Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月10日 

http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/273692
電話やネットで医師らが助言 子どもが急病 病院に行くべきか… 広がる相談窓口 子育て不安を解消
2016年09月10日14時25分 (更新 09月10日 14時52分) 西日本新聞

 急な病気やけがで、子どもを病院に連れて行くべきかどうか、判断に迷うことは多い。そんなとき、電話やインターネットを使って相談できる窓口が広がっている。核家族化により身近に相談できる人がいない親が増える中、親の不安解消に役立ち、症状が軽いのに夜間救急外来にかかる「コンビニ受診」の抑制も期待される。

 ●深夜の異変

 7月中旬、午後7時ごろ。東京都世田谷区の女性(31)は、9カ月になる長男を風呂に入れていて、様子がおかしいことに気付いた。足首に水膨れのようなものが広がっている。かかりつけの病院の診療時間は過ぎていた。

 そこで、利用したのが遠隔医療相談サービス「小児科オンライン」。スマートフォンのテレビ通話を利用し、電話口の小児科医に患部を見せながら症状を説明した。医師は「恐らくとびひでしょうから、明日以降ひどくなるなら皮膚科を受診して」と助言した。

 深夜に急に高熱を出したり、離乳食を口にして発疹が出たり。初めての子育ては分からないことばかりだ。この女性は「ネットで調べると、不確かな情報が多く出てきて不安が募る。医師に、気軽に相談できるのは安心」と話す。

 このサービスは2月に始まった。平日午後6~10時、小児科医16人がシフトを組み、1回15分(10月12日から10分)の相談に応じる。電話やメール、無料通信アプリのLINEなどを使い、動画や写真を交えて症状を伝える。会員登録や相談の予約はホームページから行う。利用料は月980円(12月からは3980円の予定)。診察には当たらず相談窓口のため、保険は適用されない。回数の制限はない。

 ●負担減らす

 運営会社「キッズパブリック」(東京)の代表を務める小児科医、橋本直也さん(32)が起業したのは、右足を骨折した3歳の女児を、救急外来で診察したのがきっかけだ。「泣きやまずに思わず手を上げてしまった」と悔やむ母親を見て、「責めるよりもなぜ孤立してしまったのかを考え、支えていく仕組みをつくりたい」と考えたという。

 実際の相談のうち、救急外来へ行くべきか問うものは3割にとどまり、あとの7割は湿疹や便秘、発達の不安、泣きやまないなど日常的な子育ての悩み。「すぐに受診が必要」と判断した例はわずか3%だった。

 小児科医の負担軽減につなげたい思いもある。自治体による子どもの医療費助成が広がり受診しやすくなっている上、昼間の診療時間に連れて来にくい働く親が増えるなど、休日や夜間の小児外来が増加。その負担の大きさから、特に地方の小児科医不足は深刻だ。

 消防庁によると、小児救急搬送の75%が入院を必要としない軽症で、重症はわずか1%。橋本さんは「軽症でも、親にとっては緊急事態。サービスが普及することで、医師と患者の双方の負担が減る」とみる。

 社員への福利厚生や医療費の削減効果を見込み、導入する企業や健康保険組合も出てきた。熊本地震後には「病院が開いていないから」と被災者からも相談があり、災害時の活用も期待できる。

 ●認知度低く

 国も2004年度から、小児救急電話相談「#8000」事業に取り組む。全国共通ダイヤルの#8000にかけると、現在地の都道府県の相談窓口につながる仕組みだ。小児科勤務の経験がある看護師らが相談員を務め、救急受診の必要性などを助言する。受付時間は都道府県によって異なるが、相談料は無料だ。

 厚生労働省によると、全都道府県で導入された10年度は約46万6千件の相談があり、14年度には約63万2千件と最多を更新した。ただ、内閣府が14年度に行った調査では、全体の9割、就学前の子どもがいる家庭でも6割が「知らない」と回答。さらなる認知度向上に向けた対策が必要だ。


=2016/09/10付 西日本新聞朝刊=



http://news.livedoor.com/article/detail/11999716/
透析大国ニッポン!一度始めたら一生やめられない人工透析の「真実」 いまや市場は2兆円規模
2016年9月10日 5時30分 現代ビジネス / LiveDoor News

■透析患者は病院の「ドル箱」

「人工透析をしたい人にとって、日本は『幸せな国』といえるかもしれません。透析には月40万円ほど費用がかかりますが、患者負担は1万~2万円で済む。国が1人あたり年間500万円近く負担してくれるわけです。

腎臓病の患者のなかでも透析をやっている人の割合は極めて高く、95%もいます。アメリカや韓国では40%、ヨーロッパでは50%です」

こう語るのは、透析や腎移植に詳しい大塚台クリニック院長の高橋公太医師。透析は、糖尿病が悪化するなどして腎臓が機能しなくなる腎不全になった人に行う医療行為。腎臓は血液の老廃物を除去したり、電解質を維持したりする作用があるが、それを人工的に行うのが透析だ。

高橋氏の言うとおり、日本は透析大国で、現在約32万人もの透析患者がおり、年間5000人のペースで増加中だ。患者数の伸びは高齢化のスピードとほぼ一致しており、2025年まで伸び続けると予測されている。

透析患者1人に対して年間約500万円の医療費を国庫が負担していると考えると、単純計算で約1兆6000億円。透析患者は合併症も起こすことが多いので、その分も含めればざっと2兆円もの医療費が32万人の患者のために使われている計算になる。日本の医療費は全体で40兆円なので、この額は医療費の5%にあたる。

ときわ会常磐病院院長の新村浩明医師が語る。

「日本の医療費全体のなかで透析医療費が占める割合は異常に高い。こうした構造がおかしいことは誰もが気付いていますが、もはや止められなくなっているのです。

医療費をなんとか抑えようとすれば、患者さんの負担を増やすしかありませんが、そもそも腎不全で体が弱り、経済力のない人たちにその負担を強いることは難しい。結局、日本の透析医療は袋小路にはまりこんでしまっているのです」

なぜ、日本の透析医療はこれほど巨大化してしまったのか。その主たる理由は、透析が「儲かるビジネス」になってしまっているからだ。都内の糖尿病専門医が語る。

「病院にしてみれば、一度透析を始めた患者は、定期的な『収入源』になります。少し前までは、透析の保険点数は今よりも高く、患者を1人つかまえればベンツが1台買えると言われたほどです。

私の病院でも透析の患者さんは大切にしますよ。患者は週に3回、各4時間の治療を受ける必要があるので、無料送迎サービスを提供したり、いろいろと気を配っています。逆にいえば、それだけ儲かる『ドル箱』なのです」

