Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月15日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48990.html
新専門医制度「新たな検討の場での精査を」- 日医と日本医学会が関係学会に要望
2016年06月15日 22時00分 キャリアブレイン

 日本医師会(日医)と日本医学会は15日、来年度から始まる予定の新たな専門医の養成制度についての要望書を、基本診療領域を担う18の学会(関係学会)に送付した。検討の場を設け、新たな専門医養成制度を導入した場合に、医師や研修医の地域偏在が深刻化しないかどうかを精査するよう改めて求めている。【松村秀士】

 専門医の養成をめぐっては、従来の学会主体の制度から、第三者機関の日本専門医機構(機構)が養成プログラムの評価や認定を行う新制度へと移行する方向で準備が進められてきた。しかし、新制度が導入されれば、指導医数や症例数を重視する傾向が強まり、大病院や都市部の病院への医師偏在が深刻化しかねないなどとして、医療現場からは延期を求める声も上がっている。

 7日には日医と四病院団体協議会(四病協)が、機構と関係学会に対して、新たな検討の場での集中的な精査や機構のガバナンスの見直しなどを求める提言を発表。塩崎恭久厚生労働相も同日、この提言について、「趣旨を十分理解する」との談話を出した。

 日医と日本医学会が15日に送付した要望書では、地域医療への影響を踏まえれば、これまでの機構の意思決定のプロセスは、「透明性、中立性、社会的説明責任が不足している」と指摘。その上で、関係学会に対して、幅広い関係者による検討の場を新たに設け、医師や研修医の地域偏在が深刻化しないかどうかなどを集中的に精査し、対応方針を判断するよう求めた。

■地域医療への懸念払拭なら「来年度から開始を」

 また、機構で新たに選出された執行体制と各学会が十分協議した上で、地域医療への懸念が払拭された場合に限り、予定通り来年度から新たな専門医の養成を開始するよう要望した。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48987.html?src=catelink
周産期医療、災害対応や管理者の役割は?- 日看協会議で厚労省課長ら解説
2016年06月15日 18時00分

 熊本地震のような災害時の周産期医療や地域の分娩の環境整備に、現場はどう対応すべきか―。総合周産期母子医療センターの看護管理者を集めた日本看護協会(日看協)の会議で、厚生労働省医政局地域医療計画課の迫井正深課長や日本周産期・新生児医学会の海野信也理事長らが、管理者に必要な医療提供体制の知識や災害時の小児周産期医療の課題、新人教育の秘訣などを説いた。【新井哉】

■熊本地震で総合周産期母子医療センターが初被災

 「総合周産期母子医療センターが被災したのは、知り得る限り初めて」。迫井課長は、熊本地震の発生後、同センターのある熊本市民病院を訪れたことに触れ、災害時の体制をどうするのか議論を進める必要性を示した。

 周産期医療をめぐっては、東日本大震災の際、避難所での対応の不備が明らかになったほか、妊婦の救急搬送の受け入れ先の選定困難事案が相次ぐなど災害・救急医療との連携が求められている。

 周産期医療体制整備の問題点として、迫井課長は、▽災害時に備えた体制の整備 ▽医師や看護師(助産師)の不足や偏在による地域格差 ▽NICU(新生児集中治療室)と地域施設との連携―などがあることを指摘。厚労省の検討会で周産期医療体制整備の新たな指針の策定に向けた議論を行っていることを取り上げ、都道府県の医療計画と周産期医療体制整備計画の整合を図り、地域で必要とされる医療体制の実現を目指す考えを示した。

 海野理事長も、日本周産期・新生児医学会や日本産科婦人科学会などが連名で、2月に厚労省医政局長あてに「災害時小児周産期リエゾン」設置の要望書を提出したことを説明。「災害弱者」の小児や妊産婦の支援体制をリエゾン(連絡・橋渡し役)によって拡充する必要性を述べた。

 熊本地震が起きた際は、この仕組みと同じように、関連学会の医師が災害対策本部に入り、人員の派遣や物資の供給、搬送の手配などの支援を行ったという。こうした大規模災害時に適切な対応を行うためには、「総合周産期母子医療センターが、どれだけ地域を把握できていて、災害時の準備ができているかが大きな要素になる」とした。

