Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月26日 

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160926-OYTET50040/
ニュース・解説
地域ごとの医師偏在、解消狙い指標導入…厚労省方針

2016年9月26日 読売新聞

 医師偏在の実態を把握するため、厚生労働省は医師の過不足を地域比較できる指標を新たに導入することを決めた。

 国や都道府県が地域ごとの医師の偏りを的確にとらえ、有効な対策を検討するために活用する。厚労省は、早ければ2018年度の導入を目指す。

 指標は、各地域にいる医師数と患者数を基本に、地域の面積、山間地や離島の有無、特定の診療科だけを開設する病院の有無といった地域事情を加味して算出する。都道府県が生活圏ごとに指標を計算し、医師の過不足を明らかにする。都道府県や診療科ごとの算出もできるようにする。

 過不足が分かれば、若手医師の臨床研修先となる病院の定員を調整したり、医学部の地域枠卒で地元での勤務が求められている医師に不足地域での診療を要請したりすることが可能になる。この指標により、対策の効果を測ることもできる。



http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47961?page=2&utm_source=nifty&utm_medium=feed&utm_campaign=link&utm_content=next
ドイツが嗤う日本の専門家教育 過疎地にも必ず家庭医がいるデンマークと無医村の多い日本
伊東 乾
2016年09月26日 07時00分 日本ビジネスプレス

 10月8日に行います国大協・大学改革シンポジウムの案件でドイツ側(ミュンヘン工科大学)とやり取りをしている中で「なぜ日本には高等教育に戦略が皆無なのか?」という素朴な疑問を寄せられます。

日本の高等教育に戦略がない?

 文科省や大学経営陣が下手に耳にすると怒りだしそうな表現ですが、これは海外から見ると文字通りで、人材育成に関して国としてのビジョンがほぼ、ない。

 例えば医者不足、弁護士不足といった話が出、医学部や法科大学院の定員をいじったりすることはあっても、それで本当に問題を解決するところまでプロフェッショナルを育成する制度設計まで話が進むか、と言えば・・・全然解決していませんよね。

 ドクターヘリは飛ぶようになったけれど、今もって無医村は無医村、過疎地は過疎地。

 東京にはやたらたくさんの弁護士事務所があり、司法修習の教官から「ここにいる人の何割かは以前なら絶対に司法試験に合格していなかった人が混ざっています」とか嫌味を言われます。

 一方、地方に行くと法曹は圧倒的に人材が不足して、特定の街の弁護士事務所がオーバーフローといった状況が大きく変わったという話は聞かない気がします。

 違う、という方がおられましたら、どうか実例をお教えください。以下では「残念な日本の現状」を前提に、高等教育と次世代人材育成において「日本には戦略が欠如している」と言われるゆえんを、検討してみたいと思います。

医局崩壊と研修医
 医師が一番分かりやすいので、ここから話を始めましょう。人間の健康や病気、生命に関わることですから、誰もが社会的な必要性を認める職掌であるからです。

 日本の医療制度は、国際的に見れば良い方だと思います。国民皆保険、医療サービスは充実し世界有数の長寿国にもなった。

 と同時に少子高齢化や医療費のパンク懸念など、別の問題も生み出している。

 こういう観点はグローバルに論じられますが、医療関係者の次世代人材育成という点では必ずしも問題解決に直結したシステムが確立されているとは言えません。

 かつて存在したインターンをつけ替えるような「医局支配」は「研修医制度」が導入されて「崩壊した」と言われます。

 かつて、戦後の日本では医学部卒業後、臨床現場での徒弟見習い期間を経て医師国家試験の受験資格が与えられる、という時代があり、この間は学生でも医師でもなく、若い医者の卵たちは実質ただ働きさせられていました。

 学園紛争華やかなりし時代、医学部から蜂起の手が上がった背景には、この通称インターン制度、実質的なただ働き強要の体制への疑問や抗議があった。


 この徒弟制度的な医師法は1968年に改正されますが、学園紛争のピークはその後も続き、髪の長かった全共闘が普通のオジサンになる頃には、無償奉公の徒弟制度はなくなり、医学部卒業直後から医師国家試験は受けられるようになった。

 しかし、医師免を取った後2年間、臨床研修に努めるようにという「努力研修」なる不可思議な制度が残存、免許はあるけど手取りは低い医師の人身が、医局都合であちこち張りつけ変えられるという時代が1970年代からほぼ1世代分続きました。

 私が物心ついた時期は、まさにこの世代で、従兄弟や先輩、友人など医学部に行った人たちは研修医時代、数万円程度の報酬に抑えられる大学病院だけでは食べていけないので、あちこちでアルバイトをしながら食いつないでいました。

 そういう不安定な身分でアルバイト兼業などではなく、法で定めてしっかりした研修を義務づけ(バイト禁止)、その代わりに病院も研修医にきちんとした給料を支払うというの2004年以降の現行の制度になっています。

 かつては「医局の支配」で、行きたくもないとんでもない所に飛ばされる人などもいたのが、そういうこともなくなり、若い医師たちが主体的にキャリアを積むことができるようになった・・・。

 という側面もあるでしょう。が、同時に、医局がそれなりにバランスを判断して、そこそこの地方都市などでも、いわば「シマ」である病院に大学病院は若い医師を送り出していた。

 しかし2004年以降の制度では、臨床研修指導医の資格を持った医師がいて、かつ指導の設備(と症例数)が整った病院しか、給料の出る研修指導病院には指定されず、結果的に田舎の病院には指導医も研修医も行けない、行かないという状況ができるわけです。

 以前なら医局のローテーションで若い医者が送り込まれたような地方に医師が行かない。診療科目によってはほとんど医療の体をなしていないという科も出てくる。

 医師が不足しているといった声は、結局臨床現場から出てくるわけですが、だからと言って医学部で定員を増やしても、本当の意味での人材育成という観点からすれば、研修医が全国まんべんなく派遣配置されるといった状況にはないので、結局問題の解決には直結していない。

 縦割りされた行政のある一部だけで「善処した」で終わっているのではないか?

 こうした状況をもって「戦略不在」と言われても、日本としては一言も返す言葉がないことになってしまう。

保険制度の光と影~デンマーク「家庭医制度」を参考に

 逆の状況を考えてみましょう。北欧など高度福祉国家とよばれる地域では、一方で税率70%といった状況がありながら「医療費原則無料」「国民すべてに一人ひとり主治医」が張りつけられている、といったシステムが成立しています。

 デンマークに導入されている「家庭医制度」はその1つで、必ずしも欧州本土での国土は広くありませんが、島嶼部が多く、グリーンランドもデンマーク領、島が多い国情を考える必要があるでしょう。

 下手な制度を作れば「無医村」ならぬ「無医の離島」だらけにもなりかねない。そういう地政的な事情の中で、あらゆる国土の部分に医師がまんべんなく分布するような政策=国策というか戦略というか、が実施されているわけです。

 これがバイキングの文化伝統なのか、定かには知りませんが、何であれ地方の切り捨てというような話にはなっていない。

 しかし、問題がないわけではないようです。例えば「家庭医」とソリが合わないといったこともあるでしょう。いわゆるプライマリ・ケア、何でも見れるジェネラリストである「家庭医」の手に余る専門医療を受けようとすると、何カ月も順番を待たねばならな・・・などなど。

 必ずしもデンマークの制度がすべて良い、とか、家庭医制度を日本に、という話をしているわけではありません。

 問題は、医療現場で発生している人材不足を、高等教育と原版の人材育成とを合わせ、就労者の手取りなどまで含め、「ひと・もの・かね」が循環するという、最低限の当たり前が成立している、国の戦略として当たり前のことを当たり前と言っているのにほかなりません。

 日本はどうか。医療1つとっても、上記のようにまともに成立しているとは言えないでしょう。まして、他の専門では、最初から崩壊しているといった方が当っている。

 日本で「法学部」を出ただけの22歳の青年を、誰も法律の専門家として扱いません。そのように処遇しない、されない、端的にはそのような報酬を支払うシステムになっていない。誰もが知る通りです。

 学部だけ「経済学部」を出ても誰も22歳の青年を経済の専門家とはみなしません。

 その最悪のパターンが芸術、とりわけ私の専門、西欧古典音楽の人材育成は、社会システムとして循環する体をなしていません。

 西欧古典音楽の専門家を1人育てるのには、医者1人とあまり変わらないお金がかかって珍しくありません。

 例えばピアノ、試みに今、スタインウエイの価格をネットで検索したところ、あえてここにはリンクしませんが、最安値のものが920万円ほど、2100万といった値のものが並んでいました。

 でも、ピアノはまだ高が知れています。バイオリンやチェロの名器を手に入れようとすれば、家一軒では足りない場合も少なくない。

 これは単に楽器を買うというだけの話で、教育以前の準備です。レッスン料、発表会、もろもろ、もろもろ・・・。凄まじい出費になっても何の不思議もない。

 で、食べていけるシステムがあるかと言うと・・・。現在の日本社会には、端的に言って存在していないわけですね。

 国としての戦略は全くない。例えばそういう高等教育と社会の人材育成におけるアンバランスを、誰も正面から問うことをあえてしない。

 必然的にドイツ人から「不思議の国、日本」と言われてしまうわけです。



https://dot.asahi.com/aera/2016092300262.html
医学部37年ぶりの新設組、セールスポイントは「個性」
by 塚崎朝子
(更新 2016/9/26 11:30) dot.asahi / AERA

