Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月25日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49258.html
新専門医制度、先送りを正式決定- 来年度からの養成は各学会で
2016年07月25日 21時00分 キャリアブレイン

 日本専門医機構(機構、吉村博邦理事長)は25日の社員総会で、専門医の養成方法を新制度に移行させる時期の先送りを正式に決めた。内科など19の診療領域に限り、新制度での養成を来年度からスタートさせる予定だったが、医師の地域偏在を悪化させるといった懸念が根強いことから、2018年度からの導入を目指して新制度の見直しに取り掛かることにした。【佐藤貴彦】

 新制度は、学会ごとに実施している専門医の認定などを、第三者機関の機構が行うもの。認定基準のばらつきを是正し、専門医制度を国民にとって分かりやすいものにすることなどが狙い。

 機構は来年度からの新制度のスタートに向け、各領域の関係学会などと協力して養成プログラムの基準を作成、研修を担当する病院の募集などを進めてきた。しかし、研修を受ける若手医師が都市部に偏在するといった懸念が医療現場から指摘されたことなどを受け、来年度からの導入を断念した。
07251_201607260546080bf.jpg

 新制度による養成を18年度から始めるため、機構は今後、養成プログラムの基準の見直しや、研修中の医師の待遇の在り方などの検討を進める。

■来年度からの研修、医師募集は学会の判断で開始

 来年度から研修を受ける医師の養成方法については従来通り、関係学会が責任を持つことになった。研修を受ける医師の募集も、各学会の判断で始めることになる。

 ただ、地域偏在などを引き起こさないため、機構は関係学会に対し、できる限り従来の養成方法を継続させるよう要請。さらに、新制度に向けて準備していたプログラムを活用する場合には、地域偏在などの対策を講じるよう呼び掛けることにした。

 また、養成方法や対策などに関する各学会の方針を月内に把握することも決めた。その結果、必要があれば養成方法の見直しを学会に促す見通しだ。

■総合診療専門医の養成、暫定的な措置を検討

 19領域のうち、総合診療領域だけは担当の学会がなく、機構が中心となって新制度の準備を進めてきた。機構は、同領域の専門医になるための研修を来年度は正式には行わない方針だが、研修を受ける医師の混乱を避けるため、「暫定的な措置」を講じる是非などについて理事会で早急に検討する。

■東大・南学氏が機構の理事に

 機構はこの日、東大医学部附属病院の南学正臣副院長を理事とすることも決めた。この結果、機構の理事は計25人になる。



https://www.m3.com/news/iryoishin/444411
シリーズ: 真価問われる専門医改革
2017年度の専門医養成の方針、8月上旬までに集約
日本専門医機構、対応状況は9月上旬までに厚労省等に報告

2016年7月25日 (月) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構は7月25日の社員総会で、2017年度からの新専門医制度の実施を全19の基本診療領域で見送り、各学会独自の運営を委ね、2018年度を目途に一斉にスタートするという、7月20日の理事会決定を了承した(『新専門医制度、全19領域とも「1年延期」へ』を参照)。

 同機構は三つのステップに分けて、今後の対応を進める。

 第一は、2017年度の各基本診療領域の専門医養成の方針だ。同機構は、7月末か8月上旬を目途に、現行の方法で専門医養成を行うか、新専門医制度用に用意していた専門研修プログラムを用いるかなど、各基本診療領域の学会の対応を取りまとめ、地域医療への影響の有無などを確認する。総合診療専門医については、「機構で正式に養成することはしないが、暫定的な措置を講じる方向で、関係者と協議しながら、専攻医たちが不安にならないよう、理事会で早急に検討する」(理事長の吉村博邦氏)。

 2017年度の方針が決定すれば、8月末か9月上旬を目途に、厚生労働省、医療関係団体のほか、各都道府県などに対し、説明する予定。2017年度は学会認定の専門医として養成がスタートするが、「将来、遡及措置として、日本専門医機構の認定が重なることも十分にあり得る。専攻医が不利にならないように検討していきたい」(副理事長の松原謙二氏)。

 第二は、2018年度を目途とした新専門医制度の一斉スタートに向けて、サブスペシャルティやダブルボード、専攻医の身分保障、医学部の「地域枠」卒業生の扱いなどの検討だ。第三は、将来のあるべき専門医の姿についての検討。人口動態や疾病構造の変化などを踏まえ、9月以降、検討の場を別途設け、議論をする予定。

 なお、産婦人科、形成外科、病理、リハビリテーション、整形外科の4領域では、2016年度に新専門医制度の更新基準に基づく更新を始めており、既に2016年6月末で2953人が認定済み。日本専門医機構と各学会の理事長の連名だが、あくまでも「日本専門医機構」認定の専門医の扱いのため、医療法に基づく広告が可能になるよう早急に厚労省と検討する方針。

 2017年度の方針、各学会から提出求める

 7月25日の社員総会には、23の社員のうち、代理も含めて全員が出席。理事も24人中19人が出席した。吉村理事長によると、7月20日の理事会決定事項を説明し、さまざまな意見や要望が出たものの、反対意見はなく、了承された。日本専門医機構は、学会に対し、2017年度の専門医研修について4点を要請(文末を参照)し、その対応状況を7月末か、8月上旬までに取りまとめる。

 吉村理事長は、「機構としては、2017年度は既存の専門研修プログラムで実施することをお願いしている」と説明、仮に暫定プログラム(新専門医制度用に用意したプログラム)を用いる場合には、過去の専攻医の採用実績と募集定員に大幅な開きがないか、あるいは応募状況を見ながら調整するなど、地域医療への影響を軽減する取り組みなどについて、各基本診療領域の学会から文書の提出を求める。

 2018年度までに、サブスペシャルティの問題も整理

 2018年度からの新専門医制度について、社員総会では複数の意見、要望が出た。2018年度を目途に一斉にスタートできるよう、これらの問題も解決する。

 社員から出た意見の一つが、サブスペシャルティの問題。特に内科と外科では、基本診療領域とサブスペシャルティが連動したプログラムの要望があった。さらに総合診療専門医についても、サブスペシャルティに進む道についても早急に議論すべきとの声が挙がった。どの領域までサブスペシャルティとして認めるかも含めて、検討する。

