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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月14日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49616.html
専門医養成、都道府県協議会の役割通知へ- 厚労省
2016年09月14日 22時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、都道府県が設置した専門医の研修に関する協議会の今後の役割について通知を出す方針だ。社会保障審議会の医療部会が14日に開いた会合で、同省の担当者が明らかにした。6つの基本的な診療領域で、来年度から新しい専門医の養成プログラムが暫定的に導入されることから、研修を受ける医師の偏在などを防ぐ機能が期待される。【佐藤貴彦】

 専門医の養成をめぐっては、第三者機関の日本専門医機構が学会に代わって研修施設の認定などを行う新制度の準備が進められている。同機構は当初、来年度から制度を切り替える方向で準備を進めてきたが、研修施設になるための基準が厳しくなり、これまで研修を行ってきた病院が満たせなくなるケースがあることや、研修を受ける医師が都市部の大病院に偏在する懸念があることなどから、今年7月、新制度の開始時期を1年先送りした。

 一方、厚労省がこれまでに出した通知では、新制度が来年度からスタートすることを前提に、都道府県の協議会の役割などを示しており、新制度が延期された場合の役割は明らかになっていない。

 14日の会合には、同機構の吉村博邦理事長が参考人として出席。新制度の開始を見送った経緯や、来年度からの研修を各領域の関係学会が実施することなどを報告した。

 また、暫定的な対応として6学会が、新制度に向けて準備してきた養成プログラムを活用するか、従来の養成プログラムと併用する方針を示していることも紹介。いずれの学会も、医師偏在などの対策を講じる予定で、今後、同機構が各学会からヒアリングを行い、情報をまとめて都道府県に提供するとした。

 関係学会が新プログラムを活用する方針を示しているのは、小児科と整形外科、耳鼻咽喉科、病理、救急科、形成外科だ。

 吉村理事長の報告に対し、加納繁照委員(日本医療法人協会長)は、新プログラムを導入する領域で医師偏在などの問題が起こらないようにチェックする必要性を指摘した。また、邉見公雄委員(全国自治体病院協議会長)は、特に整形外科の新しいプログラムで、地域医療への悪影響を防ぐ対策が十分か、しっかり確認する必要があると主張した。

 整形外科の新プログラムに関しては、これまでの医療部会の会合でも、研修施設の基準が厳しいと問題視する声が委員から上がっていた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/458934
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
オプジーボ、「緊急的な対応」で薬価引き下げか
薬価専門部会、製薬団体へのヒアリング

2016年9月14日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 中央社会保険医療協議会薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教授)は9月14日、高額薬剤問題への対応を検討するため、日米欧の製薬業界3団体へのヒアリングを行った(資料は、厚生労働省のホームページ)。

 3団体とも、高額薬剤の「期中改定」には、経営の予見性を損なうなどの理由から反対、一方で、「最適使用ガイドライン」の策定については「異論がない」と主張。

 ただし、日本医師会副会長の中川俊男氏が、革新的新薬の評価と、期中で効能・効果等の拡大で市場規模が拡大した場合の対応は区別して考えるべきとし、特に抗PD-1抗体製剤のオプジーボ(一般名ニボルブマブ)のように、予測対象患者数が大幅に拡大した場合には、「緊急的な何らかの措置が必要だ、という考えには同意するか」と質したのに対し、日本製薬団体連合会会長の多田正世氏は、「慎重に検討すべき課題だと思う」と回答。議論すること自体には反対しないとしたものの、今後、オプジーボが実際にどの程度使用されるかなどが分からない状態で、「直ちに緊急的な対応について検討することには違和感を覚える」と述べた。

 さらに中川氏は、「一般的な質問だが、今のルール上、薬価の期中改定は可能か」と質問。これに対し、厚労省保険局医療課薬剤管理官の中山智紀氏は、2年に一度の薬価改定の間に行う「期中改定」ではなく、「緊急的な対応」という言葉を使い分け、「期中で緊急的な対応をすることは可能」と答えた。「あくまで今、議論しているのは、当初の予想から対象患者数が増えたという、極めて特例的な事例についての議論であり、その意味では緊急的な対応が必要ではないかという認識」(中山薬剤管理官)。

 オプジーボに代表されるように、期中で効能・効果等の拡大で市場規模が拡大した場合、薬剤費が薬価算定時の想定を大幅に上回ることが問題になっており、8月の中医協総会で、当面の対応として「2016年度の市場規模が当初予測の10倍超、かつ1000億円超の薬剤」を対象とすることが提案された(『高額薬剤、ターゲットは「予想の10倍超、1000億円超」』を参照)。「最適使用推進ガイドライン」策定が対応の一つであり、さらに次期2018年度の薬価改定を待たずに何らの対応を行うか否かが焦点になっている。

 オプジーボについては、既に適応を取得した2つの対象疾患以外にも治験が進行中であるほか、その類似薬の抗PD-1抗体ペムブロリズマブが2015年12月に承認申請されており、近く承認される見通し。これらの状況も踏まえ、「緊急的な対応」が求められている。次回の中医協薬価専門部会では、「最適使用推進ガイドライン」の検討状況の報告を受けるほか、同ガイドラインの保険上の取り扱いを議論する予定。

「最適使用推進ガイドライン」には異論なし

 日本製薬団体連合会会長の多田正世氏は、まず基本的な考えとして、医薬品のイノベーションの成果が適切に評価されなければ製薬企業の存続が危うくなると強調、革新的新薬については適切に評価された結果として、高額になることも当然あり得るとした。その上で、期中改定については、(1)各企業は2年に一度の薬価改定を前提に経営を行っており、「期中改定ありき」の議論に与することはできない、(2)高額薬剤の期中改定についても、次期薬価改定を待つことなく、これまでにないルールを突然導入し、適用することは到底容認できず、市場規模確認のために、売上予想等の非公表情報を開示することは考えられない――と反対。同時に、革新的な新薬の最適使用推進のため、「最適使用推進ガイドライン策定には異論はない」とし、その効果を確認した上で薬価に係る緊急的な対応の必要性を判断すべきとしている。

 さらに最適使用推進ガイドラインについては、患者の新薬へのアクセスを阻害することのないように釘を刺すとともに、ガイドライン策定対象は、新規作用機序医薬品の全てを対象とするのではなく必要性が高いものに対象を限定すべきとし、その策定過程においては製薬企業が関与することが必要だとした。

