Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

10月4日 

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/dispute/201609/548003.html?n_cid=nbpnmo_mled
連載: 判例に学ぶ 医療トラブル回避術
判例解説●鳥取地裁2009年10月16日判決
居眠り運転で学生医師が事故死、過労招いた大学に有責の判決

2016/9/28 田邉 昇=医師・弁護士(中村・平井・田邉法律事務所)

 大学院生の医師がアルバイト先の病院に向かう途中、過重勤務から居眠り運転をして交通事故で死亡しました。裁判所は、医師が学生の立場であっても大学には適切な安全措置を講じる義務があったとして、損害賠償を命じました。

事件の概要
 当時33歳の男性医師Aは、大学病院の外科医局に属する大学院生であり、医局で紹介された病院でのアルバイト収入で生活していた。

 2003年3月7日の夜、Aが大学病院にいたところ、急性心筋梗塞の救急患者に手術が行われることになった。Aは翌日9時からアルバイト先の病院で当直があり、夜遅くに診療行為などを行わない予定だったが、複数の医師が翌日8時から研究会に出席するため人手が足りず、Aも第3助手として手術に急きょ参加することになった。手術は20時53分に開始し、翌日4時5分に終了した。

 手術終了後、Aは自動車を運転して約60km離れたアルバイト先の病院に向かった。だが、8日8時10分ごろ、対向車線にはみ出して大型貨物自動車と正面衝突。Aは脳挫傷で同日死亡した。事故現場は見通しが良い直線道路で、Aの車にブレーキ痕はなかった。

 Aの遺族である両親は、事故の原因はAが大学病院において演習名目で過重な勤務に従事させられ、過労状態での運転を余儀なくされたことにあるとし、大学病院に対して安全配慮義務違反または不法行為に基づき約1億1600万円の賠償を求めて提訴した。大学側は、「Aは大学と雇用関係になく、手術や診療は大学院生としての演習だった」として争った。

 なお遺族は提訴の時点で、労災保険から通勤途上災害の遺族一時金3146万円と、遺族定額特別支給金300万円を受け取っていた。

判決
 Aの勤務状況は、大学病院の電子カルテへのアクセス時間や医局員らに対する証人尋問、当直時の電子メールなどを基に細かく計算された。その結果、Aが事故までの12週間に法定労働時間に相当する時間を超えて業務に従事した時間は、1週間平均で40時間を超え、非常に長時間に及んでいた。また、事故前の3カ月間で完全な休日は3日のみで、ほぼ毎週1、2回は当直業務に従事しており、当直明けの平日は通常通り大学病院で勤務していた。

 これらの事実から裁判所は、「Aの業務が従事時間をはじめとする量的な面において過重なものであったことは明らかである」と認定した。

 また、Aの事故直前の勤務状況は以下の通り認められた。「本件事故前1週間においては、3月2日0時40分から7時25分まで手術業務に従事した後、同日から翌3日にかけてアルバイト先の病院において当直業務に従事し、引き続き、同4日0時19分までの間、大学病院で通常業務に従事し、5日から6日にかけて、大学病院において当直業務に従事し、さらに7日から8日にかけて、大学病院において2件の手術に参加していた」。そして裁判所はこの状態を、「極度に睡眠が不足し、過労状態にあった」と判断した。

 事故の原因について裁判所は、脳血管疾患や心臓疾患の発症、運転車両の物理的操作不能による可能性も考えられなくはないとしながらも、これらをうかがわせる証拠は全くないことなどから、「事故は極度の睡眠不足および過労のため居眠り状態に陥ったことが原因で発生したと認めるのが相当である」とした。

 また、裁判では大学院生のAが大学病院で診療業務を行うことが、法律上どのような性質(学生の演習か、労働者としての業務か)と捉えるべきかも争点になった。しかし裁判所はこの点について、「Aは被告大学と在学関係にあり、かつ、現実に被告設置の病院において診療行為などに従事しており、Aと被告との間に、安全配慮義務発生の基礎となる法律関係および特別の社会的接触の関係があったことは明らか。被告の安全配慮義務の有無を検討する上で、行っていた診療行為などの法的性質を論じる必要はない」とした。

 そして、大学の安全配慮義務違反あるいは不法行為責任の有無について裁判所は、「(Aの過重労働を)大学病院側も容易に認識し得たし、医局長はAが夜遅くまで残っていることを認識し、外部病院でのアルバイトの割り当てを行っていたものであるから、Aが従事する業務内容および時間について、おおむね把握していたと考えられる。そして、上記のような分量、性質の業務を継続して行った場合、Aがいずれ極度の疲労状態に陥り、心身に異常を来したり、または過労状態や極度の睡眠不足が原因で本件事故を発生させたりし得ることは、業務に従事させていた被告において、十分予測することが可能であった」と判断した。

 その上で、「被告は、Aの指導官を通じて、Aが極度の過労状態に陥ることを予見し、大学病院や外部病院における業務の軽減を図るなどの適切な措置を講じるなどにより、極度の疲労状態、睡眠不足に陥ることを回避すべきことを具体的な安全配慮義務として負っていたというべきである」と指摘。「被告は、上記適切な措置を講じることなく漫然と放置し、Aを相当の長期間にわたり継続して過重な業務に従事させ、とりわけ本件事故の直前1週間には極度の睡眠不足を招来するような態様で業務に従事させて過労状態に陥らせ、さらに本件事故の前日である3月7日から8日にかけては、(中略)アルバイト当直が予定されていたAを徹夜の手術に従事させたものであって、被告には上記安全配慮義務に対する違反があったと認められる」との判断を下した。

 損害賠償額は1億2413万円と認定されたが、Aは自身の睡眠不足を認識しつつ、電車でもアルバイトの始業時間に間に合ったのに車で行ったことや、アルバイトの斡旋を医局長に希望していたことなどから、6割はAの責任であるとして、過失相殺された。さらに遺族一時金3146万円が損益相殺として差し引かれ、弁護士費用を加えた約2000万円の支払いが大学側に命じられた(鳥取地裁2009年10月16日判決)。

解説
 本事例は、大学院生の医師のアルバイトに対する安全確保も、労働者と同様に大学病院側が配慮する必要があるとした点が特徴的です。

 医師の過労死に関する事案として考えがちですが、少し見方を変えれば、過重業務により居眠り運転が起きた場合の責任は雇用者にある、との判断を下した事例と読み取ることもできます。最近、運転中の意識障害による事故が立て続けに報道されていますが、そのような場合の責任について考える上で参考になる判決でしょう。

