Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月17日 

http://blogos.com/article/183768/
病院勤務医の労働 1週働き1週休み-内側から見た米国医療27
反田篤志
2016年07月17日 09:33  BLOGOS

(この記事は2015年5月号(vol116)「ロハス・メディカル」 およびロバスト・ヘルスhttp://robust-health.jp/ に掲載されたものです。)

米国で病院に勤める医師の働き方は、日本と大きく異なります。今回は、主に内科の入院診療を担当するホスピタリスト(病院=ホスピタルにずっといるので、こう呼ばれる)の一般的な働き方を紹介します。

ホスピタリストは、ほとんどの場合外来診療には携わらず、主治医として入院患者を受け持ちます。医師一人あたりの患者数は施設によって違いますが、メイヨーでは12-14人くらい、多い所でも20人くらいです。一日12時間シフトで7日間働き、7日間休む、という形態を取ることが一般的です。例えば、月曜から日曜まで7日間働いたら、その翌週は休み、という具合です。12時間を7日で計84時間なので、労働時間は平均すると週42時間です。夜間は夜勤担当の医師がいるので、担当患者の急変があっても、呼ばれることはありません。

もちろん、他の役職に就いている場合など、休みの週に会議が入ることはありますし、また休みの週に研究をする医師もいるので、全員が週42時間しか働かないわけではありません。そして、夜勤も回ってきますので、シフト制ならではの大変さもあります。ただ、義務としての臨床業務は、週40時間に近いところできちんと守られています。

日本の勤務医の働き方とは、驚きの違いです。日本では受け持ちの入院患者に加え、週2回など外来を持つことが多いですし、主治医制を取っている病院も多く、夜間や週末も含めて呼び出されることがあります。労働時間の長さもさることながら、気の休まる日がなく、休日でも遠出できないというのが精神的に辛いと聞きます。

こういった状況は、一部では改善傾向にあるという話も聞きます。また、研修医がたくさんいる教育病院では、患者の応対を主に研修医が担ってくれるので、上級医はそこまで大変ではない場合もあります。さらに、先進的な病院ではチーム医療制を取り、夜間の呼び出しがないところもありますが、そういったところはまだ少数派な印象です。総じて、日本の勤務医の働き方は、現時点ではかなりきついものである、と考えてもらって差し支えありません。

米国の勤務医が、普通の労働者のように労働時間を守って働くことができる最たる理由は、そうしないと医師が集まらないからです。米国でも医師は不足しており、特に入院診療を担当する内科医は人手不足です。米国の医師の労働市場は流動的で、医師はより自分に合う職場、より好待遇な職場を求めて移動することを苦にしません。そのような状況で、過労を強いる職場には人は集まりません。逆に、日本のような労働環境で医療が成り立っているのは、ある意味で不思議でもあります。

そういった日本の環境下で診療を続ける医師には敬意を払う一方で、今後の日本の医療のためには、きちんと労働環境を整備することが必要だと感じます。そのためには、医師も人間であり労働者だという事実を、患者さんに理解してもらう努力を重ねていくことも大事です。



http://newswitch.jp/p/5370
医師のアイデアから先端の“和製”医療機器は生まれるか
輸入品に対抗へ。知財や法整備などルール作りを

2016年07月17日 ニュースイッチ

 最先端の医療機器開発に、現場の意見を取り入れる仕組み作りが本格化している。医療の質の向上には多様なアイデアを持つ現場の医師と、医療機器メーカーとの接点を増やし、緊密に連携して優れた機器を開発することが重要だ。現場に眠るニーズの発掘努力も欠かせない。

 こうした動きの背景には医療機器の輸入超過問題がある。1985年に約2000億円だった医療機器の輸入額は、2014年には1兆3685億円に拡大した。輸出額と差し引いた輸入超過額は7962億円にのぼる。国内市場約2兆7000億円のうち輸入分は49・1%を占め、先端機器ほど輸入品に押されているのが実態だ。機器開発に医療現場からのフィードバックが不足していたり、医療機器メーカーに市場やニーズに対する理解が欠けているという指摘がある。

 医療機器は、現場の医師のアイデアから生まれるケースが多い。ただ、そうした医師は日常の診療に追われており、機器開発や事業化に携わることは困難だ。医療機関と医療機器メーカー、地域のモノづくり企業とのマッチングは全国で盛んだが、医師のニーズを吸い上げる取り組みが不足していた。