 米国研究製薬工業協会(PhRMA)在日執行委員会副委員長の梅田一郎氏、欧州製薬団体連合会会長のカーステン・ブルンも、ほぼ日薬連と同様の主張を展開。

「原価計算方式の不備を是正」

 まず3団体に対し、質問をしたのは、全国健康保険協会理事の吉森俊和氏。今の問題は、革新的新薬の評価の在り方ではなく、期中に効能効果等を追加し、薬剤費が拡大した薬剤の議論であり、特例的な緊急的対応の議論であると主張した。

 これに対し、多田氏は、「まず最も緊急性が高い、あるいは使用薬がない、一般的には小さな市場のものから入り、それから適応拡大し、広く患者に利用してもらうのが、通常の革新的新薬についての企業戦略」と述べ、期中の効能効果等の追加はあり得る事態であるとした。また医薬品の売上はあくまで予想にすぎず、予想等に基づく改定ではなく、実際の売上や市場実勢価格を基に薬価を改定すべきと返答した。

 しかし、続いて発言した健康保険組合連合会理事の幸野庄司氏も、この回答には納得せず、「原価計算方式に不備があることが分かった。その不備を是正するために、制度見直しの議論をしている」と返した。原価計算方式では、上市時の予想患者数に基づいて薬価を設定するため、効能効果等の拡大で前提となる患者数が大幅に変わった場合、「不備」が生じるという指摘だ。さらに幸野氏は2015年度の概算医療費が、対前年度比3.8%増という「異例な伸び」(幸野氏)を示している要因は、C型肝炎治療薬などの高額薬剤の影響であるとし、「高額薬剤が、国民皆保険の危機を招いている」などと述べ、皆保険制度が余裕がなくなってきている中で、2018年度の通常改定を待たずに改定していくことを求めた。

 多田氏は、「予想患者数は大きくなるケースもあれば、小さくなるケースもある」と述べつつ、「今回は特例的に慎重に考えるべき問題かもしれない」と述べた。

「公的医療保険維持のために企業は何をするのか」

 一方、診療側の中川氏はまず、幸野氏と同様に2015年度の医療費、特に内服薬の薬剤費が大幅に増加した現状に触れ、「ゆゆしき事態」と指摘し「日本の公的医療保険制度のプレーヤーとして、制度の持続可能性を担保するために、製薬企業は何をするのかが見えない。企業側の論理ばかりだ」と批判し、製薬企業の基本的姿勢を質した。

 これに対し、多田氏は、「長寿健康社会を作り出すことが製薬企業の使命であり、そのために革新的新薬を生み出すことが必要」と回答、薬剤費の問題だけでなく、「新薬を開発するメーカー」という視点からの評価も必要だとした。

 梅田氏も同様に、患者のために優れた薬剤を開発することが製薬企業の使命であるとし、オプジーボなどの問題は、「優れたイノベーションが起きた時に、財政的にどう対応するかという問題」と述べたほか、2015年については医薬品市場は大幅に伸びたものの、今後5年間の市場の伸びはほぼゼロであるという市場予測を紹介、「医薬品の価格はすぐ引き下げることはできるが、イノベーションには10年、20年とかかる」と述べ、製薬企業が継続的な投資を日本で続けていくためには長期的な視点に立った政策が求められるとした。

「オプジーボの効能効果等の追加は特例」

 中川氏は続いて、製薬企業が求める「革新的新薬」の薬価制度上の評価と、オプジーボのように効能効果等が追加され、市場が拡大したケースでの対応は異なるのではないか、と問いかけた。

 多田氏は、確かに両者は「ある意味、違うのかもしれない」と認めつつも、「新たに効能効果等を追加するための必要経費、開発経費は決して小さくはない」とコメント。オプジーボは、「根治切除不能な悪性黒色腫」の適応で薬価収載された時点では、予想患者が年間約470人だったのに対し、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」では予想患者が年間約1万5000人との推計もあり、「3桁から5桁に予想患者が増えた際に、どう対応するかだと思う」と述べた。

 中川氏は、吉森氏への回答で、多田氏が「企業戦略として、まず適応が少ないものから上市」と回答した発言を捉え、「まさにオプジーボがこれに当てはまる。企業戦略であれば、これは大きな問題であると言わざるを得ない。企業戦略により、日本の公的医療保険制度が翻弄されている」と問題視し、改めて「企業の論理」ではなく、「公的医療保険制度のプレーヤーとして、企業としてどのようにふるまうのかを聞きたい」と回答を求めた。日本医師会常任理事の松本純一氏も同様に「企業戦略」の意味を改めて質した。

 多田氏は、「企業戦略という言葉が琴線に触れたのかもしれない」と断りつつ、特に抗癌剤の場合、「最も効きそうな領域から開発する」というのが一般的な戦略であるほか、希少疾患で有効な薬が待たれている場合、「できるだけ早く薬を届ける」という方針から、治験症例数も少なく、結果的に先に上市することになるといった事情を説明。

 さらに中川氏は、多田氏が、3桁から5桁というオプジーボの予想患者数の増加に触れたことを踏まえ、「緊急的な何らかの措置が必要だ、という考えには同意するか」と質した。多田氏は、「慎重に検討すべき課題だと思う」と述べ、議論すること自体には反対しないとしたものの、今後、オプジーボが実際にどの程度使用されるかなどが分からない状態で、直ちに緊急的な対応について検討することには違和感を覚える」と回答した。



https://www.m3.com/news/general/458768
認知症疑い運転者6万5000人…75歳以上
2016年9月14日 (水) 読売新聞

 来年3月施行の改正道路交通法により、認知症の診断が義務づけられる75歳以上のドライバーが全国で年間約6万5000人と推計されることが分かった。

 読売新聞が全国の47都道府県警の担当部署にアンケート調査した。昨年1年間に現行制度で診断を受けたのは1650人で、約40倍に急増する計算だ。新制度導入まで半年を切り、各警察本部は診断に協力する医師を探すなど対応を急いでいる。

