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6月10日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/431975
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、2017年度の全面実施見送りへ
学会認定で実施、日本専門医機構の関与は「学会次第」

2016年6月9日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)、成相通子(m3.com編集部)

 日本専門医機構は6月9日、2017年度からの新専門医制度は、同機構認定ではなく、学会認定で行う方針を固めた。新専門医制度は当初、日本専門医機構がイニシアティブを取り、第三者の立場で認定する仕組みを予定していたが、見送られる見通し。これは同日開催された同機構の専門研修プログラム研修施設評価・認定部門委員会/基本領域研修委員会の合同委員会で議論した結果だ。近く開催される同機構の理事会で、正式に決定する予定。

 新専門医制度をめぐっては、日本医師会と四病院団体協議会が懸念を表明、それを受け、塩崎恭久厚労相が談話を出すなど、2017年度からの実施か否かで揺れていた(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』、『塩崎厚労相、新専門医制度への「懸念」理解』を参照)。合同委員会と同じく9日に開催された厚生労働省の社会保障審議会医療部会でも、新専門医制度を議論したが、「延期」などの決定はせず、同機構と学会の検討に委ねるとされた。

 2017年度からの専門医養成をいかなる形で行うか、その検討のボールは基本診療領域の各学会に投げられたことになる。ただし、新たに基本診療領域に加わる予定の総合診療専門医については、「日本専門医機構が養成を行う」(同機構理事長の池田康夫氏)。

 各学会は、新しい専門研修プログラムを用いるか、従来通りの方針で専門医養成を行うか、日本専門医機構が準備している専攻医登録システムを利用するか否かなどの判断を迫られる。学会によって、態度が異なり、従来通りの方法でやる学会もあれば、同機構と協同しながら新専門医制度の「試行」と言えるような実施を予定している学会もある。

 日本内科学会の代表は、合同委員会の席上、新専門研修プログラムで実施するとし、「試行という形でぜひやりたいと思う。機構を無視してやることは考えていない」と発言。日本リハビリテーション医学会も、6月8日の理事会で「原則として、2017年度から予定通り新専門医制度の研修プログラムを開始する方針を確認した」と説明。

 一方、日本皮膚科学会理事長の島田眞路氏は、m3.comの取材に対し、「従来通りの方法でやることを、機関決定している。既に地域医療は崩壊しており、新旧どちらの制度でやっても相違はない」と答えた。日本脳神経外科学会理事長の嘉山孝正氏も、取材に対し、現行の方法で実施する方針と回答。新専門研修プログラムは、基幹病院と連携病院が協力して専門医養成に取り組む「プログラム制」が特徴。脳神経外科学会は現行制度でも「プログラム制」で実施しており、質を担保した専門医養成が可能な上、地域医療への影響も問題ないと判断している。

 そのほかの学会の多くは、新専門研修プログラムの準備を進めているため、新旧両制度での実施が可能としつつ、理事会での決定をしていないとし、合同委員会では態度を保留した。

 もっとも、いまだ流動的な部分は多い。最大の問題は、日本専門医機構の役員体制だ。理事長・理事の任期はこの6月末で切れるため、役員候補者選考委員会が近く開催され、役員候補を選び、理事会と社員総会を経て最終決定する。新専門医制度は「全面実施」ではないものの、試行的に進める学会もあるため、同機構のガバナンスの問題が指摘される中、その立て直しが不可欠だ。

 地域医療への影響が排除できるかという問題も残る。新専門医制度については、都市部、あるいは大学病院をはじめとする大病院に専攻医が集中する懸念が呈せられ、専攻医の募集定員に上限を設けることも検討された。しかし、専門研修プログラム研修施設評価・認定部門委員会の委員長を務める四宮謙一氏によると、「学会に委ねる形になるので、定員調整する権限は我々にはない」という。副理事長の小西郁生氏も、「ある程度のところまで調整してきたので、後は学会に任せることでいいのではないか」とコメント。