 ダブルボードの問題については、現在は例えば、脳神経外科と救急、あるいはリハビリテーションの専門医を持つなど、複数の基本診療領域の専門医を取得できるのに対し、新専門医制度では「原則一つ」としている取り扱いが課題だ。

 身分保障は、新専門医制度では、基幹施設と連携施設が研修施設群を構成して研修するため、専門研修期間中の給与をどの施設が支払うかなどの整理が必要になる。松原副理事長は、「どこが雇用関係にあるのか、基幹病院あるいは連携病院なのか、という議論があった。本来、働いている施設の所属になるのは当然ではないか」との考えで、身分保障の問題も含め、専攻医に不安を与えない仕組みを学会と協議していくとした。

 そのほか、医学部の「地域枠」卒業生、卒後に義務年限がある自治医科大学の卒業生などについても、専門医取得ができるよう検討していく。

 9月以降、将来の専門医養成についても議論

 さらに9月以降、将来のあるべき専門医の姿についても議論する。副理事長の山下英俊氏は、「日本専門医機構が実施できるのは、地域医療や診療科の偏在への配慮であり、全体をサーベイして、皆が納得できるシステムを考えるということ」と説明。各学会は専門医の守備範囲と、そのために必要な知識、技能の研修方法を考える。一方で、機構は医療提供体制を念頭に、基本診療領域別や地域別の必要専門医数を検討する。機構と学会が相互にやり取りしながら、検討していくイメージだという。

日本専門医機構から各学会への要望事項(2016年7月20日の理事会決定)
1. ここは一度立ち止まって、国民や地域の方々の懸念を払拭できるよう、機構と学会が連携して問題点を改善し、2018年を目途に一斉にスタートできることを目指す。
2. 2017年度については、研修医や国民の混乱を回避するために、基本18領域については各学会に籍門を持って制度を運用してもらう。
3. 総合診療領域については、現状では機構で制度設計を行っており、既存の学会はないが、2017年度の正式な実施は差し控える。ただし、研修医の混乱を回避するため、新たな方策を考え、暫定的な試行について早急に検討する。
4. 各学会に対しては、機構から、(1)可能であれば、既存の専門研修プログラムを用いること、(2)暫定プログラムを用いる場合には、専攻医が都会に集中しないよう、例えば、基幹施設と連携死せるとの関係の再検討、指導医の基準の柔軟な運用などにより、専門研修を実施していた施設が引き続き背門研修をお声な得う工夫、また例えば、都市部の専攻医の定員を過去の実績の1.2倍程度に抑えるなど、さまざまなオプションがあると思われるので、各学会で工夫していただくこと、などを要請する。



http://www.medwatch.jp/?p=9794
医師偏在の是正に向けて、例えば新専門医の「マッチング」などを考えてはどうか―日病・堺会長
2016年7月25日|医療・介護行政をウォッチ

 2018年度からの第7次医療計画策定に向けた検討が進んでおり、その中では「医師確保・偏在是正策」も重要なテーマとなる。偏在是正に向けた方策の一つとして、例えば新専門医制度について初期臨床研修で行われているような「マッチング」の導入を検討してはどうか―。

 日本病院会の堺常雄会長は、25日に開いた定例記者会見の席でこのような考えを披露しました。

ここがポイント!
1  新専門医制度、地域・領域別の定数を設定し、専攻医と病院のマッチングをしてはどうか
2  地域医療構想の実現に向け、各地域が「大学へのデータ分析依頼」などの努力をすべき


新専門医制度、地域・領域別の定数を設定し、専攻医と病院のマッチングをしてはどうか

 2018年度から期間を6年とする第7次医療計画がスタートします。現在、計画作成指針(都道府県が計画を作成るにあたっての拠り所となる)の策定に向けた議論が、厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」で進められています。15日の検討会では「医師確保・偏在是正策」が検討テーマの一つとして取り上げられました(関連記事はこちらとこちら)。

 偏在是正については、同じく厚労省の「医療従事者の需給に関する検討会」や、その下部組織である「医師需給分科会」でも集中的な議論が進められる見込みで、中間とりまとめには、「十分ある診療科の診療所の開設については、保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜の見直しを含めて検討する」といった規制的手法の導入についても言及されています(関連記事はこちら)。

 この点について日病役員の間でも「ある程度の規制的な手法を我々(病院団体)が提案する必要があるのではないか」という意見が少なからず出ていることが、25日の定例記者会見の席で堺会長から報告されました。

 もっとも堺会長は「個人的には規制的手法は好きでない」とした上で、例えば新専門医制度においても、初期臨床研修制度のような「マッチング」システムを導入してはどうかとの考えを明らかにしました。具体的には、「地域医療構想から地域で必要な医師数を導き出し、それに見合った形で区域別・診療領域別などの専攻医定数を設定する。その上で、専門医を希望する医師と専門医養成病院・施設との間で『マッチング』を行う」というものです。

 マッチングとは、「研修希望者」と「研修病院の研修プログラム」とを、研修希望者・病院の希望を踏まえて、一定の規則(アルゴリズム)に従ってコンピュータで組み合わせるシステムのことです。大学病院や学会サイドの中には「マッチングによって初期臨床研修医が大学病院から離れてしまった」との意見もあるようですが、堺会長は「そのようなことは決してない」と断言。「都市集中をある程度コントロールできる」と見通しています。


 また医療計画の見直しに向けてCT・MRIなどの医療機器配置についても議論になっていますが(関連記事はこちら)、堺会長は、「例えば自分の家族が脳卒中で倒れた際、CTなどの配置がある病院と、ない病院があれば、誰しも前者を選ぶのではないか。CT・MRIの配置と医療の質の関係について、我々(病院団体)がデータを出さなければいけないと感じている」と指摘。ただし、具体的にどのようなデータを揃えるかについては「難しい。四病院団体協議会や日本病院団体協議会で検討することになるかもしれない」と述べるに止めています。