■特定行為研修機関の指定は「業務拡大のチャンス」

 総合周産期母子医療センターの課題や教育体制についても、看護管理者から報告があった。日本赤十字社医療センターの古川祐子看護部長は、同センターが実施した業務量調査で、昼夜を問わず新生児に関するケア量、病棟内の移動時間が多く、特に夜間は授乳介助が増加することが分かったと説明。「新生児のケアが全体の30-40%を占めていたのは、私たちの想像以上だった」とし、適切な人員配置を今後考えていく必要があるとした。

 埼玉医科大総合医療センター総合周産期母子医療センターの内田美恵子副センター長は、「分かるまで教える」といった新人を指導する時のポイントや責務を与える意義を述べた。特に新人にテストを行うことは知識の確認に加え、きちんと書いてくる「意志」の確認や、その人の「様子」を知ることができるため、面接の際に役立つという。

 また、2月に特定行為研修の指定研修機関として厚労相から指定を受けたことについては、医師を支援することが目的ではなく、「私たちが業務を拡大する絶好のチャンス。看護師の道が開ける」と説明。こうした機会などを通じて看護師のスキルアップや医療の質の向上を図る重要性を訴えた。



http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160615-00000023-khks-soci
患者の診療動画ネット上に公開 医師訓告処分
河北新報 6月15日(水)15時23分配信


 患者の診療に関する動画や写真を無断でインターネット上に公開したとして、青森市が青森市民病院勤務の医師を訓告処分にしていたことが14日、分かった。同日の市議会一般質問で取り上げられた。

 同病院などによると、医師は診療情報に関わる画像などを、患者に許可なく動画投稿サイト「ユーチューブ」に送った。医師は「学術的な目的だった」と話しており、個人が特定できるものではなかった。患者の家族から昨年1月19日、相談があって判明。市は昨年5月22日に処分した。

 医師は他にも複数の患者の動画を数件公開していたという。動画は既に削除されている。市は「懲戒処分に当たらないので公表しなかった」と説明。同病院は再発防止のため、個人情報保護に関する運用方針を定めたという。



http://mainichi.jp/articles/20160615/ddl/k08/040/055000c
神栖2病院
経営統合へ 再編促す報告書 18年度めど /茨城

毎日新聞2016年6月15日 地方版 茨城県

 ともに神栖市にあり、医師不足に悩んでいる鹿島労災病院と神栖済生会病院が2018年度をめどに経営統合し、2年後に350床程度の新病院を開設する見通しとなった。有識者による2病院の「今後のあり方検討委員会」(委員長・小松満県医師会会長)が14日、再編の方向性を示した報告書を橋本昌知事に提出。神栖市の保立一男市長は報告書を歓迎するコメントを出した。

 労災病院は独立行政法人労働者健康安全機構が、済生会病院は社会福祉法人恩賜財団済生会がそれぞれ運営している。報告書では、経営統合後は済生会が経営を引き継ぎ、いずれかの病院跡地に新病院を建設する案と、中間地点に新設する3案が示された。廃止となる病院跡地には診療所を開設する。

 2病院は09年に計50人の医師が常勤していたが、13年には26人まで減少。この影響で479床のうち193床しか稼働しておらず、地域医療は危機に陥っていた。
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 市は独自に対応策を検討してきたが「市だけでは限界」(保立市長)があった。そこで橋本知事が指示し、2月から検討委が議論していた。

 労災病院は「現時点では報告書がまとまった段階。具体的な検討調整を行う。当面は今まで通り、診療を継続していく」、済生会病院は「神栖市では多くの患者が市外、県外の病院で診療を受けている。今後、若い医師が研修のため集まってくるような病院を作り、行政と連携し、地域住民が安心して医療を受けられる医療体制の整備に努めていく」とのコメントをそれぞれ発表した。【山下智恵】



http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20160615-OYTNT50171.html
田野畑診療所常勤医ゼロに 来月退職
2016年06月16日 読売新聞

