Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月21日 

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/105110.html
病理医不足が深刻、全国最少の県 登録12人の福井、嶺南は常勤ゼロ
(2016年9月21日午後5時00分) 福井新聞

 病理医は患者の組織や細胞を調べ、病気の種類、性質、広がり具合を最終診断する。治療を左右する重要な役割だが、日本病理学会のホームページなどによると、福井県内で登録されている専門医は12人と都道府県別で最も少ない。嶺南の医療機関には常勤医がいない状況だ。

 ■医者の中の医者

 胃や大腸の内視鏡検査を行うと、進行しているがんは肉眼で一定の確認はできるが、最終的な診断は病理医が行う。福井大医学部附属病院(永平寺町)の今村好章・病理診断科長は「悪性腫瘍にもさまざまな種類があり、最終診断は組織を顕微鏡で見なければ分からない。診断で治療方針が変わる場合があり、病理医がいなければ次の段階に進めない」と説明する。

 手術中に行う「術中迅速診断」は、患者から採取した組織を十数分で調べ、がんかどうかを確定したり、切除範囲を決めたりする。乳がんは乳房を温存する手術が増えており、病巣を取り残すと再発につながり、病理医の判断が問われる。

 遺伝子レベルで薬の効果などを判定する「分子病理診断」や、感染症の原因が細菌かウイルスかを確かめるのも治療に大きく関わる。今村科長は「直接患者と接する内科医や外科医のように前面には出ないが、チーム医療の中で非常に重要な仕事。病理医は“医者の中の医者”ともいわれる」と強調する。

 ■年間1万件超

 病理専門医の数は石川県36人、富山県25人と、北陸3県でみても福井県の少なさが目立つ。常勤医がいない杉田玄白記念公立小浜病院(小浜市)や国立病院機構敦賀医療センター(敦賀市)には、福井大の医師が週1、2回出向いて、診断に当たっている。これらの医療機関では、術中迅速診断が必要な症例の手術を病理医が来る日に行うなどの制約を受けている。

 どの医療機関も常勤医を長く募集しているが、なかなか希望者が集まらないという。日本病理学会に登録している専門医は全国で2300人余り(8月18日現在)なのに対し、一般病院の数は7400を超えており、人手不足は全国的な課題だ。国民の2人に1人ががんになるといわれ、高齢化に伴って今後も患者は増えていく。福井大医学部附属病院では病理診断件数が年間1万件を超えており、右肩上がりの状況という。

 福井県と福井大は15年度に病理医を含むがん専門医を育成する研修プログラムを始めた。今村科長は「大学では病理医が徐々に増えているが、これまでは医学生も含め、一般に役割が知られておらず、志望者も少なかった。病理医を主人公にした漫画やドラマも発表されており、多くの人に役割を知ってほしい」と訴えている。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0921/ym_160921_3929944732.html
群大病院、組織責任認める意向…遺族に伝える
読売新聞9月21日(水)15時35分

 群馬大学病院の手術死問題で、病院側が組織としての過失責任を認める意向を一部の遺族に伝えていることがわかった。
 病院は責任を認めた上で必要な補償を行う方針だ。遺族側の弁護団によると、医療事故を巡り、病院側が、医師が行った医療行為の適否だけでなく、組織自体の過失責任を認めるのは異例という。
 群馬大病院は今年7月に調査報告書が完成したのを受け、死亡した50人の遺族に調査結果を個別に説明しており、近く終了する。
 弁護団によると、代理人を務める7遺族への個別説明に際し、「執刀医らの医療行為、診療科長(教授)の監督行為、病院の構造・組織の不備」をいずれも問題として病院組織の責任を認めるか尋ねた。これに対し田村遵一病院長らは「指摘の通り。病院の管理体制が悪かった」などと組織の責任を認め、補償する考えを伝えた。執刀医や教授の今後の対応にかかわらず、病院としては補償を行う方針。



http://www.medwatch.jp/?p=10453
わずか1年で改善成果、好生館の院内を動かし加速させる6つの戦術
2016年9月21日| GHCをウォッチ

 「福岡赤十字病院」(福岡市南区)で7月28日開催した「病院ダッシュボード」のユーザー会で、「佐賀県医療センター好生館」(佐賀市)の改善事例が発表されました。「病院ダッシュボード」導入からわずか1年で、院内を動かして改善成果を示した同院。短期間で円滑な改善活動を推進できた背景には、大きく6つの戦術がありました。