 居眠り運転の責任はもちろん加害者にありますが、加害者が死亡した場合、裁判所はその責任を、「居眠りをさせた者」に負わせる例が多いようです。例えば、トラックドライバーの居眠り運転事故で、長時間残業を理由に使用者に損害賠償義務を認めた裁判例が幾つかあります(東京高裁2006年4月26日判決など)。今回の判決も、安全配慮義務を大学側に課した点で、構図が似ているといえます。

 では、医師が処方した薬剤が原因で居眠り事故が起きたらどうなるのでしょうか。この場合、医師に責任が負わされる可能性を考えておいた方がよいと思われます。

 過去の裁判例では、内視鏡検査の際に鎮静薬が使用され、その後に患者が交通事故を起こした場合に、「眠くなることがある」といった説明だけでは不十分であるとして医師の責任を認めたケースがあります(神戸地裁2002年6月21日判決)。医師の責任として、鎮静薬の薬理作用を考慮し、車の運転をしないよう患者に注意すべきであったと判断されています。

 さて、本事例は医師の激務が報道されていた時期の判決であり、裁判所も請求を認めやすかったかもしれません。しかし医師の激務は、裁判所が判決などで、医師に過大な義務を負わせることによって招かれた側面もあるのではないでしょうか。今回は医局長個人の責任は認められていませんが、もしそれが認定されることになれば、今度は医局長が過労死しかねません。



https://www.m3.com/news/iryoishin/456156
シリーズ: 群馬大学腹腔鏡死亡事故
「隠さない、逃げない、ごまかさない」- 上田裕一・群大“事故調”委員長に聞く◆Vol.6
医師同士が検証、評価し合う文化が必要

2016年10月4日 (火) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、高橋直純(m3.com編集部)

――先生が、2002年の名古屋大学の腹腔鏡事故の調査を経験されてから14年が経ちます。日本の医療安全の体制は進歩しているけれども、まだ改善の余地は大きいとお考えですか。

 そうですね。名古屋大について言えば、私が1999年に名古屋大に着任した以降、他大学出身者が何人か教授などに就任されましたが、「名大は、こんな事故対応をしているのか」と驚かれる方が、いまだにいます。

――どこが一番違うのでしょうか。

 「隠さない、逃げない、ごまかさない」という、2002年の事故対応の方針を貫いていることです。

 私は名古屋大病院の医療安全部長を約4年半務め、最後は心臓外科をやりたいので辞めさせてもらいました。国公私立を問わず、全国の大学病院の副院長クラスの医療安全担当者が集まる協議会が年2回開催され、この約4年半は出席していましたが、他の大学は大抵1年か、2年で担当が交代していました。担当の継続性がないことも問題でしょう。

 ただ幾つかの大学に、ようやく医療安全管理の講座が作られるようになりました。また今回の事例に端を発して、特定機能病院については、この4月から「全死亡症例」の報告、検証が義務化されました。これを機に、医療安全への取り組みが進むことが期待されます。


上田裕一氏は、今年11月の「医療の質・安全学会」などで、医療事故調査に関する講演を予定している。
――この14年間、マスコミでの取り上げ方などの相違もお感じになっていますか。

 それは感じます。マスコミの風当たりはいったん弱くなったのですが、群馬大の事故でまた“再燃”したと思っています。スクープ合戦みたいになり、途中で明らかになった氷山の一角のみが書かれ、本当は「水面下」のことが大事なのに、それを理解してくれるジャーナリストがなかなかいませんでした。

――今回は、読売新聞がずっと先行して書き続けていました。読売新聞の報道がなかったら、ここまで大きな問題に発展しなかったとお考えですか。

 そうですね。さらに言えば、(2014年春に明るみになった)千葉県がんセンターの腹腔鏡事故がなければ、群馬大の事故も問題にならなかったかもしれません。

――腹腔鏡手術や手術用ロボットを使った手術など、技術の発展が著しいのも、最近の特徴かと思います。群馬大の報告書でも「ラーニングカーブ」の問題を指摘されていましたが、どんな教育体制が必要だとお考えですか。

 例えば、お箸でご飯を食べることを例に挙げると、子供の頃は皆、ぎこちなく使っているけれど、そのうち上手になり、豆でも何でもつまめるようになる。自然と使えるようになっているわけで、「お箸をこう使おう」などとは考えてはいないのです。

 自転車に乗る、スキーをする、ピアノを弾くなどの動作は、練習により自然に流れるようにできるようになる。そこまで練習をせずに、「習字のお手本を見ながら書いている状況で、本番に移ってはダメだ」ということ。

――実際の手術の前に、シミュレーターなども使って練習すべきということ。

 はい、練習する方法はあります。バッティングセンターがあるように、外科でもシミュレーションセンターでの練習が必要。これが21世紀の外科教育です。昔はOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)も致し方なかったのかもしれませんが、各種シミュレーターが発達した今、実際の患者さんで、OJTすべきではありません。

 また外科医は、助手になり、患者を挟む形で、執刀医とは180度反対側に立っても、術野は執刀医と同じになるよう、頭の中で自分が見ているものを180度反転させているのです。これが分からない医師もいて、助手に入った場合に、自分が見た通りにしか絵を描けない医師もいます。それができるように練習しないと、いくら助手として手術に入っていても、実際に執刀医になった時に、頭に入っているイメージと、手と目の動きが違ってきてしまう。手術用ロボットになれば、執刀医と助手は同じ画面を見ることになりますが、鉗子の操作の仕方は、執刀医と助手は異なります。こうした人間の特性を踏まえたトレーニングも、外科修練の中に入れる必要があります。

 私は、「ご飯は1日3回食べて練習をしているから、上手になった。だから手術も1日3回練習しなさい」と言っています。とはいえ、手術にはアートの部分もあるので、皆が習字を上手に書けるようになると限らないように、お手本通りに書けと言われても、書けない人もいるわけです。

 実は今日お話したような調査の方針や考え方、苦労した点などを、今年11月19日の「医療の質・安全学会」で発表するよう依頼されました。その翌日の20日には、その翌日20日は、日本医事法学会で発表します。

――ご発表では何を一番訴えるご予定なのでしょうか。

 いったんこじれた、やり直しの調査は大変だというのが、まず一つ。

 また医療事故調査の在り方ですが、100%の調査は難しいと思うものの、「隠さない」ことが大事です。では調査に当たって、何を探しに行くかです。「うまく行かなかったことに原因を求めよう」とすると、足元をすくわれる。アウトカムだけを見るのではなく、そのアウトカムに至った理由は何なのか、という視点から見ていかないと原因は分かりません。

 「ここを切り過ぎたのだろう」とか、「癌がこれだけ浸潤しているのに、手術をしたからだ」といった書き方を外科医がしがち。そうではなく、そこに至るまでの過程を検証することが必要。例えば、何らかの問題が分かれば、普通は患者さんの紹介は途切れるはずですが、なぜ途切れず、次から次への紹介されていたのか……。医師同士がお互いに評価することに、慣れなければいけないと思うのです。

