Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月14日 

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/251818
関連死、時期区切らず 熊本市、県内初の認定基準
2016年06月14日13時41分 (更新 06月15日 03時13分) 西日本新聞朝刊

 熊本市は14日、熊本地震による直接的な被害ではなく、間接的な原因で死亡したとみられる「震災関連死疑い」の人が関連死に当たるかを判断する認定基準を発表した。2004年の新潟県中越地震の際、同県長岡市が全国で初めて定めた基準を参考に「家屋の損壊による負傷」や「医療機関の機能低下による初期治療の遅れ」「避難生活での心身負担による既往症の悪化」などを要件に挙げた。

 長岡市が設けた「地震から6カ月以降の死亡は関連死ではないと推定する」という期間の区切りは「遺族が申請をためらい、関連死を見逃す可能性がある」として明記しなかった。

 熊本市の基準は、関連死を「熊本地震やその後の余震に起因する環境の変化による負傷や疾病、既往症の悪化による死亡」と定義。環境の変化として、介護施設の機能低下・停止 ▽ライフラインの途絶、交通事情の悪化 ▽地震への恐怖やストレス ▽近隣住民の救助活動による激務-などを挙げた。自殺も審査対象にし、精神的影響を個別に勘案して判断する。屋根修理中の転落などによる死亡は、偶然の事故と考えられ「認められない」とした。

 熊本県によると、「関連死疑い」として公表されているのは熊本市の10人を含む9市町村の計20人(13日時点)。認定は各市町村が行い、認定基準を定めたのは熊本市が初めて。同市への弔慰金支給申請者数は13日現在、市把握分の約4倍となる39人。「エコノミークラス症候群で亡くなった」との申請もあるという。

 熊本市の関連死の審査は、医師や弁護士計5人でつくる市災害弔慰金等支給審査委員会が行う。同委員会は13日の初会合で、市の認定基準案を了承した。関連死と認定されれば、直接死と同様に最大500万円の災害弔慰金が遺族に支給される。


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http://mainichi.jp/articles/20160615/k00/00m/040/094000c
新専門医制度
厚労相、導入延期に言及

毎日新聞2016年6月14日 21時37分(最終更新 6月14日 21時37分)

 来年4月から始まる予定の「新専門医制度」について、塩崎恭久厚生労働相は14日の閣議後記者会見で「地域医療や良質な医療の提供に大きな影響を与えるとの懸念が全国に広がっている。何があってもやるという話ではなく、よく議論してもらいたい」と述べ、関係機関での延期も含めた議論を求めた。

 新専門医制度は、2年間の初期臨床研修を終えた医師が、19領域に分かれた原則3年間の研修を受け、内科や外科などの専門医として認定される仕組み。第三者機関「日本専門医機構」が認定し、来月にも医師募集を始める予定だった。

 これまで厚労省は制度設計を医療の当事者に委ねてきたが、日本医師会などが医師の地域偏在を助長すると批判を強めたため、関係者間の協力を求める大臣談話を今月出していた。塩崎氏は専門医機構がその後も導入の姿勢を変えていないとして「談話の趣旨を踏まえておらず大変遺憾」と不快感を示した。【阿部亮介】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48978.html
専門医機構コメントに厚労相「大変遺憾」- 新たな検討の場での精査求める
2016年06月14日 20時00分 キャリアブレイン

 日本専門医機構の池田康夫理事長が新専門医制度に関するコメントを関係学会に送付したことを受け、塩崎恭久厚生労働相は14日の閣議後会見で、「日本医師会(日医)・四病院団体協議会(四病協)の要望や私の談話が踏まえられておらず、大変遺憾」と指摘。同制度の開始に当たって、新たな検討の場で、医師や研修医の地域偏在が深刻化しないかどうか精査するよう求める考えも示した。【松村秀士】

 来年度から始まる予定の同制度については、指導医数や症例数を重視する傾向が強まり、大病院や都市部の病院への医師偏在が深刻化しかねないなどとして、医療現場からは延期を求める声も上がっている。

 日医と四病協は7日、同機構と関係学会に対し、新たな検討の場を設けることや、同機構のガバナンスの抜本的な見直しなどを要望。塩崎厚労相も同日、この要望について「趣旨を十分理解する」との談話を出した。

