Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

9月3日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/455342
第7次医療計画、「在宅医療」の方向性固まる
在宅医療及び医療・介護連携に関するWG、取りまとめ

2016年9月2日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の「在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」(座長:田中滋・慶應義塾大学名誉教授)は、9月2日の第2回会議で、医療計画に盛り込む在宅医療に関する見直しの方向性(案)を議論、おおむね了承した。今後、親会に当たる検討会に報告する(資料は、厚労省のホームページ)。

 見直しの方向性は、全国一律の在宅医療に関する計算式を示すのではなく、(1)目標設定、(2)指標、(3)施策の――という三つの視点から考え方を提示。

 (1)の目標設定に当たっては、地域医療構想による慢性期・在宅医療等の需要推計を踏まえ、在宅医療ニーズや目標とする提供体制についての考え方などを記載するとともに、在宅医療サービスと一部の介護サービスが相互に補完する関係にあることなどを踏まえ、医療計画を策定する都道府県と、介護保険事業計画を策定する市町村の協議の場を設置し、両者の整合性を図る。

 (2)の在宅医療の整備状況等を把握するための指標としては、ストラクチャー指標を見直した上で、医療サービスの実績に着目した指標を充実させる。その際、「在宅死亡者数」というアウトカム指標だけでなく、看取りに至る過程を評価する指標も充実するよう見直す。在宅医療には、退院支援、日常の療養の支援、急変時の対応、看取り――という4つの機能があり、これらを評価する指標をいかに設定するかが課題となる。

 さらに、(3)では、効果的な施策を講じるため、在宅医療に関する圏域を設定し、課題を把握するとともに、介護保険法に基づき市町村が実施する在宅医療・介護連携推進事業の取り組みの中で、医療が関係する事業についてはその達成を支援するために医療計画に記載する。日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏からは、同事業は、市町村が郡市区医師会に委託できることなどを説明、在宅医療の推進に当たっては医師会の役割が重要であるとし、その旨を医療計画上も記載するよう求める声も上がった。

 なお、医療計画には重点的に取り組むべき「5疾病・5事業」が記載されているが、今後高齢化により増加が想定される疾患等について医療計画でどのように位置付けるかという課題もあった。厚労省はフレイルとロコモティブシンドロームを検討対象として挙げたが、いずれの対策も重要という点では構成員の意見は一致したものの、予防という視点が重要であり、市町村レベルで取り組む重要性などから、「5疾病・5事業」への追加は見送られた。医療計画では、「5疾病・5事業」以外にも、都道府県が必要と認める場合には対策を盛り込むことができ、フレイル等の対策は「保健・医療・介護(福祉)の総合的な取り組み」として記載することになる見通し。


「医療計画の見直し等に関する検討会」の下には、病床過剰地域でも「病床の必要量」の整備可能に
 データ活用で目標設定を
 在宅医療は、医療計画に盛り込まれているが、介護との連携が重要になっていることから、その在り方を掘り下げて検討することが求められ、本ワーキンググループでの議論が求められていた(『在宅医療の整備目標、「サービス実績」導入』を参照)。

 在宅医療に関する見直しの方向性(案)に対しては、構成員からは異論は出なかったが、幾つかの意見が出た。一つは、医療計画策定に当たってデータを活用する必要性だ。全国有床診療所連絡協議会専務理事の玉城嘉和氏は、在宅で想定される死亡者数と医師一人当たりの死亡診断書作成数などを基に、各地域での在宅医療の不足数などの目標を立てることを提案。全日本病院協会副会長の猪口雄二氏は、NDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース)を用い、退院支援や訪問診療等の実態を把握でき、在宅医療の指標になり得るとした。

 そのほか、在宅医療の推進に当たっては、在宅医療の担い手そのものでなく、急性期医療を担う医師らの理解も重要との指摘も上がった。滋賀県健康医療福祉部次長の角野文彦氏は、急性期病院から在宅にいかに戻すかが課題であるとし、入院初期ではケアマネジャーが在宅での状況を伝えるとともに、退院前の早い段階から在宅復帰を念頭に置いた取り組みの重要性を指摘。全国在宅療養支援診療所連絡協議会会長の新田國夫氏も、「ADLが入院中に二段階落ちると、在宅に帰れない」などと説明、急性期病院において在宅復帰のための目標を設定することが必要だとした。日本看護協会常任理事の斎藤訓子氏も、急性期病院の医師らは、在宅医療でどんな患者を診ることができるかを理解していないケースがあるとし、在宅医療の現場を訪問する体験型の研修の実施を提案。



https://www.m3.com/news/general/455589
佐野市民病院の経営形態、政策審に諮問 答申受け民営化判断
2016年9月3日 (土) 毎日新聞社