◆応援医師派遣で継続へ

 国民健康保険田野畑村診療所(田野畑村)で、唯一の常勤医(68)が7月末で退職することが分かった。村が14日の村議会6月定例会で明らかにした。後任の常勤医が見つかるまで、県立病院などから応援医師の派遣を受けられる見通しで、診療に支障は出ないという。

 村保健福祉課によると、2006年4月から村診療所に勤務する医師が、「一身上の都合」を理由に7月末で退職する。退職後は県立宮古、久慈、中央病院、みやた整形外科医院(盛岡市)の4医療機関から医師の派遣を受ける。

 村はすでに応援医師の派遣契約負担金や医師の交通費などの経費計1133万円を今年度の特別会計補正予算案に計上している。佐藤俊一・保健福祉課長は「なるべく早く常勤医を見つけられるように努める」とする。8月以降の診療日程は村の広報などで全世帯に知らせる予定。



https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160616-OYTET50000/
「データ信頼性に懸念」弘前大学長らの論文、米医師会誌が取り消す
2016年6月16日 読売新聞

 弘前大学は15日、佐藤敬学長が米医師会雑誌などに発表した三つの論文がデータの妥当性などの問題から取り消されたと発表した。

 米医師会雑誌の論文は、葉酸などの服用で脳梗塞の患者の骨折を減らせるという内容で、2005年に発表された。論文の責任者は学長の同僚だった元同大教授。学長は著者の一人として研究のデザイン、データ収集と解析、解釈、原稿作りを担当したと記載されていたが、同大の聞き取り調査に対して、学長は「英文の校閲などを行ったが、データについては分からない」と答えたという。

 同誌は「データの信頼性に懸念を持たせる科学的な不正行為があり、著者の記載も不適切だった」として、今月3日に論文を取り消した。残り二つの論文も同様の理由で取り消された。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201606/547272.html
進まぬ新専門医制度、今こそ「原点」に立ち戻れ
2016/6/15 加納 亜子=日経メディカル

 2013年に公表された厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の最終報告を受け、日本専門医機構や学会などの関係団体は、2017年4月の新専門医制度開始に向けて仕組み作りを進めてきた。だが開始時期を目前に、その動きが停滞している。

 作業が滞った原因は、「現状の仕組みでは医師の偏在を助長する恐れがある」などとして、病院団体が開始延期を求めたことだ(関連記事:新専門医制度、2017年スタートに暗雲)。これに対し日本専門医機構が「この段階に至っての延期は逆に混乱を招く」と反論し、議論が膠着した(関連記事:新専門医制度の開始延期はさらなる混乱を招く)。

 しかし、新専門医制度に関する検討は、専門医の質の標準化を目指して1990年に22学会の代表からなる学会認定医制協議会(日本専門医機構の前身)が設置されて以来、これまで長い時間をかけて進められてきたものだ。専門研修プログラムの審査・認定や専門医の認定・更新を担う第三者機関として日本専門医機構が設立された際には、日本医学会と日本医師会、全国医学部長病院長会議が構成員である「社員」となり、その後、四病院団体協議会や公益財団法人医療研修推進財団、公益財団法人医学教育振興財団も加わった。ほとんどの関連団体が手を組んで新専門医制度の在り方を検討してきた経緯に鑑みれば、今になって“ちゃぶ台返し”をするのは筋が通らない。

 新制度に難色を示す関連団体の意見を聞いていると、それは病院経営上の理由からではないかと勘ぐりたくもなる。新専門医制度では大学病院が「基幹施設」となり、中小病院などと組んだ「施設群」を作り研修プログラムを運営することになっているが、この仕組みを導入すると専門領域の研修を受ける研修医(専攻医)と指導医が基幹施設に集中し、中小病院の医師不足を招くとの懸念があるとみられる。

 制度開始が迫っているにもかかわらず議論が停滞する状況を見かねた厚生労働省は、関係団体に検討を委ねていたそれまでの姿勢を転換。新制度に関する検討の場である「専門医養成の在り方に関する専門委員会」を立ち上げ、委員長(自治医科大学学長の永井良三氏)とともに、2017年度は希望する学会に限って「試行的」に新制度を導入する案を提示した。

