Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月6日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/456151?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160906&dcf_doctor=true&mc.l=176156522&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
“名大事件”が群大事故調査の手本 - 上田裕一・群大“事故調”委員長に聞く◆Vol.1
腹腔鏡事故、委員長として調査を経験

2016年9月6日 (火) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)、高橋直純(m3.com編集部)

 昨年来、医療界で関心を集めた群馬大学医学部附属病院の肝切除術に伴う医療事故。7月末に外部委員から成る調査委員会は、執刀医個人に焦点を当てた2015年3月の同大院内調査とは異なり、病院全体の診療体制に問題があるとし、再発防止に向けその改善を求めた(『死亡事故の背景、「手術数の限界を超え、悪循環」』を参照)。
 外部調査委員会の委員長を務めたのが、奈良県総合医療センター総長の上田裕一氏。計35回、約210時間に及んだ調査は、上田氏が2002年の名古屋大学教授時代に経験した医療事故調査での考え方がベースになっているという。
 群馬大は7月末に執刀医らの懲戒処分を行ったが、「想定していなかった」と語る上田氏。群馬大の事故調査の経緯や基本的考え方を、調査のエピソードも交えつつ伺った(2016年8月26日にインタビュー。計6回の連載)。

――先生は名古屋大学の心臓外科教授を務められていた2002年8月に起きた、腹腔鏡下手術中の大動脈損傷の医療事故調査委員会の委員長を務め、2002年の11月から2007年3月までの約4年半、名大医学部附属病院の医療の質・安全管理部長の職に就かれていました。

 腹腔鏡下手術を実施したのは2002年8月16日。器具(腹腔鏡挿入トロッカー)の挿入時に、腹部大動脈を損傷して大量出血を来たし、懸命の救命措置にもかかわらず、8月18日に患者さんはお亡くなりになりました(『腹腔鏡事故、「逃げない、隠さない、ごまかさない」』を参照)。

 名大病院は8月20日に記者会見を行い、医療事故を公表するとともに、「事故調査を行い、2カ月後には、原因を究明し、再発防止策などについて報告書をまとめ、皆さんと共有したい」と約束しました。画期的なのは、「2カ月」と期限を区切ったこと。1例の事故であり、手術から死亡までの期間は3日と短く、2カ月でできると判断したのです。

 調査委員会の委員長を務めたのは私ですが、この調査は「外部委員主導」です。私は、名大に着任して3年しか経っておらず、他の外科系教授は皆、名大卒だったので、当時の名大病院院長だった二村雄次先生から「君しかいない」と事故調査委員会の委員長に指名されたのです。「外部的な内部委員」と言えます(編集部注:上田氏は1976年神戸大卒、1999年8月から名大心臓外科教授)。

 外部委員として加わったのは、CBC(中部日本放送)のジャーナリストの後藤克幸さん、弁護士の加藤良夫先生、藤田保健衛生大学外科教授だった松本純夫さんの3人。内部から私と麻酔科の教授、看護師長の3人が参加、計6人がメンバーです。メンバーを選んだのは、名大病院の副院長だった大島伸一先生です。幸い全て名古屋にいた方だったので、時間調整をし、計7回会議を重ね、報告書をまとめました。私自身、事故調査は初めての経験、かつ「外部委員主導」の事故調査も名大病院としては初だったので、想定以上に作業は大変でした。

 事故は医師法21条に基づき、警察にも届けました。しかし、二村院長は警察に対し、「警察も見に来ていいが、司法解剖ではなく、病理解剖で対処したい」「これは医療の問題だから、外部の人も含めて、大学としてきちんとした調査をするので、その結果が出るまで、警察は動かないでほしい」という趣旨の依頼をされました。おかげで、業務上過失致死罪容疑で警察の捜査が入ることもありませんでした。

――先生ご自身は、事故調査は初めてだったとのことですが、何を参考に調査を進められたのでしょうか。

 医療事故調査のやり方について何も知らない私をゴールに導いてくれたのは、後藤さんと加藤先生をはじめとした他の委員です。学んだ一つは、関係者の人権に配慮する必要性です。ヒアリングをする際には、「答えたくなければ、答えなくてもいい」と黙秘権があり、代理人の陪席も可能なことを伝えました。

 また今だから言えますが、患者さんはお亡くなりになっているので、執刀医はものすごく落ち込んでおり、院内でも、またメディアの方々も誰が執刀したかを知っており、執刀医の精神面でのサポートにも気を遣いました。名大の医局は、比較的オープンなスペースだったのですが、その片隅に彼が座っており、孤立しがちな状態だったので、同じ外科の仲間でも、どのように声をかけていいのか非常に気を遣っていました。調査委員会の委員の看護師長は、文部科学省の全国の国立大学病院の副看護部長クラス向けに行ったジェネラル・リスク・マネジャー研修を受講しており、この辺りの心配りについてアドバイスをされていました。

 調査の過程では、特に外科医は、普段の症例検討会でもそうですが、「誰が何をしたのか」などと、個人の行為に焦点を当て、単刀直入に聞きがちです。しかし、重要なのはその背景要因であり、それを探る調査の仕方も学びました。例えば、術前のカンファレンスはどんな議論がされたのか、なぜその3人の外科医が手術のメンバーに決まったのか、まだ腹腔鏡手術を始めて間もない時期だったので、3人はどれくらい経験していたのか、そのほか前日の勤務状態、輸血の準備、麻酔科医の対応、看護の体制など、「最終的なイベント」が起きる前のそれぞれの段階を検証するという、「フィッシュボーン」の調査方法も教わりました。

 出血後の対応にも目を向ける必要があります。執刀した消化器外科医は、腹部大動脈損傷後、血管外科医を呼ぼうとした。執刀医は電話には出られず、また院内PHSがまだなかった時代なので、手術室の看護師さんがまず医局に電話した。医局の秘書さんがポケットベルで血管外科医を探したので、血管外科医が駆け付けるまでにも時間がかかっています。

 デバイスの検証も行いました。使用した米国製のトロッカーは、「力を入れるとブレード(刃)が出て、皮膚、そして筋膜を超え、先端で抵抗が感じなくなった時点で、ブレードが収納されるという安全装置が付いている」という触れ込みでした。実際に手術に使用したブレードを製造会社に依頼してテストした時には「正常に作動する」との回答でしたが、アメリカでは「収納されない場合もある」との情報が上がっており、日本にはその情報が伝わっていなかった問題もありました。