 経済産業省関東経済産業局と日本医師会は今年から共催の形で、現場のニーズを発掘するセミナーを全国6カ所で始めた。また日本医師会は15年から、医師主導による医療機器の開発支援に取り組んでいる。1年間で100件のアイデアが寄せられ、審査を通過した89件のうち企業などに橋渡しした件数が14件あった。

 アイデアを商品化するのは既存メーカーに限らない。発案した医師の知的財産権を確保した上で協業先を募ったり、医師自らが知的財産権をベースに起業するなどの方策もある。ただどんな場合でも事業可能性評価や研究開発費の確保、医薬品医療機器等法をクリアすることなど、第三者を交えた明確なルールづくりが必要だ。そのためには革新的な製品開発に向けた情熱と、関係者の信頼関係の醸成が不可欠だろう。
日刊工業新聞2016年7月14日



https://www.m3.com/news/iryoishin/442421
裁判所、職権で事務局医師の再尋問を決定
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第33回公判

2016年7月17日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第33回公判が、7月15日に東京地裁で開かれ、辻川靖夫裁判長は白橋伸雄被告と証言が大きく食い違っている男性医師Aを職権で再尋問することを決定。白橋被告側弁護人は即座に「異議」を申し立てたが、却下した。男性医師Aは、KHS(Kyoto Heart Study)の試験当時、元京都府立医大教授の松原弘明氏の教室に所属し、事務局を務めていた(『「全て白橋氏がやってくれた」、府立医大医師 』などを参照)。

 男性医師Aの再尋問について、辻川裁判長は改めて双方の意見を確認。検察側とノバ社弁護人は「然るべく」として、裁判所の考えに従う姿勢を見せたのに対し、白橋被告弁護人は「必要性、相当性なし」と反対。辻川裁判長が職権での採用を決定し、白橋被告側弁護人は即座に「異議」を申し立てたが、却下された。8月と9月にかけて複数回、再尋問を行い、その後に再度、被告人質問も行われる。10月ごろを見込んでいた検察側論告はさらに遅れる見通しとなった。

 この日の公判でもKHSのサブ解析論文で、本件対象のCCB論文作成において、白橋被告が行った群分け作業の確認がされた。白橋被告は研究開始時の併用薬情報がないことから、「推定」で作成。その情報を基に群分けをしたとし、論文上に記載されている「研究期間中のCCBの使用期間が12カ月を超える場合」という定義では行っていないと証言した。

 検察側は6カ月ごとの併用薬情報では、他の薬剤を使用し、CCBは使用していないと記載されている症例でも、CCB投与群に群分けされていると指摘。また、2011年の論文投稿時の査読者からからの指摘に対する男性医師Aとのメールのやり取りの中では「12カ月未満はCCB投与群として扱わない」などとの記載があるとし、その理由を尋ねたが、「へりくつで書いているだけ」と釈明。論文に疑義が出された2012年末に男性医師Aから「群分け情報はないか、再現できないか」というメールに対しても「12カ月以上は投与群」などと説明していると追及した。

 裁判所は、具体的な推計作業の手順や医師からの指示の状況などについて質問。また、白橋被告弁護人の冒頭陳述では、「CCB論文作成の中で併用薬に関する「薬剤表」を作成し、群分けをした」と主張していることと関連し、「これまでの公判では薬剤表の話が出てこない。薬剤表ではなくベースラインを基に推定して群分けをしていたと思うようになったきっかけは」と質問。白橋被告は「よく分からなくなって本当のところは分かりません」などと答えた。

 白橋被告の弁護人はCCB論文の解析用データ作成過程で、手入力での作業があったことを確認。CCB論文作成過程で数値を「修正」することになった背景について「今の時点でデータのアウトプットを一例ずつ見ていくと主要評価項目と個別の構成要素が合わない例がある」としミスがあった可能性を指摘した。また2014年の逮捕時の取り調べについて、論文作成作業は逮捕の4年以上前のことになり、図表の作図に関する記憶がなかったことを確認。また、証拠として採用されているメールの記載に誤字が多いことについて質問し、白橋被告は「文章の見直しはしていない。早く送ることを優先しており、誤字脱字が多いなど失礼なものがあったかもしれない」と答えた。