 30年以上、認められてこなかった医学部の新設が今春、来春と2年続けて実現する。さまざまな期待がかけられる一方、課題も見え隠れしている。

 2016年春、杜の都・仙台に国内で37年ぶりの医学部が誕生した。5年前の東日本大震災で地域医療も被害を受けた東北地方を支援する特例として、単科大学の東北薬科大学が新設。東北医科薬科大学に改称した。

 100人の定員に対し、初年度の実質の受験倍率は7.7倍と高かった。目玉は、医師を東北地方に定着させるための修学資金だ。

●関東からも多数入学

 学費は6年間で総額3400万円かかるが、これを国公立大並みの400万円に抑えられる返還不要の奨学金を35人分用意した。卒業後10年程度は東北地方に勤務するという条件を付け、宮城県の枠(定員30人)に加え、他の東北5県の枠(同5人、各県1人)もあり、東北地方の医療を担う志があれば、出身地を問わず出願できる。卒業生を受け入れる病院が返済することで、資金を循環させる仕組みだ。最大で800万円以下に抑えられる枠も20人分設けた。

 カリキュラムでは、地域医療に重きを置く。東北6県に実習先となる19の地域医療ネットワーク病院を配し、繰り返し訪ねる滞在型学習が特徴だ。災害医療も重視し、原発事故時の対応を学ぶシミュレーション訓練なども採り入れる。

 初代医学部長の福田寛氏は、「自治医科大学を除けば、地域医療をトップに据える唯一の大学として使命を果たしたい」と意気込む。

 16年度の1期生のうち、東北出身者の割合は受験者・合格者とも全体の3割強。人口の多い関東圏の学生が多い。彼らが東北に定着してくれれば、医師不足に悩む地域の朗報になる。

 医学部を新設しようという機運は、大震災の前から国内で高まっていた。05年ごろ、救急患者のたらい回し、自治体病院の閉院または診療科の廃止など、いわゆる医療崩壊が表面化。日本はOECD諸国に比べて人口当たりの医師数が少ないことも問題視された。

 09年に政権に就いた民主党は、「医学部定員を1.5倍に増やすこと」をマニフェストに掲げた。厚生労働省の実態調査で勤務医の絶対数不足が明らかになると、文部科学省は医学部新設の是非を論議する専門家会議を設置した。そんなときに、東北を大震災が襲った。

 被災地を含む地方自治体から打診を受けた文科省は13年末、東北地方で1校に限り医学部新設を認めた。そんな中で、東北福祉大学、宮城大学など仙台で存在感がある大学を退けて、東北医科薬科大学が開学した。

●「大先輩」に頼りつつ

 同大は1939年、東北・北海道地区唯一の薬学専門学校として設立されて以来、77年の伝統を持つ。06年に薬剤師養成課程が6年制になると、研修の充実のため、年金財政の「お荷物」だった東北厚生年金病院(466床)の譲渡を受け、単科の薬科大学として全国初の附属病院を設置していた。その実績がモノを言った形だが、医学部附属病院には600床が必要とされるため、16年にNTT東日本東北病院(199床)の経営も譲り受けた。

 仙台には、長らく東北の地域医療を支えてきた東北大学があるが、旧帝大の一つとして世界レベルを目指す役割も期待されている。福田学部長は「地域医療の負荷の一部を肩代わりし、すみ分けを図っていきたい」と強調した。

 医学部を新設するときの心配の一つが、教員の確保だ。特に、学生に教えられる経験豊富な中堅医師は地域の病院との取り合いになりかねない。「後任の人材がいるかなど、採用者の人選には特に慎重を期し」(福田学部長)、新たに着任した183人の教員の3分の1に当たる61人(うち臨床系43人)を、東北大学医局出身者で確保した。

●国際的な人材を育てる

 8月末には、国際医療福祉大学医学部を来春、千葉県成田市の国家戦略特区に新設することが認められた。37年ぶりだった今年から2年連続の新設になる。

 位置づけは、東北とはかなり異なる。「国際的な医療人材の育成のための医学部」だ。

 医学部入学定員140人のうち、20人は東南アジアを中心とした留学生を受け入れる。国際的に活躍できる医師育成のため、講義の大半は英語で行い、6年次には全員に4週間以上の海外での臨床実習を課す。

 5千平方メートル超と世界最大級の「医学教育シミュレーションセンター」や、専任教員25人による「医学教育統括センター」を設ける。診療参加型臨床実習を、4年生から90週間実施するのも売りだ。

 同大で医学部設置準備室長を務める池田俊也氏は、「既設の大学で実現できなかった新しい医学教育が実現できる」と意欲的だ。

 学費は6年間合計で1850万円と、全国の私立大学医学部では最低水準に抑えた。校舎や新病院の整備費用はかさむが、これには国際空港という特別な財源を持つ成田市が支援。医学部・附属病院の用地は、市が約33億円で取得・造成し、大学に無償貸与するほか、校舎建設にも45億円を補助する。16年4月にはひと足先に成田看護学部・成田保健医療学部が開学し、敷地内に医学部校舎、そして、20年の開院予定で附属病院(640床)を市内に整備予定だ。

 栃木県大田原市に本校がある同大は1995年開学。四つの附属病院を含む全国10病院と医療福祉施設などをグループ内に抱え、薬剤師、看護師、放射線技師、理学療法士……と、数多くの医療専門職を養成する学部を持つ。医師も自前で育てたいと、医学部設置準備委員会を10年に立ち上げていた。

 副医学部長に就任予定の吉田素文氏は、「全国に先駆けて医療関連職種の連携教育が行われていたが、医学部の参加で飛躍的に前進する」と語る。

 新たな附属病院は、国際空港に近い立地を生かし、外国人観光客の医療ツーリズムを当て込んでいる。

 一方、地元の千葉県は人口当たりの医師数が、埼玉県や茨城県に次いで少ないが、養成した医師の一定割合は千葉県に残る可能性もある。

 国内の医学部定員は、1970年代の医学部新設ラッシュ後、8200人超とピークを迎えた。その後、医師余りの見通しが出て、約7600人まで削減。08年に国公立大学に臨時枠が設けられてから再び定員増に転じ、15年は9134人。07年に比べると1509人増と、医学部15校分増に相当する。ここに2校の新設が加わることになる。

●10年後にらんだ施策を

 そんな政府の動きに対し、日本医師会や全国医学部長病院長会議は、一貫して医学部新設に反対を唱え続けてきた。大きな理由の一つが、医学生の学力低下、そして医療の質低下への懸念だ。

 日本医師会の推計では、25歳人口に占める医師国家試験合格者は、75年で512人に1人だったが、2015年には162人に1人になっている。

 全国医学部長病院長会議相談役で日本私立医科大学協会会長を務める寺野彰氏は、「最大の反対理由は、医学部を新設すると医師数の調整が難しくなること。既設大学の定員増でしのげば、減らすことは容易だが、医学部を潰すことは難しい」と訴える。

 別の国家資格をみても、人数の調整が難しいことがわかる。歯科医余りが起き、歯学部は定員割れにあえいでいる。続々とつくられた法科大学院は、司法試験の合格率が低く、合格しても弁護士業務の広がりは頭打ちという厳しい環境から、募集停止に追い込まれた大学もある。

 加えて、医学部を設立するには、他の学部にない複雑な事情がある。設備などに多大な費用がかかり、そこには税金投入という国民負担も生じる。さらに、医学部を出て一人前の医師になるには、入学から10年はかかるため、速効性はない。

 新設2校には、そんな逆風を乗り越え、「被災地支援」「国際的人材の育成」という存在意義を発揮してもらうことを期待したい。(ジャーナリスト・塚崎朝子)

※AERA 2016年10月3日号



http://blogos.com/article/191780/
外表に異常がなくても警察届け出は必要だ
ももちゃん
2016年09月26日 05:37 BLOGOS

10倍のインスリン投与、80代女性死亡 長崎の病院
朝日新聞 9月23日


 国立病院機構長崎川棚医療センター(長崎県川棚町)は23日、80代の女性患者に糖尿病治療薬のインスリンを必要量の10倍投与する医療ミスがあったと発表した。女性はその後死亡。解剖ができておらず因果関係は不明だが、病院側は女性が回復傾向にあったとして、過剰投与と死亡に「なんらかの影響があった」とみている。病院側はミスについて県警に届け出た。
 医療センターによると、女性は糖尿病などを患い、8月8日に入院。インスリンを含む栄養補給の点滴を受けていた。8月30日夜に、20代の看護師が医師の指示の10倍の量のインスリンを点滴で投与。女性は点滴から約8時間後の31日朝に死亡が確認された。看護師は専用の注射器を使わず、センターの手順で定められている複数人でのチェックも怠っていた。看護師は点滴を通してのインスリン投与は初めてだったが「自分一人でもできると思った」と話しているという。また、女性の血糖値を測定せずに架空の数値をカルテに記録していたことも判明。看護師は「女性の状態が安定していたので異状はないと思って測定しなかった」と話しているという。
 医療センターは、医療事故調査・支援センターに報告し、第三者による検証を行うという。