ここがポイント!
(1)大方針を定める
(2)継続的な組織活動とする
(3)分析ターゲットの明確化
(4)キーマン(医師)を巻き込む
(5)院外の情報を有効活用する
(6)「仕組み化」でさらに広める
(7)「看護必要度分析」など紹介


(1)大方針を定める

 好生館は、450床35診療科でII群のDPC対象病院。年間退院患者数は1万2962人(2015年度)、平均在院日数10.4日(同)の高度急性期病院になります。14年4月に中川原章理事長が着任すると、経営に「ICTやビッグデータなどの情報を最大限に活用する」と宣言。その具体策の一つとして「病院ダッシュボード」を14年9月に導入しました。

 一方、EBM推進の観点からクリニカルパスを積極的に運用しており、15年度の適用率は61.0%と高水準です。ただ、期間IIを超える入院日数のパスがあったり、DPC包括の検査や画像診断が過剰に含まれるパスがあったりするなど、「経営的な観点を加味したクリニカルパスの見直しが十分に行われてきたとは言いがたい状況」(医療情報部医療情報係長の長友篤志氏)でした。

 そこで長友氏が考えたのは、大方針を「クリニカルパスの見直し」に定めたことです。改善活動にはさまざまな視点や手法がありますが、効率的に改善を推進していくためには、ある程度の絞り込みも必要です。「クリニカルパスが積極的に運用されている当院の状況を考慮すると、クリニカルパスを見直す方法が一番の近道」と考えたわけです。

(2)継続的な組織活動とする

 次に考えたのは、改善活動を推進していくための組織体制です。改善活動は、一部署の単発的な取り組みでは難しいこともあります。病院経営の改善は、院内のさまざまな部署や人と連携しなければ実現しません。そのため、軸となるのは医療情報部であっても、組織の継続的な取り組みと位置付けられるにはどうすべきかを、大前提に考えたのです。

 そのため、まずは幹部会議に対して率直にその必要性を提案。提案は承認され、15年1月からクリニカルパス委員会の所掌事務として位置付けることが決定しました。その後、同年3月にクリニカルパス委員会にて、今回の取り組みの具体的な進め方が確認され、「病院ダッシュボード」導入から7か月にして、ようやく取り組みの下準備が完了しました。

(3)分析ターゲットの明確化

 組織体制が固まれば、具体的な分析作業に入っていけます。まず、分析する上で決めたのが、「期間II超え割合が概ね40%を超えるDPCコードおよびそれに適用されているクリニカルパスの分析」にターゲットを絞り込むということです。改善の必要性が高いターゲットにあらかじめ絞り込むことで、効率的かつ効果的な改善活動を実施するための道筋ができます。

 その際に特徴的なことは、DPCコード別、クリニカルパス別に症例数や期間II超え割合を可視化できるアプリケーションを独自に作成したことです。複数の重要データを一元管理できる「データウェアハウス」に格納された「入院データ」「クリニカルパス適用データ」「DPCデータ」を、経営の意思決定などに用いる「ビジネスインテリジェンス」システムにロードすることで可視化するというものです。

 その上で、「病院ダッシュボード」を用いて在院日数の状況、医療資源の投入状況などについて、規模や設立母体の類似した病院との間で細かくベンチマーク分析を実施。課題を抽出し、改善提案を整理していきました。

(4)キーマン(医師)を巻き込む

 課題を抽出し、いくら素晴らしい改善提案ができても、改善活動の推進につながるとは限りません。作成する資料が分かりづらかったり、伝わらないプレゼンテーションだったりすると、思うような成果をあげることはできないでしょう。さらに、診療科ヒアリングであれば、改善提案をするのは医師であることが多いですが、医師を説得するには同じ医師から伝えてもらうことが有効です。特に、その医師が改善活動におけるキーマンであれば、その効果は絶大です。好生館では、診療科ヒアリングにはクリニカルパス委員長(耳鼻いんこう科部長)を交え、各診療科部長へのヒアリングを実施しました。