 ノバ社弁護人は、白橋被告が当時所属していた学術企画部は営業部から独立しており、医師の研究業務へのサポートとし、何をすべきかというコンセンサスがなかったこと、会社から目標や成果の設定がなかったことなどを確認した。



http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20160717/news20160717638.html
専門外でも外来患者診療 愛媛大生ら実践型実習
2016年07月17日(日) 愛媛新聞

 地域医療を担う医学生を育てるための実践型臨床実習「闘魂外来」が16日、新居浜市北新町の十全総合病院であり、愛媛大などから9人の医学生が参加した。専門分野にとらわれない幅広い視野の診察を目指す「総合診療医」で地域医療機能推進機構本部顧問の徳田安春医師(東京)が企画し、愛媛での開催は初めて。
 医学生は指導医と3チームに分かれ、病院を訪れた外来患者計9人を約5時間かけて診察。症状や生活習慣を尋ね、爪や表情にも目を凝らし、患者の訴えに耳を傾けた。患者に一度退室してもらってチーム内で症状を分析、再び面談するという診察を繰り返した。
 子どもの診察では、指導医が「同じ目線から自己紹介して安心させて」「患者にどんな不安があるのか考えてみて」と助言した。8歳の息子の診察を終えた母親は「話を聞いてくれ、学生さんも含め、いろんな角度からの意見を聞けて良かった」と話していた。
 「闘魂外来」は、どんな患者も断らない決意を込め、徳田医師が2009年から各地で実施している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/433392
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
「地域の町医者」「月収300万」若手医師の将来ビジョン◆Vol.21
仕事とプライベートの両立望む

2016年7月17日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 医師として成し遂げたい目標やビジョンなどについてのご記入ください。

【地域医療】
・専門分野で地域に貢献する。茨城県の地域医療を支える。医療格差のみならず教育格差、経済格差についても地域から変えていきたいと考えている。
・大学や大規模市中病院で修行し、ゆくゆくは町医者として地域貢献したい。
・離島医療の安定。
・病院改築に伴う精神科救急医療体制の整備。
・地域に密着した開業医。
・地域に根差した医療、患者教育。過去にとらわれない医療。
・地域の医療体制を維持できれば十分と思うが、それすらできていないのが現実である。まともな医師の育成を行っていきたい。
・地域枠医師が充実感を感じられる医療体制の構築支援。
・地域の患者さんをちゃんと診断し、正しく治療されて退院させることができるような医師になりたい。
・地域の町医者として患者様と接していきたい。
・地域で標準的なリウマチ膠原病の医療を提供する。

【開業・経営】
・利益を得て、経済活性化に貢献する。
・60歳で引退。それまでに老後を生活するのに十分な財を蓄える。
・老後の金に困らないのが目標です。サラリーマンや公務員と違い生活が安定しないので、医師として役に立つなんて余裕はありません。
・月収300万。
・知り合いばかりで病院作り。
・開業したい。
・経済的余裕。

【大学・研究】
・教授。
・教授になる。
・大学教授。
・5年後に大学に魅力があればキャリアを積み続けて、なければ開業したい。
・現在大学院で研究していることを、臨床で生かしながら、研究を続けていくこと。臨床と研究をつなげるような仕事を続けていくこと。
・臨床と研究の両立。
・博士号。
・難病の治療法などの確立や病態解明につながる研究。
・一度は留学して、外国ではどのように医療が行われているのか体感してみたい。

【技術】
・日本の手術治療成績の向上。先端医療に関わりたい。
・技術を持ったスペシャリストでありつつ、常に患者に寄り添った医師。
・手術の達人。
・名の知れる特技を持って、価値ある指導と臨床をする。
・全ての分野で標準治療を行う事ができ、かつ自分の専門分野においてはある程度先端医療を行う事ができる。
・医療レベルの底上げ。
・高度な専門的手技(手術、心カテ、内視鏡など)が必要な場合を除くあらゆる疾患への対応ができるようになりたい。
・専門特化している現代だからこそ、広い分野に精通した、広く深い知識を持つ放射線診断医になりたい。
・新しい弁置換術を日本で導入。社会に何らかの形でかかわり貢献する。地域に密着した医師。最新のガイドラインに沿った医療を行い、不公平さを患者さんに感じさせない医療を提供したい。逆に言うと、最先端の研究・開発は私には無理だと思っています。
・予防医学の原点とも言える食事療法について精通し、疾病罹患者、予備群ともに対応した指針を確立する。慢性疾患の罹患、重症化予防に貢献する。
・技術的に優れた外科医になりたい。
・カテーテル治療専門医。

