費をどう補えばいいのか。寄付の確保や民間資金の導入なども考えられるが、すぐにできる策として考えられるのが学費の値上げだ。国立大学の授業料についてはほとんどの大学が標準額(学部・大学院53.6万円)に固定されている。2007年度から、大学の裁量で120%までの引き上げが可能となっているが、標準額で運営している大学が大半だ。同課の担当者は「標準額そのものを引き上げることは影響が大きすぎるので難しいが、どうしても財政上厳しい大学はその制度を使うことを検討してもよいのでは」などと話した。

最終更新:10月8日(土)12時51分THE PAGE



http://www.asahi.com/articles/ASJ8K5RZKJ8KULFA00R.html
「患者の自己決定権の尊重を」 米国の老年医学の専門家
聞き手・青山直篤
2016年10月8日13時31分 朝日新聞

■「にっぽんの負担」インタビュー編

 多くの人が、病や死について向き合わざるを得なくなる高齢化社会。人生の終わりをどう迎えるのか――。誰もにその「正解」のない問いが待っています。老年医学の専門家で、老人ホームでの実地経験も豊かな米国の医師ジョシュア・ショルさんの意見を聞きました。

 ――人生の「最期」の迎え方について、米国の医療・介護の現場ではどのような変化が起きているのでしょうか。

 「ゆっくりと、いい方向に変わりつつあると思います。人びとが死についてより率直に語れるようになり、心身への負担が大きい積極的な治療で治そうとするよりも、穏やかに死を迎えたいという意思を表明しやすくなりました。一方で、高価ながんの新薬も次々に出されています。第2次世界大戦直後に生まれた多数の『ベビーブーマー』は、高齢になり、穏やかに死にたいと願いつつ、『やはり治したい』という思いも強い。この二つの方向性がどう均衡するのか。一つの時代の節目を迎えていると思います」

 ――ご自身の体験で、そうした変化を実感したのはどのようなときでしたか。

 「十数年前のことです。とても聡明(そうめい)で、誰もに愛されていた101歳の女性の老人ホームの入所者がいました。ある日起きて、こう言うのです。『あのね、私はもう長く生きられないと思う。100年間、いい時も悪い時もあったけど、すばらしい人生だった。もう死ぬ準備はできた』。そして、自らの意思で食事を取るのを止めてしまった。スタッフは『自殺する気なのか』と大騒ぎになり、家族も『死なせたくない。何とかできないのか』と言ってきました。私も、彼女が大好きな中華料理を買って持って行った。精神科医も呼びました」

 「でも彼女は『もうやめて』と。『自分はうつ病じゃない。ガソリンの抜けた車のようなもの。この先は惨めな拷問のよう。私の選択だから』と言いました。そして、1週間ほどして亡くなりました」

――重い選択ですね。

 「スタッフは彼女を愛していたから、とても動揺していました。『早く病院に送って下さい。(胃に穴を開け、管で流動食を入れる)胃ろうをつけて下さい』と訴える人もいました。ただ、私は『その選択は彼女の権利だ』と言いました。米国では1990年に、『クルーザン事件』と呼ばれる連邦最高裁の判決を機に、患者が治療を拒否する権利が認められました。米国でいま、最も重視されるのは、自分の心身については自分で決めるという自己決定権(autonomy)です」

 「ただ、米国社会は変わり続けています。かつて社会の主流だったWASP(ワスプ)(White, Anglo-Saxon, Protestant: アングロ・サクソン系の白人プロテスタント)は少なくなり、民族的な出自も多様化しています。それぞれ、死についての対応はさまざまです。宗教上、保守的な考えを持つ人びとは、自分の体でも自分だけが決められるとは考えず、神のものだと考える。命を永らえることを優先し、胃ろうにも積極的になります」

 ――胃ろうについて、ご自身はどう考えますか。

 「20年前なら、『胃ろうをしないなら病院に行ってほしい』と求める老人ホームもありましたが、最近は珍しい。決めるのはあくまで患者です。ただ、私のように老年医学を学んだ者としては、なるべく胃ろうをつけないように説得します。胃ろうは激しい手術の後、短期的に使うようなケースでは望ましい場合もある。しかし、実は延命効果は必ずしも証明されておらず、進行した認知症患者に胃ろうを使うのは正当化できない、と主張する有力な論者もいます。米国でも、胃ろうを続けている老人ホームが多いですが、私たちのホームは胃ろうの入所者は少数です」

 ――米国では、延命治療の可否を事前に文書で意思表示する「リビングウィル」も浸透しているようです。

 「生前にDNR(Do Not Resuscitate: 蘇生処置の拒否)、DNI(Do Not Intubate: 人工呼吸器の拒否)、DNH(Do Not Hospitalize: 老人ホームから病院へ入院させるのを拒否)など、患者本人の権利としての意思表示をしておくことが浸透したのは、最大の変化です」