 その結果、15年3月の取り組み着手以降、16年6月までの1年3か月の間に、12診療科に対して16種類のクリニカルパスの改善提案を行うことになりました。単純計算で、1か月に1つのパス改善提案をしている計算になります。これら実績は、15年10月開催された「第54回全国自治体病院学会」でも報告されたほか(関連記事『医療と経営の質を同時に改善、病院ダッシュボードユーザーの事例報告次々』)、16年6月発行の医療系雑誌「ITvision」にも掲載されています(ITvisionのページはこちら)。

(5)院外の情報を有効活用する

 院外の情報も有効活用しました。例えば、「心臓カテーテル検査パス」の改善事例では、現行の「3日パス」に加えて、入院当日に心臓カテーテル検査を実施する「2日パス」を新規に作成し、並行運用することを提案しました。その際、他施設における「2日パス」の運用例を併せて紹介。こうすることで、循環器内科のキーマンの理解を得ることができました。

 その結果、パス見直し後の平均在院日数は0.3日短縮の3.0日、期間II超え割合は3.3ポイント減少の6.5%に、平均検査金額は4914円減少の3万115円、平均画像診断金額も1124円減少の1474円に改善されました。

(6)「仕組み化」でさらに広め

 さらに好生館では、毎朝、従業員たちのスケジュール管理などを行うグループウェアで、各診療科の期間II超え状況を、リアルタイムの値で発信し、地域連携による早期の転退院を呼びかけています。看護必要度についても、リアルタイムでクリア状況を発信し、院内一体となって重要度を高く保つよう働きかけています。

 改善活動は、一度改善したら終わるものではありません。折に触れて、改善の成果が保たれているかどうか、現状を確認することが必要です。ただ、多忙な日常の中での振り返りは難しいこともあるので、こうして「仕組み化」することで、現状を確認し、改善の機運を高め、維持することにもつながります。

「看護必要度分析」など紹介

 この日のユーザー会では、GHCから「病院ダッシュボード」を利用するための初級編と中級編の講演も実施。初級編では、コンサルタントの薄根詩葉利が、参加者と一緒に操作をしながら基本的な操作方法を解説しました。中級編はマネジャーの冨吉則行が担当。「16年度診療報酬改定の対応解説を軸に、病院ダッシュボードの新機能で看護必要度データの精度向上などに役立つ「看護必要度分析」の紹介などもしました。

解説を担当したコンサルタント
冨吉 則行(とみよし・のりゆき)
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルティング部門マネジャー。
早稲田大学社会科学部卒業。日系製薬会社を経て、入社。DPC分析、人財育成トレーニング、病床戦略支援、コスト削減、看護部改善支援などを得意とする。金沢赤十字病院(事例紹介はこちら)、愛媛県立中央病院など多数の医療機関のコンサルティングを行う。「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトに開発された次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」の営業統括も務める(関連記事「病院が変化の先頭に立つために今できるたった3つのこと」)。解説を担当したコンサルタント
薄根 詩葉利(うすね・しより)
株式会社グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンのコンサルタント兼カスタマーサポート担当。
国際医療福祉大学医療福祉学部卒業。高度急性期病院の診療録管理室勤務を経て、GHCに入社。診療情報管理士の資格を持ち、DPC分析全般を得意とする。「コンサル視点が瞬時に分かる」をコンセプトに開発された次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」のカスタマーサポートも務める(関連記事『データ軸にパス見直し、および入院医療の外来化を推進、II群病院の維持に貢献―病院ダッシュボードユーザー会』)。



http://www.medwatch.jp/?p=10455
アンプルや包装の色で判断せず、必ず「薬剤名」の確認を―医療機能評価機構
2016年9月21日 | 医療・介護行政をウォッチ

 アンプルや包装が類似していたため、誤った薬剤を患者に投与してしまった―。

 このような事例が、2012年1月から16年7月までに4件報告されていることが、日本医療機能評価機構の調べで明らかになりました(関連記事はこちらとこちらとこちらとこちら)(機構のサイトはこちら。

 機構では、まず「アンプルや包装の色が類似した薬剤がある」ことを認識し、実際に「薬剤名」を確認する手順を院内で定め、遵守するよう呼びかけています。

「茶色のアンプル」「赤い包装シート」だけで判断してしまった事例が発生

 日本医療機能評価機構は、注意すべき医療事故やヒヤリハット事例の内容をまとめた「医療安全情報」を毎月公表しています。このほど公表された「No.118」では「外観の類似した薬剤の取り違え」がテーマに取り上げられました。