 調査は8月末までに実施。来年3月以降に、認知機能検査で「認知症の恐れがある」と判定され、医師の診断が必要になる高齢ドライバーの数について、試算した数字を尋ねた。徳島県を除く46の警察本部が回答し、合計で年間6万4968人となった。試算は、2015年に「認知症の恐れがある」と判定された高齢ドライバー(全国約5万4000人)に、高齢者の増加や違反件数を加味したという。



https://www.m3.com/news/general/458868
四万十市が市民病院の24時間救急復活向け医師確保へ
2016年9月14日 (水) 高知新聞

 高知県四万十市議会は9月13日、4人が一般質問。中平正宏市長ら執行部の答弁要旨は次の通り。

 市民病院について、市民が安心できる医療サービスを提供するには、経営安定に向けた抜本的な改革が必要。2016年度は四万十市議や四万十市職員の協力で、給与カットにより約1億円を捻出した。市民病院は四万十市における地域医療の中心的存在。長年の課題である24時間救急復活へ向け、医師確保に精力的に取り組む。

G3註:四万十市民病院 病床数 99  常勤医師数 9 



https://www.m3.com/news/general/458882
川崎医科大総合医療センター公開 岡山・旧深柢小跡、12月開院
2016年9月14日 (水) 山陽新聞

 8月末に完成した川崎医科大総合医療センター(岡山市北区中山下)が13日、報道関係者に公開された。同大付属川崎病院(同所)の老朽化に伴い、旧深柢小学校跡地に移転新築した。12月1日に名称を同センターと改め開院する。

 現在地から南東約50メートルに建設した新病院は2013年9月に着工。最新の免震構造を取り入れ、鉄筋コンクリート(一部鉄骨)地上15階、地下2階延べ約7万8千平方メートルで、地下に約280台分の駐車場、屋上ヘリポートも設けた。

 新たに開設する緩和ケア病棟18床を含め、病床数は647床。1~4階を外来フロア、8~14階は病棟、7階に手術室や集中治療室などを配置した。

 1~4階を吹き抜けとするなど広々とした造りで、窓から自然光が入り、明るい印象。8、15階にはリハビリなどに活用できる庭園がある。病院南側には小学校にあった樹木などを生かした「深柢ガーデン」を整備し、市民の憩いの場とする。

 開院に向けて、手術室では医療機器を搬入する作業が急ピッチで進み、一部の病室には既にベッドや家具が運び込まれていた。病院長で、運営する学校法人川崎学園(倉敷市松島)の川崎誠治理事長は「地域の皆さんに信頼される病院を目指したい」と抱負を述べた。



https://www.m3.com/news/general/458885
市立甲府病院の過剰投与 子供119人の家族と示談
2016年9月14日 (水) 山梨日日新聞

 市立甲府病院が放射性医薬品を145人の子どもに過剰投与していた問題で、甲府市は13日、8月末現在で119人の子どもの家族と示談が成立したことを明らかにした。5人の子どもの家族とは連絡が取れない状態が続いているという。

 同病院事務局によると、家族と示談が成立した子どもの数は3月公表時の108人から11人増え、全体の82・1%となった。示談の条件に盛り込まれた健康診断は8月に65人が受診(うち8人は他病院で受診)したという。

 市は連絡が取れているが、示談が成立していない21家族について、今後も交渉を続ける方針。示談の成立状況は13日に開かれた9月定例市議会の民生文教委員会で病院側が明らかにした。



https://www.m3.com/news/iryoishin/458917
シリーズ: 社会保障審議会
「強力な医師偏在対策」を検討、年内目途に
医療部会、次期通常国会への法案提出目指す

2016年9月14日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)は9月14日、次期通常国会への法案提出を目指し、医師偏在対策、療養病床の見直し、医療機関のホームページの在り方、大学附属病院等の医療安全確保に向けたガバナンス体制の構築、ゲノム医療の実用化推進、持ち分なし医療法人への移行認定制度などについて、今年12月か来年1月を目途に検討する方針を了承した。個別に検討会が立ち上がっている項目が大半で、それらの検討状況を踏まえながら、本医療部会でも月1~2回の頻度で検討を進める。

 中でも注目されるのが医師偏在対策で、厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」の「医師需給分科会」は今年6月の「中間とりまとめ」で、「強力な医師偏在対策」について議論し、今年末までの取りまとめを目指すとしており、計14の検討課題を挙げている(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。

 初期臨床研修の募集定員の配分等についての都道府県の権限の一層の強化、専門医についての診療領域別の地域人口・症例数等に応じた地域ごとの枠の設定、医療計画上の医師確保対策の強化、医師・診療行為情報のデータベース化、管理者要件の強化(特定診療科・一定期間診療に従事することを、臨床研修病院、地域医療支援病院、診療所等の管理者の要件とするなど)などの項目が並ぶ。「医療計画上の医師確保対策の強化」では、(1)医師不足の診療科・地域等について確保すべき医師数の目標値を設定し、専門医等の定員調整に利用、(2)将来的に医師偏在等が続く場合に、十分ある診療科の診療所の開設について、保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜の見直しも含めて検討――とある(『「医師の目標値」、地域別に医療計画で設定へ』を参照)。

 14の検討項目は、あくまで議論の俎上に載せるものであり、実施するか否かは今後の検討次第。社保審医療部会と「医師需給分科会」で、どこまで踏み込んで規制色が強い議論するかが最大の焦点だ。なお、医師情報のデータベース化については、既に厚労省は2017年度概算要求に盛り込んでいる(『医師のキャリア、医籍番号で生涯にわたり追跡』を参照)。

 14日の社保審医療部会では、これらの検討項目自体には、異論は出なかったが、議論になったのが、今後の医師養成数の在り方。「医師需給分科会」の「中間とりまとめ」では将来の医師需給推計を行っている。日本医師会副会長の中川俊男氏は、この推計に異議を呈し、精査を求め、「医師の数の手当ては終わった。医師の偏在対策が全て」と主張。これに対し、病院団体代表の委員からは医師養成数自体の増加を求める声が上がった。

 そのほか、社保審医療部会では、2017年から開始予定だった新専門医制度について、日本専門医機構の理事長の吉村博邦氏が現状を報告。吉村氏は、執行部を一新し、ガバナンス体制を見直したほか、「1年延期」し、2018年度を目途に19の基本領域で新専門医制度を一斉にスタートする方針などを説明。ただし、2017年度から、6つの基本領域については、新専門医制度用に用意していた「暫定プログラム」に移行、もしくは「暫定プログラム」と既存プログラムを併用する(『内科と外科のサブスペシャルティ取得、「短縮」も』を参照)。委員からは、特に整形外科領域について、医師偏在への影響を懸念する声が呈せられ、吉村氏は6つの基本領域については改めて検証する場を設けると説明した。

 専門医制度と地域医療との関連では、各基本領域別、地域別の必要数を推計するよう求める意見も上がった。厚労省医政局医事課長の武井貞治氏は、「医師需給分科会」での検討課題であると説明。

医師の絶対数の増加は必要か?