 さらにCT・MRI配置論議の裏には「医療費適正化」があるのではないかとし、高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)に規定される「都道府県別の診療報酬設定の特例」(法第14条)の動きなどにも注意する必要があるとの考えを述べています。

地域医療構想の実現に向け、各地域が「大学へのデータ分析依頼」などの努力をすべき

 ところで、地域医療構想の策定が各都道府県で進められていますが、その進捗状況には大きな差があります。また構想を実現するための「地域医療調整会議」の設置・運営にも大きな地域格差が出ると見られています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 この点について堺会長は、「例えば大阪府では、『医師会』『病院団体』『府』が合同で勉強会を開いたり、地域のデータを大阪大学に依頼して分析してもらったり、連携に向けた努力をしている。しかし地域によっては、『医師会』と『県』の仲は良いが、『病院団体』とはあまり上手くいっていないというところもある。連携に向けた努力が必要である。以前から述べているが、大学の医学部だけでなく『経営学部』などとも連携することを考えるべき」と強調します。

 さらに「2025年は先のことであると悠長なことを言っている人もいるが、最終的には医療計画と地域医療構想は一体化されるものであり、すでに医療計画の議論は始まっている。悠長に構えず、緊張感をもって議論していく必要がある」と訴えました。


 なお、青森県や岐阜県では地域医療構想の中に具体的な病院名を出して合併・統合に関する記述がなされており、実効性が高いと見られていますが、その一方で曖昧な記述にとどまっているところもあります(関連記事はこちら)。この点について堺会長は、「自治体病院の合併・統合構想については、首長や議会(とくに吸収・廃止される側)が反対するケースが少なくない。これは各都道府県で生じるのではないか」と見通し、こういう目的で地域住民のために機能分化・合併・統合を行っていくということを病院側もきちんと情報提供することが重要ではないかと述べています。



http://www.huffingtonpost.jp/yasushi-kawaguchi/japan-medical-hiv_b_11175000.html
日本の医療界は腐っているのか?~オプジーボの光と影 番外編
川口恭
『ロハス・メディカル』編集発行人、『ロバスト・ヘルス』編集長、(株)ロハスメディア代表取締役
投稿日: 2016年07月25日 17時04分 JST 更新: 5時間前 ハフィントンポスト

前回、日本はオプジーボに関する臨床試験件数が少なく、ドラッグ・ラグを招きかねないと指摘しました。少ない原因はいくつも挙げられるのですが、世界を唖然とさせるような日本の医療界の不祥事と、それがきちんと医療界内で自律的に処分されないことも、日本での試験実施を敬遠させることにつながってはいないでしょうか?

前回、「クリニカルトライアルズ・ガブ」で検索すると、オプジーボ(ニボルマブ)の臨床試験が全世界で200件ヒットする(5月25日現在)ことを、ご紹介しました。ちょうど1カ月後の6月25日に再検索したら207件ヒットしました。1カ月で7件増えたことになります。1件実施するのに何十億円単位で費用が必要なことを考えると、開発競争の激しさが、改めてよく分かると思います。

なお、地域別に見ると(重複あり)米国と欧州で5件、カナダ、中米、中東、ロシア東欧で1件増えている一方、日本では増えていません。世界との差は開く一方のわけです。そして、臨床試験を個別に見ていくことで、日本は単に試験数が少ないだけに留まらず、他国では当たり前に行われているベンチャー企業によるものや公的団体によるものが、全くないことも分かってきました。

そこで、今回はこの日本の特異的構造問題を指摘しようと考えていました。

ところが6月中旬、世界の医療史に刻まれるかもしれないド級の不正疑惑が日本の指導的立場の医師に発覚し、指導層がそういうものに手を染める医療界の体質があるとしたら、それは日本の試験件数が少ないことの原因となっているであろうし、ひいてはドラッグ・ラグを招いて社会に不利益を与えている可能性が高いのに、一般のメディアが全く報じない(記事校了直前になって極めて小さく報じるようになりました)ので、予定を変更、番外編として、そちらを扱うことにしました。

今号が出る段階で既に大騒ぎになっていたら、かなり間の抜けた文章になってしまいますが、後述するように2013年発覚のディオバン事件に関係した医師が1人も免許を剥奪されていないばかりか、中には栄進すらしている例もあり、そのことがメディアでも特に問題とされていないことを考えると、この疑惑に関してもウヤムヤになる可能性は高いと恐れています。ウヤムヤになってしまった場合、多くの日本人が知らないうちに世界の人々から軽蔑され、臨床試験を日本でパスする流れがさらに進んでしまう可能性もあります。

●ワクチン禍の捏造疑惑

疑惑の舞台になったのは、『ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状に関する厚生労働科学研究事業』です。長くて読むのがイヤになった人も多いと思いますが、単語を区切って読むと、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を接種後、激しい体調不良に襲われた女子生徒たちが出たことを受けて、厚生労働省が委託した研究であると分かると思います。当然、その費用は公費で賄われました。

主任研究者は、池田修一氏(信州大学医学部脳神経内科、リウマチ・膠原病内科教授)と牛田享宏氏(愛知医科大学学際的痛みセンター教授)の2人(肩書はいずれも研究班としての表記)で、3月に「成果発表会」が行われています。池田氏は、単なる教授ではなく、信州大学の医学部長であり副学長でもありました。

この池田氏の発表会資料に、捏造疑惑が発覚したのです。スクープしたのは、6月20日に発売になった雑誌『Wedge』7月号で、医師資格を持つジャーナリスト村中璃子氏の記事でした。

発表資料59枚目に出てくるマウスを使った実験のスライド(http://robust-health.jp/article/images_thumbnail/2016/07/%E6%B1%A0%E7%94%B0%E7%8F%AD-570.php)に関して、池田氏の説明は虚偽だ、と村中氏は指摘しました。

