Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月8日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/440263
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度の構築、「機構と学会が協同で」 -吉村博邦・日本専門医機構理事長に聞く◆Vol.1
議論を尽くし、学会や国民のコンセンサス得る

2016年7月8日 (金) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構の新執行部が7月4日、発足した(『日本専門医機構の理事長、吉村・北里大名誉教授が就任』を参照)。理事長に就任したのは、地域医療振興協会顧問、北里大学名誉教授の吉村博邦氏。日本専門医機構の前身の時代から、専門医制度の検討に関わってきた経験を持つ。

 地域医療に影響する懸念から、2017年度からの全面的な実施は見送られたが、いまだ今後の方向性が見えない新専門医制度をどのように舵取りしていく意向なのか――。吉村氏にお聞きした(2016年7月6日にインタビュー。計2回の連載)。

――まず日本専門医機構の理事長に選任された率直な思いをお聞かせください。

 本当に驚きました。日本専門医機構は、専門医の養成と認定を行う組織であり、専門医制度は医療提供体制にもかかわる大変重要な問題です。非常に重責で、私に務まるのかとも思っておりますが、精一杯努力します。

 今後の運営に当たっては、日本専門医機構のガバナンスの確立、基本的な姿勢・方針の確認、地域医療の確保・偏在対策という三つが重要だと思っています。

 ガバナンスの問題ですが、まず重要なのは、理事会でしっかりと議論を尽くすことです。専門医制度は、プロフェッショナルオートノミーに基づくものであり、社会、あるいは国からも、専門職能集団が自律的に運営することが期待されています。理事会の一部の意見だけでなく、幅広く医療界のコンセンサスを得ながら、議論を進めることが必要です。加えて財務、総務、広報の各委員会の見直し、充実も重要です。

 基本的な姿勢・方針としては、日本専門医機構と、各領域の学会が協同して専門医制度を構築することが重要だと考えています。理事会が意思決定機関であり、各学会の代表などが入る社員総会はその決定内容を報告する場という位置付けでした。このため従前の運営については、「学会ではなく、日本専門医機構が全て主導し決定して、決定したことに対しては従ってください」という姿勢であったと、指摘されることがありました。

 地域医療の確保・偏在対策については、都市部の研修プログラムの募集定員が多ければ、都市部に専攻医が集中する可能性があるので、そうならないように、日本専門医機構は募集定員は過去3年間の採用実績の1.1倍にするよう求めてきました。ただ、それに限らず、いろいろなアイデアがあると思います。

――2017年度からの専門医制度をどのように運営するかが、直近の課題です。

 スケジュールとしては、7月11日(月)に理事会を開催します。何を検討するかですが、日本専門医機構の現状と課題について、理事の皆さんに共通認識を持ってもらうことが第一。第二は、機構の基本的な姿勢や役割の確認です。

 今お話した通り、学会と協同して取り組むことが大前提。これまで各学会が運営してきた専門医制度を尊重し、それを生かしながら、いかに日本専門医機構と学会が役割分担をしていくかという視点が重要です。機構が全てを運営するのではなく、各学会の専門医制度を標準化するための調整役を果たす。その上で、公の資格として、認証する。さらに今後の医療提供体制を検討するために、専攻医や専門医の地域分布などを把握するためのデータベースを構築する。これら3つが、機構の主たる役割になってくるのではないでしょうか。

――1回の理事会で、それらの方針は決まるのでしょうか。

 決まるか決まらないかは別として、とにかく理事の皆さんの意見をお聞きすることが重要です。塩崎恭久厚労相は6月の談話で、プロフェッショナルオートノミーを尊重するとし、「国は当面意見を言わず、新しい体制を見守る」というスタンスです(『塩崎厚労相、新専門医制度への「懸念」理解』を参照)。日本医師会と四病院団体協議会も6月の声明で、「一度立ち止まって」考えるよう、求めています(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』を参照)。

 日本専門医機構の今までの理事は、各基本診療領域(学会)から出ている理事ではなく、オールジャパンの体制には必ずしもなっていませんでした。これに対し、新理事は、学識経験者、一般の方なども含めたオールジャパンの体制ですので、そこで議論を尽くしていきます。

