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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月28日 

http://www.medwatch.jp/?p=10545
医療費の伸びの相当部分が「薬剤料の伸び」、薬価制度の抜本改革を早急に議論せよ―中医協総会で日医の中川委員
2016年9月28日|医療・介護行政をウォッチ メディウォッチ

 2015年度(平成27年度)の医療費は、前年度に比べて3.8%伸びているが、そのうち2%程度は薬剤料の伸びと推計できる。今後、薬価制度の抜本的な見直しを早急に検討する必要がある―。

 28日に開かれた中央社会保険医療協議会・総会で、診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)はこのようにコメントしました。

ここがポイント!
1 抗ウイルス剤の薬剤料が急増、ハーボニーやソバルディの影響
2 DPCの病院情報、10月1日公表が原則だが、柔軟な対応も

抗ウイルス剤の薬剤料が急増、ハーボニーやソバルディの影響

 メディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、厚生労働省が15日に公表した2015年度の概算医療費(国民医療費の98%に相当)は41兆5000億円となり、前年度に比べて3.8%という高い伸びを示しました。

 28日の中医協総会では、厚労省保険局調査課の山内孝一郎が、2015年度概算医療費について詳しく説明。それによると、対前年度3.8%のうち0.7-08%は、画期的なC型肝炎治療薬であるハーボニーやソバルディなどの抗ウイルス剤(院外処方分)によるものと推計されます。また山内調査課長は「院内処方も含めると、さらに割合は大きくなる」としたものの、「2016年度の薬価見直しによって、ハーボニーなどは巨額再算定(特例の市場拡大再算定)によって3割超の薬価引き下げが行われており、その影響がどうなるかは今後も注視していく必要がある」と説明しています。

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抗ウイルス薬の薬剤費については、2014年度から2015年度(この間にハーボニーやソバルディが保険収載された)にかけて3.6倍に増加している

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抗ウイルス薬の薬剤費の動向を見ると、ハーボニーやソバルディが保険収載された2015年度(平成27年度)から爆発的に増加していることが分かる

 なお、IMSジャパン社のデータによると、ソバルディの売上高(薬価ベース)は▽2015年7-9月に435億円▽同年10-12月に643億円▽16年1-3月に391億円▽同年4-6月に246億円、ハーボニーの売上高(同)は▽2015年10-12月に1101億円▽16年1-3月に1517億円▽同年4-6月に698億円―となり、山内調査課長は「両医薬品とも2016年度の巨額再算定による薬価引き下げを超えた減少となっており、ピークは過ぎたのではないか」ともコメントしました。

 この点について診療側の中川委員は、「日本医師会総合政策研究機構(日医総研)の分析によれば、3.8%の概算医療費の伸びのうち、院外処方の薬剤料だけで1.5%程度、院内処方を含めれば2%程度になっており、医療費の伸びの相当部分は『薬剤料の伸び』であることが明らかになっている。今後、薬価基準制度の抜本的な見直しを早急に検討すべきである」と強く求めました。

 中医協では、薬価専門部会を中心に「オプジーボなどの超高額薬剤の薬価制度見直し」を当面の最重要検討テーマに掲げています。その後、2016年度改定に向けて、薬価制度全般に関する議論が行われそうです(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちらとこちら)。

DPCの病院情報、10月1日公表が原則だが、柔軟な対応も


 28日の中医協総会では、次のようなテーマについて議論し、了承しています。

(1)2017年度のDPC機能評価係数II「地域医療指数(体制評価指数)」などを設定するため、2016年度の定例報告では、新たに▼A246【地域連携診療計画加算】(退院支援加算の加算)とB009【地域連携診療計画加算】(診療情報提供料Iの加算)の算定状況(2016年度改定で従前のB005-2【地域連携診療計画管理料】などが廃止されたため)▼10月1日時点での病院情報の公表状況―について報告を求めるとともに、「地域がん登録」「新型インフルエンザ等対策にかかる地方公共機関の指定」については報告を求めない(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)

(2)麻薬及び向精神薬取締法の向精神薬に指定されたエチゾラム(販売名:デパスなど、精神安定剤)とゾピクロン(販売名:アモバンなど、睡眠障害改善剤)について、診療情報上の処方日数上限を30日に設定する(現在は上限なし、10月13日の告示などにおいて適用日を明確にするが、厚労省は11月1日からを念頭に置いている)

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エチゾラム(販売名「デパス」など)とゾピクロン(販売名「アモバン」など)について、1回の処方日数が30日に制限されることとなった

(3)新機能の医療機器として、腹部切開創下、腹膜損傷部位(腹壁、腹部臓器、子宮、子宮付属器の損傷部位など)について、術後癒着を防止する『アドスプレー』を保険収載する(1ml当たり7300円、12月1日収載予定)

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術後癒着を防止する『アドスプレー』の概要、シート状の癒着防止材が届かない奥の部位にもアクセスできる

(4)皮膚筋炎の診断補助を行う新たな臨床検査として、『MESACUP anti-MDA5テスト』(血清中の抗MDA5抗体の測定)、『MESACUP anti-T1F1 -γテスト』(血清中の抗T1F1-γ抗体の測定)、『MESACUP anti-Mi-2テスト』(血清中の抗Mi-2抗体の測定)を保険収載する(ELISA法で実施した場合に270点、10月1日収載予定)

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皮膚筋炎の検査から治療までの流れ

(5)新たな先進医療として、微小肺病変に対する『切除支援気管支鏡下肺マーキング法』(CTで病変部位を確認してマーキングを行い、そのマーキングに沿って肺葉の縮小手術を行う)の保険外併用を認める(報告事項)

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微小肺病変に対する『切除支援気管支鏡下肺マーキング法』の概要

 (1)は、2017年度の地域医療指数を設定するために、必要な報告を求めるものです。このうち「病院情報の公表」については10月1日現在での病院ホームページによる公表が要件となりますが、厚労省保険局医療課の担当者は「ホームページの準備は10月1日までに完了しているが、院内の決済待ちで10月1日に公表できないような病院については、柔軟に対応する。ただし、地方厚生局でホームページの準備状況などを提示することが必要である」旨を説明しています。


 なお28日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響調査(結果検証特別調査)の調査票も了承しています。これについては、別途、お伝えいたします。

 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201609/20160928_63014.html
<病院贈収賄>業者15年度だけで2.8億円取引
2016年09月28日水曜日 河北新報

 いわき市立総合磐城共立病院の診療材料器具などの納入を巡る贈収賄事件で、贈賄容疑で逮捕された引地仁容疑者(57)が経営する「アイビー」(福島市)の同病院に対する納入実績が昨年度だけで約2億8000万円に上ることが27日、病院への取材で分かった。
 病院によると、納入したのは、バネ状の金属を取り付けた人工血管(ステントグラフト)や人工弁など心臓血管、循環器系の材料が中心。病院全体の診療材料の納入額約28億円の1割を占める。
 診療材料や医療機器は各科の主任部長が必要なものを提出し、専門の委員会が購入するかどうかを決定。診療材料は半期ごとに指名競争入札を行うのが基本という。
 収賄容疑で逮捕された近藤俊一容疑者(50)は心臓血管外科主任部長に加え、2010年度から診療材料の購入を決める委員会の委員を務めていた。福島県警は、近藤容疑者がこうした立場を利用したとみて捜査している。
          ◇         ◇         ◇
 いわき市立総合磐城共立病院(福島県いわき市)で使う診療材料器具の納入で便宜を図ったなどとして、福島県警は27日、収賄の疑いで同市内郷御台境町、同病院心臓血管外科主任部長の医師近藤俊一容疑者(50)を、贈賄の疑いで福島市栄町、医療機器販売会社「アイビー」代表引地仁容疑者(57)をそれぞれ逮捕した。



http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/editorial/105593.html
論説
医療事故調査制度1年 相互不信解消にまだ遠い

(2016年9月28日午前7時30分) 福井新聞

 【論説】診療に関わる患者の予期せぬ死亡を対象にした「医療事故調査制度」がスタートして間もなく1年。医療機関の届け出を年間千〜2千件とした当初の想定に反し、356件(8月時点)と低調だ。必要な報告をしているのかという患者・遺族側の懸念は拭えず、相互不信の解消にはほど遠い。

 医療事故の遺族らは、公平、中立、透明性の高い調査と納得する説明を求め、これらを実現する仕組みの必要性を長年訴えてきた。

 制度は昨年10月から運用を開始。調査対象の範囲や報告書の取り扱いを巡る課題を積み残したとはいえ、まず創設にこぎ着けたことは評価できる。制度を大きく育ててほしいという遺族側の願いは切実だろう。だが「内容は医療従事者に配慮したもの。病院側の誠実な運用がなければ変わらない」と遺族側の不安は解消に向かっていない。

 制度は、患者が亡くなる事故があった場合、病院が第三者機関の「医療事故調査・支援センター」(厚生労働省指定)へ発生の報告をする。病院自らが調査を行い、結果は遺族説明とセンターへの報告書提出が義務付けられている。

 課題の一つがこの院内調査である。厚労省検討会でも議論となったように、当事者だけの調査では医療ミスが仮にあったとしても正直に報告されない懸念がある。医師会など外部者を院内調査に加えるよう求めているが、義務ではないところに不信感を芽生えさせる要素がある。第三者を複数人入れて透明性、公正性を担保することが重要だ。

 また遺族には説明すれば報告書を渡す義務はない。医療側から医師責任を追及する制度であってはならないとの強い訴えがあったからだ。医療ミスの責任がわかる書面では裁判になれば証拠に利用されかねない。

 もう一つ大きな課題が調査の対象要件とされる「予期せぬ死亡事例または死産」だ。死亡リスクを事前に説明しカルテにも記載してあれば「予期していた死」と判断され、医療事故ではないことになる。その後の調査も行われない。