■腎移植のほうがQOLが高い

人工透析を始めると途中でやめることができない。自分の経済負担は少ないかもしれないが、それは死ぬまで国庫から病院にカネが落ち続けるということだ。

「カネ儲けのために透析を専門に行う病院もあります。そういうところは紹介料を払って、病床数が限られる大学病院から透析患者を『買う』のです。

90歳を超えた高齢者で透析が必要かどうか微妙な患者でも、カネのためにバンバン透析を始めてしまう。高齢者が週3回の治療を受けるのが、どれだけ負担になるのかなんてまったく考えていないんです」(前出の糖尿病専門医)

医療費が膨れあがるにつれて、それに群らがる病院や製薬会社などの「透析利権」も巨大化している。

「製薬会社にとっても透析患者はドル箱です。以前、私が勤めていた病院でもMR(医薬情報担当者)による接待攻勢がすごかった。毎日昼前になると、高級割烹料理店のすき焼き弁当や西京焼き弁当が机の上に並んでいるんです。余った分はお気に入りのナースに配っていました。

透析で使う造血剤のMRとはよくパチンコに行ったり飲みに行ったりして遊びました。温泉に行ったこともあった。家族の面倒も見てもらいましたし、遠い親戚みたいな感じでしたよ。

それだけ接待してもらうだけの価値が、造血剤にはあるんです。いい薬なんですが、すごく高いんですよね。我々医師の診療報酬よりも薬代のほうが高いこともありましたから」(前出の糖尿病専門医)

こうして膨れ上がった透析利権2兆円。少子高齢化で今後ますます財政状況が厳しくなる政府としても、さすがに野放しにはできなくなっている。だが、さまざまな利害が絡む透析医療費を抑制するのは、とても難しい。前出の新村氏が語る。

「現在、国は透析の診療報酬を2年に1度ずつ下げていて、患者数が増えても医療費総額が抑えられるように調整しようと試みています。このことで、透析クリニックの経営も苦しくなってきました。1人当たりの医療費を下げるということは、薄利多売になるということ。透析医療の質も下がってきています」

透析大国の透析の質が下がっていかざるを得ないというのは、何とも皮肉な話である。

袋小路にはまってしまった透析医療問題を解決する道がないわけではない。腎移植をより普及させることができれば、透析患者を減らすことができるのだ。前出の高橋氏が解説する。

「日本では移植のことを知らない人が多く、腎移植の数がなかなか伸びてこなかった。しかし、そもそも腎不全の患者にとって透析よりも腎移植のほうがQOL(生活の質)が高いのです。週3回透析治療を受けるのは、とくに働いている若い人にとっては大きな負担になるでしょう。

また透析をしながらでも長く生きられると信じられていますが、実際はそうでもありません。例えば若くして20代で透析を始めた人はたいてい50~60歳で亡くなる。24時間動いている腎臓の機能を週3回の透析で代替しようとしても無理があるわけです。

また、長期間の透析を続けるとさまざまな合併症も出てきます。腎移植が成功すればそのような身体の負担は小さくなります。さらに経済的な負担を考えても腎移植のほうが小さい」

手術後の患者のための税金や保険の負担は100万~150万円。移植手術の費用を考えても、長期的に見れば透析より移植のほうが国庫にかかる負担は小さくなる。

■「利権」が代替医療を妨害する

現在、日本で行われている腎移植の件数は年間で1600例。20年前は500例だったので、かなり増えたともいえるが、アメリカの1万8000例と比べるとまだまだ少ない。前出の新村氏も、移植医療の遅れが現在の透析依存を深刻化させたと述べる。

「腎移植が普及していればこうした状況にならずに済んだと思います。臓器移植法案がスムーズに通り、日本で腎移植がもっと早い段階で普及していれば、透析に頼り切る医療にはならなかった。

日本は移植へのアレルギーがあり、非常に厳密な移植の基準、臓器提供の基準ができあがってしまった。少しずつ緩和されてはいるものの、臓器提供できる病院が限られています。指定されていない病院で脳死患者が出ても、そこからは臓器提供ができないのです」

現在、日本で行われている腎移植の9割は身内がドナーとなっている生体腎移植だ。'97年に脳死移植が認められたものの、なかなか増えていないのが現実である。ちなみにアメリカでは脳死移植が全体の半分以上(年間1万例)もある。

移植の他の代替治療としては、腎臓の再生医療も研究が進んでいる。実現されるまで時間がかかるが、腎不全の患者にとっては大きな希望だ。

「多少陰謀論めいた話になりますが、これだけ透析利権が大きくなると、移植や再生医療の拡大を阻もうとする勢力も出てくる。腎移植の基準が緩和されたり、再生医療の研究が進めば、それだけ透析患者が減っていくのですからね」(前出の糖尿病専門医)

医療従事者ですらも腎不全になってしまえば、透析しかないと信じ込んでいる人もまだまだ多い。

「腎臓が悪くなったからすぐに透析、という考え方は間違っています。ドナーがすぐに見つかるかわかりませんが、その後の人生のことを考えれば移植の可能性はないのか、検討してみる価値はあるはずです」(前出の高橋氏)

医者の勧めるまま透析を始めたら、二度と健常な生活に戻れない。治療法とその後の人生は自分自身で選ぶしかないのだ。

「週刊現代」2016年9月10日号より



http://mainichi.jp/articles/20160910/ddl/k20/040/245000c
飯田の酒気帯び運転
市病院医師の逮捕で牧野市長、自身の処分を検討 /長野

毎日新聞2016年9月10日 地方版 長野県

 飯田市立病院の医師が5日に酒気帯び運転の容疑で現行犯逮捕された問題について、牧野光朗市長は9日の定例記者会見で「市民の信頼を回復する途上の出来事で痛恨の極み」と謝罪し、自身の処分も検討していることを明らかにした。

 同市では昨年7月に当時の市教委職員が酒気帯び運転で物損事故を起こしている。牧野市長は「短い期間で相次いだ不祥事を重く受け止めている。自ら襟を正したうえで全庁的に綱紀粛正を図りたい」と話した。減給処分を検討しており、市議会最終日の26日に関連議案を提出する。

 市立病院によると、医師は院内で開かれた自分の送別会で、ビールをコップ5、6杯飲んだという。辞職願を提出し8日付で受理された。問題を受けて病院は、院内での飲酒を禁止する通達を出した。【湯浅聖一】



https://www.m3.com/news/iryoishin/454292
シリーズ: 医療裁判の判決詳報
誤嚥死亡で和解金600万、神戸地裁での双方の主張を詳報
看護師の主張、看護記録の信用性が争点