 ある病院では、手術中に患者が吐き気などを訴えたため、医師が「プリンペラン」の処方を口頭で指示。医師Bは「プリンペランは茶色のアンプルである」という認識で薬剤を取り出し、1人で準備、投与しました。その後、患者の血圧が著しく下がり(処置済)、術後に確認したところ、使用していないはずの「ペルジピン」の空アンプルがあり、薬剤の取り違えが判明しました。

 また別の病院では、患者が外来受診後に、院外の薬局で内服薬を処方されました。患者がその薬を服用していたところ、▼ 食欲不振 ▼ 倦怠感 ▼ 歩行困難 ▼ ―といった症状が出たため入院。持参薬を確認したところ、藥袋の記載は「ワーファリン錠」でしたが、中には「ラシックス錠」が入っていました。保険薬局の薬剤師が、同じ棚にあった「赤いPTP包装」からラシックス錠をワーファリン錠と思い込んで調剤し、監査でも間違いに気づかなかったことが分かりました。

 このほかに、「セレネース注」と「サイレース静注」、「ラシックス注」と「プリンペラン注射液」について、同じ茶色のアンプルであったために誤投与してしまった事例が報告されています。

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アンプルの色が似ている、包装シートの色が似ているために、薬剤の取り違えが生じている

 このように「アンプルの色」や「包装の色」が類似している薬剤は取り違えの可能性が高く、薬剤の誤投与は大きな健康被害につながりかねません。

 機構では、まず「アンプルや包装の色が類似した薬剤が存在する」ことを認識するよう指摘。その上で、「アンプルや包装の色で判断せず、薬剤を手にとった際に、『薬剤名を確認』する手順を院内で定め、それを遵守する」よう強く求めています。

G3註:遮光アンプルの例 
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https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0921504788/
短時間で病名・治療法提示...精度増す「AI」 心強い味方
yomiDr. | 2016.09.21 11:45〔読売新聞〕

 人工知能(AI)が、医療現場でも注目されている。

 既に患者の画像から病変を見つけたり、画像を基に臓器を立体的に再現したりする技術が実用化されている。遺伝子など患者の情報を基に膨大なデータから病名や治療法を探し出す臨床研究では、まれなタイプの病気を見つけて、治療に役立てる成果を出している。

 AIは、人間のように知的な活動ができる機械のこと。医療現場で実用化されているAIには、大量のデータを基にコンピューターが自ら学ぶ機械学習という手法が使われている。

 富士フイルムが製品化したがんの画像診断支援システムは、コンピューター断層撮影法(CT)で撮った患者の画像を入力すると、あらかじめ数千枚のがんの画像を"予習"したコンピューターが、類似画像と診断情報を数例示す。画像診断医など専門医の判断と8〜9割が一致するという。

 また、臓器の典型的な大きさや形状などの基本情報を覚えさせ、患者のCT画像数百枚を入力すると、臓器の立体像を血管まで再現し、病巣の大きさや体積を計算できるシステムもある。手術の手順検討や治療の選択に使われている。

 自治医科大学は、医療機器メーカーと共同で、診断支援のAI「ホワイト・ジャック」を開発した。問診票や診察内容から、病名や確定診断に必要な検査法、薬の候補を助言して、一人で大勢の患者を診る地域のかかりつけ医らを支援する。今年度中に同大病院で試験運用を始める。

 病院を訪れた患者は、人型ロボットの手元にあるタブレット端末に、名前や年齢、症状、既往症を入力。この情報はAIに送られ、腹部の痛みに対して「虫垂炎」など、候補となる10〜20種類の病名が医師に示される。AIは、病気に関する研究成果などを基に判断しており、石川鎮清教授は「患者が少ない病名も挙げるので、診断の見落としを減らせる」と期待する。

 AIの進歩は、コンピューターの性能アップと大量のデータの蓄積に加え、2012年頃から成果を上げた「ディープ・ラーニング(深層学習)」と呼ばれる新たな手法で加速した。最近は、囲碁でトップ棋士に打ち勝ち、車の自動運転でも注目されている。