 判断するのは病院であり、形式的な説明しか受けていないのに「予期していたため調査対象外」とされる恐れが否定できない。患者の死に不審な点があれば家族は病院に原因をしっかり尋ね、事前に説明されていたかどうか確認したい。

 届け出が低調な一因に、病院が調査対象の判断に苦慮している現実がある。このことが、難しい患者は受け入れないといった現場の萎縮につながれば、患者側には不幸なことである。厚労省は届け出基準を統一運用するために都道府県に1カ所「支援団体等連絡協議会」を設置する方針だ。

 患者と病院の信頼がよりどころとなるこの制度は、まだ「よちよち歩き」(相澤孝夫日本病院会副会長)の段階。信頼と工夫で優れた医療文化を目指したい。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201609/CK2016092802000241.html
医療事故調査制度で過失認定 病院反発、遺族が提訴
2016年9月28日 夕刊 東京新聞

 胸腔(きょうくう)鏡手術のミスで女性が死亡したとして、愛知県東浦町の遺族が八月、刈谷豊田総合病院(同県刈谷市)側に六千五百万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。十月で開始一年を迎える国の医療事故調査制度のモデル事業を活用、さまざまな医療ミスが認定されたが、賠償額などで病院側と隔たりが生じ、遺族側が提訴に踏み切った。専門家は「病院側が調査結果に真摯(しんし)に向き合わないと遺族の理解を得られず、制度の利用も進まない」と警鐘を鳴らす。
 訴状によると、亡くなった稲垣絹江さん=当時(75)=は二〇一三年十一月、トヨタグループや刈谷市などが運営する同病院で胸の腫瘍を摘出する胸腔鏡手術を受けた。担当医が誤って大静脈を傷つけ、輸血措置も不十分だったため、大量出血による脳症や多臓器不全で半月後に死亡した。
 原告代理人弁護士によると、夫の寛治さん(81)ら遺族は、厚生労働省が昨年十月にスタートさせた医療事故調査制度の前身に当たるモデル事業を利用。厚労省が指定する第三者機関の日本医療安全調査機構(東京)と病院側が共同で調査し、手術ミスから事前の検査・説明不足まで幅広く認める結果が出た。
 病院側は調査終了後の昨年二月、寛治さんらへの賠償について「顧問弁護士や保険会社と相談したところ、百万円にも満たないと言われた」と説明。病院独自の判断として口頭で五百万円を提示したが、その後の交渉では法的過失を一切認めなかったという。
 刈谷豊田総合病院と代理人弁護士は取材に「現時点で話せることはない」とコメントしている。

<医療事故調査制度> 医療事故への社会的関心が高まる中、医療法に基づき全国約18万の医療機関全てを対象に昨年10月に始まった。診療中の予期せぬ死亡事故について、日本医療安全調査機構への報告や院内調査などが義務付けられている。モデル事業は、制度開始の前段階として2005年から昨年まで東京や愛知など12都道府県で実施。病院側が主体となる調査手法や遺族への結果説明など共通点が多い。
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http://www.asahi.com/articles/ASJ9X2G5ZJ9XUBQU001.html
群大病院で研修第1希望は9人、1桁は初めて
仲田一平 2016年9月28日07時35分 朝日新聞

 来年春から研修医として勤務する医学生の受け入れ先を決める「マッチング制度」で、群馬大学医学部付属病院(前橋市)を第1希望とする学生は募集定員63人に対し、中間公表時点で9人だった。群大病院で1桁になるのは2003年度の制度開始以降初めて。

 全国約120の大学病院(関連施設含む)の中で内定者の定員充足率がワースト2位だった前年の状況を下回る低水準だ。県は医療事故の影響で敬遠した学生が多かったとみている。

 制度の運営主体で、日本医師会などでつくる「医師臨床研修マッチング協議会」が22日現在の状況を中間公表としてまとめた。10月6日に希望順位の登録を締め切る。第2希望以下も含む登録内容や病院側の採用希望状況に基づいて組み合わせ、20日に最終結果が発表される。

 協議会によると、すでに採用試験を終えている病院が多く、中間公表の時点から実際の内定者が大幅に増える例は少ないという。

 群大病院の第1希望者は中間公表で11年度の30人(実際の内定者32人)を境に減少し、医療事故発覚後の15年度は12人(同14人)へ急減。今年度はさらに3人減った。

 群大病院は「非常に重く受け止めている。質の高い医療を提供し、患者や医学生ら関係者の信頼回復に努めたい」とのコメントを発表した。

 臨床研修医を受け入れる県内14病院の合計でみると、第1希望者は中間公表で86人。13病院が募集し、81人(同83人)だった前年より5人増えたが、162人の定員を大きく下回る。すでに定員を上回っているのは済生会前橋病院(前橋市)と高崎総合医療センター(高崎市)、太田記念病院(太田市)の3病院のみだ。

 県医師確保対策室の江原昭二室長は「研修医の不足は将来的に県内で活躍できる医師の不足を招く」と懸念する。特に群大病院は地域の中核病院へ医師派遣機能を担っており、群大で若い人材が不足すれば、群大から医師の供給を受けていた診療科の閉鎖など地域医療の衰退を招きかねない。

 県によると、大学医学部への進学人数が多い学年は、研修医として県内の病院で採用される人数が多い傾向にあるという。医療現場の見学会や東京で開かれる医学生向けの説明会でのPRなど県は医療分野に関心がある高校生やUターンを検討する県内出身者らへのPRを強化する方針だ。



http://www.sankei.com/life/news/160928/lif1609280036-n1.html
医療費2年連続の40兆円超え 過去最高更新は8年連続
2016.9.28 19:01 産経ニュース

 厚生労働省は28日、平成26年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が、前年度比7461億円増(1・9%増)の40兆8071億円になったと発表した。前年度に続き40兆円を超え、8年連続で過去最高を更新。厚労省は高齢化や医療技術の高度化などが増加の要因と分析している。

 国民1人当たりでは6400円増(2・0%増)の32万1100円。65歳未満は1900円増の17万9600円だったのに対し、65歳以上は100円減の72万4400円だった。

 診療種類別では▽入院15兆2641億円(全体の37・4%)▽入院外13兆9865億円(34・3%)▽薬局調剤7兆2846億円(17・9%)▽歯科2兆7900億円(6・8%)。財源別でみると▽保険料19兆8740億円(48・7%)▽公費15兆8525億円(38・8%)▽患者の自己負担4兆7792億円(11・7%)-だった。

 国民医療費は、国民が1年間に保険診療の対象として使った治療費の集計値。医科、歯科に加え、薬の調剤費や訪問看護の費用、入院時の食事代や生活にかかった費用なども含まれる。



http://www.asahi.com/articles/ASJ9X51XTJ9XUTFK00J.html
14年度の医療費40兆8千億円 8年連続過去最高更新
生田大介2016年9月28日20時42分 朝日新聞

 2014年度に国内で使われた医療費は40兆8071億円だった。前年度より1・9%増え、8年連続で過去最高を更新。厚生労働省が28日に公表した。医療費が多くかかる高齢者が増えたことと、高額な医療機器や薬剤の増加が要因だという。1人当たりの平均額は32万1100円だった。

 公表されたのは公的保険の対象となる医療費の総額で、患者の自己負担や公費負担、保険からの給付の合計。保険対象外の治療や健康診断、予防接種などの費用は含まない。

 1人当たりの医療費は、65歳未満が17万9600円だったのに対し、65歳以上が72万4400円と4倍になった。後期高齢者医療制度に入る75歳以上では、90万円を超えた。

 都道府県別にみると、最も多い高知県(42万1700円)は、最も少ない埼玉県(27万8100円)の1・5倍だった。人口比での病床や医師の数が比較的多い西日本のほうが、医療費も大きい傾向にあった。

 かかった医療費の財源別の内訳は、保険料が49%、公費が39%(国が26%、地方が13%)、患者負担が12%。診療種類別では、医療機関での入院が37%、外来が34%で、医科診療費が計72%を占めた。歯科診療費は7%、薬局調剤費は18%だった。いずれも前年度比で2%前後の伸びだった。

 15年度の医療費は速報値で41兆5千億円。今後も医療費は伸び続ける見通しとなっている。(生田大介)



http://www.medwatch.jp/?p=10554
2018年度改定に向け、看護師の夜勤時間の変化や地域包括診療料の算定状況など調査―中医協総会
2016年9月28日|医療・介護行政をウォッチ メディウォッチ


 2018年度の次期診療報酬・介護報酬同時改定に向けた基礎資料を得るために、「チーム医療」や「在宅医療・訪問看護」について今般の2016年度改定の効果・影響を調べる。とくに「チーム医療」については、夜間における看護職と看護補助者の配置人数や夜勤専従者数、さらに夜勤時間の変化などを詳細に調査する―。

 こういった方針の下に設計された、2016年度改定の結果検証特別調査の調査票案が、28日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で概ね了承されました(関連記事はこちら)。

 10-12月に調査を実施し、年明けの1月から3月にかけて順次、調査結果が厚生労働省から報告されます。

2016年度改定の効果・影響、16年度に5項目、17年度に4項目に分けて調査

 診療報酬改定は2年に一度行われますが、それぞれが全く別個というわけではなく、「前回の改定の効果・影響を踏まえて、次の改定内容を検討する」という具合に、一定の関連を持っています。このため、前回改定の効果・影響に関する調査が、改定後に行われます。

 また2016年度の診療報酬改定では、例えば一般病棟用の重症度、医療・看護必要度や在宅医療の報酬体系など、大きな見直しが行われました。そこで中医協総会では、改定内容を了承(答申)すると同時に、例えば「チーム医療が思うように推進されているかなどを調査せよ」といった、いわば次期改定への宿題事項である「附帯意見」を示しています。

