Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

8月15日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201608/20160815_13040.html
<地域医療>仙台二高生 現場で学び考える
2016年08月15日月曜日 河北新報

 大学の医学部進学を目指す仙台二高の「医進会」のメンバー19人が宮城県栗原市栗原中央病院を訪れ、現役の医師らから地域医療の課題や病院勤務の現状などを教わった。
 19人はいずれも2年生で3、4の両日に訪問した。4日は石田健司副院長が講話し、高齢者の在宅生活を支えるため医療や介護などが連携する「地域包括ケア」の重要性を解説。「健康寿命を伸ばす地域医療は、地方の活力を生む上で今後ますます重要になる」と語った。
 研修医2人との懇談では、医師に必要な資質や地方勤務のメリットなどを生徒が自由に質問した。2人は「手術では知識より体力が問われる」「地方は医師が少ないため、即戦力としてあらゆる現場に立ち会える」などと回答、生徒たちは熱心にメモを取っていた。
 メンバーの佐藤宏哉さん(16)は「もともと地域医療に関心があったが、現場の声を聞いてさらに興味が湧いた」、桜庭知美さん(17)は「地方は患者との距離が近いと知り、自分に合っていると感じた」と語った。
 同校による栗原中央病院への訪問は6回目。医師を志す若者に地域医療の一端を知ってもらおうと、同病院との共催で2011年から毎年実施している。



http://www.asahi.com/articles/ASJ886H5PJ88ULFA01S.html
地域医療、崩壊防ぐには… 支え手連携し医療費を抑制
青山直篤2016年8月16日05時03分 朝日新聞

 病院は暮らしを守る地域社会の最後のとりで。しかし、高齢化が進んで財源も細るなか、「病院で病気を治す」ことに主眼を置く地域医療のあり方は限界を迎えています。どうすれば新しい支え合いの仕組みをつくれるのか。国内外で奮闘する地域を取材しました。

 北海道夕張市の中心部は、日中でも人影はほとんどない。かつて炭鉱で栄え12万人に迫った人口は今、9千人を下回っている。65歳以上が占める割合(高齢化率)は48%。全国トップクラスだ。急速な高齢化が進む日本の医療・介護の最前線がそこにあった。

 7月上旬の午後。市立診療所長の中村利仁さんは、車で笠嶋一さん(87)と甲子さん(79)夫婦が暮らす老人ホームに着いた。「お酒は毎晩ですが、毎朝、体操と散歩をしています」と一さん。「少し唇が乾いていませんか? 水を多めに飲んで下さい」。中村さんは会話を重ねて暮らしぶりも聞き取る。体調の変化を見逃さないためだ。

 ホーム施設長の宮前純夫さんは「夕張ですぐ診てもらえる病院が限られるようになったいま、訪問診療はありがたい」と話す。患者の家を訪ねる看護師らは、介護する家族の相談相手にもなっている。「地域や家族と協力し、高齢者が自宅で過ごせる時間を長くしたい」と中村さんは話す。

 夕張市が財政破綻(はたん)した2007年、病床171床の市立総合病院がなくなった。わずか19床の診療所と、40床の介護老人保健施設へと縮小された。破綻前の病院には長期入院者が多く、「『安心』のためだけに薬を処方することもあった」(診療所関係者)。

 地域医療の崩壊にどう向き合うか。診療所は、患者の抱える問題を総合的に診る「プライマリーケア」という考え方を採り入れ、在宅医療と予防医療の徹底に転換した。高齢者の多い市民の暮らしを支えるために、毎日の会議で、医師や看護師、ケアマネジャーなどが綿密に情報交換するようになった。

 例えば、歯科と介護の連携。高齢者は口の細菌が気道に入って肺炎になるケースが多い。このため、肺炎球菌ワクチンの接種と歯の手入れを同時に進めた。診療所の歯科医、八田政浩さんの調査では、この予防措置をとった特別養護老人ホームは肺炎の発症が大幅に少なかった。肺炎になると入院して寝たきりになることもある。医療費の「節約」効果は大きい。

 14年度の夕張市の後期高齢者1人あたりの医療費は約102万円。北海道平均(約109万円)を下回る。高度医療は提供できなくなった半面、八田さんは「病院でただ生かされるのではなく、おいしいものを最後まで元気に食べられるよう助け、生活の質を上げたい」と話す。

■生活安定、予防に効果

 医療や福祉といった「支え手」が連携し、予防を含めて地域住民の健康を守る。医療費の抑制にもつなげる――。夕張が目指す考えは、他の先進国でも地域医療の「解」の一つだ。