 深層学習も機械学習の一つで、データ量が増えるほど精度が上がる。さらに、学習を重ねるほど答えを出す時間が短縮する。

 東京大学医科学研究所は、深層学習できる米IBM社のAI「ワトソン」に、2000万本以上の論文、1500万件以上の薬剤関連の情報を学ばせ、患者の遺伝情報から、がんの発症に関わる遺伝子や治療薬の候補を提示させる臨床研究を行っている。人間だと2週間かかる遺伝情報の分析をわずか10分でこなす。

 既に70人以上の患者に、分析結果を提供して、診療に役立てている。極めてまれなタイプの白血病と判明した女性は、医師の判断で治療薬を変更して、病状が回復、退院することができた。

 同研究所病院の東條有伸副院長は「がんに関して、毎日、遺伝子変異などの新しい情報がたくさん出ている。最適の治療を迅速に患者に届けるために、今後、AIの役割はますます大きくなるだろう」と話す。

最終判断は誰の責任に?

 帝京大学の澤智博教授(医療情報学)は「AIはブラックボックスで、どのようにして結論に至ったのか、わからない。予想外の結果が出た場合、医師がどう修正するのか、判断が難しいケースもある。将来的にAIに最終判断を任せた場合、誰の責任になるかも不明確だ」と指摘する。

(2016年9月21日 山田聡、米山粛彦・読売新聞)



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160921-OYTET50005/
群大病院「組織的責任」認める…手術死問題で遺族に説明、補償意向も
2016年9月21日 読売新聞

 群馬大学病院の手術死問題で、病院側が組織としての過失責任を認める意向を一部の遺族に伝えていることがわかった。

 病院は責任を認めた上で必要な補償を行う方針だ。

 遺族側の弁護団によると、医療事故を巡り、病院側が、医師が行った医療行為の適否だけでなく、組織自体の過失責任を認めるのは異例という。

 群馬大病院は今年7月に調査報告書が完成したのを受け、死亡した50人の遺族に調査結果を個別に説明しており、近く終了する。

 弁護団によると、代理人を務める7遺族への個別説明に際し、「執刀医らの医療行為、診療科長(教授)の監督行為、病院の構造・組織の不備」をいずれも問題として病院組織の責任を認めるか尋ねた。これに対し田村遵一病院長らは「指摘の通り。病院の管理体制が悪かった」などと組織の責任を認め、補償する考えを伝えた。執刀医や教授の今後の対応にかかわらず、病院としては補償を行う方針。

 2004年に発覚した東京医大の心臓手術死問題など、病院が問題を認めた過去の事例では、医師の医療行為を不適切として補償するのが一般的で、組織の過失責任を認めた例は極めて珍しいという。

 弁護団の梶浦明裕事務局長は「組織の問題が被害を生み出したという実態と、再発防止を望む遺族の気持ちに即した解決につながる第一歩」と話し、今後は、「執刀医や教授が真実を語るかどうかで、行政処分の要望や刑事告訴などの対応を検討する」としている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49654.html?src=catelink
患者申出の第一例、来月に東大病院で開始へ- 厚労省の有識者会議が大筋了承
2016年09月21日 21時00分 キャリアブレイン

 今年4月に始まった患者申出療養制度について、厚生労働省の有識者会議は21日、東大医学部附属病院が申請した抗がん剤の併用療法に関する実施計画を大筋で了承した。胃がんが腹膜に転移した患者に対して、腹腔と静脈への投与と内服を組み合わせる治療で、同病院では1年の期間中に100人の症例数を予定している。今後、官報告示を経て、来月中旬までにスタートする見通しで、同制度を利用した治療の第一例となる。【敦賀陽平】



http://mainichi.jp/articles/20160922/ddm/002/040/100000c
患者申し出療養制度
初承認 混合診療、例外拡大 抗がん剤治療の負担軽減

毎日新聞2016年9月22日 東京朝刊

 保険適用されない薬や治療法と保険診療を併せて受ける混合診療を例外的に認める「患者申し出療養制度」の申請を審査する厚生労働省の評価会議は21日、胃がんの腹膜(内臓を覆う薄い膜)への転移に対する抗がん剤の腹部投与の治療法について承認した。新制度での承認は初めて。10月にも東大病院で実施される。

 承認されたのは、抗がん剤の「S−1」と「パクリタキセル」による治療。パクリタキセルを腹部に直接投与することで治療効果が高まると期待されるが、直接投与は保険が適用されない。全額自己負担なら170万円程度掛かるとされるが、患者申し出療養制度の適用により、患者負担は90万円程度となる見込み。