<患者中毒死>死亡患者の点滴に泡…界面活性剤を検出
毎日新聞 9月24日


 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に異物を混入され殺害された事件で、八巻さんが死亡した後、点滴袋の液体が泡立っているのを看護師が見つけたことが24日、神奈川県警への取材でわかった。病院は不審な点として県警に通報。県警の司法解剖などの結果、八巻さんの体内や点滴袋から界面活性剤の成分が検出された。県警は界面活性剤でできた泡とみて調べている。
 同病院では点滴袋をフロアごとのナースステーションで管理し、施錠のない場所に保管していたことも分かった。4階のナースステーションには、界面活性剤の成分が含まれる物品が置かれていたという。捜査関係者によると、ナースステーションに運び込まれる前の点滴袋は病院内の薬剤庫で保管され、薬剤師がフロアごとに翌日に使うものを用意。看護師らが担当するフロアのナースステーションに運んでいた。
 県警によると、4階に入院していた八巻さんの心拍数が低下し、アラームが作動したのは20日午前4時ごろ。4時55分に八巻さんの死亡が確認され、女性看護師が点滴の泡に気付いた。病院によると、看護師が午前3時過ぎに心拍や血圧を確認した際、八巻さんに異常はなかったという。捜査関係者によると、点滴袋に破れなどはなく、注射器を使用するなどして界面活性剤が混入された可能性がある。
 界面活性剤は水と油を混ざりやすくさせる物質で、洗剤や化粧品に含まれるほか、医療器具の洗浄や消毒に用いられる。大量に摂取すると中毒症状を起こし、死亡することもある。八巻さんと同じ4階に入院し、18日以降に死亡した80~90代の男女3人のうち、男性2人は点滴を使用していた。県警は点滴袋の残留物を調べるとともに3人の死因を詳しく調べている。【国本愛】



ここのところ、病院内で医療事故によって死亡したり、殺害された疑いのある事件が連続して発生した。診療関連死に関連して、警察を医療現場から排除しようという試みがなされ、その結果、外表に異常がなければ警察に異状死届け出は不要との、デマといってよいくらいの言説が流されているが、そんなことがまかり通っては、医療現場は犯罪見逃しだらけになるだろう。

長崎の事件は、これまでの判例からすれば、かなりの確率で看護師が業過致死で有責になるケースと思われる。しかし、すでに遺体は火葬され、解剖できないので、昨年新設された事故調から出される報告書を使って、警察と検察は有罪か否かを判断するのだろう。この点は、大野病院事件に似た手続きが取られるのではないかと思われる。解剖していないので、当然の結果として、インスリン投与による低血糖発作以外の死因について全く検討できないことになるが、そうした中途半端な手続きで、刑事的な責任を取らされたり、逆にうやむやとなってしまうようなことを遺族や医療者はどう考えるのだろうか。

今回の事例がそうであるが、昨年から実施されている医療事故調査制度では、解剖が法医解剖と異なり、承諾解剖に設定されており、解剖されないケースのほうが圧倒的に多くなると考えられる。その場合、真相究明ができなかった理由は遺族のせいになるか、承諾を取れなかった医師のせいになる可能性がある。解剖ができない場合は死後CT検査などを行うべきともされるが、そんな検査では中毒の診断などできない。行政側は誰も責任を取らないので、いい気なものだが、遺族や医師にとっては深刻な問題を生み出しかねない。

ケースによっては、遺族の怒りが収まらず、看護師のみならず、病院全体に隠ぺい体質があったと考えて警察に告発する場合もありうるだろう。そのような場合、広尾病院事件がそうであったように、病院側に悪気がなくとも、また、医師が直接薬物投与に関与しなくとも、医師がなんらかの罪に問われかねない事態に陥りうる。

そうならないよう、もしものときにどうするべきかは、今後再考すべきだろう。

神奈川のケース、今回は看護師が点滴の袋に泡が立っているのに気付いたので、さすがに気付かれて、解剖や薬物検査が実施されるようだが、ほかにも発生していなかったのだろうか。

日本以外のどんな国でも、末期がんなどで、あと何日かで死ぬだろうと予測していたケースが、思った通り亡くなった場合は、明らかな病死なので、警察への届け出なく、死亡診断書を発行できるが、そうでない場合はすべて警察届け出をすべきこととされている。諸外国においては、病院で突然予期せずに死亡したものは明らかな病死とはいえないので、警察届け出を行うべき事例とされている。

しかし、日本では、予期せず死亡した場合でも外表に異常がなければ届け出なくてよいなどと主張するものもいたりして、届け出るべき異状の定義がかなりあやふやになっている。この病院以外の病院も含め、老人が予期せず死亡したケースが、過去に存在したにも関わらず、警察に届け出をしていなかった可能性もあるかもしれない。もっと隠れたケースが存在するのではないかと考えると、自分の老後が恐ろしくもなる。高齢化社会を迎えるにあたって、政府としてももっと真剣に、異状死の届け出について、考えるべきなのではないか。



http://www.medwatch.jp/?p=10501
2016年度診療報酬改定で病院は「増収減益」、看護必要度要件は12.4%の病院で満たせず―日病
2016年9月26日|医療・介護行政をウォッチ

 2016年度診療報酬改定後、病院の経営状況を見ると、改定前に比べて収益は増加しているが利益は減少(増収減益)し厳しさを増している。7対1病院の12.4%は、新たな重症度、医療・看護必要度を満たすことができず、今年(2016年)10月以降も「すべての病棟で7対1を継続する」と考えている病院は8割弱にとどまる―。

 こういった状況が、26日の日本病院会の定例記者会見で発表されました。

 日病では必要に応じて追跡調査なども検討し、12月中旬には最終報告(2016年度の診療報酬等に関する定期調査)を行う予定です。

ここがポイント!
1 材料費とくに医薬品費が大きく伸び、病院の「収入」は増加したが、「利益」は減少
2 10月以降も「全病棟で7対1を維持する」のは79.1%にとどまる
3 医師キャリア支援センターの機能、地域の「協議の場」に設置できないか


材料費とくに医薬品費が大きく伸び、病院の「収入」は増加したが、「利益」は減少

 この調査は日病の会員を対象に行われたもので、2016年度改定後(16年6月)と改定前(15年6月)の状況比較などを行っています。

 2016年度は医科本体について0.56%のプラス改定となったため、診療収益は56.4%の病院で増加(増収)しました。診療単価を見ると、入院では59.8%の病院が、外来では69.8%の病院で増加しています。

 一方、経常利益を見ると、56.3%の病院で前年同月に比べて減益となっており、赤字病院の割合は60.6%(前年同月は56.5%、5.1ポイント増加)となっています。

 こうした状況について日病の堺常雄会長は「急性期機能を維持するための人件費や設備投資が必要であり『増収減益』となった。病院経営は年々厳しくなっている」とコメントしています。

 なお、費用について詳しく見てみると、材料費(医薬品、診療材料)が前年に比べて大きく伸びています。稼働病床100床当たりで見ると、医薬品は前年同月に比べて5.3%(診療材料を加味した材料費全体では4.6%)増加しています。この要因について、例えばハーボニー錠(C型肝炎治療薬)など超高額薬剤の影響が想像されますが、日病の診療報酬・病院経営検討委員会の永易卓委員(若草第一病院事務局長)は、「委員会では詳細な分析をすべきとの指摘も出ている。調査すべきという意見で固まれば追跡調査などを実施し、12月中旬の最終報告に盛り込みたい」と述べるにとどめています。

10月以降も「全病棟で7対1を維持する」のは79.1%にとどまる

 次に、2016年度改定で大幅な見直しが行われ、注目を集めている「7対1病院」の状況を見てみましょう。

 2016年度改定では一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)についてC項目の新設など大きな見直しが行われた上で、7対1の施設基準について「看護必要度を満たす患者割合が25%以上」などの厳格化も行われました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 この新たな看護必要度要件(新基準で25%以上)を満たしているかどうかを見てみると、2016年6月単月では290病院(新基準で看護必要度をチェック)のうち87.5%にとどまっています(▼40%以上が1.7%▼35-40%が3.4%▼30-35%が24.8%▼25-30%が57.6%▼20-25%が10.3%▼15-20%が2.1%)。看護必要度要件は単月で満たせずとも、すぐに7対1を返上しなければいけないわけではありませんが、「12.4%が満たせていない」状況について日病は重く受け止めています。

 200床以上に限定すると90.6%で25%以上が確保されていますが(▼40%以上が1.9% ▼35-40%が3.5% ▼30-35%が25.7% ▼25-30%が59.5% ▼20-25%が8.2% ▼15-20%が1.2%)、200床未満では経過措置である「23%以上」(病棟群単位を選択しない場合)を満たす病院は81.9%にとどまっており(▼31%以上が18.2% ▼29-31%が21.2% ▼27-29%が6.1% ▼25-27%が18.2% ▼23-25%が18.2% ▼21-23%が9.1% ▼19-21%が3.0% ▼19%未満が6.1%)、規模の小さい病院で厳しいようです。