 これに対し、「専門医養成の在り方に関する専門委員会」のある委員からは、「もう一度原点に戻ることが必要ではないか。『プロフェッショナルオートノミー』を重視して、我々医療人がもう一度、(新制度を)作り上げなければならない」との声が上がった。この委員は「医療者だけでは進められないだろうからと、厚労省が中心になって進めようとするのはいかがなものか」とも述べ、新専門医制度への行政の介入を牽制した(関連記事:新専門医制度、来年度は一部の学会で“試行”へ)。

「新専門医制度はプロフェッショナルオートノミーを基盤に」

 プロフェッショナルオートノミーとは、一般に「医師の専門職としての自律」と訳される。新専門医制度の枠組みを定めた「専門医のあり方に関する検討会」最終報告では、専門医機構が認定する専門医は「医療の質を保証」し「国民に認知される公的資格」であり「患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」であるとし、それを認定する「新専門医制度の仕組みは、プロフェッショナルオートノミーを基盤として設計されるべき」としている。

 これまでの新専門医師制度に関する検討でも、その「自律」を発揮できた場面が少なくなかったはずだ。具体例を挙げるとすれば、指導医による教育方法の構築や到達目標などの指標の作成、専攻医と指導医の配置の調整、複数の医療機関をローテーションする際の仕組み作り、専攻医の給与などの身分保障の問題といった制度実現に向けた課題への取り組みなどだ。

 若手医師への教育環境を確保しつつ、医師の偏在を今以上に悪化させないようにするには、制度導入前の指導医と専攻医の数を各地域・医療機関ごとに報告し、その数に見合った医師数が配置されるよう、プログラム・地域・診療科ごとに上限を設け、大きく医師の配置が変わらないよう日本専門医機構が主体となって調整すればよかったのだ。

 都市部の医療機関に所属する医師の地域への派遣状況など、制度導入前の実態が分かっていれば、派遣実績のある基幹施設への専攻医数の上限設定に優遇措置を設けるなどの対応で、医師の引き上げは防げる。逆に派遣実績のない都市部の基幹施設の専攻医数は、都市部集中を防ぐ目的で上限を定めればよい。もしくは、不足が想定される地域への派遣機能を担うように定めてもよいかもしれない。

 それでも現状以上に若手医師が都市部へ集中すると懸念が残るのであれば、現状の医師数を維持する目的で必要な医師数を具体的に示し、調整する方法を思案すればいい。専門医制度の議論に携わる関連団体が制度の実現に向けて手を組んでいれば、これらの対策は実現していただろう。

 今こそ、専門医の在り方に関する検討会で定めた「新専門医制度の仕組みは、プロフェッショナルオートノミーを基盤として設計する」原点に立ち戻るべきだ。専門医制度の目的は、専門医の質を担保し、それを国民に分かりやすく示すこと。日本専門医機構の言葉を借りれば、「それぞれの診療領域における適切な教育を受け、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」を育てるために作られる制度だ。それを第一の目的として、新制度スタートに向けた建設的な議論を進めてほしい。
 



https://www.m3.com/news/iryoishin/426325
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
偏在解消のための「強制力」、必要の割合高まる◆Vol.11
2013年より10ポイント増加

医師調査 2016年6月15日 (水)配信高橋直純(m3.com編集部)

Q 診療科や地域による医師偏在を解消するため、行政や公的機関が「一定の強制力」を発揮する必要性について、どうお考えですか。
 偏在医解消のための、行政や公的機関による「一定の強制力」について、「必要」は14%、「ある程度必要」は52%となり、若手医師の3分の2が必要性を感じていた。「不要」は4%、「あまり必要でない」は14%にとどまった。
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 2013年の調査では、強制力の発揮主体別に尋ねていた。「賛成(国でも医療界でも可)」(26%)、「賛成(国ならば可)」(9%)、「賛成(医療界ならば可)」(21%)の合計は56%だった。2016年の結果と比較すると、「必要(賛成)」は56%から66%に10ポイント増加した。