 日本専門医機構は、この6月から専門医取得を目指す専攻医全員の登録を開始、7月15日から専門研修プログラムの閲覧を可能にし、8月15日から1次募集に応募というスケジュールを予定していた。この専攻医登録や、専門研修プログラムの公開などを、各学会単独で行うか、機構と並行して行うかなどは未定。四宮氏は、専攻医の混乱を避けるためにも、全領域の専門研修プログラム一覧を同機構のホームページで掲載したいとし、7月1日頃からの開始を目指すが、足並みや準備が整うかは未定。

 専門研修プログラムを運営する基幹病院に対しては、領域ごとに認定料10万円を日本専門医機構が徴収する予定だった。同機構は、領域別専門研修プログラム整備基準の作成などを学会と一緒に取り組んできたものの、少なくとも現時点では、機構認定という形を取らないため、認定料の扱いも今後の検討課題だ。専門研修プログラムについては、基幹病院に赴き、実施状況などを確認する「サイトビジット」も行う予定だった。この点については、「サイトビジットは、研修プログラムとは表裏一体。第三者でないと評価できないので、これは機構に任せてもらいたい。比較的強いお願い」と四宮氏は述べ、2、3年後からは実施したい意向だ。

 さらに仮に2018年度以降に、日本専門医機構認定による専門医がスタートすると決まった場合の扱いも問題になる。四宮氏は、既に2017年度から新専門研修プログラムで研修を受けている専攻医については、研修修了の時点で、学会認定ではなく、同機構認定の専門医になるとの見通しを示したが、この辺りも検討課題だ。

 専門医の単位取得で総会混乱
 9日の合同委員会の冒頭、小西副理事長は、昨今の新専門医制度をめぐる動きを説明、その上で、同機構が発足した約2年前を振り返り、「18の違う文化の学会が集まり、無理かと思ったが、一つの理念と目的に向かって、よくここまで来たと感慨深い。この2年間、議論を積み上げてきたプロダクトは大きい。それが無になることはないと確信している」とあいさつ。既に「機構と協力しながら、学会が自由度を持ってやる」という方針を固めていると説明。その後、各学会(基本診療領域)代表の方針を聞く形で、合同委員会は進んだ。

 日本小児科学会は、「2年半かけて準備してきた。会内でも議論して制度を作り上げてきた」と述べ、新専門研修プログラムを開始するのは可能とした。「延期となっても、新しいプログラムでやりたいと思う」(日本整形外科学会)、「状況が刻々と変化しているが、時間をかけて、整備基準とプログラムを練ってきたので、再度理事会の承認を取る必要があるが、来年度からの実施は可能」(日本産科婦人科学会)など、新専門研修プログラムの実施を表明する学会が幾つかあったが、医師不足の折から、より多くの専攻医募集を期待する声も上がった。

 日本泌尿器科学会からは、「早期から機構の制度に乗ると言っている」との説明があった上で、専門医単位の取得の仕方がかなり変わるため、4月に開催された総会では単位が取得できるプログラムに会員が殺到して、混乱した状況が紹介された。

 日本外科学会は、「専門研修プログラムの作成に当たっては地域医療にこれまでも配慮してきた」と断りつつ、来週に同学会の理事会等が予定されていることから、そこで決定すると説明。

 日本麻酔科学会は、「プログラム制で2年前からやっている。それを多少モディファイしてやるのは可能。今後、理事会で決定する」と説明しつつ、4つの懸念があるとした。定員設定の問題、専攻医への宣伝やリクルートの開始時期、専攻医の登録料、募集の仕組みだ。新専門医制度では、1次募集を行い、不合格者に対し2次、3次募集を行う流れが想定されている。4つの点について、明確にし、柔軟的運用が可能になることが必要だとした。

 「専攻医登録システムの利用を」
 2017年度からの専門医養成の在り方は、各学会に委ねられたわけだが、池田理事長は、「各学会が真摯に専門研修プログラムを作ってきた。これからの若い医師をどのように育てるのか、学会が果たす役割は大きい。学会独自で見識に則って運営してもらいたい」と述べ、機構が専攻医登録システムを構築中で、6月中には完成予定であることから、「機構はプラットフォームを用意しているので、できれば利用してほしい」と求めた。