――新専門医制度については、さまざまな関係者から成る「検討の場」の設置が求められています。日本専門医機構の理事会がその場になるのか、あるいは新たに何らかに会議体を設けるのでしょうか。

 各ステークホルダーが入り、オールジャパンの体制なので、理事会は間違いなく一つの検討の場です。ここでまず議論を尽くす。一定の結論が出れば、基本診療領域の学会から成る「基本領域連携委員会」をなるべく早く開催する。さらに社員総会を開催し、了承が得られれば、それを各地域の協議会、あるいは厚労省の社会保障審議会医療部会などに諮る。理解が得られれば進めることができ、異論が出れば、もう一度、検討し直す。このようなやり取りを想定しています。「日本専門医機構が、こう決めたから」と言って、進めてしまうと問題が生じてくる懸念があります。

――先生は7月4日の理事長就任後の会見で、「一斉に始める」旨の発言をしています。

 「一斉に始める」というのは、基本診療領域の学会について、「本学会は来年4月から、機構と一緒に実施します」「本学会は1年先になります」「新しい専門研修プログラムは用いますが、学会主体でやります」などと意見が出揃い、各学会の方向が決まるという意味として理解してほしいと思います。「一部の学会だけは、方針が決まらない」といった事態は避けたい。

――それを決める目途はいつでしょうか。

 8月にずれ込むかもしれませんが、できれば7月中に、とは思っています。

――既に、2017年度については学会独自の実施を決めているケースもあります。一方で、日本専門医機構と一緒に実施する場合は、どんなやり方が想定されるのでしょうか。専門研修プログラムの審査などはどうなるのでしょうか。

 日本専門医機構が認定する専門医制度をどのように位置付けるか、機構と学会の役割をどう分担していくかは、まさに今後の検討課題です。いろいろなやり方はあるでしょうが、学会独自で方針を決めるのではなく、機構と学会が話し合い、地域医療への影響も検討しながら、「このような基準で専門医制度をやります」という合意を得て進めていくことが、「一緒にやる」という意味だと思います。これまでは、日本専門医機構が、一方的に決め、それに従わないと認めないという姿勢が、関係者のストレスになっていたとも指摘されています。

 各基本診療領域の専門研修プログラムに関する1次審査を終えたのは、19領域を合わせて2877、募集定員は約1万9000人です。さらに各学会とも募集定員の調整に努力しているので、定員は現段階ではより少なくなっています。ただ、日本専門医機構と学会が一緒にやる場合でも、時間的に2次審査を行う余裕はなく、1次審査したものを理事会で承認するなどの形になるのでしょう。

 専門医の認定証には、学会が独自でやる場合には学会の名前が、学会と日本専門医機構が一緒にやる場合には、両者の名前が入ることになるのだと思います。

 もっとも、2017年度から専門研修を始めたからと言って、すぐに認定するわけではありません。最初は学会独自で開始しても、後からそれを機構が追認する場合もあり得るでしょう。リジッドに考えなくても、いろいろな方法があると思うのです。

――日本専門医機構と学会が一緒にやる場合、研修医登録のデータベースを使うことが前提なのでしょうか。
 その辺りも今後の検討課題です。

――日本専門医機構と学会の役割分担ですが、機構が大きな組織としてやるのか、あるいは学会が主体でそれを支援するようなやり方なのか、という点についても今後の検討課題だと思います。いずれにせよ、最終的に第三者機関として日本専門医機構が認定する専門医制度は必要だとお考えでしょうか。

 はい。各領域の専門医制度を標準化して、それを公の資格とするためには必要だと考えています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436147
シリーズ: m3.com全国医学部長・学長アンケート
臨床実習の現場、大学ごとにばらつき◆Vol.5
24大学の平均は大学病院の割合「75.7」

2016年7月8日 (金) 高橋直純(m3.com編集部)