スライドは、自己抗体があったら緑色に光るよう染めて撮った写真で、他のワクチン接種後のマウスの海馬(脳)は緑色に光らなかったけれども、HPVワクチン接種後のマウスでは緑色に光ったことを示しています。加えて文字でも「サーバリックス(筆者注・HPVワクチン)だけに自己抗体(IgG)沈着あり」と記しています。

自己抗体が沈着しているということは、その組織に対して免疫が攻撃を仕掛けていると考えられ、組織が破壊されても不思議はないことを意味します。脳の組織が破壊されたら、それは色々な不具合が起きることでしょう。発表資料を初めて見た際、私などは、「ああ、なるほど、激しい症状を示す人たちの脳で同じことが起きている可能性はあるな。やっぱりHPVワクチンは、他のワクチンとは違うんだな」と思ったものです。そんな報道をテレビや新聞で見たな、と思い出した方もいらっしゃることでしょう。

この発表には、色々な波及効果が予想されました。まず、生きている人の脳を切り出して抗体検査してみるわけにいかない以上、「ワクチン被害者」の脳でも同様に免疫が暴走している可能性を否定できなくなり、場所が脳だけに体のどこで何が起きても不思議はないので、被害認定・救済のハードルは下がると考えられました。

また、そのような免疫暴走を起こしてしまう体質・遺伝的要因を探索して発見することで、要因保持者をワクチンの接種対象から外せるようになり、社会全体としてはより安全にワクチンの利益を享受しやすくなるとも考えられました。

スライドで名を挙げられていたサーバリックスはイギリスに本拠を置く多国籍企業グラクソ・スミスクライン(GSK)の製品ですから、池田氏の発表内容は世界中に知れ渡っていたと考えられ、きちんと論文発表された暁には、世界が注目する画期的発見になるかもしれませんでした。

ところが、村中氏が報じるところによれば、このスライドが完全なデタラメというのです。

実験を担当した研究者から、他のワクチンでも緑色に光り、その写真を池田氏に渡したのに、発表スライドでは光らなかったことになっていた、との証言を引き出したと書いています。さらに、実はワクチンを接種したマウスの脳に自己抗体は沈着しておらず、別のマウスの脳切片に(抗体の入った)血清を振りかけただけ、との証言を得たとも書いています。

もし、この記事に書かれていることが本当なら、HPVワクチンだけ脳組織に悪影響を与える可能性があると見える池田氏の発表は、明らかに悪質な捏造です。

起きていないことを起きたことにしてしまうのが自然科学者として許されることでないのは当然として、「副反応」に苦しんでいる人たちの原因究明や治療法探索に誤った情報を与え妨害することになるので医師としての倫理にも反します。

厚労省から委託された研究のテーマが「子宮頸がんワクチン接種後の神経障害に関する治療法の確立と情報提供について」だったことも考え併せると、悪質さは一層際立ちます。提訴が予定されている「ワクチン被害者」たちによる民事訴訟への影響も甚大でしょう。

ここまで名指しで嫌疑をかけられた以上、池田氏は研究者生命・医師生命を賭けて反論するのが当然です。本当に発表のような実験結果を得ていたのだとしたら、証拠はいくらでも残っているでしょうから、記事が言いがかりだと示すこと自体は簡単なはずです。村中氏を名誉棄損で訴えることもできます。

しかし、なぜかそのような動きは聞こえてきません。記事が正しいので反論できず、むしろ騒がずにいることで世間が忘れるのを期待しているのでないか、という疑念を抱かせます。

●鈍い医療界の反応

前述のようにGSKのワクチンを名指しした以上、この疑惑は既に世界中に知れ渡っており、どのように決着するのか大いに注目されていると考えるべきです。

それなのに、研究の費用を出した厚労省、自浄作用を発揮すべき医療界の動きは鈍いのです。先ほど述べたように、記事のシロクロを付けるのは簡単なはずで、もしクロなら言語道断で直ちに処分が必要です。しかし、記事が出て10日経ってから、ようやく信州大学で学内調査を行う方向が出たというノロノロぶりです。

この自律的行動の鈍さを、どのように解釈したらよいのでしょう?

まずあり得るのは、医療界の多くの人間が、大した事案だと考えていないということです。

実際、ディオバン事件では、ノバルティス日本法人幹部が放逐され元社員は刑事被告人となった一方、事件の舞台の一つとなった千葉大で研究の責任者だった現・東京大教授が、この6月から日本循環器学会のトップである代表理事に就任しています。「あの程度は大した事案でない」と医療界の多くの人が考えているのでしょう。患者を対象とした臨床試験での不正ですら、こんな受け取り方なのですから、マウス実験くらいで大げさなという人は少なくないのかもしれません。

しかしHPVワクチンを巡って激しい論争が起きている現実がある以上、世の中の普通の人の感覚では、明らかに重大な不正です。それに対して自律的行動が鈍いことは、医療界の多くの人間ができるだけ事を荒立てたくないと考えているから、という解釈が成り立ってしまいます。

私個人としては、単純に面倒なことに関わりたくない人が多いためだろうと考えていますが、邪推しようと思えば、日本の医療界では患者に影響を与えるような研究不正が当たり前に行われていて、変に突っつくと自分にも返ってくる人が多いから荒立てたくないに違いない、と考えることも可能です。

そう邪推できることが、臨床試験件数の少なさの原因になります。企業からすると、試験自体に巨額の投資が必要で、しかも成功確率が高くないわけですから、不確定なリスク要因はできるだけ排除しておくのが当然の危機管理です。日本に研究不正が蔓延している可能性を否定できない以上、他に代わりがない場合以外は、別の国で臨床試験を実施した方が安全です。万一、試験が無効になったら大損害だからです。

現時点で「他に代わりがない」は、日本で承認を得るのに必要な場合に限られ、それは日本で確実に儲かるとの見通しが立つ場合に限られます。つまり、日本の医療界で研究不正が蔓延しているのでないかという世界から抱かれている疑念を払拭しない限り、ドラッグ・ラグや高い薬価となって患者や社会にツケが回されてくるのです。

●メディアはどうする?