 実は私も事故を知った当初は、「これはまずいことをしたのではないか。どんな力で押せば、腹部大動脈まで突き刺せるのか」などと外科医の不十分な操作が原因と考え、「この調査を引き受けるのは辛い」と思ったのです。しかし、実際には事故はいろいろな背景要因が重なった結果であり、「最終的なイベント」だけに目を向けていたら、「彼の技術が悪かったのだろう」との結論に陥ってしまう危険も、名大病院の事故調査を通じて学びました。

 背景要因を探るには、緻密な事実認定が必要になります。例えば、カルテに書いている時間と、実際に起きた時間が違うかもしれません。名大は当時、オーダリングシステムは導入していましたが、紙カルテの時代でした。麻酔記録、心電図などの記録が食い違うことがあります。輸血は何時にオーダーして、何時に到着したのかなども、記録類や関係者の証言を丁寧に付き合わせることが求められます。

 調査する際は、自分の知識や経験に基づき、「スト―リー」を作りがちです。執刀医、第一助手、第二助手、麻酔科医、看護師など、皆の目から見た事実を引き出し、それを記載していく事実認定の方法も教わりました。皆さんはヒアリングを受けるのは初めてであり、緊張し、どのように答えていいのか悩み、不安も覚えるわけです。ヒアリングに当たっては、まず二村院長から、「私たちは、職員を守ります。だから、協力してほしい。調査の結果に基づいた懲戒などの処分はせず、その後の勤務に影響することもありません」という趣旨で説明しています。その上で、私たち事故調査委員会からは、「なぜ事故が起きたのか、事実の検証が目的であり、責任追及が目的ではありません」と調査の趣旨を説明しました。

 実際のヒアリングに当たっても、テーブルの両側に対立するように座るのではなく、丸いテーブルを使い、委員会の6人以外は、大学の関係者は一切入れず、録音も取らず、話しやすい雰囲気を作りました。

 さらに報告書作成の段階でも、後藤さんと加藤先生が、今の医療事故調査の雛型になるような章立てを提示くださった。まず「フィッシュボーン」に従い、事実を検証していく。想定し得る背景要因のそれぞれに対し、そこから再発防止策を整理していく。他の委員に支えられた事故調査でしたが、最後の報告書完成の段階で、皆が分担して執筆した内容を通覧した後、一つにまとめる作業は私が担当しました。

――二村院長は「職員を守る」と言われたそうですが、院内の処分などは行われたのでしょうか。

 職員の処分は一切しておりません。事故は2002年8月に起きましたが、二村院長は翌年春の定期異動についても、執刀医については、名大病院での仕事を続けてもらうため、「異動させるな」と言っています。完成した事故調査の報告書は、警察にも届け、刑事事件にはなりませんでした。事故の翌年2003年8月には示談が成立しています。



https://www.m3.com/news/general/456440
胆管を誤って切断 習志野の病院提訴 千葉地裁
2016年9月6日 (火) 千葉日報

 胆嚢(のう)の摘出手術で誤って右胆管を切除され胆汁が漏れていたのに腹水と説明されたため死亡の危険があったなどとして、女性会社員(34)が習志野市の津田沼中央総合病院を相手取り、慰謝料など計約1130万円の損害賠償を求める訴えを千葉地裁に起こした。提訴は8月16日付。

 訴状によると、女性は昨年6月に多発胆嚢結石と診断され、9月から同病院に通院、12月に単孔式腹鏡下胆嚢摘出手術を受けた。その2日後に、主治医男性から「手術中に副胆管を切除してしまった」などと説明を受けた。その後、女性の腹部はふくれあがり、痛みが続いたが、「腹水がたまっているだけ」と説明され、治療はされなかった。

 不審に思った女性は、今年1月、国立千葉医療センター(千葉市)に転院。同院の検査では、誤って切除した部位は「副胆管」でなく「右胆管」で、腹部にたまっていたのは「腹水」でなく「胆汁」で、放置していれば死に至っていたと判明した。

 原告側は「女性は肝機能が低下してしまい、当初説明を受けていた手術後5日の退院の予定が2カ月に延長し、その間収入を得られなかった」と主張。

 同病院は「コメントを控える」と話した。



https://www.m3.com/news/general/456415
侵入容疑の元教授不起訴 福岡地検
2016年9月6日 (火) 共同通信社

 福岡地検は6日までに、住居侵入容疑で逮捕されていた産業医科大(北九州市)元教授の男性(49)を不起訴処分とした。8月31日付で、処分理由は明らかにしていない。

 男性は5月24日、福岡県福津市に住む女性のアパートの庭に侵入した疑いで福岡県警に逮捕された。逮捕を受け産業医科大は6月、産業保健学部の教授だった男性を諭旨解雇処分にしていた。



https://www.m3.com/news/general/456414
酒気帯び容疑で医師逮捕 長野・飯田
2016年9月6日 (火) 共同通信社

 長野県警飯田署は6日までに、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、飯田市立病院の医師宮崎暁(みやざき・さとる)容疑者(31)=同市=を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は、5日午後10時55分ごろ、同市内の国道で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転した疑い。

 宮崎容疑者は交差点で乗用車と衝突する事故を起こした際、署員による呼気検査で基準値を超えるアルコールが検出された。衝突した車の女性は軽傷のもよう。



http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000082905.html
病院内で送別会…研修医が“酒気帯び運転”で事故
(2016/09/06 18:45) テレビ朝日

 自らの送別会の後、酒気帯び運転の疑いで逮捕されました。

 逮捕されたのは、長野県飯田市立病院の医師・宮崎暁容疑者(31)です。警察の調べによりますと、宮崎容疑者は5日午後11時ごろ、病院前の交差点で40代の女性が運転する乗用車とぶつかりました。警察が駆け付けて宮崎容疑者の呼気を調べたところ、基準を超えるアルコールが検出されたため現行犯逮捕しました。宮崎容疑者は研修医で、今月末でこの病院での研修を終える予定でした。5日は院内で送別会が開かれ、ビールなどを飲んでいたということです。警察の調べに対し、宮崎容疑者は容疑を認めています。



http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/160906/lif16090619410017-n1.html
保団連、がん治療薬「オプジーボ」の価格引き下げを要望 「米英と比べて高額」 
2016.9.6 19:41 iza net / 産経新聞