 医療費が先進国で最も高い米国。のべ1億1千万人超の高齢者や貧困層が公的医療保障でカバーされ、財政の重しになっている。コスト抑制が全米的な課題に浮上する中、幅広い福祉関係者の連携を医療費削減に結びつけたのが中西部ミネソタ州ヘネピン郡だ。

 「連携の背中を押したのはやはりお金の問題です」。郡幹部のジェニファー・デュカベリスさんは語る。貧困層にはプライマリーケアを受けるゆとりがなく、心身の不調を複数抱える人が多かった。悪化すれば救急車で救急治療室に駆け込み、入院せざるを得ない。変調をきたす前、病院の「外」で患者をすくい上げるのが基本戦略だ。

 以前はこんな悪循環がはびこった。夜間に歯痛で緊急治療室に→医師は依存性のある鎮痛剤を出し、歯科での受診を指示→患者の薬物依存症が悪化、歯科も受診せず→再び緊急治療室に――。郡や医療機関が早い段階で連携してこうした患者を支え、コストを引き下げた分を様々な医療・福祉事業に投資するのだ。

 特に力を入れるのが住宅政策や薬物対策だ。住まいを提供した路上生活者を調べると、緊急治療室の利用や医療費が半分以下に減っていた。ヘネピン郡病院のソーシャルワーカー、ジョン・アダムスさんは「何でも相談してくれる信頼関係を築き、生活の安定を最後まで支える」と話す。

 郡の中心ミネアポリス市内の「依存症患者治療センター」は、飲酒や薬物依存の人たちが短期間滞在するケア施設だ。薬物依存に悩むショーン・マッキーさん(19)は「家探しも助けてくれ、ありがたい」。

 高齢者向け医療でも、支え手の連携がコスト抑制の「切り札」とされている。米医療保険制度改革(オバマケア)の柱の一つだ。

■地元の反発が障害に

 病院はますます、地域の連携を進める中心的役割が期待されるようになった。だが、そう簡単ではない。

 北海道松前町は、北前船交易で栄えた城下町だが、過疎化が著しい。この夏、町立松前病院の院長、木村真司さん(51)が辞職して町を去った。

 木村さんは過疎地の「プライマリーケア」専門家。2005年の着任後、心身の不調を幅広く診る「全科診療医」をそろえ、若手医師を集めて教育する体制もつくった。赤字だった病院は08年度から黒字化した。

 最近は、病院の独立行政法人化を目指した。町や町議会の制約から離れ、人事や予算を弾力的に決めて、医療や介護、リハビリなどを連携させた在宅でのサービスを強化するのが狙いだった。いわば「夕張モデル」も取り込みつつ、病院としても生き残る戦略だ。

 だが、病院職員が公務員でなくなることなどを理由に町議会が反発。伊藤幸司議長は「公務員の身分がなければ職員が集まらない。赤字でもないのに無理しなくていい」と話す。町も「独法化の検討はしてきたが、職員や議会の理解を得るには丁寧な説明が必要だ」(石山英雄町長)と、町議会に歩調を合わせた。

 「心血を注いで町の将来のためにやってきたが、理解されなかった」と木村さん。若手医師も辞職を決め、7人だった常勤医は4人に減る。24時間体制の救急など、これまで通りの医療は維持できない。

 医師の辞職はさらに続きそうで、一部の住民は議会の責任を問題視。前議長のリコール運動に乗り出した。住民団体の代表で歯科医の樋口幸男さん(58)は「病院が立ちゆかなくなれば町に住めなくなる人も出てくる。住民も、町の医療の行く末を『自分事』として考えてほしい」と話す。

     ◇

 《解説》 年を取れば様々な病気とつきあっていかざるをえない。高齢化に伴い、病院で「治す」医療の限界がみえてきた。財源も限られるなか、地域社会がどう支え合うのか、住民一人ひとりの死生観や、地方自治の根っこにかかわる問いだ。

 プライマリーケアの充実や医療・福祉・介護の連携は、今後、急速に高齢化する都市部でも「解」になりえる。病院の外で支援の輪を広げれば、家族の負担も減り、住み慣れた家で最期を迎えやすくなる。ただ、実現への道のりは険しい。

 医療は専門性が高く、患者は自らの心身のことなのに医師に依存しがちだ。それがコスト意識のない医療につながってきた面もある。独法化が頓挫した松前病院をこの秋に退職すると決めた医師、青木信也さん(36)は「住民はただ薬を出してくれる医師がいればいいのだろうか、と意識のズレも感じた」と話す。

