Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月6日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49146.html
「一定期間の地域医療従事、医師の義務に」- 市長会、障害者施策では財政措置求める
2016年07月06日 20時00分 キャリアブレイン

 全国市長会は、地域医療・福祉施策などに関する重点提言を公表した。地域間や診療科間での医師の偏在を改善するため、一定の間、医師に地域医療への従事を義務付けることなどが提案されている。また、介護保険制度における低所得者保険料の軽減強化や障害者施策への財源確保も強く要望している。【ただ正芳】

 全国市長会の重点提言は、先月に開かれた第86回全国市長会議で審議・採択された各支部からの提出議案のうち、医療保険制度や介護保険制度、地域医療や福祉施策など、二十分野に関する提言を取りまとめたもの。既に同会では、すべての国会議員と関係府庁に重点提言を提出し、その実現を要望している。

 重点提言のうち、地域医療と福祉施策については、産科医や小児科医、麻酔科医などをはじめとした医師や看護師の不足や地域間・診療科間などの偏在の実態を踏まえた即効性のある施策と十分な財源措置を早急に講じるべきと指摘。具体策として、一定の間、地域医療に従事することを医師の義務とすることなどを盛り込んだ。そのほか、がん検診推進事業やワクチンの定期予防接種に対し、十分な財源措置を講じることも求めている。

■介護保険料の低所得者対策、必要財源の確保を強く要望

 介護保険制度については、低所得者の介護保険料やサービス利用料の軽減策は、「国の責任において、財政措置を含め総合的かつ統一的な対策を講じるよう、抜本的に見直しを行うこと」と提案した。特に、消費税率の10%への引き上げによる税収増で実施が見込まれていた低所得者を対象とした介護保険の1号保険料の負担軽減策については、その実施に向け、必要な財源とされる約1400億円を確実に確保することを強く求めている。

 そのほか、次の介護報酬改定で、報酬体系の簡素化や介護従事者全体の処遇改善などを実現することも要望した。

 障害者施策については、障害者の自立と社会参加に向けた施策を充実させるため、自立支援給付や地域生活支援事業、障害者通所支援事業、相談支援事業などについて、都市自治体の超過負担が生じないよう、十分な財政措置を講じることを要望。医療保険制度については、将来にわたり安定的で持続可能な制度とするため、すべての国民を対象とした制度の一本化を目指し、抜本改革を実施することなどを提案した。



http://www.fukuishimbun.co.jp/nationalnews/CO/health/1124686.html
女性開業医の30%、産前休めず 出産後すぐに働く人も
(2016年7月6日午後5時55分) 福井新聞

 全国保険医団体連合会(保団連)は6日、会員の女性開業医のうち、30%弱が出産前に一切休めず、約80%が産後8週間の休暇を取得できていないとのアンケート結果を公表した。出産後に休まずに働いた人もいた。
 労働基準法は、事業主は従業員から休暇の求めがあれば出産前6週間、産後は原則として8週間は従業員を働かせてはいけない。事業主の開業医はこの休暇の対象外で、代わりの医師の確保なども難しく産前産後も休めない場合が多いという。
 調査は昨年7~9月に実施。開業後出産した35歳以上の医科、歯科の女性医師123人、出産数210件の休暇取得状況をまとめた。



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016070600718&g=soc
「在宅医療」推進へ議論開始=有識者会議が初会合-厚労省
(2016/07/06-18:45)時事通信

 高齢者らが自宅など住み慣れた場所で訪問医療を受ける「在宅医療」の推進に向けた厚生労働省の有識者会議が6日、初会合を開いた。9月以降、ワーキンググループを設置して重点分野を定め、具体的な議論を進める。
 在宅医療は担い手の多くが地域の診療所など小さな組織で、手法や考え方が統一されていない。治療効果などについての十分なデータも集まっておらず、国民に具体的なメリットが伝わっていないという問題があった。
 厚労省によると、国民の過半数が自宅での最期を望んでいるのに、自宅で死亡する割合は低下し続けており、2014年は12.8%だった。一方で入院中の患者に対する調査では、多くが入院治療の継続を希望し、在宅医療への転換を望んでいないという。 
 この日の会合では、在宅医療についての普及啓発活動を進め、国民への周知を図る方針が確認された。調査研究に活用するため厚労省がこれまでに実施した統計調査のうち、在宅医療に関連するデータをまとめてホームページ上に公開したことも報告された。



http://www.huffingtonpost.jp/hideki-komatsu/claim-to-public-officials_b_10824450.html
公務員個人への賠償請求 小松秀樹
2016年07月06日 11時58分 JST 更新: 2016年07月06日 11時58分 JST ハフィントンポスト

●個別指導と自殺
「個別指導」、「自殺」で検索すると、医師、歯科医師の自殺事例がいくつもコンピュータ―の画面上に表示される。個別指導とは、保険診療が適切かどうか、保険医や保険医療機関が厚生労働大臣から受ける行政指導である。指導大綱は「保険診療の取り扱い、診療報酬の請求等に関する事項について周知徹底させることを主眼とし、懇切丁寧に行う」と定めている。

しかし、個別指導を契機にこれまで多くの医師や歯科医師が自殺に追い込まれた。個別指導にさまざまな嫌がらせを絡めることがあるらしい。権力を持つ側が、診療所を廃業に追い込むのは難しいことではない。2013年には、個別指導と自殺を扱った『恫喝』というタイトルのドキュメンタリー映画まで制作された。

富山県保険医協会ホームページの「個別指導で何がおこなわれたのか」から引用する。

「平成5年10月11日、澄みきった秋空に映える立山連峰を背に、若い保険医が橋梁に立ち、自らの命を絶った。享年37歳。山間部で地域医療に献身していた彼に何が起こったのか。」

「まず、明細書記載内容以外の事を質問したのち、レセプトを1枚1枚これは削る、これはパスと始めた。質問や意見も居丈高で、大声を出し、2時間怒鳴りっぱなしという状態で、まるで戦前の特高かと思わせるような異常な雰囲気だった。」