【2013年】Q  診療科や地域における医師の適正数を国、あるいは医療界(学会、医師会、その他の機関など)が決めることについて、お考えをお聞かせください。

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https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0615503824/
新専門医制度に日本医学会も"待った"
日医と連名で文書

2016.06.15 19:35 Medical Tribune

 日本医師会と日本医学会は本日(6月15日)、来年度(2017年度)の開始を予定している新専門医制度について、18の基本領域を担う学会に対し、地域医療に混乱を来さないよう「一度立ち止まって新たな検討の場で精査をし、対応方針を判断する」ことを要望した文書を連名で送付した。

学会ごとに異なる開始時期も

 文書では、開始が迫った同制度に関し、「多くの関係者が強い懸念を持ったまま拙速に導入することによる医療現場の混乱」や「幅広い関係者の意見が反映できるようにしなければならない」と指摘。これまでの同機構の意思決定プロセスも、透明性、中立性、社会的説明責任が不足していたと問題視した。

 また、国民の視点を十分に踏まえ、客観的かつ早急に集中的な精査を行うことが重要、としながらも、「十分協議のうえ、問題がないとされた学会は、平成29年度から開始するよう」とも記し、学会ごとに開始時期を違える案も提示したものとなっている。

(川崎 智文)



http://www.medwatch.jp/?p=9244
5疾病・5事業は第7次医療計画でも維持、肺炎は脳卒中対策などの中で勘案―厚労省・医療計画検討会(2)
2016年6月15日|医療・介護行政をウォッチ

 2018年度からの第7次医療計画では、いわゆる「5疾病・5事業」を維持し、新たな疾病や事業の追加は行わない。追加が提案されている「肺炎」については、脳卒中対策などの中で対応していってはどうか―。

 こういった考え方が、15日に開かれた「医療計画の見直し等に関する検討会」で厚生労働省から提示されました(関連記事はこちらとこちら)。

 ただし提案者である相澤孝夫構成員(日本病院会副会長)は、再考を求めています。

ここがポイント! [非表示]
 1  誤嚥性肺炎の主因、厚労省は「脳卒中後遺症の嚥下障害」と説明するが、相澤構成員は反論
 2  医療計画の成果など評価する指標、「活用しやすさ」などの視点で見直し

誤嚥性肺炎の主因、厚労省は「脳卒中後遺症の嚥下障害」と説明するが、相澤構成員は反論

 2018年度からの第7次医療計画スタートに向けて、検討会では「医療計画の作成方針」(厚生労働大臣が策定)に関する議論を本格化しています。15日の検討会では、(1)2次医療圏(2)5疾病・5事業(3)PDCAサイクル推進のための指標―をどう考えるかが議題となりました。ここでは(2)の5疾病・5事業と(3)のPDCAサイクル推進のための指標に関する議論の中身を見てみましょう。

 (2)の5疾病・5事業は、地域において医療機能の分化・連携を推進し、必要な医療提供体制を確保するために医療計画への記載が求められるものです。

 5疾病は、「広範かつ継続的な医療提供が必要な疾病」として、▽がん▽脳卒中▽急性心筋梗塞▽糖尿病▽精神疾患(前回の計画から追加)―が対象になっています。また5事業は「医療の確保に必要な事業」として、▽救急医療▽災害医療▽へき地医療▽周産期医療▽小児医療―が対象となっています。

 この点について相澤構成員は5月20日の前回会合で「5疾病に肺炎を追加すべき(6疾病とすべき)」と提案していました。肺炎は現在、我が国において死因第3位になっており、高齢化が進行する中で、より適切な対策が必要との考えに基づく提案と言えるでしょう(関連記事はこちら)。

 厚労省は、この提案に対して「高齢者の肺炎の7割は誤嚥性肺炎であり、誤嚥性肺炎を引き起こす嚥下障害の原因疾患の6割は脳卒中である」というデータを示し、「5疾病・5事業」を維持してはどうかとの返答を行っています。つまり、肺炎対策は極めて重要であるものの、それはすでに5疾病に位置づけられている「脳卒中対策」や、予防を含めた総合的な対策の中で対応してはどうかという考えです。