 佐野市は先月31日、2017年度末で現在の指定管理者との協定が満了する佐野市民病院の18年度以降の経営形態について、市政策審議会に諮問した。佐野市は病院の民間譲渡を目指す方針を示しており、民営化の是非について審議会の答申を踏まえ、正式に政策決定する。

 政策審議会への諮問は、同病院への指定管理者導入を議論した06年度、市庁舎の建設問題を議題とした11年度に続き、3回目。学識経験者や市民団体の代表ら17人が委員を務め、委員長は三橋伸夫宇都宮大教授が務める。

 この日は諮問後、同病院や市側が病院の現状や課題、現行の指定管理制度と民営化した場合のメリット、デメリットなどについて説明した。市側は、次回(10月13日)を含め計4回の審議を経て、年内の答申を見込んでいる。

 佐野市民病院は04年の新臨床研修制度導入などを背景に、常勤医師が一時全員退職するなど深刻な医師不足に陥った。そのため、08年10月に指定管理者制度を導入。医療法人財団「青葉会」(本部・東京)が運営を引き継いだ。

 導入後、スタッフ数や患者数が増加し、経営は改善したものの赤字体質は変わらず、13年度で3億6489万円、14年度で2億5994万円の経常損失を出した。15~17年度も4億3996万円~4億5602万円の赤字となる見通し。病院会計への負担は赤字補填(ほてん)分を含め、毎年7~9億円に上り、今後も毎年約8億円の支出が見込まれるという。

 佐野市は16、17年度、市が指定管理期間満了後の同病院の経営形態について庁内で検討し、今年5月、民営化を目指す方針を打ち出した。【太田穣】



http://www.chunichi.co.jp/s/article/2016090301001391.html
日医、終末期の尊厳目指し提言へ 認知症の対応も議論
2016年9月3日 17時28分 中日新聞

 日本医師会(日医)は医療や法律、宗教などが専門の有識者でつくる「生命倫理懇談会」を10月にも設置し、高齢者の尊厳ある終末期医療について検討を始めることを決めた。横倉義武会長が3日までに共同通信のインタビューに応じ、明らかにした。来年夏をめどに提言をまとめる方針。

 回復の見込みのない患者への過度な延命治療の是非や、判断能力が不十分な認知症高齢者の意思決定支援などを議論する見通しだ。患者の尊厳や生活の質をより重視した対応が終末期医療で考慮されるよう、事前に書面で意思表示する「リビングウイル」の普及・啓発も進めたい考え。

(共同)



http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160903-OYT1T50075.html
効果・安全性同等なら「安価薬優先」ルール化へ
2016年09月03日 15時00分 読売新聞

 高額な薬剤の登場による医療費高騰に対応するため、厚生労働省は、医師が処方する際の薬の優先順位を、公定価格を考慮しながらルール化する検討を始める。

 厚労相の諮問機関・中央社会保険医療協議会で協議し、2018年度からの導入を目指す。

 厚労省が検討するルールでは、効果や安全性は同等だが価格が異なる複数の薬がある場合、安価な薬をまず使うように勧める――などが想定される。販売額が極めて大きい薬を対象にする考えで、具体的にどういう薬を対象にするか今後協議する。

 これまで同等の特性を持つ薬が複数あった場合、厚労省は必要に応じて使用順序に関する通知を医療現場に出してきた。

 昨年肺がん治療薬として保険適用となったオプジーボは患者1人あたり年3500万円程度の費用がかかる。高額な薬剤が今後も登場すると予想されるため、ルールの策定を決めた。



http://www.yomiuri.co.jp/national/20160903-OYT1T50027.html
精神指定医不正疑惑、聖マリ医大でさらに2人
2016年09月03日 07時24分 読売新聞

 複数の医療機関の精神科医が「精神保健指定医」の資格を不正に取得した疑いがあり、関与した100人前後のうち、2人が川崎市の聖マリアンナ医大病院の医師(1人はすでに退職)だったことがわかった。


 同病院では昨年、組織的な不正取得により計23人の指定医が資格を取り消されており、国や大学側の当時の調査が不十分だった疑いが強い。厚生労働省が各医師から事情を聞くなど調査している。

