Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

6月3日 

https://www.m3.com/news/general/429910
新生児治療、年内に再開 熊本市民病院
2016年6月2日 (木) 共同通信社

 熊本市の大西一史(おおにし・かずふみ)市長は1日の記者会見で、地震で建物が損傷した熊本市民病院で、年内にも入院が必要な新生児の治療を再開すると明らかにした。地震により入院していた新生児は全員県内外の病院に転院していた。

 市によると、病院内に3棟ある建物のうち唯一使用できる管理棟の一部フロアを改修、新生児集中治療室(NICU)を9床設置する。地震前まで、熊本県内に48床あるNICUのうち18床を担っており、再開を望む声が出ていた。

 同病院は現在、外来患者の診療のみ受け付けており、2018年度中に別の場所に再建する予定。



http://www.huffingtonpost.jp/masahiro-kami/kumamoto-earthquake-correspond_b_10253534.html
熊本地震の医療支援で生かされた「東日本大震災の教訓」とは
上昌広
特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所 理事長
2016年06月02日 19時53分 JST

ご縁があって、熊本地震の被災者救済のお手伝いをした。

きっかけは4月16日16時38分に、当研究所のスタッフである児玉有子氏のfacebookを見たことだ。そこには、田尻哲也医師の「お願いです。誰か水を汲み上げるポンプを持ってませんか?自衛隊からの供給された水を貯水槽にバケツリレーしてます。(中略)血液透析に使用します。」というコメントがシェアされていた。

児玉氏は久留米大出身。在学中はラグビー部のマネージャーを務めた。ラグビー部の先輩である坂田清彦医師のfacebookを見て、熊本市内の透析専門病院に勤務している田尻氏のことを知った。田尻氏も久留米大学卒。同窓の苦境をみて、何とかしたいと思ったようだ。

16日18時48分、私は、この話を実際に動いてくれそうな知人にメールやLINEで伝えた。その後、児玉氏から入ってくる情報も、逐次、提供した。

21時30分、塩崎恭久・厚労大臣のスタッフから「具体的な病院名を教えて欲しい」と連絡があった。私は、児玉氏からの情報をそのまま伝えた。

さらに23時頃、田尻氏のクリニックではポンプだけでなく水の確保が困難になっていると報告があったので、それも伝えた。

翌17日9時14分、児玉氏経由で「自衛隊から1tの水が給水された」と報告を受けた。しかし、17日の透析に対応できるだけの水は確保出来ず、患者は他院に送った。

さらに週明けの18日からの毎日150人の患者の透析治療を継続するには、17日中に最低20tの水が必要だった。私は、この旨を塩崎氏のスタッフに伝えた。対応は迅速だった。その日中に15t、翌日に40t、翌々日に20tの水が補給された。そして、無事に透析治療を継続することができた。

ちなみに、東京都の幹部にもサポートを依頼したが、返事は「担当者に指示したら、熊本県から要請があれば動きますとのことでした。」だった。知人は「これだとダメなんでしょう」と苦笑いした。

厚労省と東京都の対応は対照的だ。なぜ、厚労省はうまくいったのだろうか。

私は塩崎氏のリーダーシップが大きいと思う。彼が関係各所に働きかけた。安倍総理は閣議で、透析のことを指して「設備の都合でなくなる人は一人も出すな」と指示している。

では、塩崎氏は、なぜ、動けたのだろうか。東日本大震災の経験が効いている。

東日本大震災の教訓は、災害時にまず破綻するのは透析医療であることだ。毎日、大量の水を使うため、断水すれば、数日で底をつく。交通インフラが遮断され、周辺からのサポートも期待できない。塩崎氏のスタッフは、このことを知っていた。

ところが、透析を行う医療機関の多くが民間の中小病院だ。政府・県・市町村という官の指示系統から漏れやすい。わが国の災害医療対策は、公立の急性期病院を中心に制度設計されている。透析患者を救うのは、別のルートでの対応が必要だ。

どうすれば、別ルートで動けるのだろう。残念ながら、共通解はない。臨機応変に対応するしかない。問われるのは地域の総合力だ。この点で熊本は恵まれていた。

まず、医師や看護師が多い。人口10万人あたりの医師数は287人(全国平均245人)、看護師数は1189人(同855人)だ。

医学部も多い。熊本大学は勿論、約60キロ北には久留米大学がある。いずれも戦前に設立された伝統ある大学だ。地域に根を張っている。今回、私が関わるきっかけとなったのは、久留米大学の先輩・後輩関係がきっかけだ。