 5月18日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響を調べるために9つの調査項目を固め、2016年度には次の5項目について調査を行う5月18日の中医協総会では、2016年度改定の効果・影響を調べるために9つの調査項目を固め、2016年度には次の5項目について調査を行うことになっています。

(1)夜間の看護要員配置における要件などの見直しの影響、および医療従事者の負担軽減にも資するチーム医療の実施状況

(2)かかりつけ医・かかりつけ歯科医に関する評価などの影響、および紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入の実施状況

(3)重症度や居住形態に応じた評価の影響などを含む在宅医療・訪問看護の実施状況

(4)精神疾患患者の地域移行・地域生活支援の推進や適切な向精神薬の使用の推進などを含む精神医療の実施状況

(5)後発医薬品の使用促進策の影響、および実施状況


 28日の中医協総会には、この5項目について具体的な調査票案が提示され、概ね了承されました。

 (1)のチーム医療については、2016年度改定で▽医師事務作業補助体制加算の充実▼看護補助者の配置に関する評価▽ICUへの薬剤師配置の評価▽栄養サポートチームにおける歯科医師との連携の評価▽入院基本料の施設基準である看護師の月平均夜勤時間の計算方法見直し―などが行われました(関連記事はこちらと【こちらとこちら)。

 これらの影響を見るため、厚労省は▼病棟に配置されている看護職員・看護補助者それぞれの人数や夜勤専従者の人数▼夜勤の状況(回数、長さ、受け持ち患者数、シフトの組み方など)の変化▼病棟における夜勤時間数別の看護職員の人数▼医師負担軽減に向けた取り組み▼看護職員の個別業務とその「負担感」―などを詳しく調べることにしています。

 また(2)では、2016年度改定において「かかりつけの医師、歯科医師、薬剤師などの評価」(地域包括診療料の施設基準緩和や認知症地域包括診療料・小児かかりつけ診療料の創設など)を行ったほか、大病院(特定機能病院、一般病床500床以上の地域医療支援病院)における紹介状なしの外来患者への特別な定額負担(初診時5000円以上、再診時2500円以上)の導入などを行いました(関連記事はこちらとこちら)。

 そこで、今般の特別調査では▼地域包括診療料などの算定状況(算定していない場合にはその理由も含めて)▼地域包括診療料算定患者の状況(疾患、出来高算定となる500点以上の画像診断などの有無、内服薬数など)▼小児かかりつけ診療料への取り組み状況(患者が同意しない場合にはその理由も含めて)▼定額負担の実施状況(導入・金額変更で困ったことなども含めて)▼200床以上の病院で徴収可能な紹介状なし患者の特別負担の状況―などを詳細に調べる考えです。

 さらに(3)の在宅医療については、2016年度改定で ▽重症患者の評価を充実する▽同一施設の居住する患者への訪問診療について「同一日に複数」という設定方法を見直す ▽在宅時総合医学管理料(在総管)などを月1回の訪問でも算定可能とする ▽機能強化型訪問看護ステーションなどについて、要件に「小児患者への対応」などを加味する―など、大幅な報酬体系の見直しが行われました(関連記事はこちらとこちら)。

 これらを踏まえ、今般の特別調査では▼訪問診療を実施した患者の状況(要介護度、認知症の状況、精神疾患の有無、医師が実施した診療内容、医師以外の職種が実施している医療内容など)▼訪問看護ステーションと他の医療機関などとの連携状況―などが調べられます。

 また(5)の後発品の使用状況は、毎年度調査されているもので、従前の調査に倣って▼後発品の使用量▼使用促進に向けた課題と解決策―などを調べるほか、診療所について「有床・無床の別」「院外処方率が5%以上か否か」でケース分けして、後発品促進に向けた方策を探ります。

 この点について支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会副会長)は、「特別調査は2018年度改定を射程に入れているが、政府は2017年央に後発品割合を数量ベースで70%以上にするとの目標を立てており、目標達成が当面の重要課題となる。すると、2017年4月頃に調査結果が示されたとして、そこから対策を取るのでは遅すぎるのではないか」との旨を指摘。厚労省保険局医療課医療保険医療企画調査室の矢田貝泰之室長は、「報告は2017年1から3月と幅を設けており、後発品使用状況の結果は早めに報告する」と答弁しています。早ければ、年明け早々にも速報値が示される見込みです。

 

https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0928504837/
麻疹ワクチン、大学病院の一部で接種困難に
患者増で在庫不足、小児優先も

CBnews | 2016.09.28 16:30

 麻疹(はしか)の患者増加に伴い、大学病院の一部で麻疹ワクチン(MRワクチン)の接種が困難になっている。特に患者の報告が相次いでいる地域ではワクチンの確保が難しくなっており、十分な免疫を持っていない小児への接種を優先する大学病院も出てきた。

 麻疹の患者報告が相次いだ関西や関東の一部地域では、接種希望者の増加にワクチンの供給が追い付かず、関西医科大香里病院(大阪府寝屋川市)は「ワクチンの在庫が非常に少なく接種困難」との見解をホームページに掲載した。

 ワクチン接種外来を設けている順天堂大医学部附属練馬病院(東京都練馬区)も「ワクチンの供給が全国的に不足している」とし、麻疹ワクチンの予防接種を当面実施しない方針を示している。

 ワクチンの在庫がある大学病院では小児の予防接種の1期(1歳)と2期(小学校入学の前年)を優先する動きが広がりつつある。北里大北里研究所病院(同港区)は、予防接種については小児の予診票(無料券)を持っている人に限定。東京女子医科大東医療センター(同荒川区)も、流通が安定するまで「小児の定期接種のみ」と制限している。

 国立感染症研究所によると、全国の今年の患者報告数(18日時点)は130人。都道府県別では、大阪が52人で最も多く、以下は千葉(21人)、兵庫(18人)、東京(14人)、埼玉(6人)、神奈川と和歌山(共に3人)などの順。年齢別では20歳代と30歳代が全体の6割を占めている。

(2016年9月28日 新井哉・CBnews)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49697.html
腹腔鏡手術の医療事故、病院経営を直撃- 群馬大病院と千葉県がんセンター
2016年09月28日 16時00分 キャリアブレイン

 腹腔鏡手術の医療事故を起こした群馬大医学部附属病院と千葉県がんセンター(がんセンター)の収益が悪化している。会計検査院が群馬大病院の医療事故の影響を試算したところ、2015年度は前年度に比べて入院と外来を合わせて約8億円減少したことが判明。がんセンターも収益減となっており、千葉県は外部有識者による医療安全監査委員会を設置するなど、失った信頼を取り戻そうと懸命だ。【新井哉】

■入院・外来患者減、臨床研修医も集まらず


 今月公表された会計検査委員の報告書では、群馬大病院で肝臓の腹腔鏡手術で患者が相次いで死亡した医療事故問題の経緯を精査。さらに入院・外来患者数や特定機能病院の承認取り消しなどに伴う影響額を試算した。

 医療事故の報道前(14年4-10月)と報道後(15年4-10月)の同じ期間を比較したところ、患者数は入院で6420人、外来で1万8855人減少していたことが判明。入院と外来を合わせて約6億7000万円減少していたという。

 医療事故に伴い、特定機能病院の承認を取り消された影響も取り上げ、「承認の取り消しがなかったと仮定した場合と比較して計2億4476万円減少していた」と指摘。このほか、厚生労働省から質の高いがん診療ができないとして15年4月以降、がん診療連携拠点病院の指定が更新されなかったことも分析したところ、拠点病院の加算が算定できなくなったことなどが影響し、計8602万円減少したことが判明した。

 会計検査院は、群馬大病院が先進医療として実施している「重粒子線治療」の患者の受け入れを停止した影響額にも言及。患者の取り扱いがゼロとなった15年6月の1カ月間、1億円近い施設維持費がかかっていたとの試算も示した。

 医療事故の原因となった外科専門分野では、臨床研修医が集まらない深刻な事態に陥ったことも調査で浮き彫りになった。外科専門分野では15年度の募集定員25人に対し、受け入れ人数はわずか1人(充足率4.0%)。医療事故の報道前の14年度の充足率(28.0%)と比べて大きく減少している。

■患者減を含めた影響額は10億円超

 入院・外来の患者減による約8億円の減収を含めた影響額は10億円を上回った。会計検査院は「医療事故は、安心、安全で高度の医療の提供に対する信頼を傷つけるだけでなく、経営にも影響を与えている」と指摘。臨床研修医や先進医療にかかわる取り扱い患者の減少を踏まえ、「教育・診療機能」にも影響が出ているとの見解を示している。

■死亡後も医療事故続出、監査委が状況確認へ

 腹腔鏡手術を受けた患者の死亡が続出したがんセンターでも、入院・外来患者の減少に歯止めがかからない。千葉県が公表した15年度の病院事業会計の決算見込みによると、入院患者数(9万1123人)と外来患者数(13万4290人)は、問題が表面化する前の13年度と比べていずれも1万人以上減少。13年度に4731件あった手術数も15年度は約15%減の4014件にまで落ち込んだ。ほぼ同じ時期に「脳卒中ホットライン」を設けて手術数を増やし、収益増となった県救急医療センターと対照的な結果となっている。

 死亡事案が明らかになった後も安全管理体制に疑問符が付きかねない医療事故が相次いでいる。昨年12月には、乳がんの患者に対し、他の患者の病理検体の検査結果を基に手術を行った医療事故が発生。今年2月にも泌尿器科で行われた腹腔鏡下腎摘除術で使用したガーゼを体内に残すといった医療事故が明らかになっている。

 こうした事態を受け、県は外部の専門家らで構成する医療安全監査委員会を立ち上げ、がんセンターを含む県立病院の医療安全体制の状況を確認することを決めた。また、法令に違反した「不正行為」を未然に防ごうと、医療安全に関する内部通報制度を設け、通報相談窓口が事実関係の調査を行う方針も示している。