 「医師需給分科会」の「中間取りまとめ」に盛り込まれた医師需給推計や、今後の医師養成数の在り方について、疑義を呈したのが中川氏。厚労省は、上位、中位、下位の3推計を出しており、中位推計では2024年頃には、医師約30万人で需給が均衡する。

 この推計では、30~50歳代の男性医師を「1」として、「女性医師0.8、高齢医師0.8、研修医1年目0.3、研修医2年目0.5」としているため、中川氏は供給が少なく見積もられると問題視、「全てを1とした場合」の推計を求めたほか、2016年4月に新設された東北医科薬科大学の医学部(定員100人)だけでなく、千葉県成田市に2017年4月に新設予定の国際医療福祉大学の医学部(定員140人)も踏まえて、総合的な見地から今後の医学部定員の在り方を検討する必要性を強調した。

 「大局的に将来の医師数のことを考えているのか。非常に歯がゆく思う」と中川氏は述べ、次回の社保審医療部会までに、新たな推計を出すほか、今後の医学部定員の方向性に関する案を出すよう要求した。

 これに対し、日本医療法人協会会長の加納繁照氏と、全日本病院協会会長の西澤寛俊氏からは、「勤務医の勤務時間はもっと短くする必要がある。逆により多くの医師が必要になるのではないか。医師の需給についてはいろいろな考え方があり、直近のデータを用いて推計してもらいたい」(加納氏)、「医師が足りないから、勤務時間を減らすことができない。医療費のことも問題だが、医療従事者の労働環境についても考えなければいけない」など、医師養成数をさらに増加すべきとした。

 中川氏は反論し、「医師を増やせば増やすほど、医師の仕事は楽になるのかもしれないが、現実的ではない。医療費のことを考えると、医師をそれだけ増やして、医師のインセンティブになるような人件費が確保できるのか」と問いかけたほか、現状の医師不足と、将来の医師需給を切り分けて考える必要性を強調した。「医師の数の手当ては終わった。医師の偏在対策が全て」(中川氏)。

 日本精神病院協会会長の山崎学氏からは、「開業医は飽和状態であり、不足しているのは病院の勤務医。国として残業を減らそうとしているのに、勤務医は当直明けでも仕事をしている。勤務医と開業医のバランスを取るのが、当面の課題。医学部の定員よりも、自由開業医制を含めて、どう考えるかが喫緊の課題」との声も上がった。

 これらの議論を受け、厚労省医政局長の神田裕二氏は、「医師需給分科会」の医師需給推計は、2017年度で期限を迎える医学部の暫定定員増の在り方を検討するために、限られた時間で実施したため、不十分であることは認め、「より精度の高い推計を行う必要がある。全国的な調査を行い、女性医師が実際にどの程度働いているかなども含め、医師の働き方に関するビジョンを策定し、必要な推計を行うことになっている」と説明。ただ、それでも長期的なトレンドとして医師需給は均衡するとし、「偏在対策をせずに、医学部定員を増やしていくのはいかがか、ということ。差し当たり、偏在対策をしっかりやることについては(医師需給分科会で)異論はなかったと認識している」(神田局長)。

整形外科専門医の地域偏在を懸念

 新専門医制度をめぐっては、今年2月の社保審医療部会で地域医療への影響が懸念され、「専門医の在り方に関する検討会」が設置された経緯がある(『新専門医制度、機構や学会の対応「見守る」』などを参照)。最終的に日本専門医機構はこの7月に2017年度からの実施の延期を決定した(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』などを参照)。

 日本専門医機構は9月の理事会で、同機構の役割や制度の運営体制を大幅に変更し、各基本領域の学会がメーンに新専門医制度を運営し、機構が第三者の立場から評価する体制にする方針も固めている。この変更について、国立病院機構理事長の楠岡英雄氏は、「機構と学会の関係について、若干の方向転換があったと思う。ただし、あまり学会に依存してしまうと、“先祖返り”してしまう。機構でガバナンスを利かして、各学会の専門医の標準化を進めてもらいたい」と要望。

 吉村氏は、「学会が好きなようにやっていい、というわけではない。機構が定めた基準に則って運営してもらい、それを機構がチェックするという体制になる」と説明し、理解を求めた。

 「暫定プログラム」の使用について懸念を呈した一人が、加納氏。「地域の病院からの医師引き揚げの要因になったプログラムが含まれている」と指摘。全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏も、整形外科を挙げ、「一番危惧していた基本領域が、この6つの中に入っている。地域医療の混乱を招くのであれば、もう一度、立ち止まることが必要なのではない」とコメント。「暫定プログラム」使用が、小児科、耳鼻咽喉科、病理、「暫定プログラム」と既存プログラムの併用が、整形外科、救急科、形成外科で、合わせて6基本領域。

 吉村氏は、これらの6つの基本領域については、地域医療への影響を検証する場を近く設けると説明したほか、整形外科領域については、研修施設の基準を見直すなどして対応していると説明。さらに2018年度以降の専門医制度による地域医療への影響について、「専門医制度だけで、医師の地域偏在が解消できるとは思っていないが、少なくとも激変しないようにしていきたい」と説明。

 総合診療専門医の在り方について言及したのは、日本医師会常任理事の釜萢敏氏。あくまで地域のかかりつけ医と総合診療専門医は別の存在であり、かかりつけ医はそれぞれが専門領域を持っており、幅広い医師が担うべきであり、総合診療専門医は学問的な見地からの呼称であるという、日医の持論を説明した。

 「全ての医師が専門医になる必要はあるのか」と問いかけたのが、山崎氏。吉村氏は、専門医の取得は任意であるとしたものの、初期臨床研修を終えた医師については、「19の基本領域のいずれかの研修を受けてもらいたい」との考えを説明。