さらに、民進党の幹部松野頼久議員の地元(熊本一区)ということも大きかった。前出の塩崎氏のスタッフは「民進党に批判されないようにしなければならない」と強調した。健全な野党が存在し、権力を監視したことになる。

熊本震災では、長年にわたり育成してきた人的資源が有機的に連携し、緒戦の透析対応に成功した。「官のシステムから漏れる患者」が救われた。

熊本復興の道のりは長い。今後、仮設住宅の高齢者の健康問題をはじめ、多くの問題が出てくるだろう。一つずつ解決するしかない。私も応援したい。

* 本稿は『メディカル朝日』6月号からの転載です。


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https://www.m3.com/news/iryoishin/429943
シリーズ: 真価問われる専門医改革
若手医師ら12人、塩崎厚労相に新専門医制度で直訴
「女性医師に不利」「大学医局の復活」、再度議論を

2016年6月2日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

 南相馬市立総合病院(福島県)や仙台厚生病院(宮城県)などに勤務する若手医師ら12人が6月1日、塩崎恭久厚労相に対し、2017年度開始予定の新専門医制度は、日本の医療全体に大きな負の影響を及ぼすため、もう一度議論をし直すことを求める、「新専門医制度に関する陳述書」を提出した(陳述書PDF:68KB: https://www.m3.com/iryoIshin/contents/images/2016/160602yhP1.pdf)。医師12人の大半は、卒後2年目から卒後5年目前後で、これから専門医取得を目指す立場にある。

 陳述書は、新専門医制度について、「女性にとって非常に不利な制度」と問題視、女性医師が出産もしながら仕事を続け、社会で活躍するに当たって、大きな障害になるとしている。地域医療に従事する若手医師も苦労を強いられると指摘。診療領域によっては、所属できる専門研修プログラムが大学病院一つのみという県もあるとし、「大学医局の復活」につながる点も問題だとした。

 さらに、内科専門医については、内科全般の研修が義務付けられるため、専門医療のトレーニング開始が遅れることから、「専門医療のレベルが下がったり、専門医の数が減って、国民が十分な専門的医療を受けられなく可能性がある」との懸念も呈している。

 陳述書に名を連ねたのは、以下の12人の医師(敬称略)。森田麻里子、尾崎章彦、嶋田裕記、藤岡将、澤野豊明、山本佳奈(南相馬市立総合病院)、遠藤希之、宮坂政紀、藤井梨絵(仙台厚生病院)、今井恵理哉(亀田総合病院)、津田健司(帝京大学ちば総合医療センター)、森田知宏(相馬中央病院)。

 新専門医制度をめぐっては、厚生労働省の社会保障審議会医療部会の「専門医養成の在り方に関する検討会」でも、見直し等を求める意見が相次ぎ、2017年度からの当初の制度設計通りの実施が困難になっている(『新専門医、予定通り開始せず、2017年度は“試行”』を参照)。

新専門医制度は政治課題、拙速な結論は「不適切」
福島県相馬市長・立谷秀清に聞く

 新専門医制度について、拙速に結論を出すのは「不適切」だ。専門医制度の見直し自体に反対しているわけではないが、その議論に当たって、国民医療の視点が抜けているからだ。このまま2017年度から新専門医制度がスタートすれば、地域医療への影響が大きい。国民医療に関係する問題である以上、新専門医制度は、政治課題。地域医療に責任を持っているのは、我々基礎自治体の首長であり、日本専門医機構や学会などの専門家だけで議論し、結論を出すのは問題だ。

 新専門医制度により、影響を受ける典型例が我々被災地。2011年の東日本大震災後、医師不足に悩んだものの、最近は若い医師たちが来てくれるようになり、何とか医療を守っている。彼ら、彼女たちは、少ないながらも指導医がいる中で、地域医療に従事しながら、キャリアアップしたり、専門医資格を取得しようとしている。しかし、新専門医制度の研修プログラムは、大学病院、大病院を中心に考えられた制度であり、我々の地域にある中規模病院などでの専門医研修が難しくなり、その結果、地域医療の崩壊を招く。地方の病院での経験をもっと評価する仕組みにすべき。

 私は医師だが、新専門医制度は、一律の研修プログラムを課す仕組みになっており、そもそもこれでより良い専門医を養成できるのかについても疑問が残る。医師のキャリア、医師の幸福という視点でも問題があり、例えば、女性医師が研修の途中で、妊娠、出産、子育てをして研修を中断することが難しくなっている。海外留学などもしにくくなるのではないか。医師のキャリア形成においては、多様な選択肢を用意しておくことが必要だ。