「私は隣で聞いていて、本当に腹が立ち、こんな指導があるものかと思いました。私の所の女子職員もとても恐ろしかった、と話しています。」

「個別指導後、彼がとても悩んでいた事は、自主返還せよと言われた事ではないでしょうか。どのように、どこまで返還すればよいかわからず、このあと医業を続けていけるのだろうかと、相当悩まれたのではないでしょうか。」

「県がこのような異常な技官に医師を指導させるなんて、まったく許されない話です。テレビで県の職員の弁明を聞きましたが、『よくもヌケヌケと』と腹わたが煮えくり返りました。」

「私があの日、もし一柳技官の指導を受けていたなら、やはり同じ運命をたどったように思います。」

2014年8月23日、日弁連は、「健康保険法等に基づく指導・監査制度の改善に関する意見書」を発表した。厚生労働大臣、都道府県知事に対し、保険医らの適正な手続的処遇を受ける権利(憲法13条)を侵害する危険を含むものだとして、改善を求めた。

●亀田総合病院事件

亀田総合病院は、国の地域医療再生臨時特例交付金の補助事業として、2013年度より3年間の計画で、安房医療圏の医療人材確保を図るため、「亀田総合病院地域医療学講座」事業を実施していた。筆者は、本講座のプログラムディレクターとして、地域包括ケアについての映像と書籍、規格作成に心血をそそいできた。

ところが、2015年5月1日、千葉県健康福祉部医療整備課長の高岡志帆氏が、部下の医師・看護師確保対策室長を伴って亀田総合病院に来院。医師・看護師確保対策室長から、地域医療学講座の2014年度の補助金を1800万円から1500万円に削減する、2015年度の補助金を打ち切りにすると通告された。理由として、10分の5補助だったこと、予算がなくなったことが告げられた。

しかし、地域医療学講座には、すでに、2015年3月30日付けの1800万円の交付決定通知(千葉県医指令2082号)が送付されてきていた。この決定を覆すのに必要な手続きがなされたという説明はなかった。

医師・看護師確保対策室長の通告は、虚偽によって予算削減を受け入れさせ、予算要求を阻止しようとしたものである。そもそも、地域医療再生基金管理運用要領によれば、基金事業が不適切だと認められる場合を除いて、県庁担当者の恣意で、助成金の交付を拒むことはできないし、事業を中止することもできない。事業内容について、事前に千葉県の担当者に説明して同意を得つつ、事業を進めてきたものであり、不適切だといわれる理由はない。

筆者は、高岡氏及び医師・看護師確保対策室長に猛抗議するとともに、高岡氏に対し、基金の使い道と残金を明らかにするよう求めた。この日、亀田隆明、省吾両氏も筆者と共に、強く抗議した。

以後、理詰めの交渉と言論活動で、千葉県を追い込んだ。経緯を「亀田総合病院地域医療学講座の苦難と千葉県の医療行政」http://medg.jp/mt/?p=3953 http://medg.jp/mt/?p=3955 http://medg.jp/mt/?p=3957と題する文章にまとめて、メールマガジンMRICに投稿した。

筆者の言論による批判を受けて、2015年5月27日、高岡氏は医師・看護師確保対策室長の前記通告が虚偽だったこと、すなわち、10分の10補助だったこと、交付金が残っており、出納局が管理していることを言明した。2014年度予算については、決定通り1800万円が交付されることになったが、2015年度予算について、態度をあいまいにした。

これでは事業を実施できない。国で決まった基金の扱いとしては普通ではない。そこで、県を押し込むために「千葉県行政における虚偽の役割」http://medg.jp/mt/?p=5898をMRICに投稿し、出来事をできるだけ正確に再現した。

すると、2015年6月22日、亀田総合病院院長亀田信介氏から、「厚生労働省関係から連絡があった。千葉県ではなく厚生労働省の関係者である。

厚生労働省全体が前回のメールマガジンの記事に対して怒っており、感情的になっていると言われた。記事を書くのを止めさせるように言われた。亀田総合病院にガバナンスがないと言われた。行政の批判を今後も書かせるようなことがあると、亀田の責任とみなす、そうなれば補助金が配分されなくなると言われた」と告げられ、「以後、千葉県の批判を止めてもらえないだろうか」と要請された。

苦しい経営が続く亀田総合病院の経営者としては仕方のない反応である。一方で、筆者は、亀田総合病院入職以前も以後も、言論人として活動してきた。これを亀田総合病院の経営者も認めてきた。経営者が、筆者の言論を利用してきた側面もあった。言論人としては、理不尽な言論抑圧に屈するわけにはいかなかった。

「言論を抑えるというのはひどく危険なことである。権限を持っていて、それを不適切に行使すれば非難されるのは当たり前だ」と主張し、いずれ社会に発信すると告げた。

「病院に迷惑のかかるようなことはしない」とも言ったが、憲法を無視する公務員の乱暴な言論抑圧を受け入れる方がはるかに病院の害になる。言論抑圧を受け入れると、それが標準になり、以後、病院は行政のいいなりにならざるを得ない。信介氏に対しては、大きな問題に発展するかもしれないので、連絡があった厚生労働省職員とは距離を置いて接触しないよう忠告した。

2015年7月、筆者は、言論抑圧の仕掛け人が厚生労働省健康局結核感染症課課長の井上肇氏であるとの情報を得たため、2015年8月17日、内部調査及び厳正な対処を求める塩崎恭久厚生労働大臣あての申し入れの非公式な原案(申し入れ文書原案)を作成して厚生労働省高官に送付し、提出方法ならびに窓口について相談した。

その後、申し入れ文書原案は、何人かによって高岡志帆氏のもとに送付され、高岡志帆氏は、2015年9月2日午前11時34分、医療法人鉄蕉会理事長亀田隆明氏に対し、「すでにお耳に入っているかもしれませんが、別添情報提供させていただきます。補足のご説明でお電話いたします」として申し入れ文書原案をメールに添付して送付した。