【その他】
・自分の手の届く範囲で、助けを求めてくれた人に、自分にできる最大限のことをしてあげたい。
・細く長く続けていきたい。
・適度な距離感の医師患者関係。
・人間らしい生活をして、心穏やかに過ごせる時間を少しはほしいです。それだけです。
・長く続ける。
・プライベートとの両立。
・育児との両立。精神科指定医、専門医の取得。
・母親業との両立。
・家族との時間が大事にできる医師。
・育児、家事、仕事を自分なりのバランスで両立して、多様な働き方を理解してもらう。
・周囲から必要とされる医師。
・基礎研究的な能力を身に着けた上で、さまざま視点から物事を判断できるような臨床医を目指す。
・頼られる医師。
・同僚から讃えられる医療人であり続けること。
・まともな医者として自信と余裕を持って働き家族に十分なお金を供給する。
・あまりなくて、困っている。
・できれば若手医師の最初の一歩を助けられる医師になりたいです。
・専門科を持つ総合臨床医。
・健康寿命と寿命の一致。
・趣味の充実。
・見逃してはならない疾患を見逃さず、できなければならないことはできる、できないことはすぐに相談できる医師。
・家族と自分が幸せでいられる環境づくり 自信を持てる専門性を身に着ける。
・家庭を持ち、子育てをほぼ完璧にこなすなど、自分の生活を充実させながら、しっかりと仕事も行い、周囲からの信頼を得たい。
・EBMに基づいた医療。
・無事故で生きられればと思います。
・患者さん思いの医師になることを忘れず、常に勉強し新しい知識を得たい。
・仕事を続けて、母親として子供から尊敬してもらえるようになりたい。
・高度な医療技術・知識を地域医療に還元していきたい。投薬偏重の医療の解消。
・generalist
・女医の権利、とやらを逆手にとる女医が増える中、なくてはならない存在として必要とされる女医になりたいと思う。
・臨床に多くの時間を取りたい。専門医や博士号に興味はないが、なんとなく、一応とっておくべきという流れはどうかと思う。
・患者から尊敬される存在であり続けたい。
・働き続ける。
・漠然としていて明確なビジョンがないです。
・急性期・慢性期をバランスよく診療できる医師。
・特にない。ライスワークなので。
・子育てと両立させたい。
・家庭と両立して診療に携わる。
・まずは専門医。
・専門医取得。
・指導医取得。



https://www.m3.com/news/general/442427
松前病院、院長辞職へ 常勤医3人減に 救急対応など影響も、北海道
2016年7月17日 (日) 毎日新聞社

 町立松前病院(100床)で、木村真司院長らが辞職し、10月以降は常勤医が7人から4人に減ることが、病院関係者への取材でわかった。経営方針を巡って町と対立したことが原因。病院は24時間救急対応など業務の見直しも検討する。

 町によると、木村院長は6月7日に辞表を提出。今月末で辞職することになった。病院改革を進めるため独立行政法人化を目指したが、町側が慎重な姿勢を崩さなかったためという。

 別の医師1人も、院長が辞めれば研修システムが維持できないとして、12日付で辞表を出した。さらに現在勤務している後期研修医1人は研修の関係で10月から別の病院に移る。病院関係者の説明では、医師確保を木村院長に頼っていたため、10月までに新しい医師を迎えるのは難しいとみられる。関係者は「病院運営は綱渡りの状態だ。残る医師の負担が増して離職につながれば、病院の存続に関わる」と危機感を抱く。

 医師が減れば診療報酬も減額される見込み。同病院は松前、福島両町の夜間救急に対応し、町内の介護施設など7カ所で訪問診療を実施しているが、残る医師の負担を考えて8月までに診療方針をまとめたいとしている。