 こうした状況を踏まえ、同機構の池田康夫理事長は13日、内科や外科など18の基本診療領域学会にコメントを送付。それによると、専門医の質を保証し、国民の期待に応えるため、「同機構の組織体制の充実や地域の医療関係者との協調は不可欠だが、研修プログラムに基づく専門医育成の仕組みを実現させることも非常に重要」とした。

 14日の会見で塩崎厚労相は、池田理事長がコメントの中で検討の場の設定について具体的に言及しなかったことに遺憾の意を示した。その上で、「一度立ち止まって、新たな検討の場における精査を踏まえて対応方針を判断するように求めたい」とした。

 塩崎厚労相はまた、患者や国民の視点を踏まえた新しい検討の場で、医師や研修医の地域偏在が深刻化しないかどうかの集中的な精査が行われるよう注視するとの考えも示した。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0614503807/
新しい専門医制度「混乱ないよう検討」...厚労相
yomiDr. | 2016.06.14 18:05(2016年6月14日 読売新聞)

 来春から開始予定の新たな専門医の仕組みについて、塩崎厚生労働相は14日、閣議後の記者会見で、「地域医療に混乱をもたらすのではないか、との懸念を払拭するために一度立ち止まり、集中的に検討したうえで判断するよう求めたい」との見解を示した。

 従来、専門医は学会ごとに認定してきたが、質のばらつきが指摘され、統一して認定する日本専門医機構が2014年に発足。治療実績のある病院で、専門医を養成する方向で準備が進んでいる。

 日本医師会や病院団体は、専門医を養成する大病院に医師が集中して、地域医療の現場が混乱する恐れがあるとして、開始の延期を求めている。



http://www.jiji.com/jc/article?k=2016061400797&g=soc
診療報酬19億円不適正請求=5年間で、「知識不足」-千葉県がんセンター
(2016/06/14-18:49) 時事通信

 千葉県がんセンター(千葉市中央区)と県は14日、不適正に請求していた診療報酬が2009年10月からの5年間で約19億円あったと発表した。保険適用外の手術を保険適用として請求したり、書類の記載不備があったりしたという。同センターを所管する県病院局は「診療報酬請求に関する知識が不足していた」と説明。故意の過大請求などはなかったとしている。不適正な報酬は今後、各保険者に返還する。
 同センターと県によると、不適正請求した件数は約22万4000件。このうち、約3万7000件について、保険適用外の腹腔(ふくくう)鏡手術を保険適用の開腹手術とするなど請求根拠がない不正な請求をし、約1億8000万円の報酬を得た。残りは、厚労省の定め通りに書類記載しないなど不当な請求だったと判断したという。 
 同センターでは08年以降、腹腔鏡手術を受けた患者が相次いで死亡する医療事故が発生。監査した厚生労働省が昨年4月、不正請求があったとして同センターと医師ら9人を戒告などの処分とし、過去の請求を調べるよう指導していた。



http://www.yomiuri.co.jp/local/ibaraki/news/20160614-OYTNT50272.html
神栖の2病院 再編案…検討委が3パターン
2016年06月15日 読売新聞 茨城

 ◆設置場所など課題

 神栖市にある神栖済生会病院と鹿島労災病院の再編統合案を、県医師会や市と県、両病院などからなる検討委員会がまとめた。県医師会の小松満会長が14日、橋本知事に報告書を提出した。新病院については〈1〉神栖済生会を増築〈2〉鹿島労災跡地に新築〈3〉別の場所に新築――の三つのパターンが示された。2020年度頃の開院を目指す。

 神栖済生会は14年度に約1億6500万円の赤字。鹿島労災は12年度以降、毎年度10億円以上の赤字を計上し、厳しい経営状況が続いている。報告書では、両病院は18年度頃までに統合し、済生会が運営するとされた。効率的な運営により経費を削減し、経営基盤を強化する狙いがある。

 神栖済生会は05年、鹿島労災は1981年の完成で、建物の古さなどから再編案が検討されたが、それぞれ旧神栖町、旧波崎町にあり、新病院の設置場所を巡って地域の反発も予想される。