筆者は、亀田総合病院で同日あわただしい動きがあったことや、亀田隆明氏が、筆者を9月中に懲戒解雇すると語っていたとの情報を得た。高岡志帆氏の電話は懲戒解雇を促すものだった蓋然性が高い。

時を置かず、亀田隆明氏は、高岡志帆氏を含む千葉県職員の対応を批判する内容の言論活動を行ったこと、厚生労働省職員による言論抑圧について調査と厳正対処を求める厚生労働大臣あての申し入れ文書原案を提出したことを懲戒処分原因事実とする懲戒処分手続を開始した。

亀田隆明氏は、懲戒委員会が開かれた2015年9月25日、解雇予告除外認定の手続も踏まずに、筆者を即日懲戒解雇した。筆者の批判内容が不当であるとの主張は一切なかった。内容に言及することなく、行政批判をしたことを懲戒処分原因事実とした。

筆者は厚生労働省、千葉県の医療行政について、多くの論文を書き、体系的に批判してきたが、中でも、二次医療圏まで変更して強引に設立した東千葉メディカルセンターの赤字問題は、井上肇氏や高岡志帆氏の責任問題に発展する可能性があり、筆者の言論活動に危機感を持っていたと想像される。

東千葉メディカルセンター問題については、「病床規制の問題3 誘発された看護師引き抜き合戦」http://medg.jp/mt/?p=1769、「東千葉メディカルセンター問題における千葉県の責任」http://medg.jp/mt/?p=6643 http://medg.jp/mt/?p=6641を参照されたい。事件全体の動きから、二人は共に、自身の違法行為を告発する筆者に対し害意をもって行動していたものと思われる。

●馬場辰猪

馬場辰猪は福沢諭吉に愛された弟子である。明治初期にイギリスに7年間留学した。留学中、英文で『日本における英国人』『日英条約論』を出版し、イギリス人の日本における乱暴な行動と不平等条約の問題をイギリス人に知らしめた愛国者でもある。大隈重信を支えて早稲田大学を創立した小野梓やルソーを翻訳した中江兆民の同世代の親友であり、明治初期の日本が生んだ本格的な知識人である。

馬場辰猪は政府の高官になることも、親しい関係にあった三菱の経営者になることも可能だったが、敢えて、貧困を覚悟して、「在野の地位を守りながら、『民心の改革』という事業に専念」(萩原延壽『馬場辰猪』朝日新聞社)した。馬場は、明治14年以後、自由民権運動に深く関わることになるが、関わる以前より、懸念を持っていた。

懸念通り、自由民権運動には多くの問題があった。馬場が参加した自由党では、党首の板垣退助が、藩閥政府から金をもらって長期間の外遊に出かけた。自由民権運動は不平を持つ者の仮面として使われた。自らの立身出世だけを願うあさましい人たちがめずらしくなかった。自由党は、本来手をたずさえるべき大隈重信の改進党を徹底攻撃した。改進党も自由党を攻撃した。

馬場は、本来穏健な自由主義者であり、人間が多様な価値を持つことを是とした。「平均力ノ説」では、言論活動が、様々な価値を平均していくのに有用であり、イギリス政府はこの平均力を承認して、これを活用しているとした。政府は、政治の動きを妨害せず、新聞にも干渉しない。ある新聞が政府を非難しても、別の新聞がこれに反対して政府を擁護し、議論が進んでいく。改革派と守旧派が議論しつつ、おのずと平均されていくとした。

「親化(結合)分離(拡散)の説」では、戦国の世の分離が、徳川によって結合されたと説明する。江戸時代、社会が固定され、活発な動きがなくなった。「平均力」による反動で明治維新が起こらなければ、日本は固形体と化し、太平洋上の死国になっただろうとする。圧制政治は社会を束縛し、自由政治が行きすぎれば無政府状態になる。ここに「平均力」が働く。

穏健だったはずの馬場を、当時の明治政府は弾圧した。政府というより、末端の警察官が弾圧した。2000年前のギリシャ、ローマの政府についての講演まで、政談演説として扱われた。歴史、商業問題、諸外国の法律などについての講演も取り締まりの対象となった。二人以上の集まりは「集会」と解釈された。政談演説の内容をあらかじめ警察に提出しなければならなかった。

その演説が「公衆の安寧を妨害する」かどうかを警察官が判断した。馬場が英語で書いた『日本の政情』によれば、「警察官とはどういう人々か。彼らは、非常に不完全な教育をうけ、8ドルから10ドルの月給をもらっている人々である。彼らは自分たちが遂行しなければならない義務の性質をほとんど理解していない。」「あまりに多くの権力が無智な警察にあたえられていた。」

馬場は何度も警察に拘束され、演説を禁止された。その理由の多くは、警察官が馬場の演説を理解できないことにあった。

明治19年、馬場はアメリカに亡命。貧困の中、明治21年11月1日夕刻、フィラデルフィアで死亡した。

馬場は、その端正なたたずまいと高潔な人格で人に愛された。中江兆民は切々たる追悼文を書いた。福沢諭吉は谷中の天王寺で開かれた8周年忌に寄せて、愛情あふれる追悼文を書いた。8周年忌には、明治の代表的知識人たちを含む140人もの人々が集まった。

●医系技官

井上肇氏と高岡志帆氏は共に、医師免許を持つ医系技官である。医系技官は、医師免許をもっている行政官である。医師ではあるが、医師としての豊富な経験と知識をもっているとは言い難い。医学部では、個人的によほど努力しない限り、社会についての基本的な知識を得ることができない。ほとんどの医系技官は、歴史、社会思想について知識らしい知識を持っていない。これは、民主主義、憲法についての知識の欠如を含む。