全国医学部長・学長アンケート

Q 医学部生の臨床実習の場として、大学病院のみならず地域を活用する動きが広がっています。臨床実習の配分時間について、全体を100とした場合の平均的な学生のケースを教えてください。
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 国際認証を得ていない医学部の卒業生が2023年以降、米国で臨床研修が行えなくなる「2023年問題」への対応の一環としてなど、参加型臨床実習の割合が各大学でますます増えている。同時に臨床実習の場として、市中病院や診療所を活用する動きも広がっている。

 平均的な学生の臨床実習全体を100とした場合、回答のあった24大学の内訳の平均は「大学病院: 75.7」「市中病院:19.9」「市中診療所:4.4」となった。ただ、大学ごとのばらつきは大きく、大学病院での実習の割合は、最多は昭和大学の90に対し、信州大学は30だった。診療所の実習割合も、ゼロの大学もある一方、大阪医科大学は28だった。

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回答のあった24大学の平均

 臨床実習場所の内訳について、大阪医科大学学長の大槻勝紀氏は「第5学年は全員大学病院で臨床実習を行います。その後、第6学年で選択臨床実習を行いますが、比率はその際のものです」と説明している。



https://www.m3.com/news/general/440135
【千葉】患者の経済的理由で治療中断 医師37%経験
2016年7月8日 (金) 読売新聞

 県保険医協会は、県内会員の医師や歯科医に受診実態調査を行い、結果を公表した。昨年秋までの半年間に患者側の経済的理由で治療を中断したことがあったのは医師が370、歯科医が500だった。

 調査は2015年12月~16年2月、医師約1900人、歯科医約2100人を対象に実施し、医師247人、歯科医257人から回答を得た。患者からの未収金があったと答えたのは医師が470、歯科医が360だった。

 75歳以上の患者の窓口負担は現在1割だが、調査では2割に引き上げた場合の影響も聞いた。選択肢から選んでもらったところ、「受診抑制につながる」は医師が660、歯科医が690に上る一方、「影響しない」を選んだのは医師が80、歯科医が100だった。

 2割への引き上げに関する意見は、「国家財政を考えるとやむを得ない」などとする賛成派と、「絶対に阻止するべきだ」などの反対派で割れた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/439935
シリーズ: 真価問われる専門医改革
脳神経外科学会、2017年度の専門医制「従来通り」
学会が会員に通知、専攻医や地域医療への混乱回避

2016年7月7日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本脳神経外科学会は7月6日、2017年度の専門医制度は、従来通りの学会の研修プログラムを用いて専攻医の募集を行うことを決定、会員に通知したことを公表した。専門医の更新についても、現行の同学会の専門医生涯教育制度に則り、実施する(資料は、同学会のホームページに掲載)。

 同学会は、2011年度から、他の領域(学会)に先駆けて、複数の病院群から構成する研修プログラム制を採用している(『他学会に先駆け専門医制度を改革』を参照)。研修プログラム制とは、基幹病院と連携病院が病院群を作る仕組みで、2017年度から開始予定だった新専門医制度の特徴の一つ。この点に限っては、新専門医制度への移行に伴う変更は少ないと見られるものの、「本年度中に、日本専門医機構がどこまで制度整備が可能か明確ではない昨今の現状では、揺らぐ制度に中途半端に移行することは、研修医、専攻医、専攻医教育現場、地域医療の混乱を引き起こすことが大いに懸念される」との判断から、従来通りの制度の実施を決めた。

 今後の方針としては、(1)人口当たりの脳神経外科専門医の都道府県格差は約2で、全ての領域の中で、1、2を争うほど均てん化は進んでいるものの、さらに地域医療への配慮を行うよう、各プログラム責任者に通達、(2)各プログラムの募集定員は、教育資源、指導体制、症例数などに基づいて、日本脳神経外科学会の専門医認定制度の内規に則り、自律的に定める、(3)日本専門医制度の動向が明確になれば、プロフェッショナルオートノミーのもと専門医制度を均質化して専門医の質を高めるという方向に向けて協議する――を掲げている。

