Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月25日 

http://mainichi.jp/articles/20160925/ddr/041/040/004000c
横浜・患者中毒死
点滴に界面活性剤 死亡患者の袋内に泡

毎日新聞2016年9月25日 北海道朝刊

 横浜市神奈川区の大口病院で入院患者の八巻信雄さん(88)が点滴に異物を混入され殺害された事件で、八巻さんの体内と点滴袋から界面活性剤の成分が検出されていたことが捜査関係者への取材でわかった。八巻さんの死亡確認後、看護師が点滴袋に残った液体に微量の泡を見つけ、異変に気付いた。神奈川県警は界面活性剤が泡になったとみて調べている。【国本愛】

 捜査関係者によると、点滴袋に破れなど目立った異常はなく、注射器を使用するなど目立たない方法で異物が混入された可能性があるという。

 県警によると、20日午前4時ごろ、八巻さんの心拍数低下を知らせるアラームが鳴り、4時55分ごろに死亡が確認された。その後、女性看護師が、八巻さんの点滴内が泡立っているのに気づき、病院が県警に「点滴に異物が混入された可能性がある」と通報した。看護師が19日午後10時に点滴を交換した際には、点滴袋の異常に気付かなかった。病院によると、看護師が20日午前3時過ぎに血圧や心拍数を確認した際も八巻さんに異常はなかったという。

 捜査関係者などによると、点滴袋は病院の薬剤庫で保管され、薬剤師が毎日、翌日に使うものを用意。看護師らが担当フロアのナースステーションに運んで管理する。ナースステーションでは施錠のない場所で保管されていたという。八巻さんが入院していた4階のナースステーションには、界面活性剤の成分が含まれる物品も置かれていた。

 八巻さんと同じ4階に入院し、18日以降に死亡した80〜90代の男女3人のうち、18日に死亡した男性2人は点滴を使用していたという。県警は、点滴袋の微量の残留物を調べるとともに、3人の死因を詳しく調べている。
職員飲み物に異物/服切り裂き

 大口病院の高橋洋一院長らが24日、病院前で記者会見し、八巻さんが入院していた同病院4階で今年、職員のペットボトル飲料に異物が混入するなど3件のトラブルが発生していたことを明らかにした。病院はいずれのトラブルも把握していたが、「院内で対処すべきだ」と考え、警察へは通報しなかったという。

 院長らの説明によると、今年8月、同病院を退職する職員から4階で勤務する職員へ差し入れられたペットボトル飲料に異物が混入された。飲もうとした看護師が気付き、事務部長が飲料を口に含んだところ、漂白剤のようだったという。春ごろには、4階のナースステーションの壁に掛けられていた看護師の服が切り裂かれていた。6月には、入院患者1人のカルテ数枚が医師の机の上からなくなり、5階の看護部長の机から見つかったという。

 高橋院長らは「看護師らに聞き取りをしたが、いずれも職員間の嫌がらせに過ぎないとして警察には相談しなかった」と説明した。

 高橋院長は会見の冒頭、「八巻さんとご遺族に深い哀悼の意を表する」と述べた。入院患者が殺害されたことについては「施設職員による高齢者への虐待など、信じがたい事件の報道があるが、勤務している若い人がそうした感情を持っているとしたら理解できない」とし、事件については「捜査に全面的に協力している。私は職員を信じている」と話した。【藤沢美由紀】

 ■ことば
界面活性剤
 水と油を混ざりやすくする働きを持つ物質で、洗浄や消毒などの作用がある。主に石油などを原料として作られている。家庭では台所用や洗濯用の洗剤、シャンプー、化粧品などに使われ、医療現場では器具の洗浄や消毒などに用いられている。大量に口から摂取した場合は、腹痛や嘔吐(おうと)、下痢、吐血などの中毒症状を起こし、血液中に入った場合は赤血球の細胞膜を破壊するなどして死に至ることもある。



https://www.m3.com/news/general/461490
茨城)県西総合病院に常勤外科医復活 筑波大が派遣
2016年9月24日 (土) 朝日新聞

 今春から常勤外科医のいない状態が続いている桜川市の県西総合病院で、新たな外科医が来年4月から勤務することになった。現状では外科手術ができず、入院患者や救急患者の受け入れも困難だ。筑波大から外科医3人の派遣が決まり、来年4月から常勤で診療にあたる。

 県西総合病院は桜川、筑西両市でつくる一部事務組合が運営する。12の診療科があり、医療機関の少ない桜川市で、長年にわたり地域医療を支えている。外科部門は千葉大との関係が深く、3人の常勤外科医は千葉大からの派遣だった。

 今年1月に3人の引き揚げが決まり、4月から常勤外科医がゼロになった。同時に、消化器内科の常勤医が退職。外科手術ができず、入院が必要な消化器疾患の受け入れも不可能になった。救急車の搬送件数も減り、2015年度4~9月は300件余り受け入れたのが、今年度同期は100件余り下回るという。

 病院によると、筑波大から派遣が決まった3人の外科医は、いずれも20年以上のキャリアがあるという。中原智子院長は「消化器系の外科手術には対応可能」とし、「ベテラン外科医が来てくれることは地域にとっても心強く、期待も大きい」と喜ぶ。