  合同委員会では、各基幹病院は、専門医取得を目指す医師向けの見学会や説明会を開催したくても、できない状況にあるとし、「学会に委ねるのであれば、こうしたことは全て解禁してもらいたい」と求める声も上がった。小西副理事長は、例えば7月1日など、各学会に任せるのではなく、専門研修プログラムの公表の解禁時期くらいは合わせてもいいのではないかと答えた。



https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/06/10/131851880
医師確保へ向けて市立病院が協議会
6月10日大分合同新聞夕刊

 過疎地の地域包括ケアに取り組んでいる国東、杵築、豊後大野の3市と各市立病院が「へき地公立病院地域医療・地域包括ケア研究協議会」を設立。キックオフミーティングが7日、大分市の県市町村会館であった。初年度は3市の現状を分析しながら問題点を洗い出していくことを決めた。
 3市は、医師を確保する苦労や市立病院を拠点に地域医療を支えるといった共通点があることから、合同で課題解決に当たろうと協議会を設立。研究・人材育成面は大分大医学部付属地域医療学センターが担う。
 初年度は地域ごとに医療や介護の実態を把握するとともに、ベッドや介護施設、開業医の数や在宅医療のニーズなどをまとめる。また、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、人材がどう不足するかを算出して対策を検討する。
 実践面では、3病院を同センターの医師が定期的に巡回し、若手医師を指導するなどして、地域包括ケアを担う人材育成に努める。協議会の自主事業として、市民らを対象にした講演会も開催していく。
 協議会長になった籾井真二国東市民病院長は「地域包括ケアを進めるには医師の確保が欠かせない。医師が都市部に偏在しないよう対策を考えていきたい」と話している。



http://www.medwatch.jp/?p=9192
専門医のあり方、永井医療部会長は「学会などの動きをしばらく見守る」姿勢―社保審・医療部会
2016年6月10日|医療・介護行政をウォッチ

 専門医制度のあり方について、日本医師会と四病院団体協議会から要望が出されているが、プロフェッショナルオートノミーを尊重し、社会保障審議会の医療部会として現時点で特段の意見表明は行わない―。

 9日に開かれた社会保障審議会・医療部会では、一部委員から「これまでどおりの方法で専門医を養成すべき」との意見を部会として表明すべきとの意見が出されましたが、永井良三部会長(自治医科大学学長)は、上記のような判断をしています。

ここがポイント!
1  日医・四病協から「幅広い関係者を交えた『検討の場』を設置」することなど要望
2  医療部会の過度の干渉は、プロフェッショナルオートノミーに反する

日医・四病協から「幅広い関係者を交えた『検討の場』を設置」することなど要望

 公正・中立な第三者機関(日本専門医機構)で、専門医の認定と養成プログラムの認証を統一的に行うことで、より質の高い医療提供を実現することを目指し、来年(2017年)4月から新専門医制度がスタートする予定です。

 しかし、医療現場からは「養成プログラム案では、専門医養成施設が大病院に限定されるなど、地域の医師偏在を助長する恐れがある」との指摘が相次ぎ、来年度の専門医養成をどのような形で進めるのか混沌とした状況が続いています。

 そうした中、日本医師会と四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)は7日に、新たな専門医の仕組みについて「地域医療の現場に大きな混乱をもたらす」との懸念を改めて表明師、次のような要望を日本専門医機構と学会(専門医養成プログラムを作成)に宛てて行いました。

▽一度立ち止まり、専門医を目指す医師の意見を聞くとともに、「地域医療」「公衆衛生」「地方自治」「患者・国民」の代表による幅広い視点も大幅に加えた『検討の場』を設けて、その検討結果を尊重すること(その際も、プロフェッショナルオートノミーを尊重すべき)

▽『検討の場』において医師偏在が深刻化しないか集中的に精査し、懸念が残るプログラムについては2017年度からの開始を延期し、現行の学会専門医の仕組みを維持すること

▽プログラムや病院群について、都道府県・医師会・大学・病院団体などの関係者が協議・連携し、都道府県の協議会で了解を得ること

▽日本専門医機構のガバナンスシステム、組織のあり方を抜本的に見直すこと

▽医師の「多様な働き方」に十分配慮し、専門医の取得・更新に当たり過度な負担をかけないこと

▽総合診療専門医、サブスペシャリティの議論はそれぞれ時間をかけて行うこと

 