 また今年(2016年)9月までは経過措置が設けられ、今年3月末に7対1を届け出ている病院では「9月まで看護必要度要件を満たす」とみなされます(極論すれば9月までは看護必要度を満たす患者がゼロでもよい)。しかし、10月以降は子の経過措置が切れるため、7対1病院は本格的に「病床戦略」を立てなければいけません。この点、「10月以降も全病棟で7対1を継続する」と考えている病院は79.1%と8割を切っていることが分かりました。日本病院団体協議会の調査でも「7対1病院の2割協で地域包括ケア病棟などへの移行を決定・検討している」ことが分かっており、これと整合性のとれた結果です。

 それ以外の病院では、▼すべて7対1以外へ移行する病院が0.3% ▼一部を7対1以外へ移行する病院が12.5% ▼すべて・一部の病棟で減少する病院が1.8%―などとなっています。「病棟群単位の入院基本料」については、届け出が確認できたところが1病院ありますが、詳細は12月の最終報告を待つ必要がありそうです。

 10月移行にどういった届け出がなされるのか、各種の調査が注目を集めそうです。

 このほか、▼療養病棟入院基本料2のうち、新施設基準(医療区分2または3の患者が50%以上)を満たす病院は55.9% ▼回復期リハビリテーション病棟の新アウトカム評価基準(リハビリの実績指数が27以上)を満たす病院は71.5% ▼特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院における紹介状なし患者の特別料金は、初診の中央値5400円、再診の中央値2700円―といった状況なども明らかになっています。

医師キャリア支援センターの機能、地域の「協議の場」に設置できないか

 26日の記者会見では、堺会長から「医師偏在対策」に向けた見解も発表されました(関連記事はこちらとこちら)。

 堺会長はまず「日病では、以前に現在の1.2倍の医師が必要(4万人程度の増員)と推計した。ただし単純な増員ではなく、医療提供体制の効率化も進めるべきとの指摘があり、当面は厚生労働省の主張する『現状維持』とし、偏在対策を進める必要がある」と指摘。

 その上で、日本医師会と全国医学部長病院長会議会長が共同提案している「医師キャリア支援センター」(提案では各大学医学部に設置)について(関連記事はこちらとこちら)、地域医療構想の実現に向けて地域の関係者が集って議論する「協議の場」にその機能をもたせてはどうかと提案。今後、日医などと意見調整をしていく考えを示しました。

 またやはり日医などが「偏在是正に向けて一定の規制を受け入れる」との考えについて、▼臨床研修修了後に、地域で一定期間診療に従事することを義務づける ▼保険医の更新制(地域貢献を要件として課す)を設ける―ということも1つの方法であるとして、検討に値するとの評価をしています。

 さらに初期臨床研修については、「地方での研修医や、研修修了後に大学に戻る医師が増加しており、『諸悪の根源』ではない」との見解も示しています。

 医師の地域・診療科偏在の是正に向け、年末にかけて厚労省の審議会で議論が精力的に行われます。医療関係者の意見がどのようにまとまるのかも含めて、注目が集まります。

 なお、日病では78病院(役員・支部長の在籍する病院)を対象に専門医制度についてアンケートを実施します。堺会長は、「新制度の開始はいつからが適当か」「総合診療専門医はどの程度養成すべきか」といった点について「これまできちんと議論してこなかった」とし、病院経営者の生の声を踏まえて、今後の専門医制度改革に臨む考えです。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462026
シリーズ: 医師不足への処方せん
1位聖路加、2位虎の門、3位横浜市立市民、2016年度中間マッチング
市中病院、大学分院の「1位希望人数」ランキング

レポート 2016年9月26日 (月)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 2017年度からの初期臨床研修先を決める、2016年度医師臨床研修マッチングの「中間公表」の結果が9月23日に公表された。

 全国の市中病院と大学病院分院のうち、「1位希望」として登録した人数を基にランキングすると、1位は聖路加国際病院(2015年度は2位)、2位は虎の門病院(同3位)、3位は横浜市立市民病院(10位)となった。いずれも2015年度の「中間公表」と比較して、順位を上げている。特に横浜市立市民病院は10位から躍進、「1位希望人数」も、2015年度の40人から2016年度は54人へと大幅に増加(大学病院本院のランキングは、『医科歯科、東大、京大の「三強」不変、2016年度中間マッチング』)。

 一方、2年連続で1位だった国立病院機構東京医療センターは4位に順位を下げた。同じく上位常連組の国立国際医療研究センターは、造影剤誤投与事故と募集定員の縮小が相まって、2015年度は順位を落とし、8位になったが、「1位希望人数」は2015年度と同数ながらも、2016年度は5位となった。

 2015年度の上位10位以内だった病院のうち、11位以下になった中で目立つのは、沖縄県立中央病院。2015年度6位(1位希望人数は48人)から、2016年度29位(同28人)で、順位と「1位希望人数」ともに大幅ダウン。

 「1位希望人数」が20人以上だった病院は、2015年度は59病院だったが、2016年度は66病院に増加した。

 定員充足率が最も高かったのは、8位の武蔵野赤十字病院(420.0%)、以下、9位の川崎市立川崎病院(400.0%)、24位の済生会横浜市南部病院(322.2%)など。

表1 医師臨床研修マッチングの市中病院・大学病院(分院)ランキング
(「1位希望人数」が20人以上の市中病院、医学部を持つ大学・医科大学の分院を、人数が多い順にランキング。同数の場合は、「充足率」が高い順に掲載。2015年順位の「-」は、「1位希望人数」が 20人未満。※は大学病院分院)
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https://www.m3.com/news/iryoishin/458388
シリーズ: 私の医歴書◆北村惣一郎・国立循環病研究センター名誉総長
専門医制、「10年前と同じ議論が展開」◆Vol.26
2016年9月26日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

――厚労省の審議会等の委員、委員長、関係団体の専門委員、スーパーバイザーやプログラムディレクターなど、心臓外科医や所属施設のマネジメント以外にも、数多くの要職を務めてきた北村氏。その中で、印象に残っている仕事は何だろうか。

数多く経験した公務の中で、苦労したのは、日本専門医認定制機構の代表理事の仕事だという(撮影:近藤宏樹)。
 国立循環器病センターの総長時代は、週に2~3日は東京に日帰り出張していた。会議の時間はだいたい2時間であり、そのために往復5時間かけて行っていたことになる。大阪に戻っても、いったん自宅に帰り、そこから車でセンターに来て、午後8、9時頃から総長室でひと通り書類に目を通すなどして仕事をし、それから帰宅。翌日はまた東京に日帰りといった日々が続いた。

 一番、しんどかったのは、2005年から今の日本専門医機構の前身に当たる、中間法人日本専門医認定制機構の代表理事を務めた時だ。前任者の酒井紀先生(東京慈恵会医科大学名誉教授)から、引き継いだ。

 それ以前に私は、心臓血管外科専門医認定機構を作り、代表理事を務めていた。これは日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本血管外科学会の3学会をまとめ、一つの専門医制度を作るために発足させた組織。厚生労働省が2002年4月から広告できる専門医の外形基準を定めたため、心臓血管外科専門医認定機構ではその要件を満たすための組織作りを行った。当時、血管外科学会は専門医制度を持っておらず、年配の先生からは「試験を受けるなんて、できへん。何とかせい」とも言われたけれど、そこはやはり試験を受けてもらう必要があり、別の委員会で試験問題を作り、年配の先生方にも受けてもらった。それで無事、「3学会構成認定機構」が法人化された。

 日本専門医認定制機構の代表理事への就任要請は、そんな経験もあったためだと思う。ただ、心臓血管外科の場合は、同じ心臓血管領域の診療に従事する医師仲間だから、「この領域をより良くしよう」という共通の思いがあり、それほど大きな問題はなかったけれど、今度は全領域にまたがる問題。代表理事は2005年から3年近く務めたけれど、実際にやってみると「医者ほど、まとめるのに難しい職種はない」と思った。今また、新専門医制度が見直し議論されているけれど、10年前と同じような議論が繰り返されている。

 各学会の立場を代表して理事長たちが集まり、会議をしたが、皆が「自分たちの損になるような制度は、容認して帰るわけには絶対にいかない」と考えていた。それまで学会が運営してきた専門医制度を、第三者機構の立場で認定しようとすると、学会が握ってきた権限が揺らぐ。専門医制度は、受験料や認定料などを徴収するため、それが数百人、数千人規模に上ると、学会にとっては大きな収入源。この財源で学会運営が可能になっている面がある。それを第三者に取り上げるとなったら、抵抗が生じるのは当然のこと。

 「専門医制度を法制化して、その下で動けるようなことはできないか」と厚生労働省に相談したこともあった。日本は「役所が言っているから、予算が付くから」と言えば、まとまりやすい。法律でなくても、関係省庁のガイドライン的なものでもいい。うまく厚労省を巻き込めないかと相談したら「No」で、「先生、厚労省は専門医制度には関わりたくない」と、明快な答えが返ってきた。(日本医学会会長の)高久(史麿)先生も、「厚労省と専門医関連でつながりを作るのは難しい」と言われていた。