 この治療法は、以前からある混合診療の例外措置「先進医療」で既に実施され、患者の生存期間の延長がみられている。しかし、対象者に基準があり、希望しても受けられない人がいた。今後は東大病院なら審査なしで、他の医療機関でも東大病院と連携することで2週間の審査で承認され、希望者は迅速に治療を受けられるようになる。同病院は年間100人程度を予定している。

 厚労省によると、先進医療を受けられなかった患者から申し出があり、東大病院が実施計画を作成。同病院の申請を厚労省が9月7日に受理していた。21日の評価会議では、対象者に関し、肺や脳など離れた部位への転移のある患者には実施しないなど計画の一部修正を求めた上で、申請を承認した。【細川貴代】

 ■ことば
患者申し出療養制度
 保険の使えない薬や治療法と保険診療を併せて行う混合診療は原則禁止され、保険が使えず全額自己負担になる。患者の申し出を受けて医療機関が国へ実施を申請する「患者申し出療養制度」は例外として保険診療部分が3割などの自己負担で済む。申請から原則6週間以内に厚生労働省の評価会議が承認の可否を判断する。これまでの例外措置「先進医療」は承認まで半年程度かかっていた。



https://www.hokende.com/news/detail_5204.html
アクサ生命から「患者申出療養制度」に対応する商品が登場
2016-09-21 21:00:00 保険市場TIMES

業界では初となる商品

アクサ生命保険株式会社(以下「アクサ生命」)が、有配当タイプの新商品である『患者申出療養サポート』(正式名称:患者申出療養給付保険(無解約払戻金型))の発売を開始している。

『患者申出療養サポート』では、患者からの申し出により日本では未承認の医薬品や医療技術などを保険診療と併用するようにできる制度である「患者申出療養制度」に該当する療養を受けた場合、その技術料と同額の給付金を支払うという。

アクサ生命によると、このような商品の発売は業界では今回が初めて。

90歳まで契約は自動更新

「患者申出療養制度」により、がんなどの難治性疾病においては「治療の選択肢」が増える一方、対象となる治療は技術料が高額で患者の金銭的負担が重くなることも予想されるということを背景にアクサ生命では商品を開発。契約は健康状態とは関係なく、90歳まで自動更新される。

ただし、所定の医療保険等と同時加入することが前提になっているため、単体での契約は不可とのこと。



http://mainichi.jp/articles/20160921/k00/00e/040/214000c
統合失調症
注射治療薬「2年で85人死亡」 安全性は

毎日新聞2016年9月21日 11時37分(最終更新 9月21日 14時48分)

因果関係は不明、迫られる検証

 統合失調症の治療薬ゼプリオンが、販売開始約2年で85人の死亡が報告されている。死亡と薬との因果関係はわかっていない。日本ではあまり普及していない注射タイプの薬で、1度打つと1カ月効き目が続く利点がある。再発を抑える効果が期待されるだけに、安全性のさらなる検証が必要だ。

 ゼプリオンは2013年11月に販売が始まった。以後26カ月間で、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に85人の死亡が報告された。心肺停止、心筋梗塞(こうそく)などの症例が並ぶが、はっきりした死因はわからない。精神医療の関係者らでつくるNPO法人「地域精神保健福祉機構(略称コンボ)」は今年6月、厚生労働省に対し、使用者全例の調査や原因究明などを求める要望書を出した。

 多数の死亡報告は、新聞や週刊誌でも取り上げられた。製造販売元のヤンセンファーマはどう受け止めているのだろう。

 服用患者の死亡率は、一般的な統合失調症の患者と比べても高くない、とヤンセン社は主張する。「統合失調症患者の死亡率は年間1000人中10〜13人。ゼプリオンは4.35〜8.03人なので範囲内です」。また当初の71の死亡症例を社内で分析したところ、特定できた死因は自殺14▽窒息3▽がん3−など24例で、通常の統合失調症患者と変わりなかったという。66%にあたる47例は原因不明だが、そもそも統合失調症の患者の死亡は原因不明が多いと指摘する医師もいる。