 またこの要望に対して、塩崎恭久厚生労働大臣は▽要望の趣旨は理解できる▽日本専門医機構や学会が、要望などを受け止め、一層の取り組みを行うことを期待する―旨の談話を同日に発表しています。

医療部会の過度の干渉は、プロフェッショナルオートノミーに反する

 9日の医療部会では、中川俊男委員(日本医師会副会長)から要望内容が報告され、これも踏まえて専門医のあり方に関する議論が行われました。

 釜萢敏委員(日本医師会常任理事)は、各学会が『うちは旧制度』『うちは新制度』という具合に、独自に専門医認定を行えば大きな混乱が生じると指摘し、「医療部会として『従来の手法で専門医養成を行うべき』と宣言してはどうか」と提案。

 加納繁照構成員(日本医療法人協会会長)や西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も「「立ち止まって考えることが重要である」旨を強調し、釜萢委員案と同じく「延期」を要望しました。

 しかし、尾形裕也委員(東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)は、「要望の宛先である日本専門医機構らが返答をする前に医療部会が意見を表明するというのは順序が違う」と指摘。

 永井部会長も「要望の中でもプロフェッショナルオートノミーの尊重が謳われており、保険者など幅広い委員が参画する医療部会が関与しすぎるのは問題ではないか」との懸念を表明。さらに、「要望の中にある『検討の場』の議論や、各学会の意向を伺う必要があり、それまで医療部会は『見守る』ことに止めたい」との結論を導きました。

 なお、『検討の場』について中川委員は、「日本専門医機構のガバナンスと人事体制を刷新し、その上で機構の中に設置してもらう」旨の考えも述べています。

 ところで医療部会の下には、「専門医養成の在り方に関する専門委員会」が設置されており、5月30日には「各学会の意向を確認した上で、医師偏在が進まないように、過去の採用実績に基づいて診療領域別・都道府県別・プログラム別に専攻医(専門医を目指す医師)の定員枠を設定してはどうか」との提案が厚労省からなされています(関連記事はこちら)。しかし、9日の医療部会で永井部会長が「検討の場の議論などを見守る」ことを明確にしたことから、専門委員会の議論も「一度、立ち止まる」ことになる可能性があります。



https://www.m3.com/news/iryoishin/432155
シリーズ: 始動する“医療事故調”
“事故調”の見直し、6月下旬にも省令改正へ
「支援団体等連絡協議会」設置、医師法21条は改正せず

2016年6月10日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省は、6月9日に開かれた社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)の会議で、2015年10月から開始した医療事故調査制度について、支援団体や医療事故調査・支援センターが情報や意見を交換する場として、「支援団体等連絡協議会(仮称)」を制度的に位置付けるほか、同センターは、遺族等からの相談内容を医療機関に伝達する枠組みを設けるなどの改善措置を講じる方針を明らかにした。改善措置は計5項目で、そのための省令改正案についてはパブリックコメントを求め、通知と合わせ6月下旬に出す予定(資料は、 厚労省のホームページ)。

 医療事故調査制度は、2014年6月25日に公布された医療介護総合確保推進法の附則で、医療事故調査・支援センターへの報告状況などについて検討を加え、「2年以内」に法制上その他必要な措置を検討することになっていた。今回の改善措置はこれを受けた対応。異状死体の届出を定めた医師法21条、医療行為と刑事責任との関係などについては、厚労省は、「関係者の間に、さまざまな意見がある状況であり、6月24日の期限までは法改正を行うことはできない」としている。

 改善措置は、(1)「支援団体等連絡協議会(仮称)」を制度的に位置付け、中央レベルと地方(各都道府県)レベルで連携、(2)院内での死亡事例を遺漏なく把握できる体制を確保しなければならないことを明確化、(3)医療事故調査・支援センターは、遺族等から相談があった場合、医療安全支援センターを紹介、遺族等からの求めに応じて、相談内容等を医療機関に伝達することを明確化、(4)支援団体や医療機関に対する研修の充実、優良事例の共有、(5)再発防止策の検討に資するため、医療機関の同意を得て、必要に応じて、医療事故調査・支援センターから院内調査報告書の内容に関する確認・照会等を行うことを明確化――の5項目だ。省令改正の対象となるのは、(1)と(2)。