 先ほども触れましたが、特定機能病院は「全死亡症例」の報告・検証が義務化されました。本来は院内でオープンな形で、M&Mカンファレンスが実施されるべきですが、まだその検討の文化が成熟していないので、「主治医が責められる」という状況が起こり得ると懸念しています。

 事故調査に当たっては、あとから振り返ったら、「こうすればよかった」という点が、多かれ少なかれ、出てきます。それを共有する、今までの積み重ねを次に生かすような調査、検討の仕方が重要です。その視点に立てば、調査をする側も少し気が楽なのですが、医療行為をあげつらうような、問題指摘型の調査を行うと、調査する側も辛いことを理解していただきたい。



https://www.m3.com/news/general/464739
【埼玉】医師の指示なく医薬品を投与、点滴も 容疑の准看護師逮捕/鴻巣署
2016年10月4日 (火) 埼玉新聞

 鴻巣署は3日、保健師助産師看護師法違反(医療行為の禁止)の疑いで、羽生市下新郷、准看護師の男(31)を逮捕した。同容疑での逮捕は県内初という。

 逮捕容疑は8月5日午前4時ごろ、自宅で、知人の女性=当時(48)=に対し、医師の指示を受けずに医薬品を投与と点滴を行い、衛生上危害を生じる恐れのある行為をした疑い。

 同署によると、女性は当時風邪気味だった。翌日の6日午後2時半ごろ、女性が同署を訪れ、「体調不良の私に病院で処方する薬や点滴をしたのは、法に触れるのではないでしょうか」と相談し、同署が捜査していた。



https://www.m3.com/news/general/464714
高齢者って何歳以上?4割の人が思うのは… 厚労省調査
行政・政治 2016年10月4日 (火)配信朝日新聞

 高齢者は70歳以上――。こんな意識を持つ人が4割に上ることが、4日に閣議決定された2016年版の厚生労働白書に盛り込まれた調査でわかった。世界保健機関(WHO)が高齢者と定義している「65歳以上」とした人は半分の2割。少子高齢化に伴い働くお年寄りが増えたことも影響しているようだ。

 厚労省は2月にインターネットを通じて、40歳以上の男女計3千人を対象に調査を実施した。何歳から高齢者になると思うか聞いたところ、「70歳以上」が最も多い41・1%で、「65歳以上」が20・2%、「75歳以上」が16・0%、「60歳以上」が9・8%と続いた。とりわけ60代は半数近くが「70歳以上」と答えた。

 65歳以上で働いている人は増え続けており、15年には744万人いた。労働者の総数に占める割合は11・3%で、1970年と比べて約2・5倍になった。厚労白書に記された内閣府の13年の調査では、働きたい年齢について最も多かったのは「働けるうちはいつまでも」の29・5%で、「70歳ぐらいまで」の23・6%が次に多かった。

 今回の厚労省の調査では、高齢になっても働くために「企業の高齢者雇用に対するインセンティブ(動機付け)作り」や「希望者全員が65歳まで働ける仕組みの徹底」「ハローワークでの高齢者への職業紹介の取り組みの強化」を求める声が多かった。(水戸部六美)



https://www.m3.com/news/general/464738
がん治療の副作用で死亡 遺族が弘前大提訴
2016年10月4日 (火) 河北新報

 弘前大医学部付属病院(青森県弘前市)でがん治療を受けていた女性=当時(63)=が死亡したのは、医師が腎機能障害について注意義務を怠ったためだとして、青森市の遺族らが3日までに、弘前大に慰謝料など約5890万円の損害賠償を求める訴えを青森地裁に起こした。

 訴状によると、女性は2009年7月から、放射線や抗がん剤治療のために同病院を受診。12年8月ごろから、副作用による両脚のむくみについて、痛みを訴えていた。同年12月中旬の検査で、がんはなくなったとされたが、同27日に自宅で容体が急変し、13年1月に死亡した。腎機能に関する検査は12年8月に実施されて以降、亡くなる直前までなかった。

 原告側は「腎障害を悪化させる恐れがある薬を服用して容体が急変し、急性腎不全が原因で死亡したことは明らか。腎機能について綿密に検査し、配慮するべきだった」と主張。病院側は「対応を協議中のため、コメントは控えたい」と話している。



https://www.m3.com/news/general/464399
小学生が手術の模擬体験 「怖かった病院親しみ持てた」 岩手医大
2016年10月4日 (火) 毎日新聞社

 盛岡市の岩手医科大付属病院で2日、手術の模擬体験イベントが開かれた。盛岡市内の小学5、6年生と保護者の計約30人が参加し、医療への理解を深めた。

 実際に使われる手術部屋を利用。外科や麻酔科などの模擬手術に取り組んだり、看護師や臨床工学技士が医師を補助するために使う医療機器の扱い方を学んだりした。

 泌尿器科で前立腺がん除去に使われるロボットを操作した市立城南小5年の工藤瑞己(みずき)さん(11)は「病院は怖い所だと思っていたけど、ちょっと親しみを持てた」と喜んでいた。泌尿器科の小原航教授は「この中から、岩手の医療を背負う人材が育ってくれればうれしい」と話した。【村山豪】



http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/201610/0009553117.shtml
柏原病院、定年退職増で赤字膨らむ 15年度決算
2016/10/4 18:00神戸新聞NEXT

 県立柏原病院(兵庫県丹波市柏原町柏原)は、2015年度決算を発表した。全体で7億7400万円の赤字となり、前年度より1億3800万円悪化した。診療機能強化で患者数が増えて収入は改善したものの、定年退職が例年より多かったことから退職金が増加したことが影響した。

 同病院の赤字額は03年度から大きく膨らみ、医師不足の深刻化などで07、08年度には15億5600万円に上った。その後、神戸大からの医師派遣などで診療機能を強化し、経営状況も改善傾向が続く。18年度には柏原赤十字病院と統合・移転して新病院の開設を目指している。

 15年度は救急科を新設し、年間の救急患者受け入れ数が約5500人(前年度比約1200人増)と大きく増加。緩和ケア病棟や専門外来も充実させ、延べ入院患者数は約5500人増、延べ外来患者数は約1700人増となった。診療単価も上がり、医業収益は37億5500万円(同9・4%増)だった。

 支出は57億700万円(同10・2%増)。患者増によって医薬品などの材料費が12・3%増えた。また、定年退職14人を含む退職が計29人(前年度19人)と増え、退職金が膨らんだ。