 医師や歯科医師らでなる全国保険医団体連合会(保団連)は6日、厚生労働省で記者会見し、免疫の働きを利用する新型のがん治療薬「オプジーボ」の現行の価格が高すぎるとして、緊急に薬価改定を行うよう厚労省に要望したことを明らかにした。5日付で、書面で郵送した。

 オプジーボは国内で開発された新薬。一部の皮膚がんの治療薬として平成26年9月に発売が開始され、延命効果は高いが、患者1人への投与で年約3500万円かかるとされる。

 保団連は英国機関の資料を分析した結果、オプジーボの薬価は米国では100ミリグラム約30万円、英国では約15万円で、日本(約73万円)の価格は米国の約2・5倍、英国の約5倍だったことが判明したと指摘。患者1人の年間薬剤費も日本の約3500万円に対し、英国約780万円、米国約1400万と国際的に高値で算定されているとした。

 このため保団連は、国民皆保険制度を維持しつつ、国民に良質な医療を平等に保障するためにも「薬価改定を行うのが適切だ」と要望。米英などの実勢価格を踏まえた水準に引き下げるよう求めた。

 また、厚労省に対し、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の了承前の薬価原案について、算定経過などを公開することも、合わせて求めている。

 保団連の住江憲勇(けんゆう)会長は「オプジーボは限られた医療財政を圧迫する要因になっている。薬価改定は喫緊の課題だ」と述べた。

 オプジーボなどの新薬をめぐっては、医療費高騰を抑制するため中医協で議論。薬価改定は原則2年に1度で、次回は30年度だが、厚労省は次回の薬価改定前に特例的に値下げする方針を示しており、年末までに結論を出す方針。



http://mainichi.jp/articles/20160906/ddl/k12/100/098000c
国際医療福祉大
医学部、学生募集始まる 医師不足解消なるか /千葉

毎日新聞2016年9月6日 地方版 千葉県

訪日富裕層取り込み経済効果期待 地域貢献は未知数

 国際的に活躍できる医師の育成を掲げ、医学部が来年4月、成田市公津の杜の国際医療福祉大(本部・栃木県)成田キャンパスに新設される。先月31日に文部科学相が認可し、今月、学生の募集が始まった。2020年春には付属病院も開院する。学生や教員らの人口増に加え、成田空港に近い立地を生かした成長産業として経済効果が期待されるが、県内の医師不足解消につながるかは未知数だ。【北川仁士】

 京成線公津の杜駅前に今春開設された同大成田キャンパス。成田看護、成田保健医療の2学部の新しい校舎に隣接する約1万4800平方メートルで、医学部校舎2棟の建設が進む。

 医学部を巡る動きは6年前にさかのぼる。成田市の小泉一成市長が「医科系大学の誘致」を公約に再選した。一方、国には成長産業として医療関連輸出に力を入れ、高度医療を求める海外の富裕層を呼び込みたいとの思惑があった。

 国際空港を持ち、空港による固定資産税などで比較的裕福な成田市は、国家戦略特区を活用した医学部誘致に乗り出し、国際医療福祉大と医学部や病院の新設を共同提案した。こうした経緯から医学部、病院とも市が約33億円かけて土地を取得・造成し、無償貸与する。校舎建設にも45億円を補助する予定だ。

 国内では医師の質の低下を懸念して、1979年の琉球大(沖縄県)以後、医学部新設が認められなかった。国際医療福祉大は「国際的な医療人材の育成」を目的に、被災地復興支援の特例だった今年度の東北医科薬科大に続いて特例で認可された。1学年の定員140人のうち20人は東南アジアを中心とした留学生とするほか、多くの講義は英語で実施し、4週間以上の海外臨床実習が行われることなどが特徴だ。学費は6年間で1850万円。大学側は「私立大医学部では最も低くした」と説明する。

 県内では医師不足が深刻だ。人口10万人あたりの医師数(14年時点)は182・9人と全国47都道府県中45位。現在、大学医学部は千葉大しかなく、医学部新設には医師不足解消の期待もかかる。成田市の関根賢次副市長は認可された先月31日の記者会見で、卒業生の地元への定着の目標を問われ「(千葉大医学部などの)実績から6〜7割程度は定着していただけると期待している」と話した。

 だが、国は「一般臨床医の養成・確保を主たる目的とする既存の医学部とは次元の異なる医学部とすること」との方針を示す。大学も「どこで働くかは学生が決めること。どの程度が地域に、ということはこちらでは決められない」との姿勢だ。

 ある医療問題の専門家は「地域医療で経験を積まなければ、国際的に優秀な人材も育成できない。市はこれだけの税金を投入するのだから、(国や大学側に事前に)情報を公開させ、地域医療に貢献できるか判断しなければいけない。でないと、金を出しただけという結果になる恐れもある」と指摘している。

◆成田市への医学部新設の経緯◆

2010年12月 小泉一成市長が再選。医学部誘致を公約
2013年 9月 成田市と国際医療福祉大が「国際医療学園都市構想」を政府に提案
2014年 3月 成田市を含めた「東京圏」が国家戦略特区に
2015年 7月 成田市内での大学医学部新設の方針を国が決める
. . . .11月 国家戦略特区会議で国際医療福祉大が医学部を新設する案が決定される
2016年 8月 大学設置・学校法人審議会が設置認可を文科相に答申(26日)。文科相が認可(31日)
. . . .9月 国際医療福祉大が医学部学生の募集開始

 <予定>
2017年 4月 医学部開設
2020年 4月 成田空港近く(成田市畑ケ田)に国際医療福祉大付属病院を開院



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG05HAW_W6A900C1CC0000/
「減数手術失敗で流産」 大阪の夫婦、医師らを提訴
2016/9/6 13:13 日本経済新聞

 不妊治療で妊娠した五つ子を一人も出産できなかったのは、子宮内で胎児の数を減らす「減数手術」でのミスが原因だとして、大阪市の30代女性と夫が6日までに、同市で産婦人科を運営する医療法人と医師に約2340万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。5日の第1回口頭弁論で被告側は請求棄却を求めた。

 訴状によると、女性は産婦人科で不妊治療を受けた際、多胎となる可能性を説明されず、五つ子を妊娠。昨年6月、医師の勧めに応じて減数手術を受けたが、双子に減らす過程で失敗し四つ子となった。再手術の際、最初の手術で減らす対象にした胎児を把握できず、最終的に残った双子も同9月に流産した。