 これに対し、中川氏は、「全員が専門医になるわけではない」と釘を刺したほか、新専門医は「公」の資格ではなく、プロフェッショナルオートノミーとして、日本専門医機構認定の資格として認証するものであると、念を押した。

 そのほか専門医制度をめぐっては、中川氏が「あれだけの混乱が生じたのは、事務局にも責任がある」とし、事務局トップの交代を求めたほか、病院団体代表の委員からは、各病院団体を日本専門医機構の社員として追加するよう要望が挙がった。



https://www.m3.com/news/general/458782
医療費過去最高41・5兆円 高額肝炎薬が押し上げ 15年度概算、3・8%増
2016年9月14日 (水) 共同通信社

 厚生労働省は13日、2015年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費(概算)は41兆4627億円で、過去最高を更新したと発表した。前年度と比べ1兆5千億円の増加で、伸び率は3・8%。

 高齢化や医療技術の高度化に加え、薬の値段と薬剤師の技術料を合計した調剤が約6800億円(9・4%)も急増し、医療費を押し上げた。厚労省は「高額なC型肝炎治療薬の使用が15年秋以降に増えたことが影響したのではないか」と分析している。

 電算処理のレセプト(診療報酬明細書)の集計では、15年度はC型肝炎治療薬を含む抗ウイルス剤の薬剤料が前年度から2954億円も増え、約3・5倍になった。16年度の診療報酬改定でこれらの治療薬の価格は引き下げられたが、厚労省は高額な新薬の増加を受け、適正使用に向けた指針や価格見直しの新ルール作りを始めている。

 概算医療費は公的医療保険と公費、患者の窓口負担を集計したもの。15年度の1人当たり医療費は前年度から1万3千円増え32万7千円。75歳未満が9千円増となる22万円、75歳以上も1万7千円増の94万8千円と大きく膨らんだ。

 診療別では、調剤が7兆9千億円と大幅に伸び、外来と調剤で22兆1千億円と全体の53・3%を占めた。入院が16兆4千億円(39・5%)、歯科は2兆8千億円(6・8%)だった。

 都道府県別の総額では、東京が4兆3891億円で最も高く、大阪(3兆1848億円)、神奈川(2兆5433億円)が続いた。最も低かったのは鳥取の2078億円。

 ※概算医療費

 医科、歯科、調剤にかかった医療費の速報値。社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会が審査したレセプト(診療報酬明細書)を基に集計し、医療費の動向を迅速につかむことができる。概算医療費に労災保険や全額自費分などを含め、1年間にかかった医療費全体は「国民医療費」と呼ばれ、概算の約1年後に公表される。



http://www.sanyonews.jp/article/415671/1/
ホーム岡山エリア政治行政政治行政玉野市民病院 累積赤字40億円超 15年度決算、厳しい経営続く
玉野市民病院 累積赤字40億円超 15年度決算、厳しい経営続く

(2016年09月14日 20時35分 更新)山陽新聞

 玉野市は、市民病院の2015年度事業会計決算をまとめた。赤字額は2億7263万円で、地方公営企業の会計制度見直しの初年度だった前年度より3億298万円減少したが、入院患者の急減など厳しい経営状況が続いており、累積赤字は41億1464万円と、初めて40億円を突破した。

 病院の1年間の経営活動を見ると、診療報酬などの医業収益は前年度比2億259万円減の15億1097万円。人件費、薬品代などの医業費用は2億4650万円減の20億1259万円。収益から支出を差し引いた医業損失は4391万円減の5億162万円だった。

 地方公営企業の会計制度見直しで、将来の職員の退職金などを準備することが義務化されたことに伴い、前年度は2億1593万円の特別損失が発生したが、15年度も1億3742万円を計上。市の一般会計からの繰入金は4億607万円で、このうち3億2756万円を経営活動につぎ込んだが、赤字は解消できなかった。

 1年間の延べ患者数は、医師数が15年度中に3人減ったことなどが影響し、入院、外来ともに減少。入院は5294人少ない3万1792人で、病床利用率は7・5ポイント下がって43・6%と、黒字確保の目安とされる70%を大きく下回った。外来は1万1875人減の5万6415人だった。

 市民病院の事業会計決算は1992年度から単年度純損失額を計上し続けており、09年度に改革プラン、11年度に経営改善計画を策定したが、“赤字体質”からの脱却には至っていない。16年度からは、医療法人平成博愛会(徳島市)との業務提携による経営改善を進めており、病院側は「民間の経営ノウハウによる抜本的な改革を進め、地域医療の拠点病院として市民ニーズに応えたい」としている。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49609.html
公立と民間病院のネットワーク化など検討へ- 総務省が研究会に論点案提示
2016年09月14日 14時00分 キャリアブレイン

 総務省は13日、地域医療と公立病院改革に関する研究会の初会合で、民間病院を含めたネットワーク化などを論点案として示した。今後、ネットワーク化だけでなく、医師の偏在など現場の抱える問題点を議論し、来年9月をめどに報告書を取りまとめる方針だ。【新井哉】

 公立病院をめぐっては、赤字病院の閉院や再編・統合に加え、指定管理者制度の導入といった経営形態の見直しが進んでおり、2014年の病院数(地方独立行政法人を含む)は04年(999病院)と比べて約12%減の881病院となっている。07年に総務省が公立病院改革ガイドラインを公表後、経営の改善に取り組む自治体や病院が増えつつあるが、自治体から財政的な援助を受けながらも慢性的な経営赤字を解消できない病院が少なくない。

 この日の会合で、総務省の担当者は、昨年公表した新改革ガイドラインを踏まえた改革プランを各公立病院が今年度中に策定することなどを説明。今後、研究会で検討する論点案として、▽民間病院とのネットワーク化を含めた医療圏域内での公立病院の役割の明確化▽医師確保・偏在是正の取り組みなどの医療施策や地方財政措置の効果▽持続可能性のある病院経営の検討-を提示した。

 この論点案について、委員からは「医師を確保するために非常勤の医師を採用したり、大学の医師に応援を頼んだりして費用がかさむ」「中山間地の開業医の高齢化で跡継ぎのいない地域があり、自治体病院が在宅(医療)に出ないといけない」といった意見が出た。

