Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

7月3日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/433120
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
将来の日本の医療「格差拡大」「予防医療の充実」◆Vol.18
社会保障費の増大に危機感

2016年7月3日 (日) 高橋直純(m3.com編集部)

Q 将来の日本の医療の展望やあるべき姿などについてのお考えをご記入ください。

【将来予測・展望】
・高齢化に伴い医療費が増大し、自由診療の拡大で医療格差が起こると思う。

・医療界に対する偏向的な報道が無くなり、一般の方々に正しい知識が拡がっていてほしいですが、恐らく現実は真逆でしょう。恐らくこの国の医療は崩壊しているでしょう。その時には臨床をやめて産業医になっています。

・Vol.16には期待を込めて「良くなっている」と答えました。いろいろな技術が発展し、コンピュータによる診断や病院に行かなくても診断できる遠隔診断、遠隔治療などが起こっているかもしれません。しかし、人と人とのつながりを忘れないでほしいと思います。最近の医師は人間的にイマイチな方が多いので、それが加速しないことを祈りたいです。

・一度崩壊し、医療者の自殺件数が非医療者の割合に比べ高値にでもならないと、国が動くことはないと思います。仮に上記になったとしても医療現場の実情を知らぬ人が医療関連法案を扱っている限り、この国の医療は改悪し続けます。人の命をお金でしか見ていないようですので。

・国民皆保険ではなくす。患者は減り、医師は少なくて済む。税も無駄にならない。女医が出産子育てをしつつ働き続けられるようになるといいと思う。高齢化が進み、病院は寝たきり老人であふれている。受け手の施設も満員。医療費もますます増加し、借金大国日本になって、国民皆保険は破綻。オプシーボのような高額の治療を国が認めた時点で、計画性がないことに驚き。必要性を適切に判断して医療資源を投じるべき。高負担高福祉国家を目指すべきである、土建屋偏重のヒジネスモデルは時代錯誤であることは明白であり、予算をヒトに回すべきである。クリニック等を含めて病院数が多すぎるので、規制などして一病院当たりの医師数を増やさないと、医療の質や医師のQOLは高まらない。同時に医療費のこれ以上の高騰を防ぐ手段も講じるべきである。最先端であるか、緊急性の有無などの分業を明確にすることが必要。高齢者中心の社会を迎えるため過剰医療の削除が必須。

・訴訟社会となっていけば萎縮医療は免れない。モンスター云々を言うつもりはないが、メディアが医療不信を煽り、救命のため必要なことをして失敗した医師を糾弾する姿勢を続けていく以上,積極的な医療はできなくなっていくだろう。

・VS変化などを感知して指示通りの与薬をするロボットが作られ、並列麻酔や夜勤看護、オンコール等の負担が減る?

・遺伝研究をはじめ、疾患の病態解明は着実に進んでいると感じる。

・検診が充実している。

・皆保険で守られるべき医療(保険診療)と望む者が受けられる先進・特殊医療(自由診療)とを分けるべき。

・医療保険により医療費がカバーされるため、医療が発展すればするほど医療費は上昇し社会保障費が膨れ上がる。国が強制力を持って規則を作り、医療費が上がらないように患者を従わせないと日本は崩壊する。

・これからもっと厳しくなっていくと思われる。医療費圧縮の煽りを受け淘汰されていく施設が増えると考える。国は医療費の削減のみに走るのではなく安全な医療の担保についても再認識する必要がある。

【高齢化、人口減少社会への対応】
・高齢社会のうちにできること、やるべきことをまずやる。並行して、その後の人口減少も見据えたプランニングをする。

・高齢者の人口が2025年以降、減少することは分かっている。よって、顧客が目減りすることが明らかなのに、なぜ医学部を作ることになったのか、よく分からない。医師の高齢化の指摘もあるが、これは、医学部の定員数の調整の方が現実的で、定員数の調整であれば、減らしたり増やしたりしやすい。