 報告書を受け取った知事は「実施に移すのは困難も伴うので引き続き応援をお願いしたい」と述べた。小松会長は取材に対し、「医療施設は医療者が頑張っても、地域住民の協力や応援がないと成り立たない」と理解を求めた。

 鹿島労災は「直ちに統合されるわけではなく、当面は今まで通り診療を継続する」、神栖済生会は「若い医師が研修のために積極的に集まってもらえるような病院をつくり、地域医療の充実を目指したい」とのコメントを出した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432716
医学部の偏差値上昇、二つの理由 - 北村聖・医学教育国際研究センター教授に聞く◆Vol.1
「高齢でも仕事継続」「社会の変遷」

2016年6月14日 (火) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

 『週刊ダイヤモンド』6月18日号の第1特集は「医学部&医者」。同誌とのコラボ企画で、東京大学医学教育国際研究センター教授を務める北村聖氏にインタビューした。同特集では、過熱する医学部入試の現状などを伝えているが、優れた臨床医や研究医になるためには別の素養も必要。受験生が考える医師と、現場の医師あるいは大学教員が求める医学生、医師像の間にギャップはないのだろうか。最近の医学生の傾向に変化があるのか、大学側はどんな学生に入学してもらいたいと考えているのか……。東大の現状も踏まえつつ、北村氏にお聞きした(2016年5月31日にインタビュー。計4回の連載)。

――最近の医学部入試の偏差値は上昇傾向にあります。その理由は何だとお考えでしょうか。

 理系でも、理学部、工学部、農学部など他にもある中で、なぜ皆が医師になりたがるのか。なぜ親は子供に医師になることを進めるのか。私は主に二つの理由があると思います。

 確かに医師は、安定している職業。大企業に就職しても、最近の東芝やシャープ、東京電力などを見れば分かるように、安定はしていない。IT系企業も、当たれば一生遊んで暮らせるけれども、安定かと言えば微妙。公務員になれば、そこそこ安定はする。けれども、公務員人気が高まっているかと言えば、そうでもない。

北村聖氏は、「東大に入学して何をするのかではなく、東大に入ることが目的化した学生がいることが問題」と語る。

 私が、医学教育に携わるメンバーのある集まりで聞いたところでは、今の子供たちが医師を目指す一番の理由は安定ではなかった。似ているけれど、少し違う。ステータスでもなく、高収入だからという理由でもない。年収1000万円以下の医師もたくさんいます。研修医なら、500万円以下でしょう。

 そうではなく、「60歳や70歳を過ぎても、仕事を続けられる職業だから」が理由であり、これにはその場にいたメンバーの皆が納得しました。超高齢社会の中で、医師という職業は、理系の中で、安定的かつ働き続けられる魅力のある職業として捉えられているから、皆が医師を目指すのです。

 超高齢社会の今の日本で、老後に年金のみで生活ができるとは誰一人も思っていない。入れる老人ホームもなく、一人で野垂れ死にするのではないかなど、ものすごく自分の老後に不安を持っている。でも医師という職業は、少なくとも自分の体が元気でさえいれば、仕事があり、稼ぐことができます。

 逆に言えば、医学部入試の偏差値を下げるなら、将来にわたって働き続けられる職業が他に出てくる、あるいは年金のみでも安心して老後を暮らせる社会を作り上げることが必要。 “バブル”の時代はそうで、年金は保障されており、医師も人気だったけれど、他の職業にも多くが流れたわけです。

 医学部人気のもう一つは、社会の変遷。20世紀は科学の時代。原子力、土木、創薬をはじめ、科学のさまざまな分野が目に見えて発展し、その恩恵を受けた。

 ところが、21世紀になった今はどうか。「Windows 11が欲しい」とは思わない。AI(人工知能)は、すごいと思うけれど、AIに対しては期待よりもむしろ不安を抱く人が多いのでは?不安とは、脅かされる不安。人間の尊厳はどこにあるのか、という不安。記憶力では絶対にコンピューターに負ける。AIは、そこに思考力や判断力も持ってしまっている。人間は何をすればいいのか、となる。