 厚労省医政局総務課医療安全推進室長の平子哲夫氏は、(1)の「支援団体等連絡協議会(仮称)」を制度的に位置付ける意味について、制度の運用ガイドラインが複数出ていて、「内容が違うという指摘がある」などの現状を紹介、医療事故に該当するかの判断や院内調査法などの標準化を進めることが狙いであるとした。

 医療事故調査制度の自民党の「医療事故調査制度等の見直し等に関するワーキングチーム」で検討されてきた。6月9日付で、自民党政務調査会などとの連名で「医療事故調査制度等に関する見直しについて」を公表している。今回の改善措置は、その結果を踏まえて決定された。

 見直しのプロセスに疑義、「検討の場を」
 医療部会では、5項目の改善措置については異論は出なかったものの、ここに至る議論のプロセスを問題視する声が上がった。

 全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、法の附則で、「検討を加え」となっていると指摘。本制度のスタート時、厚労省の検討会で議論し、省令や通知を作った経緯があることから、「当然、医療部会などで議論すると考えていたが、今回は自民党の検討を踏まえ、そのまま見直しに至ったのは残念」と述べ、検討の場の設置を求めた。

 平子氏は、「今回の改善措置は、現行制度の範囲内であり、各方面から寄せられた意見、与党の意見を踏まえて、実施するもの。与党での議論の過程でも、関係団体や患者などからもヒアリングを行い、それらを踏まえてこの提言になったと考えている」と説明。厚労省医政局総務課長の中村博治氏も、附則は自民党の検討の中で盛り込まれたものであり、今回も自民党内で検討の場を設けることになったと補足説明。6月24日の期限が迫っていることもあり、今回の対応になったとした。

 これらの回答に対し、西澤氏は、「もう少し議論すべきではなかったのか」と述べ、改善措置で規制的な色合いが強まると、院内調査を基本とした医療機関が主体的な取り組みで進めるという制度の根幹が崩れるとし、改めて検討の場の設置を求めた。

「医療安全支援センターは機能するのか」
 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、西澤氏と同様に見直しのプロセスを問題視した上で、前述の(3)の遺族から相談があった場合の対応について、「医療安全支援センターに何を期待しているのか」「どんな場合に医療機関に相談内容を伝達するのか」と質問。

 平子氏は、「都道府県が設置する医療安全支援センターは、幅広い相談を受け付けているとし、医療事故調査・支援センターは全国に1カ所であり、地域のことが分かっている医療安全支援センターに紹介した方が適切だと考えている。医療安全支援センターには、医療事故調査制度の報告対象に該当するか否かに関わらず、必要に応じて対応してもらいたい。医療機関に対しても情報提供する役割を期待する」と説明。医療事故調査・支援センターから、医療機関に相談内容を伝達するケースとしては、遺族から「医療事故かどうかを判断してもらいたい」という相談があった場合を挙げた。「センターは判断できない。センターの内部にとどめるのではなく、きちんとフィードバックする。あくまで相談内容の伝達にとどまり、指導や助言をするわけではない」(平子氏)。

 山口氏は、「医療安全支援センターには権限があるわけでなく、紹介を受けても、機能するかどうかは不明」と指摘、医療機関が報告対象の医療事故に該当するかどうかを判断するところに問題があるとし、制度の解釈が医療機関によって相違があることから、この辺りの対応を求めた。



http://www.asahi.com/articles/ASJ6B3H1LJ6BUBQU00F.html
魚沼基幹病院、初の決算は12億円の赤字
2016年6月10日10時40分 朝日新聞

2015年6月に開院した魚沼基幹病院(新潟県南魚沼市)の初めての決算(15年度)が8日、発表になった。経常損益は約12億2千万円の赤字となった。この日、新潟市内で開かれた県地域医療推進機構の理事会で示され、承認された。

 当初計画では、9病棟のうち7病棟(ベッド数354床)の稼働で、約9億6千万円の赤字を見込んでいた。だが、予想を上回る数の救急患者らが診療に訪れ、看護師を対応に回したため、実際には6病棟(308床)の稼働にとどまった。この稼働病床数の減少分などが、赤字幅を大きくした一因となった。赤字分は金融機関からの借り入れでまかなった。