 ただ、医療事故によっては、医療法に基づき第三者機関(医療事故調査・支援センター)が実施する医療事故調査と、県の医療安全監査委員会の状況確認が平行して行われる可能性もある。県の関係者は「この2つの取り組みは重複しない」との見解を示しているが、医療事故の防止につなげるといった目的は同じで、現場の医療従事者が同一事項の説明を再度求められる「縦割り行政」の弊害も懸念される。

 群馬大病院とがんセンターは、患者の信頼を取り戻せるのか。いくら管理者が改革を打ち出しても、現場の医療従事者に医療安全管理の意識が浸透しなければ改善は見込めないだろう。

 がんセンターでは、インシデント・アクシデント報告の件数に占める医師の割合が今年度(4-7月)は昨年度に比べて約1.5倍に増えており、医師の医療安全に対する意識が徐々に変わってきたことがうかがえる。安全管理の意識向上に加え、インシデント・アクシデントを報告しやすい環境を構築し、原因分析や改善策の立案につなげられるかどうかが信頼回復の鍵を握りそうだ。



https://www.m3.com/news/general/462790
診察せず高価な薬処方疑い 大阪、医師の女逮捕
2016年9月28日 (水) 共同通信社

 診察せずに高価な薬の処方箋を渡したとして、大阪府警生活環境課は27日、医師法違反の疑いで、大阪市住吉区、医師更谷優子(さらたに・ゆうこ)容疑者(55)を逮捕した。

 逮捕容疑は昨年9月~今年1月、勤務先の堺市の診療所で、40代と80代の女性を診察していないのに、処方箋4通を知人の薬剤師の男(66)=詐欺罪で公判中=に渡した疑い。更谷容疑者は「診察したと思う」と容疑を否認している。

 同課によると、2人にそれぞれ漢方薬「サフラン」など数種類を大量に処方したよう装っていた。薬剤師の男は、この処方箋を使って計約1058万円の調剤報酬を得ていた。不正に受け取った報酬の総額は6千万円に上り、同課は更谷容疑者が一部を受け取っていたとみて調べている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462890
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
ソバルディとハーボニー、2015年度の医療費増の主要因
両剤含む抗ウイルス薬で「0.7~0.8%」の医療費増

2016年9月28日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は9月28日の中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)に、2015年度の「医療費の動向」を公表、同年の医療費は41.5兆円で初めて40兆円を突破、2014年度と比べ、3.8%増となったと説明した(資料は、厚労省のホームページ)。

 過去数年に比べて高い医療費の伸びになったのは、調剤医療費の増加が要因だ。中でもC型肝炎治療薬である、ソバルディ(一般名ソホスブビル)とハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビルの配合錠)の薬剤料の伸びの影響が大きい。

 同省によると「約40兆円の概算医療費に対して、おおむね0.7~0.8%が、昨年秋以降に使用が増えた、C型肝炎治療薬を含む抗ウイルス薬の薬剤料の増加が要因」(保険局調査課長の山内孝一郎氏)。ただし、「0.7~0.8%」は院外処方分であり、「院内処方される場合も含めると、もう少し大きいのではないか」と山内課長は説明した。2016年度薬価改定で、両剤とも「特例拡大再算定」の対象になり、31.7%の大幅な薬価引き下げとなったため、「2016年度以降、どのように推移していくかを見て行くことが必要」(山内課長)。

 これらの医療費の分析に対し、さまざまな視点から問題提起したのが、日本医師会副会長の中川俊男氏。まず3.8%の医療費増について、診療報酬改定がなかった2011年度(対前年度比3.1%増)や2013年度(同2.2%増)と比較しても高いと指摘。その上で、山内課長が言及したように、薬剤料の分析は院外処方に限った場合であり、日医が分析中のデータでは、院内処方を含めると、抗ウイルス薬の増加は1%程度になると述べ、薬剤料の伸びを問題視した。

 その上で中川氏は、ソバルディとハーボニー配合錠の売上を質問。厚労省は、IMSのデータを説明。薬価ベースで四半期ごとに、ソバルディ(2015年5月薬価収載)は、433億円(2015年7-9月)、643億円(同10-12月)、391億円(2016年1-3月)、246億円(同4-6月)、ハーボニー配合錠(2015年9月薬価収載)は、1101億円(2015年10-12月)、1517億円(2016年1-3月)、698億円(同4-6月)とそれぞれ推移している。

 「(売上の)ピークは過ぎたと考えていいのか」との中川氏の質問に対し、厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山 智紀氏は、ソバルディとハーボニー配合錠の薬剤料は、2016年度薬価改定の31.7%の引き下げを上回るペースで減少、つまり薬価だけでなく数量も減少しているとし、引き続き2016年7月以降のデータを見て行くとした。

 中川氏は、「高額薬剤が、公的医療保険制度を翻弄していると以前言っていたが、こうしたデータをリアルタイムに把握、公表して、拙速な議論に走らないようにやっていくことが必要ではないか」と厚労省に求めた。さらに現在、中医協で議論が進む抗PD-1抗体製剤のオプジーボ(一般名ニボルブマブ)についても、年間医療費が「1兆7500億円」に達するとの推計もある中、「この金額がいまだに独り歩きをしている。この数字は過大であるという明確なメッセージを発するべきではないか。これにより議論がおかしな方向に行っている」と中川氏はコメントした(『オプジーボ、「緊急的な対応」で薬価引き下げか』を参照)。

 中山薬剤管理官は、「重大な問題だと思っている」とし、オプジーボの販売元である小野薬品工業の公表データなども踏まえ、分析していくと答えた。

 さらに中川氏は、「医療費の伸びの大半は、薬剤費であることが明らかになったのではないか。今の中医協の最大の懸案は、薬価の在り方であり、原価計算方式と類似薬効比較方式などの見直しを早急にやる根拠が明らかになった」とも指摘し、政府の方針として社会保障費の自然増が年5000億円に抑制される中、薬剤料の問題が中医協の重点課題であると提起した。

 2015年度の「医療費の動向」では、後発医薬品割合なども明らかになっている。2015年4月の58.8%から、2016年3月には63.1%に増加した(数量ベース)。2015年の「骨太の方針」で掲げられた後発医薬品の使用割合は、「2017年央までに70%以上」であり、今後も使用促進が必要な状況にある。

 後発医薬品使用促進の医療費への効果は、2014年度の場合でマイナス0.5%。中川氏は、2015年度の後発医薬品の薬剤料が8500億円であるのに対し、それを促進するための調剤報酬の伸びも大きい現状について問題提起。日本薬剤師会常務理事の安部好弘氏はどの部分の技術料が増えているかなど、丁寧な分析と議論を求めた。

 抗ウイルス剤、1185億円から4139億円に大幅増

 2015年度の医療費は、2014年度と比較で3.8%増。医療費は診療報酬改定の影響を受けるため、改定がなかった年度と比較すると、2011年度3.1%増、2013年度2.2%増などと比較しても高い伸びとなった。

 診療種別にみると、入院1.9%増、入院外3.3%増、歯科1.4%増、調剤9.4%増であり、「過去の傾向に比べても調剤の伸びが高く、入院外もやや高く、結果としてやや高い医療費の増加となった」(山内課長)。

 調剤の伸び(院外処方分)を分析すると、処方せん1枚当たりの調剤医療費は7.3%増。内訳は技術料1.4%増で過去数年とそれほど変わらないが、薬剤料9.2%と高い伸びとなっている。

 薬剤料の8割以上を占める内服薬について薬効分類別にみると、ソバルディなどを含む抗ウイルス剤が対前年度比で248.1%増と非常に高い伸びで、薬剤費は2014年度の1185億円から、2015年度は約3000億円増加し、4139億円になった。約40兆円の医療費に対して、この約3000億円は、0.7~0.8%に該当する計算になる。

 厚労省が9月15日の経済財政諮問会議の経済・財政一体改革推進委員会 「社会保障ワーキング・グループ」に提出した資料「医療費の伸びの要因分析」では、2015年度の医療費の伸び3.8%について、「人口増の影響」がマイナス0.1%、「高齢化の影響」が1.2%増、「その他」が2.7%と説明。2.7%のうち、薬剤料が1.4%、「抗ウイルス薬を含む化学療法剤」が0.77%となっている。



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シリーズ: 島根大“事故調”事件を検証
主治医へのヒアリング、1回5分のみ◆Vol.3
「事実認定に誤り」、高裁に指摘されたわけ

2016年9月28日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 「2回目の吸引分娩が失敗した12時22分頃には、手術室に帝王切開の準備を依頼しており、その後の吸引は、同41分に手術室の準備完了の連絡を待つまでに行われたものであって、吸引分娩に過度にこだわりすぎていて、その結果、帝王切開への切り替え時期が遅れたものとも認められない。この点、被控訴人病院の医療事故調査委員会は、上記遅れを指摘しているが、前提となる事実認定に誤りがあり、指摘は適切ではない」

 広島高裁判決で、こう指摘された島根大病院の「医療事故調査委員会」の報告書。島根大病院は、2006年9月7日の事故後、「医療問題専門部会」や「特殊事例検討委員会」を開催し、本件事故について検討し、「医療事故調査委員会」を立ち上げて詳しく調査することを決定、2007年8月9日に報告書をまとめている(経過は、『島根大“事故調”、患者と医師の悲劇◆Vol.1』を参照)。

 「医療事故調査委員会」の委員は7人。島根大病院の当時の副院長2人(うち一人が委員長を務める)、法医学教授、副看護部長のほか、外部委員として弁護士1人と産婦人科医2人、計3人が加わった。