明治初期の末端の警察官と同様、無知ゆえに、権力志向の本能を制御できず、乱暴な行動をとる。社会の仕組みとそれを支えている思想を知らない人たちに権限を与えると、とんでもない弊害が生じる。明治初期の警察官や現代の医系技官の行状をみると、制限憲法の必要性を、具体例に即して理解できる。馬場辰猪は、専制が強いほど平均力による反動が大きくなり、専制政治は持ちこたえられないと確信していた。

医系技官の逸脱行動について認識が共有されつつある。放置すれば、統治の正当性を揺るがしかねない。

●公務員個人に対する損害賠償請求

国家賠償法第1条は、「公務員がその職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」と規定している。しかし、明治初期と異なり、現代の日本では日本国憲法が言論の自由を保障している。言論を抑圧する行動は、公務員としての職務たりえない。

井上、高岡両氏は、自身の違法行為を隠蔽するために言論を抑圧し、病院経営者に圧力をかけて、私人である筆者の職を奪うに至った。公務員個人に対する賠償請求は、逸脱行動をとる公務員に対する対抗手段になりうる。

(2016年7月6日「MRIC by 医療ガバナンス学会」より転載)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49148.html
在宅医療推進へ全国会議が初会合- 厚労省、提供者・学者・行政「三位一体」で
2016年07月06日 22時00分 キャリアブレイン


 厚生労働省は6日、在宅医療のさらなる推進に向けて「全国在宅医療会議」(全国会議)の初会合を開いた。座長には大島伸一・国立長寿医療研究センター名誉総長、座長代理には新田國夫・日本在宅ケアアライアンス議長がそれぞれ就任した。今後、作業部会を立ち上げて、在宅医療に対する国民の理解の醸成などを進めるために全国会議が重点的に対応すべき「分野」を検討していく。【佐藤貴彦】

 全国会議の委員には、在宅に関係する職能団体や事業者団体、学会などの代表者らに自治体の担当者を加えた計34人が就いた=表、クリックで拡大=。会合の冒頭、厚労省の椎葉茂樹審議官は、「在宅医療の提供者、学術関係者、行政の3者が三位一体となって、提供体制の整備や国民への啓発普及をいかに進めていくかご議論いただきたい」と出席した委員らに呼び掛けた。

 この日の会合で厚労省は、在宅医療を推進する上での全国会議の基本的な考え方の案を示した。関係者が一体となって対策を展開することや、国民の視点に立って在宅医療の普及啓発を図ること、在宅医療の治療効果などに関するエビデンスを蓄積することなどで、これに反対する委員はいなかった。

 また同省は、そうした考え方に沿って全国会議が特に対応すべき「重点分野」を策定することも提案。検討は9月以降に作業部会を立ち上げて行い、全国会議は来年3月に2回目の会合を開いて検討結果を確認することとし、おおむね委員の了承を得た。

 在宅医療の推進については、各都道府県が策定する医療計画の中で、必要な提供体制を確保するための数値目標などを記載することになっている。同計画が見直し時期を迎えることから、厚労省は次期計画の作成指針を年度内に公表する予定だが、同省の担当者は、次期計画に全国会議の議論の内容を反映させるのはスケジュールの関係で難しいと話している。

■地域別の在宅医療データ、厚労省ホームページに掲載

 厚労省は同日、在宅医療に関連する「地域別データ集」をホームページに掲載した。これまでばらばらに公表していた情報などを見やすく整理したもので、在宅医療に取り組む医療機関や訪問看護ステーションの数、自宅で亡くなる人の割合などを、市区町村ごとに示している。



http://www.qlifepro.com/news/20160706/20-inappropriate-case-of-product-22-cases.html
【製薬医学会年会】20製品22例の不適切事例-製薬企業の情報提供活動
2016年07月06日 AM10:30  QLifePro

医療用医薬品の広告規制のあり方が問い直される中、2日に東京大学で開催された日本製薬医学会年会で、医療従事者が製薬企業の不適切な情報提供活動を報告する「広告監視モニター制度」のパイロットスタディの結果が発表された。約5カ月間で16社20製品22例の不適切な情報提供事例があり、依然として問題と思われるプロモーション活動が行われている実態が明らかになった。日本大学の白神誠教授が発表を行った。
製薬企業の広告規制をめぐっては、降圧剤「ディオバン」「ブロプレス」をめぐる一連のコンプライアンス違反を受け、2014年度に「医療用医薬品の広告のあり方の見直しに関する提言」が取りまとめられ、今年度から厚生労働省で製薬企業に対する広告監視モニター事業が実施される。それに先立ち、白神氏らが広告監視モニター制度のあり方を検討するため、パイロットスタディを行い、製薬各社の情報提供活動の実態を探った。

調査では、約5カ月間にわたって、5人の大学病院薬剤師にモニターを依頼し、薬剤師業務の中で問題と思われる企業の情報提供活動を報告してもらった。対象とすべき薬剤、報告基準などは特に制限を設けず、MRからの情報提供活動、講演会、企業のホームページでの製品情報サイト、学会のランチョンセミナーなどでモニターが気がついたことを、月に1度意見交換を行い、情報を収集した。

報告を受けたのは16社が販売する20製品22事例。全てが新製品の薬剤だった。16社の内訳は、内資系11社、外資系5社となっており、そのうち1社が3事例、4社が2事例と一つの製薬企業から複数の不適切な事例が報告された。

最も多かったのが、院内の製品説明会で12件報告された。続いて、MRの情報提供活動が7件、企業主催の学術講演会が2件。事例の内容に関しては「有効性にかかわるもの」が9件、「安全性にかかわるもの」が3件、「適応外の行動にかかわるもの」が2件となった。

具体的な事例としては、医局での製品説明会で、オピニオンリーダーのコメントを紹介し、掲載された少数例の症例報告に基づき、承認を有していない適応に対する効果を示唆するとも取れるような製品説明を行っていた。

企業主催の学術講演会の事例では、著名な専門家が、副作用調査で比較を行うことが適切でないデータを並べて、同効薬のうち特定薬剤の副作用が多いとする講演が行われていた。さらにその要因として、演者自身も不適切であることを承知しているはずの論理を用いて考察していた。