 理系の中で、自らの知識や技術を発展させ、社会に恩恵をもたらすことができる職業は少ない。文系に至っては、文部科学省が人文社会科学系学部の再編をするよう求めている。法学部であっても、卒業してもなかなか司法試験は通らない。文系の中で、魅力のある職業がなかなか見当たりません。

 今の日本社会の中で魅力がある職業が少なくなったために、医学部人気が高まっているのだと思います。

――今、18歳の高校生が医学部に入学、医師になると、30~40年は仕事をします。その頃には、日本の人口減少が進み、医療へのニーズがどの程度あるのか、医師の需要は今後どうなるのかという懸念はあります。

 だから需給バランスを考え、今後は医学部の定員を減らさなければいけなくなるでしょう。私たちは歯科医を見ています。歯学部では定員割れの人が出てきて、よほど成績が悪くない限り、全員入学。でも国家試験が通らない現実がある。何回か試験を受ければ、いずれは通るかもしれない。しかし、患者となる子供は減り、虫歯治療の機会は減り、診るのは高齢者ばかり……。歯科医師を医師に置き換えて考えると、30年後は、高齢者が少なくなり、病院がガラガラになる。医療ニーズが無くなることはないですが、医師の数の問題はあります。

――では、医学部入試の偏差値が上昇する中、東大に入学する医学生の傾向に何か変化はあるのでしょうか。

 東大に限って言えば、あまり変わっていません。昔から変わった大学だから(笑)。東大に入学してくるのは、受験戦争の中の超勝者。多くの子は、成績もよく、偏差値が高いだけでなく、人間性にも優れていて、人を助けたいという気持ちで入ってくる。

 ただ問題なのは、中には、「東大に入って何をするのか」ではなく、東大に入ることが目的化した学生がいること。理三(東大医学部の前期課程に当たる理科三類)の中でも、いわゆる「燃え尽き」、入学したことで目標を達成した、「人生の勝者」と思っている学生がいます。理三に入学した時点で、親も「子供たちは幸せになれるんだ」と思っているふしがある。

 たぶん幸せになる確率は高いのでしょうが、医学教育を行う側から言うと、「よほどの覚悟がないと、この業界に入っていけない」と考えており、医学部に入学したことによる苦労も多い。

――東大医学部に入ることが目的化している親とその学生は増えている印象でしょうか。それとも昔から一定数いた、ということでしょうか。

 昔から一定数はいましたね。受験戦争という意味から言えば、全体で言えば今の方が緩いでしょう。ごく一部は厳しく、東大を目指すなら、大変だけれど、人数と定員のバランスから言えば、選ばなければ、どこかの大学には入学できる。医学部について言えば、偏差値が上がってきたのは、各大学が経営的に裕福になってきたから。入学金や寄付金を高額にしなくても、国家試験の合格率が高ければ、受験生が増え、入試の際の受験料で成り立つようになってきたからでしょう。



http://www.asahi.com/articles/ASJ6G3GXZJ6GUBQU00F.html
高リスク薬のネット販売、サイトの3割で不備 厚労省
竹野内崇宏
2016年6月14日12時16分 朝日新聞

 厚生労働省は、2年前に正式解禁されたインターネットでの市販薬(一般用医薬品)販売について、高リスク薬で法令で義務づけられている情報提供をしていないサイトが約3割にのぼったとの実態調査結果をまとめた。薬局などでも情報提供の不備があり、厚労省は指導を強める方針。

 副作用のリスクが比較的高い第1類の市販薬は、薬局での対面販売で薬剤師が書面を用いて説明するよう医薬品医療機器法で定められている。ネット販売でもメールや電話などによる薬剤師の情報提供が義務づけられている。

 調査は、厚労省が委託した民間会社の調査員が昨年10月~今年1月に516サイトで購入を試みた。

 第1類の販売時にサイトからメールなどで情報提供があったのは710(2014年度530)にとどまり、うち薬剤師が情報提供したと確認できたのは820、残りは不明だった。事前に年齢や症状などの状況を入力させている割合は900で、14年度の840より改善した。

 一方、薬局などの実店舗5005店も調べたところ、第1類販売時は900で情報提供があったが、法定の書面での説明は740(同710)にとどまった。

厚労省の担当者は「前年より改善された部分もあるが、依然、ルールが徹底されていない。自治体とも連携して改善を指導したい」としている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432830
シリーズ: 真価問われる専門医改革
日本専門医機構の新理事候補、来週にも決定か
選考開始、選考委員会委員長は中川・日医副会長