なお、3月に池田氏の発表を大々的に報じたメディアには、事実関係を検証して、結果的にせよ間違った報道をしてしまっていたなら、訂正する責務があるはずですが、その動きがまた極めて鈍いのです。

メディアや記者に主義主張があるのは当然としても、「事実」を伝えるのは最低限死守すべきラインで、「事実を伝えない」と受け手に見限られてしまった時、異なる主張や立場の人々をつなぐことができなくなり、同人誌・放送と化すので、どうするのか要注目です。

もしきちんと対応しないなら、日本のメディアの偏りもまた臨床試験件数を減らす方向に働くでしょうし、ドラッグ・ラグや高い薬価の原因の一つと言えるのでしょう。

(2016年7月25日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)



https://news.nifty.com/article/economy/stock/12204-11715/
埼玉で2つの総合病院を経営していた埼玉県厚生農業(協組連)が破産開始決定
2016年07月25日 12時35分 東京商工リサーチ

 埼玉県厚生農業(協組連)(TSR企業コード:310147328、法人番号:1030005013002、熊谷市末広1-62、設立昭和23年10月、出資総額18億4230万円、代表清算人:五月女直樹氏)は7月22日、東京地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には永沢徹弁護士(永沢総合法律事務所、東京都中央区日本橋3-3-4、電話03-3273-1800)が選任された。

 負債総額は約64億6800万円。

 昭和9年12月に2町11村による広域医療組合病院として埼玉県幸手市で発足。その後、23年10月に埼玉県内の農協などから出資を得て設立された。熊谷総合病院(埼玉県熊谷市)および久喜総合病院を(埼玉県久喜市)を運営してきたが、近年は業績低迷に陥っていた。さらに、過去に行った病院新築などの設備負担などが重くのしかかり、医師の確保も難しくなってきたことで再建の見通しが立たない状況となっていた。このため、それぞれの病院を売却し、平成28年6月30日総会の決議により解散し、今回の措置となった。
 なお、両病院はそれぞれ別法人のもとで経営を続けている。



http://www.saitama-np.co.jp/news/2016/07/26/05.html
JA埼玉厚生連が破産 負債65億円…設備投資重く、医師確保が困難
2016年7月25日(月) 埼玉新聞

 帝国データバンク大宮支店は25日、総合病院経営の埼玉県厚生農業協同組合連合会(熊谷市、JA埼玉厚生連=代表清算人五月女直樹氏)が22日に東京地裁に破産を申請し、同日付で破産手続き開始決定を受けたと発表した。負債は約65億3300万円。

 1934年12月創業の医療利用組合病院が前身で、48年10月に農協系の病院として設立。かつては熊谷総合病院と幸手総合病院の2病院を経営し、地域の中核的な病院としての役割を果たしていた。2011年に幸手総合病院を閉鎖し、新たに久喜総合病院を開業。13年には熊谷総合病院の設備を拡充するなど、業容拡大に努めた。

 しかし、設備投資負担が重く、医師の確保も困難となり、次第に業績が悪化。14年3月期は年収入高約110億円を確保したものの、約14億8600万円の最終赤字に陥った。再建の見通しが立たなくなり、両病院の売却を決定。16年6月30日には総会の決議により解散し、清算手続きを進めていた。

 熊谷総合病院は社会医療法人北斗(北海道帯広市)が経営支援し、新たに設立された医療法人熊谷総合病院が運営。久喜総合病院は一般社団法人巨樹の会(佐賀県武雄市)へ売却した。

 帝国データバンク大宮支店は「両病院ともに新体制下での運営がスタートしており、地域医療に影響が出ることはない」とみている。



https://www.m3.com/news/general/444194?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160725&dcf_doctor=true&mc.l=168898614&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
法律変わったのに「雇い止め」? 東北大、非正規の契約更新5年上限
2016年7月25日 (月) 朝日新聞

 東北大学で有期契約で働く約3千人の非正規職員が今後順次、契約を更新されない「雇い止め」になりかねない事態になっている。改正労働契約法で、契約更新の期間が5年を超えると働き手が無期契約を求めることができるようになり、大学側が契約更新の規定を見直したためだ。非正規職員の労働組合は「希望する全員を無期雇用に転換すべきだ」と主張している。

 東北大で事務をする40代の女性職員は今年初め、上司との面談で、契約を打ち切る「雇い止め」の方針を伝えられた。1年契約で、2011年から更新を続けてきた。上司からは早めの退職を求められ、断ったが、3月には契約更新の上限を「18年3月まで」とする契約書を渡された。

 「頼れる家族もおらず、雇い止めをされたら生活が成り立たない。転職も年齢的に厳しくなっている」と話す。

 東北大は14年3月に就業規則を改定し、准職員や時間給職員について、契約更新の上限を従来の3年から5年にした。規則は13年4月の改正労働契約法の施行時にさかのぼって適用される。契約更新されない職員が18年4月以降出始める。

 改正労働契約法の「5年ルール」=キーワード=では、有期契約の働き手は、通算5年を超えて働く場合、希望すれば無期契約に転換できる。東北大では規則改定で、無期契約への転換はできなくなる。

 規則改定の対象は、04年の国立大学法人化後に雇われた約3200人。ただ、講義を担当する非常勤講師は対象にならない。

 これに対し、東北地方の大学などの非正規職員らでつくる東北非正規教職員組合は6月の団体交渉で、雇用の安定をめざす改正労働契約法と「趣旨が全く違う」と東北大を批判した。

 大学側は改定は働く側に有利な内容だとする。以前の上限3年から、5年に延びたためだ。一方、組合側は、これまでの3年上限の運用は厳密ではなく、3年超働いている人が相当数いると主張する。