 日本専門医機構は、7月4日の理事会で、新理事長や副理事長を決定、新執行体制がスタートした(『日本専門医機構の理事長、吉村・北里大名誉教授が就任』を参照)。ガバナンスの立て直しや2017年度からの方針決定は急務だが、日本脳神経外科学会以外にも、既に複数の学会が、2017年度については学会独自での専門医制度の実施を決めている(『日本麻酔科学会、2017年度は現行の専門医制継続』などを参照)。



http://www.asahi.com/articles/ASJ78630GJ78UBQU00L.html
北海道内に広がる産科休止の動き
佐久間泰雄、宮永敏明
2016年7月8日18時20分 朝日新聞

 北海道積丹町の主婦松尾桃子さん(24)は、いま妊娠4カ月。毎月1回、車を運転して約50キロ離れた小樽市内の産科診療所に通っている。お産が近くなる冬には、毎週通わなければいけない。「1歳7カ月の長男を車に乗せて雪道を走るのはゆるくない。何かあれば札幌の病院に回されることになり、早く小樽協会病院のお産を再開してほしい」と願っている。

 小樽協会病院は、高度な医療が提供できると道が認定した後志地方で唯一の「地域周産期母子医療センター」。だが産婦人科医4人のうち1人が昨年6月に退職し、「安全な分娩(ぶんべん)体制が確保できない」として翌月からお産の取り扱いを休止した。残る3人の産婦人科医も今年9月までに全員退職する見通しだ。小樽市など6市町村と医師会などは6月に「北後志周産期医療協議会」を設立。年間約1億円にのぼる周産期部門の赤字補塡(ほてん)も検討しながら、小樽協会病院での分娩(ぶんべん)再開を目指している。

 道内で、出産が可能な医療機関が減っている。道地域医療課によると、2005年の119カ所(39市町)が、昨年10月は95カ所(30市町)になった。

 道内で30施設が指定されている「地域周産期母子医療センター」では、小樽協会と遠軽厚生の両病院のほか、深川市立病院が昨年4月から出産の取り扱いを休止。滝川市立病院も02年からやめている。道立江差病院と広域紋別病院は、出産の取り扱いを第2子からにしている。いずれも医師不足が原因だ。

 04年、新卒医師に2年間の臨床研修が必修化され、自由に病院を選べることになった。大学病院に残る医師が減り、地域の病院に派遣していた医師を引き揚げざるを得なくなっていることが拍車をかけている。

 オホーツク地方北部の紋別市など8市町村にまたがる「遠紋2次医療圏」でも昨年10月以来、初産に対応してくれる病院がない。遠軽厚生病院(遠軽町)で、産婦人科の常勤医師3人が相次いで退職したためだ。

 ログイン前の続き紋別市で14年度に生まれた158人の子どものうち、3分の2超の108人が遠軽厚生病院で産声を上げた。地元の広域紋別病院は産婦人科の常勤医師が1人だけで、初産などには対応していない。遠軽厚生病院の受け入れ停止により、紋別から約1時間半かかる北見市や名寄市、さらに約3時間かかる旭川市まで出かける妊婦もいるという。

 紋別市や周辺自治体は、出産間近の妊婦が病院の近くに宿泊できるよう、5万~10万円の出産支援金などを新設した。遠軽町は旭川医大生を対象に、遠軽厚生病院で臨床研修を行うことを条件に奨学金制度を始めたほか、佐呂間町や湧別町とともに中京圏に医師募集広告を出すなど、医師確保に懸命だ。紋別市の大野貴光・保健福祉部参事は「人口減少対策を語る上で、周産期医療の充実は外せない。国には医師の偏在をただす方策を求めたい」と訴える。



http://www.qlifepro.com/news/20160708/criticism-in-the-direction-of-the-new-specialist-system-postponed.html
新専門医制度 延期の方向性で舵を切る厚労省を真っ向から批判
2016年07月08日 PM04:00  QLifePro

東洋医学会学術集会で緊急シンポジウムを開催

現在、2017年春からスタート予定だった新専門医制度の実施について、日本医師会をはじめとする医師、病院団体から「医師の地域偏在につながりかねない」との反対意見が次々に噴出し、塩崎泰久厚労相までもが導入延期をにおわす談話を発表し、あくまで予定通りスタートさせようとする日本専門医機構との「対立」にまで発展している。