高齢者の肺炎の7割は誤嚥性肺炎である。誤嚥性肺炎を引き起こす「嚥下障害」の主因は脳卒中である。したがって、脳卒中対策をすることが肺炎対策にも繋がると厚労省は説明している
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 この厚労省の考え方に多くの構成員は賛同しましたが、相澤構成員は「臨床的に見ると、高齢者における誤嚥性肺炎の原因は『全身機能の低下』であり、『嚥下障害』とは異なる。高齢の肺炎患者は在院日数も長く、地域できちんと計画を立てなければ、今後大変なことになる」と述べ、厚労省に再考を促しています。さらに「生活機能に障害のある高齢者の急性期医療ニーズにどのように対応していくか」についても、医療計画に記載する必要があると相澤構成員は指摘しています。

 

 なお、前回の第6次医療計画から「5疾病・5事業」に加えて「在宅医療」の整備状況なども医療計画に記載することとなっています。在宅医療に関しては、その重要性に鑑みて近く設置されるワーキンググループで集中的に議論されます。

医療計画の成果など評価する指標、「活用しやすさ」などの視点で見直し

 現在の医療計画については、PDCAサイクルを回すことが都道府県に求められています。医療計画を作成するだけではなく、成果や課題を評価し、計画の改善に結びつけることが狙いです。

 このため厚労省は成果などを評価する指標を、▽S(構造設備、Structure)▽P(プロセス、Process)▽O(アウトカム、Outcome)―のそれぞれについて設定。都道府県でも独自に指標設定をすることが可能です。しかし都道府県からは、「指標が多すぎる」「アウトカム指標を追加してほしい」という声も出ています。

 具体的に見ると、プロセス指標の1つである「救急要請から医療機関収容までに要した平均時間」やアウトカム指標の1つである「脳卒中発症後1年後におけるADLの状況」などは、指標として使用しにくい、あるいは使用していないという意見があります。

医療計画の成果を評価する指標について、一部は「使いにくい」「使っていない」との声もある
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 そこで、第7次医療計画に向けて、現在の指標を厚労省研究班で洗い直し、その上で▽収集・活用しやすいか▽現状を評価でき、施策と連動しているか▽地域全体を評価できるか―という視点で見直す方向が固まりました。



http://www.medwatch.jp/?p=9246
2次医療圏、5疾病・5事業それぞれの特性も踏まえた設定を―厚労省・医療計画検討会(1)
2016年6月15日|医療・介護行政をウォッチ

 2018年度からの第7次医療計画では、2次医療圏の設定について ▽人口や医療資源の少ない地域では統合を促す ▽5疾病・5事業それぞれの特性を踏まえる―こととしてはどうか―。

 こういった議論が、15日に開かれた「医療計画の見直し等に関する検討会」で行われました(関連記事はこちらとこちら)。

ここがポイント! [非表示]
 1  2次医療圏、人口や受療動向、地域医療構想との整合性を勘案して設定
 2  急性心筋梗塞など緊急性の高い医療では、搬送体制も考慮した医療圏設定を
   2次医療圏、人口や受療動向、地域医療構想との整合性を勘案して設定

 2018年度からの第7次医療計画スタートに向けて、検討会では「医療計画の作成方針」(厚生労働大臣が策定)に関する議論を本格化させました。都道府県は2017年度から医療計画の作成業務に入るため、検討会は今年(2016年)内に意見を取りまとめる必要があります。

 15日の検討会では、(1)2次医療圏(2)5疾病・5事業(3)PDCAサイクル推進のための指標―をどう考えるかが議題となりました。ここでは(1)の2次医療圏のあり方に関する議論を振り返ってみます。

 (1)の2次医療圏は、もっぱら「一般の入院医療を完結する」単位として、▽地理的条件▽日常生活の需要の充足▽交通事情―などを考慮して都道府県が設定します。したがって、あまりに小さな、あるいは人口の少ない範囲を2次医療圏として設定すると、医療資源の効率的な活用が阻害される恐れがあります。