2016年9月10日 (土) 高橋直純(m3.com編集部)

 神戸市内の病院に入院していた認知症の女性(当時74歳)がバナナの誤嚥をきっかけで死亡したとして、次女が770万円の慰謝料を求めて病院を運営する医療法人に損害賠償を求めていた訴訟は、8月12日に神戸地裁(倉地康弘裁判長)で和解が成立した。医療法人が600万円を支払う内容で、おおむね患者側の主張を認めたとみられる。争点になったのは誤嚥発生時の看護師の対応。病院側、患者側で大きく主張が異なっていた。

※以下の内容は、原告(患者側)、被告(医療法人)のそれぞれの主張を、裁判所に出した訴状、答弁書、準備書面などからまとめた要旨であり、裁判所が事実として認定したものではない。

■事案の概要
 亡くなったのはアルツハイマー型認知症を患っていた74歳の女性患者。特別養護老人ホームに入所し介護を受けていたが、体調が悪化し入院となった。入院約2週間後の朝食で出たバナナを誤嚥し窒息。循環器不全によって死亡した。女性の次女が2014年8月25日に770万円の慰謝料を求めて神戸地裁に提訴。2016年8月12日に病院側が和解金600万円を支払うことで和解が成立した。

【原告側の主張】
■事案発生までの状況

老人ホームでの状況
2014年4月11日 転倒して顎を負傷。夕食から上手く咀嚼できなくなり、口内にため込んでしまうようになった。
4月12日 昼食はお粥と汁物のみ提供。夕食はお粥とトロミ食。
4月16日 職員の声かけで自力で摂取。
4月30日 体が左に傾くようになり、水分が口から流れ出てしまうため、補助なしでは食事が取れない状況。
5月3日  発熱
5月4日 食事が全介助になる。

病院での状況
5月7日 入院。老人ホームから「かき込んで食べる癖があり、食事は全介助である」と申し送り。入院診療計画書や看護サマリーでは、全介護とされており、「安静度Ⅰ(自力で食事をすることができず、全面介助)」。
5月8日 手術(閉塞性黄疸と診断され、内視鏡的逆行性胆管ドレナージを留置)。絶飲食。
5月14日 病状が改善したため、夕食より食事。
5月16日 夕食後はむせて、肺雑音も聞こえた。誤嚥していたため食残物を吸引で取り出した。SPO2が86%、18時40分より酸素吸入。21時にはSPO2が93%。
5月17日 6時30分に酸素吸入停止。SPO2は92%以上。食事は全て摂取。
5月18日 朝食は全て摂取。全介助での夕食中にむせ始める。19時のSPO2は80%台。酸素吸入。
5月19日 SPO2は98%。酸素吸入停止。
 8時00分  担当看護師は朝食(お粥、鯛味噌、柔らか煮、バナナ1本)を提供。介助せずに別の場所に移動して目を離す。
 8時20分  バナナを誤嚥、窒息状態になっているのを担当看護師が発見。
 8時30分  呼吸停止、心停止、SPO2は測定不能。
 11時45分   誤嚥による循環器不全により死亡した。

■担当看護師の責任
1 誤嚥する可能性が極めて高かったこと
・入院する時点で、安静度Iで食事は全介助。
・5月7―14日の昼食まで、絶飲食でさらに嚥下能力が低下していた。
・食事再開後も食べこぼしが多く、5月16日の夕食からはむせることが多かった。
・18日にも全介助により食事をしていたが、むせている。
・女性には食べ物を詰め込む癖があり、食べこぼしも多かった。老人ホームでは職員が小分けにして食べさせていた。

2 担当看護師は誤嚥を予見できたこと
・老人ホーム職員より、かき込んで食べる癖があり、食事は全介助が必要であると申し送りを受けていた。(※原告側は老人ホーム職員による「口頭で全介助を伝えた」とする証言を裁判所に提出)
・計画書、サマリーにも全介助と記載されていた。
・16日はSPO2が80%台にまで低下するほど誤嚥している。

3 担当看護師の注意義務違反
・全面介助が必要であった。
・バナナ1本を丸ごと与えているが、バナナは粘着性が高く咽喉の幅より大きく、喉に詰まらせやすい。バナナ1本を丸ごと提供しながら目を離せば、喉に詰まらせ誤嚥によって窒息することは容易に予見できる。
・しかし、別の場所に移動し、放置しており義務を怠っている。

■看護記録の信用性について
 5月19日の看護記録に記載されている内容は虚偽である。
・「体が左に倒れ、鯛味噌のから(容器)を吸っている。バナナをそのまま1本食べたようで、上顎にバナナがたくさん付着。数回でかき出す。かき出している最中にも、残りの粥を入れようとしてくる」と記載されている。しかし、鯛味噌のからを吸う動作とバナナを食べる動作を同時に行うことなどできない。
・「かき出している最中にも、残りの粥を入れようとしてくる」とあるが、寝ている状態であればお粥を口に入れることはできず、看護師に体を支えられた座位であれば、看護師が手や器具を使ってバナナをかき出している最中に隙間から、粥を口に入れたことになるが行為様態から明らかに不自然である。
・また、「8時20分、自力摂取が危険なため全面介助をする」と記載されているが、体が左側に倒れながら、鯛味噌のからを吸い、バナナを口に詰めていたとすれば、明らかに異常事態であって、直ちに食事を中止するはずであり、漫然と食事を再開するはずがない。
・さらに、「8時30分、突然顔面蒼白となる。呼吸停止。口腔内の残食物を手で書きだす」と記載されているが、そうすると女性は顔面蒼白になるほどの誤嚥をしていながら、10分間も食事を続けていたことになるが、そのようなことは考えられない。したがって同記録欄に記載されている一連の行為は不自然かつ不合理であり、信用性に欠けるものであり虚偽である。
・被告の主張を前提とすれば、女性は8時15分以前にバナナを摂取し、8時30分に誤嚥したことになる。8時20―30分の間には、お粥や副菜を摂取しているが、バナナ片だけを口腔内に残して食事を続けることなどできない。よって被告の主張は不合理である。

■その他
・女性は5月19日11時ごろに退院予定だった。
・医師が作成した診療録には「8時40分 女性の口腔内から15mmのバナナ片2ケ摂取」とある。

■損害
女性は誤嚥により3時間もの間、激しく苦しみ死亡した。慰謝料は1800万円は下らない。3人の相続人がいて、次女は3分の1の600万円の損害賠償請求権を相続している。また、近親者としての慰謝料は100万円。身の回りの世話をしており、精神的苦痛に与えられた。弁護士費用70万円と合わせて、770万円を請求する。