 「調査に限界があり、新たに不正の疑いが出ていることは残念」。聖マリアンナ医大の幹部は8月下旬、読売新聞の取材に対し、こう話した。

 同病院では昨年4月、医師11人が実際には診察していない患者の症例を使い回し、虚偽の症例リポートを提出するなどして、資格を不正取得していたことが発覚。その後、リポートに署名していた指導医も含めて計23人が指定医の資格を取り消された。



http://mainichi.jp/articles/20160904/ddm/016/040/021000c
ドクター元ちゃん・がんになる
多用される専門用語=金沢赤十字病院副院長・西村元一

毎日新聞2016年9月4日 東京朝刊

医療者と患者・家族間の高い壁
 最近、ニュースなどでDIY (do it yourself)やIoT (internet of things)などの略語をよく見かけます。これらの略語をきちんと理解できている人は、どれだけいるのでしょうか。今挙げたような略語は、知らなくてもすぐに生活の問題にはならないでしょう。しかし、もし医療の世界で、相手に理解してもらえないような言葉の使用や説明が続くと、医療者と患者・家族との間のコミュニケーションがうまくいかなくなったり、ひいては医療不信、訴訟につながったりする可能性があります。

 昔は、医療現場でも「相手ができるだけ理解しやすいように」と略語を使わないようにしていました。ところが、最近は「分からないほうが悪い」とでも言うように、安易に使われることが増えています。例えば、患者向けの治療ガイドラインに記載してあるような専門用語は、「知っていて当然」という感じで説明に使われています。

 そうは言っても、本当に患者の皆さんは、言葉の意味を理解できているのでしょうか。先日、ある市民向けの講演会で、こんな話をしました。「昔は『お任せします』ですべてが進みましたが、今はきちんと説明を受け、患者の側もそれに同意をする必要があります。医者から説明を受けた時、同意のサインの前に分からないことがあったら、どんな簡単なことでも必ず質問してください。何も質問しないと、全部理解できたと判断されてしまいますよ」

 すると、会場の参加者から「妻の病気の説明を受けたとき、医師の話は専門的な言葉ばかりでよく分かりませんでした。医師は忙しそうだし、そんなところで質問をするなんて絶対無理です。言われるままにやるしかありません。医療と自分たちには高い壁があります」と、半ばあきらめたように言われました。

 実は、医師も使いたくて難しい言葉を並べているわけではありません。もっと簡単に、もっとゆっくりと説明をしたいのですが、昔よりも短い時間に細かくてたくさんの情報、それもあいまいではなく確実なものを伝える必要があるのです。

 私も患者となって、検査や治療ごとにたくさんの書類が提示され、目を通しました。医師の立場から見れば、がんの病期(ステージ)などは分かりやすくかみ砕いて記載されるようになっています。一方、患者の立場で考えてみると、例えば解剖などの基本的な知識がないところに「リンパ節」などと書かれても、「本当に皆がどこまで分かっているんだろうか」「しかし、これを簡単に理解してもらうのは難しく、どうすればいいんだろうか」と自問自答しつつサインをしました。

 医師も「患者や家族は分からなくてもいい」と思っているわけではありません。多くの場合は「もっと時間をかけてゆっくりと説明したい」と思っていますが、だんだんと難しくなってきているような気がします。次回は、コミュニケーションが難しくなっている背景について考えたいと思います。=次回は10月2日掲載

 ■人物略歴

にしむら・げんいち
 1958年金沢市生まれ。83年金沢大医学部卒。金沢大病院などを経て、2008年金沢赤十字病院第一外科部長、09年から現職を兼務。13年から、がん患者や医療者が集うグループ「がんとむきあう会」代表。



https://www.m3.com/news/iryoishin/451362
シリーズ: 真価問われる専門医改革
医師養成のグランドデザイン考える好機 - 尾身茂・JCHO理事長に聞く◆Vol.4
基礎医学、社会医学系の医師養成も念頭に

2016年9月4日 (日) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――7月20日の日本専門医機構の「専門医研修プログラムと地域医療にかかわる新たな検討委員会」では、尾身先生は「7つの提案」をしています(文末参照)。その中で、「日本専門医機構が、与えられたミッションを果たすためには、組織の中立性を損なわない形での財源の確保、および事務局機能のさらなる強化が求められる」と提言しています。