 東北大の山田純司・人事給与課長は「人件費確保が難しいため」と説明する。大学運営の財源は、国の交付金や授業料など安定財源以外に、特定目的のプロジェクト向けの補助金などもある。こうした補助金などで雇われる人は3200人の約半分ほどで、「資金が切れる可能性があるので、一律に無期転換することはできない」という。

 大学は「能力が極めて優れた者」などは無期雇用にする例外措置を設けることを明らかにしている。ただ、対象者の人数は明らかにしていない。組合側は「対象者は極めて少ないだろう」とみている。

 ■非常勤講師に適用の大学も

 他の大学では、有期雇用の非常勤講師で、契約更新に5年や10年の上限を設ける動きがある。10年の場合があるのは、大学などの研究者や教員は、無期転換権の発生が10年超という例外扱いがあるためだとみられる。

 早稲田大学は13年3月、5年を上限とする規定にした。その後、非常勤講師を組織する労働組合の抗議を受けて修正。14年4月以降に採用された講師について10年の上限を設けた。

 同志社大学では、今年3月までに契約している非常勤講師が引き続き更新して10年を超えた場合に無期雇用に転換する方針だ。今年度の採用からは10年を上限とした。

 立命館大学は今年4月に非常勤講師制度を廃止し、「授業担当講師」という新制度にした。従来の講師は無期にしていく方針だが、新制度の講師は5年の上限がある。

 (小宮山亮磨、編集委員・沢路毅彦)

 ■人材確保に望ましくない 毛塚勝利・法政大学大学院客員教授

 無期契約はもともと合理的理由があればいつでも解約できるものだ。大学の非常勤講師の多くは、継続的に授業を担当することが予定されているのだから、一般的には無期契約で対応すればよい。

 外部資金によるプロジェクト研究では、5年を超える長期のものは無期契約で対応し、解約事由として、プロジェクトの終了や資金の継続が期待できないことなどを定めておけばよい。

 形式的に5年や10年の契約更新の上限を設定したりすることは、働くものにとってだけでなく、人材確保のうえで大学にとっても望ましいものとは思われない。(談)

 ◆キーワード

 <改正労働契約法の「5年ルール」> 有期雇用の人の契約更新が通算5年を超えると、無期雇用への転換を求めることができる。いつ「雇い止め」になるかわからない非正社員の不安定な雇用を解消するためのルール。民主党政権時代の2012年8月に成立した改正労働契約法に盛り込まれ、13年4月施行された。18年4月から順次、無期雇用に転換できる。

朝日新聞デジタルselect



http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_kitakyushu_keichiku/article/261426
産業医大病院で仕事体験 中学生が模擬採血や検査 [福岡県]
2016年07月26日00時32分 (更新 07月26日 01時27分) 西日本新聞

 中学生が臨床検査技師などの仕事を体験するセミナーが、八幡西区医生ケ丘の産業医科大学病院であり、同区を中心に1~3年生19人が参加した。地域医療の担い手が不足する中、若者に医療への関心を高めてもらおうと、同病院と診断薬メーカー「アボットジャパン」(東京)が昨年に続いて企画した。

 9日のセミナーで中学生たちは臨床検査技師と看護師の指導を受けながら、手洗い後に自分の手に紫外線を当てて菌をチェックする細菌検査や、訓練用の模擬腕と注射器を使った採血などに取り組んだ。

 看護師の仕事に興味があるという同区の黒崎中3年(14)は「きちんと手順を踏まないと患者さんに迷惑が掛かるので大変だが、やりがいもありそう」と真剣なまなざしだった。



http://www.yomiuri.co.jp/local/kumamoto/news/20160725-OYTNT50141.html
新市民病院 7診療科減 熊本市有識者懇談会に方針
2016年07月26日 読売新聞

 熊本地震で病棟が損壊し、移転新築を目指している熊本市民病院(熊本市東区、556床)は25日、再建に向けた市の有識者懇談会(座長=松田晋哉・産業医科大教授)で、診療科の統廃合によって新病院は現在より7科少ない27診療科、約380床とする方針を明らかにした。

 病院によると、周産期医療、救急医療を2本柱として診療科を再編。消化器外科や呼吸器外科を「外科」に統合するなどして6科減らし、歯科口腔外科と心臓血管外科は廃止する。一方で、救急医療体制の強化と総合的診療体制の充実のため、「救急・総合診療科」を新設する。

 診療科の減少に伴い、医師数などが削減される見通しで、次回までに診療科ごとの病床数を提示するよう、委員から要望があった。

 市は新病院の基本方針を8月下旬までに決め、9月までに基本計画を策定。2018年度中の開院を目指している。



http://www.asahi.com/articles/ASJ7T7VTCJ7TUBQU00G.html
来年度対応の報告求める 新専門医制度開始延期で 機構
寺崎省子
2016年7月26日00時23分 朝日新聞

 新しい専門医制度で第三者機関として養成プログラムの認定などを行う日本専門医機構(東京・丸の内)の社員総会が25日、東京都内で開かれ、新制度による専門医の養成開始を1年延期し、来年4月をめどに始めるなど理事会の決定事項が報告された。基本領域の18学会に対しては、来年度の専門医養成についての対応を、7月中に各都道府県との協議会に報告するよう求めるという。

 総会後に会見した吉村博邦理事長によると、報告したのは、1年延期のほか、来年度は総合診療医をのぞく18の基本領域は各学会で責任をもって制度を運用してもらう ▽準備していた新プログラムで暫定実施する場合は、地域医療への工夫を各学会に求める ▽総合診療医は来年度は暫定実施を早急に検討するなどの計4項目。

 18の基本領域の関係学会には、できれば来年度は従来の方法で専門医を養成してもらう。機構と準備を進めていた学会が、新プログラムでの暫定実施を希望する場合は、例えば地域の募集定員を実績の1・2倍にしたり、指導医の基準を緩和してより多くの病院が研修を担う「病院群」に参加出来るようにしたりなどの地域医療への対応策を講じてもらう。

