Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月26日 

https://www.m3.com/news/general/436663?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160626&dcf_doctor=true&mc.l=164495522
「検査必要」カルテ記載漏れ…高岡の突然死
2016年6月26日 (日) 読売新聞

 高岡市民病院の診断ミスで高岡市内の男性(当時50歳)が心疾患(ブルガダ症候群)によって突然死した問題で、電子カルテの記載漏れや病院内の連携不足によって、正確な診断に必要だった循環器系の検査が行われていなかったことが分かった。

 市民病院によると、2014年7月上旬、男性が「夜中に意識を失った」と訴えて救急外来を受診。診察した医師は心電図に異常な波形を認めたため、中枢神経系と循環器系の検査が必要と診断した。しかし、循環器系の検査が必要とカルテに記載するのを忘れたため、男性は中枢神経系の検査を受けただけで「異常なし」と診断されて帰宅。同年8月下旬にブルガダ症候群で死亡した。

 男性の遺族らは15年5月、損害賠償を市民病院に請求。市民病院は、循環器系の検査をしていればブルガダ症候群と診断できた可能性があったとして、診断ミスを認めて損害賠償金6000万円を遺族に支払い和解する。

 遠山一喜病院長は「カルテに循環器系の検査の必要性に関する記載があれば、中枢神経系の検査をした医師が、次に循環系の検査を勧めることもできた。カルテ記載の徹底や院内の連携を強化して、再発防止を図りたい」と話している。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436684
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本専門医機構の新執行部「将来に禍根を残さないように」
横倉会長、第138回日医臨時代議員会で言及

2016年6月26日 (日) 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、会長の横倉義武氏は、同会の最後のあいさつで、翌27日に開かれる日本専門医機構の社員総会で新執行部が決まる予定であることから、「最大の懸案の一つ」とし、「日本医学会との関係を踏まえて上で、しっかりと判断しながら、誤りのないように、また将来に禍根を残さないようにしていきたい」との決意を示した。

 日本専門医機構の役員は、今月末で任期が切れる。日医副会長の中川俊男氏が委員長を務める、同機構の「役員候補者選考委員会」は新執行部の理事候補者を決定(『日本専門医機構、新執行部24人の理事候補者決定』を参照)。日医も同機構の社員であり、横倉会長が出席する27日の社員総会で、新執行部が決定する見通しだ。

 横倉会長は本臨時代議員会の冒頭での所信表明でも新専門医制度について触れ、「現在、多くの国民や会員の先生方より、心配の声が寄せられている」とした。医師のプロフェッショナルオートノミーをもって国民にさらなる安心を約束する取り組みであるものの、専攻医や指導医が、都市部の大学病院など大規模あ地域医療の現場に大きな混乱をもたらすことが懸念されたため、6月7日に日医と四病院団体協議会と合同で記者会見を開いたと説明(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』を参照)。「新たな仕組み作りに向けた歩みを止めるのも、また勇気が要ること。しかしながら、拙速さがもたらす混乱により、国民に迷惑をかけることがあってはならない」と述べ、地域医療に配慮しながら、新専門医制度の在り方を検討する必要性を強調した。

 臨時代議員会では、日本医学会会長を務めている高久史麿氏もあいさつ。日医の生命倫理懇談会や学術推進会議を挙げ、これまで医学会は、医学の面で日医を支えてきたとし、「この体制は今度も続けていきたい」と表明。日本医療安全調査機構や日本専門医機構の社員となるためには、法人格が必要なことから、日本医学会連合として一般社団法人化したとしたものの、6月17日の日本医学会連合の社員総会で、医学会と連合との関係が問題になったと経緯にも触れた(『新専門医の方針に相違?「医学会」と「医学会連合」』を参照)。「この問題については、新しい執行部の先生方とゆっくり時間をかけて議論していきたい」(高久会長)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436685
シリーズ: 日医代議員会
日医「次の100年」、「継続」と「改革」でまい進
第138回日医臨時代議員会、横倉会長が所信表明