MRの説明事例では、自社品との非劣性の試験しか行われていないにもかかわらず、他の同効薬とも比較したかのような「既存の同効薬に比べて」という表現でMRが説明を行っていた。また、MRに製品説明を依頼した際に、聞いてもいないのに社外秘と書かれた研修用資料を用いて、適応外の効能を示唆するとも取れるデータを紹介していた。

そのほか、C型肝炎治療薬「ソバルディ」で服薬指導サポートツールと称して、本来禁止されている患者と直接連絡を取る道を確保しようとする事例も見られた。

白神氏は、「プロモーション用資材には改善が見られているが、クローズドな環境下ではまだまだ不適切な情報提供が続いている。モニター制度ではこれらの処分は難しく、不適切な情報提供を行うことがプロモーションを行う上で不利になるとの環境を醸成していく必要がある」と語った。



https://www.m3.com/news/iryoishin/435903?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160706&dcf_doctor=true&mc.l=166040798&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: m3.com全国医学部長・学長アンケート
医学部教員、負担は増加の一途◆Vol.4
「チーム医療の見直し」「国試対策は予備校に依頼」

2016年7月6日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

全国医学部長・学長アンケート

Q 医学教育における学ぶべき知識の増加、臨床実習の充実、医学部定員増などに伴い、教員の負担が増しているとの指摘も多くあります。貴大学においてここ数年、臨床、教育、研究を含めた教員の負担は増えていますでしょうか。

 回答のあった24大学のうち13大学(54%)が「大幅に増えている」、11大学(46%)が「増えている」だった。「変わらない」「減っている」「大幅に減っている」という回答はゼロだった。 負担軽減の対策として、近畿大学では教員の作業時間の8%が他の職種に振り替えることが可能との調査結果を受けて、「チーム医療を見直している」(近畿大学医学部長 伊木雅之氏)。大阪医科大学では「予備校のプロの講師」による国試対策講座を開講している。福井大学副学部長(教育担当)の安倍博氏は「教員の負担軽減の対策を取りたいのは山々ですが、むしろ今の文部科学省が求めているのは負担増加であるように思います」と回答している。

全国医学部長・学長アンケート結果

Q 教員の負担軽減のための対策を行っていれば、教えてください。
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【大幅に増えている】
● 教務関係の仕事を細分化して、業務分担しております。なお、そのままでは情報の共有化がなされませんので、連絡協議を行う委員会やワーキンググループも適宜作っております。結果として、委員会業務が増えたので、必ずしも負担軽減になっておらず、教務委員長や医学部長の負担はむしろ増加気味です。(岩手医科大学医学部長 佐藤洋一氏)
● 医学教育センター専任教員の増員、全教員の教育への参加、教育実績登録システムによる教員の教育活動の定量的評価(教員人事考課システムの簡素化を含む)、学務事務職員の増員・SDの実施、ITの活用(クリッカーによる学生出欠管理)、教務システムの導入、入試のWeb申請。(埼玉医科大学学長・医学部長 別所正美氏)
● ティーチングアシスタント(TA)を増員して活用する。寄付講座を設立し、学部教育への参加を推進する。(富山大学医学部長 北島勲氏)
● それは大幅に増えています。特に本学がカバーする地域は本当に医師不足で、臨床の先生には臨床の仕事が激増しています。そんな中での定員増と臨床実習72週化が進んでいるのですから負担増はかなりのものです。(福島県立医科大学医学部長 鈴谷達夫氏)
● 広域連携実習の充実。(山形大学医学部長 山下英俊氏)
● 有効な手段は取れていない。(岐阜大学医学部長 湊口信也氏)
● 委員会等の管理業務の簡素化、時間の短縮。医療クラーク等を雇用しての診療面での業務軽減(カルテ入力、診断書作成等)。地域連携室による入退院管理の徹底、地域医療機関との連携体制の充実。(島根大学医学部長 山口修平氏)
● 国試対策に係わる教員の負担を減らすため、予備校のプロの講師による国試対策の講座を5年生、6年生を対象として実施しています。また、卒業試験問題の作成を減らすため、近隣大学に対し共通総合試験の実施を呼びかけています。(大阪医科大学学長 大槻勝紀氏)
● 臨床系医師の業務補助のため、メディカルクラークの導入を一部行っている。本質的な負担軽減には至っていない。臨床、教育のための業務以外の時間が増大していることが大きい。もちろん大学・病院の質的保証には必要な事項ばかりではあるが、そのために時間は確実に増加している。結果的に研究にあてる時間が無くなっているのが本学の状況であるが、これは日本全体にあてはまることで、この10数年の日本からの医学系論文の急激な減少の大きな原因であると考えられる。(兵庫医科大学学長 野口光一氏)
● 積極的な外部資金の導入と、医学教育専任教員の配置。(広島大学医学部長 秀道広氏)