6月上旬、高松市で開催された第67回日本東洋医学会学術集会では緊急企画「新しい専門医制度の現状と展開」が開催され、同企画で講演した日本専門医機構理事の千田彰一氏(徳島文理大学副学長)は、こうした新制度スタートに延期の方向性で舵を切る厚労省を真っ向から批判した。

そもそも新専門医制度は、医学部卒業後2年間の初期臨床研修を終了後の医師に対して、さらに専門医としての研鑽を高める場合に、新たに3年以上の研修を課す制度。より具体的には、専門医資格を現在ある診療科別を基本にした「基本領域専門医」と各診療科内でもより専門性の高い分野に分類した「サブスペシャリティ領域専門医」の2つに分け、専門医を目指す医師はまず基本領域専門医の資格を取得、その後、必要に応じてサブスペシャリティ領域専門医の資格取得を目指す。この研修は基幹施設と呼ばれる大学病院などが中心となり、それと連携する地域の中小病院などの連携施設と協調の上で行い、研修プログラムの評価や認定、さらには専門医の認定は2014年に同制度の運営を担う中立的な第三者機関として設立された日本専門医機構が行うというもの。

しかし、制度がスタートすれば、専門医を目指す若手研修医のみならず、その研修を担う人材を確保するために中堅以上のベテラン医師までもが基幹施設に集中し、地方の中小病院などでは人材不足になる可能性がある。日本医師会をはじめ病院団体などが新制度実施に反対するのはまさにこの人材確保が深刻化するとの懸念からだ。

千田氏「偏在問題は専門医制度とは別の次元の問題」

千田氏は講演で「そもそも専門医制度の設立が求められたのは専門医の質向上、引いては医療の質向上が目的で、機構の役割もこの1点に尽きる」と説明。そのうえで「診療科偏在、地域偏在はある意味日本全体の問題であり、これまで厚労省も日本医師会も手を付けられてこなかった。にもかかわらず法的根拠もないなかで日本専門医機構が手を付けられるはずもない。それでも機構内では専門医の都市集中を避けるべくさまざまな仕組みを考えてきた」と述べ、日本医師会などによる反対論陣が強まる中で機構自体の考えを説明する場は実質的に狭められてきたとの認識を強調。そもそも偏在問題は専門医制度とは別の次元の問題であるとの認識を示した。

その一方で、当初機構が行うとされていた認定業務についても、当面は各関係学会で行う方向性で話が進みつつあることなどを踏まえ、「混乱の中で厚労省の発言力が強まり、中立的な第三者機関という機構の役割も狭まりつつあり、機構のあずかり知らぬところで制度に関するスケジュールなどが決まっている。今まで改革をやってきた主体がどこなのかすら見えなくなり、プロフェッショナルオートノーミーも失われつつある」と日本医師会などの意見を中心に主導権を強める厚労省への懸念を表明した。

また、そもそもの専門医改革の原点が2008年に日本学術会議が出した提言で10年以内新専門医制度の創設を謳ったことにあるとして、「(この原点時期から考えて)いま進めようとしている専門医制度は拙速でもなんでもない」と、反対する関係団体を批判した。(村上和巳)



http://www.asahi.com/articles/ASJ784J39J78UHNB00Z.html
手術ミスで右手足まひ 群大病院、改善策守らずまた事故
2016年7月8日21時16分 朝日新聞

 群馬大病院(前橋市)は8日、50代男性の頸椎(けいつい)を金具で固定する手術をした際、過って脊髄(せきずい)を圧迫し、右手足のまひなどが残ったと発表した。また、同病院では腹腔(ふくくう)鏡による肝臓手術などで患者が死亡する事故が相次いだため、改善策として術前説明の徹底やカルテの詳細な書き方を決めていたが、この男性の手術については守られていなかったという。

 病院によると、男性は首の骨が変形するなどして神経が圧迫され、歩行困難や手の筋力低下などの症状があった。昨年11月の手術の際、担当医師が一部の金具の差し込む位置を間違え、脊髄を圧迫。現在も人工呼吸器が必要な状態で、回復するかどうかの判断は1年ほど経過をみる必要があるという。