2016年6月26日 (日)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会臨時代議員会で、前日の日医役員選挙で3期目の会長当選を果たした横倉義武氏は所信表明を行い、「医師会の前身誕生から今年で100年という節目を迎える中で、会長職を拝命したことは身に余る栄誉」であるとし、その職責の重さを感じつつ、次の100年がいかなる時代になろうとも、医学・医療の向上と社会福祉の増進に「継続」して努め、医学・医術の恩恵を国民に還元していくために必要な「改革」に果敢に取り組んでいくとの決意を示した。

 消費増税の2年半延期については、「社会保障財源の確保の観点から見ると誠に遺憾」と問題視、消費税財源に代わる社会保障財源を確保するよう、政府に強く要望していくと強調。イギリスのEU離脱という国民の経済への不安が高まる時期こそ、セーフティネットが重要だとした(『横倉日医会長、大差で当選、3期目始動』を参照)。

 新専門医制度の問題にも言及、プロフェッショナルオートノミーを持って国民に安心を約束する取り組みであるものの、地域医療を崩壊させないことが重要だとした(『日本専門医機構の新執行部「将来に禍根を残さないように」 』を参照)。

 日医、前身設立から100周年

 横倉会長は所信表明でまず歴史を振り返り、日医の前身である大日本医師会が1916年に設立されて今年でちょうど100年を迎えたことを説明。1923年に医師会の全国組織として、日医が法人認可を受けた際、当時の内務大臣で、医師の後藤新平氏が述べた告辞を引用した。

 「こいねがうは、地方医師会と相呼応して、内は医風の向上と医術の研さんとに努め、外は社会の発展に伴うて衛生施設の改善を図り、以て民衆共栄の為貢献せられんことを」

 「この1世紀の間、日医が果たすべき役割は、この時から変わらない」とし、今後も都道府県と郡市区医師会と協力しながら、医学・医療の向上と社会福祉の増進に、継続して努める歩みを止めることはせず、必要な改革に果敢に取り組んでいく方針を表明した。

 英のEU離脱、「不安な時こそ、セーフティネット重要」

 この1世紀、医療を取り巻く環境は絶えず変化し、社会保障の議論に当たっては、「国民の安全な医療に資する政策か」「公的医療保険による国民皆保険は堅持できる政策化か」という二つの判断基準で対応してきたと説明。

 この判断基準からすれば、安倍晋三首相が6月1日に、消費税率10%への引き上げを2年半延期したことは「社会保障財源の確保の観点から見ると誠に遺憾」と問題視。地域で必要な医療・介護サービスを受けられなくなると、最も不利益を受けるのは地域住民であるとし、「消費税財源に代わる財源を確保するよう強く要望していく」と語気を強めた。

 イギリスの6月24日の国民投票で、EUから離脱という結果になったことを踏まえ、国際経済の先行きの混乱が予測されるものの、国民の不安が高まる時こそ、セーフティネットとしての社会保障、特に国民皆保険を堅持していく必要性を強調した。

 医療に係る消費税問題についても、2017年度の税制改正において、仕入れ税額控除、あるいは還付可能な税制上の措置を講じるとともに、必要な財源措置も求めていく。

 高額医薬品、「適切な処方必要」

 一方で、医療提供側としても、国民皆保険の維持に向けて、「適正な医療費の在り方に向けた取り組みと提言を行っていくことが必要」とした。

 その一例として挙げたのが、昨今話題になる高額な医薬品や医療機器の問題。保険収載の在り方において、「中医協の判断」を高めていく一方で、「新たなルールやガイドラインを作り、費用対効果にも見合った適切な処方に努めていく必要がある」と述べ、処方する医師側にも対応を求めた。

 ICTの活用、エビデンスに基づく政策提言

 さらに、横倉会長は、政策提言の在り方にも触れ、医療現場にいる医療者が、エビデンスに基づく徹底分析を行い、イニシアティブを取る必要性を強調。その際のカギとして挙げたのが、ICTの利活用だ。日医の組織としても、事務局として「情報課」を新たに独立させ、取り組みを強化する。