 「専門医とは何か」「専門医はどんな役割を担うか」についても、十分に議論されたとは言えないのではないか。今のままでは「何が何でも専門医を取得しなければいけない」という風潮になっている。「医療の質の向上」を錦の御旗に、改革が進められているが、「専門医を取得した医師は、その専門分野しか診ない」という状況がさらに進めば、その弊害も大きい。国民皆保険の日本であるなら、「医療の質」は日本地域全体のことを考えなければならず、一部の地域、一部の病院、一部の領域だけの「医療の質」を高める制度であってはならない。専門医が果たすべき役割を議論し、専門医とそれ以外の医師がどのように役割分担をし、国民医療を担っていくかなど、幅広い議論が必要。

 もっとも、新専門医制度は、国民医療に大きく影響する問題にもかかわらず、政治家も含め、社会にはほとんど知られておらず、理解もされていない。このこと自体、問題だ。私が話をして、初めて知ったという、国会議員もいた。私は福島県市長会会長、相馬地方市町村会会長のほか、全国医系市長会会長も務めており、6月8日に開催予定の全国医系市長会でも問題提起する予定だ。若手医師らに続き、首長の立場でも何らかの声明が出せればと思っている(談。2016年6月1日に電話取材)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/429730
シリーズ: 社会保障審議会
療養病床、廃止か?延期か?いまだ意見対立
2017年度末が設置期限、特別部会で今年末に結論

2016年6月1日 (水) 橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の社会保障審議会に「療養病床の在り方等に関する特別部会」が設置され、6月1日に第1回会議を開催した。部会長には、学習院大学経済学部教授の遠藤久夫氏、部会長代理には、自治医科大学学長の永井良三氏がそれぞれ選任された。介護療養病床と医療療養病床(看護人員配置が25対1のもの)は、2017年度末で設置期限を迎えるため、今後、特別部会を月1回程度開催し、今年末までに今後の対応方針について結論を得る。

 第1回会議では、主に医療を提供する立場から、設置期限を延長すべきという意見が相次いだ一方、「医療法の立法趣旨から考えれば廃止を前提に議論すべき」との意見も出るなど、根本的な部分で対立した。

 療養病床の在り方については、厚労省の「療養病床の在り方等に関する検討会」が今年1月に報告書をまとめ、「医療機能を内包した施設類型」と、「医療を外から提供する、“住まい”と医療機関の併設類型」――という「新たな類型」が提言され、社保審で具体的な設計をすることになっていた(『社保審に特別部会、「療養病床の在り方」検討』を参照)。

 今後の論点は、(1)設置期限の延長の是非、(2)検討会が提案した「新たな類型」の具体化――の二つが柱になる。議論の進め方についても、「まず設置期限の延長を先に議論すべき」と「先に延期の議論をするのは本末転倒」と対立する意見が出たが、厚労省は「資料の準備ができたものから、議論を進める」(同省保険局医療介護連携政策課長の城克文氏)方針。

 第2回会議は、6月22日に開催し、療養病床の関係者へのヒアリングを行う予定。第3回会議から具体的議論に入る。第1回会議では、「新たな類型」について、「療養病床からの転換だけでなく、新設も認めるべき」といった意見も出た。地域医療構想に基づく病床機能分化などにも関係する問題であり、どこまで議論が広がるかも注目点。例えば、「医療機能を内包した施設類型」を新設する場合には医療法や介護保険法の改正が必要になることが想定されるため、社保審の医療部会、介護保険部会とも連携を取りながら、検討を進める。

 「人員基準を減らせば、高齢者差別」
 会議の冒頭、厚労省保険局長の唐澤剛氏は、急性期を脱した高齢者を受け入れる病床の在り方は、老人病院、介護力強化型病院、療養病床などと名称を変え、変遷してきたものの、「課題だけは相変わらず残っている」と述べ、長年の懸案事項であると説明。その上で、「地域包括ケアの観点から重要。2018年度からの医療計画と介護保険計画の策定、診療報酬と介護報酬の同時改定などをにらみ、医療と介護の両方のニーズを備える患者をどう受け止めるかについて検討してもらいたい」とあいさつした。

 第1回会議は、フリーディスカッションの形で展開された。医療提供側からは、設置期限の再延長を求める声、さらには予定通り療養病床を廃止する場合でも、「新たな類型」に転換できるよう経過措置を求める声が上がった。