 一方で、手術件数(内視鏡などを含む)は16年3月までに計5938件に達した。地域の救急搬送では開院前は約10%が長岡圏域へ行っていたが、開院後は約2%に減り、高度医療を担う成果が出ているとした。

 同病院は今後、看護師の確保に努め、7病棟目の稼働を目指していく。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/list/201606/CK2016061002000159.html
【埼玉】
済生会栗橋病院 加須市が一部誘致へ

2016年6月10日 東京新聞

 加須市の大橋良一市長は九日の記者会見で、隣接する久喜市の済生会栗橋病院(遠藤康弘院長、病床数三百二十九床)の一部機能を誘致する考えを明らかにした。加須市は建設費の助成など財政支援に向け、医療体制確保基金をつくり、二十五億円を積み立てる。
 済生会栗橋病院は一九八九年に開設された地域医療の中核病院。久喜市民だけでなく、加須市民も年間延べ約七万人(二〇一四年度実績)が利用している。
 加須市によると、同病院は築約三十年で老朽化が進んでいることを理由に一部機能の移転を検討。これを受け市は一月に市内への移転要望書を同病院に提出し、三月には用地確保などに関する覚書を交わした。
 移転の規模や時期など詳細は未定だが、重篤な患者に対応する急性期医療機能などの移転が想定される。建設候補地は東武伊勢崎線加須駅南口から徒歩五~十分圏。市は当面は約四万平方メートルの敷地確保を目指し、地権者と交渉中だ。
 一方、久喜市は開設時の用地取得費用やその後の借地料など計約六億八千六百万円の財政支援をしてきており、容易には移転を認められない立場。病院側はこれまで一部移転に関して田中暄二市長に説明してきたが、田中市長は移転反対の考えを示している。(中西公一)



https://www.m3.com/news/iryoishin/432165?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160610&dcf_doctor=true&mc.l=162078442&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 真価問われる専門医改革
新専門医制度、機構や学会の対応「見守る」
「プロフェッショナルオートノミー」が厚労相談話の趣旨

2016年6月10日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の社会保障審議会医療部会(部会長:永井良三・自治医科大学学長)は6月9日の会議で、新専門医制度について議論、「2017年度からの開始」を延期するよう同部会で取りまとめを行うべきとの意見が出たが、永井部会長は、塩崎恭久厚労相の「談話」を引用に、「あくまでプロフェッショナルオートノミーで実施すべき」とし、医療部会が立ち入りすぎることに懸念を呈し、取りまとめは見送られた。まずは日本専門医機構や各学会の検討や対応を見守るのが、永井部会長の考え。

 同日開催された日本専門医機構の会議では、2017年度から同機構が第三者の立場で認定する新専門医制度は開始せず、学会認定の形で進める方針を固めた(『新専門医制度、2017年度の全面実施見送りへ』を参照)。現行通りの方法で専門医養成に取り組むのか、2017年度からの開始に向け準備してきた新専門研修プログラムを用いて行うかなどの判断は、基本領域の各学会に委ねられた。

 日医と四病協は、6月7日に記者会見を開き「新たな専門医の仕組みへの懸念について」を表明、それを受け、塩崎厚労相は、「談話」を公表していた(『「学会専門医の維持を」、日医・四病協緊急会見』、『塩崎厚労相、新専門医制度への「懸念」理解』を参照)。

 日医、機構を支援する用意あり
 9日の医療部会ではまず、中川氏が、「新たな専門医の仕組みへの懸念について」では、地域医療に影響する不安と、日本専門医機構のガバナンスに問題があることなどから、「一度立ち止まって、早急に検討する場を設け、特に指導医を含む医師および研修医の偏在の深刻化が起こらないかどうか集中的な精査を早急に行う」、「日本専門医機構の運営の在り方を抜本的に見直す」などを求めていると説明した(資料は、 厚労省のホームページ)。

 中川氏は、「集中的な精査は、18の基本領域の診療科の全てにおいて行うべき。『うちの学会は大丈夫』という学会もあるが、現場の声が乖離している場合もある。各学会は、アンケートなどを行い、会員の意見を聞き、早急に実態を把握すべき」と求めた。

 NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子氏は、日本専門医機構のガバナンスについて、「何をどう改善すべきかが具体的に分からないので、脆弱になっているのではないか」と指摘。その上で、「経験を積んだいろいろな団体があり、機構をサポートすることができないのか」と投げかけた。

 中川氏はこれを受け、「日医としては、要望があればいくらでも支援したいと考えている」と応えた。

 「2年目の研修医、大変不安」
 専門医を目指す若手医師の立場から発言したのが、日本赤十字社医療センター第二産婦人科部長の木戸道子氏。「2年目の研修医が、大変不安を抱いている。どんな専門医を養成しようとしているのか、サブスペシャルティなどについての情報もない」などと述べ、全ての学会が、初期研修医に情報を提供し、研修医たちが安心して専門研修プログラムを選べる体制を作ることが大事であり、そのためにはある程度の時間が必要だとした。

 日本専門医機構のガバナンスについて発言したのが、日本精神科病院協会会長の山崎学氏。塩崎厚労相の「談話」に触れ、「大臣は懸念を示しているが、機構は、『大臣に褒められた』と受け止めている。自分たちがやっていることは正しいと考えており、そこに齟齬がある」とコメント。根拠として、「談話」にある「今日まで新たな仕組みの実施に向け、日本専門医機構や各学会は大変なご努力をされてきたものと認識しています」などの部分のみを取り出し、下線を引いた資料が出回っていることを挙げた。

 塩崎厚労相「談話」の趣旨は?
 全国知事会(奈良県知事)の荒井正吾氏からは、「大臣がこのように談話するのは珍しい」と指摘。同時に「どんな論点があるか、整理するのが第一ではないか。そうでないと、医師同士が言い争っているように感じる」とも付け加えた。「これまでの(学会による)自主認定から、(日本専門医機構による)公的な認定にすべきかどうかを議論している。しかし、(談話では)『プロフェッショナルオートノミーの理念の下』となっている。中身をもう少し落ち着いて考えなければいないのではないか」(荒井氏)。

 厚労省医政局の神田裕二氏は、塩崎厚労相の「談話」は、日医と四病協からの懸念が、日本専門医機構と各学会に対し出されたことを受けたものであると説明。要望書に盛り込まれている、地域医療への影響などについての懸念は理解し、同機構と各学会に対し、幅広い要望や意見を真摯に受け止め一層の取り組みを期待する内容であるとした。同時に、「基本的には、プロフェッショナルオートノミーであり、行政が直接的に介入することは避けるべきというのが、基本認識」であるとも説明。今年2月18日に、社保審医療部会で新専門医制度への懸念が呈せられたことから、関係者による意見交換、調整の場として「専門医養成の在り方に関する専門委員会」を設置した経緯を説明した(『新専門医制度、「調整の労は取る」と厚労省』を参照)。「国民のニーズに応える医師養成に向けて、医療関係者、日本専門医機構、各学会がお互いの立場を超えて協力してもらいたいというのが、談話の趣旨」(神田局長)。

 機構、学会の対応を「見守る」では不十分
 日本医師会常任理事の釜萢敏氏は、「専門医養成の在り方に関する専門委員会」の委員長も務める永井氏の思案で、都市部や大規模病院に医師が偏在するのを避けるため、専攻医の募集定員設定を提案していることについて、その方法論や進め方について議論はされていないとし、「しっかりと議論し、新たな仕組みができるまでは、従来の学会のやり方で専攻医の養成をやってもらいたい」と述べ、この点について医療部会として合意を得て、アナウンスするよう要望。

 これに対し、永井部会長は、まずは日本専門医機構や各学会における検討などを「とりあえず見守りたい」と答えた。中川氏は納得せず、「日本専門医機構は、この6月に新たな執行体制になる。この医療部会で一定の結論をまとめ、その結果に基づいて次の行動を起こしてもらうようにすべき。『見守る』では不十分。来年4月のスタートありきではなく、(各学会の)18の従来のシステムを当面続けてもらうのは、あまり無理な話ではないだろう」と返した。