 また、人件費の抑制や経営形態の見直しに関しては、「職員の定数を増やして収益を増やすことがあってもいい」との指摘に加え、「拙速に経営形態を見直してうまくいかなかった例もある」などとして、地域の実情を考慮して検討する必要性を挙げる委員もいた。



https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/458816
外来時間、対PC業務は5割超える?
電子カルテ入力時間は医師の燃え尽き因子とも…

軸丸靖子(m3.com編集部)2016年9月14日 (水)

 医師の外来時間の5割は電子カルテ入力やデスクワークなどの業務が占め、患者に接する時間は3割に満たないとの研究結果が、「Annals of Internal Medicine」誌オンライン版に9月6日掲載された「外来時間、対面と電カル入力の割合は?」。

 同日の同誌には「コンピュータへの入力作業は医師の時間の大半を占拠し、患者とのコミュニケーションや患者の人生への注意をそらすという、多くの臨床医の不満を証明した結果だ」との論説文が掲載されたが(Hingle S. doi: 10.7326/M16-1757.)、日本の状況はどうだろうか? 入力作業の負担は重いか?

※「臨床賛否両論」をご覧いただき、ご意見をこちらからご投稿ください。

 電子カルテ入力をはじめとする業務の増大と、医師の燃え尽きの関連を示した研究は、過去にいくつも発表されている。その一つ、最近発表されたShanafelt TDらの論文では、電子カルテおよび電子指示入力システム入力に要する「時間」への医師の満足度は6-7割と低かった。中でも電子指示入力システムは医師の燃え尽きリスクを3割近くも高めていた(オッズ比1.29;95%CI 1.12-1.48;P<0.001)(Mayo Clin Proc. 2016 Jul;91(7):836-48)。

 燃え尽きた医師はそうでない医師に比べ、より質の低い医療の提供でも満足するとの報告もある。一方で、医師がコンピュータの方を向いて入力する時間が長くなると、患者の満足度が低下することも、多くの研究で示されている。今回発表された研究は、対象医師数は少ないとはいえ、こうした知見を踏まえて「第三者が直接医師を観察する」という手法で実施されており、重要な意味を持つと位置づけられている。

 今回の研究の「外来中の医師は、1時間患者と向き合うたびに電子カルテ入力およびデスクワークに2時間費やしている」という結論を受け、Hingle Sは論説で「電子カルテは医療の質と患者ケアの改善に有効として導入されたが、その約束を果たしていない」と問題視。

 「もはや電子カルテや他の面倒な作業に文句を言う段階を超え、われわれの目線をコンピュータ画面から患者へ再接続(redirect)するよう、医療システムに必要な変化を起こすときだ。われわれが医療の喜びを再発見できるためにも」と述べている。



http://answers.ten-navi.com/pharmanews/7533/
規制緩和で「医薬接近」?薬局の病院敷地内開設が解禁―「かかりつけ」推進との矛盾
2016/09/14 Answers News

薬局と医療機関の独立性をめぐる規制が10月1日から一部緩和され、医療機関の敷地内に薬局を開設する、いわゆる“敷地内薬局(門内薬局)”が解禁されます。大学病院や公立病院を中心に、規制緩和を見据えて病院敷地内に薬局を誘致する動きが活発化しています。

一方、医薬分業への批判の高まりを受けて厚生労働省が昨年まとめた「患者のための薬局ビジョン」がうたうのは、「『門前』から『かかりつけ』、そして『地域』へ」。門前薬局中心の医薬分業から脱却し、地域に根ざした「かかりつけ薬局」に再編する方針です。

薬局のあり方が問われる中で出てきた相反する2つの動き。薬局の向かう先は「門前から門内」なのか、それとも「門前から地域」なのか。困惑が広がっています。


薬局と医療機関を隔てるフェンスが不要に

10月1日から、薬局と医療機関の独立性に関する規制が一部緩和されます。厚生労働省は従来、処方箋を持った患者が医療機関から薬局に行く際は、いったん公道を通るよう求めており、両者が隣接する場合には間をフェンスや塀で仕切るよう指導してきましたが、10月1日からは両者を隔てるフェンスや塀は不要に。医療機関の敷地内に薬局を開くことが可能になります。

規制緩和の発端は2014年10月。「フェンスなどで仕切られていると、身体が不自由な人、車いすを利用する人、子供連れ、高齢者にとっては不便なので、いったん公道に出て入り直すという杓子定規な考え方は見直してほしい」という行政相談を受けた総務省が、厚労省に改善を要請しました。翌15年には、政府の規制改革会議が規制の見直しを答申。こうした動きに押される形で、厚労省は規制緩和を決めました。


薬局の構造上の独立をめぐる規制の見直し

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そもそも、厚労省が薬局と医療機関の間にフェンスや塀の設置を求めてきたのは、薬局と医療機関の独立性を担保するためです。

医薬分業の最大の目的は、医師の処方を院外の薬局薬剤師がチェックすることで、重複投薬や相互作用による副作用を防ぎ、薬物治療の安全性を確保することにあります。そのためには、医師と薬剤師が完全に独立して業務を行うことが大前提。仮に両者が癒着するようなことがあれば、薬剤師が医師の処方に口を出しにくくなってしまいかねず、薬局は医薬分業で求められる機能を果たすことができません。

法令でも薬局は「医療機関と一体的な構造とし、一体的な経営を行うこと」が禁じられており、これを担保するために厚労省が求めてきたのが、両者を隔てるフェンスでした。


「大家と店子」で「独立」と言えるか

10月の規制緩和を控え、大学病院や公的病院を中心に、病院敷地内に薬局を誘致する動きが活発化しています。業界紙などで報じられただけでも、

千葉大病院(千葉市)
滋賀医大病院(滋賀県大津市)
国立病院機構災害医療センター(東京都立川市)
益田赤十字病院(島根県益田市)
国立病院機構刀根山病院(大阪府豊中市)

などが敷地内薬局を誘致しています。

確かに、薬局と医療機関を区切るフェンスが取り払われれば、患者の利便性は高まるでしょう。公道を通るためにわざわざ遠回りするのは面倒だと感じていた人も多いでしょうし、特に体の不自由な人や高齢者には負担です。利用者に不便を強いている面があれば、それを改善するのは必要なことかもしれません。