 日本医師会常任理事の鈴木邦彦氏は、「現行制度の再延長を第一選択肢として検討すべき。なぜだめなのか、いまだに不明確。これは解決済みの話ではなく、この点を明らかにして説明して議論すべき」と求めた。「新たな類型」に転換する場合でも、2018年2月に診療報酬と介護報酬が明らかになってから経営者は判断するため、十分な経過措置を設けるよう求めた。

 全国抑制廃止研究会理事長の吉岡充氏も、「この国の老人医療のある部分を担っているこの制度をなぜ変える必要があるのか」「療養病床の在り方を負のイメージだけで議論すべきではない」「単なる、“住まい”と見なして、人員基準を減らせば、被害を受けるのは利用者であり、高齢者差別」などと訴えた。

 「延長議論は思考停止」
 これに対し、保険財政を負担する立場から、日経連常務理事の阿部泰久氏が、「厚労省の検討会自体が、療養病床の廃止を前提に議論していた。新たな選択肢をどうするかについて議論を進めるべき。最初から設置期限の延長という議論はない」と発言。

 今後の医療提供体制を踏まえ、慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗氏は、「まず設置期限を延長するかどうかを議論するのではなく、高齢社会の中で、どのように療養病床を変えられるかを議論すべき。新類型について、どこまでリアリティを持たせることが可能かが重要。ゆくゆくは診療報酬と介護報酬でどう位置付けるかが課題となる」と述べ、「設置期限の延長」の議論をするのは、「思考停止」と反論。

 法的な側面から発言したのが、東京大学大学院法学政治学研究科教授の岩村正彦氏。介護療養病床の設置期限は2011年度末だったものの、転換が進まないことから延期された。介護保険法の立法趣旨から言えば、2017年度末での廃止が前提であり、現場の混乱を避けるための経過措置はあり得るものの、「再延期を前提に議論するのは、法律の枠組みから考えておかしい」と述べ、土居氏の意見を支持した。

 病床機能分化の議論とも連動
 「療養病床の在り方等に関する検討会」の「新たな類型」についての意見も出た。「医療内包型」(案1)は長期療養に対応した「施設」、「医療外付型」(案2)は、病院・診療所と「居住スペース」という類型だ。「医療内包型」はさらに、医療の必要性が高い人の受け入れを想定する「案1-1」と、容体は比較的安定した人を受け入れる「案1-2」に分かれる。

 慶應義塾大学名誉教授の田中滋氏は、「地域包括ケアの構築に向けて、住まいと医療の組み合わせという類型を作る意義は大きい」と述べ、療養病床からの転換以外にも、「新たな類型」を作ることができるようにし、地域包括ケアに生かすべきとした。低所得者対策を考える場合、「居住コスト」が支払えるかどうかが問題になるが、「住まい」という機能を切り離して明示することにより、低所得者対策も容易になるとの考えを示した。

 健康保険組合連合会副会長の白川修二氏は、「案1-1」と医療療養病床(20対1)との違いを質した。城課長は、「一番の大きな相違は、医療機関か、施設かどうかだ。提供するサービスの手厚さは似ているかもしれない」と説明。医療機関とは異なり、外来医療などはできなくなることが想定される。

 土居氏は、「施設基準を設定する場合、全国一律になるが、“地域”という視点とどのようにバランスを取っていくかが重要」とコメント。地域によって、介護保険の施設、在宅サービスの整備状況は違うため、療養病床の「新たな類型」が担うべき役割も異なることが想定される。土居氏は、地域医療構想と病床機能報告制度にも言及、20対1の医療療養病床に、「新たな類型」の施設を併設するなど、「複数の病床機能を持つ病院、あるいは施設があっていい」と述べた。この発言に続いたのが日医の鈴木氏で、療養病床の在り方は、病床機能分化の進め方にも関係する問題であり、急性期病院が一部を「新たな類型」にすることは、機能分化に反するとし、議論が必要だとした。



https://www.m3.com/news/general/429922
社会保障財源立ち消えに 税との一体改革、理念遠く
2016年6月2日 (木) 共同通信社

 消費税率100への引き上げ再延期によって、「社会保障と税の一体改革」の理念は遠のき、実現するはずだった医療や介護、年金、子育ての新たな充実策の財源が立ち消えになる。安倍政権の金看板である「1億総活躍社会」の実現にも黄信号がともる。