 石山英雄町長は「これまで尽力してきた院長の辞職は残念。今後の方針は、残る医師や新しい院長と相談して決めたい」と話した。

 同病院は1990年11月に道から町に移管され、2005年11月に木村院長が就任した。医師が専門に関わらずさまざまな症状の患者を診察する「全科診療」を導入。へき地の医師が最先端の医療情報を得るためインターネット講座を運営するなど、先進的な地方病院として知られる。09年度には単年度黒字化した。一方で13年には元事務局長の雇用継続を巡って病院と町が対立し、院長を含む医師8人(10人中)が辞表を提出。町長と議長が謝罪し和解する事態になった。【遠藤修平】



https://www.m3.com/news/iryoishin/433833
シリーズ: どうなる?「日本の未来の医療」
高齢者の保険診療に制限、過半数の医師が支持◆Vo.1
立場で相違、勤務医の半数強支持、開業医は反対が多数派

2016年7月18日 (月) 成相通子(m3.com編集部)

 人口の高齢化と医療技術の進展への対応が求められ、医療制度改革が進む日本。医療の質向上だけでなく、医療費抑制の観点から、フリーアクセスの制限、終末期医療の在り方、さらには先進医療をどこまで保険でカバーすべきかなど、さまざまな問題が浮上している。

 2016年5月27日から5月30日にかけて、m3.com医師会員509人(勤務医253人、開業医256人)に、日本の「医療の在るべき姿」と患者の立場から望まれる医療について尋ねた。その結果を紹介する。

Q. 高齢者への保険診療の給付範囲について、医療経済的観点から見直しが必要だとの意見があります。例えば、人工透析の開始年齢や 臓器移植の対象年齢に上限を設けるなどの制限は必要だと思いますか。
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 2015年の厚生労働省の発表によると、2013年度の医療費は、史上初めて40兆円を突破し、40兆610億円で確定した。1人当たりの医療費は31万4700円で、前年度より2.3%増えている。右肩上がりの高齢者人口と医療技術の高度化がその背景にある。

 増え続ける現役世代の負担に対して、高齢者との不平等感があるとの指摘も出ている。一部では、人工透析の開始年齢や、臓器移植の対象年齢に上限を設けるなど、医療費の保険給付費の範囲を年齢によって、制限すべきだとの意見もある。現場の医師はどう考えるのかを尋ねた。

 勤務医は55.3%が「年齢である程度制限すべき」と回答し、年齢による制限に賛成する意見が多数派で、制限に否定的な39.1%を大きく上回った。一方で、開業医は制限に否定的な意見が48.0%で、賛成の49.6%とほぼ拮抗している。開業医と勤務医の年齢差のほか、経営する立場にある開業医と被雇用者という立場の違いなどが関係していると見られる。

 年齢によって保険給付の範囲を制限する考えは、反対する意見も多いものの、医師の間で、ある程度支持を得ていると言えそうだ。

■回答者の属性
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https://www.m3.com/news/iryoishin/433733
シリーズ: m3.com全国医学部長・学長アンケート
新専門医で「大学の力は向上」が半数◆Vol.8
「マンモス校に有利」、大学間の格差、懸念も

2016年7月18日 (月) 成相通子(m3.com編集部)

全国医学部長・学長アンケート

 新専門医制度では、指導医や症例数の確保のため、大学病院を基幹として連携施設と実施するプログラムが多くなり、「大学の復権」につながると懸念する声があります。一方で、2004年度に始まった新臨床研修制度のマッチングシステムが医局の力を弱くさせ、地域医療の崩壊を招いたとの批判もあり、大学の医師派遣能力が向上することへの期待もあります。新専門医制度で、医師派遣能力を含めた大学の総合的な力はどうなるのか。大学医学部・医科大学のトップに尋ねた(アンケートの概要は『低学年クライシス」、6割強が実感◆Vol.1』 を参照)。

Q. 新専門医制度では、「大学の復権」につながるという意見もあります。研究、臨床、教育、地域への医師派遣などを総合した「大学の力」「大学が果たすべき役割」は現状と比べてどうなるとお考えでしょうか。
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 最初の質問では、「向上する」「現状と変わらない」「低下する」「分からない」の4つの選択肢から1つを選んでもらった。有効回答数は24で、「向上する」との回答が最多で半分を占めた。「現状と変わらない」と回答したのは5人。「低下する」は2人が選択。「分からない」が5人だった。

Q. 新専門医制度が大学に与える影響についてお考えがあればお聞かせください。

 大学に与える影響については、自由回答でコメントを求めた。「向上する」を選んだ回答者のコメントでは、新専門医制度によって若手の医師が大学病院に戻ってくることへの期待や、大学による質の高い研修プログラムが実施できるようになると歓迎する声があった半面、都市部と地方の大学間の格差を懸念する意見もあった。