【増えている】
● 教員の勤務状況についてのタイムスタディを実施したところ、作業時間の8%が他の職種に振り替えることが可能な時間であることが分かった。これを他職種に振り替え、医師の教育、研究時間の確保につなげるべく、チーム医療を見直している。(近畿大学医学部長 伊木雅之氏)
● 特にありません。(昭和大学医学部長 久光正氏)
● 医学教育の質的保障のための分野別認証評価(国際認証)は、その対応のためのカリキュラム改定により、メディカルプロフェッショナリズム教育や、臨床実習時間を大幅に増やし、内容を診療参加型にするなど、教員の負担軽減どころか負担を増やすばかりです。分野別認証評価や文部科学省が求めている「学生の自学自修時間の増加」にしても、授業時間を減らして自修時間を増やすと、近年の学生気質から、学生が自主的に勉強することは困難で、結局は教員が課題を与えて、レポート等を提出させて、それを点検するなどの手間が増えることになってしまいます。教員の負担軽減の対策を取りたいのは山々ですが、むしろ今の文部科学省が求めているのは負担増加であるように思います。(福井大学副学部長(教育担当) 安倍博氏)
● 事務職員を増やすことが必要であるが、運営交付金の減少により欠員枠も埋まっていない傾向が見られる。学生同士が学び合うことのできる制度を作る。(大阪市立大学医学部長 大畑建治氏)
● 医学部に課せられる質保証の内容が膨れ上がる状況の中で、教員の定員の補てん措置が行われていない。兼務となる教員が増加する一方であり、現状では負担軽減策を行うことができない。(旭川医科大学学長 吉田晃敏氏)
● (1)情報通信技術の有効活用、(2)医学教育技法向上のためのファカルティ・ディベロップメント、(3)臨床現場での屋根瓦方式教育を目指したレジデント教育、(4)研究支援体制の強化。(東京慈恵会医科大学学長 松藤千弥氏)
● 教員の定員の増員を図るとともに、客員教授、臨床教授、非常勤講師等を積極的に活用する。また、ITの活用により、人的負担を図る。(聖マリアンナ医科大学医学部長 加藤智啓氏)
● 行っていない。(愛知医科大学医学部長 岡田尚志郎氏)
● 教育の質が変わってきている。本来、FDは対策の一端でもあると考える。(産業医科大学学長 東敏昭氏)

【その他】
 選択肢についての回答はなかった、東北医科薬科大学医学部長の福田寛氏は「負担が大きい」とした上で、「本学は4月1日に開設されたばかりなので、過去との比較はできないが、初めてのカリキュラム実施に伴う、負担が一部の教員および医学部事務に集中しており、負担は大きい。経験を積んだ後は、業務の分散を図る」と答えた。



https://www.m3.com/news/general/439547
20製品22例の不適切事例 - 製薬企業の情報提供活動 日本製薬医学会年会
2016年7月6日 (水) 薬事日報

 医療用医薬品の広告規制のあり方が問い直される中、2日に東京大学で開催された日本製薬医学会年会で、医療従事者が製薬企業の不適切な情報提供活動を報告する「広告監視モニター制度」のパイロットスタディの結果が発表された。約5カ月間で16社20製品22例の不適切な情報提供事例があり、依然として問題と思われるプロモーション活動が行われている実態が明らかになった。日本大学の白神誠教授が発表を行った。

 製薬企業の広告規制をめぐっては、降圧剤「ディオバン」「ブロプレス」をめぐる一連のコンプライアンス違反を受け、2014年度に「医療用医薬品の広告のあり方の見直しに関する提言」が取りまとめられ、今年度から厚生労働省で製薬企業に対する広告監視モニター事業が実施される。それに先立ち、白神氏らが広告監視モニター制度のあり方を検討するため、パイロットスタディを行い、製薬各社の情報提供活動の実態を探った。

 調査では、約5カ月間にわたって、5人の大学病院薬剤師にモニターを依頼し、薬剤師業務の中で問題と思われる企業の情報提供活動を報告してもらった。対象とすべき薬剤、報告基準などは特に制限を設けず、MRからの情報提供活動、講演会、企業のホームページでの製品情報サイト、学会のランチョンセミナーなどでモニターが気がついたことを、月に1度意見交換を行い、情報を収集した。

 報告を受けたのは16社が販売する20製品22事例。全てが新製品の薬剤だった。16社の内訳は、内資系11社、外資系5社となっており、そのうち1社が3事例、4社が2事例と一つの製薬企業から複数の不適切な事例が報告された。

 最も多かったのが、院内の製品説明会で12件報告された。続いて、MRの情報提供活動が7件、企業主催の学術講演会が2件。事例の内容に関しては「有効性にかかわるもの」が9件、「安全性にかかわるもの」が3件、「適応外の行動にかかわるもの」が2件となった。

 具体的な事例としては、医局での製品説明会で、オピニオンリーダーのコメントを紹介し、掲載された少数例の症例報告に基づき、承認を有していない適応に対する効果を示唆するとも取れるような製品説明を行っていた。

 企業主催の学術講演会の事例では、著名な専門家が、副作用調査で比較を行うことが適切でないデータを並べて、同効薬のうち特定薬剤の副作用が多いとする講演が行われていた。さらにその要因として、演者自身も不適切であることを承知しているはずの論理を用いて考察していた。

 MRの説明事例では、自社品との非劣性の試験しか行われていないにもかかわらず、他の同効薬とも比較したかのような「既存の同効薬に比べて」という表現でMRが説明を行っていた。また、MRに製品説明を依頼した際に、聞いてもいないのに社外秘と書かれた研修用資料を用いて、適応外の効能を示唆するとも取れるデータを紹介していた。

 そのほか、C型肝炎治療薬「ソバルディ」で服薬指導サポートツールと称して、本来禁止されている患者と直接連絡を取る道を確保しようとする事例も見られた。

 白神氏は、「プロモーション用資材には改善が見られているが、クローズドな環境下ではまだまだ不適切な情報提供が続いている。モニター制度ではこれらの処分は難しく、不適切な情報提供を行うことがプロモーションを行う上で不利になるとの環境を醸成していく必要がある」と語った。



http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/07/07/17875/?rt=nocnt
高額な薬価なぜ 抗がん剤投与に年間3500万円…
製薬会社「開発費増加」、算定過程は非公開

2016/7/7 日本経済新聞電子版

 医師が処方する医薬品の公定価格(薬価)の高騰が問題視されている。画期的な効果を見せる半面、投与に年間1千万円以上かかる薬も登場。高齢化で医療費が膨らみ、財政へのしわ寄せが看過できなくなっている。一方、製薬会社は「適正な価格」が認められなければ先進的な新薬開発は難しいとの立場だ。薬価はどうあるべきなのだろうか。

 「『密室』で価格が決められ、年間売上高が1千億円を超える医薬品が出てくる。国民的な理解は到底得られないのではないか」。4月13日、厚生労働省で開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)。中川俊男・日本医師会副会長はこう指摘し、「抜本的に制度を見直すべきだ」と迫った。