 こうした体制を整えつつ、2018年度の診療報酬と介護報酬の同時改定、第7次医療計画と第7期介護保険事業(支援)計画の開始に向けた議論に望んでいくとした。

 そのほか個別政策として、終末期医療の在り方、かかりつけ医を中心とした医療提供体制や地域包括ケアシステムなどを挙げた。

 最後に横倉会長は、3期目に臨むに当たって掲げた、「かかりつけ医を中心とした“まちづくり”」「将来を担う“人づくり”」「医療政策をリードし続ける強い“組織づくり”」という基本方針の実現に向けて、「Action」「Balance」「Challenge」という3つの基本姿勢で、国民医療の向上に取り組んでいくとの決意を示した。



https://www.m3.com/news/general/436669
医師法21条の見直し論、加速 警察届け出、医療死亡事故を除外へ 被害者ら公表鈍化懸念
2016年6月26日 (日) 毎日新聞社

医師法21条:見直し論、加速 警察届け出、医療死亡事故を除外へ 被害者ら公表鈍化懸念

 昨年10月から始まった医療事故調査制度に関連し、医師に「異状死」の届け出義務を課した医師法21条の見直しが、論点の一つに浮上している。自民党は医療死亡事故をこの条文の適用除外とする検討を始め、日本医師会も後押しする。参院選後にも議論が本格化するとみられるが、何が問題になっているのか。【熊谷豪】

 「寝た子が大暴れした十数年だった」。医療関係者は、医師法21条をそう表現する。

 この条文が注目を集めたきっかけが、1999年に東京都立広尾病院で起きた点滴ミス事件。女性入院患者(当時58歳)に看護師が消毒液を間違って点滴し、患者は死亡した。このミスを隠蔽(いんぺい)しようとした院長らの立件に検察が持ち出したのが医師法21条。「異状死を警察に24時間以内に届け出る義務」を意図的に怠ったという理屈だ。

 医療事故で刑事責任を問う場合、刑法の業務上過失致死傷罪を適用するのが一般的で、医療行為に関与していない管理者が起訴されるのは異例だった。公判で院長側は「届け出義務は犯罪発覚の端緒にもなるため、黙秘権を定めた憲法38条に違反する」と主張したが、最高裁は2004年、「医師免許に付随する合理的根拠のある負担」との初判断を示し、有罪が確定した。

 医療界には従来、死亡事故があっても21条に基づき警察に届け出る習慣は広がっていなかったが、事件を機に一変。厚生労働省の通知もあって医療機関の21条を含む事故届け出が進み、07年には194件に達した。

 しかし、帝王切開手術を受けた妊婦が死亡した「福島県立大野病院事件」(04年)で、業過致死と21条違反の罪に問われた医師の無罪判決が08年に確定。それ以降は21条違反で立件されたケースはないとみられ、届け出も減ってきている。

 こうした状況下で昨年10月、医療死亡事故の第三者機関への報告を義務付けた医療事故調査制度が始まった。再発防止を目的とする事故調と、犯罪捜査を念頭とした21条と、性質は異なるものの、結果的に通報窓口が二つになった。厚労省は今月24日に事故調制度の一部を見直す省令改正をしたが、それに合わせて21条のあり方も検討すべきだとの声が高まった。

 日本医師会は2月、届け出の対象を「犯罪と関係ある異状」とする改正試案を示した。これだと通報するのは胸にナイフが刺さっている遺体などに限られ、医療行為に伴う死亡事故は除外される。日医は意見書で「21条は警察に医療内容の当否の判断を委ねた制度ではない」とし、医療事故も届け出ている現状に疑問を呈した。

 自民党も今春から、作業部会が関係団体からのヒアリングを開始。5月末にまとめた報告書では「診療関連死(医療事故死)に広く21条を適用し、警察が関与することは、医療の萎縮を招く恐れがある」と指摘した。6月の事故調制度見直しには盛り込まなかったが、今後法改正に向け議論を続けるという。

 一方、警察への届け出義務がなくなれば、事故の隠匿が広がりかねないとの懸念もある。5月末まで8カ月間の第三者機関への死亡事故報告数は251件で、当初想定の3分の1以下にとどまる。医療事故被害者や医療者らで作る「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」は、事故公表に消極的だった過去に戻さないため、当面は今の条文を維持するよう求めている。

………………………………………………………………………………………………………

 ◇医師法21条
 医師は、死体または妊娠4カ月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない



https://www.m3.com/news/iryoishin/426332
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
医学博士号45%が取得、準備中◆Vol.13
海外留学、経験ありは5%
医師調査 2016年6月26日 (日)配信高橋直純(m3.com編集部)