 同病院によると、16年度も患者数が増加傾向で、収支で約2・5億円の改善を目指すという。斉藤芳樹管理局長は「新病院に向けた準備を進めつつ、さらに医師確保に取り組んで経営改善を図る」としている。(岩崎昂志)



http://diamond.jp/articles/-/103446
亀田総合病院元幹部が提訴、行政批判に言論抑圧はあったのか
週刊ダイヤモンド  2016年10月5日

 民間病院の名門である亀田総合病院(千葉県)を2015年9月に懲戒解雇された元副院長の小松秀樹医師が今年9月、同病院などを展開する亀田グループの経営者2人、さらに厚生労働省と千葉県の職員2人を相手取り、二つの民事訴訟を起こした。闇に葬り去られるとみられていた、解雇の舞台裏にある真実を明らかにしようというのだ。

 論客としても著名な小松医師は、国や県の政策とは異なる独自の地域医療を推進し、補助金支給をめぐる問題などで行政批判の記事を執筆してきた。そんな小松医師に亀田上層部は約1年前、「(厚労省関係者から)行政の批判を今後も書かせるようなことがあると、亀田の責任と見なす。そうなれば補助金が配分されなくなるとほのめかされた。千葉県への批判をやめてもらえないだろうか」と頼んだ。

 小松医師はそれに従うどころか、厚労省職員による不当な圧力への調査と厳正な対処を厚労相に求める文書を提出することにした。同医師によると、省内の知り合いに相談目的で渡した文書原案をある厚生官僚が入手して同省出身の千葉県健康福祉部の課長と共有、同課長から亀田の経営者に渡った。直後、同医師は懲戒解雇された。

懲戒解雇で言論抑圧か

 亀田の経営者2人を被告とする訴状は千葉地方裁判所に受理された。懲戒解雇処分は無効であるとして当初の雇用契約期間に支払われるはずだった未払いの給与と顧問料の相当額を逸失利益として請求。これに慰謝料などを加えた損害賠償請求総額は約1957万円に上る。

 法律上、解雇する場合は1カ月前の予告か1カ月分の手当支払い、あるいは労働基準監督署の解雇予告除外認定を受ける必要がある。これらの要件を満たさずに解雇されたというのが原告側の主張だ。

 もっとも、肝は慰謝料も請求している点にある。懲戒解雇処分をする過程に精神的損害を与えるような言論抑圧があったのか、事実関係を争うことになるからだ。

 この訴訟とは別に、厚労相宛ての文書原案を外部に流したとして、厚生官僚(世界保健機関〈WHO〉に出向中)と千葉県の課長に慰謝料など約25万円を求めて東京地方裁判所に提訴した。公務員が私的に言論を抑圧した点を追及するもので、同件で原告側代理人の井上清成弁護士は「内部情報の通報、情報公開請求を行った人について、みだりに利害関係者に知らせること自体が問題」とする。

 現時点で被告が在籍する亀田、厚労省と千葉県の担当課はいずれも具体的なコメントを控えている。

 果たして権力を持つ者が不法に、医療者および地域の取り組みをつぶしたのか。民事裁判では一般的に原告と被告への尋問が行われる。当事者たちが法廷に引っ張り出されるであろう二つの訴訟は、損害賠償請求額よりはるかに大きな意味を持つ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 臼井真粧美)



http://mainichi.jp/articles/20161005/ddm/008/010/074000c
追跡・予算編成
がん新薬、値下げ攻防 製薬業界、強く反発

毎日新聞2016年10月5日 東京朝刊

 政府の2017年度予算編成では、膨張を続ける社会保障費の抑制が最大の課題となる。焦点の一つが高額薬剤の扱いだ。その象徴とされる新型のがん治療薬「オプジーボ」を巡り、政府と製薬業界の攻防が山場を迎えている。【小倉祥徳、細川貴代、下桐実雅子】

 財務省は4日、予算の課題を議論する財政制度等審議会(財政審)で、社会保障費を重点的に議論。会長の吉川洋・立正大教授は終了後の記者会見で「薬価(薬の価格)が適正でなければならないというのは、委員の共通認識だ」と述べ、オプジーボの緊急値下げの必要性を強調した。

 財政審が特定の薬をやり玉に挙げるのは異例だが、高額薬剤は社会保障制度の持続性を揺るがしかねないリスクをはらむ。オプジーボは、肺がんの患者が使うと年約3500万円もかかる。4月の財政審では、適用対象の肺がん患者を5万人と見積もり、全員に投与すれば年1兆7500億円に上るとの試算が提示された。少子高齢化で悪化する保険財政を一段と圧迫するため、財政審に出席した医師が「『医師はコストを考えるべきではない』とされるが、財政破滅を回避しなければならない」と危機感をあらわにした。

 オプジーボが高いのは、14年に発売を始めた際の適用対象が皮膚がんの一種に限られたためだ。患者が年約500人と少なく、開発費を回収するために高い薬価が認められた。しかし、15年末に肺がんの一部にも使えるようになり、16年度の使用者は1万5000人に急増する見通し。今年8月末には腎細胞がんでの使用も認められた。政府は「多く売れるようになるのだから、値段を下げるべきだ」と主張する。
10041_201610050620473e0.jpg

 薬価は国が2年に1度、見直しており、本来なら次回は18年度に改定される。しかし財務省は、これを待たずに特例で引き下げるよう厚生労働省に要求。社会保障費を巡って対立することが多い厚労省もこれに乗った。厚労省は17年度の予算編成で、医療費や年金のうち高齢化で自然に増える分を1400億円削減するよう迫られている。高額薬剤を値下げすれば、国の医療費負担を減らせる。

 厚労省は、超高額薬剤について、保険の適用対象が増えて売上高が急増すれば、即座に値下げできる仕組みを検討している。当面はオプジーボの緊急値下げを検討する予定で、5日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関、中医協)で引き下げ幅の具体案を議論する方針だ。

 こうした動きに製薬業界の反発は強い。9月に開かれた中医協の部会では、日本製薬団体連合会の担当者が「次の薬価改定を待たずにこれまでにないルールを突然導入するのは容認できない」と不満を表明した。日本の医薬品産業の研究開発費は2014年度に1兆4953億円と、00年度の7462億円から倍増。新薬の成功確率は低いのに開発費は増える一方で、ハイリスク・ハイリターンの様相を強める。急に制度を変えられると収益への影響は大きい。

 医療費抑制に向け、製薬会社や患者、政府の間で高額医薬品の“適正価格”を模索する動きが続きそうだ。

 生活に密接に関わる政府予算は、どうやって作られるのか。予算編成の過程を追いかける「追跡 予算編成」を随時掲載する。
10042.jpg



http://this.kiji.is/155991624274675194?c=110564226228225532
点滴事件の大口病院に行政指導
横浜市、来週にも臨時検査