 「低下する」を選んだ大阪医科大学学長の大槻勝紀氏は、「過去3年間の症例数を基準にして各科に専門医の数を割り当てることになっているため、マンモス大学には有利ですが、本学のような私立医科大学では専門医の割り当て数が減らされます。臨床の面では『大学の力』は低下すると言えます」とコメント。「現状と変わらない」「分からない」との回答者の中には、大学の医師派遣能力について、逆に低下するのではないかとの指摘もあった。

 上記の集計対象にしなかったが、岩手医科大学医学部長の佐藤洋一氏は、「向上するor低下する」と回答。「大都市圏と中小都市の医科大学では様相が異なるでしょう。初期臨床研修制度導入で生じた医師の偏在化がさらに強まり、地域医療の崩壊に加え、地方医科大学ひいては地域基幹病院の診療力は低下すると思われます。また、大都市圏の大学でさえ、研究医はさらに減り、日本の医学研究は地盤沈下していくでしょう。基礎医学領域の研究と教育に従事する医師は激減し、基礎医学の教育は益々臨床とかい離したものになり、次いで基礎医学教室不要論が台頭し、最終的にはプロの基礎医学者は絶滅すると思われます」とコメントしている。

 以下、「新専門医制度が大学に与える影響」についてのコメントを、最初の質問の選択肢の順に紹介する。

【向上する】
・ 大学病院は医師の派遣などを含めて、日本の医療を牛耳る諸悪の根源のような誤解が「大学の復権」のような心配を招いていると思う。それらはそれぞれの大学で指導的立場にある人の考え方次第で変わるものであり、新専門医制度自体が「大学の復権」に密接に関連しているわけではないと考える。新専門医制度を医師の囲い込みのような権力闘争の機会にしようとしている大学はあったとしても少ないと思われ、そもそも大学病院は良い医師を育成することが大きな目標であるので、新専門医制度がその考えに沿うものであれば決して大学の権力を増すチャンスと捉えるものではないと思う。(旭川医科大学学長 吉田晃敏氏)
・ 研修基幹病院の要件を満たすのは大学病院が中心となるので、結果として大学病院が抱える医師数が増えることが予想される。大学にとって見れば、研究、臨床、教育、地域への医師派遣など全ての点でプラスになると考えられる。しかし、その結果、地方の地域医療崩壊につながるという意見が噴出している。専門医機構側もこの点に対する配慮を打ち出しているが、難しい課題である。(東北医科薬科大学医学部長 福田寛氏)
・ 前項でも書きましたが、若い医師は医療技術の修得で、頭が一杯になっています。そうして獲得した技術は10年しかもちません。結局40歳を過ぎると技術では若い人に太刀打ちできなくなります。でもその後にまだ30年の医師としての人生がある訳で、大切なことはきちんと考え方、学び方を身に付けることだと思っています。新制度で大学を中心に地域の病院でグループを作って医師の教育に取り組むのは大変良いことだと思います。(福島県立医科大学医学部長 鈴谷達夫氏)
・ 専門医制度の掲げる目標を達成するには、大学を基幹とした研修プログラムが重要となるため、大学の果たす役割が一層大きくなる。(埼玉医科大学学長・医学部長 別所正美氏)
・ 大学を基幹とした病院群で構成されるため、医師派遣などが向上するであろうと考えます。(昭和大学医学部長 久光正氏)
・ 新専門医制度では症例数や手術経験数、活動実績が必要となるため、大学を希望する医師が増加すると考えられる。(聖マリアンナ医科大学医学部長 加藤智啓氏)
・ 地方では、大学が本来果たすべき役割を達成できる。高度医療人や高い専門性を持った医師育成が大学の責務として定着していくと思われる。(富山大学医学部長 北島勲氏)
・ 現状では、大学とそれ以外の地域の病院が、若手医師を確保するために競合しています。その視点からは、新専門医制度が専門性の高さを追求するものである限り、大学の復権に作用するとお感じの先生もいらっしゃるかと思います。しかし、そもそも大学は診療を通じて専門教育や研究を行う医育機関として構築され、その他の病院は診療を中心とするシステムとなっています。つまり、地域の病院では、研究や教育を行うための構造が整備されておらず予算にも無理があります。このたびの新制度によって、研究、臨床、教育の高い専門水準を備えた医師を育成することは大学が得意とするところであり、それらの医師が診療分野を中心に活躍する場として地域の病院にアドバンテージがある、という役割が明確になるものと考えられます。この役割分担が機能すれば、未熟な医師が地域に散在するだけの状況から、信頼できる専門医が的確に配置されることとなり医療のレベルは向上するものと思われます。(福井大学医学部附属病院 副病院長(教育・研究担当)中本 安成氏)
・ 現行の初期臨床研修制度の導入で、大学で研修する医師が激減し、地方医大を中心に教育、研究、診療のいずれにも大打撃を被った。大阪の南に位置する近畿大学医学部も例外ではない。新専門医制度では、多くの診療科において経験すべき症例のしばりが強くなり、大学病院など症例の豊富な大病院が研修プログラムを組みやすくなった。そのため、これまでの後期研修医にあたる若手医師が大学に戻ってくる期待が大きい。しかし、専門医取得後も大学に残る保証はないので、大学復権にはほど遠いだろう。大学が役割を果たせるかは専門医研修の3年間に、大学の魅力をいかに示せるかにかかっている。(近畿大学医学部長 伊木雅之氏)
・ 質の高い医療人になるためには、リサーチマインドを養成することが必要です。例えば外科医は単なる技術者ではありません。このリサーチマインドは、いろいろな研究者が集う大学でのみ可能です。大学を中心として研修制度が充実することにより、質の高い医療人を養成することができ、また大学も活性化されます。ガバナンスが働く大学を基幹施設とした研修プログラムは、さまざまな医療格差の解消に貢献できると思います。(大阪市立大学 医学部長 大畑建治氏)
・ 多くの地方大学にとってはかなり厳しい環境になると思われる。それは、全ての医療環境が、研修する立場にとって必ずしも最善の環境にはないから。(広島大学 医学部長 秀道広氏)
・ 当県では多くの診療科で大学を基幹病院とする一つのプログラムを作成し、この制度に対応する予定である。これは研修に必要な症例を経験する上で大学病院が有利であることが影響している。このことは、研究、臨床、教育、地域派遣の全ての面で、大学の機能を高める方向に作用するものと期待している。地域の病院も大学の派遣機能の向上を期待しており、プログラムの中で地域医療に十分配慮することで大学、地域病院の両方にとってメリットが大きい。(島根大学医学部長 山口修平氏)