 死亡患者には、他の抗精神病薬が併用されていたケースがあった。医療関係者は、併用が悪影響を与えたとみる。

 発売後に死亡報告が相次いだため厚労省は14年4月、ヤンセン社に対し、医療関係者に安全性速報(ブルーレター)を出すよう指示した。ブルーレターでは、他の飲み薬と併用せず、複数の薬が必要な不安定な患者には使わないことなどを、注意喚起している。ヤンセン社はこの時、他の抗精神病薬と併用せず単剤で使うよう注意する項目を添付文書に加えた。

 精神薬理に詳しい北里大名誉教授の村崎光邦さんは「興奮が強いから(抑えよう)、と使った人がいるのでは」と処方に問題があったとみる。「日本の精神医療の現場では多剤大量の薬を処方する傾向がある。飲み薬と併用すると血中濃度が上がりすぎ、危険」とも指摘した。

 村崎さんは、併用注意の呼びかけが遅かったともみる。「製薬会社は発売時に、薬の併用はだめとはっきり言うべきだった。ドクターにきちんと使い方を伝えておくべきだった」と振り返った。厚労省医薬食品局安全対策課は「適正使用を徹底してもらい、今は死亡症例の報告の頻度は下がっている」と話す。

 臨床試験ではゼプリオンの単剤だけが処方された。試験に携わった横浜市立大の平安良雄教授(精神医学)は「社会復帰を支えてくれる薬」と評価する。統合失調症の患者は服薬を中断しがちで「仕事をしたい人にとって、毎日薬を飲むのは非常にストレス」と説明する。「月に1度ですむので飲み忘れもなく、好評。再発率が低い実感もある」と話した。

 横浜市で開業する坂本将俊医師は、患者から不安の声も出たが、病状が安定して副作用もなかったためゼプリオンを処方し続けている。「統合失調症の多くは自分が病だという認識がなく、薬を中断しがち。ゼプリオンは体内に確実に入るので、患者の命と社会生活を守る可能性が高い」。ゆっくり効くため、他の薬がもたらす眠気やふらつきなどの副作用も少なくなったとの声も出ているという。

 ヤンセン社は年内に、2年間にわたり服用患者を観察した調査の中間報告をまとめる。村崎さんは「死因や死亡率がはっきりするので、使い方さえ間違わなければ問題ないのか、薬自体に問題があるのかがわかる。結果を見て検証したい」と期待する。【坂根真理】

 <抗精神病薬>主に統合失調症向けの薬。統合失調症は脳内の神経伝達物質が変調をきたすことで、妄想や幻覚などを引き起こす病。抗精神病薬は神経伝達の流れを抑え、興奮や不安を鎮め、意欲を高めるとされる。のどの渇き、ひどい便秘、眠気やだるさ、体重増加、高血糖、起立性低血圧などの副作用が出ることがある。



https://www.m3.com/news/general/460865
医師起訴、病院が「不当、速やかな釈放を」と見解
2016年9月21日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 自身が執刀した女性患者に対してわいせつな行為をしたとして、東京地検が準強制わいせつ罪で東京都内の男性医師(40)を起訴した問題で、東京都足立区の柳原病院は9月20日、「起訴決定に抗議するとともに、医師を速やかに釈放するよう求める」と訴える「公式見解」を病院ホームページに掲載した(声明は9月17日付け)。

 病院の説明によると、逮捕された男性医師は一貫して否認している。期日前証人尋問では、患者に関わった医師と看護師が「逮捕された医師に何ら嫌疑がない」と証言した。また、「多くの医療関係者や患者の方々から、当院の見解を支持する声や、医師の名誉回復を願う声などの激励が寄せられている」とし、700余人の早期釈放・不起訴を求める嘆願書を東京地検に提出している。これまでに二度の病院に対する家宅捜索が行われ、20数点の資料が押収されていることも明らかにした。

 公式見解で、病院は改めて「無実の事案であり、逮捕勾留は自白の強要を目的としたもので、起訴は客観的証拠に基づかない不当なものであると私たちは考えます。麻酔によるせん妄状態の患者証言のみを根拠とした医師の逮捕・起訴が許される事になれば、医療現場に混乱と萎縮を招き、正当な医療行為や診療行為に大きな制約が付され、ひいては患者に重大な不利益が生ずることになりかねません。この様な社会的にも大きな影響を及ぼす起訴決定に強く抗議し、医師の速やかな釈放を求めます」 と主張している。