 厚労省は、医学会よりも、医師会重視。日本医師会医学賞という賞がある。これは医学会が選考し、賞金は医師会から出ている。各学会は、学会名、あるいは学会に貢献した人の名前を付けた賞を出しているけれど、日本医師会医学賞が、各学会の賞を超える最初の賞と位置づけられている。国の方も、「日本医師会医学賞を受賞していない人には、なかなか紫綬褒章は出せません」といった事情が内々にある。日本医師会医学賞を受賞するのは、毎年3人。各学会の先生方の中には、アンチ医師会が結構おり、日本医師会医学賞は欲しがるけれど、その賞を出している医師会は嫌いという。だから各学会、医学会は、日本医師会から独立して法人格を持ちたいと考える。けれども、日本医師会の定款には、「医学会を置く」と書いているから、簡単に抜け出すことができない。そこで「連合」という名前をつけて法人化した(『日本医学会の新法人、4月に発足へ』を参照)。私はこれには懐疑的だった。「新法人医学会連合には明確な目標や事業計画がないじゃないか」「連合としては、いったい何をするのか」が疑問だった。医療安全も、専門医制も、保険関係も、日本学術会議第2部も、それぞれ別の機構があるからだ。でも結局は、従来と同じことをやっているだけ。こうした事情も、今回の新専門医制度の問題に絡んでいる。



http://www.sankei.com/column/news/160926/clm1609260001-n1.html
【主張】
医療費削減 健康管理策にも力を注げ

2016.9.26 05:01更新 産経ニュース

 医療機関に支払われた医療費が昨年度41兆5千億円に上り、13年連続で過去最高を更新した。

 前年度比1兆5千億円増で、伸び幅も過去一番である。

 高齢化に加え、高額な医薬品が登場したことなどが要因だ。こうした伸びをそのまま許せば、やがて医療保険制度は成り立たなくなる。早急に手立てを講じなければならない。

 厚生労働省は、高額薬について2年に1度の改定期を待たずに値下げするルールの導入、医療機関の窓口負担の上限額などを見直し、高齢者にさらなる負担を求める対応策を検討している。

 少子化で支え手となる若い世代は減っていく。支払い能力に応じて負担し、優先度の高い人に重点配分する仕組みへと踏み込んでいかざるを得ない。

 安倍晋三政権には、聖域を設けず医療保険制度改革を推進するよう求めたい。

 ただ、薬価を極端に引き下げれば製薬会社の開発意欲をそぐ。患者の負担増にもおのずと限度はある。保険制度改革だけで医療費を抑制しようとすることには無理がある。

 改革の手綱を緩めることはできないが、その他の方策にも取り組まなければならない。

 例えば、病床削減や病床機能の再編である。都道府県は人口の将来推計に基づき「地域医療構想」の策定を進めているが、病院同士の利害がぶつかり、構想通りに実現するか危ぶまれている。

 医療の必要性が低い患者の「社会的入院」もなくならない。

 厚労省は受け皿として地域包括ケアシステムの整備を進めている。だが、十分に普及していないのが実情だ。検査の重複などの無駄も残っている。こうした課題の解決には、首相の強力なリーダーシップが欠かせない。

 医療費の抑制にとって、さらにポイントとなるのは国民の健康増進だ。病気を早期に発見し、ひどくなる前に治療に結びつけば、患者の肉体的負担も軽く済む。

 健康診断や人間ドックを受診しやすい環境づくりのみならず、一人一人が食事や運動不足に気を配り、適切な休息をとるという日常生活での注意を心掛けたい。

 保険制度が揺らいでしまったら困るのは国民自身である。医療費膨張を自らの問題ととらえ、官民挙げて取り組んでいきたい。



http://mainichi.jp/articles/20160927/k00/00m/040/098000c
患者中毒死
「悪意ある者の行為防げない」医療現場に波紋

毎日新聞2016年9月26日 22時45分(最終更新 9月26日 22時50分)

 横浜市神奈川区の大口病院で点滴に異物が混入され入院患者が殺害された事件は、患者の命を預かる医療の現場に波紋を広げている。病院では、ミスによる医療事故への対策に万全を期すことが求められる一方、悪意のある者の故意に基づく行為を防ぐことには限界があるとの指摘もある。

 NPO法人「医療ガバナンス研究所」の上昌広理事長は「犯罪を防ぐためにどれだけのコストをかけることができるか。すべての規模の病院を同列で議論するのは難しい」と指摘する。多くの医療機関は経営が厳しい中、ぎりぎりの人員で当直態勢をやりくりしているという。

 大口病院の事件では、ナースステーションに運び込まれた点滴袋の保管場所は施錠されておらず、だれでも触れられる状態だった。上理事長は「点滴はいつでも使える状況にしておく必要がある。看護師は夜中のナースコールで病院中を駆け回っている。鍵をかけさえすれば犯罪を防止できるわけではない」と話す。

 東京都八王子市内の病院の看護部長も、今回の事件について「医の倫理からすればありえないが、故意があれば防ぎようがない」と話す。

 ナースステーションは鍵がかからない構造の病院が多いといい、治療上必要な麻薬などの危険物は個別にカギをかけて管理しているという。界面活性剤を含む消毒液などは医療機器の洗浄のため院内に常備されており、市販もされている。消毒液を鍵がかかるところで管理することは可能だが「外から持ち込むこともできるので現実的でない」という。

 大阪府豊中市内の病院に勤務する看護師(43)は「事件を聞き、病院のセキュリティーの甘さが恐ろしいと感じた」という。「ナースステーションには、消毒剤よりもっと危険な薬物がいくらでもある。施錠できるナースステーションは今ではほとんどなく、だれでも入れてしまう。こうした事件はどこの病院で起きてもおかしくない。完全に防ぐのは難しいだろう」と危惧する。

 多くの病院は、患者との面会を理由に不特定多数の人々が入ることができる。加藤良夫・南山大法科大学院教授(医事法)は「無防備な部分がどうしてもできてしまう。犯罪を完全に止めることは難しいが、だからこそ、点滴の管理方法を見直すなど、できることから対策を立てていくしかない」と語る。【近松仁太郎、山本浩資、有田浩子】



http://mainichi.jp/articles/20160927/k00/00m/040/047000c
患者中毒死
別の患者も中毒死 連続殺人に発展か

毎日新聞2016年9月26日 20時02分(最終更新 9月26日 21時37分)

横浜の大口病院 司法解剖で界面活性剤成分が検出

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に異物を混入されて殺害された事件で、神奈川県警は26日、八巻さんと同じ病室に入院していた別の男性患者1人も死因が中毒死だったと発表した。八巻さんと同様に点滴の投与を受けており、遺体から界面活性剤の成分が検出された。点滴に異物が混入されて殺害された疑いがあり、県警は連続殺人事件の可能性もあるとみて捜査している。

 県警によると、新たに中毒死と確認されたのは、横浜市青葉区の無職、西川惣蔵さん(88)。13日に入院し、4階にある八巻さんと同じ病室に入っていた。点滴を受け、18日夕に容体が悪化し、午後7時に死亡が確認された。西川さんが18日に投与されたとみられる点滴袋が複数捨てられているのが見つかっており、県警は、袋に残った内容物の鑑定を進めている。

 同病院の4階では八巻さんの他に18日から20日にかけて80〜90代の男女3人の入院患者が相次いで死亡。当初はいずれも病死と診断された。だが20日に死亡した八巻さんの点滴に異物が混入されていたことが判明したのを受け、県警が3人の遺体を司法解剖していた。その結果、3人のうち西川さんについて中毒死と判明した。もう一人の80代の男性と90代の女性については病死で、県警は事件との関連性はないとみている。

 西川さんは寝たきりの状態で、死亡する直前まで栄養剤を含め複数の点滴を投与されていた。死亡時に装着されていた点滴は17日午前に病院の薬剤部から4階ナースステーションに搬入されたもので、八巻さんの点滴や、その他の患者の点滴と一緒に鍵のかからない場所に保管されていた。

 八巻さんの遺体や投与された点滴からは、医療機器などの消毒液に含まれる界面活性剤の成分が検出されている。県警は、点滴袋がナースステーションに搬入された17日以降、消毒液が点滴に混入されたとみて調べている。使用されていない約50個の点滴袋が4階ナースステーションに残されており、県警はこれらにも異物の混入がないか調べている。【国本愛、村上尊一】



https://www.m3.com/news/iryoishin/462176
「増収減益」、2016改定の影響を日病が調査
赤字病院の割合は56.5%から60.6%に増加

2016年9月26日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本病院会は9月26日、会員病院を対象とした「2016年度診療報酬等に関する定期調査」の中間集計を報告した。

 2016年6月と2015年6月の単月を比較した中間結果では、診療収益では56.4%の病院で増収、診療単価は入院では59.8%、外来で69.8%の病院が単価増となった。一方で、経常利益の比較では、赤字病院の割合が56.5%から60.6%に増加した。前年より減益となった病院は全体の56.3%を占めた。稼働100床当たりでは、医業収益は1.7%増、医業費用では2.1%増だった。医業費用では、材料費4.6%増、給与費1.8%増が目立った。