 超高額の医薬品が相次いでいる。代表例は2014年9月発売の抗がん剤「オプジーボ」。がん細胞には免疫細胞の攻撃を防ぐ仕組みがあるが、これを解除する新しいタイプの薬だ。

 まず皮膚がんの一種「悪性黒色腫(メラノーマ)」向けに承認され、肺がんにも保険適用が拡大された。ヒトの免疫力を使ってがんを死滅に追い込む機能が注目される一方、標準的な投与方法で薬代は年間3500万円に及ぶ。他にもC型肝炎治療薬「ハーボニー」は昨年9月の発売時、服用終了までの3カ月分で670万円の薬価がついた。

 高額療養費制度などで患者の自己負担は一定の枠内に抑えられる。しかし国の財政負担は大きい。ある試算によれば、オプジーボの投与対象は5万人ほど。仮に全員に使われると、薬剤費は年間1兆7500億円に膨らむ計算だ。

 なぜ薬価が高騰するのか。大規模な臨床試験などで研究開発費が膨らむ。微生物や細胞を培養して造り、コストが高い「生物製剤」が増えている側面もある。ただそれだけではない。

 薬価の決め方は2パターンに大別される。製造コストや研究開発費、営業利益などを積み上げる「原価計算方式」と、効能が似た既存の薬と比較して導く「類似薬効比較方式」だ。

 厚労省で薬事行政に関わった東京大学大学院の小野俊介准教授(薬学系研究科)は「原価方式は企業の言い値で薬価が決まる部分がある」と指摘する。例えば製造効率などが実際より低く申告された場合、「妥当かどうかを行政が検証するのは難しい」。影響は比較方式にも及ぶ。原価方式で高くなった薬が基準では、製造コストが大幅に低くなっても薬価は高止まりしやすい。

 中医協の下部組織で薬価を事実上決める「薬価算定組織」の会議は非公開だ。厚労省は「企業秘密が絡むため」とするが、客観的に議論されたのかどうか、第三者にはうかがえない。

 対象患者が増えても、すぐに薬価を見直す仕組みはない。オプジーボでは最初に承認されたメラノーマの対象患者を470人と見込んでいた。少人数の利用でも開発費を回収できるよう、薬価は高く設定された。

 しかし昨年12月に「非小細胞肺がん」にも適用が拡大され、対象は数万人に膨らんだ。販売する小野薬品工業の16年度の売り上げ予想は1260億円。メラノーマで承認申請した際の売り上げ予想の実に40倍だ。

 厚労省は対策に乗り出している。今年4月に「特例拡大再算定」と呼ぶ制度を導入。年間1千億円以上売れたら薬価を最大で25%、1500億円以上なら同50%下げる仕組みだ。4種類が対象となり、「ハーボニー」は32%下げられた。

 製薬会社は反発。多田正世・前日本製薬工業協会会長は制度決定の際、「市場規模拡大だけで薬価を引き下げるルールは、イノベーションの適切な評価に反しており容認できない」と表明。米国研究製薬工業協会のジョージ・A・スキャンゴス会長も「薬価が突然下がるような仕組みがあると、日本に投資しづらくなる」と批判した。

 医療費の4分の1を占める薬剤費。財政に限りがある中、下押し圧力は今後も高まるだろう。下げすぎれば企業の競争力をそぐ。海外勢が日本での承認を後回しにする「ドラッグ・ラグ」も生まれかねない。難しいかじ取りが続く。

費用対効果も反映

 薬剤費は年々膨らんでいる。全国保険医団体連合会の推計では、2014年の医療用医薬品の総額は9.9兆円。00年に比べ6割増えた。15年以降も高額医薬品が相次ぎ承認されており、この傾向は今後も続く。

 薬剤費を抑えるため厚生労働省は2年に1回、薬価を数%ずつ引き下げてきた。特許切れの成分を使って価格が安い後発医薬品の普及も促進。病院で使う薬に占める割合を「18~20年度に80%以上」にするのが目標だ。

 今年始まった「特例拡大再算定」に加えて、18年には薬の「費用対効果」を調べて薬価に反映する方法を試行する予定だ。どれだけ延命できたか、生活の質が改善したかなどを数値化して比較する。英国やオーストラリアで導入が進んでいる。

 海外の制度に詳しい東京大学大学院の五十嵐中特任准教授(薬学系研究科)は「薬価と薬の価値を見比べる仕組みはなかった。従来より適正な価格がつくようになるはずだ」と指摘する。

(野村和博、辻征弥)



http://ryukyushimpo.jp/news/entry-311894.html
在宅死割合、沖縄でも地域格差 訪問診療の態勢で開き
2016年7月7日 05:04 琉球新報

 病院ではなく、自宅で最期を迎えられるよう国が「在宅みとり」を推進する中、自宅で亡くなる人の割合に大きな地域差があることが6日、厚生労働省が公表した全市町村別の集計で分かった。沖縄県内では市部ほど自宅で亡くなる人の割合が高く、町村部で低い傾向が出た。訪問診療を手掛ける医療機関の充実と、在宅死の割合との関連性が浮き彫りになった。