Q 医学博士号の取得について教えてください。
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 医学博士号については「取得済み」が9%、「取得希望・準備中」が36%で、合わせて45%が取得済みもしくは取得希望だった。「興味はある」も21%いた。「全く興味がない」は30%だった。

Q 海外留学の経験はありますか。
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 海外留学では「ある」が5%、「予定あり」も5%だった。「経験はないが、いつか行きたい」も25%いた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/436692
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制、「プログラムの集中的、早急な精査を」
第138回日医臨時代議員会、羽鳥常任理事

2016年6月26日 (日) 橋本佳子(m3.com編集長)

 6月26日の第138回日本医師会代議員会で、常任理事の羽鳥裕氏は、新専門医制度について、6月27日の日本専門医機構の理事会、社員総会で新執行部が発足予定であるとし、「まずは検討の場を設置して、専門研修プログラムの集中的な精査が早急に行われることになると思う」と説明した。専門研修プログラムの内容、研修病院群の設定については、各地域に設置される関係者による協議の場で議論されることになるため、「地域の医師会も積極的に参加し、医師会の立場から協議会をリードしてもらいたい」と要望した。

 新専門医制度について、質問したのは京都府代議員の松井道宣氏。松井氏は、地域医療への影響だけでなく、専攻医の立場から見ると、臨床研修2年、専門医研修3年、その後、サブスペシャルティ取得するためにさらに年限が必要であり、医師のキャリア形成にも大きな影響を与える上、専攻医数の都道府県別・診療科別の定員を設定するという意見も出ていることから、「専攻医の自由度を大きく損う制度であることは明白」などと批判。専攻医の定数設定は、国による医師の管理につながる懸念があるとした。

 さらに松井氏は、地域医療構想や地域包括ケアシステムなどの各種制度改革と整合性を取ることも必要だとし、制度に対してさまざまな問題が提起されている現状では、開始時期の延期だけでなく、「制度そのものを抜本的に見直す必要がある」と指摘。「地域医療を中心に考えなかったことが、最近の混乱を招いていることを考えると、日医が新しい制度のイニシアティブを取ることは考えているのか」と問いかけた。

 関連して、全国の代議員からさまざまな質問が寄せられたが、羽鳥常任理事は6月27日に発足予定の新執行部で検討すべき問題であると説明、理解を求めた。「ただし、地域医療を崩壊させないことが大前提。その結果、新専門医制度が遅れる、あるいは形が変わるものになったとしても、それは止むを得ないことだと考えている」(羽鳥常任理事)。


 新専門医制度の関心高く、多数の質問

 松井氏の質問に対し、羽鳥常任理事は、「新たな仕組みの問題が、医療提供体制に大きな影響を与えかねないことから、日医としても注意深く関与してきた」と述べ、2月17日の日医の会見、6月7日の日医と四病院団体協議会との緊急会見、6月15日の日医と日本医学会との連名の文書など、これまでの対応状況を説明した(『新専門医制度、「延期も視野」と日医会長』、『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』、『新専門医制で18学会に釘刺す、日医と医学会』などを参照)。その上で、今後の対応は、6月27日に発足予定の日本専門医機構も新執行部での検討課題であるとした(『日本専門医機構の新執行部「将来に禍根を残さないように」』を参照)。

 関連で寄せられた主たる質問は、次のようなものだ。「承認されたところからやると、2017年度は新しい制度と現行制度が並行することになる。専攻医にとってはとても容認できない不利な状況であり、だからいったん立ち止まることが必要。その覚悟が日医にあるか」「地域の協議会を活性化することが必要だが、今は何も権限がない。また総合診療専門医の問題についても、日医は白紙になったと考えるのか」「新専門医制度には言いたいことが山ほどあるが、一つだけ言えば、皆が新制度について発言するようになったのは、新制度ができることになって初めてのこと。誰が作ると言ったのか。各学会には、学会員の意見を聞いてもらいたい」「医師の診療レベルを上げることは大事だが、診療報酬や医療制度などに関連付けると大変。特に、総合診療専門医を制度に絡めると将来に禍根を残すので、慎重に対応をお願いしたい」――などだ。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0626/mai_160626_7357629409.html
<医療死亡事故>「警察届け出義務なし」へ加速 問題点は?
毎日新聞6月26日(日)9時45分