 院内の事故調査委員会が調査した結果、まひなどの症状は手術による神経障害によるものとされた。田村遵一病院長は「患者や家族に深くおわびし、全力で治療を尽くしていく」と謝罪した。



http://mainichi.jp/articles/20160709/k00/00m/040/160000c
群馬大病院
50代男性、手術で医療事故、神経障害残る

毎日新聞2016年7月8日 20時23分(最終更新 7月8日 21時05分)

 群馬大医学部付属病院(前橋市)は8日、50代の男性患者の首の骨を固定する整形外科手術で、神経が通る脊柱(せきちゅう)管に誤って医療用ネジを刺す医療事故があり、男性患者に右手足のまひや呼吸困難などの神経障害が残ったと発表した。

 病院によると、男性は10年前から歩行に異常があり、首や後頭部の骨が不安定な「上位頸椎(けいつい)奇形」と診断された。昨年11月の手術で、骨に4本のネジを刺したが、手術直後、うち1本が脊柱管に刺さり神経を圧迫していることが判明。同じ日に再手術したが、神経障害が残った。

 外部専門家2人を含む院内調査で「大きな骨変形や患者の肥満体形により、ネジを正しく刺すのが難しい事例だった」とした上で「術中に部位をCT撮影したり、脊髄機能を監視したりできる道具を使うべきだった」と結論づけた。【尾崎修二】



http://www.sankei.com/west/news/160708/wst1607080060-n1.html
麻酔用筋弛緩剤1本を紛失 岡山医療センター
2016.7.8 17:58 産経ニュース

 国立病院機構岡山医療センター(岡山市北区)は8日、医薬品医療機器法で毒薬に指定されている麻酔用筋弛緩剤「ロクロニウム(商品名・エスラックス)」の50ミリグラム入り瓶1本を紛失したと発表した。大人3人分の致死量に当たるという。

 同センターによると、6月30日午後8時半ごろ、手術室の廊下に設置されている薬品用保冷庫の在庫を看護師が確認した際、1本不足していることが判明。関係者から聴取した結果、誤廃棄か使用した本数の記載ミスだった可能性が高いが、盗難などの可能性も残るとして、保健所や岡山西署に連絡した。

 保冷庫は、職員が手術室にいる日中は施錠されておらず、同センターは昼夜を問わず施錠するなどの再発防止策を講じるとしている。



http://www.medwatch.jp/?p=9574
高度急性期医療を推進する県民に信頼される親切であたたかい病院、岩手県立中央病院
2016年7月8日|医療現場をウォッチ

 医療と経営の質を両立して注目される岩手県立中央病院が、「県民に信頼される親切であたたかい病院、岩手県立中央病院」を上梓しました。高度急性期病院の役割や各診療部門の説明を、一般市民でも分かりやすく理解できるように紹介しています。

ここがポイント!
1  医療と経営の質を両立する2大テーマ、5本柱
2  一般市民目線で分かりやすく各部門を紹介


医療と経営の質を両立する2大テーマ、5本柱

 同院は、年間救急車受け入れ件数が盛岡保健医療圏の510に当たる6400件(2014年実績)。「24時間365人日、救急車の受け入れを断らない」を目標に掲げ、1日17~18台弱の救急車を受け入れるため、全診療科がオンコール体制で、毎晩7~9人の医師が救急当直しています。

 一方、地域の医療機関への診療応援回数は年間3335回。1日平均9人の医師が診療応援のため不在になる計算です。

 県立病院最多の岩手県で、20ある県立病院の地域の中核病院として機能する一方、医療と経営の質の両立を目指した経営戦略「Double Winner」を策定。トップダウンとボトムダウンによるさまざまな業務改善に取り組み、経営状況は黒字で推移しています(関連記事『岩手県中央病院、累損57億円からの大改革―「医療・経営の質」高めたデータ分析』)。

 現在の同院の2大テーマは、「地域包括連携の構築」と「病院完結型医療から地域完結医療への転換」です。その実現に向けて、「高度医療」「救急医療」「地域医療支援」「研修医教育」「健全経営」の5本柱を展開しています。