 県西総合病院と、隣接する筑西市の筑西市民病院は新中核病院に再編され、18年10月に筑西市内に開院予定だ。地域での2次救急医療の完結を目指すが、3人の外科医は新中核病院でも勤務するという。

 県西総合病院は、関係機関と協力して消化器内科の常勤医確保に力を注ぐ。中原院長は「すぐには『24時間365日救急患者受け入れ』とはいかないが、態勢確立に努める。新中核病院の開院まで、地域医療をしっかりと支えていかなければならない」と話す。(吉江宣幸)



https://www.m3.com/news/iryoishin/461725
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
VART撤回の経緯を説明、日本高血圧学会
「honest errorは本人が言うこと」と説明

2016年9月25日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本高血圧学会は9月23日に開催したプレスセミナーで、同学会誌「Hypertension Research」に2010年に掲載された千葉大学のディオバン研究「VART Study」の主論文が撤回された経緯を説明した。

 Hypertension Research編集長の石光俊彦氏(獨協医科大学循環器・腎臓内科教授)はhonest errorとして撤回した是非について、「不正がないことを証明するのは悪魔の証明。ものすごく難しい。不正があることを証明するには一つでも証拠があればできるが、それが今のところ認められていない」と説明した。

 石光氏によると、千葉大教授だった責任著者の小室一成氏(東京大学大学院医学系研究科器官病態内科学講座循環器内科学教授)から2016年4月に訂正が出されたが、学会は訂正されたグラフなどでは元の論文の矛盾を説明できず認められないと判断。幾度かのやり取りを経て、小室氏が8月にhonest errorとして撤回を申し出たという。石光氏は「honestというのは本人が言うことであって、それを否定することができなければその通りに記載せざるを得ない」と述べた。

 日本高血圧学会としては、新事実が出ない限りは、論文撤回を持ってVART Studyに対する対応は終了となる。梅村敏理事長は「不正があったとは証明はできないので、今の対応(小室氏に対して2015年3月に「厳重注意」としている)だと思う。手持ちの資料で断言することはサイエンティフィックにもできない」と説明した。

 VAERT Studyでは主要エンドポイントでは有意差がないものの、副次エンドポイントではディオバン群に有意に低下した結論になっている。ディオバン群に有利になるような意図的なデータの脱落があるという疑義が呈されている点について、石光氏は「大幅な脱落は、心エコーなどは多くの症例でできる検査ではなく、経過の中で多数の症例に施行できないのは、ある程度予想されること。J-CLEAR(臨床研究適正評価教育機構)の谷明博先生による『ディオバン群で心筋重量が高かった症例が意図的に除外されているのでは』という指摘については、元データが残っていないので検証することができない」と説明。有利になったかどうかについては「そもそも症例数が半分以下になっているので、両群を比べただけでは不正な操作が行われたとは断定できない」との見解を示した。

 また、現存しているデータの作成には、現在、東京地裁で薬事法違反で公判が進んでいるノバルティスファーマ社元社員の白橋伸雄氏が関与していると指摘した上で、「データが論文と一致しないことも問題となっている」と述べた。



http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20160920-OYT8T50035.html
『医師の感情』 ダニエル・オーフリ著
評・柴田文隆(本社編集委員)
2016年09月26日 05時24分 読売新聞

不安と恐怖を直視する

 医師は、感情に溺れず常に冷静であることを求められる。一方で、血の通わない診断ロボットになるな、患者に寄り添える人であれと教育される。だが医師も生身の人間だ。

 救えなかった命に対する自責の念、自信喪失、激務による心身の疲労、最善を尽くしても避けられない訴訟への恐怖……。こうした危機にさらされながら、医師が誠実さを失わず、燃え尽きず、成長していくのは容易でない。

 米国最古の公立病院で内科医として働く著者は言う。この不安と恐怖は「度を超さなければ、他人のケアにあたるうえで欠かせない畏敬の念と緊張感を保つ役割を果してくれる。私達たち医師は不安や恐怖をきちんとしまいこんでおかなくてはならないが、その感情を殺してしまってはいけないのだ」と。臨床の現場で医師たちが日常的に襲われるこうした感情の問題は、個々の医師に解決を丸投げしてすむような問題ではない。社会システムとしての医療、患者の利益を考える時、目をそらしてはならないテーマなのだ、と著者は考える。

 本書では、医師の心の問題を病院ぐるみで支援し成果を上げた事例なども紹介されている。だが無論、この問題に即効薬はない。

 全ての患者に共感できるスーパー医師を望んでも仕方ない。著者にも、頻繁に来院しては「今までで最悪の腹痛」「最大の頭痛」と毎回訴える常連さんがいる。著者は共感することの難しさを率直に認めたうえで、なお「そのうちの一つが本当になにか深刻な、命にかかわるような異常のサインである可能性がないとは言えない」と注意を怠らない。この職業的愚直さこそ、患者への慈しみなのだと思う。

 医療とは聴診器の両端で人と人がなす共同作業だ。「患者がどのような病を患っているかを知るよりも、どのような患者が病を患っているのかを知ることの方がはるかに重要である」という言葉が心に残る。堀内志奈訳。

 ◇Danielle Ofri=内科医。ニューヨーク大医学部准教授。雑誌に寄稿、ノンフィクション、エッセーの著作も。

 医学書院 3200円


  1. 2016/09/26(月) 05:45:59|
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