 昨年10月から始まった医療事故調査制度に関連し、医師に「異状死」の届け出義務を課した医師法21条の見直しが、論点の一つに浮上している。自民党は医療死亡事故をこの条文の適用除外とする検討を始め、日本医師会も後押しする。参院選後にも議論が本格化するとみられるが、何が問題になっているのか。【熊谷豪】

 「寝た子が大暴れした十数年だった」。医療関係者は、医師法21条をそう表現する。

 この条文が注目を集めたきっかけが、1999年に東京都立広尾病院で起きた点滴ミス事件。女性入院患者(当時58歳)に看護師が消毒液を間違って点滴し、患者は死亡した。このミスを隠蔽(いんぺい)しようとした院長らの立件に検察が持ち出したのが医師法21条。「異状死を警察に24時間以内に届け出る義務」を意図的に怠ったという理屈だ。

 医療事故で刑事責任を問う場合、刑法の業務上過失致死傷罪を適用するのが一般的で、医療行為に関与していない管理者が起訴されるのは異例だった。公判で院長側は「届け出義務は犯罪発覚の端緒にもなるため、黙秘権を定めた憲法38条に違反する」と主張したが、最高裁は2004年、「医師免許に付随する合理的根拠のある負担」との初判断を示し、有罪が確定した。

 医療界には従来、死亡事故があっても21条に基づき警察に届け出る習慣は広がっていなかったが、事件を機に一変。厚生労働省の通知もあって医療機関の21条を含む事故届け出が進み、07年には194件に達した。

 しかし、帝王切開手術を受けた妊婦が死亡した「福島県立大野病院事件」(04年)で、業過致死と21条違反の罪に問われた医師の無罪判決が08年に確定。それ以降は21条違反で立件されたケースはないとみられ、届け出も減ってきている。

 こうした状況下で昨年10月、医療死亡事故の第三者機関への報告を義務付けた医療事故調査制度が始まった。再発防止を目的とする事故調と、犯罪捜査を念頭とした21条と、性質は異なるものの、結果的に通報窓口が二つになった。厚労省は今月24日に事故調制度の一部を見直す省令改正をしたが、それに合わせて21条のあり方も検討すべきだとの声が高まった。

 日本医師会は2月、届け出の対象を「犯罪と関係ある異状」とする改正試案を示した。これだと通報するのは胸にナイフが刺さっている遺体などに限られ、医療行為に伴う死亡事故は除外される。日医は意見書で「21条は警察に医療内容の当否の判断を委ねた制度ではない」とし、医療事故も届け出ている現状に疑問を呈した。

 自民党も今春から、作業部会が関係団体からのヒアリングを開始。5月末にまとめた報告書では「診療関連死(医療事故死)に広く21条を適用し、警察が関与することは、医療の萎縮を招く恐れがある」と指摘した。6月の事故調制度見直しには盛り込まなかったが、今後法改正に向け議論を続けるという。

 一方、警察への届け出義務がなくなれば、事故の隠匿が広がりかねないとの懸念もある。5月末まで8カ月間の第三者機関への死亡事故報告数は251件で、当初想定の3分の1以下にとどまる。医療事故被害者や医療者らで作る「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」は、事故公表に消極的だった過去に戻さないため、当面は今の条文を維持するよう求めている。

 <医師法21条>医師は、死体または妊娠4カ月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG26H11_W6A620C1000000/
医療事故調査制度の発展を 被害者の会10周年シンポ
2016/6/26 19:15 日本経済新聞

 医療事故の被害者らでつくる「医療の良心を守る市民の会」が26日、発足10年を記念するシンポジウムを東京都内で開いた。医療者や弁護士などを含め約100人が参加。参加者からは昨年10月スタートの医療事故調査制度に関し「病院長など医療現場の管理者だけでなく、医師会や地域の大学、患者が連携して制度を発展させる必要がある」との意見が出た。

 5月までに医療機関が「医療事故として調査する」と第三者機関の「日本医療安全調査機構」に届け出たのは251件にとどまっている。講演した同機構の木村壮介常務理事は「医療事故として届け出ると、『ミス』を認めたことになるとの抵抗感が医療側にある」と指摘。「この制度は医療者側に対応を預けた制度。医療者は責務を問われている」と訴えた。