 これは大きな組織を作るというより、しっかりとした議論ができるための必要な機能を持つという意味です。

――最後にお聞きしますが、尾身先生の専門である公衆衛生、あるいは基礎研究に進む医師にとっては、今後、どんなキャリアが想定されますか。

 確かに今の議論は、臨床の道に進む医師の議論です。医学部を卒業した時点では、「医師の卵」にすぎません。国民の負託に応え、医学技術の進歩、あるいは日本の医療のために本当に役に立つプロを育てていく必要があり、臨床、行政も含めた公衆衛生、そして基礎研究という三つの分野の医師の養成が求められます。公衆衛生や基礎研究に従事する医師をいかに育てるかについての議論も重要で、臨床分野の医師養成とも関係する問題です。

 基礎研究は日本の成長産業を支える分野の一つです。また公衆衛生も非常に重要ですが、この分野は優秀な医師が数多く活躍している米国などと比べて、日本は弱い。今の専門医制度と地域医療との関係をめぐる議論は、「Public Health」の問題でもありましたが、残念ながら、その領域の人の関与が少なかったと思います。厚労省にも、「Public Health」のトレーニングをしっかり受けた人が、数多く入っていくべきです。公衆衛生や基礎研究の道に進むための研修の仕方は、臨床とは異なります。それぞれをプロとして養成していくことが必要です。

――卒後2年間の臨床研修は義務ですが、それ以降のキャリアを複合的に考えていく必要があり、全員が必ずしも19の基本領域のいずれかに進まなければいけないわけではない。社会医学系の学会では、独自に専門医制度を立ち上げる動きもあります。

 はい、その辺りの議論もされていません。私の感覚では、公衆衛生のプロになるなら、卒後2年間の臨床研修で十分ですが、「医師は皆、基本領域の専門医を取得しなければいけない」といった議論になっています。もっと社会医学系の医師もがんばらないといけない。

――質の高い専門医を養成するというコンセンサスはあっても、日本の将来の医療を考えた上で、各領域でどんな専門医を養成するか、そのグランドデザインについての議論がなかった。

 その通りです。病床数についての議論はあっても、医師数に関しては、国で医師の需給に関する議論がようやく始まったところです(『偏在対策「強力」に、「医師の働き方ビジョン」も策定』を参照)。

 その意味では、医師数に関するグランドデザインについて議論をする時期が熟して来ています。2017年度からの実施が延期になったことは、こうした議論ができるようになったという意味でよかったと思っています。

日本専門医機構の「専門医研修プログラムと地域医療にかかわる新たな検討委員会」における尾身氏の「提案」(2016年7月20日)

1.既に検討されている各領域のプログラムを来年度から実施するか、延期するかについては、(1)地域医療の現場から医師の偏在につき、強い不安・懸念が表明されていること、(2)専門医制度の在り方が現在のみならず将来の地域医療提供体制に与える多大な影響の2点を考えれば、基本的には、制度の開始を1年延ばし、この間しっかりした議論を行い、2018年度を目途に本格的な制度を開始すべきである。

2.ただし、2017年度から実行しても、医師の偏在が、直近過去数年間の状況と比較し、悪化する可能性がない、あるいはむしろ状況が改善される、と明らかに判断されるプログラムに限っては、2017根度から開始する。

3.なお、1と2とは別に、延期した期間に、各都道府県あるいは2次医療圏ごとに、「一定程度の幅を持った」各診療科別の「専攻医研修枠」を設定することが求められる。ただし、そこに至る道筋は時間をかけて徐々に行うべきである。

4.また専攻医を終えた医師の「地理的偏在」については「専攻医研修枠」の方法では解決されないので、専門医制度の議論とは別に、議論する必要がある。

5.医師の診療科および地理的偏在の解消や専門医制度のあるべき姿の議論には、(厚労省の)「専門医の在り方に関する検討会」で明確なように、臨床系の医師に加え、住民の代表、公衆衛生関係者等、中立的な第三者の参加、さらに根拠(エビデンス)に基づく意思決定が極めて重要である。また日本専門医機構の議論の透明性を高めるためには、機構内部の議論とは別に、「新たな検討の場」のような中立的な第三者による議論も適宜求められる。中立性、透明性が高まり、根拠(エビデンス)に基づく意思決定がなされれば、機構に対する国民、医療界からの信頼が増すと思われる。

6.なお、これからの時代、益々重要になると考えられる公衆衛生や基礎医学の専門教育についても、そのあるべき姿について議論を開始すべきでる。

7.日本専門医機構が、与えられたミッションを果たすためには、組織の中立性を損なわない形での財源の確保、および事務局機能のさらなる強化が求められる。


  1. 2016/09/04(日) 07:15:29|
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