2016年6月14日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本専門医機構の「役員候補者選考委員会」の第1回会議が6月13日、東京都内で開催された。委員会は計10人で構成、同委員会の委員長は委員の互選により、日本医師会副会長の中川俊男氏が選任された。

 同機構の理事の任期は2年で、この6月末で現在の理事の任期が終了する。理事は計23~25人。早ければ来週に予定されている第2回会議で理事候補者が決まる見通し。その名簿を理事会に提示、その後、社員総会の決議によって理事を選任する。理事長および副理事長は、理事会の決議によって理事の中から選定する。

 13日の会議は非公開で、約1時間強にわたった。委員長の選任のほか、理事候補者の選考方法などについて議論。理事候補者は、投票ではなく、全会一致で決定することなどを確認した。

 理事の23~25人の内訳は、機構設立時およびそれに準じる社員(日本医学会連合、日本医師会、全国医学部長病院長会議、四病院団体協議会)から各2人、計8人、内科系社員学会と外科系社員学会から各3人、計6人、専門医育成に関係する団体(日本医療安全機構、医療研修推進財団)から各1人、計2人、学識経験者から7~9人。

 「役員候補者選考委員会」の選考委員は以下の通り。選考委員は、理事にはならない。2017年度開始予定だった新専門医制度は、見直しが迫られており、その議論の過程で、日本専門医機構のガバナンスが問題視されていた(『新専門医制度、機構や学会の対応「見守る」』などを参照)。いまだ来年度の専門医養成の在り方が決まらない中、新理事はガバナンス立て直しの重要な任務を担う。

「役員候補者選考委員会」の選考委員
日本医師推薦     中川俊男・日本医師会副会長
日本医学会連合推薦  寺本民生・日本医学会連合副会長
全国医学部長病院長会議 小川彰・全国医学部長病院長会議顧問
四病院団体協議会推薦 山崎 学・日本精神科病院協会会長
内科系社員学会推薦  小池和彦・日本内科学会前理事長、
           井田博幸・東京慈恵会医科大学小児科学講座教授
外科系社員学会推薦  嘉山孝正・日本脳神経外科学会理事長、
           島田眞路・日本皮膚科学会理事長
外部評価委員会推薦  跡見 裕・杏林大学学長、
           岩本 裕・NHKラジオセンターチーフ・プロデューサー



https://www.m3.com/news/iryoishin/433008
患者申出療養、ハードルは「時間」と「費用」
実施計画作成などの費用も患者から徴収可能

2016年6月14日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の患者申出療養評価会議(座長:福井次矢・聖路加国際病院院長)の第2回会議が6月13日に開催され、制度開始から2カ月あまりの患者申出療養の現状が報告されたほか、患者から申出があった場合の審議の進め方などについて議論した(資料は、厚労省のホームページ)。厚労省は、薬代などの実費のほか、患者申出療養のための実施計画の作成や治療開始後のモニタリングなどの費用も「社会的な妥当な範囲」で徴収できることを説明。なお、現時点ではまだ厚労省への患者申出療養の申出はない。

 患者申出療養の実施に当たっては、保険収載に向けた実施計画の作成が求められる。本会議の第1回会議では、実施計画作成し、患者が厚労省に対し申し出るまでに時間がかかり、「実施計画作成に半年から1年」との意見も出た(『患者申出療養、かかりつけ医が成功のカギ』を参照)。

 厚労省は、2016年度診療報酬改定の疑義解釈で、「当該患者に対する患者申出療養の実施に現に必要とされるもので、社会的にみて妥当適切な範囲のものであれば徴収することは可能。ただし、事前に患者に十分な説明を行い、患者の自由な選択に基づき、文書によりその同意を得る」と記載したことを説明。

 実施医療機関が研究費などを用いて、患者申出療養にかかる費用を負担することも想定されるが、患者に請求することも可能という意味だ。患者申出療養評価会議での審査では、実施計画のほか、患者に費用負担を求める場合には、その価格の妥当性についても検討する。患者申出療養として迅速に認められた場合でも、数百万円単位でかかる場合も想定され、「時間」と「費用」の二つが患者申出療養のハードルとなりそうだ。