 また、8月27日付けの勾留状と9月14日付けの起訴状では、罪状が変わっている点について、「逮捕勾留の根拠とされた被疑事実から時刻や行為の内容が大幅に変えられ、起訴ありきの考えをうかがわせるもの」と訴えている。

■勾留状と起訴状の要旨

勾留状
 5月10日、右乳腺腫瘍摘出手術を執刀後、女性患者が手術後の医療行為と誤信し抗拒不能となっていることに乗じ、強いてわいせつな行為をしようと企て、同日午後2時45分ごろから、午後2時50分ごろまでの間、同病院408号室において、ベッド上で全身麻酔からの覚醒中であり仰向けで寝ている女性患者に対し、看護師を介して手術後の診察であることを申し向け診察中、女性患者の着衣をめくり、やにわに左乳首を舐め、患者が気付いたため一端退室し、その後更に、同日午後3時7分ごろから3時12分ごろまで、患者に対し「傷口を診る」旨を申し向けて、左手で女性患者の着衣をめくり左乳房を見ながら、右手を自己のズボン内に入れて陰茎付近をさすり自慰行為をする等、もって同人の面前において抗拒不能に乗じてわいせつな行為をしたものである。

起訴状
 5月10日、右乳腺腫瘍摘出手術を執刀後、女性患者が手術後の医療行為と誤信し抗拒不能となっていることに乗じ、わいせつな行為をしようと考え、午後2時55分から午後3時12分までの間、同病院408号室において、ベッドに横たわる女性患者に対して、診察の一環として誤信させ、着衣をめくって左乳房を露出させたうえで、その左乳首を舐めるなどし、もって女性患者の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をしたものである。



https://www.m3.com/news/general/460813
遺伝情報で治療法検索…患者10万人分をデータベース化へ
2016年9月21日 (水) 読売新聞

 患者の遺伝情報から関連する病気や治療法を一括で調べられるデータベースの構築を国立研究開発法人・日本医療研究開発機構が始めた。

 日本人の遺伝情報の研究成果を検索できるように一つにまとめ、インターネットで公開する。遺伝情報を基に最適な治療を行う未来のゲノム医療の基盤になると期待されている。

 遺伝情報検索データベースとして来年度に試作版を作り、2018年度からの運用を目指す。予算は今年度から5年間で約80億円。

 現在、遺伝情報で薬の効果を予測したり、病名を割り出したりすることが一部できるようになってきている。米国では約17万件の遺伝情報を収めたデータベースが運用され、日本の医師や研究者も参考にしている。ただし遺伝情報には人種差もあり、日本人のデータベースが求められている。

 日本人の遺伝情報と病気の関連は、大学や研究所が数十万人分の情報を基に数多くの論文を発表しているが、遺伝情報に関する研究成果は未整理のまま分散しており、診断や治療に使える状態になっていない。

 計画では、研究成果をがん、難病などの専門家が評価。それを基に匿名の患者10万人分の遺伝情報などを入力。通常の配列と異なる遺伝子変異の名前で検索をかけると、考えられる病名や治療法が見られるようにする。

 役立つ情報を優先して表示できるよう人工知能の利用も検討している。



https://www.m3.com/news/general/460818
胸腔鏡手術後に死亡」 75歳女性遺族が病院提訴
2016年9月21日 (水) 共同通信社

 2013年11月に愛知県刈谷市の「刈谷豊田総合病院」で同県に住む女性=当時(75)=が胸腔(きょうくう)鏡手術を受けた後、死亡したのは担当した医師のミスが原因として、遺族が病院側に計約6500万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こしたことが20日、分かった。提訴は8月10日付。

 訴状によると、女性は13年11月13日、腫瘍を摘出するため、胸に小さな穴を開け小型カメラなどを入れる胸腔鏡手術を受けた。この際、医師が誤って大静脈を傷つけたため、大量出血による脳症や多臓器不全で同月29日に死亡したとしている。

 同病院は刈谷市やトヨタグループなどでつくる法人が運営。病院側は取材に「一切、コメントできない」としている。

 遺族の代理人弁護士によると、遺族は、医療機関が「院内調査」する国の医療事故調査制度のモデル事業を利用。この調査の中で病院側は医療ミスを認めていたが、遺族には「法的過失はない」と主張したため提訴に踏み切ったとしている。

  1. 2016/09/22(木) 10:48:20|
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