・高齢者に対し、「現状維持」の治療さえ困難になるのではないかと思います(例えば点滴が必要な人の廃用予防などはほとんどボランティア)。そういう世の中だと国でも周知するか、少しでもコストを取れるようにしないとやっていけないです。

・安楽死を前向きに検討すべき。

・薬剤の値段が急激に上がっている中、高齢者数も増えており、医療費の高騰は避けられないし、今のままでは維持ができない。医療資源の適切な使い方をもっと考えなければいけないと思う。「高齢者切り捨て」とか「弱者切り捨て」と必ず非難されるだろうが、誰かが言わなければならない。

・高齢者医療はなんとかしないといけない。制度改革含め、高齢者こそ多少の負担は強いるべき。

【地域・診療科偏在への対策】
・医師の偏在を解消するためにも卒業大学の県でしか働けないようにするべき。

・僻地に行くことを強制させる政策をするべき(特に医長や施設長、それに教授等)。僻地に

も行ったことのない医者がトップに立っても僻地をサポートするような人事ができるわけもない。研究だけで教授になれるのは旧帝大程度の少数の大学にしておいて、地方大学は本来の目的である「地域(都市部はまだ医師が集まり向上するので、僻地への貢献で)の医療水準の向上」に戻るべきだと思う。

・中央に集中している地域偏在を是正するのと、1人の医師が複数の診療科で診療することをよしとする流れになっていくことで地域医療が維持できると考える。

・診療科、地域ごとの医師の偏在を解消する必要があると考えます。また、総合医と専門医との役割分担をより明確にすべきと感じます。

・診療科を自由に選択できるままでは偏在は無くならない。米国のように、診療科毎に人数制限を設けて、何かしらの選別(試験を含めて)をもって診療科への進路を決めるべきである。

・今後、医師の入り口はある程度広げて、出口を狭くする方法に自然になっていくことが予想される。しかるに、地域枠や自治医大などの人的資本に大量にレバレッジをかけている生き方を選択した若者が経済的に厳しい状況に置かれる可能性が高いと思われる。

【その他】
・ある程度の病院の分業化は必要であるが、高度医療を行う医師の数が制限されないようにある程度の給与体系なども整えてほしい。

・新専門医制度をやめるべき。

・治療よりはどう死まで行くかのグランドデザインを提示するような治療をすべき。

・研修医教育、大学教育の見直し。

・質の悪い医師をこれ以上増やさないようにすべき。古いにほんのしきたりのような、年功序列はやめるべき。

・食事など基本的な予防医学の知識を、医療者が発信していくべき。

・医師-患者間にもう一人担当コーディネーターを付けるとよい。

・女性が働きやすい環境があれば、結婚出産で退職する女性医師が減ると思う。

・形骸化している卒前・卒後医学教育の改善。

・卒業後も勉強をし続けることを義務化するような制度があった方がいい。現在の専門医制度に賛成である。ただ、地方の休みなく働いている先生方の資格取得をサポートする制度も同時に構築していかなければならないと思う。

・労働環境の改善を期待する。

・多少給料が減ってもよいので、皆が時間に余裕を持って働ける環境になるとよいと思う。大学病院は給料は低いし、労働時間も長い上に福利厚生が今一つなのはよくないと思う。高齢者医療というあまりモチベーションの上がらない領域が幅をきかせてしまう。適切な分野にマンパワーや医療費を負担されるべき。国民皆保険も限界を感じている。



https://www.m3.com/news/general/438536
栃木)自治医大に地域臨床教育センター 全国2例目
2016年7月3日 (日) 朝日新聞

 自治医大(下野市)が、地域ぐるみで若手医師の育成に取り組む「地域臨床教育センター」を学内と近隣4市の中核病院に開設し、2日、合意書を交わした。同趣旨の取り組みは筑波大が茨城県内で進めており、全国で2例目となる。