 女性側は医師が手術前のエコー検査結果で、一卵性の双子が2組いることを見落としたのが原因と主張。減数手術では一卵性の双子の一方を減らすと、もう一方も亡くす危険があるため、術前に双子が含まれるかの確認が重要だったなどとしている。〔共同〕



http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/189240
5万円超えでVIP待遇も 病院に払う「予約料」って何だ?
2016年9月6日 日刊ゲンダイ

「初めて行った病院で、診察が終わって次回の予約をしたところ、初診料、診察料のほかに『予約料』を請求されて、面食らった」――。こんな経験はないだろうか。病院によっては、マスコミなどに登場する有名医師の診察を予約する場合、通常の初診料以外に予約料を取られることがある。どういう性格の費用なのか? 長浜バイオ大学医療情報学の永田宏教授に聞いた。

「予約料とは、厚生労働省が認めている『選定療養費』のひとつです。選定療養とは、患者が選定して、特別な費用負担をすることで得られるサービスのこと。『入院時の差額ベッド代』『紹介状なしの大病院の初診』『他の医療機関の紹介を受けながらの大病院の再受診』『歯科の金合金』『時間外診療』『小児の虫歯指導』『180日以上の入院』『制限回数を超える医療行為』などに認められています」

 厚労省の「主な選定療養に係る報告状況」によると、平成26年7月1日現在、「予約料」を取っている病院は全国で447施設。その金額は最低20円から最高5万4000円だという。

 ちなみに、「差額ベッド代」は100~37万8000円、「紹介状なしの大病院の初診」は医科5400円、歯科3240円、「時間外診療」は70~1万6200円、「入院期間が180日を超える入院」については1人1日当たり400~5120円と報告されている。

■VIP待遇を受けられる病院も

「予約料は、長時間待たされることなく一定時間以上の診察を受けるための費用です。高額な予約料を取る病院では、専用の入り口や豪華な診察室を設け、『3分診療』などと揶揄される診察時間も30分近く設定、患者が指名した医師に診てもらえるなど、VIP待遇を受けることができます」

 ただし、予約診療を行っている医療機関すべてが予約料を請求できるわけではない。請求するには細かなルールがあり、それをクリアしなければならない。

「例えば、①予約料患者を30分程度以上待たせてはいけない ②予約料患者以外の患者もおおむね2時間以上待たせない ③予約料患者の診療時間は10分以上確保、予約料患者の診察は1人の医師につき1日40人程度までとする ④予約料患者の受け入れとそのシステムについて院内に分かるよう掲示 ⑤予約料が適切⑥料金改定は厚労省に届ける、などです」

■予約料を取る診療科目の苦しい事情

 予約料を取っている診療科目は、精神科や神経内科、人気医師がいる病院が多い。理由は保険点数が低く経営が苦しいか、患者が集まり過ぎているからだ。

「精神科の診療報酬単価は、すべての診療科の外来診療報酬と比較して、皮膚科に次いで2番目に安い。ところが、診療時間はダントツに長い。これでは病院や診療所を経営するのは難しい。一方で、人気の医師がいる病院は患者が集まり過ぎて一人一人の患者さんを丁寧に診られない。そこで、数千円の予約料を取ることになっているのです」

 少々お金がかかっても予約時間通りに診てくれて、診療時間も長くVIP待遇をしてくれるのなら、無理してもお願いしようと思う人もいるだろう。しかし、気をつけたいことがある。

「予約料は保険外診療ですので、医療費控除や高額療養費の対象外になります」



http://www.medwatch.jp/?p=10300
病床機能報告制度、2016年度からは「診療内容」も病棟単位で報告を―厚労省
2016年9月6日|医療・介護行政をウォッチ

 今年度(2016年度)の病床機能報告制度から、「機能」と「人員配置・構造設備」だけでなく、「診療内容」も『病棟単位』での報告となる。その際、電子レセプトで診療報酬請求を行っている医療機関では、レセプトに病棟コードを入力しているか否かで報告方法が異なるので留意してほしい―。

 厚生労働省は1日に発出した通知「平成28年度 病床機能報告制度の実施について」の中でこのように注意喚起しました(2016年度の病床機能報告マニュアルはこちら)。

ここがポイント!
1 電子レセプトの「病棟コード」記載の有無で、報告方法が異なる
2 一部の特定入院料と病棟機能とを紐付けして例示

電子レセプトの「病棟コード」記載の有無で、報告方法が異なる

 いわゆる団塊の世代(1947-51年の第1次ベビーブームに生まれた方)がすべて75歳以上の後期高齢者となる2025年に向けて、医療(とくに慢性期医療)・介護ニーズが飛躍的に高まります。そのため、より効率的で質の高い医療提供体制を構築するため、厚労省は「病院・病床の機能分化・連携」を推進しています。

 具体的には、各都道府県で「2025年において高度急性期、急性期、回復期、慢性期の機能ごとに地域でどれだけの病床数が必要になるのか」を軸とする地域医療構想を定めます。一方で、病院・有床診療所が自院の各病棟について「どのような機能を持たせたいと考えているか」を毎年報告してもらいます。「地域医療構想」と「病床機能報告の結果」とのギャップを、調整会議で議論しながら埋めていくことで、機能分化・連携を進めていく考えです。

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病床機能報告制度と地域医療構想(ビジョン)との関係

 病床機能報告制度は2014年度からスタートしており、(1)自院の各病棟の機能(2)人員配置・構造設備の状況(3)具体的な診療内容―を、一般病床・療養病床をもつすべての医療機関が報告する仕組みです。

 このうち(3)の診療内容は、「どのような診療報酬を算定しているのか」をレセプト情報から抽出して把握します(厚労省が集計し、それを病院側がチェックする)。しかし、従前はレセプトと病棟の突合ができなかったため、この部分については「病院単位」での把握にとどまっていました。この点、2016年度の診療報酬改定に合わせて電子レセプトの様式が一部修正され「病棟コード」を入力する欄が設けられたため、2016年度の今回報告から、(1)(2)(3)すべてのデータを「病棟単位」で把握することが可能になりました(関連記事はこちら)。

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2016年4月からレセプトに「病棟コード」を記載することになり、病床機能報告制度では対応表(どの病棟を指しているかが明確になるように)の提出も求められる

 これにより、例えばA病院では3階東病棟について現在・将来ともに「急性期」と報告しているが、診療内容を見ると、他の「急性期」と報告されている病棟に比べて「総手術件数」や「脳血管内手術件数」、「急性期らしい診療報酬項目(例えば救急搬送診療料、救急医療管理加算など)の算定回数」が著しく少ない、といったことが分かれば、自ら別の機能への転換を検討するきっかけにもなります。厚労省が判断材料となるデータの提供が今後、これまで以上に積極的に行われることが期待できます。