一般市民目線で分かりやすく各部門を紹介

 続いて、各診療部門の特徴や医療の提供内容を解説。111ページと紙面の約9割を割いて、一般市民の興味がありそうなテーマなどを切り口に、1つひとつの部門を丁寧かつ分かりやすく紹介しています。例えば、「生命を救え!!年間300超の緊急内視鏡治療」「がんの痛みで悩ませない」「年間5000件超の手術を支えるエキスパート集団、中央手術部とは?」などのキャッチーなタイトルで引き込み、平易な文章と図解を用いて各部門のポイントを短時間で把握できる構成になっています。

 データ分析関連では「記録を情報に変え活用する!診療情報管理士とは?」と題して医療情報管理室を紹介。カルテ情報の整備方法や、DPCデータを用いたベンチマーク分析による経営改善への取り組みも紹介されています(関連記事『無駄のない深い分析へ導いてくれる、手間なく納得してもらえるデータを視覚的に』)。

 一般市民の目線で急性期病院を分かりやすく、かつ詳細に紹介している書籍は少ないのではないでしょうか。また、医療関係者にとっても、医療と経営の質を両立せる同院の紹介から学ぶべき点は多いかもしれません。



http://www.asahi.com/articles/SDI201607081313.html
2025年問題を乗り切る地域包括ケアシステムの行方(上)
岩崎賢一
2016年7月8日17時57分 朝日新聞

 団塊世代が75歳以上になる2025年問題を乗り越えるために、厚生労働省は今、高齢社会に応じた医療や介護の仕組みを整えようと、市区町村が主体となる地域包括ケアシステムの整備を推進しています。住み慣れた地域で最期をどう迎えるのか、高齢者だけでなく、その子どもたちの世代にとっても重要な問題と言えます。とはいえ、医療や介護の話は、自分や家族が当事者にならないとなかなか考えない人も多いと思います。全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長で、栃木県、茨城県、東京都で在宅医療に取り組む太田秀樹医師に、今、私たちのまわりで起きていること、その背景に何があるのか、そして将来破綻しないために何をしていかなければいけないのか、聞いてみました。(アピタル編集部)

■延命だけを目的とした治療は正しいのか?

【質問】医療や介護に関係している人たちの多くは、今、地域包括ケアシステムを理解していると思いますが、市民はまだまだ理解していないと思います。

【太田医師】地域包括ケアシステムとは何かというと、これからのヘルスケアシステムの新たな秩序ということです。行政用語で仰々しいですが、わかりやすく翻訳すると「年取ったら住み慣れた地域で暮らせるようにしようよ」という意味です。エイジング・イン・プレイスという表現もあります。なじみの土地でなじみの人間関係の中で人生の終焉を迎えるということです。

 ここには、暮らすことと死ぬことの2つのキーワードが含まれています。

 日本社会では、法的な死と生物学的な死がありますが、いずれにしろ医師が関係しないと死ねません。医療のかかわりはどうしても必要になります。尊厳ある生がなければ尊厳死は存在しません。お年寄りは本当に尊厳ある生活をしているのでしょうか。ぴんぴんころりと死ねるのは10人に1人ぐらいです。特に男性に多いです。表現は悪いですが、女性は寝たきりになっても長生きします。このように人生の終末期では、性差があります。

 昔は、死にそうになったら病院に行って徹底的に治療をしました。その結果、3カ月でも長く生きたら医学に対してありがたいと思いました。命を閉じるときに、しっかり治療をして最善を尽くして死んだと言うことが幸せなことだと感じる精神文化を持ち続けていました。

 しかし、医学は技術として大きく進歩しました。食べられなくても息ができなくても患者は生きられる時代です。私が医学部に入学した昭和40年代は、医学の進歩の象徴のような意味合いとして語られていたことが、40年経ったいま、ただ生きていて意味があるのかとみんなが議論するようになりました。手足をしばられ、チューブで栄養を送られ、笑顔もなく、楽しみもなく、人との関係性もなく、生きていて意味があるのかと、国民の側から疑問視するようになってきました。