 国も「地域包括ケア」をうたい文句に在宅医療を進めようとしているが、「押しつけ」や「お任せ」では立ち行かない。夕張市立診療所の元所長、森田洋之さんは「与えられる医療に慣れた意識を変え、一人ひとりがどう生き、どんな最期を迎えたいかよく考えてみてほしい」と話す。(青山直篤)



https://www.m3.com/news/iryoishin/450122?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160815&mc.l=172207058&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
日本高血圧学会、VART主論文を撤回
東大小室教授「honest error」として取り下げを申し出

2016年8月15日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本高血圧学会は8月15日、学会誌「Hypertension Research」に2010年に掲載された千葉大学のディオバン研究「VART Study」の主論文について、撤回(retraction)とすることを公表した。責任著者の東京大学大学院医学系研究科器官病態内科学講座循環器内科学教授の小室一成氏が 「適切に訂正することができないhonest errorがある」として取り下げを申し出た。8月14日に開かれた編集委員会および理事会で決定した(同学会ホームページ)。

 VART Studyの主論文では、当時千葉大教授だった主任研究者の小室氏が今年に入り、訂正(Corrigendum)を申し出ていた(『VART主論文、東大・小室氏が「訂正」』を参照)。学会関係者によると、「Hypertension Research」編集部が複数回に渡って論文の問題点を指摘。同学会は撤回の理由を小室氏より「現存するデータでは適切に訂正することができないhonest errorがあるため、取り下げる」との申し出があったと説明している。

 VART Studyを巡っては、京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件の被告であるノバルティスファーマ社元社員が、統計解析の一部を担当していたことが明らかになっている。千葉大の調査委員会は2014年4月に小室氏に対してVART論文の撤回を勧告、2014年10月にサブ解析論文が撤回され、日本高血圧学会も2015年3月に小室氏を「厳重注意」処分としていた(『千葉大の降圧剤論文に撤回勧告、調査委』、『東大・小室教授を厳重注意、高血圧学会』を参照)。

 「VART Study」は、ARBであるディオバンと、Ca拮抗薬のアムロジピンについて、心血管イベントなどの複合イベントの発生に対する有効性をPROBE法で比較した試験。2002年から2009年にかけて実施された。



https://www.m3.com/news/iryoishin/449520
シリーズ: m3.com意識調査
「大学主導に逆戻り、医師の偏在に拍車」
新専門医制度、「1年延期」、支持する?【自由意見◆Vol.2】

2016年8月15日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

Q 専門医取得をめぐるご自身の悩みや不安、さらには新専門医制度への意見、提言などがありましたら、ご自由にお書きください。

【専門医制と医師の偏在、どう考える?】
・ 地域医療の保持と専門医制度は本来無関係。地域医療に関しては別の対策を立てるべき。【勤務医】
・ 最も大事なことは専攻医を教育することであって、偏在解消などそれ以外のものを教育より重視する考えが間違い。【勤務医】
・ 専門医研修の認定施設の間口が狭くなり、もしくは数が集約されることによって減り、希望する施設に行けないだけでなく、希望する診療科にすら行けないのではないかと不安に思っている研修医たちが多い。システム的にこれを解消できるのか?【勤務医】

・ 大学病院主導への逆戻りで医師の偏在に拍車をかける。専門医の明確な要求水準とそのためのプログラムの作成は多くの医療機関にとって容易なことではない。現状の学会主導のお手盛り的専門医性に問題はあるが、一方であれもこれもと理想を押し付けるような臨床プログラムを課すことは、病院の日常臨床機能にマイナスの影響がある。その辺りの現場の実情に合った専門医制度を模索すべきである。【勤務医】
・ 新専門医制度は医師の偏在を加速する無意味な試みかと思います。大学病院をはじめ、大病院を通過しないと資格が取れないんですから。もっと現場の意見を抽出する必要があったかと思いますね。【勤務医】
・ 新専門医制度が始まると、地域医療は完全に崩壊します。【勤務医】
・ 専門医制度に限りませんが、大学病院や都内に権力とマンパワーが偏ることは避けてほしいです。【勤務医】
・ 十分に中小の病院でも研修ができるようにしないと、地域の病院は消えていく。【勤務医】
・ 専門医を取得するには大病院(都市部)でないと困難、維持するにも都市部でないと困難。僻地医療とマッチできません。高齢者を僻地から都市部へ移動させた方が効率的と思うくらい・・・。【勤務医】
・ 地域ごとに専門医の数の枠が限定されるのは、おかしい。全国各地で、専門医として、認めるべき。【開業医】
・ 女性医師の結婚、妊娠、育児などの時期に重なることへの配慮が不十分。大都市圏で考えられた制度であり、地域医療の事情を十分に認識した案とは言えず、地域の医療崩壊を招く恐れが大きい。【勤務医】