 ところで、医療機関によっては「病棟コードの入力」をしているところと、していないところがあります。厚労省は今般の通知で、両者では報告方法が次のように異なるとして、注意を呼びかけています。

【病床コードをすべて、あるいは一部入力している医療機関】

 厚労省から『病棟ごと』に集計した確認用データが送付される(12月下旬)ので、その内容を各医療機関で確認して報告する。病棟コードが未入力分のデータは、医療機関で病棟ごとに集計(報告様式2Bで集計、近く厚労省サイトに準備される)した上で報告することが必要である。

【病棟コードをまったく入力していない医療機関】

 厚労省から『医療機関ごと』に集計した確認用データが送付される(12月下旬)ので、その内容を各医療機関で確認し、『病棟ごとに集計』(報告様式2Bで集計、近く厚労省サイトに準備される)した上で報告する。

一部の特定入院料と病棟機能とを紐付けして例示

 なお、「地域医療構想策定ガイドライン等に関する検討会」での議論を踏まえて、「一部特定入院料と各機能との紐付け」が行われました。例えば「救命救急入院料や特定集中治療室管理料を算定する病棟」は、その施設基準に照らして高度急性期として報告することが好ましく、「特定疾患入院医療管理料や特殊疾患病棟入院料を算定する病院」は慢性期機能での報告が好ましいとされています。もちろん、これらの特定入院料を算定していない病棟であっても、「高度急性期の機能である」と判断することは可能です(関連記事はこちら)。

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4つの医療機能の概要、従前に比べて、一部の特定入院料を算定する病床がどの機能に該当するのかが例示されている

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厚労省が示した「一般的な取扱い」案。ここでは地域包括ケアを「急性期」と「回復期」に結びつけているが、構成員の意見を踏まえて見直される模様

 
 2016年度は、10月1-31日に各機能などの報告を行うことが必要です。すでに地域医療構想が公表されている地域もあり、その内容も踏まえ、将来を見据えた報告が求められます。

2016年度における病床機能報告制度のスケジュール、例年どおり10月1-31日の間に報告を行うことが必要である
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https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160906_8
唯一の公的病院で内科外来再開 台風被害の岩泉町
(2016/09/06) 岩手日報

 岩泉町内唯一の病院の済生会岩泉病院(柴野良博院長、80床)は5日、台風10号の影響で休診していた外来診療を内科で再開した。地域の中核病院の再開に、健康不安を抱える避難者らは安心した表情を見せた。

 同病院は断水などで31日から外来診療を休診。入院と透析の患者を内陸の医療機関にヘリコプターで移し、救急に専念していた。

 移送が完了し、水の供給もほぼ復旧したことから、常勤医2人で内科を再開。午前8時半に受け付けが始まると、早速高齢者らが訪れた。柴野院長は「できるだけ早く通常の診療内容にしたい。ほかの医療機関などと連携し、避難者の医薬品不足に対応する体制づくりも進めている」と住民の健康と命を守る決意を語った。

 外来受け付けは平日の午前8時半~午前11時半。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0906504631/
関西空港はしか拡散...追跡困難、さらに感染連鎖の恐れ〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.09.06 13:25 Medical Tribune / 読売新聞

 関西空港で、8月中旬から麻疹の集団感染が広がっている。5日までに関空の従業員32人と、その診察や搬送にあたった医療関係者2人、一般客3人の計37人が発症。今後も拡大が心配されている。国際線だけで1日数万人もの利用客がある〈空の玄関口〉で麻疹の感染はどのように広がったのか。

7月31日

 「関空を7月31日に利用した誰かから広がったとみるのが有力だ」

 関空を運営する関西エアポート幹部は、関空関係者らが次々と麻疹に感染する「関空ルート」の起点を7月末と推定する。

 根拠は、厚生労働省などによる麻疹感染者の行動調査。国内で8月9〜11日に、麻疹を発症した4人が全員、7月31日に関空にいたことがわかり、麻疹の潜伏期間(10〜12日)から逆算すると、この時期に関空にいた「誰か」から感染したとみられるためだ。

 4人の内訳は1人が関西エアポートのグループ会社の従業員、残り3人は一般客で、麻疹の遺伝子型も同じ「H1」で中国やモンゴルで多い型だった。

 さらに、感染した一般客3人のうちの1人については、兵庫県内の家族4人と、8月に行った千葉市でのコンサート会場にいた2人の発症が確認されており、「関空外」にも感染が広がっている。

「風邪」と診断

 関西エアポートによると、7月末に感染したとみられる従業員は、国際線でカウンターなどの接客を担当。8月9日に勤務中、発熱し、医療機関では当初、「風邪」と診断された。

 診断後、従業員はいったん休んだが、熱が下がり、同13日に出勤。だが再び発熱して同日、早退し、2日後に体調が悪化して救急搬送され、17日に麻疹と診断された。

 その後、この従業員の同僚らが8月27日以降、次々と発症。大半が20〜30歳代で、ワクチンの定期接種を1回受けるか、受けそびれたとみられる若い世代だ。また関連は不明だが、8月28日に関空対岸の商業施設を利用した30歳代の男性1人も麻疹と診断された。

 関西エアポート幹部は「8月9日の診察時点で『麻疹』と診断できていれば、拡大は防げたかも」と話すが、麻疹の発生件数は全国でも2015年は35件と少なく、同年3月、世界保健機関(WHO)は日本に土着のウイルスがいない「排除状態」と認定。大阪府医療対策課の幹部はこう話す。

 「麻疹は日本ではほぼなくなったとされているうえ、風邪と見分けがつきにくく、医師も気付けなかったのだろう」

1日最高6万人

 麻疹の集団感染は今夏、関空とは別ルートで千葉県松戸市などでも起きているが、1日に数万人が行き交う「関空ルート」での調査対象の規模は、同市などに比べて、はるかに大きい。

 今夏のお盆の時期は、1日の利用客が国際線で約6万人と1994年の開港以来、最高を記録。厚労省担当者は「利用者の行動を追うのは、至難」と指摘する。

 また、麻疹の潜伏期間を考慮すると、二次感染した関空従業員らから、さらに感染が広がる三次感染の発症時期が9月上旬にあたり、「今後も油断はできない」(関西エアポート幹部)と警戒する。