 診療報酬・病院経営検討委員会の永易卓氏は中間報告の総括として「増収減益」と説明。「増収は各病院の経営努力。長期入院の患者を後送する、在宅に復帰させていただくことに取り組み、単価アップしたことなどが大きな要因だろう。救急を頑張っていることもある。費用については単月の数字で、いろいろな要因が考えられ一概には言えない」と述べた。

 2016年度診療報酬改定について、堺常雄会長は「一応プラス改定だったので増収になったが、高機能を維持するには人材確保、設備投資が必要で、病院経営は年々厳しくなっていると感じている」と述べた。

 一病院当たりの診療収益では、56.4%の病院で増収。病床区分別では、一般病院が2.04%増となったのに対し、療養・ケアミックスおよびその他病院は低くなっている。また、病床規模が多いほど、収入増の病院の割合が高くなっていた。1日1人当たりの入院の 診療収入(単価)では全体で1.65%増、そのうちDPC対象病院では1.82%増、対象外病院で0.97%、外来で3.80%増となっている。一方で、患者数は入院で54.8%、外来で66.4%の病院で減少した。

 一般病棟・特定機能病院一般病棟・専門病院における7対1入院基本料の算定割合は、488病院のうち68.6%を占めた。病床規模別では、100-199床で33.0%、200-299床で66.7%、300-399床では86.3%、500床以上では92.9%だった。

 重症度・医療・介護必要度は、2016年度改定で導入された新基準を満たす病院は全体の87.5%。内訳は200床以上で90.6%、200床未満で81.9%となった。大病院での紹介状なしの初診時定額負担の中央値は、改定前の3240円から5400円に増加。200床以上の一般病院では79.9%が徴収しており、中央値は2160円だった。

 調査は2016年7月14日から開始、9月30日まで実施する。中間報告では9月23日までに分析が終わった分を対象とした。会員2460病院のうち、682病院(27.7%)が回答、そのうち有効回答数は527病院だった。最終結果は12月に公表予定。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49682.html
収入増も、材料費などの影響で「増収減益」- 改定の影響調査、日病が中間報告
2016年09月26日 21時00分 キャリアブレイン

 日本病院会(日病)は26日、今年度の診療報酬改定に関する定期調査の中間報告を発表した。入院と外来を合わせた診療収益(6月時点)が増加した病院は56.4%(前年同月比1.82ポイント増)を占める一方、経常損益が赤字の病院は60.6%(同4.1ポイント増)、医業損益が赤字の病院は67.2%(同2.9ポイント増)に上った。医薬品などの材料費や人件費が膨らんだためで、全体では「増収減益」となった。【敦賀陽平】

 診療報酬改定後の病院経営への影響を継続して検証するため、日病では毎年6月時点の会員病院の診療収益などを調べている。今回の調査は7-9月、2460病院を対象に実施し、23日時点で527病院から有効回答を得た。病床規模別では、「100-199床」が135病院で最も多く、開設主体では「自治体」が全体の3割を占めた。

 診療収益が増えた病院の割合は、入院が52.9%(前年同月比1.23ポイント増)、外来は61.5%(同3.16ポイント増)に上った。また、患者一人当たりの一日の入院診療収入(単価)が増えた病院は、DPC対象病院が63.4%(前年同月比1.82ポイント増)、DPC対象病院以外の病院は51.8%(同0.97ポイント増)だった。

 さらに、医業損益の状況について調べた結果、回答した485病院の稼働病床100床当たりの経常損益は765万円の赤字で、前年同月から比べると94万円増え、赤字がさらに膨らんだ。

■10月以降も7対1継続は8割
 調査では、一般病棟、特定機能病院(一般病棟)、専門病院における7対1入院基本料の算定状況についても聞いた。精神病棟などを持つ病院を除いた488施設のうち、同基本料を算定している病院は全体の68.6%を占め、病床規模が大きくなるほど、算定する病院の割合が高まる傾向が見られた。

 また、今回の改定で見直された「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の新基準(25%以上)の現状を調べたところ、6月時点で新基準に切り替えていた290施設のうち、新基準をクリアしていた病院は全体の87.5%に上り、このうち「25%以上30%未満」(57.6%)で最も多かった。

 これを病床規模別で見ると、「200床以上」(257病院)では90.6%を占めたのに対し、「200床未満」(33病院)では63.7%にとどまった。200床未満の病院に関しては、次の診療報酬改定までの間、基準を「23%以上」に緩和する経過措置が設けられているが、「23%以上25%未満」と回答した病院は18.2%だった。

 看護必要度に関する一部の経過措置は9月末で終了するが、10月以降も7対1入院基本料の届け出を継続する病院は、回答した335病院の79.1%を占め、次いで「一部の病棟で同基本料以外の届け出を行う」(12.5%)などと続いた。

 調査を担当した日病の定期調査作業小委員会の永易卓委員長はこの日の記者会見で、「特に急性期の病院は、長期入院の患者さんの在宅復帰などに大きく取り組んだことが、単価がアップした大きな要因だと考えている」と述べ、医療機関の経営努力が増収につながったとの見方を示した。

 材料費と人件費が伸びた原因については、「職員数は変わっていないが、定期昇給などで公的から私的に至るまで、人件費のアップは相当な額になっている。多くの職員を抱えないと、急性期の医療が提供できない。高額な薬剤や材料も必要になるので、その結果、人件費や材料費が上がったと思う」と述べた。

■新専門医制度でアンケート実施
 会見ではまた、堺常雄会長が新専門医制度に関するアンケート調査を実施することを明らかにした。日病の役員と各ブロックの支部長が経営する78病院が対象で、新制度の開始時期や「総合診療専門医」の養成数など21項目について、9月末までに回答を求める。10月下旬に開く理事会で調査結果が報告される見通しだ。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49669.html
7対1病棟を変更、病院全体の2割超- 「病棟群」は15病院、日病協調査
2016年09月23日 20時00分 キャリアブレイン

 13団体でつくる「日本病院団体協議会」(日病協)は23日、7対1病棟(一般)を持つ病院を対象に行った春の診療報酬改定に関する動向調査の結果をまとめた。次の改定が予定されている2018年4月までの間、別の病棟などに変更する意向を示している病院の割合は、既に届け出を終えた病院を含め、全体の21.59%だった。【敦賀陽平】

 今回の改定では、患者の重症度を測る指標となる「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の項目が大幅に見直され、7対1病棟では、看護必要度を満たす患者の割合が、「15%以上」から「25%以上」に引き上げとなった。現在、7対1病床は約37万床に上り、一般病床の半数超を占めるため、病院経営への影響が懸念されている。

 厚生労働省によると、昨年4月時点で一般病棟7対1入院基本料を届け出ている病院は全国で約1530病院。日病協では今年7月の約1カ月間に、7対1病棟(一般)を持つすべての会員病院を対象に調査を実施し、全体の約6割に当たる894病院(約28万6000床)から有効回答を得た。

 今年4月から18年4月までの間に、一般病棟7対1入院基本料を他の入院料などに「変更した(する予定)」と回答した病院は193施設=表=。変更先では、一部の病棟を地域包括ケア病棟入院料に変更する病院が112施設とトップで、その理由(複数回答)としては「看護必要度の基準を満たせなくなった」(56施設)が最も多かった。

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 112施設を病床規模別で見ると、「200-399床」が全体の約6割を占めた。また、月末までに同入院料への変更を終えると回答した病院は68施設で、「来年3月まで」は36施設、「来年4月-18年4月」は8施設だった。

■新基準、7割超が「改定前にクリア」
 一方、看護必要度に関する質問に回答した892施設を対象に、看護必要度への対応状況について聞いた結果、「改定前から基準をクリア、ただし対策を講じた」(334施設)と「改定前から基準をクリア、その後も対策は不要」(307施設)を合わせ、全体の7割超は改定前から新基準を満たしていたことが分かった。

 看護必要度の新基準を満たせない場合の経過措置として、同省は10対1病棟との混在を認める「病棟群単位」の届け出を新設したが、今回の調査で、7対1病棟からの変更先として挙げた病院は15施設にとどまり、月末までに届け出を終える病院はわずか3施設だった。

 病棟群単位の届け出をいったん検討したものの、最終的に見送った182病院に対して、その理由を聞いたところ(複数回答)、届け出の変更が1回に限られるという制度上のルールを挙げた病院が92施設で最も多かった。

■「病院が頑張っている姿が見て取れる」
 改定前に新基準をクリアしていた病院が多数を占めたことについて、取りまとめ役となった原澤茂副議長(全国公私病院連盟常務理事)はこの日の記者会見で、「多くの病院がさまざまな対策を講じ、基準をクリアする努力をしていることが自由回答で見られた。医療の質を担保し、地域医療のニーズに合わせるというところも含め、病院が頑張っている姿が見て取れると思う」と述べた。

 原澤副議長はまた、「調査結果は病床数の話で、稼働率に関する質問は出さなかった。内容に少し問題があった。厚労省などが出すいろんなアンケートを見ながら実態を考えたい」とも語った。

 病棟群単位の届け出数が15施設にとどまったことに関して、神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「日病協は単に、7対1、10対1、13対1のミックス型を要望していた。(18年度の)診療報酬の要望事項に入れるかどうかはこれからの議論だが、(要望としては)ありなのではないか」との認識を示した。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0926504817/
インスリン10倍投与、糖尿病患者死亡...看護師のカルテに虚偽
yomiDr. | 2016.09.26 11:20〔読売新聞〕