2016/10/4 19:54 共同通信

 横浜市は4日、点滴連続中毒死事件が発覚する前の9月2日に実施した大口病院(同市神奈川区)への定期立ち入り検査結果を公表し、14項目について改善するよう行政指導した。うち院内で起きた想定外の医療事故の記録に不備があった点など、3項目で改善計画の提出を求めた。

 この検査は医療法に基づき年1回実施。市は事件に関連する改善項目はなく、点滴の管理にも問題はなかったとしている。事件を受け、市は来週中にも臨時の立ち入り検査を実施する方針。

 市には7月以降、院内で相次いだトラブルに関する情報提供があり、市は定期検査の際に事実関係を確認。口頭で再発防止を指導していた。



http://www.asahi.com/articles/ASJB44KBPJB4UTIL01R.html
大量の向精神薬、6500万円で譲渡 元医師に実刑判決
2016年10月4日19時21分 朝日新聞

 肥満症患者向けに処方する向精神薬を、診察せずに大量に転売したとして、麻薬特例法違反などの罪に問われた元医師渋谷雅彦被告(58)の裁判員裁判で、東京地裁は4日、懲役6年6カ月、罰金400万円(求刑懲役9年、罰金500万円)と追徴金6473万円の実刑判決を言い渡した。稗田雅洋裁判長は「大規模に行われた悪質極まりない犯行だ」と述べた。

 判決によると、渋谷被告は2014~15年、東京都港区六本木で経営していたクリニックから宅配便で送るなどの方法で、男女4人に向精神薬「サノレックス」計約27万錠を約6500万円で譲り渡した。また、昨年1~7月には計約110万錠を転売目的で所持したほか、同クリニックのサイトで「ダイエットピル、全国で最安値」と書いた広告を載せるなどした。

 判決は、渋谷被告が一時期、国内で出荷される同薬の半数近くを入手し、密売していたと指摘。「過去に比較すべき事例がないほど大規模で、依存症による健康被害を起こしかねず、社会に大きな危険をもたらす行為だ」と批判した。



http://www.asahi.com/articles/ASJB452S8JB4UBQU00R.html
医師・看護師の働き方ビジョン策定へ 多死社会備え 厚労省検討会
寺崎省子
2016年10月4日15時49分 朝日新聞

 団塊世代の高齢化に伴う「多死社会」の到来や医療現場の技術革新などに伴う新しい医療のあり方と、医師・看護師の働き方を議論する厚生労働省の有識者検討会が3日始まった。勤務実態なども調べ、医師・看護師の働き方や将来のあるべき姿をビジョンとして来年2月にもまとめ、夏ごろまでには国の分科会で需給推計を行う予定だ。

 団塊世代全員が75歳以上の後期高齢者になる2025年には、年間の死者数は現在より20万人多い150万人を超えると推計されている。

 厚労省によると、多死社会の到来による看取(みと)りニーズの増大や、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)などの医療現場への導入による革新、医師と看護師、医療職と介護職の役割分担を含めた、新たな医療のあり方を話し合う。

 3日は委員からこうした論点のほか、医療現場に詳しい医療機関の経営管理の人材育成などを求める声が出たという。

 今後検討会は女性だけでなく、男性医師の勤務実態について、病院・診療所などの職場別に調査し、医師や看護師らの働き方を見直し、ビジョンとしてまとめる方針。

 ビジョンを踏まえ、来年夏ごろまでに、医師や看護師らの将来需給について、各分科会でそれぞれ議論し、詳細な推計を行う。(寺崎省子)

■医療を取り巻く状況の変化を踏まえた新たな医療の在り方

(例)
・多死社会の到来による看取(みと)りニーズの増大
 ・病床機能の分化・連携、療養病床の見直し
 ・在宅医療・介護、地域包括ケアの推進
 ・総合診療専門医・かかりつけ医の普及
 ・医療ICT(情報通信機器)等インフラ整備やAI(人工知能)等によるイノベーション
 ・医療従事者間、介護従事者との役割分担、業務負担の軽減
 ・働き方改革

(厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医療・看護師等の働き方ビジョン検討会」《http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000138754.html別ウインドウで開きます》の資料から)




https://medical-tribune.co.jp/management/2016/1004504844/
わが子を医師にするための9つのルール(3)
クリニックステーションポータル編集部
2016.10.04 Medical Tribune

誰も教えてくれなかった!わが子を医師にするための9つのルール

 こんにちは、藤崎です。

 突然ですが「医学部受験の特殊性」とは何でしょう? それはズバリ! 「私立医学部の学費」に尽きます。まず、普通の学部の受験を考えてみましょう。いつの時代も親は学費の安い国公立大学に行ってほしいと願っています。しかし、残念な結果になり、滑り止めの早稲田大学の理工学部に入ったとしましょう。その上、入学後に、もう2年大学院に進みたいと言い出しました! そうなると、6年間の学費は約800万円を超えます。結果、親にとっては割高なコースとなってしまいました。本当に大変だとは思いますが、はっきり申し上げてこの程度であれば「何とかなる金額」なのです。

 しかしながら、国公立医学部を目指していて残念な結果になり、「私立の医学部に!」といった場合はどうでしょうか? 気合や節約では「何ともならない金額」なのです。「わが子を医師に!」と願う第一歩は、お金の問題から! これが絶対ルール! ここを避けては通れません。

「できれば」国公立か?「絶対」国公立か?

 ご存じの通り、医学部であっても国公立大学の6年間の学費は全て約360万円です。月間にすると月々5万円です。「うちの子の幼稚園より安いわ!」というお母様もいらっしゃるでしょう。国公立の医学部に行くのが望ましいとおっしゃるのは当然です! 問題は「国公立が望ましいのか!」「国公立でなければだめなのか!」ということなのです。

 首都圏の私立大学医学部の学費のランキングを見てみましょう。最安値はどこでしょう? 答えは、2008年に学費を880万円大幅にダウンして、トップに躍り出た順天堂です。それでも6年間の学費だけで2,080万円という金額には、あらためて驚かされますね。

10043.jpg

 グラフを見ていただければ分かるように、2番目は慶應義塾です。第3位は、こちらも学費を450万円ダウンさせた昭和となります。慈恵、自治医科と続き、2013年度に学費を600万円下げて2,580万円にした6位の東邦までを、「私立A群」とさせていただきます。

 以降、3,890万円の北里までを「私立B群」とさせていただきます。卒業生等で気を悪くされる方もいらっしゃるかもしれませんが、お許しください。一般サラリーマンが税引き後の給料から捻出できる教育費の限界が、「私立A群」の6年間2,500万円になります。

 最も大切なことは、「わが家は資金的にどこまで対応可能なのか」、この問題を夫婦で直視し、方向付けをしてから、子育てを再スタートすることです。大学入学以前にかかる、塾を中心とした教育費、そして入学後の諸費用を加えて考えたときに、「わが家は国公立以外無理なのか?それも現役合格に限るのか? 浪人は可能なのか?」第二段階としては「国公立が望ましいが、私立A群までは許されるのか?」、それとも、「資産背景から判断して私立B群まで可能なのか?」という判断を冷静に行っていただきたいのです。

 医学部に限っては、「学費が低い大学ほど偏差値が高い!」という法則が成り立っている以上、「わが子を医師にする確率を上げる」という点においては、親の資金力が潤沢であればあるほど、わが子が医師のライセンスを手にする確率が上がるのが現実なのです! まさしく、第1回でお話しした「ペアレントクラシー」の極みといえるでしょう。

 ご夫婦、いや! ご一族で、この話し合いを通じて「わが家の位置付け」を決定することで、初めて戦略が決まり、さまざまな戦術を選ぶ段階に入れるのです。

同級生と学校の雰囲気が「国公立合格」を左右する!?