【病院側の主張】
■老人ホームから食事の全介助が必要との申し送りを受けていたことは否認する。

・入院当時、全介助との記載はあるが、5月3日からの発熱による体調不良によるものであり、安静度Iも同様である。
・入院までは普通に食事ができており、一時的に体調を崩し安静度Iに至っていたにすぎない。
■介助の状況
・5月16日の朝食でバナナ1本を自立で食べており、何らの問題も生じていない。夕食も自立摂取だった。
・5月17日は3食全てが看護助手の見守り下の自立摂取で何らの問題は生じていない。
・5月18日は朝食、昼食も見守り下で全量を自立摂取。夕食でむせが起こり、看護助手が一部介助した事実はあるが、全量摂取し、意識レベルも問題なかった。全介助で食事をしたという主張は否認する。
・5月14-18日の夕食まで自立摂取であり、18日夕食で一部介助したにすぎない。

■5月19日の流れ
8時ごろ 配膳開始
8時10分 セッティング
8時15分 看護師が病室を訪れたところ、女性は左に傾いたまま鯛味噌のからを舐めている状態であったため、口の中を確認すると、上顎に一口大のバナナがたくさん付着していたため、数回、手で掻き出した。女性の意識レベルはクリアで、声掛けにもうなずいて対応したものの、かき出す間も粥を口に入れようとするため、自力摂取は危険と判断。
8時20分 全面介助で少量ずつ、粥、副菜を口に持っていき食べさせることにした。
8時30分 突然、顔面蒼白となり、呼吸停止したため、吸引しつつ、手でかき出すとともに看護助手や医師を呼んだ。
8時35分 心肺蘇生を開始。

■誤嚥する危険性が高かったとの主張を争う
・加齢あるいは廃用症候群により嚥下機能、反射が著しく低下していたとの事実は争う。
・5月3日までは自立して食事をしていた。
・5月14日には体調は回復し、夕食から自立摂取している。
・14日夕食から16日昼食までは5分粥、16日夕食は全粥となっている。
・16、17日の食事では何らの異常は認められない。この間は介助ではなく、自力摂取であった。
・嚥下機能が低下していた事実はうかがえず、原告の主張は相当とは言えない。

■予見可能性
・前医である老人ホーム委託医からは、大豆アレルギーとの記載のみで、誤嚥の可能性の指摘はない。
・ホーム職員の引き継ぎ事項にも記載がない。むしろ発病前は自立して食事をしていたと引き継いでいる。
・一人で食事をすれば誤嚥による窒息をするとの予見は不可能であった。

■担当看護師の注意義務違反は否認する
・5月16日朝食は、介助を要することなく自力でバナナ1本を感触している。バナナの提供行為の危険性が高いとは言うことはできず、様子を見ながら完食するまで食事を提供する義務を負うものではないと言わざるを得ない。
・看護師は食事時間中に頻回に各部屋を回って摂食状況を見守っていたものであり、その結果、8時15分には病室への訪問がされ、口内のバナナを発見し、これをかき出して全面介助による食事に切り替えた。
・この時点では看護師の声かけにも反応があり、スプーンで少しずつ粥、副菜を口に運んで摂取している状態で食事を介助している。注意義務違反はない。
・食道入口、咽頭蓋、咽頭内に残留していた食物がいずれかの時点で気道に落ち、誤嚥となって窒息を招いたと推認するのが相当である。
・8時半に急変した後は、即座に吸引をするととともに医師や他の看護師を読んで蘇生術を行っている。

【担当看護師の陳述書や尋問記録】
・1997年に看護師資格を取得。当該病院には4年前から勤務。
・当日は10人ぐらいの患者を、看護助手3人と対応。
・女性はベッドにもたれていた。
・口の中には一口大のバナナがたくさんあった。
・立った状態から、上から覗き込むように口腔内を見た。
・抵抗されることはなかった。
・苦しそうな顔もなかった。
・かき出した後、1分くらいしてから食事を再開した。
・柔らか煮と粥を食べさせている間に「うっ」となり、食べるのが止まった。
・看護記録は救急蘇生が終わってから記載した。
・このような事態は初めての経験。



https://www.m3.com/research/polls/result/143
意識調査意識調査一覧
結果保険医の人権を守れ!指導・監査の実態は?

カテゴリ: 医療 回答期間: 2016年8月31日 (水)~9月6日 (火) 回答済み人数: 364人

 医師や弁護士の有志らで組織する「健康保険法改正研究会」はこのほど、健康保険法、指導大綱・監査要綱の改正案をまとめました。
 指導監査をめぐっては、時に「保険医の自殺」を招くなど、その実施の在り方がかねてから疑問視されてきました。同研究会の改正案は、保険医の人権をしっかり守り、適正な手続きで実施することを求める内容で、レセプトが高点数の医療機関をターゲットとする「集団的個別指導」の廃止なども求めています(『保険医の人権を守れ!指導大綱・監査要綱の改正案』を参照)。
 m3.com医師会員のうち、開業医の先生方に、指導・監査をめぐるご意見をお聞きします。

◆開業医の66%は「萎縮診療につながる」、集団的個別指導

 本調査は、開業医の会員のみを対象に実施。指導の経験者は多く、「個別指導・集団的個別指導」の両方を経験した人は25%で、開業医の4人に1人を占めました(Q1)。個別指導のみ、あるいは集団的個別指導のみを合わせると、60%に上ります。指導は開業医にとって身近な問題であることが分かります。

 集団的個別指導は、レセプトの平均点数が高い医療機関が対象です。高点数が続くと指導に移る仕組みであるため、1996年の開始以来、「萎縮診療につながるのでは」との指摘が絶えません。今回の調査でも、「萎縮診療につながると思う」が大勢で、66%でした(Q2)。この結果を受け、集団的個別指導について、「継続すべきではない」との回答が50%で、「継続すべき」の21%の2倍以上に上っています(Q3)。

 また個別指導は、集団的個別指導からの移行のほか、(1)支払基金等や保険者、被保険者などからの情報提供(2)前回個別指導が再指導、あるいは経過観察で改善が認められない場合、(3)正当な理由のない集団的個別指導の拒否、(4)その他――などの場合に対象になります。ただこれらの基準は必ずしも明確ではないため、「対象医療機関の選定は、透明性、公平性が担保されているか」との質問に、「担保されていないと思う」が69%に上っています(Q4)。