 「『POLST』(Physician Orders for Life-Sustaining Treatment、生命維持措置のための医師指示書)と呼ばれる文書を、患者の意向を踏まえて医師がつくっておくことも一般的になりました。代理人の存在も重要です。私が経験した例では、こんなこともありました。ある女性入所者の死期が近づいていていました。彼女はリビングウィルで、鼻からのチューブや胃ろう、蘇生処置、入院、すべてを拒否していました。しかし、家族が私たちに対し、訴訟をちらつかせながら、何としても延命するよう求めたのです。私は彼女が代理人として指定していた家庭医を探し出し、彼女の意思を貫きました。彼女は価値観の違う家族に最期のあり方を決められないよう、家庭医に思いを託していたのです」

 ――今後の医療・介護のありようはどうあるべきでしょうか。

 「病院での治療から、老人ホームでの生活や短期の通所リハビリテーション、ホスピス、在宅医療・介護などへ向かう流れは変わらないでしょう。老人ホームからすぐに病院に移すのは悪いケアの証拠、とみなされるようになり、ホームでの予防に力が入れられるようになりました。私のホームでも、短期の通所リハビリで『プロ』としての最高のケアを進め、なるべく病院に行かずに済むよう努力しています」

 「さらに私は、老人ホームで安らかな最期を迎えてもらうためのホスピスケアを非常に重視しています。病院に行かせないことで罪悪感を感じてしまう家族に対しては『息子として、あなたがどうしたいか』ではなく、『あなたのお母さんがどうしたいか、息子として考えてほしい』と問いかけたい。そのためにも、POLSTのような文書が重要です。迷う家族にとって、その文書が非常に大きな力になるからです」

     ◇

 ジョシュア・ショル エール大学医学部を卒業後、ハーバード大学で老年医学を研究。現在は、米ニュージャージー州の老人ホーム「ドーターズ・オブ・イスラエル」に勤務。老人ホームや終末期医療についての著書がある。(聞き手・青山直篤)



http://www.news24.jp/nnn/news87611770.html
弘前市立と国立病院統合 新中核病院整備へ
(青森県)

[ 10/8 11:57 青森放送]

県は7日夜、国立弘前病院と弘前市立病院を統合し、新しい中核病院を国立敷地内に整備する案を地域医療会議で示した。医師や施設などを集約し、救急医療体制を強化する。医療関係者から異論はなく、今後は県・市・国立・弘大病院の4者で具体的な協議に入る。



http://mainichi.jp/articles/20161009/ddm/003/040/061000c
柔道整復師
不正請求防止へ カルテなど提出義務化 厚労省、来年度開始

毎日新聞2016年10月9日 東京朝刊

 厚生労働省は、柔道整復師(柔整師)の施術に公的医療保険を適用する療養費制度について、不正請求対策を強化する方針を固めた。不正の疑われるケースは接骨院などにカルテなど関連資料の提出を義務付ける。柔整師の急増に伴う接骨院の過当競争で療養費の不正請求が横行しており、厚労省は近く都道府県など関係機関に通知。来年度から開始する。

 柔整師は厚労省が認定する国家資格で、接骨院などで施術する。医療行為はできないが、骨折や脱臼などの施術に対して支払われる療養費は公的医療保険が適用され、利用者は原則3割の自己負担で受けられる。14年度は医療保険から約3800億円が支払われた。

 柔整師は毎年5000人前後が合格し、14年時点で約6万4000人が就業。接骨院などの施術所も約4万5000カ所に上り、1994年の約2万カ所から急増し、過当競争を招いている。その結果、肩や腰など部分を次々と変えて施術し、マッサージ代わりの利用が疑われる「部位転がし」と呼ばれる不正な請求や、白紙の申請書を悪用した架空請求が後を絶たない。

 厚労省はこうした不正請求に早期に対応できるよう、全国健康保険協会(協会けんぽ)などがつくる審査機関「柔道整復審査会」が、「部位転がし」など不正請求が疑われる施術所の診療報酬明細書(レセプト)を抽出して調査し、資料提出や説明を求めることを可能にする。

 架空請求対策としては、施術所に領収書の発行履歴や、通院歴の分かる来院簿やカルテなどの提示を求めることができるようにもする。

 療養費を巡っては、昨年11月には暴力団組員や接骨院経営者らが架空請求し、療養費を1億円近く詐取したとみられる事件が発生するなど、不正請求対策の強化が課題となっていた。【阿部亮介】


  1. 2016/10/09(日) 05:47:28|
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