 島根大“事故調”事件には、主治医だった産婦人科医、当時の同大産婦人科教授の宮崎康二氏など、複数の産婦人科医が関わっている。

 では広島高裁判決で指摘された、「前提となる事実認定に誤り」とは何か。「医療事故調査委員会」の報告書と高裁判決の事実認定(『院内事故調、「事実認定に誤りあり」◆Vol.2』を参照)を比較すると、医師らの行為の時間経過や医学的判断などに、幾つかの食い違いがある。

 例えば、2回目の吸引分娩とクリステレル圧出法の実施時期。高裁判決では9月7日の12時22分、報告書では12時25分。分娩室にいた医師が、緊急帝王切開手術のために、手術室や麻酔科に連絡を取ったのは、高裁判決では12時22分頃、報告書では12時37分頃。裁判所が採用したのは、島根大病院側の主張や、産婦人科医らの証言。島根大病院は、「医療事故調査委員会」の報告書の内容と、裁判での主張を変えたのだった。

 緊急帝王切開手術に切り替えるタイミングが、裁判の争点になっていただけに、時間経過は重要な事実認定になる。報告書では、次のように記載している。

 「突然胎児心拍が一時的に確認できなくなり、さらに胎児徐脈が遷延するという想定外の状況の中で、娩出まで30分を要する帝王切開に切り替えるタイミングについて完璧かつ的確な判断を下すことは容易なことではないかもしれない。後方視的にみると帝王切開への治療方針の変更は遅くとも12時25分に行った第2回目の吸引分娩とクリステレル圧出法が不成功に終わった時点で決定すべきであったと思われる」

 高裁判決では、12時22分頃、手術室と麻酔科に連絡を取り、準備を始めていたと判断。その上で、冒頭のように、「医療事故調査委員会」の報告書の誤りを指摘している。

院内事故調査報告書と裁判所での島根大の主張の比較(m3.com編集部作成)
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 「報告書が訴訟のきっかけであれば不幸」
 では、島根大病院は裁判で主張をなぜ変更したのか。広島高裁判決で誤りを指摘される「医療事故調査委員会」の報告書がなぜまとめられたのか――。

 島根大病院には取材できなかったが、高裁判決では、「パルトグラム(分娩経過記録)および電子カルテの記載と、証人(産婦人科医)との供述に齟齬があるものの、パルトグラムおよびこれを参考に記載された電子カルテの記載には、CTG(分娩監視装置)の記録と明らかに整合しない部分があり、また、12時10分から12時22分までの間に、一度も控訴人(妊婦)に有効陣痛がなかったとも考えにくいことから、パルトグラムおよび電子カルテの記載は信用できない」など、本来証拠となる記録類の信用性を疑問視する記載が幾つかある。

 主治医だった産婦人科医、宮崎元教授らが裁判所に提出した「陳述書」を見ると、「医療事故調査委員会」は当事者らの意見を十分に聞いておらず、またカルテ記載も適切にできなかった状況が伺える。

 二人の「陳述書」から、まず事故調査の在り方について言及した部分を抜粋する。

◆主治医
 島根大学が作成した医療事故調査委員会の報告書は、(1)破水直後の児心拍数について、12時8分~9分の児心拍数が80~100bpmとされている点、(2)クリステレル圧出法を施行した時期と回数が異なること、(3)手術室と麻酔科に連絡をした時期が12時38分とされていること、(4)CTGの内臓時計の時刻が5分遅れていたことを考慮していないこと、(5)児に胎勢の異常があったとされていること、(6)自然破裂の徴候が見逃されていること、など、私からみても不十分なところがあったと思います。
 医療事故調査委員会で私が事情を聞かれたのは、2006年11月20日のみの1回です。時間は5分程度だったと思います。

◆宮崎元教授
 本件について、大学当局は、医療事故として調査委員会を開催し、報告書を作成しました。しかし、この調査は次に述べる通り、不十分なものでした。
(1)事故調査委員会の開催手続きについて
 事故調査委員会は合わせて3回開催されたのみです。私は2回呼び出されましたが、一方的に質問され、それに答えたのみでした。説明しようとしても、遮られ、全く聞いてもらえませんでした。1回の聴取時間は15分程度でした。
(2)調査報告書の内容について
 この調査報告書は事実関係を正確に把握しておりません(クリステレル圧出法等の実施時期や回数、手術室に連絡したのは12時37分としているが、12時22分すぎである、CTGの内蔵時計が5分遅れていたことを考慮していない、児が反屈位でない、など)。
(3)結論
 事故調査は不十分なものでした。私を陥れようとしているのではないかと勘繰りたくなるほどでした。私は大学当局に対し再三再四、事故調査のやり直しを求めました。私は大学の事故調査で完全に無視されました。
 私は、島根大学産婦人科のトップとして誇りを持って仕事をしていますが、このような大学の対応に不信感を持っています。
 今でも、私は○○さん(妊婦)の分娩のことを思い出し、どうすれば不幸な転帰を避けられたのか真剣に考えておりますが、当時の状況では、避ける方法はなかったと思います。
 もし、大学の作成した報告書が本件訴訟提起のきっかけとなったのであれば、大変不幸なことです。
 私は、この陳述書で、医師の良心に従い、正確な事実をきちんとお伝えしなければならないと思っています。

 患者家族への説明が後手に、カルテ記載も不十分だったわけ
 島根大事件では、主治医から患者家族への説明が後手に回り、カルテ記載に誤りがあったことが、主治医の「陳述書」からうかがえる。以下、主治医の「陳述書」から、関連する部分の一部を抜粋する。

◆主治医から患者家族への説明について
 私はICUへかかってきた電話で、安全管理室から呼び出しを受け、担当の先生に詳しく事情を説明しました。(中略)なお、午後6時すぎ、患者さんのご主人およびお母様から、経緯についての説明を求められたようですが、私は安全管理室におりましたので、宮崎教授と○○先生が対応してくださったようです。

◆カルテ記載について
 私は、20時30分頃、安全管理室での説明を終え、病棟に戻って電子カルテの入力をしようとしたところ、患者さんのご主人から電話がかかってきました。(中略)その後、20時50分頃、ご主人が3階病棟に現れました。その時、カルテを入力しているところでした。電子カルテの記載内容は保存せず、そのままにしていました。
(中略)電子カルテの本格稼働が始まったのは2006年9月1日で、その操作方法や記載のルールについて、まだ十分に浸透していませんでした。
 私は当日の診療内容は日付が変わるまでに必ず入力しなければいけないものと理解しておりましたので、手元にある資料のみで、焦ってカルテの入力をしました。仮に、記載に間違いがあれば、後日、他の先生と相談の上で、訂正をすればよいと考えておりました。
 このとき参照した資料は、助産師が作成したパルトグラムのみでした。CTGや麻酔記録を参照したり、他の医師や看護師と事実関係を確認しながら入力することもできませんでした。時間の経過はパルトグラムに合わせました。
(中略)およそ23時30分すぎころから書き始め、およそ14分で書き終えたことになります。一応のメモのつもりでした。
 日付が変わってしまいましたが、その後、手術後の経過を記載しました。(中略)午前2時頃まで、病棟でカルテを記載していたことになります。
 カルテの12~13ページの私が記載したものですが、次に述べる通り、誤りがありました。誤りには気付いていましたが、安全管理室の指導により、訂正はしませんでした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462895
「裁判になれば、事故調制度は停止を」医学部長会議が申し入れ
「医療安全の確保という制度の目的」から外れると説明

2016年9月28日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 全国医学部長病院長会議は9月27日の定例記者会見で、日本医療安全調査機構に申入書を提出したと報告した。裁判になることが明らかになる場合には、医療事故調査制度に則った事故調査を停止すべきと訴えている。

 申入事項の6番目では、「事故調査報告書が係争の具として利用されることが明らかな場合には、医療安全の確保という制度の目的に鑑みて、貴機構において今回の法に規定される作業は行わない。係争の手段として行われる事象は全て、この法の埒外にて処理すべきである」と記載されている。

 「大学病院の医療事故対策委員会」委員長の有賀徹氏(昭和大学名誉教授、独立行政法人労働者健康安全機構理事長)は、「大学病院は今までも真摯に事例の検討を行ってきた」とし、院内調査はこれまで通り行うとした上で、裁判が想定される場合は、「医療安全の確保という制度の目的」から外れるとして、日本医療安全調査機構による医療事故調査制度に則った事故調査は行うべきでないと述べた。

 「係争の具として利用されることが明らかな場合」とは、実際に提訴された場合だけでなく、「患者との信頼関係が崩れて、何らかの形で申し入れが来ている状況はこれから裁判だなということが明らか」と説明した。

 9月23日に機構に提出した。

【日本医療安全調査機構への申入の内容】

1)医療事故調査制度は、改正医療法の趣旨に鑑みて、警察への届出に代替するものでないこと、および係争の手段でないことについて確認する。

2)大学病院ではいわゆるアクシデントについて、今までも真摯に事例の検討を行ってきた。それは“法的に定義された医療事故”であるか否かを問わない。上記の協力関係においてもこの方針の通りであるが、貴機構への報告事例は“法的に定義された医療事故”である。

3)都道府県医師会には各種支援団体を取りまとめる協議会の設置が求められている。各地に所在する大学医学部、同附属病院はこの観点でも都道府県医師会と協力体制を組む。

4)医療事故の判断並びに調査の主体は管理者にある。報告の責任も管理者の下にある。調査の展開にあっては主体的ないし自律的な方法を阻害してはならない。中立性などの“相対的な価値”を以て、外部から不要な干渉をすることは許されない。

5)各地に所在する大学医学部、同附属病院と都道府県医師会とが支援団体として協力する際にも、上記1)、2)、3)、4)の諸原則を遵守する。このことにより、地域医療において医療者と患者・家族らとの信頼関係を強化することは、先の法の趣旨と調和ないし共鳴する。