 個別指導は、時に指導医療官が高圧的な態度を取るなど、その在り方がかねてから問題視されてきました。やり取りを録音したり、弁護士の帯同を認めるよう、現場からの働きかけががあり、徐々には改善されてきましたが、保険医の人権に配慮した体制か否かについては、「不十分なので、整える必要がある」との回答が最も多く、67%でした(Q5)。

 回答総数は、開業医364人でした。

 本テーマに対しては、実に数多くの皆様からご意見をいただきました。m3.com医療維新でご紹介します。また本ページのコメント欄では、引き続きご意見を受け付けています。

◆「高点数」=「悪」は時代遅れ【自由意見】

Q1 個別指導、集団的個別指導をこれまで受けた経験はありますか。
09101_20160911054407c9e.jpg
開業医 : 364人
※2016年9月6日 (火)時点の結果

Q2 レセプトの高点数を対象とする「集団的個別指導」は、「萎縮診療につながる」と思いますか。
09102_201609110544050a5.jpg
開業医 : 364人
※2016年9月6日 (火)時点の結果

Q3 レセプトの高点数を対象とする「集団的個別指導」は、今後も継続すべきと思いますか。
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開業医 : 364人
※2016年9月6日 (火)時点の結果

Q4 個別指導の対象医療機関の選定は、透明性、公平性が担保されていると思いますか。
09104_20160911054402028.jpg
開業医 : 364人
※2016年9月6日 (火)時点の結果

Q5 個別指導において、録音や弁護士など第三者の帯同など、保険医の人権に配慮した体制を整える必要があると思いますか。
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開業医 : 364人
※2016年9月6日 (火)時点の結果

Q6 集団的個別指導、個別指導、監査などについて、ご意見、ご経験があれば、お書きください【任意】
 (下記掲載)



https://www.m3.com/news/iryoishin/456684
シリーズ: m3.com意識調査
「高点数」=「悪」は時代遅れ
保険医の人権を守れ!指導・監査の実態は?【自由意見】

2016年9月9日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

Q 集団的個別指導、個別指導、監査などについて、ご意見、ご経験があれば、お書きください。

◆m3.com意識調査「保険医の人権を守れ!指導・監査の実態は?」の結果はこちら ⇒ 
開業医の66%は「萎縮診療につながる」、集団的個別指導

【指導・監査全般について】

◆指導・監査に問題あり、見直しを

・業務上、某県内の全ての集団的個別指導、個別指導、監査に立ち会っている。監査に至った悪質な医療機関は必ずしも高点数ではない場合がしばしばあり、「高点数」=「悪」であるという図式の現在の考え方は時代遅れであると考える。20年以上前に定められ、実質的な内容に関してほとんど改善がない指導大綱等(「保険医療機関等及び保険医等の指導及び監査について」(平成7年12月22日保発第117号厚生省保険局長通知)の別添1「指導大綱」等)の改訂が急務である。

・行政指導であること、些細な勘違いでも、返戻だけでなく保険医資格停止処分が当然行われることが周知されていない。裁判官がいない公平性が担保されない判決が役人によりなされ、自殺者まで出ているが、多くの医者は、「自分は不正は行っていないから大丈夫」と訳の分からない信念を持っているので、事態の重要性を認識していない。

・明らかな悪質な場合を除き、多くは良心に基づいて保険診療しているおり、萎縮医療や医療崩壊になると思います。医療費削減目的であればお門違い。
・高圧的で、密室性が高く、選定にもバイアスがかなりあると思われる。立会いの医師会長等は、全く意味がなく、単なる情報収集にすぎない。自衛手段を講じる必要あり。
・個別指導や集団的個別指導について時間的な猶予がない。予約制にしているが、患者の予約をキャンセルしなければならない。医師不足の地域でそこまでやる必要があるのか。
・不正請求を行う医師は論外であるが、痛くもない腹を探られるような制度はどうかと思う。
・数年ごとに自殺者が出ている事実を見ると、やはりこれまでのやり方に問題があると言わざるを得ない。役所はしっかり反省して改善していくべき。
・悪質なクリニックにはメスを入れるべきだが、真っ当にやっているクリニックには辞めてほしい。萎縮医療につながる。
・現場の裁量を優先すべき。外野からの意見は意見とするだけにしてほしい。権力の介入はノー!
・実際に「その診療科」の専門家でない人が「専門性を持った指導」ができるだろうか?この疑問に誰か答えてほしい。しかし、「医師」も「いい加減な請求」や止めるよう、常々知識を補充すべきと思う。「医師会」も毅然とした対応を「厚生労働省」に対してしないのは、「すでに馴れ合い」になっているのではないか、と思う。
・全般に処分内容が重く「一罰百戒」の思想がある。
・まずは、整骨院の不正請求を片付けることを優先すべきだと考える。

◆指導・監査、透明性に欠く
・悪質なケースもありますので、全廃は無理と思いますが、指導の透明性(警察の尋問も問題があるように)が確保されるべきかと思います。
・これらの指導や監査の対象となった理由が明確に示されることなく通知が来るので、対応の仕方が分からない。
・行政処分の恣意性が問題。第三者のもとでの決定が必要。

◆本来の「不正」質す制度必要
・大切な、国民皆保険を維持していくための財源を残していくために、「金の亡者」への指導は徹底し、無駄な医療費削減を続けるべきと思います。
・集団的指導、個別指導、監査なども、よほど悪徳な医療機関を調査して行うべき。
・まじめに診療を行えば、保険点数が上がるのは当たり前。点数の縮小は、結局は萎縮医療にしかならない。厚生局は不正請求を見抜くための手段(手腕)を整えるべきでは。
・不適切診療の取り締まり方としては完全に不適切かと思います。

◆指導・監査は必要
・自身の診療体制、正当性を見直す意味で指導、監査を受けることは必要であると思う。
・開業してしまうと、他の医療機関が行っている診療行為が分からず、自分の診療所が行っている検査や治療が、他と比べ正しいのか、診療点数が高いのか低いのかを見比べることができなくなってしまう。そのことと指導や監査が適切な方法とは思わないが、別のやり方があっても良いのではないかと思う。
・医療においてもコストパフォーマンスは重要だと思うので、むやみに高額の診療を行っている医師に対する指導は、必要だと考える。
・指導にはそれなりの理由がある。屁理屈を言う前に自らの診療内容を省みる必要がある。
・本当に悪いと思える医療行為に対した個別指導がなされていないと思う。例えば、適応外の手術を患者に強要するような。