 厚生労働省医療安全推進室の平子哲夫室長は制度の対象となる「診療に関連した予期せぬ死亡事案」について「医療現場で第三者機関への届け出対象とするか判断に迷う事案もある」と説明。判断にばらつきが出る状況を防ぐため中央と地方に連絡協議会を設置するよう省令改正しており、「研修などを通じて考え方が共有されていくのではないか」と期待した。

 一方、市民の会の永井裕之代表は協議会が医師会や病院団体などで構成される点を疑問視し、「患者側も入れるべきだ」と問題提起し、制度の充実に向け「会として患者と医療側をつなげていきたい」と語った。〔共同〕



http://news.livedoor.com/article/detail/11688377/
新しくて高い薬を出したがる医者が多すぎる
医療関係者が教える「ムダな薬」 町医者は新情報を知らない場合も?

2016年6月26日 9時0分 livedoor news

「ムダな薬」の存在について、週刊現代が報じた
一度飲み始めた生活習慣病薬は効果に疑問があってもやめるのは難しいという
町医者に伝わるまでに時間がかかり、効果がなくても使われる薬もあるそう
生活習慣病のアリ地獄!飲み始めたらヤメられない薬 ~死ぬまで飲み続ける「覚悟」と「カネ」ありますか 高血圧、糖尿病、高脂血症、痛風……

2016年6月26日 9時0分 現代ビジネス
 新しくて高い薬を出したがる医者が多すぎる
 ● 高血圧のアジルバ、糖尿病のジャヌビアは年間1万円以上かかる
 ● コレステロールのクレストールは筋肉が溶けていく
 ● 痛風のザイロリックの思わぬ副作用
 ● 胃痛のネキシウムは骨が弱くなるほか

読者から圧倒的な反響が届いている本誌の「薬特集」。今回は、生活習慣病薬をやめることの難しさや日本と海外の薬の飲み方の違いに着目。「医療の犠牲者」にならないために知っておきたいこと――。

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■降圧剤をやめるのは至難の業

「長年、血圧の薬を飲んできたが、本当に効いているのか。運動をしているおかげで血圧が下がっているのではないか。薬をやめようと思うのだが、どう思うか?」

「最近、物忘れがひどいので、認知症薬を飲み始めたが、下痢が止まらない。薬をやめたほうがいいだろうか?」

本誌・先週号、先々週号において特集した「飲み続けてはいけない薬」は大反響を呼び、読者の方々から多くの質問や意見が寄せられている。その内容の多くが、右記のような「長期間、薬を飲み続けること」への不安や「はたして薬を飲み続ける意味があるのか」という疑問であった。

もちろん、自分勝手な判断で薬を飲むのをやめることはリスクを伴う。医者とよく相談して決めることが大切だ。

しかし、医者と相談したところで、長期間飲んできた薬、とりわけ生活習慣病の薬をやめるのはかなり難しいということも、また事実だ。

「降圧剤のブロプレスを飲み続けて5年になります。血圧は下がっているのですが、医者からは『薬を飲んでいるから下がっているので、やめたら元に戻りますよ』と言われていて、なかなかやめられません」

こう語るのは、大塚雅嗣さん(62歳・仮名)。ブロプレスはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)と呼ばれる比較的新しいタイプの降圧剤で、サイアザイド系利尿剤やカルシウム拮抗薬、ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)といった従来の血圧の薬に比べて高価な薬だ。

大手製薬会社のMR(医療情報担当者、医者に新薬の情報などを提供する役割)が語る。

「高血圧を始めとした生活習慣病の薬は、一度飲み始めた患者がうまくいけば一生飲んでくれるので、製薬会社にとってドル箱です。だからできるだけ高い最新の薬をお医者さんたちには紹介し、処方してもらうようにするのが私たちの仕事です。

ブロプレスは、最近ではジェネリックが出始めて薬価も下がってきている。ですからほとんど同様の効果ですが、別の新しい薬であるアジルバを売ろうというのが、製薬会社の戦略ですね」

ちなみにアジルバの薬価は1日あたり141円(20mg)。1年飲むと5万1319円(3割負担で約1万5000円強)になる。実際には、1ヵ月に1度の診察費や検査費用、薬局でかかる基準調剤加算などがかかってくるので、年間3万円くらいは実費がかかると考えたほうがいい。