 けれども、永井氏は、「大臣が、プロフェッショナルオートノミーの理念の下で、と言っている」と述べ、本医療部会が入りすぎることに懸念を呈した。永井氏は、「専門医養成の在り方に関する専門委員会」で専攻医について募集定員を設定するなど、地域医療に配慮した制度設計にするための「私案」を出していた(『新専門医制度、永井委員長が“私案”で改善提案 』を参照)。大臣の「談話」を受け、いったん「私案」を取り下げたと受け取れる。

 中川氏は、「専門医の質にばらつきに問題がある」のは、基本領域ではなく、サブスペシャルティの問題であるにもかかわらず、まず基本領域から新専門医制度を立ち上げようとしている点に触れ、「従来型のシステムを当面動かしたらどうか」と重ねて提案。現時点で基本領域とサブスペシャルティの関係は決まっていない。

 日本医療法人協会会長の加納繁照氏や全日本病院協会会長の西澤寛俊氏は、中川氏の発言を支持。

 一律の延期ではなく、「4月からスタートできるところはスタートし、できないところは遅らせればいい。『全部止まれ』とは言えない」と発言したのは荒井氏。

 一方で、全国町村会(山形県山辺町長)の遠藤直幸氏からは、「従来のまま踏襲するとなると、全く前に戻ってしまうのではないか。やれるものについてはやってもらいたい」と述べ、地域医療の視点から、総合診療専門医については実施を求めた。

 東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也氏は、永井氏の意見を支持。「要望書を出している相手(日本専門医機構と各学会)から何も返事がないのに、医療部会が何かを言うのは順番が違うのではないか」とコメント。

 国立病院機構理事長の楠岡英雄氏は、当初の予定ではこの6月から専攻医登録を開始することになっており、いまだ先行きが見えない中で、約8000人の2年目の研修医がどう判断すればいいか戸惑っている現状があるとし、延期の是非には触れなかったものの、「現場の研修医に対して、何らかのメッセージを出してもらいたい」と求めた。

 さまざまな意見、やり取りがあったが、その合間に、永井部会長は、「まず新しい場で議論することが、スタートではないか。まずそちらに投げて様子を見守りたい」「要望書で、『集中的な精査』と提案してもらっているので、至急やってもらいたい」「まさにプロフェッショナルオートノミーで議論して、できるものから始めてもらいたい」などの発言を繰り返した。



https://www.m3.com/news/general/432168
「点滴切られ寝たきりに」 順天堂大病院で入院女性
2016年6月10日 (金) 共同通信社

 順天堂大病院(東京)の心臓血管外科に入院していた女性(74)=岩手県在住=の家族が9日、厚生労働省で記者会見し、昨年6月に点滴装置の電源が切られて強心剤の投与が数十分間停止し、女性は現在もほぼ寝たきり状態になっていると明らかにした。

 投与されていたのは「ドブタミン」と呼ばれる強心剤で、持続的投与が欠かせず中断されることは通常はないと説明。「病院は点滴の電源を切ったことは認めており、過失は明らかだ」として損害賠償請求訴訟を起こす方針を示した。業務上過失傷害容疑での刑事告発も検討するという。

 家族側によると、女性は宮城県の病院でうっ血性心不全や弁膜症と診断され、昨年4月に順天堂大病院に入院。心臓血管外科で手術を受ける予定だったが、感染症のために延期されていた。

 6月17日に強心剤を投与されていた際、「苦しい、息ができない」と訴えているのに長男が気付き、駆け付けた医師が点滴装置の電源が切れているのを確認。病院側は「強心剤の残量が少なくなっているのに気付いていた看護師が、交換の間にアラームが鳴らないようにするため電源を切った」と説明したという。

 女性はショック状態に陥り、心機能がさらに低下。その後、別の病院に転院した。順天堂大病院の医師1人がこれまでに2回、経緯などを口頭で家族に説明したという。

 同病院は高度な医療を提供する特定機能病院。立ち入り権限のある厚労省と東京都は昨年7月に報告を受けたとする一方、「立ち入り検査の有無などについては答えられない」としている。順天堂大病院はこの問題について記者会見などは開いておらず、9日も取材に応じなかった。


  1. 2016/06/11(土) 06:27:47|
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