 長崎県川棚町の国立病院機構・長崎川棚医療センターは23日、糖尿病を患う入院中の女性患者(80歳代)に、看護師(20歳代)が誤って指示量の10倍のインスリンを点滴で投与し、死亡する事故が起きたと発表した。

 看護師は、点滴を使ったインスリン投与が初めてで、決められた手順を踏まず、カルテには虚偽の血糖値を記入するなどしていた。

 センターによると、事故は8月31日に発生。看護師は、血糖値を下げるインスリンを注射器を使って点滴に注入した際、指示量は0・1ミリ・リットルだったのに1ミリ・リットルを入れ、午前0時30分頃に投与を始めた。同8時50分頃、病室を訪ねると、患者は心停止状態だったという。

 看護師は、点滴を使ったインスリン投与の経験がなく、専用の注射器ではなく、1目盛りの量が10倍の一般の注射器を使っていた。この日は、2人で行う投与前の確認を怠っていたほか、定時(午前6時)の血糖値測定をせず、カルテに虚偽の数字を記入していた。

 患者の心拍監視装置も故障していたため、心拍数低下時に作動するアラームも鳴らなかった。

 投与前の確認を2人で行わなかった理由について、看護師は「(同じ夜勤の同僚に)点滴に注入するのが初めてだと知られたくなかった」と話しているという。

 センターは遺族に謝罪し、第三者機関「医療事故調査・支援センター」にミスを報告するとともに、県警に相談した。宮下光世(こうせい)院長は「死因は特定できていないが、過剰投与と関連があるとみている。心からおわび申し上げたい」と述べた。

 医療事故の被害者らでつくる市民団体「医療の良心を守る市民の会」(事務局・千葉県浦安市)の永井裕之代表は「看護師がミスを起こした背景を明らかにし、病院の体制の見直しにつなげる必要がある。一個人の責任にしてはならない」と指摘した。

(2016年9月26日 読売新聞)



http://www.asahi.com/articles/ASJ9V2PXKJ9VUBQU00S.html?iref=com_apitop
シリーズ:特集
国保病院、改革へ厳しい道のり

古沢孝樹 2016年9月26日08時14分 朝日新聞

 岐阜県関ケ原町にある国民健康保険関ケ原病院(88床)は、町の財政援助を受けながら65年以上にわたり地域医療を支えてきた。診療報酬の改定や医師不足、患者の減少もあり、小さな町が支えるのは困難を極めている。ここにきて病床数を20床未満の診療所にすることで、何とか存続させようという改革案が住民に示された。

■病院の今

 「赤字のために繰り入れしても経営の立て直しが厳しい」

 先月28日、関ケ原ふれあいセンターであった町民対象の説明会。約600人を前に、西脇康世町長は来年4月をめどに、病院を診療所に縮小する方針に理解を求めた。

 町の一般会計の規模は40億円ほど。このうち、病院会計の繰り入れは約6%に当たる2億5千万円。9月定例町議会では、さらに2億5千万円を追加で投資する補正予算案が可決された。

 人口約7400人の町にとって、一般会計の1割を超える財政負担はあまりにも重い。町の財政が上向く要素は見当たらず、担当者は「将来、財政破綻(はたん)しかねない」と危惧する。

 住民説明会では特段、診療所への縮小案に反対意見は寄せられなかった。だが、これまでの町のかじ取りについては「何もしてきていない」と厳しい声が上がった。

 事実、町が対応を本格化させたのはここ数年だ。2012年度に独立行政法人化を、15年度には指定管理者制度の導入をそれぞれ検討したが、実現しなかった。

 今年4月、島崎信院長が就任すると、病院は町とともに本格的な改革に着手する。5月から4回開催した「関ケ原町病院運営審議会」の中で、病床数を中心に改革案を練り上げた。「町民福祉の点で、町財政の支出は避けられない。町民の理解を考慮し、無床ではなく一定の有床とすべきだ」と提言。無床を避けたい西脇町長の考えと一致した。

■なぜ赤字なのか

 そもそも、関ケ原病院はなぜ赤字なのか。

 病院によると、02年ごろから診療報酬の引き下げの傾向が続き、新臨床研修制度が導入された04年以降、都市部の病院に医師が集中することで医師不足も生じたことが大きいという。

 ピーク時に22科あった診療科は18科に減り、常勤の医師数も19人から現在は8人にまで落ちこんだ。昨年度、入院患者は1日平均107人とピーク時の約3分の2、外来患者では211人とピーク時の半分以下に落ち込み、負の連鎖が続いている。

 県医療整備課や市町村課によると県内102病院のうち、公立は12自治体に15病院ある。いずれも「台所事情」は苦しく、一般会計からの繰り入れで運営する。関ケ原病院の黒字は、15年度までの20年間で1996年度と2001年度のみ。累積赤字約18億4千万円、病院の建て直しなどによる起債残高は約12億円(15年度末)にのぼる。

■改革、厳しい道のり

 関ケ原病院が改革案通りに進んだとしても、赤字の解消に向けた道は険しい。

 職員の退職に伴う一時的な人件費の増加や設備の更新に加え、19年度には大部分の起債の償還を迎える。それでも島崎院長は「ピンチをチャンスに変えたい」と話す。

 15年度の外来患者のうち、町民は約54%しかなく、入院患者にいたっては約35%しかない。「町民のための医療機関」であることを改めて意識し、望むべき地域医療のあり方を再構築することが、喫緊の課題だと考える。

 全国的に見ても、在宅医療や介護の必要性が増しているという。「交通弱者」の高齢者が通院を諦め、適正な医療を受けられないケースもある。そこで町は、「訪問診療」に活路を見いだそうとしている。

 島崎院長は「医療事情は地域によって様々だが、病院難民ともいえるようなケースは、都市部でも起こりうる。(関ケ原町でいえば)小回りのきく住民サービスを提供するため、病院と自治体が今以上に連携を密にして、新しい地域医療の形を模索する必要がある」と指摘する。



https://www.m3.com/news/general/462046
院内犯否定できずと院長 白衣姿で遺族に哀悼
2016年9月26日 (月) 共同通信社

 横浜市神奈川区の大口病院で24日、高橋洋一(たかはし・よういち)院長が記者会見し「ご遺族に哀悼の意を表する。一日も早い真相究明を願っている」と述べ、白衣姿で頭を下げた。犯人が院内の人物の可能性も否定できないとした上で、高齢者施設での虐待事件などが相次いでいることに触れ「今回がその流れで起きているならば残念だ」とも漏らした。

 高橋院長は、殺害された八巻信雄(やまき・のぶお)さん(88)以外の死者について「コメントできない」としたが「これ以上行き先がない方を受け入れており、亡くなる方が多い」と、病院は終末期医療の場だと明かした。八巻さんも会話ができない重篤な状態だったという。

 病院側の説明では、夜間は警備員が表玄関におり、裏側の職員用出入り口は施錠され鍵は警備員が管理していた。表玄関には、防犯カメラが設置されている。

 八巻さんがいた4階の病棟には当時、普段通り2人の夜勤の看護師がいた。うち1人が八巻さんの病室を担当し、少なくとも2時間ごとに巡回。異常を知らせるアラームが鳴る1時間前の20日午前3時ごろの段階で、心拍数などの数値に異常がないと確認した。

 看護部長の女性は事件について「非常に残念で、ショック。本当に申し訳ない」と語り、うつむいた。

 会見は表玄関横の駐車場で開かれ、3人の弁護士のほか事務部長と看護部長も参加した。50人以上の報道陣が集まった。



https://www.m3.com/news/general/462031
現場に戸惑い、届け出低調 責任追及に警戒感も 「医療事故調査制度1年」
2016年9月26日 (月) 共同通信社

 診療に関連した患者の予期せぬ死亡を対象とする医療事故調査制度の開始から10月1日で1年となる。医療機関が自ら第三者機関へ届け出て、事故原因を究明する取り組み。患者側との信頼構築につながると期待されるが、届け出件数は想定の半分にも満たない。医療側からは「予期せぬ」の判断を巡る戸惑いや、責任追及への警戒感も。狙い通りに機能するには時間を要しそうだ。

 ▽判断に苦慮

 「病院では患者が突然亡くなることもあるが、届け出が必要なケースかどうかの判断が難しい事案が少なくない」。これまで、制度上の院内調査の対象となる事案はないという埼玉県の総合病院。それでも院長は運用に神経をとがらせる。

 制度は、患者の予期せぬ死亡や死産に関し、第三者機関「日本医療安全調査機構」への届け出とともに院内調査の実施を規定。その対象とするかどうかは、当該医療機関の管理者が、死亡リスクなどに関する患者側への事前説明や診療録への記録を確認して判断することになっている。

 機構は制度開始前、年間の届け出は千~2千件とみていたが、今年8月までの11カ月間で356件。当初から懸念された通り「『予期せぬ』の範囲の捉え方に現場が戸惑っている」との見方があり、遺族関係者からは複数の医療団体が別々に指針を示している状況を問題視する声も出ている。