これをサイアザイド系の利尿剤であるラシックス(40mg)に切り替えれば、1日あたりの薬代は約15円で済む。ARB系の薬に比べたらわずか10分の1程度だ。

新潟大学名誉教授の岡田正彦氏は「サイアザイド系の利尿剤は総死亡率を下げるというデータがありますが、ARBにはそのような科学的な根拠がない」と断言する。

「ARBには腎機能を保護する作用があるという説明がよくされますが、そのせいで寿命が延びるといったデータは存在しません」(岡田氏)

■糖尿病で稼ぐ製薬会社

JCHO(地域医療機能推進機構)本部総合診療顧問の徳田安春氏も「あまりに多くの医者がARBを使いすぎていますね」と語る。

「糖尿病や慢性腎臓病、慢性心不全などを併発している高血圧では、私はACE阻害薬をスタンダード薬として処方するのがよいと思います。そちらのほうがコストもずっと安く抑えられます。また、ACE阻害薬は、最近の研究で肺炎の予防につながることも明らかになってきています。

日本でARBが多用されているのは、忙しい医師が薬に関して勉強する時間がなく、ARBを推奨する広告を信じてしまうからでしょう」

一度飲み始めた薬は、効果に疑問があってもやめるのは難しい。本来、高血圧や高脂血症は食事や生活習慣を改めれば改善することができるケースがほとんどだ。

血圧は上が150、下が100ぐらいを超えてくると、降圧剤の処方を勧められることが多いが、実際のところこのレベルなら、健康的な生活を送るように心がければすぐに回復する。ところが、検査で血圧が基準を少し超えただけで、「3ヵ月ほど薬を飲んで様子を見ましょう」と、薬を出したがる医者が多い。

前出のMRが語る。

「3ヵ月で薬を飲むのをやめるというケースは、ほとんどありません。一度薬を飲み始めると、急にやめたら血圧が跳ね上がるかもしれないという恐怖心を患者も医者も抱いてしまうからです。

医者にしてみれば、『やめてもいいですよ』といった後に高血圧で患者が倒れたら、訴えられる可能性だってある。だから『本当は必要ないと思うが、大事をとって』という軽い気持ちで処方される薬があまりに多いのです。また、病院側からすれば毎月診察に来てくれる患者をつかまえておきたいという経営的な判断もあります」

こうして一度飲み始めた生活習慣病薬は「患者の不安」と「医者・病院側の都合」が合致して、延々と(場合によっては死ぬまで)飲み続けることになるのだ。

副作用がないならまだいい。だが、副作用のない薬など存在しないし、そもそも血圧を下げさえすれば健康になるかといえば、そう単純な話ではない。医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。

「高血圧の薬というのは、夜飲むと明け方に血圧が下がりやすい。生活習慣を改善し、薬なしでも血圧が正常に下がっているのに薬を飲み続けると、逆に低血圧の症状で具合が悪くなることがあります。例えば、明け方にトイレに行った際、転倒するようなこともよく起きている」

糖尿病のジャヌビアも比較的高価な薬だ。1錠(50mg)で149円(3割負担で年に約1万6000円)。普通は1日1錠だが、人によっては2錠飲む場合もある。

「糖尿病は高血圧や高脂血症以上に治る見込みが低く、逆に進行していくことが多いので、薬を飲み続けるしかありません。また、悪化していく過程でジャヌビアだけでなくスーグラなど他の薬も併用されることが多い。

なにより問題なのは、現在主に使われているジャヌビアなどのDPP-4阻害薬が、他の安価な薬に比べて治療効果が高くないということです。メトグルコという薬価がジャヌビアの10分の1近い薬は、糖尿病の合併症だけでなく、心筋梗塞や脳卒中まで予防するというデータがある。DPP-4阻害薬にはそのような効果がありません」(大学病院内科医)

糖尿病は今後も患者数が増加すると予想されており、製薬会社は新しい治療薬の開発にしのぎを削っている。治療の効果が不明でも、ただ新しいというだけで高い薬価がつけられる。薬価のカラクリをなにも知らずに投薬される患者は病院や製薬会社の「囚われの身」になるようなものだ。