国立感染症研究所の大石和徳・感染症疫学センター長の話 「関空での感染ルートの調査は現実的にはハードルは高いが、誰に接触したのかなどを調査することは重要だ。国際空港は国の玄関口として、医療機関レベルの意識で予防と対策を講じる必要がある」

(2016年9月6日 読売新聞)



http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06927480W6A900C1000000/
準強制わいせつ容疑の医師「やっておりません」
2016/9/6 23:00日本経済新聞 電子版 / 日経メディカルオンライン

 手術後で麻酔が残る女性患者に対し、術後診察に訪れた医師がわいせつ行為をしたとして非常勤外科医が逮捕された事件で、2016年9月5日、東京地方裁判所で医師の勾留理由開示公判が行われた。医師とその弁護人は、院内調査の結果の一部などを示しながら、「被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があると判断することは重大な誤りである」と無実を訴えた。

■勾留理由は病院関係者との通謀、罪証隠滅の恐れ

 勾留理由開示公判とは、勾留中の被疑者・被告人について、勾留した理由を、裁判官が公開の法廷で明らかにする手続きのこと。公判冒頭、裁判官は医師の容疑を説明した。それによれば、被疑者であるA医師は右乳腺腫瘍摘出手術を受けた後、麻酔が残って抗拒不能である女性患者に対し、着衣をめくって左乳房をなめるなどの行為を2回にわたって行い、うち2度目については自慰行為に及んだというものだった。

 勾留理由として、「(A医師が手術を行った柳原病院の)関係者と通謀し、罪証隠滅を図る恐れがある。事件の悪質性に照らせば、勾留が必要」と話した。犯罪があったとする根拠としては、「被害者の供述、捜査書類や鑑定結果」を挙げた。ただし、「鑑定結果」の内容については、証拠の開示に当たるため「開示する必要はない」と説明した。

 この後、A医師は「疑われる事実について、私はやっておりません」とだけ発言した。続いて3人の弁護人が意見を述べた。その中で、手術後の状況などが説明された。

■1度目の訪室時は医師と看護師2人が同席

 手術は被疑者のA医師が右乳腺手術を執刀し、上司に当たるB医師が前立ちを担当した。麻酔の開始時刻は13時35分、終了は14時42分。手術開始は14時、終了は14時32分だった。麻酔薬は、笑気ガスを13時35分に開始し14時25分に終了(2L/分継続、総量60L)、セボフルラン吸入麻酔液15mLを13時35分に開始し14時30分に終了(1L/分→2L→0.6L)、プロポフォール静注1%20mL(200mg)を13時35分に使用、ペンタゾシン5mgを14時に使用、ジクロフェナクNa坐薬50mgを13時39分に使用した。

 手術終了時刻の14時42分から45分の間、A医師とB医師が術後の患者をベッドに移乗させ、付き添って入院病棟に戻った。患者は14時45分に病室に戻ったとカルテに記載されている。A医師は、その後すぐに手術室に戻り、15時前まで手術記録を書いていた。同時刻、B医師も手術室に戻り、A医師の側で患者の母親に手術の説明などをしていた。第1回目の犯行時刻とされるのは、14時45分から50分の間。そのため弁護人は、「(その時刻、A医師は)病室にほとんどおらず、手術室にいた。A医師がわずかの間、病室にいたときには、B医師や看護師2人が同席していた」と話した。

 この病室には、14時45分から15分おきに看護師が定時の巡回をしている。その他、患者にボタンを握らせた状態であるナースコールが5分に1回ほど鳴っていたといい、「看護師が頻繁に訪室する環境だった」と説明した。14時45分の時点で、当該患者は閉眼したままだった。ただし、病室で患者が「ふざけんなよ」「ぶっ殺してやるからな」と小さな声で言っているのを看護師は聞いていたと弁護人は言い、「この時、患者には攻撃的な妄想、幻覚が出現していた」と主張した。

■2度目の犯行時刻は他の患者を訪問

 次にA医師が患者の容体確認のため訪室したのは15時頃。このときは、定時のバイタル測定をしている看護師がいた。A医師は、患者の右側からベッドに近づき、着衣をめくり、右胸のガーゼに血がにじんでいないことを確認した。この確認は数秒で、同室の看護師もいる状況だった。この後、A医師は別室の他の患者を訪室した。

 2度目の犯行時刻は、15時7分から12分の間とされている。しかし、弁護人は「A医師は、別室の他の患者を訪室しており、A医師はこの病室にいなかった」と強調。なお、15時10分にナースコールで看護師が訪室しているが、このときA医師はいなかったという。

 その後15時14分から15分に掛けて、A医師は当該患者のもとを訪れた。このときは、患者の母親がいた。A医師が「ちょっと診ますから」と母親に声を掛けると、母親はカーテンの外に出て、すぐ側に立って待っていた。A医師は右胸の触診を行い、20秒以内で終了した。患者の母親や、同室の向かい側のベッドにいた薬剤師は異変を感じなかったという。A医師が退室する際、看護師が定時巡回で訪室した。この後、A医師は訪室していない。

 弁護人は、これらのことを説明した上で、「わいせつ行為は一切なかったこと、また不可能であったこと」を改めて主張した。その中で、ベッドの高さの問題についても触れている。ベッドは上下可動式のもの。手術室からベッドへ移乗したことと、帰室後も頻繁に看護が必要になるため、患者のベッドは手術室から戻ってきたままの高い状態にしてあった。患者のベッドのマットレスまでの高さは、マットレスの座面まで約80cm、ベッド柵は患者左側に2カ所、右頭側に1カ所の合計3カ所設置されていた。床からベッド柵までの高さは約103cmから約110cmあった。ベッドが高い状態のままであり、ベッド柵があったことから、弁護人は「A医師がベッドの脇から患者の左胸にかがみ込み、患者の左胸をしゃぶることは、顔面が左胸に届かず、不可能である」と述べた。また、ベッドが高い状態のままであったことから、A医師の股間はベッドの座面より下にあった。患者はA医師の自慰行為を見たと訴えているが、「患者の視野にA医師の股間が入ることは非常に困難である」とした。

■「A医師本人の唾液が検出された」は誤報

 また弁護人は、「本件について、唾液が検出されたことが『物的証拠』であるかのような報道がある。中には、唾液が本人のものと一致したとの報道さえある。しかし、この報道は誤報と言うほかない。捜査側から、唾液の検出や、その唾液がA医師本人のものであるとの鑑定結果が公式に表明されたことはない」と強調した。