 この総合病院は現在、院内に検討チームを設置。医療事故があった場合の対応に関し、調査委員会の発足や外部委員の招集方法などを定めたマニュアルを作成中という。

 ▽訴訟リスク

 一方で、院長は「もともと医療には不確実性が伴うが、その点の理解がなかなか広がらない」と嘆く。院内調査が遺族側による責任追及のきっかけになるのではないかとの意識が拭えないと本音を明かし、「判断に迷う事案ならば、そもそも届け出はしないという医療機関はあるかもしれない」と話す。

 こうした状況を踏まえ、厚生労働省や機構は、制度の趣旨はあくまで再発防止にある点を周知するため医療機関向けの説明会などで啓発を図っているが、訴訟リスクへの警戒感は根強く、機構の関係者からは「理解が浸透するにはまだ時間がかかる」との声が上がる。

 ▽見直し

 厚労省は6月、制度を定めた医療法の関係省令を改正。医師会などで構成する連絡協議会を各都道府県に一つずつ設置すると決めた。現場の相談窓口を統一し、死亡事案に関する情報を共有することで届け出判断のばらつきを防ぐ狙いだ。

 ただ機構によると、制度に基づく協議会が既につくられているのは全都道府県の半数程度とみられる。設置時期や運用は各地域に任されているため進捗(しんちょく)状況は地域ごとに異なり、本格的に機能するのはこれからだ。

 厚労省の検討部会で委員を務めた認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子(やまぐち・いくこ)理事長は「届け出が必要なのに医療機関が独自に『必要ない』とし、患者側も制度の内容を深く知らずに声を上げないケースがある。国民全体の理解を深めていく必要がある」。調査結果に関する報告書の交付義務がない点などに遺族らは不満を示しており「1年たって何が足りないか見えてきた。今後も状況に合わせて見直していくべきだ」と話す。

※医療事故調査制度
 全国18万カ所の医療機関や助産所などを対象とする仕組みで、医療法に盛り込まれている。診療や治療に関連した患者の予期せぬ死亡や死産が起きた場合、第三者機関に指定された「日本医療安全調査機構」(東京)への届け出や院内調査、遺族に対する調査結果の報告を義務付けた。ただ遺族への調査報告書の交付は「努力規定」にとどまっている。調査結果を不服とする遺族は、機構に再調査を依頼できる。機構は報告を基に、事故が多い症例の再発防止策を検討する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/462146
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
白橋被告への質問が終了、年内に結審へ
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第36回公判

2016年9月26日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第36回公判が、9月23日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、ノバ社元社員の白橋伸雄被告への質問が行われた。白橋被告への質問もほぼ終了し、11月中に論告求刑が行われ、年内は結審に至る見込み。

 検察側は、「不存在」などとしてきたカルテが公判中の調査で見つかった問題(『57例の「不存在」カルテが現存、検察が謝罪』を参照)で、新たに4例のカルテが見つかったことを報告した。

 この日の公判でも公訴事実に含まれる、バルサルタン(ディオバン)とCa拮抗薬の併用効果を調べた CCB論文の群分けについての質問が集中した。論文ではCCB投与群の定義を「研究期間中のCCBの使用期間が12カ月を超える場合」となっているが、白橋被告は研究開始時の投薬状況のデータがなかったことから、無作為化前の投薬状況から研究開始時点を「推定」し、群分けをしたと説明している(『併用薬剤の使用状況は「推定」、KHS 』を参照)。検察側は「論文の定義に従って群分けをしたと言えるのか」と質問すると、白橋被告はKHSでは12カ月を最低観察期間としていることから、「間違っていない。定義には『12カ月』としてか書いていないので、その一点で定義に従っている」と釈明した。裁判官は白橋被告に「どうして『推定した』と論文に記載しなかったのか」という質問。「あまりにもデータがない中で推定したことが問題になるかと思ったから」と答えた。

 白橋被告は「推定」で群分けをしたということを、公判が進む中で2016年5月頃に思い出したと説明している。一方で、論文作成当時の状況については「明確な記憶はないが事務局の男性医師Aらと何度も相談した」と述べており、裁判官は「なぜもっと早く思い出すことができなかったのか」と尋ねた。白橋被告は「定義通りに12カ月使用しているかどうかという議論が進んでおり、記憶も明確でなく、その前提で分析をするする中で、違和感をあって気付いた」などと説明した。

 また、検察側は白橋被告のUSBメモリなどから押収された複数の解析用データを時系列に整理しながら、イベント発生数が増減している点について確認。白橋被告は「分からない」「使っているファイルが何か分からない」などと答えた。また、「主論文の図表を統一的に説明できるデータはないのか」という質問には「はい」と答えた。

 この日の最後に、辻川裁判長が本裁判の論定を整理した紙を、検察側、弁護側医に配布。次回公判までにその紙に沿って双方の主張を整理することを求めている。また、次回公判では、「不存在」とされていたにもかかわらず新たに見つかったカルテについての、弁護側の見解を記した書面の証拠調べなどが行われる。その後、11月には論告求刑、年内には結審する見通しとなっている。



https://www.m3.com/news/general/462158
逮捕医師の釈放求め署名活動始まる
2016年9月26日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪で8月25日に逮捕、9月14日に起訴された東京都内の男性医師(40)が現在も勾留されていることに対して、東京都足立区の柳原病院の同僚医師らが中心になって、早期釈放を求める署名活動を始めた。

 署名活動を行っているのは、問題となった手術で逮捕、起訴された男性医師とともに執刀した同病院の常勤医師などで、暫定的に「外科医師を守る会」(名称変更の可能性あり)を結成した。

 東京地裁は勾留理由開示公判で「罪証隠滅の疑い」があるとして、男性医師の勾留を認めている。署名用紙では「医師の長期に及ぶ身体拘束は、現場の医療に混乱を及ぼし、医師や医療関係者に不安を与え、医療の委縮につながるばかりか、多くの患者の生命や健康にさえ損害を及ぼす重大事態です。4回にわたる家宅捜索も済み、関係証人の取り調べも終わり、全ての証拠が集められ、証拠隠しや口裏合わせの余地はありません」と訴えている。

 起訴前に提出した 嘆願書で約1000筆の署名が集まっていることもあり、目標を5000筆とし、東京地裁に定期的に釈放請求とともに提出する。呼びかけ人として名前と肩書を出すことができる人も求めている。医師や医療従事者に限らず、広く募集している。署名用紙などについての問い合わせは柳原病院事務(03-3882-1928)。

 また、「外科医師の早期釈放を求めます」 というネット署名活動も行っている。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/54635/Default.aspx
厚労省・磯部課長 医薬品の使用・選択は「事実上メーカーに支配」 医師・薬剤師の協同で最適使用実現を
公開日時 2016/09/27 03:52 ミクスオンライン

厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課の磯部総一郎課長は9月25日、都内で開催された日本女性薬局経営者の会(JLIPA)で講演し、医薬品の使用・選択が「事実上メーカーに支配されているのでは」と述べ、製薬企業のMRを通じたディテーリングに問題意識を示した。今後の医薬品使用・選択の方向性については、医師と薬剤師がそれぞれの職能を発揮して協同し、最適な薬剤を選択することが中心となる姿に改めるべきだと強調した。一方、製薬企業は、これまでの個々の医師に注力したプロモーションから、「医療機関や地域」を軸とした活動にすべきだとした。情報提供を行う必要はあるものの、MRを介す必要はなく、情報収集、副作用報告を中心とした活動に改めるべきだとした。

磯部課長は、MRからのディテーリングが処方に影響を与えていることを問題視。「よく訪問しているMRがいい奴だとかいう理由で薬が選ばれていたらおかしい」と強調した。その上で、医薬品の使用・選択に際しては、医療機関や地域で、医師と薬剤師が、個々の医薬品の特徴や比較などの「情報を取捨選択し、専門的なディスカッションをして進めるのがあるべき姿」(文末の関連ファイル参照)との考えを表明した。こうした方向性を実現するためには、「インセンティブをつける仕組みを作ることで、こういうことがし得るのではないか」との考えも示した 。

一方で、製薬企業は「情報提供を行う必要はあるが、(MRが)行く必要はない」と述べ、MRを介さずに情報提供を行うことが必要だとの考えを示した。さらに、MRを増やして営業活動を行った企業に対して薬価を引き下げる、いわゆるMR減算の仕組みなども一考だとした。

また、「ジェネリックは極端にMRを減らすビジネスモデルの試金石だと思った」と述べた。


◎地域包括ケア時代の薬剤師像 生活の一部に存在する医療専門職として役割発揮を

今後の薬局像については、地域包括ケアシステムの中で、「医療者でありながら、商店街にあるというのは大きい」述べた。生活の一部である商店街に、医療に根差した専門職がいることで、「患者は、(求めるサービスが)医療か介護かもわからない。そういう人たちに手を差し伸べてあげる立場にいるのが薬局だ」と述べ、日常生活に根差した場所に存在する薬剤師が、地域包括ケアシステムの中で要の存在となることに期待感を示した。

これまでに検討事項にあがったものの、実現には至っていないが、慢性疾患でのリフィル処方せん調剤や箱渡し調剤などは薬局の業務を変える最大のチャンスとの見方も示した。


  1. 2016/09/27(火) 07:30:14|
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