一方で、フェンスという物理的な隔たりを取り払ってしまうことが、経営上の仕切りまでもなくしてしまうことにはならないのでしょうか。


経済的思惑が先行

今回の規制緩和は、土地の売却益や賃料を経営に充てたい病院側にとっては渡りに船です。実際、国病機構災害医療センターの公募文書には、入札評価基準の欄にはっきりと「当院への経済的貢献度(地代含む)の妥当性」と書かれています。

病院側は院外処方箋を発行することで診療報酬の処方箋料(原則68点=680円)を得ていますが、敷地内に薬局を誘致すれば、これに土地や建物の賃料が加わります。病院経営にとっては大きなプラスでしょうが、院外処方から報酬を2重に得ているとも言え、批判の声も上がっています。

利便性を旗印に解禁される敷地内薬局ですが、処方箋を集めたい薬局側も含め、経済的な思惑が先行しているように見えます。医療機関と薬局が「大家と店子(たなこ)」の関係となり、経済的貢献を求められた時、果たして薬局は医療機関から独立していると言えるでしょうか。経済的な結びつきから医療機関への配慮が生まれ、薬局は口をつぐみ、やがて処方箋のチェック機能が弱まる――。そんな可能性も、ないとは言い切れません。


「地域へ」との矛盾

規制緩和で病院と薬局が距離を縮める一方で、厚労省は全国約5万7000軒の薬局を地域に根ざした「かかりつけ薬局」に再編する方針です。

そもそも今回の規制緩和は、医薬分業自体のあり方とともに議論されてきました。院外処方は院内処方に比べて報酬が高く設定されていますが、規制改革会議では「コストに見合ったメリットを受けられていない」といった指摘が相次ぎました。

厚労省は昨年10月、「『門前』から『かかりつけ』、そして『地域』へ」をキャッチフレーズとする「患者のための薬局ビジョン」を策定し、服薬の一元的・継続的な把握や、それに基づく薬学的管理・指導などを、かかりつけ薬局・薬剤師が持つべき機能だと定義。今年4月の調剤報酬改定では、門前薬局の報酬を引き下げる一方、「かかりつけ薬剤師指導料」「かかりつけ薬剤師包括管理料」を新設し、かかりつけ薬剤師に手厚い報酬体系に見直しました。

「門前薬局など立地に依存し、便利さだけで患者に選択される存在から脱却し、薬剤師としての専門性や、24時間対応、在宅対応等の様々な患者・住民のニーズに対応できる機能を通じて患者に選択してもらえるようにする」

「患者のための薬局ビジョン」は、基本的な考え方の1つに「立地から機能へ」を掲げますが、一方で利便性だけを旗印に敷地内薬局を容認するのは、明らかに矛盾しています。


調剤報酬での誘導には疑問も

その上、調剤報酬でかかりつけ薬局・薬剤師の普及を図るという方法を疑問視する声は少なくありません。門前の評価を下げ、かかりつけに報酬を手厚くすれば、当然、門前薬局の方が患者負担は少なくて済みます。近くて便利な上、安いとなれば、患者がかかりつけを選ぶ動機は、少なくとも経済的な面では乏しいからです。

さらに、服薬情報の一元管理など「かかりつけ」として求められる機能は、門前薬局であれ、地域の薬局であれ、医薬分業の目的を実現するためには本来はどの薬局も備えておくべき機能のはず。それにも関わらず、報酬というインセンティブを与えてそれを促そうというやり方には、違和感が拭えません。

日本の医薬分業は、処方箋を発行するかどうかを医師の判断に委ねる「任意分業」です。医師の判断で薬局の収入を左右するような状況では、そもそも独立性も怪しいですし、かかりつけ薬剤師を推進したところで医薬分業のメリットを患者が感じられるかも疑問です。

薬物療法の安全性・有効性を担保するために必要な制度であるにも関わらず、批判にさらされることの多い医薬分業。個々の薬局・薬剤師の取り組みももちろん大切ですが、制度自体が多くの矛盾を抱えたままでは、患者や国民から理解を得るのもなかなか難しいのではないでしょうか。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49612.html?src=topnewslink
万一の時「病院は医師を守るべき」75%余- 医師・キャリア考(5)
2016年09月14日 18時00分 キャリアブレイン

 勤め先の病院などはトラブルに巻き込まれた医師を守るべき―。医師の75%余りが、そう考えていることがCBnewsのアンケート調査で分かった。その一方、病院などが医師を守ろうとしているかどうかを転職や就職の判断基準にする人は、まだ少数派であるという結果も示された。

 8月25日、東京都足立区の病院で働く医師が準強制わいせつ罪の疑いで警視庁に逮捕されたことに対し、同病院は釈放などを求める抗議文を公式サイトに発表。ネット上では、この病院の対応を擁護する意見が多く寄せられた。

 CBnewsでは、9月2日から9日にかけて、医師を対象に、アンケート調査を実施。90人から有効回答を得た。

 足立区の病院での事例を踏まえ、「勤め先の病院などが医師を守る/守らない」ということについての考えを聞いたところ、「病院などが医師を守るべきだと思う」という回答が68人で回答者の75.6%に達した。一方、「医師自身の責任で対処すべきだと思う」は3人(3.3%)にとどまった。「どちらともいえない」は19人(21.1%)だった=グラフ1=。
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■守らなければ医師不足が深刻化するとの声も

 「守るべきだと思う」と回答した人に理由を尋ねたところ、「病院が守ってくれないと安心して勤務ができない」(60歳代男性)、「後ろ盾がないと、仕事やってられません」(40歳代男性)「守ってもらえないのであれば医師も病院のために仕事はできない」(50歳代女性)など、医師が安心して医療を提供するために、病院などが守る姿勢を明示すべきと答えた人が多かった。

 なかには「守ってくれないと安心して働くことができない。そうして外科医などリスクの高い仕事を選ぶ人が疲弊し減っていくのでしょう」(40歳代女性)など、病院などが医師を守る姿勢を示さなければ、医師不足がより深刻化すると警鐘を鳴らす意見もあった。また、「労務管理上(病院が医師を守るのは)当然の義務だと思う。ただし、明らかに医師の過失や悪意があった場合はこの限りではない」(40歳代男性)といった声も複数寄せられた。