 考えられる戦術を順にお話ししてまいりましょう。

 まず、「資金的に国公立医学部以外無理」というケースでは、子供にかかる負荷は相当高いものとなります。このケースでは、子供との現実的な話し合いを早めに行うことが大切です。子供が医学部受験をぼんやりとイメージし始めた時点でこのようなグラフを見せ、「わが家の現実とこれから向かう道」を話し合うことは、医学部入学に限らず、教育の一環であると考えるべきです。

 また、高校選びにも"ご子息が国公立医学部を目指しやすい環境"を選ぶ必要があるでしょう。いくら医学部進学率が高い高校でも、開業医の家庭が多く「俺は家を継ぐから学費のことは関係ないし、医学部さえ入れれば推薦でもいいんだ」という雰囲気が蔓延する環境では、「自分だけが国公立縛り」というのはきついものです。

 逆に、地域NO.1の県立高校や、比較的学費が安い私立進学高校においては「浪人してでも国公立を諦めない」という雰囲気が学校内に根付いていることは、大きなバックアップになります。例えば、九州内で県立高校として医学部合格率で孤軍奮闘している県立熊本高校、通称「くまたか」などはその代表例といえます。

 私立についてもお話ししましょう。昨今、医学部合格者輩出数で急上昇している東京の豊島岡女子学園高校は、私立の中では学費が安いことで有名です。6年間で約372万円という金額は、偏差値が同レベルの中高一貫校である雙葉高校の521万円、女子学院の505万円と比較すると大きな差があることがわかります。"差額の金額を大学教育資金に充てることができる"というメリットがあるのはもちろんのこと、同級生に、同じような家庭環境である、勤務医や一般サラリーマンの家庭が集まる可能性が高くなるのです。このような環境だと、医学部に限らず、自然と「うちは資金的に国公立じゃないとだめなんだ! 一浪してでも第一目標は変えない」という雰囲気が生まれてくるのです。「わが子を医師にする確率を上げる」には、この環境選びが最も大切になってきます。

 一般受験において推薦入学やAO入試の割合が半分を超える現在では、高校によっては3年の11月にはほとんどの生徒が推薦で行き先が決まっており、学校での話題は「卒業旅行」の話という"生ぬるい雰囲気"になりがちです。そんな中で、翌年2月にピークを迎える国公立受験を二次まで目指すのは心理的に大変なものです。実力はあっても、早くに安心を得るために、第一志望である医学部を諦めて普通学部の指定校推薦を取ってしまう可能性が高くなっても当然といえます。

 「ご子息に医師にはなってほしい、でも国公立でなきゃだめよ!」という厳しいハードルを課すのであれば、こうしたメンタル環境にまで心配りをしてあげてほしいのです。

 さて、次に考えられる戦術としては「親の大いなる方向転換」があります。この件は、最重要ポイントとなります。後編でじっくり言及してまいります。

(執筆:NPO法人 横浜子育て勉強会 理事長 藤崎 達宏=ふじさき たつひろ)



http://www.asahi.com/articles/SDI201610018812.html?iref=com_apitop
「3時間待ちの3分診療」の謎
アピタル・大野智
2016年10月4日06時00分 朝日新聞

 よく「日本の医療は世界一」と言われます。一方で、「3時間待ちの3分診療」といった患者さんからの不満も耳にします。日本の医療は国際的にどのような水準なのか。日本医師会総合政策研究機構(http://www.jmari.med.or.jp/別ウインドウで開きます)が9月に公表した報告書をもとに、具体的な数字で確認してみたいと思います。

 なお、当該報告書にも留意事項として記載されていますが、国によって保健医療制度が異なることなどから、すべての国が同じ手法で推計できているわけではなく、今回紹介する数字の比較は、あくまで目安であり、諸外国との傾向の違いを見ているにすぎないという点をご理解ください。


■医療関連データの国際比較 -OECD Health Statistics 2016-[2016年9月16日]
・概要(http://www.jmari.med.or.jp/research/research/wr_604.html別ウインドウで開きます)
・詳細(http://www.jmari.med.or.jp/download/WP370.pdf別ウインドウで開きます)


 これは、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)が提供する方法で各国が推計した医療に関連するデータの国際比較です。報告書には、「対 GDP 保健医療支出」「1人当たり保健医療支出」「高齢化率」「医師数」「病床数」「受診回数」「MRI・CTの台数」「平均寿命」「乳児死亡率」「喫煙率」「自殺者数」などのデータが国際比較されています。


「人口100万人当たりのMRI・CTの台数は2位に大差をつけて一番多い」
「平均寿命は女性が第1位、男性が第4位」
「出生1,000人当たりの乳幼児死亡率は2番目に低い」


など「日本の医療は世界一」の名に恥じないような興味深いデータが並んでいます。

 ですが、多くの患者さんが感じている医療への不満として、「3時間待ちの3分診療」とも言われます。その理由に関連しそうな「医師数」「病床数」「受診回数」についてみてみます。

 まずは「人口1,000人当たり医師数」です。
10045.jpg
写真・図版
 
 2014年の時点で人口1000人当たり医師は2.4人となっていて、米国の水準に近づいてきているものの、OECD加盟国の中では、まだ人口当たりの医師数が少ないことがわかります。

 次に「人口1,000人当たり病院病床数」「1人当たり受診回数」をみてみます。
10046.jpg
写真・図版 

 結果は、OECD加盟国の中で、病院病床数が第1位、受診回数が第2位となっています。このことから、医師1人当たりの入院担当患者(=病院病床数)と外来患者数(=受診回数)の数を推計してみます。
10047.jpg
写真・図版 

 日本の医師は米国の医師に比べて、入院患者で5倍、外来患者で3.5倍の数を診療していると予測されます。もしかすると、これが「3時間待ちの3分診療」と言われる原因かもしれません。
10048.jpg