6)未来に渡って予測することは不可能であるが、現に事故調査報告書が係争の具として利用されることが明らかな場合には医療安全の確保という制度の目的に鑑みて、貴機構において今回の法に規定される作業は行わない。係争の手段として行われる事象は全て、この法の埒外にて処理すべきである。



https://www.m3.com/news/general/462780
75歳以上、保険料上げ検討 後期高齢者医療の特例廃止 来年度から9百万人対象
2016年9月28日 (水) 共同通信社

 厚生労働省は27日、75歳以上の後期高齢者医療制度で、低所得者ら916万人の保険料を最大9割軽減している特例を廃止し、2017年度から段階的に保険料を引き上げる方向で検討に入った。法令で定める軽減幅は最大7割で、現在は税金を使ってさらに安くしているが、本来の規定通りにする。増え続ける医療費を賄うため高齢者にも負担を求め、世代間での公平性を高めるのが狙い。

 政府は17年度から特例軽減を原則的に廃止すると15年にいったん決定していたが、消費税増税の再延期のあおりで扱いが宙に浮いていた。厚労省は年末の予算編成に向け、詰めの議論に入りたい考えだ。ただ保険料負担が約5倍に増える人もいることから、高齢者の反発を懸念する与党から異論が出る可能性もあり、調整は難航しそうだ。

 厚労省は29日に開く審議会で「激変緩和措置を設けつつ、原則的に(法令上の)本則に戻していくべきではないか」と提案し、議論を求める。

 特例軽減の対象は75歳以上の約1600万人のうち所得が低い747万人と、74歳まで会社員らに扶養されていた169万人。国費945億円と地方負担159億円を投じ負担を軽くしている。

 扶養家族だった人の場合、現在月380円の保険料が特例廃止により最大で1890円と5倍増となる。ただ、所得に関係なく特例が適用される上、1人暮らしを続けてきた人らは対象外で不公平との指摘もある。

 特例廃止は、消費税増税に伴い実施予定だった介護保険料の軽減拡充や年金生活者支援給付金とセットで実現することになっていた。しかし、これらの低所得者対策は実施の見通しが立っておらず、負担を和らげる代替策も検討する。

 厚労省はこのほか、毎月の患者負担に上限を設ける「高額療養費制度」についても、高齢者の優遇措置を見直したい考えだ。70歳以上の大半が現役世代より負担が軽く、高所得者を中心に負担上限引き上げを議論する。

 ※後期高齢者医療の特例軽減

 75歳以上の医療保険料は現在、全国平均で月5659円(見込み)。低所得者については保険料の定額部分を2~7割軽減すると法令で規定されているが、予算措置で最大9割引きにする特例がある。また、74歳まで会社員や公務員の扶養家族だった人は75歳から2年間だけ5割軽減のはずが、特例により無期限で9割軽減されている。2008年度に後期高齢者医療制度がスタートした際、高齢者の反発をかわそうと自公政権が特例軽減を導入した。特例に充てた国費は16年度までの累計で7243億円。



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シリーズ: 中央社会保険医療協議会
デパスやアモバンなど「投薬上限は30日」
麻向法の「向精神薬」への新規指定で対応

2016年9月28日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会総会(会長:田辺国昭・東京大学大学院法学政治学研究科教授)は9月28日、精神安定剤のエチゾラム(商品名デパスなど)、睡眠障害改善剤のゾピクロン(同アモバンなど)について、投薬期間の上限を「30日」と定めることを承認した(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 これら2剤が新たに「麻薬及び向精神薬取締法」(麻向法)に規定する「向精神薬」に指定され、投薬期間の上限を新たに設ける必要が生じたための対応だ。麻向法の政令公布は10月14日のため、厚労省は10月13日までに、「30日」の上限の適用開始日を通知等で示す方針。10月後半か、11月初めからになる見通し。

 「向精神薬」の投薬期間の上限は、14日、30日、90日のいずれかに設定する。今回の2剤の「30日」は、投薬実態や関係団体の意見を踏まえて設定した。

 投薬期間の上限設定に当たって、2015年6月審査分の「調剤メディアス」を基に投薬期間の実態を調査した結果、エチゾラムは平均27.0日、85%が「30日以内」、ゾピクロンは平均26.8日、84%が「30日以内」だった。

 日本精神科病院協会の「要望書」では、「十分な周知期間を設けた上で、30日分を限度とした制約まではやむを得ないものである」としていた。



https://www.m3.com/news/general/462501?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160928&dcf_doctor=true&mc.l=180378105&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
米沢市、市立病院と民間統合視野、医療連携の協議開始 
2016年9月28日 (水) 毎日新聞社

 米沢市は26日、建て替えを検討している同市立病院(同市相生町、病床数322床)と民間病院、三友堂病院(同市中央6、190床)の統合を含む医療連携の協議を始めたことを明らかにした。市議会市立病院建替特別委員会で、市立病院事務局の担当者は「今年度中に一定の方向性を出したい。その後、現在の病院建替基本構想を練り直すこともあり得る」と述べた。

 同事務局によると、医師不足により両病院とも深夜の当直体制が厳しくなっているという。特に市立病院では5月中旬に精神科の閉鎖により、拍車がかかったという。

 これを受けて市内の救急医療体制の維持を目的に、昨年から三友堂病院と事務レベルの協議を開始。先月、中川勝市長が改めて三友堂病院に医療連携の話し合いを申し入れ、合意したという。診療科のすみ分けや統合を選択肢として、近く本格的な協議に入る考え。

 26日に記者会見した中川市長は、20日に厚生労働省に地域の医療連携に関する相談をした際、「再編統合という手法が出た」と述べた。

 県は、人口減少に対して2025年を見据えた地域医療構想を今月中に示す予定だが、地域では医療連携の模索が始まっている。【佐藤良一】



http://www.qlifepro.com/ishin/2016/09/28/why-does-not-apply-the-brakes-to-the-withdrawl-of-perinatal-care-of-japan/
世界に冠たる日本の周産期医療が、なぜ縮小?
宗田 聡 産婦人科医

2016年9月28日 Q Life Pro

先日厚生労働省から、最新である平成27年度の「医療施設調査」報告がまとめられました。

(参考)厚生労働省 医療施設調査 概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1a.html

ニュースにもなっていましたが、産婦人科や産科を標榜する病院、一般診療所はともに減り続けており、1990年の数値と比べどちらも半数近くまで数を減らしています。

出生数が減っているのである意味仕方ない、という見方もあるかもしれません。ただ、私が上記の施設数と、人口動態統計で公表されている出生数の数字からざっくりと計算したところ、こんな結果も出ています。オレンジ色の分娩数の変化はこの25年間で約20%の減少となっていますが、青色の産婦人科施設総数の変化は45%も減少しています。

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分娩総数と産科、産婦人科施設総数(一般病院)の減少率比較
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つまり、子どもの出生数の減少率をかなり上回るスピードで産婦人科施設の数が減っているのです。

また、ほぼお産を扱わない一般診療所にいたってもすさまじいペースで減っていて、すでに一昨年の時点で、産婦人科または産科を標ぼうする施設数は全医療施設数に対して3.5%にまで落としています。町中にあるクリニックの中で、産婦人科の存在自体がすでにレアなものになってしまったということであり、言い換えれば、妊娠したい、妊娠した、といったときの相談先さえ不足しています。核家族が定着した中でのこういった状況が、妊娠や子育てで悩む女性たちにとって気軽に医療機関を受診できない背景となっており、我々医療側も苦しんでいる彼女たちに寄り添うことがなかなかできない原因の一端となっているとも考えられます。

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周産期医療の資源はすでに持ちこたえられる限界点近くまで逼迫しているというのが、偽らざる、そして決して誇張でもない事実だと思います。そして、こんな状況では医療の質の低下が懸念されますが、決してそんなことはありません。むしろ日本の周産期医療のパフォーマンスは驚くべきものです。

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各国の妊産婦死亡率(出産10万対)推移(クリックで拡大されます)
こちらでお分かりのように、ほぼ、ここ四半世紀にわたり、同時に強烈な施設数の減少をともないながらも、世界トップクラスの成績を残し続けています。間違いなく日本の周産期医療は世界に誇れるものです。しかし、現実は最初にお示ししたように、施設数の減少に歯止めがかからず、増やす展望も今のところありません。少子化を打破するときのインフラとも言える産婦人科施設のこうした実状をいかに改善するか、素晴らしいパフォーマンスを維持しているこの医療体制を持続可能にするにはどうしたらよいのか、待ったなしの議論とアクションプランが必要だと思います。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54656/Default.aspx
中医協総会 期中薬価引下げの機運高まる 診療側・薬価制度の抜本的な見直し迫る
2016/09/29 03:51 ミクスオンライン

厚生労働省は9月28日の中医協総会に、2015年度の概算医療費が対前年度比3.8%増の41.5兆円、中でも薬剤費はC型肝炎治療薬の薬剤料が医療費の伸びを牽引したと報告した。診療側の中川俊男委員(日本医師会副会長)は、薬剤料の伸びを抑制するために、薬価制度の早急、かつ抜本的な見直しを迫った。その上で、財務省から社会保障費の伸びを自然増で見込まれる6400億円から5000億円に抑制することを求められていると指摘。「必要な医療費として伸びるのは問題ないし、そうするのが医療だ」とした上で、「医療費の伸びのほとんどが薬剤費ということであれば、我々が中医協でやることは明らかになった」と述べた。年末の予算編成に向け、抗がん剤・オプジーボなどを対象にした期中の薬価引下げを含めた“緊急的な対応”への気運が一気に高まった。

◎C型肝炎治療薬の薬剤料寄与率は「1%前後」 中川委員

2015年度の概算医療費は対前年度比3.8%増の41.5兆円。特に、調剤が9.4%と大きく伸び、医科入院外も3.3%増となった。調剤医療費は、処方せん1枚あたり7.3%増、薬剤料(調剤医療費ベース)は9.2%増となった。2011年度の薬剤料は7.2%増、13年度は6.8%増で、診療報酬改定のない年と比較しても伸びたことになる。中でも、C型肝炎治療薬を含む抗ウイルス剤の薬剤料が249.1%と大きく伸長した。医療費ベースでみても、C型肝炎治療薬を含む化学療法剤が0.77%押し上げた。