【集団的個別指導、個別指導について】

◆集団的個別指導に異議
・集団的個別指導に呼ばれた原因がはっきりしない。レセプトの高点数というが、何がいけないのかはっきりしないと点数を下げようがない。普通に必要と思うものを患者さんベストでしているつもりであるが……。何をどうすればよいのか具体的に教えてほしいものだ。レセプトも減点する理由をもっと細かく書いてほしい。適応外では分からない。
 何でこんなにレセプトに対して不透明なのか、以前知り合いが減点に対して烈火のごとく怒り、減点した医者の名前を公表するよう何回も何回も電話し求めたが、それは教えられないとの一点張りで結局教えてもらえなかったが、その後、その知り合いの医療機関は一切査定を受けることが無くなったと言っていた。個人でそこまでやる覚悟が持てない。でもやるときは医療機関を閉鎖する覚悟で、とことんやるしかないと思っている。

・集団的個別指導は診療区分をどこで区切るかなどの問題もあるが、少なくとも保険点数の多寡で選別をすることが公平であるかどうか疑問です。更新時の集団指導で事足りることだと思います。
・通常の診療時間内に一方的に呼び出され、休診にしてまで指導される。呼び出された原因の高点数についても院外処方医療機関と院内処方医療機関との比較など、どのように比較して呼ばれているのか情報の開示がなさすぎる。
・私は自身の診療所で、手術治療をメーンに患者を診療しているが、それゆえレセプト平均が高くなりいつも個別指導対象にされてしまう。
・ずさんな診療所も確かに存在するので指導は必要である。しかし、一律に高点数で指導をすれば、まじめに一生懸命やっている診療所の足を引っぱることになる。レベルの低い診療所への指導に徹底してほしい。
・単にレセ平均の高点数だけでなく、総支払い高点数、院外処方の割合と総数など、細分化した集団の中で判断すべき(自主返還しても平均点にはならない場合がある)。
・透析施設でかつ院内処方の私の勤め先は必ずひっかかってしまう。これってフェアーではないと思います。 ・精神科でデイケアを実施しているため、集団的個別指導をレセ単価で決めるので、必ず該当するので、その考慮が必要と感じる。
・集団的個別指導を受けたが、どうしても個別指導にならないように検査をしても申告しなかったり、良くないと思われます。CPAP患者さんが180人くらいいるので、対策として舌下免疫の患者さんを増やしてレセプト毎点数を減らすようにしています。

・「医師」としてより、「基本的人権侵害」として、「集団的個別指導」という「法的」位置のはっきりしないものを、「医師会」が訴えるくらいの気概になってほしいと思う。
・7-8年前、集団的個別指導の審査員に「私の態度が自信満々すぎる」と怒鳴られたが、事務長を同伴していたので辛うじて怒鳴り返すのを我慢できた。今でも思い出すとあの時なんで怒鳴り返さなかったのだろう、とムシャクシャする。

◆個別指導に異議
・重箱の隅をつついてくる。個別指導の日程が決まったら診療にならない。前日は職員は深夜まで、医師と家族は徹夜をした。その後、平均点数を超えないように検査を控えた。院内処方で高齢者が半数以上なので、どうしても平均以上になる。個別指導を受けた医院が院外処方に変更すると個別指導の対象でなくなったと聞く。
・個別指導の日程など、指導を受ける側への配慮が必要です。個別指導のため、休診せざるを得ないケースがあります。
・個別指導2回、集団的個別指導3回のベテランですが、理由は高点数のみ。高い薬を使用しているだけで(バイオ製剤が50人以上)呼ばれ、意味なく通院回数を増やしたり、どうみても余分な薬を処方しているのに低点数なので呼ばれない医師を見ると今の制度は不合理だと思う。
・千葉県ではレセプト高得点だけではなく、特定の疾患を専門とするクリニックを矢継ぎ早に個別指導対象にしている。これなどは職権の乱用だろう。文句を言えば仕返しされる。

・新規個別指導においても、指導とは名ばかりで即刻監査に移行している。まずは指導に徹底していただき、改善が見られない場合には監査もやむを得ないと考えます。
・来月指導です。在宅看取り専門なので、前回は「金のかかることは、するなの」一点張りで、医療指導は、ありませんでした。
・弁護士帯同しました。それでも7人の監査員に囲まれて怖かったです。
・最初から不正をしているという態度で臨まれ、非常に辛かったです。
・違法なことをやっていませんので、特に心配はしていなかった。少しの減点は授業料と思って、差し上げました。
・院外処方でもジェネリック不可にすると指導される。
・悪意を持った指導は問題。

◆監査に異議
・人格を認めていない対応であり、医師が医師を裁くという。そして監査医師は役人を見ながら、これ見よがしに、攻める。アウシュビッツである。これからこの監査医師は特権を振りかざす。

◆レセプト返戻に疑問
・明らかに保険診療では支障がある保険請求もありますが、「経済的観点」からの納得できない返戻も多々あり、根拠が曖昧で査定措置も不定期なのはとても問題と感じています。
・自主返還という言葉は不適切。強制返還と変えるべき。
・香川県では訪問診療の同意書がないだけで、全額返還となっている。実際行って診療しているので、ゼロにするのはいかがなものかと思う。
・そもそもレセプトの返戻についても、査定責任者を明確にすべきだと考える。

◆指導官の資質に疑問
・審査員の名前は全員告知するべきである。人気がある病院の感情的なレセプト減点があることは事実であり、まさにいじめである。

・審査医の未熟性がある。整形外科が小児科を審査したり、異常。改善を求める。どちらも主張し合うことが必要。
・医学に基づく指導ならともかく、臨床能力のない人には何の指導もできるはずがない。
・今は審査員のみが正道である点がおかしい。減点ありきで切り捨てがまかり通っている。改善を要望する。
・現場の医療が分からず、専門性の知識のない輩に指導されるいわれはない。
・指導する側も、何らかの評価を受けるべき。



https://www.m3.com/news/general/457775
認知症の女性が徘徊中死亡、施設に賠償命令
2016年9月10日 (土) 読売新聞

 認知症の女性(当時76歳)がデイサービス施設を抜け出し、徘徊中に死亡したのは、施設側が注視義務などを怠ったためだとして、女性の遺族が施設を運営する社会福祉法人新宮偕同かいどう園(福岡県新宮町)を相手取り、約2960万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、福岡地裁であった。