 今回紹介した報告書の「おわりに」には以下のような記載があります。

----

日本の受診回数の多さも問題視される。しかし、日本では受診1 回当たり単価が低いため、外来医療費はそれほど高くない。その分、入院医療の比重が重いということでもあるが、外来医療は効率的に提供されており、不安なときにはすぐに受診し、その結果、健康を維持できているのではないだろうか。

----

 医療制度は、各国で限られた公的資源をどのように国民が享受していくかを考えた上で設計されています。残念ながら公的資源は無限にはありませんので、万人に対して理想的な医療制度を実現するのは不可能です。

 「待ち時間は長いけども、いつでも受診できる医療」の対案は、「待ち時間は短いけども、なかなか受診できない医療(例えば、診察料が高額、医療機関が少ない、法的に受診回数が制限されるなど)」なのかもしれません。

いま一度、皆さん自身で、どのような医療を受けたいのか考えてみてはいかがでしょうか。

http://www.asahi.com/apital/healthguide/kiku/(アピタル・大野智)

アピタル・大野智(おおの・さとし) 大阪大学大学院准教授
大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座 准教授/早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 客員准教授。1971年浜松市生まれ。98年島根医科大学(現・島根大医学部)卒。主な研究テーマは腫瘍免疫学、がん免疫療法。補完代替医療や健康食品にも詳しく、厚労省『「統合医療」情報発信サイト』の作成に取り組む。



http://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20161004-OYTNT50200.html
建築計画変更求め市民団体設立へ…伊勢総合病院
2016年10月05日 読売新聞

 伊勢市の進める市立伊勢総合病院の建て替え計画が、地域の医療ニーズを反映していないとして、市民有志が7日、「建築計画の変更を願う市民会議」(仮称)を設立する。

 ともに元市議の浦田繁さん(69)と大川好亮さん(71)や、医療関係者が中心となって準備を進めており、当日は初会合を開き、鈴木健一市長や市議会に提出する要望書の内容を検討する。

 要望書案では、現計画の問題点について ▽市の検討会で提案された地域医療に関する意見が反映されていない ▽アンケートで現場の職員の過半数が不要と答えた屋上ヘリポートを計画している ▽累積赤字がさらに膨らむ恐れがある――などとし、一度棚上げして再検討することを求めている。

 同病院の建て替え計画をめぐっては、市が市議会9月定例会に建設費を増額する補正予算案を提案している。予算案が可決された場合、浦田さんらは市長の解職請求(リコール)や市議会の解散請求(同)も視野に入れるとし、「市民に広く呼びかけ、ともに市に計画変更を要望していきたい」と話している。

 初会合は午後7時から、いせシティプラザで開かれる。問い合わせは浦田さん(090・5638・3279)。

  ◇

 伊勢市議会は4日、教育民生委員会を開き、市立伊勢総合病院の建て替え工事費を増額する補正予算案を賛成多数で可決した。12日の本会議に報告し、採決される。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49747.html
オプジーボの薬価引き下げ「速やかに」- 財政審分科会で財務省
2016年10月04日 22時00分 キャリアブレイン

 高額な抗がん剤「オプジーボ」の公定価格(薬価)について、財務省は4日、財政制度等審議会(財政審)の分科会の会合で、2018年度に予定される改定時期を待たず、「速やかに」引き下げるよう求める方向性を提案した。財政審は財務相の諮問機関で、11月ころまでに、来年度の予算編成に向けた意見書をまとめる予定。同省はこの日、薬価制度を見直して高額薬剤による医療費の増加を抑える案や、「かかりつけ医」以外の大きな病院を受診した患者が高額な追加料金を支払う制度を導入する案なども示した。【佐藤貴彦】

 オプジーボは2014年、「根治切除不能な悪性黒色腫」の治療薬として保険収載された。当時、ピーク時でも使用する患者数が年間500人に満たないと見込まれ、薬価が高く設定されたが、昨年12月、患者が多い「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の薬としても保険の対象になった。このため、売上が巨額になり、健康保険の被保険者らが支払う保険料や、保険制度に投入される国費が増えると懸念され、中央社会保険医療協議会で対策が検討されている。

 財務省は4日、オプジーボの薬価を次の薬価改定の時期までそのままにしておくことを問題視。「速やかに適正水準まで薬価改定を行う」ことを求めるよう提案した。さらに、現行の薬価制度自体を見直す必要性を強調。薬剤の費用対効果を評価する仕組みの本格的な導入や、オプジーボのように対象患者が増えた薬剤に「適切に対応」できる仕組みの検討なども求めるべきだとした。

 非公開の会合終了後に記者会見した吉川洋分科会長(立正大経済学部教授)は、新薬を開発する製薬会社のインセンティブを担保しなければならない一方で、適正な価格付けが必要というのが委員の共通認識だったと話した。

■「かかりつけ医」に24時間対応は不要?

 財務省はこの日の会合で、患者が特定の医療機関を「かかりつけ医」として指定し、軽症なのにそれ以外の医療機関を受診した場合に追加料金を支払う新制度の導入を求めることも提案した。患者の負担は定額で、診療所などを受診した場合は低く、大きな病院は高くするといった方向性も示した。

 また、診療報酬上の「かかりつけ医」機能の評価である「地域包括診療料」などを届け出る医療機関に、患者の緊急時に24時間往診できる体制などが求められている一方で、患者側は「かかりつけ医」に対し、必ずしも24時間体制を望んでいないと指摘。新制度の「かかりつけ医」には、患者の状態に応じて専門の医療機関を紹介する体制などがあれば、24時間対応などは求めないといった案も示した。

 4日の会見で吉川分科会長は、委員から定額負担の導入に賛成する意見のほか、かかりつけ医以外を受診した患者が自己負担する医療費の割合を高くする仕組みの提案があったことを明らかにした。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04H93_U6A001C1CR8000/
化血研、また不正製造 日本脳炎ワクチン
2016/10/4 20:19 日本経済新聞

 ワクチン大手の化学及血清療法研究所(熊本市、化血研)が国の承認と異なる方法で製造していた問題で、厚生労働省は4日、日本脳炎ワクチンで新たな不正製造が見つかったと発表した。化血研は2月に不正製造を解消したと報告していたが、違反行為はその後も行われていた。

 厚労省は同日、原因究明と製造販売する全品目を再調査するよう行政処分を行った。化血研が2週間以内に提出する弁明書を踏まえ、業務改善命令を出す予定。

 化血研は血液製剤やワクチンを国の承認と異なる方法で製造し、厚労省は1月に医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき過去最長の110日間の業務停止命令を出した。化血研は2月に医薬品を審査する「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)に問題点の解消を終えたと報告した。