 ただし、患部の写真撮影時や超音波検査を行った際、B医師とともに胸部を見てマーキング位置を検討した際など、A医師がマスクを着けずに患者の胸部に接近する機会は数回あったため、「A医師の唾液の飛沫が左胸に付着した可能性は否定できない」と言う。唾液の鑑定は、アミラーゼ反応の検出の有無によって行う。弁護人は、「アミラーゼ反応は微量でも検出されるため、陽性反応があったとしても『左胸をなめた』ことと、『左胸に唾液の飛沫が付着した』こととの区別はつかない。従って、アミラーゼ反応があった場合でも、わいせつ行為があったことの立証にはならない」と主張。さらに、アミラーゼ反応だけでは個人は特定されないことから、「唾液中からDNAが検出され、そのDNA型がA医師のものと一致しない限り、その唾液がA医師のものと特定することはできない」と話した。

 病院関係者との通謀や罪証隠滅の恐れについて、弁護人は「現時点で既に4カ月弱が経過していることから、既に病院関係者の認識は一致している。そのため、証拠隠滅の余地もない」と説明した。

 以上のことから、弁護人は「妄想の中でひとたび患者が被害を申告すれば医師が逮捕されるという実例が生じ、それが許容されるということになれば、男性医師の萎縮を招き、医師減少、診療差し控えなどで女性関係の医療現場は大変な打撃を受ける。まずは医師、そしてその弊害は患者に及ぶことは必定である」と改めて主張し、「本件に犯罪の嫌疑がないこと、患者の訴えは根拠とならないこと、それを裏付ける証拠がないこと、現職の医師を逮捕することがいかに重大で医療破壊をもたらすかを十二分に受け止め、その上で判断をするよう、強く問うものである」とした。

 なお弁護人によると、2016年8月29日、身柄拘束が不当だとして裁判官に釈放を求める「勾留決定に対する不服申立(準抗告)」を申し立てたが、同日棄却されたという。

(日経メディカル 増谷彩)



http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20160905-00061879/
手術直後の患者にわいせつ行為をしたと逮捕された医師と弁護人が法廷で「無実」の訴え
江川紹子 | ジャーナリスト
2016年9月5日 20時23分配信 Yahoo ニュース

東京・足立区の病院で、胸部の手術を終えたばかりで意識はあるものの身動きがとれない状態だった30代の女性患者に対し、執刀医がわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつの疑いで警視庁千住署に逮捕された事件。逮捕・勾留中の●●医師(40)の勾留理由開示公判が5日、東京地裁(高島剛裁判官)で行われ、関根医師は「私はやっておりません」と容疑事実を否定した。弁護人は詳細に「無実」の理由を挙げて、勾留の不当性を訴えた。

裁判官は「罪証隠滅の恐れ」と

高島裁判官の説明によれば、●●医師にかけられた容疑は、手術後に病室に戻されたA子さんに対し、2度にわたって着衣をめくって手術をしなかった左乳房の乳首などをなめ、2度目にはさらに自慰行為に及んだ、というもの。
勾留の理由について、高島裁判官は「関係者に働きかけや通謀を行って罪証隠滅する恐れがあり、事案の重大性や悪質性から勾留が必要」と述べ、勾留を決めた資料としては「被害者等の供述調書、鑑定結果、捜査報告書」とした。また、罪証隠滅の対象としては、「(当該事件が起きたとされる)病院の関係者を想定している」と述べた。

本人は「私はやっておりません」と

これに続いて、●●医師が「疑われている事実について、私はやっておりません。以上です」と容疑事実を否定。
その後、3人の弁護人が交代で意見を述べた。

「無実の事案」と弁護人

弁護人意見の要旨は次の通り。
1) 本件は、被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由はなく、むしろ無実の事案である。
2) 麻酔として、笑気ガス、セボフルラン吸入麻酔薬、プロポフォール、ペンタゾシン、ジクロフェナクNa坐薬を使用した。術後、関根医師ともう一人の医師が付き添って、入院病棟に戻った。その直後に、 A子さんが目を閉じたまま「ふざけんなよ」「ぶっ殺してやるからな」など小声で言うのを看護師が聞いているなど、麻酔の影響による幻想・妄想があった。全身麻酔の患者が、手術後、反覚醒状態の時に妄想や幻覚を見ることは、ままあることだ。
3) 病室は4人部屋で、カーテンで仕切られただけで、声や音、気配などは容易に伝わる状態であり、他の3床には患者がいた。
4) 1回目の犯行があったとされる時間帯、関根医師は手術室で記録を書いていた。ごく短時間、この病室に行ったが、その際には一緒に手術を担当した別の医師と看護師2名がいた。
5) 2回目の犯行があったとされる時間帯には、関根医師は他の病室にいて、別の患者を診ていた。
6) 病室には15分ごとに看護師が定時巡回していたほか、患者からナースコールがされるたびに、頻繁に看護師が病室を訪れていた。1回目の犯行があったとされる時間帯にも、ナースコールがあった。ナースコールは看護師の携帯電話と連動しており、自動的に時刻が記録される。ナースコールのボタンはA子さんに握らせていた。
7) 2回目の犯行があったとされる時間帯の後、関根医師がA子さんの病室を訪ねた時、ベッドサイドにA子さんの母親がいた。関根医師が「ちょっと診ますから」と言うと、母親はカーテンの外に出て、そのすぐ側に立って待っていた。診察に要した時間は20秒以内。触診したのは手術をした右胸だけである。その間、ナースコールはなかった。関根医師が部屋を出る際、看護師が定時の巡回を行っている。この後、関根医師は病室には寄っていない。
8) 関根医師は、手術前にマスクをつけていない状態で、手術する右胸の写真を撮ったり、手術部位のマークをつけたり、術後も触診をしたりしているので、唾液の飛沫やDNAが付着したりすることはあり得る。
9) すでにA子さんの左胸の検体は採取が済み、病院に対しても2度の捜索差し押さえが行われ、隠滅するような証拠は残っていない。警察は、少なくとも平成28年7月から8月25日の逮捕に至るまでの間、関根医師を尾行しており、同医師がA子さんに接触していないことも明らかである。
10) 妄想によって患者が被害を申告するだけで医師が逮捕されるという事態が許容されれば、男性医師の萎縮を招き、医師減少、診療差し控え等で女性関係の医療現場は重大な打撃を受ける。