・ 新専門医制度が成熟したものになれば、診療格差、地域格差が全て解消する。医師の職業選択の自由は医師になれないわけではないので論外。【勤務医】
・ 地域と診療科の偏在の解消が必要。ある程度強制力が必要だと思います。【勤務医】

【専門医の更新に意見あり】
・ 旧制度時代に取得した専門医資格を持つ医師が、現在の制度で行われる試験に合格できるかが問題。従来の制度での専門医を持つ医師も再度試験を受けるべきと考える。【勤務医】
・ 何歳まで専門医取得を継続するべきなのか悩んでいる。新専門医制度は学会の資金稼ぎではないのか?【勤務医】
・ 専門医取得の症例集めに追われることが不安。【勤務医】

・ 新専門医制度は新規に取得する方向ばかりに目が行き、既に取得して今後維持する場合への配慮が足りない。地方の医師、開業医はどんなに意欲が高くても時間的、経済的、環境的にハードルが高すぎる。【開業医】
・ 専門医を保持し続けられるかどうか不安。今後、家族の介護などで難しくなる場合、猶予期間がほしい。【開業医】
・ 地方で開業していると講習をなかなか受けに行くことができず、単位取得に不安を感じる。ぞろぞろ並んで待っていると、何のための講習か疑問を覚える。【開業医】
・ 専門医を継続するのが難しくならないか。当たり前のことをしているだけでは不十分、+αを求められているのが負担である。【開業医】
・ いつまで専門医を維持するか思案中です。【開業医】
・ さんざんお金を取っておいて、今さら開業医が新専門医制度で更新していけません。試験まで受けて手に入れた資格なのに、今まで通りの制度で良いと思います。【開業医】

【カリキュラムに疑問】
・ 年に1度の学会総会では、専門医制度更新に必要な単位を取得するための講義受講が優先され、観客の少ない演題発表が続き、討論も低調でした。新専門医制度は必要単位が多すぎで、大学勤務医だけ、更新可能な状態です。【勤務医】
・ インターネットで各自研鑽したらいいのであって、チャンと演題をネットで見たらいいと思います。あまりに専門医会で決めすぎです。地方の専門医の方は維持が大変です。それを分かっていないのが理解不能です。【開業医】

【各基本領域別、影響は?】
・ 現在の状況では、専攻医のほとんどがいずれかの診療科の専門医になることを前提にしているが、内科や外科の専門医という専門性に関しては疑問が消えない。総合診療専門医というのは、本来内科専門医に相当する医師があるべき姿であり、内科(外科)のサブスペシャルティ部分が専門医という考え方に相当すると思う。個人的には総合診療専門医というカテゴリーは必要ないと考えている。総合診療専門医を作るのであれば、内科専門医というカテゴリーはなくしてサブスペシャルティの専門医を認めるべきであろう。ただし、このようにすると、総合診療専門医は何をする診療科なのか、よく分からなくなる。診断だけをする診療科なのか?もし、そうであれば、現在の循環器内科などのサブスペシャルティ部分の専門医は診断は行わなくても良くなるのか?専門医制度は、旧来メジャーと呼ばれた診療科に対して、大きな問題を突きつけていると思う。【勤務医】

・ 新専門医制度に移行すると専門医取得に時間がかかり過ぎ、内科希望者が減少してしまう懸念が大きい。【勤務医】
・ 内科専門医のハードルを上げることは医療水準の向上にはつながらない。今回の改訂は、専門学会主導が主流の中での内科学会の復権のためであり、学会同士の政治的な争いにしか見えない。もちろん、地域医療や若手の医師のことを考えているわけではない。【勤務医】
・ 自分の所属する外科学会は、各論ではなく、どういう大きな未来像を描いているのか、全く分からない。手術は、大きな病院のみに集中させるということだろうか。【勤務医】
・ 新専門医制度の導入により専門医のレベルが下がることことに学会は全く危機意識を持っていない。臨床の先生方は、たった3年の研修で取得した病理専門医の診断で治療を信頼しますか?私の時代は、5年の研修ののち試験を受け、合格しても病理専門医のスタートラインに立ったにすぎないと思っていましたが。少なくとも私は新専門医制度の病理専門医の診断は全く信用しません。【勤務医】


  1. 2016/08/16(火) 06:21:14|
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