 ところが、化血研の書類を厚労省が分析したところ、日本脳炎ワクチンの製造工程の一部で承認書に書かれている原材料の処理を行っていないことが8月に判明。9月の立ち入り検査で不正を確認した。ワクチンの安全性は問題ないという。

 厚労省は化血研に対し「このような事態が続く場合には、医薬品製造販売業許可の取り消し処分に進展する可能性がある」と伝えた。化血研は「信頼回復に努めたい」としている。



http://jp.wsj.com/articles/SB12557326889379443597104582353222235833922
米製薬会社が中間業者批判、高額薬価問題で
By JOSEPH WALKER (原文:英語)

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 2016 年 10 月 4 日 18:36 JST 更新

 米国で薬価が高騰している問題で、製薬会社は自らの責任を否定し、薬価の決定に影響力を持つ中間業者への批判を強めている。

 こうした厳しい批判の一部は、自社製品の大幅な値上げを巡り議会の追及やソーシャルメディアでの猛批判にさらされた製薬業界幹部から飛び出した。その1人が、アナフィラキシー補助治療剤「エピペン」を製造する後発薬大手マイランのヘザー・ブレッシュ最高経営責任者(CEO)だ。ブレッシュCEOは、卸売業者、薬局、薬剤給付管理会社(PBM)の全てが処方薬から利益を得る機能不全のシステムのせいで、同社が不当に汚名を着せられていると主張している。

 PBMは、従業員に医療保険を提供する雇用者や保険会社向けに薬剤給付の管理業務を行っている。保険給付対象となる薬剤を選択したり、その影響力を駆使して製薬会社とリベート(払い戻し)契約を結び薬価の値下げを獲得したりして、薬剤給付コストの抑制に取り組んでいる。リベートの一部はPBMの利益となるが、その大部分は顧客に還元されている。

 ただこのシステムには深刻な副作用があると、製薬会社幹部などは指摘する。PBMは薬価(定価)の一定比率をリベートとして受け取るため、近年の薬価高騰はPBMの利益を押し上げてきた。

 こうしたリベートの存在が、リベートがない場合よりも製薬会社の値上げを助長しているとの批判もある。例えば、製薬会社がある薬を6%値上げして、その売上増加分で開発費を相殺したいと考えた場合、PBMに支払うリベート分を帳消しにするには定価を6%以上引き上げる必要がある、と製薬会社アコルダ・セラピューティクスのロン・コーエンCEOは述べた。

10049.jpg
製薬会社の製品売上高のうち、リベートなどの割引分は2~3割を占める

 コーエンCEOは「毎年こうした圧力を受けることで、値上げに拍車がかかりやすくなっている」と述べた。

 PBM側は、薬価高騰はPBMの責任ではないとし、リベートがなければ薬剤費はもっと上昇していたはずだと主張している。米ドラッグストアチェーン大手CVSヘルスのトロイエン・ブレナン最高医療責任者(CMO)は「われわれにはコストを最小限に抑えようという動機が十分ある」と述べた。同社のケアマーク部門は、業界1位のエクスプレス・スクリプツ・ホールディングや3位のユナイテッドヘルス傘下オプタムとともに3大PBMとして知られる。

 製薬会社はリベートを非公開で交渉する慣行について、政府主導の価格交渉に代わる市場ベースの価格交渉だとして、その正当性を何年も訴えてきた。リベートシステムは製薬会社の利益も押し上げてきた。同システムでは薬価上昇を抑えられずにいるためだ。

 いまや大幅値上げを実施する製薬会社に厳しい視線が注がれるようになったことで、一部の業界幹部から、このシステムはもはや効果的に機能しておらず、改革の機は熟しているとの声が出ている。

 リーリンク・パートナーズの生命工学アナリスト、ジェフ・ポージス氏は「自らへの圧力が高まった製薬会社は身代わりを探すことでそうした圧力をかわそうとしている」と述べた。

 エピペンの値上げを巡り激しい批判を浴びているマイランのブレッシュCEOは8月、この値上げの原因は薬価支払いシステムの「破綻」にあると述べた。ブレッシュCEOはCNBCテレビで、「皮肉なことに、システム自体が値上げを奨励している」と語った。

 米製薬大手ファイザーのイアン・リード最高経営責任者(CEO)は最近、「リベートがなければ医療制度は健全になる」と述べた。リードCEOは投資家向け会合で、製薬会社がPBMに支払うリベートは上昇しているが、患者が処方薬に支払う自己負担額はもっと増えていると述べた。

 PBMは、保険会社と雇用者が決める自己負担額の上昇はPBMの責任ではないとの見解だ。エクスプレス・スクリプツは顧客に対し、高額医薬品についても自己負担額に150ドルの上限を設けるよう助言している。

 エクスプレス・スクリプツのスティーブ・ミラーCMOは最近のインタビューで、「エピペンが高額なのはマイランが値上げしたからだ」とし、その責任を流通業者に負わせるのはばかげていると述べた。

10041b.jpg
米国の処方薬の流通経路

 PBMはその購買力にもかかわらず、薬剤費の抑制に苦戦している。連邦政府の統計によると、米国の処方薬支出は昨年、推計で8%増の3219億ドルとなった。これに対し、ヘルスケア消費全体の伸びは5.6%だった。

 一方、大手製薬会社の多くは値上げなどが寄与し増収を続けている。

 PBMへの批判が高まっている背景には、業界再編が進み一段と大きく成長したPBMが、リベートの最も高い薬剤への患者の誘導をさらに積極化させていることがある。

 ジェフリーズによると、PBM業界大手3社の米市場でのシェアは75%と、2011年の49%から上昇している。昨年の3社の営業利益は計101億ドルで、2013年の水準から30%増えた。

 リベート以外にも、PBMは薬価の一定比率を手数料として受け取っている。PBMは顧客の薬剤給付に関するリベートの追跡などを行う見返りに、製品価格の2~5%を「リベート管理費」として製薬会社から徴収している。また、PBMのメールオーダーサービス(処方薬の宅配)を通じた高価格薬剤の販売についても手数料も課している。

 エクスプレス・スクリプツのシニアバイスプレジデント、エベレット・ネビル氏は1月のインタビューで、同社はリベート率を累計で10~15%に抑えているが、現行水準よりも高い均一手数料を払うのでリベートを全額還元してくれないかと一部顧客から提案を受けていると述べた。

 ネビル氏は、薬価上昇はPBMの利益になるものの、PBMに薬価を引き上げることはできないと述べた。「薬価の上昇がわれわれの利益となるのは間違いない」とし、「大雪になれば除雪業者がもうかるのと同じことだ。それでも雪を降らすことはできない」と語った。


  1. 2016/10/05(水) 06:27:20|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<10月5日  | ホーム | 10月3日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する