 このため前回の第6次医療計画(2012―16年度を作成する時点では、「人口20万人以下」「患者の流入率が20%未満」「患者の流出率が20%以上」という要件を満たす地域では、2次医療圏の見直しを行うことが求められました。しかし87圏域が要件に該当したものの、実際に見直されたのは3県(18医療圏)にとどまりました。医療圏を見直さなかった県では、「枠組みを変えても実効性がない」「広域化すると過疎地の患者の利便性がそがれる」「災害時の救護体制である行政圏域などとの整合性を取る必要がある」といった理由を挙げています。

前回の第6次医療計画では、「人口が20万人以下」「患者流入率が20%未満」「患者流出率が20%以上」の基準を満たす2次医療圏について、設定を見直すよう求められた
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 厚労省は、第7次医療計画での2次医療圏について、前回と同様に「人口規模」や「患者の受療動向」に応じて設定することや、地域医療構想における「構想区域」との整合性を図ることを基本としてはどうか、との考え方を示しています(関連記事はこちらとこちらとこちら)。この点、鈴木邦彦構成員(日本医師会常任理事)は、地域包括ケアシステムが推進される中では重症度が中等程度の患者も在宅に移行していくことを踏まえ「今後、2次医療圏単位ではより高いレベルの医療ニーズに対応していかなければならない(重症の入院患者割合が高まる)。人口が少なく、また医療資源の乏しい地域では2次医療圏の統合を進める必要がある」との考えを示しています。

 ただし、前述の「人口20万人以下」「流入率20%未満」「流出率20%以上」という要件に沿うと、2014年時点では78医療圏(6次医療計画策定時点と重複するのは57医療圏)、2025年時点では90医療圏(同69医療圏)という具合に対象医療圏が異なってきます。人口や患者の流出入率は変動するためです。

「人口が20万人以下」「患者流入率が20%未満」「患者流出率が20%以上」の基準を用いて2025年の状況を見ると、2次医療圏見直しが必要な地域は若干変わってくる
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 こうした点を捉えて尾形裕也構成員(東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)は、「見直しが必要となる2次医療圏の基準についても議論する必要がある。また人口や流出入率の指標に優先度をつける事も考えるべき」と指摘しています。

 また相澤孝夫構成員(日本病院会副会長)は、「一般病床と療養病床では、患者の流れは全く異なる。両者を区別して考えるべき」と強調しています。

急性心筋梗塞など緊急性の高い医療では、搬送体制も考慮した医療圏設定を

 ところで、心筋梗塞などの時間的猶予のない医療と、がんなどの比較的時間的猶予のある医療では、2次医療圏の考え方が異なってきます。現在でも兵庫県や北海道では、いわば5疾病・5事業ごとの2次医療圏が設定されています。

 この点について厚労省は、次のような興味深いデータを検討会に提示しました。

▼2次医療圏ごとに「脳卒中発症から30分以内に治療が開始される患者」の割合を見ると、人口50万人以上の医療圏ではほとんどが80%であるが、人口20―50万人の医療圏では80%未満のところが増え、人口20万人以下の医療圏ではゼロ%のところも散見される

脳卒中発症から30分以内に治療を受けられる患者の割合を見ると、2次医療圏の規模によるバラつきが大きい
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▼同様に「急性心筋高速発症から30分以内に治療が開始される患者」の割合を見ると、人口50万人以上の医療圏でも80%に満たないところがあり、人口が20万人以下では相当数の医療圏でゼロ%となっている

急性心筋梗塞発症から30分以内に治療を受けられる患者の割合を見ると、脳卒中患者よりも2次医療圏ごとのバラつきが大きい
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 つまり、脳卒中や急性心筋梗塞を発症した場合、当該患者が居住する地域(医療圏)の人口規模によって、早期治療を受けられるかどうかに大きなバラつきがあることが、データ上から示されたことになります。