【現状と変わらない】
・ 山形大学医学部では、蔵王協議会により専門医育成と地域医療の推進が両立して発展することを行っている。(山形大学医学部長 山下英俊氏)
・ 大学から地域への医師の派遣能力がむしろ低下する可能性が高いと思う。(岐阜大学医学部長 湊口信也氏)

【低下する】
・ 過去3年間の症例数を基準にして各科に専門医の数を割り当てることになっているため、マンモス大学には有利ですが、本学のような私立医科大学では専門医の割り当て数が減らされます。臨床の面では「大学の力」は低下すると言えます。(大阪医科大学学長 大槻勝紀氏)

【分からない】
・ 地域への医師派遣(偏在)の問題については、解消できないように思います。(名古屋市立大学医学部長 浅井清文氏)
・ 総合医育成における大学の役割は大きくなると思う。地域医療と大学の連携は深まるかもしれないが、都市部の大学にとっては地域への医師派遣機能は低下する可能性が高い。臨床、教育に与える影響は、最終的な制度がどうなるかによって予測できないが、研究に対しては負の影響を与える恐れが大きい。(東京慈恵会医科大学学長 松藤千弥氏)
・ 地域連携がうまくいく大学とそうでない大学との間で格差が生じるのではないかと思います。(愛知医科大学医学部長 岡田尚志郎氏)
・ 基礎医学出身なので混沌とした現状を理解しようとしている状態である。大学に与える影響については不明である。(兵庫医科大学学長 野口光一氏)
・ 各医科大学の置かれている状況は必ずしも一律ではなく、地域重要、人口動向、経済状況、単科・総合大学の相違などによって策が生じるものと考える。(産業医科大学学長 東敏昭氏)



  1. 2016/07/18(月) 06:19:34|
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