 18学会に対しては、7月中に都道府県との協議会へ報告を求め、8月上旬には機構などにも報告してもらい、学会と機構でも話し合う。

 こうした協議を進める背景には、新専門医制度が実施されれば、地域や診療科の偏在が拡大するとの懸念がある。19の基本領域の募集定数(計1万9千人弱)に対し、初期研修2年目の医師は9千人弱と約2倍の開きがあり、何の制約もなければ、医師が大都市や特定の診療科に集中する可能性があると指摘されているからだ。

 また、複数の病気を抱えるお年寄りらに幅広く対応できる総合診療医の正式な養成は18年度から始まる予定。来年度は暫定実施とし、機構が作ってきたプログラムを踏まえて新しい方策を考案。卒業後に一定期間、その地方で診療する「地域枠」の医師や病院に勤務する総合診療医をどうするかなども合わせて関連学会などと検討する。

 一方、新制度では2年間の初期臨床研修を終えた医師は、専攻医として外科や内科、総合診療など19の基本領域のいずれか一つで原則3年の研修を重ね、専門医となる。さらに専門性が高い領域(サブスペシャルティ領域)でも専門医を取れる2段階制が基本だ。専門医の認定は、機構と学会からそれぞれ受ける。

 ただし専門分野は、対象となる分野も含め「十分な議論がされていない」(学会関係者)。学会によっては基本領域を学びつつ専門分野の研修も始められるような体制を望む声もあるといい、来夏までに、特に内科や外科、がん、総合診療について基本領域と専門分野の兼ね合いも各学会と協議するという。

 機構は、人口動態や疾病構造の変化などに対応した将来の専門医制度のあり方を2~3年かけて模索するため、9月以降、調査を始めることも明らかにした。



http://www.asahi.com/articles/ASJ7T74SHJ7TUBQU009.html
抗てんかん薬を多量投与、40代女性死亡 東京女子医大
2016年7月25日21時35分 朝日新聞

 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年、脳腫瘍(しゅよう)の女性が添付文書に記載された量を大幅に上回る抗てんかん薬を投与され、副作用で死亡していたことが遺族への取材でわかった。

 亡くなったのは川崎市の長浜裕美さん(当時43)。代理人の安東宏三弁護士によると、長浜さんは14年7月、脳腫瘍が再発した疑いがあると診断された。翌月にけいれん発作を起こしたため、これまでの抗てんかん薬に加え、別の抗てんかん薬ラミクタールを1日200ミリグラム処方された。重い皮膚障害の「中毒性表皮壊死(えし)症」の症状が出て、追加投与は約2週間で中止されたが、死亡した。

 ラミクタールの添付文書では、別の薬と併用する際の投与量は最初の2週間が1日おきに25ミリグラムと記載。用法・用量を超えた投与は皮膚障害の危険が高まるとしている。

 病院の依頼で調査した「日本医療安全調査機構」の報告書では、「最良の選択肢とは言い難い。選択するのであれば、リスクなどについて本人と家族に十分に説明し同意を得ることが望ましい」と指摘している。また、薬剤師から処方量の確認があったが、変更されなかったという。

 夫の明雄さん(41)は「副作用の説明は受けていない」と主張。病院側からは「副作用は事前に説明した。死亡したのは体質の問題が大きい」との見解を伝えられたという。

 東京女子医大広報室は「双方の弁護士間で折衝中であり、コメントを控えさせていただく」としている。



https://www.m3.com/news/general/444116
薬16倍投与、女性死亡 ミス否定 14年 東京女子医大病院
2016年7月25日 (月) 毎日新聞社

 東京女子医科大病院(東京都新宿区)で2014年、脳腫瘍の女性が添付文書に書かれた量の16倍の抗てんかん薬を投与され、その後に重い副作用を起こし死亡していたことが分かった。病院の依頼で調査した第三者機関は、薬の投与を「標準的な医療と言えない」と指摘したが、病院側は「患者側の希望を考慮して決めた」と過失を否定。遺族は「副作用の説明は全くなかった」と反論している。

 同病院では、この約半年前にも原則禁止の鎮静剤投与で幼児が死亡する事故が起き、特定機能病院の承認取り消しにつながった。院内で医薬品の不適正使用が問題化していた中で、用法・用量を逸脱した処方が行われていたことになる。

 亡くなったのは、川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)。14年7月に同病院で脳腫瘍の再発の疑いと診断され、手術のための入院前の8月、けいれん発作を起こして錠剤の抗てんかん薬「ラミクタール」(一般名ラモトリギン)を処方された。その結果、全身の皮膚に障害が起こる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症し、投与開始約3週間後に肺出血などを併発して死亡した。

 ラミクタールの添付文書では、別の薬も飲んでいた今回のようなケースの投与量を「2週目まで25ミリグラムを1日おき」(1日当たり12・5ミリグラム)と定め、用法・用量を超えた投与は皮膚障害が出やすくなると注意している。しかし、医療関連死の調査モデル事業としてこの件を調べた「日本医療安全調査機構」の報告書によると、担当医は16倍に当たる1日200ミリグラムを連日投与。院外薬局から量が正しいのか照会があったが、見直さなかった。

 報告書はラミクタールによるTEN発症が死因とした上で、今回の処方を「最良の選択肢とは言い難く、あえて選択するなら必要性やリスクを本人や家族に十分に説明して同意を得るのが望ましい」と指摘した。

 病院側は「患者が手術前に趣味のサンバ大会への参加を望んだため、確実な効果を期待した。リスクは話している」と主張し、代理人を通して遺族に「法的非難を受ける理由はない」との見解を伝えた。

 これに対し、遺族側代理人の安東宏三弁護士は「副作用の説明はなく、あれば処方を受けなかった」と訴える。報告書はこの点の結論を出していない。同大広報室は毎日新聞の取材に「弁護士で折衝中の事案で、コメントは控える」と回答した。【桐野耕一、伊藤直孝】