 平田直人裁判長は「女性の動静を見守る注視義務を怠った」として、同法人に約2870万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2014年1月、通所中の施設を抜け出し、3日後に施設外の畑で凍死しているのが見つかった。女性はアルツハイマー型認知症と診断されていた。

 平田裁判長は「女性には徘徊癖があり、施設側は警戒すべきだった。すぐに警察に通報するなど最善の対応も取らなかった」などと指摘。「女性が抜け出すことは予見できなかった」とした施設側の主張を退けた。



https://www.m3.com/news/general/457698
(耕論)命の値段 相良暁さん、土居丈朗さん、田村恵子さん
2016年9月10日 (土) 朝日新聞

 高額のがん治療薬をめぐり、薬剤費や医療費のあり方が議論されている。治せる病気は治したいけれど、負担には限りがある。治療や延命にかける費用の「適正」額は存在するのか。

 ■「安く創薬」目指す時代に 相良暁さん(小野薬品工業社長)

 ほぼ四半世紀かけ、世界初のがん免疫療法薬オプジーボを開発しました。当初、「夢の新薬」とお褒めの言葉をいただきましたが、薬価が高いため、薬剤費高騰の象徴のように非難され、非常に困惑しています。肺がんの患者に1年投与すると3500万円かかり、患者の半分5万人が使うと年間1兆7500億円、薬剤費全体10兆円の2割だ、というのです。実際は対象患者は限られ、当社の推計では今年度は1220億円です。

 薬価は製薬会社が決めるのではありません。オプジーボのように類似薬がないと、研究開発や製造原価の総額に営業利益や流通経費を加え、それを想定患者数で割る総括原価方式で薬価が決まります。画期的な薬として加算も認められ営業利益は通常の6割増の27%で算定されました。

 研究開発費は製薬会社の言い値ではという批判もありますが、計上できる項目は厳密なルールに基づいています。

 オプジーボは最初に患者が470人と少ない皮膚がんで保険適用を申請し承認され、高めの薬価になりました。昨年末、患者が100倍以上いる肺がんでも承認されましたが、2年に1度の薬価改定に間に合わず、肺がんも高い薬価が適用されています。

 先に肺がんで申請していれば、薬価は安くなったに違いありません。でも、製薬会社は薬効と安全性から保険承認の確率が高い疾患、他に薬がなくて患者さんが待っている疾患を優先します。オプジーボではそれが皮膚がんでした。世界の大手製薬会社が競合薬を準備する中、一日も早く承認が受けられる疾患に注力するのは当然です。

 延命や生活の質を改善するのに、どこまで高価な薬が許されるか、という費用対効果の考えは理解できます。オプジーボを含む七つの薬で厚生労働省が検証を始めました。ただ何を評価して結果をどう使うのか、現在のところわかりません。先に導入した英国では、使うべき薬が使えない弊害も出ていると聞きます。

 売上高が予想の1・5倍以上で年間1千億円を超えた薬に限り薬価を下げる特例拡大再算定制度も今年始まりました。高額薬を狙い撃ちにしたこれらの制度は経営の見通しを立てにくくさせ、研究開発へ負の影響も出かねません。薬価の決め方を根本的に考え直す時期かもしれません。

 今後の創薬の目標は難しい病気ばかり。新薬開発は必ずしも成功するものではありません。業界には新薬成功の確率は3万分の1という統計もあり、開発費は上がり続けています。必要な患者さんに一日も早くよい薬を届けるのが製薬会社の使命でしたが、これからは「できる限り安く作る」も加わったと考え、それに見合った研究開発を模索する時代に入ったと思います。(聞き手・畑川剛毅)

     *

 さがらぎょう 58年生まれ。大阪市立大卒。83年小野薬品工業に入り、経営統轄本部長などを経て2008年から現職。

 ■費用対効果、指標が必要 土居丈朗さん(慶応大学教授)

 薬剤費を抑え、国民皆保険という優れた制度を維持するには、複数の手法を組み合わせる必要があるでしょう。

 まず、高額薬剤の処方について、各医学会に対象とする患者を決める厳密なガイドラインを設けてもらう。医師は最善の医療を尽くすのが義務でコストは国が考えるべきだと主張しますが、そうした時代は過ぎ去りました。医学的に寿命が残り3年の人に10年延命できる薬を投与すべきか否か、高額薬が医療全体に与える影響も視野に入れたガイドラインが必要です。

 医療界自ら抑制するのを期待するのは楽観的すぎるという意見は承知していますが、財政の制約を盾に全体枠を先に決めても失敗するだけです。2006年、「骨太の方針」で社会保障の自然増を2200億円に抑え「どれを削るか、当事者間で決めなさい」と打ち出し、反発が大きくて失敗しました。当事者にやる気がないとできません。

 もう一つは、富裕層に保険適用以前に新薬を高額で処方する方式です。金持ちだけが使え、「命に値段をつけるのか」と批判されますが、皆保険制度を維持するには必要でしょう。例えば、治験が進み保険適用が見通せる直前の半年とか1年とか、製薬会社の言い値で処方し、富裕層に研究開発費の一部を負担してもらって、その後に算定される薬価を下げるのです。

 多剤投与の問題も深刻です。内閣官房の医療介護情報専門調査会の分析では、国民健康保険で1カ月に外来で10種類以上の薬を処方された患者の薬剤費が薬剤費全体の4割、7種類以上だと6割を占めていた。6~10種類以上を同時服用すれば副作用が生じる患者がかなり出るという研究があります。複数の薬局で別々に処方されるために健康被害を出しながら薬剤費が余分に出ているのが現状です。

 総括原価方式を使う薬価算定で、製薬会社が失敗した薬の開発費も計上しているのではとの批判も絶えません。製薬会社は研究開発段階で減税の恩恵を受け、開発に成功すると、様々な名目で薬価に加算がつく。患者が「両取りでは」と不信感を抱かないよう、製薬会社はコストを詳細に公表する必要があります。

 世界保健機関は、費用対効果の指標として、今より1人多く延命させるために増やしていい薬剤費の目安を示しています。その国の1人当たり国内総生産の3倍で、日本なら年間1200万円です。目安の数字には論議が必要でしょうが、今の医療は、赤字国債で未来にツケを回して維持しており、将来世代から「使いすぎ」と批判されてもおかしくありません。薬に限らず医療費の財源をどこまで負担できるか、費用対効果の指標を設けるなど、国民的議論が必要な時期に来ていると思います。(聞き手・畑川剛毅)

     *

 どいたけろう 70年生まれ。専門は財政学。09年から現職。行政改革推進会議議員、財政制度等審議会委員などを務める。

 ■治療、生き方から考えて 田村恵子さん(京都大学大学院教授)