 大学と連携するのは新小山市民病院(小山市)、地域医療機能推進機構(JCHO)うつのみや病院(宇都宮市)、とちぎメディカルセンターしもつが(栃木市)、芳賀赤十字病院(真岡市)。大学側が指導役の医師を全国から募り、研修医や医学生とともに各病院のセンターに派遣する。

 臨床教育は従来は付属病院で行ってきたが、病院の機能分担が進み、現在、付属病院を訪れる患者の多くは高度な治療技術を要する人たち。対して中核病院では、一般の疾患を含むより幅広い病状の治療に携わり、学ぶことができる。

 センター長を務める森田辰男教授は「教育体制が整い、そこで勉強したいという若手医師らが全国から集まれば、地域の医療の質が上がって地元住民にもメリットが出る。そうした環境作りを、連携して目指していきたい」と抱負を語った。(杉山圭子)



http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/dohoku/1-0289003.html
医学生が留萌で「特訓」 問診、診断に挑戦 指導医と実習
07/03 18:45 北海道新聞

指導医が見守る中、診察を行う医学生
 【留萌】医学生が実際に患者を診療する実践型臨床実習「闘魂外来in留萌」が2日、留萌市立病院で開かれた。札幌医大、旭川医大、香川大学医学部の学生12人が、指導医の見守る中、問診から治療方針の決定までに挑んだ。

 闘魂外来は、NHK番組「総合診療医ドクターG」に出演中の地域医療機能推進機構本部(東京)顧問、徳田安春医師(52)が「診療見学だけでなく、学生が主体となる世界標準の医学教育を」と2012年から各地で実施。道内は徳田医師の講演が縁で同病院で行われ、昨年に続き2回目。

 学生は同病院の研修医らとともに3班に分かれ、外来患者3人と入院患者3人を診療した。このうち血圧の高さを訴える外来患者を診察した班は、問診後、血液検査などを行う傍ら、指導医とともに、可能性のある診断名や治療方針を検討。再度の問診で体重の増減などを丁寧に聞いた上で、検査結果を踏まえ、大きな問題はないと診断し、生活習慣の見直しを助言した。

 診療を受けた留萌市の地方公務員岡本直也さん(39)は「じっくり診療してくれて頼もしかった」。診療した札医大5年の三好由季乃さん(25)は「参加者のレベルが高く、良い刺激を受けた。もっと勉強して地域で信頼される医者になりたい」と決意を口にした。

 昨年は旭医大生として参加し、現在は同病院で研修医として働く久保成彦(あきひこ)さん(44)は「診察での新しい見方に気づく場面もあり、今年も参加してよかった」。同病院の村松博士院長は「留萌の医師や看護師にとっても基本に立ち返ることができ、勉強になる。来年も開催したい」と話した。(工藤俊悟)



https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160703_10
地域支える医療評価 奥州・胆沢病院に総務大臣表彰
(2016/07/03) 岩手日報

 奥州市水沢区龍ケ馬場の県立胆沢病院(勝又宇一郎院長、246床)は、地域医療に貢献し、経営も健全な自治体立病院をたたえる総務省の2016年度優良病院大臣表彰を受けた。胆江地区医療圏の中核を支えるとともに、黒字経営を続けていることが評価され、1993年に続き2度目の栄誉を受けた。

 本年度大臣表彰を受けたのは全国4施設で、本県からは胆沢病院のみ。勝又院長は「ハードがあってもソフトが機能しなければ意味がない。職員が頑張ってくれたからこその表彰で、うれしいし誇らしい」とスタッフをたたえる。

 同病院は36年、購買利用組合胆沢病院として設立され、50年に県へ移管。診療科22科、医師65人体制で、胆江保健医療圏の基幹病院として地域を支える。救急医療では同地区の救急車搬送の約50%受け入れているほか、県内の他の病院への診療応援も行っている。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201607/547388.html
消費増税延期+英EU離脱で医療財源確保に暗雲
2016/7/4 三和護=編集委員 日経メディカル