■コレステロール薬は無意味

コストがかかるという点では、心筋梗塞や脳梗塞の再発防止などに使用されるプラビックスも非常に高い(3割負担で年間3万円程度)。血液がサラサラになる薬で、売り上げが日本で一番多い薬としても知られる。必ずしも副作用が危険な薬ではないが、多剤併用されることが多いのが問題だ。

「循環器系の患者には、プラビックスに加えてパナルジンなど血液の流れを改善する薬が数種類出されることが多い。加えて糖尿病や高脂血症のリスクも高い患者が多いため、それらの薬を処方すると、すぐに7~8種類になる。当然、飲み合わせの問題も出てきますし、薬代だってバカにならなくなってきます」(前出の大学病院内科医)

コレステロールはスタチン系と呼ばれる薬でコントロールされることが多い(代表薬はクレストールなど)。高脂血症のリスクが高い人にとっては効果のある重要な薬だ。だが、リスクの低い人にまで処方されているのが現状だ。

前出の徳田氏が語る。

「日本人の中年女性は、コレステロール値が多少高くても虚血性心疾患のリスクが低いということが臨床疫学的にわかっています。にもかかわらず、薬を飲んでいる人が多い。

スタチンには横紋筋融解症(骨格筋が壊死し、筋細胞中の成分が血液中に滲出する病気)などの副作用もありますから、低リスクの人が服用するときはかかりつけの医師とよく相談すべきです」

効果がないのに飲まれている無駄な薬は他にもある。代表的なものは不整脈の薬だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。

「アンカロン、ベプリコールなどの抗不整脈薬はここ5年くらいで、治療効果がないことが海外で証明されていますが、今でも使われているようです。このような新しい情報は、町医者すべてに伝わるには時間がかかるものです」

痛風の痛みは、ある日突然襲ってくる。だから尿酸値が高くなってくると薬を飲む人が多い。典型的な薬はザイロリック。体内での尿酸合成を抑える薬で、コストはそれほど高くないが(3割負担で年に8000円程度)、腎機能が低下している高齢者は高い血中濃度が持続するおそれがあるので、十分な注意が必要だ。

またこの薬も副作用として横紋筋融解症があらわれるという報告もある。痛風の痛みに比べれば、副作用のリスクはやむなしと考える人もいるだろうが、生活習慣から見直すにこしたことはない。

PPIと呼ばれるタイプの胃薬もよく処方されている(代表的な薬はネキシウム)。

「胃・十二指腸潰瘍や逆流性食道炎の治療には非常に有効な薬です。だが、不必要に長期間処方されているケースが多い。PPIは長期的に飲み続けていると骨粗鬆症になり骨折リスクが高まることが分かっています。

他にも偽膜性大腸炎や肺炎のリスクを高めたり、ビタミン欠乏症などさまざまな副作用があります。安易に長期間飲み続けるのではなく、賢く終了することも大切なのです」(前出の徳田氏)

前出の岡田氏も、PPIの使われすぎに警鐘を鳴らす。

「PPIが出始めた時期に、『逆流性食道炎』という新しい病名がしきりに喧伝されるようになった。これまではただの『胸やけ』といわれていたものをあたかも新しい病気が発見されたかのように呼び名をつけるわけです。

元をたどれば、製薬会社が主催したセミナーや学会で突然、使用されるようになったもの。まさにPPIを売らんとする製薬会社の戦略です」

製薬会社の社員や医者にも、患者の病気をよくしたいという純粋な気持ちはあるだろう。だが、ときに新薬の開発が「新しい病気」を作り出すという矛盾した現象が起こっている。

一人一人に悪意はなくとも、医療という巨大なシステム、そして医療もまた経営=金儲けであるという現実がそうさせるのだ。

高齢化が進む日本社会では、医療保険制度が崩壊の危機に瀕している。多くの人が不要な薬を飲み続けることは、副作用で自分の体を傷つけるだけでなく、日本の医療経済を疲弊させ、本当に必要な治療が施されない医療崩壊を招くことにもなりかねない。

今一度、自分のお薬手帳と向き合って、本当に必要な薬の精査を行ってみてはいかがだろう。

「週刊現代」2016年6月25日号より


  1. 2016/06/27(月) 06:19:59|
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