 調査は2014年の人口動態統計を基に、データを集計した。
 自宅で亡くなる人の割合を市部で見ると、南城市(8・1%)以外の10市はいずれも10%以上あった。那覇市(15・2%)、浦添市(15・4%)、石垣市(17・6%)、宮古島市(18・1%)など。町村部は久米島町(2・7%)、大宜味村(5・5%)、伊平屋村(5・9%)、座間味村(6・3%)など、割合の低い自治体が多かった。
 県内で最も割合が低かったのは渡名喜村(0%)で、高かったのは北大東村(40%)だった。人口が少ない地域は、その年に自宅で亡くなった人が多いといった事情で数値が変動するため、渡嘉敷村と粟国村(各20%)も割合が高かった。
 県保健医療政策課は「特に離島は医療機関が少なく具合が悪くなると、本島に移り住み、地域に戻ることが難しいことが、(在宅死が少ない)一つの要因ではないか」と話した。
 伊平屋村は、村内に訪問介護を手掛ける事業所がなく、通所で利用する「デイサービス」も1カ所で、在宅生活や介護予防が難しい事情を説明。1人暮らしの難しい高齢者が共同で暮らす支援ハウスは定員いっぱいで、担当者は「医療が必要になったら村外に出るしかない」と話した。
 沖縄を含め全国的に病院で亡くなる人が圧倒的に多く「住み慣れた地域で逝きたい」という多くの国民の希望をかなえるには不十分な現状もにじみ出た。



http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016070702000073.html
在宅死割合、地域で大差 14年集計、訪問診療態勢が影響か
2016年7月7日 朝刊 中日新聞

 病院ではなく、自宅で最期を迎えられるよう国が「在宅みとり」を推進する中、自宅で亡くなる人の割合に大きな地域差があることが六日、厚生労働省が公表した全市区町村別の集計で分かった。人口二十万人以上の都市で8・0~22・9%と差は約三倍。人口五万人以上二十万人未満の中規模自治体では五倍近い開きがあった。

 在宅みとりを支える訪問診療のマンパワーの違いや、自治体の取り組みの濃淡などが要因とみられる。「住み慣れた自宅で逝きたい」という多くの国民の希望をかなえるには不十分な現状が浮き彫りになった。

 千七百四十一市区町村別の在宅死の割合が明らかになるのは初めて。二〇一四年の人口動態統計のデータを基に集計した。

 死亡場所の全国平均は自宅12・8%、病院75・2%。残りが老人ホームなどで、病院で亡くなる人が圧倒的に多い。人口当たりの病院数が多い地域では、在宅死割合が低い傾向もうかがえた。ただ、隣接する自治体で差が生じている例もある。

 自治体の規模によって医療の状況が異なるため人口別に比較すると、道府県庁所在地や東京二十三区など人口二十万人以上(百二十六市区)では、神奈川県横須賀市が22・9%でトップ、鹿児島市が8・0%で最も低かった。上位の九自治体を東京、千葉、神奈川の一都二県の市区が占めた。

 二十ある政令指定都市では神戸市(18・1%)が一位で、名古屋市は13・2%、北九州市(8・7%)が最下位。

 人口五万~二十万人の自治体(四百二十八市区町)では兵庫県豊岡市が25・6%で最も高く、最低は5・5%の愛知県蒲郡市。下位の十自治体のうち五市が九州地方だった。

         ◇ 

 愛知、岐阜、三重、長野、福井、滋賀の中部六県の市町村で一番高かったのは、合掌造りの世界遺産白川郷で知られる岐阜県白川村の43・3%。いずれも長野県南部の宮田村の37・6%、平谷村の37・5%が続いた。最低は平谷村の北隣の阿智村で1・1%。同県天龍村の2・2%が二番目、滋賀県甲良町の4・8%が三番目。岐阜市は12・8%、津市は10・1%だった。

 <在宅死の割合> 死亡者のうち、医師による死亡確認場所が自宅だった人の割合。在宅療養を続けていたが死亡間際に病院搬送されたような人は除外される。厚生労働省の人口動態統計を基に集計され自然死だけでなく事故死や自殺も含む。在宅死の割合は1950年前後まで8割を超えていたが徐々に低下。70年代後半には病院・診療所での死亡割合が上回った。90年代前半以降の在宅死は1割台で推移している。欧州各国は様相が大きく異なり、スウェーデンは約5割、オランダは約3割、フランスでは2割超が自宅で亡くなる。厚労省は2025年までに全国の病院ベッド数を削減して医療費抑制を図る方針で、患者30万人程度の受け皿が必要となることから、在宅医療の態勢整備が急務となっている。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06H7F_W6A700C1CR8000/
「自宅で臨終」に地域差3倍 在宅医療の手厚さ反映
2016/7/6 23:18 日本経済新聞

 自宅で亡くなる「在宅死」について、厚生労働省は6日、市区町村別の全国集計結果を初めて公表した。中核市など人口20万人以上の都市では、在宅死する人の割合に最大で約3倍の開きがあった。在宅医療の状況などが影響しているとみられる。多くの人が希望する「自宅での最期」がかなうかは地域ごとに異なる実態が明らかになった。

 厚労省は2014年の人口動態統計などから、在宅死や在宅医療に関する全国1741市区町村ごとのデータ集を作成。6日、同省のホームページで公開した。

 14年に在宅死した人の割合は全国平均で12.8%。市区町村別では、医療機関の少ない過疎地などで割合が高くなる傾向がみられた。全国で最も高かったのは伊豆諸島の東京都神津島村で54.8%、2番目は鹿児島県与論町で50%と、いずれも離島だった。

 中核市など人口20万人以上の都市では、神奈川県横須賀市が22.9%で最も高く、東京都葛飾区の21.7%が続いた。最も低かったのは鹿児島市の8.0%だった。

 厚労省によると、24時間対応で往診している「在宅療養支援診療所」がない自治体が28%あり、こうした在宅医療の体制が手薄な自治体で在宅死の割合が低くなる傾向がある。同省は今後、各地の「在宅みとり」の考え方の違いなども含め、詳しく分析する。

 一方、病院・診療所で亡くなる人の割合は、1951年の11.6%から14年に77.3%に上昇した。自宅で最期を迎えることを望む患者がいる半面、家族が自宅でみとれないとして入院の継続を希望するケースがある。入院の長期化は医療費の増加につながる。

 このため、厚労省は6日、有識者による「全国在宅医療会議」を設置。在宅医療と自宅でのみとりを進める方策を検討する。

 内閣府が12年度に行った意識調査では、最期を迎えたい場所で「自宅」と答えた人が55%を占めた。病院などの医療機関は28%にとどまった。


  1. 2016/07/07(木) 06:13:03|
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