 こうした状況を踏まえて厚労省は、改めて ▽脳卒中や急性心筋梗塞など緊急性の高い医療については、緊急時搬送体制を勘案した圏域 ▽がんなど緊急性が相対的に低い医療では、医療資源の実情に応じた広域的な圏域―を検討してはどうかと提案しています。

 この点について今村知明構成員(奈良県立医科大学教授)は、「脳卒中の中でも、クモ膜下出血などでは緊急性の度合いがより高い。地域医療構想では、こうした点を細かく見ており、それを医療計画にも盛り込むと良いのではないか」との旨をコメントしています。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48980.html?src=topnewslink
審査基準統一化で国保連・支払基金が見解- 厚労省の有識者検討会
2016年06月15日 15時00分

 医療機関などが提出する診療報酬明細書(レセプト)の審査の効率化などについて検討している厚生労働省の有識者検討会が14日に会合を開いた。審査を担当する国民健康保険団体連合会(国保連)と社会保険診療報酬支払基金(支払基金)の関係者が出席し、審査基準の統一に関する見解をそれぞれ示した。【佐藤貴彦】

 同じ病院に入院した患者でも、被用者保険に入っている場合は支払基金、市町村国保に入っている場合は国保連が主にレセプトを審査し、医療保険のルール上ふさわしくない請求があれば減額査定などを行っている。ルールは全国一律にもかかわらず、審査基準には地域差や、審査を担当する機関ごとの違いがあることから、不合理な違いを解消すべきといった指摘がある。

 この日の会合には、三重県国民健康保険団体連合会の亀井利克理事長(同名張市長)や、都道府県ごとの国保連が会員の国民健康保険中央会の柴田雅人理事長らが出席。支払基金からは、河内山哲朗理事長や木田寛・石川県審査委員長らが出席した。

■医療保険ルールの例外規定少なく-国保中央会・柴田理事長

 審査基準の統一に向けた国保連側の方向性について柴田理事長は、各都道府県の国保連の審査基準を共有する取り組みを始めたところだと説明。また、「支払基金との統一的な判断基準の策定は是非やりたいと思っている」と述べた。

 その上で、統一的な判断基準の策定に向けて検討する場を国が設けるべきだと主張。国保連と支払基金、医療関係者などで構成し、審査の進め方などを決めるべきだとした。また、現行の医療保険のルールでは、例外を認める規定が幾つか設けられていることから、審査を効率化するために例外規定を減らすべきとも提言した。

■基準統一で審査に問題起こる懸念も-石川県審査委・木田委員長

 支払基金側の木田委員長も、都道府県ごとの審査基準の差異について「できるだけ統一したい」との認識を表明した。その一方で、特定の疾患などへの対応に力を入れている地域では関係する審査の基準が厳しくなる傾向があることから、一定の地域差が生じるのはやむを得ないと指摘。そうした地域で標準的な基準を適用すると「審査に問題が起こってくる」との懸念を示した。

 また、「(加入保険が)変わったときに、受けていた治療が受けられなくなるのが一番問題」と述べ、その対策として国保連の担当者と定期的に話し合い、地域内の基準の統一を図っていると説明。ただ、話し合っても調整できないケースがあるとした。

 審査基準の統一について、有識者検討会の委員からは賛否両論が出た。松原謙二・日本医師会副会長は、支払基金は若者、国保連は高齢者のレセプト審査が多いことを挙げ、「考え方が違って当然。同じものという概念で統一する方向でしか考えないのは間違っている」と述べた。一方、飯塚正史・元明治大大学院客員教授は、同じ疾患で同じ病院に入院した同じ年齢層の患者で、審査基準の差が生じるのはおかしいと主張した。

■専門的な検討は作業部会で-委員が提案

 有識者検討会は、ICT(情報通信技術)を活用した審査の効率化のあり方なども検討することになっている。この日の会合で複数の委員が、ICTを活用するためのシステム整備などについて、同会議の下に作業部会を設けて検討を進めるべきだと提案した。

 座長の西村周三・医療経済研究機構所長も、専門的な検討は「ワーキングをつくってやることをイメージしていた」と述べ、委員の提案に前向きな姿勢を示した。



  1. 2016/06/16(木) 08:31:21|
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