勾留理由開示公判とは

勾留理由開示公判は、勾留中の被疑者・被告人をいかなる理由で勾留決定したかを、裁判官が公開の法廷で明らかにする手続き。ただし、弁護人によれば、勾留の決定をした裁判官が出てくるとは限らず、今回の高島裁判官は勾留の決定をした裁判官ではない、とのこと。

G3註:元記事は実名記載があるが、G3の判断で伏字とした。



https://community.m3.com/v2/app/messages/news/2580437
医者に言いにくい患者の声、医学生が聞きます
16/09/05 京都新聞 

 診察や医学教育に患者の声を取り入れるため、京都や滋賀、大阪の医学生が医師に対する望みを患者から聞き取る試みを行う。「先生」と呼ぶ医師に本音を語れない患者は多く、将来的には治療ガイドラインにも反映させたいという。全国的にも珍しい取り組みで、学生は「医学生だからこそできる、患者と医師をつなぐ役割を果たしたい」と意気込んでいる。
 
 計画しているのは、大阪医科大5年の荘子万能さん(23)と橋本里穂さん(23)、滋賀医科大6年西明博さん(31)と京都大医学部5年石橋茉実さん(23)。慢性疾患で治療法が多く、生活上の負担も大きいリウマチを選んだ。
 
 「日本リウマチ友の会」(東京都)の協力を得て、患者計6〜9人をグループごとに分け、90分間で聞き取る。質問項目は細かく決めず、診療に抱く疑問や不満、普段は医師に意思表示できないことを、対話の中で引き出すよう努める。日本リウマチ学会による患者対象の調査で上がった「主治医が目を見て話してくれない」「検査値だけの話題しかない」といった声を反映させた。
 
 医学部は5〜6年で臨床実習を行う。西さんは「実習では患者から『先生』と呼ばれる。一方、がん患者サロンでは医師への不満を聞く」と振り返る。荘子さんも「患者も学生には気軽に話せることがあるかもしれない。医学生の立場を医療に生かしたい」と語る。
 
 4日に京都市内で聞き取り、結果を10日に東京大である日本ヘルスコミュニケーション学会で発表する予定。荘子さんらに助言している京大医学研究科の中山健夫教授は「患者の生活や価値観を深く尋ねることは、学生の教育としても大きな意味を持つはず」と期待する。
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https://community.m3.com/v2/app/messages/news/2579466
(私の視点)感染症治療薬 開発組織、日本が主導を 山田忠孝
16/09/03 朝日新聞

 ブラジルで発生したジカウイルスは、感染症の恐ろしさを改めて印象づけた。パンデミック、つまり感染症の世界的大流行は、公共施設の閉鎖や旅行制限から医療の崩壊や国家の孤立、そして世界的なパニックまでも招きかねない。健康上の問題にとどまらず、テロと同等レベルの国家安全保障上の脅威とみなすべきなのだ。従来の薬に耐性をもつ原因菌やウイルスが次々生まれており、その脅威は日増しに深刻化している。

 それに備えるには、ワクチンや治療薬の開発が必要だ。しかし、新薬の開発には、膨大な資金と人材、時間の投資を必要とする一方で、感染症が大流行しないと使われない。製薬企業にとっては、ビジネスとして取り組む意欲がわきにくい。

 研究を促す仕組みが様々工夫されてきたが、効果は限定的だった。今こそ新たなアプローチが必要だ。

 それは、メガファーマ並みの研究開発費を持ち、感染症治療薬の開発に特化した非営利の製薬企業の立ち上げだ。世界的な科学者や経営者がこぞって参画を望むような環境整備と、資金を着実に成果に結びつけ、透明に管理する体制が必要となる。

 野心的すぎると驚かれるかもしれない。実は、日本には、その実現の足がかりとなる二つの実績がある。政府や民間団体などが資金拠出し、日本の製薬企業の研究開発力を活用して途上国の医療ニーズにこたえる治療薬を開発する「グローバルヘルス技術振興基金」と、2000年の主要8カ国(G8)九州・沖縄サミットでの議論をきっかけにできた国際組織「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」だ。

 これらの日本発の組織は、産学官と市民セクターの連携で資金を拠出・運用し、成功した。両組織には、プロジェクト管理のノウハウや、実行のためのネットワークがある。それらを駆使すれば、必要とされる薬の開発を産学官が共同で進める、世界的な非営利製薬組織の実現も決して夢ではない。5月のG7伊勢志摩サミットで日本政府も過去最大の資金提供を発表し、取り組みは拡大している。

 現在、世界のパンデミック対策のコストは毎年約6兆円にのぼる。その一部を投じるだけでも、感染症の治療薬やワクチンの開発を充実するのに十分貢献しうる。2020年の東京五輪に向けて、感染症の治療薬開発の仕組みを今こそ備えるべきだ。世界の安全を脅かす感染症の脅威に立ち向かうための野心的かつ革新的解決策を日本が立ち上げるのに、今ほど良いタイミングはない。

 これは私たちが負けてはならない戦いだ。日本がそこでリーダーシップをとることが期待されている。

 (やまだただたか 元ゲイツ財団グローバルヘルスプログラム総裁)



https://community.m3.com/v2/app/messages/news/2579173
長崎市立病院機構 赤字
16/09/02 長崎新聞

 地方独立行政法人の長崎市立病院機構(兼松隆之理事長)は1日、2015年度決算の純損益が約8億5700万円の赤字と明らかにした。赤字は3年連続。長崎みなとメディカルセンター市民病院の全面開院を見据え、医師や看護師を前倒しで採用し人件費が増えたことが主な要因としている。

 同機構は今年3月に成人病センターを閉院し、市民病院と統合。市民病院は7月に513床となり、駐車場棟を除き全面開院した。

 赤字は14年度の約14億9200万円より縮小したが、見込んでいた約8600万円の赤字よりは大きく膨らんだ。理由について、同機構は人件費のほか、駐車場棟の建設中に損傷した雨水渠(うすいきょ)の復旧対策費などを臨時損失として計上したこと、統合に伴い新たな資機材の購入が生じたことを挙げている。

 15年度の市民病院の延べ入院患者は12万492人(14年度11万2959人)、病床稼働率は90・4%(同85・0%)。どちらも14年度を上回った。

 ただ、16年度も看護師の大量採用に伴う人件費の増加で、厳しい経営状況は続く見通し。同機構は「材料費や光熱費の抑制などを通じ、早期の黒字化を目指したい」としている。

  1. 2016/09/07(水) 06:00:59|
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