 患者申出療養は、患者から相談を受けた、かかりつけ医から、臨床研究中核病院のほか、窓口機能を有する特定機能病院を紹介、相談が行く仕組み。窓口機能を有する特定機能病院は全国に63施設。残る21施設も設置予定。63施設の一覧は、厚労省が6月1日付でホームページに掲載した。

 厚労省は、患者相談を受け付ける施設間の情報共有、相談体制の標準化を図るために、「相談記入シート」を提出するよう依頼している。現時点では幾つか挙がっているものの、実際に患者申出療養の申出に至ったものはまだない。「相談記入シート」の内容は、制度に関する問い合わせほか、治療法についての相談があったという。

 迅速な審議目指し、二つの分科会設置

 13日は、患者申出療養評価会議に先立ち、患者申出療養技術審査の第1分科会と第2分科会が開催された。これらは患者から申出があった場合に、迅速な審査を行うために設置される。

 第一分科会の分科会長には福井氏、分科会長代理にはがん研究会有明病院院長の山口俊晴氏、第二分科会の分科会長には国立成育医療研究センター理事長の五十嵐隆氏、分科会長代理には国立病院機構名古屋医療センター院長の直江知樹氏がそれぞれ選任された。

 厚労省が新規の申出を受けた場合、患者申出療養評価会議の座長が患者申出療養評価会議、もしくは第一、第二分科会のいずれで審議するかを判断する。委員の日程調整が難しく、会議の速やかな招集が困難な場合には持ち回りによる開催も可能とする。患者申出療養は、申出から原則6週間以内に実施の可否を判断し、告示する。期間内に告示できない場合には、申出があった技術名と理由を公開し、審議の場を改めて座長が判断する。委員からは最初の数例は、審議の方法を検討し、標準化する意味から、分科会ではなく、患者申出療養評価会議の本体で審議すべきとの意見が挙がり、了承された。

 「先進医療、拡大治験の情報も提供を」

 全国がん患者団体連合会理事長の天野伸介氏は、患者申出療養の相談窓口一覧が、厚労省のホームページに掲載されたことを評価しつつも、さらに患者申出療養に関する情報を充実するよう求めた。今は病院名だけが掲載されている。各病院の具体的な相談窓口やその連絡先のほか、「制度の違いがあるにせよ、拡大治験や先進医療も、(未承認薬や適応外薬にアクセスする)重要なルート。患者がどのルートを選べばいいかを判断できるようにしてもらいたい」と述べ、拡大治験や先進医療の実施状況の掲載も要望。

 第2回会議では、第1回会議と同様、患者申出療養に至るまでの「時間」も話題になった。「目安としてどの程度かかるか」との質問に、厚労省保険局医療課は、「申請する技術の熟度によってだいぶ違うだろう。医療機関ごとの能力に差はないだろうが、(薬や技術の有効性や安全性が)どのくらい確立しているのか、先進医療で確立しているものに近いのかなどによって異なる」と回答。天野氏は、新規の治療に期待をかけている患者が、患者申出療養を選択するか否かの判断には、「予想される期間などを明示することが必要」と求めたが、「今、何カ月という期間を言うのは難しい。事例が積み重なって、どのくらいかかるかが分かってくれば、将来参考になるだろう」と答えるにとどまった。

 そのほか、患者申出療養の手続きの簡素化を求める意見も出た。国立循環器病研究センター医学倫理研究部倫理研究室室長の松井健志氏は、「臨床試験の一部として実施する以上、各医療機関で倫理審査を先行することになるが、患者申出療養評価会議で審査をするのであれば、各施設での倫理審査を省略することはできないのか」と述べたほか、既に先進医療で実施している治療法で、年齢制限で対象外の患者に実施する場合などは、臨床試験でなく通常の医療としての実施が可能かを質した。厚労省は、各病院の倫理審査委員会を通すのが原則であるなど、簡素化はせず、まずは規定のルール通りに実施する方針であると回答した。


  1. 2016/06/15(水) 05:49:56|
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