 高価な薬との関連で医療費の問題に注目が集まる機会に、私は人々の目がより根本的なことに向くことを期待しています。それは、命について考えるということです。

 なぜかというと、命について議論することがとても難しいからです。語るにはなにか清廉潔白でなければいけないように思われていますし、家族でご飯を食べながら語り合うこともまれですよね。

 死が迫ってから考えるのでは、こわいだけです。子どものころから人は死ぬものだということを見聞きし、命について考えられるようにしておきたいものです。それができるよう、仕組みを作っていくことも必要だと思います。

 誰しも老いて死ぬという当たり前のことが、医療の進歩とお金の力によって見えにくくなっています。このことも、命に目が向かない要因です。保険が利かない自由診療や最先端の老化防止にはかなりのお金がかかります。受けるのは個人の自由ですが、死や老化が避けられるのではという錯覚が広がってしまわないか、心配です。

 私は長いことホスピスで看護師を務め、今は大学病院でも働いています。がん治療を終え、地域に戻る患者さんが増えています。病院でできることには限界があるので、1年前からがん体験者が交流できる場所を、町屋を借りて開いています。生活に密着した形であれば、命について考えやすいと思ったからです。

 約束事もない、自由な場です。「こんなふうに考えたらええんやな」と気づき、自分なりに命への向き合い方をつかみ取ってもらえたら。地域のなかで知恵が積み重なっていけばと、やっています。

 薬についていえば、病状や病気の進行について平易な言葉で患者さんの理解を確認しながら説明していくことで、患者さんの薬の選び方は変わる気がします。長い目で見れば薬を使っても使わなくても、先の状態が変わらないことはよくあるからです。

 それから、人生の終わりを見定めて逆算して考えることも大切です。死を考えることは、生きる感覚を高めることにつながる。そうするなかで、自分で納得して積極的な治療をやめる人もいます。

 公的に受けられる治療の範囲は、個人ではどうしようもできません。ですから、毎日を心地よく暮らしていくことを考える方がいい。日々の暮らしが豊かになれば、命も豊かになります。

 結局は生き方の問題なのではないでしょうか。最新の薬を使う方が自分らしいのであれば、使えばいい。反対に、そうした薬にしがみついたら、そこだけなんだか自分の生き方と違うなと思う人もいるでしょう。

 確かなことはひとつ。不老不死の薬はないということです。(聞き手・北郷美由紀)

     *

 たむらけいこ 57年生まれ。がん看護専門看護師。25年間、ホスピスケアに携わる。著書に「余命18日をどう生きるか」。



http://newswitch.jp/p/6044
東京都心「街の中小病院」を守れ
国民皆保険を維持するために

日刊工業新聞2016年9月9日

 私の病院は、池袋駅から徒歩5分。戦後間もなく開院してもうすぐ65年になります。今でこそ池袋は、新宿、渋谷と並ぶ三大副都心の一角をなしており、JR東日本、東武、西武、東京メトロが乗り入れる大ターミナル駅を擁しています。

 開院当時の池袋の街は、空襲で多くの建物が破壊され、巣鴨拘置所がポツンと残っていました。ここが後に「サンシャイン60」になるわけです。このサンシャインも竣工してからすでに40年が経過し、2011年3月11日の東日本大地震の際には、大きな揺れが長く続きました。ビル内では立っていることさえままならない状況だったものの、建物自体の損傷はほとんどありませんでした。

 池袋の街は、新築の豊島区役所などの一部の建物を除くと、築30―40年を経たものが数多く見られます。「新しい街を計画したらどうか」といった声があちらこちらから聞こえてきます。

 ただ、都心は、郊外や地方と異なって、簡単には模様替えはできません。企業活動をしながら、建て替えを行っていくための代替地がないのが大きな理由の一つです。

 地方都市の物価の安さを見るにつけて、全国一律の保険医療費というのは、都心の医療法人には大変厳しい現実を突きつけています。中小の商店や、中小企業を潰(つぶ)してしまった都市計画の失敗例であるシャッター商店街のように、今や東京も都心部から街の医療機関がなくなってきており、もう住みやすい街とは言えなくなってきています。

 もちろん、武蔵小山商店街や大山商店街など元気な街も残っていますが、山手線内の多くの街は、人が住みにくくなってきているのも事実です。東京の街を熟知する新しい都知事が誕生したからには、20年の東京五輪・パラリンピックを成功させることはもちろんです。

 併せて、気楽に行ける商店街と同じように、誰でもが行きやすい「街の中小病院」がなくなることのないように願っています。人が住みにくくなった東京中心部を「人に温かい街・東京」に変えていくには、街の病院が果たさなければならない役割は大きいものがあると思っています。
(文=川内章裕・医療法人社団生全会 池袋病院院長) 



http://www.yomiuri.co.jp/local/ibaraki/news/20160910-OYTNT50308.html
[鬼怒川決壊1年]医師、看護師ら 連携考える
2016年09月11日 読売新聞

 つくば市のつくば国際会議場では10日、「常総水害から1年―災害医療における多職種連携―」と題した県救急医学会シンポジウム(県医師会救急医療部会主催)が開かれた。

 登壇したのは、鬼怒川の堤防が決壊し、水害に見舞われた常総市で当時、医療活動に関わった医師や看護師ら。現場の課題を報告しあって今後の教訓にすることなどが目的だ。

 きぬ医師会病院(同市新井木町)と、水海道さくら病院(同市水海道森下町)では、浸水被害を受けて医療機器が使えなくなり、患者の避難を余儀なくされた。

 この「病院避難」を経験した両病院の担当者は、停電などで固定電話やファクス、電子カルテが使えず、通信手段を携帯電話だけに頼らざるを得なかった当時の緊迫した状況を説明。水海道さくら病院では、人工透析が必要な患者がいたものの、職員を含む約140人の避難が完了したのは泥水が流入してから44時間後だったという。

 県医師会などで作る県災害医療コーディネーターが堤防決壊後の医療体制づくりを担った経緯や、災害の経験が生きた活動事例の紹介もあった。被災者の心のケアを担当した県の「こころのケアチーム」は、災害派遣精神医療チーム(DPAT)となり、熊本地震の被災地に派遣されたことが報告された。

 水海道さくら病院の斎藤幸江看護部長(64)は「水害の起きた当時の経験を発信する機会が与えられて光栄。災害時に見つけた対策を医療関係者に伝えたかった」と、シンポジウムの意義を語った。

  1. 2016/09/11(日) 05:47:44|
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