 政府は、社会保障と税の一体改革によって持続可能な社会保障制度を実現させるはずだった。ところが消費税10%への引き上げは2年半の延期となり、社会保障の充実策は優先順位の高いものからの実施にならざるを得ない状況に追い込まれた。加えて英国のEU離脱(Brexit)を機に世界経済が動揺、日本経済への影響は必至で、医療を維持する財源の確保にも暗雲が漂い始めている。

 6月18日。都内で開かれた全日本病院協会の総会でのことだ。挨拶に立った会長の西澤寛俊氏は「経済を優先しなければならないのは理解できるが……」と前置きしながらも、消費税10%への引き上げ延期によって「持続可能な社会保障制度の財源が本当に確保できるのか心配だ」と話していた。

 10%実施によって生まれる増収分のうち、14兆円は全て社会保障の安定化と充実に使うことになっている。内訳を見ると、高齢化などに伴う社会保障費の自然増を賄う費用に7.3兆円を、社会保障の充実(子ども・子育て支援、医療・介護、年金制度の改善)に2.8兆円を充てるほか、基礎年金国庫負担に3.2兆円、消費税率引き上げに伴う社会保障経費増に0.8兆円を振り向ける計画だ。

 これが2016年度予算では、消費税増収分は8.2兆円で、このうち自然増負担に回すのは3.4兆円、社会保障の充実には1.35兆円となっている。10%実施時に比べてそれぞれ3.9兆円、1.45兆円も少ない。消費増税延期によって、その分を当てにした社会保障の安定化と充実のための対策もまた先送りとなる構図だ。

 しかし、高齢化などに伴う社会保障費の自然増は膨らむ一方だ。子ども・子育て支援や医療・介護の充実、さらには年金制度の改善も待ったなしだ。2018年度には、診療報酬と介護報酬のダブル改定も控えている。 

 では、消費増税延期で消えた財源をどうやってひねり出すのか。

 与党のある国会議員は、日本経済の成長で生まれる税収増を頼りに、社会保障費のための補正予算を組んで何とかしのぐ案が、政権内で取り沙汰されていると明かす。しかし、補正予算に頼る案では、持続的で安定した財源を確保することは難しい。だいいち経済成長による税収増は、その時々の経済状況に左右されるもので、もともとが流動的な財源にすぎない。

 短期間のつなぎとしての補正予算はあり得るかもしれないが、その可能性さえ絶ちかねない出来事が起こってしまった。英国のEU離脱だ。

 英国の国民投票でEUからの離脱が決まったのが6月24日。そのショックが世界の市場を駆け巡った翌25日には、日本医師会長の選挙が行われ、現職の横倉義武氏が3選を果たした。

 記者会見に臨んだ横倉氏は、2度にわたり英EU離脱に言及。これを機に世界経済が混乱し日本経済への影響も避けられず、「社会保障の先行き不透明感が強まっている」と懸念を示した。その上で、財源不足から国民が必要な医療を受けられないという事態に陥ることがないよう、政府に働き掛けていくと表明した。

 この夏から来年度予算案を巡る議論が本格化する。消費増税の延期、さらには英EU離脱の影響で、持続可能な社会保障制度の実現が停滞することはあってはならない。ただし、その実現のためには、新たな国民負担の必要性が議論の俎上に上るかもしれず、医療・介護サービスの給付範囲の制限も避けられないかもしれない。

 折しも参院選(7月10日投票)の真っただ中だ。社会保障の安定や充実もまた争点のはず。新たな国民負担や医療・介護サービスの給付制限なども含め、持続可能な制度の実現に向けた国民的な議論が巻き起こってほしいものだ。ちなみに投票に当たっては、候補者が訴える政策、特に医療や介護などの社会保障関連のものについては、その裏打ちとなる財源に踏み込んでいるのかどうかを、ぜひ見極めたい。


  1. 2016/07/04(月) 06:16:00|
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