 医師も、延命だけを目的とした治療が医学として正しいのかと言い出すようになりました。そうすると終末期医療の姿もものすごく変わります。死を認めざるを得ないことが共有されつつある時代になりました。


■高齢者の虚弱「フレイル」とは

【質問】少子高齢化も進みました。病院やクリニックに行けば、患者の多くが高齢者です。

【太田医師】私が医学部に入学した昭和40年代は、高齢化率がまだ50とかいう時代です。高齢者医療は珍しい時代でした。しかし、今は高齢化が進み、4人に1人の医療になりました。医師にとって、ありふれた病気を診る機会が増えました。内科は今やみな老年科です。私のクリニックには、午後から往診しているので午前中に1日20人から30人の外来患者が訪れますが、950は高齢者です。若年人口は減り、そもそも若い人はあまり病気にならない。疾病概念が変わりました。専門的にいえば、高齢者の虚弱を意味する「フレイル」とか、年齢とともに全身の筋力が低下していく「サルコペニア」といった疾病概念です。日本老年医学会が、フレイルの概念を明確化しました。要介護状態になるちょっと前段階のことで、適切な医療介入によって要介護にならずに済むということを研究しています。

 研究が進むと、体のフレイルの前に、心のフレイルがあるということが分かってきました。喪失体験の連続、具体的に言うと友達が死んでいったり、時には息子が先に死んでいったりして、ゆううつになる。そうすると食欲が低下して食事を食べなくなって、弱くなっていきます。

 精神的なフレイルの前に、ソーシャルフレイル(社会的フレイル)があることも分かってきました。隣近所の人たちが元気だったときは町内会の仕事もみんなでやっていましたが、ご近所の人たちがぽつんぽつんと死んでいき、自分ひとりになってしまった。近所に友達がいないので家の中でテレビを見ているような生活になる。家に閉じこもるようになると動かなくなるので足腰が弱ります。一生懸命自分でつくっていた食事もつくらなくなる。寂しいねと、ネコと暮らしているような状況になると急激にフレイルが進行することが分かってきました。体のフレイルだけ医療の対象としないで、フレイル予防からかかわるべきなのです。

■福祉、生活、地域の視点が欠かせない医療へ

【質問】そうすると、医師の役割も変わってきますね。

【太田医師】医師の役割は、福祉的になってきましたし、生活の視点を入れると包括的になり、より地域的になっていっています。医療がここまで大きく変わってきたことを理解すると、地域包括ケアの意義が分かってくると思います。

 どういう医療が必要なのか、提供された医療の妥当性を考えるのは医者ですが、社会にフィットした医療をどうやって提供するのかは仕組みの問題であり、医療行政が考えることです。それが地域包括ケアシステムです。

 だから生活の視点がたくさん入ってきます。住居は療養環境ということです。足の悪い人が古い集合住宅の4階に住んでいたら外に出かけられません。しかし、エレベーターがあれば出かけられます。環境によって社会的フレイルは簡単に改善できます。1階の部屋で暮らせればいつでも出かけられます。住居は重要な要素です。

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太田秀樹医師
医療法人アスムス理事長(http://asmss.jp/gai.html別ウインドウで開きます)
一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長(http://www.zaitakuiryo.or.jp/index.html別ウインドウで開きます)



http://this.kiji.is/124079274709190138?c=39546741839462401
予期せぬ死亡34件届け出
医療事故調査制度、6月分

2016/7/8 18:26 共同通信

 患者の予期せぬ死亡事案が対象の医療事故調査制度で、第三者機関の日本医療安全調査機構(東京)は8日、6月に医療機関から「院内調査」が必要として届け出があった事案は34件(前月比4件増)と発表した。昨年10月の制度開始後の累計は285件で、うち院内調査の結果報告書が機構に提出されたのは92件。

 6月の届け出34件は、いずれも病院(20床以上)から。関東信越が最多の17件で、九州6件、東北と東海北陸、近畿は各3件、中国四国が2件。北海道はなかった。診療科別では消化器科が6件、内科5件、外科と循環器内科が各4件など。


  1. 2016/07/09(土) 05:55:22|
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