………………………………………………………………………………………………………

 ■ことば

 ◇禁止鎮静剤投与事故

 2014年2月、東京女子医大病院で人工呼吸中の小児には投与してはいけない「禁忌」とされている鎮静剤「プロポフォール」を大量に投与された2歳男児が、副作用とみられる症状で死亡した。安全管理体制の不備を重く見た厚生労働省は15年6月、高度医療の提供により診療報酬が優遇される特定機能病院の承認を取り消した。



https://www.m3.com/news/general/444118
東京女子医大 過量投薬 遺族「リスク説明ない」 病院側「本人の希望」
2016年7月25日 (月) 毎日新聞社

 薬の不適正使用が問題となっていた東京女子医大病院(東京都新宿区)で、過量投与による死亡事故が起きていたことが発覚した。亡くなった川崎市の長浜裕美さん(当時43歳)の遺族は「病院側は薬の処方を家族や本人のせいにして、再発防止のスタートラインにすら立っていない。このままではまた同じことが起きるのでは」と不信感を募らせている。【銭場裕司】

 裕美さんの脳腫瘍の再発が判明したのは2014年夏だった。趣味のサンバの大会に8月下旬に出場した後、9月に手術を受けることが8月19日に決まった。

 その翌日、病院側は裕美さんがけいれん発作を起こしたことを踏まえ、抗てんかん薬「ラミクタール」の使用を決定。短期間に薬効を高めるためとして本来の16倍に当たる量を処方した。「量がかなり多い」として薬局から問い合わせを受けても対応を変えず、同じ量の処方が続いた。

 裕美さんは顔などの表皮がはがれる中毒性表皮壊死(えし)症(TEN)を発症。9月9日に亡くなった。遺族によると、死後に主治医から「量が多いことで(TEN発症の)可能性が増すことは確かだが、体質の問題の方が大きい」と説明された。

 だが、夫の明雄さん(41)はネットで見つけた薬の添付文書を読んで言葉を失った。「投与でTENなどの重篤な皮膚障害があらわれることがある」として用法・用量を守るように「警告」していたからだ。

 「添付文書の内容はまさに裕美の身に起きたこと。一番守るべき基本を無視しておいて、どうして体質の問題なのか」。病院側はサンバの大会に参加するという本人の強い希望などを踏まえて処方をしたと説明するが、明雄さんは「薬のリスクの説明は全く受けていない。死ぬような危険性がある処方をやってくれと言うはずがない」と断言する。

 病院側が投薬を中止したのは9月1日。明雄さんの記録によると、8月30日時点で「39度程度」の高熱があったが、病院側の記録は「36度台」だった。事故を調査した日本医療安全調査機構は「病院から提出された診療録から事実確認できない」とした。「病院側の資料だけで判断されれば、どうしようもない。遺族は圧倒的に不利な立場にある」

 裕美さんの最後の言葉は「頑張ります」。「皮膚がはがれ外見がボロボロになり、痛みと絶望の中で死なせたことが本当に悔しい。同じ問題が繰り返されないために、世の中に本当のことを知ってもらいたい」。それが明雄さんの思いだ。

 ◇半年前2歳児も

 東京女子医大病院では今回の事故の約半年前の2014年2月、人工呼吸中の小児への投与が原則禁止の鎮静剤「プロポフォール」を大量投与された2歳男児が死亡し、6月に理事長名で病院全体の改善を誓うコメントが出たばかりだった。二つの事故は、添付文書を逸脱した薬剤投与だった点、現場の連携が取れていなかった点で共通する。

 男児死亡事故では、同病院の外部有識者による調査委員会が昨年2月の報告書で、複数の医師や薬剤師が小児への原則禁止を知らなかったのに加え、薬剤師が投与量を疑問に思い医師に照会したのに、医師側にその認識がなく記録も残っていなかったと指摘。「医師の裁量を過大評価し、添付文書を確認する文化も極めて希薄だ」と結論付けた。

 今回の事故でも院外薬局の照会が反映されず副作用につながったため、第三者機関から「医師にはより謙虚な姿勢が求められる」と指摘されている。男児の父親は「医薬品の安全使用に対する認識も、薬剤師と連携していない体制も、息子の時と全く同じだ。息子の事故後も、病院の安全意識は変わっていない」と憤る。

 男児死亡事故を巡っては、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。【桐野耕一】



https://www.m3.com/news/general/444255
在宅支援診療所3割空白 552市町村、厚労省集計
2016年7月25日 (月) 共同通信社

 全国の自治体のうち3割に当たる552市町村では、昨年3月末現在、病気や高齢のため自宅で過ごす患者を医師らが訪問して治療する「在宅療養支援診療所」(在支診)がないことが、厚生労働省の集計で分かった。

 国の調査では国民の半数以上は「自宅で最期を迎えたい」と考えているが、在宅療養を支える基盤が整っていない現状が浮かび上がった。自宅で亡くなる人の割合に自治体間で大きな差があることが判明しており、こうした医療提供体制のばらつきが一因とみられる。

 在支診は24時間往診できることなどが要件で、全国に1万4320カ所。一般診療所は全国に約10万カ所あり、在支診の割合は全体としてもまだ低い。

 在支診のない自治体の9割は町村部で、近隣市の在支診がカバーしている可能性もあるが、市部でも55市にはなかった。北海道と東北で552市町村の半数余りを占めており、在支診の数は西高東低の傾向がある。

 厚労省の担当者は「北海道、東北は積雪や山間地が多いなど気候・地理的要因から在宅医療があまり普及していない。西日本は病院を含め医療資源が多い」としている。

 みとりの取り組みには在支診の中でも濃淡があり、4割程度は年間に1件もみとりを実施していないとみられる。患者が最期まで住み慣れた場所で暮らせるよう、厚労省は「在宅みとり」を広げていきたい考えだ。


  1. 2016/07/26(火) 05:51:17|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<7月26日  | ホーム | 7月24日 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する