診療側の中川委員は、日医総研の推計として、「入院外の院外処方分だけの薬剤料でも1.5%。院内処方分を加えると、ほぼ2%になるのではないか」と述べ、急激に薬剤料が膨らんでいると指摘し、C型肝炎治療薬の処方が「1%前後の寄与率ではないか」と述べた。

その上で、「国民医療費の伸びの大半は薬剤費だということが明らかになったのではないか。現在、中医協で最大の課題として議論されている薬価の決め方、原価計算方式と類似薬効比較方式ともに、抜本的な見直しを早急にやるべきだ」との考えを示した。

薬剤料の伸びを牽引したC型肝炎治療薬だが、IMSデータ(薬価ベース)によると売上高は、ハーボニー配合錠が発売直後の2015年10~12月に1101億円、16年1~3月には1517億円を売上げたが、これをピークに4~6月では698億円まで減少している。ソバルディ錠も同様に、2015年7~9月の433億円、643億円(同10-12月)から、391億円(16年1~3月)、246億円(同4~6月)と推移している。

両剤ともに、2016年度薬価改定で特例拡大再算定の対象となり、大幅な薬価引下げとなったことも大きく影響した。厚生労働省保険局の中山智紀薬剤管理官は、ハーボニー配合錠、ソバルディ錠ともに、「特例拡大再算定による薬価の引き下げ率以上に下がっていることから、ピークは過ぎた。数量としても減っている」との見方を示した。


抗がん剤・オプジーボについても中川委員は触れ、医療費が年間1兆7500億円まで膨らみ、医療保険財政を圧迫しかねないと指摘されていることから、「1兆7500億円という推計が独り歩きしている。その数字は過大だと明確なメッセージを発信してもらえないか。議論がおかしな方向に行っている」と指摘。リアルタイムでのデータ把握、なども厚労省側に求めた。

◎後発医薬品使用体制加算で早くも火花

一方で、後発医薬品の促進による医療費の伸び抑制は、年間0.2~0.5ポイントであることも示された。後発医薬品の数量シェア80%目標が示される中で、推進する後発医薬品体制加算なども伸びていることが推測される。診療側の中川委員は、「後発品の使用促進にかかわる調剤報酬が年間1000億円。後発医薬品の8500億円の金額ベースの使用に対して1000億円の調剤報酬がついている状況はどうなのか」と後発医薬品使用体制加算の在り方について言及した。


これに対し、診療側の安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は、後発医薬品の薬剤料(調剤医療費ベース)が2014年度の7195億円から2015年度には8502億円まで跳ね上がったと説明した。一方で、後発医薬品薬剤料は895円から1038円と微増にとどまっていることや、後発医薬品割合(数量ベース)で55%以上、65%以上の薬局が増加していることなどから、後発医薬品の使用促進が現場で浸透しているとの見方を示し、「効果をきちっと踏まえて議論していただきたい」と述べ、詳細な分析に基づいた丁寧な議論を求めた。

◎デパス・アモバン 投薬期間上限を30日間に

そのほか、この日の中医協総会では、政令の一部改正で新たに向精神薬に指定された精神安定剤・エチゾラム(製品名:デパス等)と睡眠障害改善剤・ゾピクロン(製品名:アモバン等)の投薬期間の上限を30日間とすることも了承された。10月13日までに通知の発出、11月1日に施行される見通し。



http://www.medwatch.jp/?p=10564
新専門医制度のサブスペ領域や総合診療専門医、きちんと議論尽くすべき―四病協
2016年9月28日|医療・介護行政をウォッチ メディウォッチ

 新専門医制度におけるサブスペシャリティ領域について、内科の13領域、外科の4領域以外の領域についてきちんと検討していく必要がある。総合診療専門医については、養成プログラムなどのハードルを上げすぎず、1年間議論をして良い制度にしていく必要がある―。

 28日に開かれた四病院団体協議会の総合部会で、こういった議論が行われたことが、部会修了後の記者会見で、日本病院会の堺常雄会長から明らかにされました。

ここがポイント!
1 総合診療専門医、「家庭医」と「病院で総合診療を提供する医師」の2タイプ
2 医療資源投入量、絶対的な基準ではなく「ある程度の物差し」と理解すべき

総合診療専門医、「家庭医」と「病院で総合診療を提供する医師」の2タイプ

 メディ・ウォッチでもお伝えしているとおり、新専門医制度については「来年(2017年)度からの一斉スタート」が1年見送られ、日本専門医機構の新執行部が新たに立ち上げた基本問題検討委員会で、例えば ▼サブスペシャリティ領域 ▼総合診療専門医―などについて、改めて検討が行われることになりました(関連記事はこちらとこちら)。

 サブスペシャリティ領域については、旧執行部で29領域とする方針が固められましたが、新執行部体制になってから「一度、立ち止まって考え直す」こととなり、現在、内科系の13領域【(1)消化器(2)循環器(3)呼吸器(4)神経(5)血液(6)内分泌・代謝(7)糖尿病(8)腎臓(9)肝臓(10)アレルギー(11)感染症(12)老年病(13)リウマチ】と、外科系の4領域【(1)消化器(2)呼吸器(3)小児(4)心臓】については、「基本領域に近いため、基本領域とサブスペシャリティ領域で連動した養成プログラムを学会で構築する(後に専門医機構の定めた方針に則っているのかを確認)」ことになっています(関連記事はこちら)。

 日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会で構成される四病院団体協議会(四病協)でも、この問題について検討。細部領域まで含めると130程度の学会があるため、改めて専門医機構で「どの領域をサブスペシャリティ領域とするか」という議論がなされます。

 また新専門医制度の目玉の1つとも言える「総合診療専門医」については、従前から日病の堺会長が提唱しているように、「地域の家庭医」と「病院で総合診療に携わる医師」の2タイプがあることを四病協でも確認(関連記事はこちら)。すると、後者の「病院で総合診療に携わる医師」にとって、現在、検討されている総合診療専門医のハードルはやや厳しいのではないかという指摘も出ているようです。

 これまで、専門医機構では「総合診療専門医の到達目標」として、▼人間中心の医療・ケア(家族志向型医療・ケア、患者・家族との協働を促すコミュニケーションなど) ▼包括的統合アプローチ(健康増進と疾病予防、継続的な医療・ケアなど)▼連携重視のマネジメント(医療機関連携および医療・介護連携、組織運営マネジメントなど) ▼地域志向アプローチ(保健・医療・介護・福祉事業への参画、地域ニーズの把握とアプローチなど) ▼公益に資する職業規範 ▼診療の場の多様性(外来、救急、病棟、在宅)―といったコアコンピテンシーを示していますが、「病院で総合診療に携わる医師」に、これらすべてを求めることは難しく、「少しハードルが厳しい」と考えられているようです(関連記事はこちら)。

 もっとも堺日病会長は、「時間をかければよい制度になる」と述べており、専門医機構でのこれからの議論に期待を寄せています。

医療資源投入量、絶対的な基準ではなく「ある程度の物差し」と理解すべき

 ところで現在、厚生労働省では2018年度からの新たな医療計画に向けて、基本方針策定論議を進めています。その中で「基準病床数にも、医療資源投入量の考え方を一部導入する」ことが検討テーマにあがっています(関連記事はこちら)。

 この点について堺日病会長は、「そもそも『患者像などを医療資源投入量だけで判断してよいのか』という問題があるが、基本方針策定までに時間がない。医療資源投入量は絶対的な基準ではなく、『ある程度の物差し』であるという理解をすべき」との見解を示しました。

 

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160929/mca1609290500002-n1.htm
医療費、8年連続最高の40.8兆円 14年度
2016.9.29 05:00 Sankei Biz

 ■国民1人当たり32万1100円

 厚生労働省は28日、2014年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に払われた医療費の総額(国民医療費)が、前年度比7461億円増(1.9%増)の40兆8071億円だったと発表した。国民1人当たりでは6400円増(2.0%増)の32万1100円で、いずれも8年連続で過去最高を更新した。

 高齢化が進んだことや、医療技術が進歩して治療費が膨らんだのが主な要因。国民医療費が国民所得に占める割合は11.2%だった。年齢別では、65歳以上の医療費は23兆9066億円で全体に占める割合は前年度比0.9ポイント増の58.6%となり、過去最大だった。

 医療費を賄う財源の内訳は、国民や企業が負担する保険料が19兆8740億円で全体の48.7%。患者の自己負担は4兆7792億円で11.7%、国と地方を合わせた公費は15兆8525億円で38.8%だった。

 診療種類別では、医科診療が29兆2506億円で全体の71.7%。薬局調剤は7兆2846億円、歯科は2兆7900億円だった。



http://mainichi.jp/articles/20160929/ddm/002/040/095000c
医療費
14年度平均、1人32万円 高齢化で最高更新、総額40.8兆円

毎日新聞2016年9月29日 東京朝刊

 厚生労働省は28日、2014年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費の総額(国民医療費)が、前年度比7461億円増(1・9%増)の40兆8071億円だったと発表した。国民1人当たりでは6400円増(2・0%増)の32万1100円で、いずれも8年連続で過去最高を更新した。

 高齢化が進んだことや、医療技術が進歩し治療費が膨らんだのが主な要因。国民医療費が国民所得に占める割合は11・2%。年齢別では65歳以上の医療費は23兆9066億円で、全体に占める割合は前年度比0・9ポイント増の58・6%となった。
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 医療費を賄う財源の内訳は、国民や企業が負担する保険料が19兆8740億円で全体の48・7%。患者の自己負担は4兆7792億円で11・7%、国と地方を合わせた公費は15兆8525億円で38・8%だった。