 一方、「医師自身の責任で対処すべきだと思う」と答えた人からは、「働きやすい職場づくりにつながると思われるから」(40歳代男性)といった声が上がった。

■「『守る姿勢』の有無が就職・転職の基準」は少数派

 「勤め先の病院などが医師を守る/守らない」といった姿勢が、転職・就職の際の判断基準としたことがあるかとの問いに対しては、「判断基準にしたことがある」と答えた人が21人(23.3%)、「判断基準にしたことがない」人は69人(76.7%)となった=グラフ2=。
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■「情報不足で判断基準にならない」との声も

 判断基準にしたことがあると答えた人に、その理由を尋ねたところ「医師を守ろうとしない病院を辞めたことがある」(40歳代女性)など、トラブルに巻き込まれたにもかかわらず、病院側からの支援が十分でなかったことに苦しんだとする声が複数寄せられた。「理由を問うなど愚問。当然のこと」(50歳代男性)との意見もあった。

 一方、判断基準にしたことがないと答えた人からは、「意識したこともなかった」(60歳代男性)「あまり考えたことがないから」(50歳代男性)といった回答や「医局人事だから」(30歳代男性)などの回答が目立った。また、「そのような情報は口コミに頼るしかない」(30歳代男性)、「そこまで入職前に見切れないので」(30歳代男性)など、判断基準としたくても確かな情報が不足しているとする回答も多く寄せられた。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0915/jj_160915_5328747490.html
市大病院ではしか院内感染=医師と事務員—大阪
時事通信9月15日(木)0時37分

 大阪市立大学付属病院は14日、医師と病院事務員の2人がはしかを発症する院内感染があったと発表した。同病院は医師らと接触した患者と連絡を取っているが、同日時点で他に感染者は確認されていないという。
 同病院によると、関西空港(大阪府)ではしかに感染したとみられる患者が8月26日に診察を受けた際、隣の部屋で診察に当たっていた20代の女性医師が、今月9日に発熱。検査の結果、はしかへの感染が確認された。さらに、女性医師が診察した患者や病院関係者らの調査で、20代の女性事務員の感染が確認され、20代の女性看護師も感染の疑いがあることがわかった。全員症状は軽く、回復に向かっているという。
 国立感染症研究所によると、1月から9月4日までのはしかの報告数は全国で82人で、前週までの41人から倍増している。関西空港で職員の集団感染が発生しており、感染拡大の恐れがあるとして、厚生労働省の専門家会議がワクチンの接種や早期の医療機関の受診を呼び掛けている。 



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG14H62_U6A910C1CC1000/
手術後にわいせつで医師を起訴 準強制わいせつ罪
2016/9/15 0:11 日本経済新聞

 手術後の女性患者に診察を装ってわいせつな行為をしたとして、東京地検は14日、柳原病院(東京・足立)の外科医、●●容疑者(40)=文京区=を準強制わいせつ罪で起訴した。起訴状によると、自身が手術した30代の女性患者に診察の一環と誤信させ、病室で胸をなめるなどのわいせつな行為をしたとされる。

 同病院は関根被告が警視庁に逮捕された8月、ホームページ上で「不当逮捕に強く抗議する」などとするコメントを掲載した。

G3註:実名記事であるが、容疑が疑わしいため伏字とした。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0914/jj_160914_9511835745.html
医薬品横流し、医師ら4人釈放=東京地検
時事通信9月14日(水)18時37分

 医薬品を中国人に横流ししたとして、医薬品医療機器法違反容疑で逮捕された外科医師ら4人について、東京地検は14日、処分保留で釈放した。
 4人は処方箋が必要な治療薬など約7100点を中国人に販売したとして、8月に逮捕された。 



https://www.carenet.com/news/clear/journal/42622
専門家のプライドか、普遍的なお金か?(解説:後藤 信哉 氏)-592
臨床研究適正評価教育機構
企画協力 J-CLEAR
コメンテーター 後藤 信哉( ごとう しんや ) 氏 東海大学医学部内科学系循環器内科学 教授, J-CLEAR理事
公開日:2016/09/15 CareNet

製薬企業から医師への報酬、処方に有意に影響/BMJ (2016/09/01掲載)

 BMJ誌は面白い論文を掲載する。英国の医療システムは、国民皆保険の日本と類似している。車産業、ファッション産業と異なり、医薬品産業は公共的費用の配分である。

 税金の配分において、役人が「私は、この工事を請け負う特定の業者から教育講演を依頼されて謝金を受け取ったり、その業者が業界内の教育に用いるパンフレットの作成を依頼されて謝金を受け取っても税金の使途をその特定業者に振り向けることはありません」と言っても、多くの人は癒着と受け止めるであろう。
 医師はきわめて専門的な職種であり、個々の医師のプライドはきわめて高いので、「特定の業者から教育講演を依頼されて謝金を受け取ったり、その業者が業界内の教育に用いるパンフレットの作成を依頼されて謝金を受け取ってもその特定業者の薬を処方することはありません」との信頼感が日本の社会には残っている(いた?)。しかし、プライドの高い医師といっても普遍的価値である「お金」の前では弱い。「お金」の普遍性から考えれば、医師のみに高いプライドに基づいた独立性を期待すること自体に無理があるともいえる。

 役人の汚職は犯罪であり、社会から嫌悪される。公的性格の高い医療コストを特定業者に振り向けるリスクのある「お金」については、真剣に考える時期が来た。医師と企業の関係は、専門家としての医師のアドバイスによる薬剤の開発など産学連携としての価値もある。普遍性のある「お金」故に、相手企業のために働いたら、その対価を受け取ることは正当な場合も多い。しかし、本論文は、講演料、教育コストとされても「汚職」に近い結果をもたらす場合を示した。

 医師が企業から受け取る謝金を公開する透明性ガイドラインは制定された。企業から個別の医師への講演料、大学の教室への奨学寄付金なども公開されている。しかし、製薬企業などが営業活動に費やす費用公開の議論は進んでいない。NEJM誌の編集者であったマーシャ エンジェル博士は、製薬企業の開発コストは総支出の20%程度で、営業、マーケット、管理費用をかけすぎていると「ビックファーマ」に記載している。医療費は巨額である。製薬企業といえど、自動車、ファッション業界同様マーケット活動をする自由があっても、公共性の高い医療費を使う製薬、医療デバイス産業には、一般の企業以上の支出の透明化が必須であると筆者は考える。

掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。)



  1. 2016/09/15(木) 06:27:04|
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