 診療種類別では、医科診療が29兆2506億円で全体の71・7%。薬局調剤は7兆2846億円、歯科は2兆7900億円だった。

 国民医療費は、保険診療の対象になる治療費用の推計。保険外の診療や健康診断、正常な出産などの費用は含まれない。

 労災分などを除いた国民医療費の98%程度をカバーする概算医療費は、15年度分を今月13日に公表済みで、41兆4627億円に達している。



http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030200012/092800018/?rt=nocnt
医論・異論 from 日経メディカル
週刊誌の医療ネガティブキャンペーンどう思う?
冷静に受け止めるも「説明に時間とられる」に怒り

高志昌宏=シニアエディター
2016年9月29日(木)日経メディカル

 今年上半期、一部週刊誌が「医者に言われても受けてはいけない手術・飲み続けてはいけない薬」といった大きなネガティブキャンペーンを張った。今回の「医師1000人に聞きました」では、そのキャンペーンで日常診療にどのような影響があったかを聞いた。日経メディカルOnlineの会員医師3587人が回答した(アンケート期間:8月19日~29日)。

問1:日常診療でこのキャンペーンによる影響がありましたか
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問1●一部週刊誌で「医者に言われても受けてはいけない手術・飲み続けてはいけない薬」といったキャンペーンが続き、話題となっています。先生の診療では、この一連の報道による影響がありますか
 まず、日常診療でこのキャンペーンによる影響があるかを尋ねたところ、「大いにある」が7.2%(254人)、「若干はある」が29.3%(1037人)と、計3分の1以上(36.4%)を占めた(右図)。その一方、「ない」との回答も42.5%(1506人)に上り、影響があるとした回答の合計と拮抗した。「どちらともいえない」は21.0%(745人)だった。なお、百分率は「現在、診療はしていない」と回答した45人を除外して算出した。

 次に、具体的にどのような影響があったか、自由記述方式で尋ねた。書き込まれた内容は多岐にわたり一般化は難しいが、「説明すれば患者は納得し、実際に薬を中断した患者は少なかったが、そのためにかなりの時間を要し、ただでさえ多忙な日常診療がさらに圧迫された」というのが多数意見と感じた。

 実際に自己判断で薬をやめた患者がいて検査値が悪化したとか、手術を勧めても拒否されたとの回答は、数は少ないもののいくつか寄せられた。これに対して、「自己判断で患者が降圧薬を中止したが、その後も血圧は安定していて、本当に薬は不要だったのかもしれないケースを経験した」との回答も1件あった。

 このような自己判断による休薬に対して、「最後は患者が自分で判断すること」と半ば突き放す意見が散見されたが、「自分に相談してくれず、偏った情報から自己判断して治療を放棄してしまった患者がいるはず」と、去ってしまった患者の存在を心配する指摘も多かった。

問2:具体的には、どのような影響がありましたか

・10人ほどの患者が雑誌の切り抜きを持ってきて、「薬を飲んでて大丈夫か」と聞いてきた。(40歳代勤務医、脳神経外科)

・3人ほどから「私の飲んでいる薬が週刊誌に載っていましたが、どうなんでしょうか?」と尋ねられた。うち2人は、重要性や副作用の頻度、万が一副作用が出た時の対処法など、こちらが詳しく説明し分かってもらえました。しかし1人は、何を言っても聞いてくれず、週刊誌の方を信じて薬を止めてしまいました。最終的には患者さんの判断なので、自己責任でする分にはしょうがないです。(50歳代勤務医、外科)

・長く通っている人は内服中止などの問題はないものの、相談を受けた結果として診療時間が延びた。外来が長くなった分を請求したいくらい、腹が立っている。(50歳代勤務医、内科)

・ずっと高コレステロール血症で内服されている患者から、今後の治療の要否について質問されました。「飲む方が良いというエビデンスがある一方、飲まないほうが良いという明確なエビデンスはなく、また副作用については定期的にフォローしていますが、最終的に決めるのはあなたです」というような話をしました。今は継続治療しておられます。(50歳代勤務医、内科)

・「あの記事は本当か?」という質問は多いが、薬をやめたり拒否した患者はいない。(60歳代診療所勤務医、内科)

・手術を提案しても週刊誌を出されて拒否された。(30歳代勤務医、消化器外科)

・飲んではいけない薬に入っていた薬剤を中止し、脂質や血糖コントロールが非常に悪化した患者がいた。(40歳代勤務医、代謝・内分泌内科)

・当院に転院したばかりの患者さんが、自己判断で降圧薬を中止した。だが中止後も血圧は安定していたため、本当に不要だったのかもしれない。(40歳代開業医、代謝・内分泌内科)

・あの記事が噴飯ものであることを説明。大半は理解していただけたが、薬価が高いことに不満があった患者さんはジェネリックに変更した。(60歳代開業医、内科)

・以前はマメに(このような記事を)読んでいましたが、今は気にしません。中にはそういう話をされる方もいますが、自分の考えをお話しさせていただいています。(50歳代開業医、整形外科)

・危険な薬を出していると誤解され、良好だった医師・患者関係にひびが入った。(60歳代開業医、消化器内科)

・患者に直接的に言われることはないが、不信感を持たれている可能性はある。(30歳代勤務医、麻酔科)

 最後に、今回のキャンペーンに対して、どのような印象を持っているかを聞いた。偏った情報を一方的に流す週刊誌に対する憤りが圧倒的だったが、アンジオテンシン2受容体拮抗薬を使った大規模臨床試験で指摘された一連の不正や腹腔鏡手術での事故などを例に、医療側としても襟を正すところがあり、反面教師として捉えるべきという意見も多かった。また、今回の騒動をきっかけに、患者が自分の治療にもっと関心を持ってくれるとありがたいという意見もあった。

問3:先生は、このキャンペーンに対してどのような印象持っていますか

・外来での患者からの問い合わせは思っていたほど多くはなく、いずれもきちんと説明すれば納得してもらえた。だが最も懸念されるのは、問い合わせすることなく勝手に服薬、通院を止めてしまう患者が必ずいるであろうこと。(このようなネガティブキャンペーンは)言語道断。売れている薬剤というのは、有効性の立証されている優れた薬剤がほとんど。特に脳心血管疾患の2次予防目的に服用中の患者が自己中断し、後遺症を残す疾患を再発したら誰が責任を取るのか。科学的根拠のない記事を興味本位に書き立てる無責任な姿勢に怒りを覚える。それを支持するとして名を出している、れっきとした医師にも唖然とする。(50歳代勤務医、循環器内科)

・他の業界で、例えば「ソバはアレルギーが出る場合があるので食べてはいけない」などというキャンペーンをしたら、訴訟を起こされるのではないか。なぜ医師会が週刊誌の名前を挙げて全面的に抗議しないのか不思議です。(50歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)

・雑誌を売るためなら、人の健康を犠牲にしても構わない人々がいることが信じられない。(50歳代開業医、内科)

・記事内容と見出しが異なり、見出しにより患者に誤解を招いている。(30歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)

・(キャンペーンの)記事をほぼ読みました。全てが嘘ではないが、論拠のないコメントも散見され、全体にマイナス面のみを取り上げており、一般の人たちの不安と不信をあおるような記事になっていると思いました。もっとも、医者の言うがままに治療を受けたり、何かあるとすぐに病院、すぐに薬といった傾向が強い、日本人の気質を考え直す1つのきっかけにもなると思います。(20歳代勤務医、精神科)

・患者が自分の病気や症状を自ら勉強するきっかけになってくれればいいと思う。また、安易に薬の処方を希望する患者が減ってくれればいいと思う。(40歳代勤務医、消化器内科)

・最近、高齢者の慢性疾患に対する薬が、統計的に有意というエビデンスのみで、幅を利かせているような気がします。急性期の症状を緩和するような薬は効果がすぐ分かりますが、慢性疾患の薬は、実際にコストに見合った効果があるのか、不明なものも多いと思います。週刊誌の内容は必ずしもうなずけるものとは言えなくても、考えさせられる点も、もちろんあります。ただし、週刊誌に影響されて処方は変えてはいません。このような機会をきっかけに、学会やマスコミが、どこが正しくてどこがおかしいのか議論することになればいいと思いますが、いつもそのような方向に進まないのが残念なところです。(60歳代診療所勤務医、代謝・内分泌内科)

・問題提起としてはいいと思います。医師の説明不足が問われていると思います。(60歳代勤務医、外科)

・いつの時代でもこういうことは話題になるので、気にしていない。(50歳代診療所勤務医、小児科)

・扇動するのはマスコミの常。(50歳代勤務医、泌尿器科)

・こういうネガティブキャンペーンのあとは、たいがい何らかのとんでもない政策を国は打ってくるので、興味深くはあります。(40歳代勤務医、精神科)

・診療は医師と患者さんとの信頼関係で成り立っていますので、十分に説明してもそのような記事を信じる方は、無理に治療を勧めても納得してくれないでしょう。それは仕方がないと思います。(50歳代開業医、眼科)

・乳腺外科専門医です。(1)手術の要否、(2)手術方法(温存か全摘か)、(3)補助薬物療法(特に化学療法、遺伝子抗体療法)などについて、セカンド・オピニオンを繰り返し求められています。当方の説明に対して懐疑的な態度を示されるのは残念。医師・患者関係のもろさを感じています。癌などの病気は、症例ごとに進行度も生物学的性格も異なり、治療法にしても、手術術式の適応や薬物適応の選択も異なっています。基礎的知識に乏しい患者に対して、権威ある学者のふりをして偏った意見を押し付けるのは、極めて不適切と考えます。(70歳以上勤務医、外科)


  1. 2016/09/29(木) 06:21:26|
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