 「全て(充実策を)行うことはできない」。安倍晋三首相は1日の記者会見で、社会保障の充実策に影響が出ることを認めた上で、施策の優先順位を付け、財源確保に努めるとしたが、実現性や規模は見通せない。

 一体改革は、少子高齢化による社会保障の負担増を将来世代に先送りしないようにするため、政権与党だった民主党(当時)と野党だった自民、公明両党の3党合意に基づき、2012年8月に関連法が成立した。消費税率を100に引き上げ、増収分の一部を社会保障の充実に活用。安定財源の確保と財政再建を同時達成するのが狙いだった。

 財務省幹部はいら立ちを隠さない。「再延期で現役世代は一時的に痛みを避けられるが、そのために子どもへ負担をつけ回すのか。おかしいよ」

 80から100に引き上げる増収分からは1兆2千億~1兆3千億円を使い、子育て世帯や低所得高齢者向けの介護や年金の支援策を充実させる計画。子育て分野には計7千億円を見込んでいたが、80時に確保できるのは6千億円にとどまり、厚生労働省の幹部は「現場は保育所整備や保育士の採用に動きだし、もう止められない。消費税収以外から1千億円も確保しなくては」とため息を漏らす。

 待機児童解消は1億総活躍プランの柱で、介護職員らの賃上げや返済不要の給付型奨学金の創設も目指している。政府は「アベノミクスの成果で対応する」(加藤勝信1億総活躍担当相)として景気回復による税収増を見込み、再延期の影響はないと主張する。だが、世界経済のリスクを強調しているのは首相自身。安定財源とは言い難く、年末の予算編成に向けて調整は難航必至だ。

 「増税なしで社会保障が充実できるなら、増税が必要だなんてもう誰も信じない。一体改革は崩れた」。政府関係者は頭を抱えた。



https://www.m3.com/news/general/429971
美幌町:病院物品購入、3000万円が未納 /北海道
2016年6月2日 (木) 毎日新聞社

 美幌町は1日、町立病院の物品購入契約で約3000万円の未払いがあったと発表した。5月31日付で支払いを済ませたが、遅延利息は約10万円に上り、町は「組織を挙げて再発防止に取り組み、職員の処分を検討したい」としている。

 町総務部によると、未払いがあったのは町立国保病院に納入した患者情報共有ネットワークシステム。支払期限は4月15日だった。病院事業会計の昨年度決算の確認作業の過程で未納が発覚した。

 この他、昨年度の建設水道部発注の工事代金約47万円が未払いになっていたことも分かり、利息分を加えた約48万円を業者に支払った。【山田泰雄】



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0602503698/
消費税率引き上げ再延期に日医が「遺憾」
医療制度 | 2016.06.02 11:25 Medical Tribune

 昨日(6月1日)に安倍晋三首相が消費税率の100への引き上げを2019年10月まで再延期すると表明したことに対し、日本医師会(日医)は「財源不足により、地域住民が必要かつ十分な医療・介護サービスが受けられなくなり、遺憾である」と批判するコメントを発表した。

超高齢社会への不安材料に
 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に向け、地域包括ケアシステムを構築するべく医療提供体制の改革が進められており、日医は今回の決定が社会保障費の削減や同改革の妨げになることが懸念されるとしている。

(川崎智文)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48792.html
医療現場のChoosing Wisely- 持続可能な医療のために(2)
2016年06月02日 15時00分 キャリアブレイン

 医師は聖職などと言うつもりは毛頭ありませんが、医師はほかの職業と異なるとしばしば感じます。つまり、社会におけるほとんどの仕事は営利を追求することが第一の目的であり、一方、医療というのは営利を追求しない仕事です。日本医師会の「医の倫理綱領」には、はっきりと「医師は医業にあたって営利を目的としない」と明記されています。

【特集「Choosing Wisely」持続可能な医療のために】
Choosing Wiselyは医療肯定(2016/05/26)http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48680.html

 この点を理解していない人は非常に多いと言わざるを得ません。Choosing Wiselyの議論になったときも、「検査や治療を減らせば医療機関がもうからなくなるから、日本では普及しないのではないか」という意見すらあり、驚かされます。

 しかし、米国の医師も日本の医師もミッションは同じです。米国の学会が一丸となり、Choosing Wiselyのキャンペーンができて、日本の医師にできないはずはありません。なかなか理解を得られないかもしれませんが、われわれ医師は利益のことを考えて診療をしているわけではありません。その逆に、いかに不要な検査や治療を減らしていくかを考えているのです。これを説明するのに「医師の矜持」に懸けてという言い方ができるかもしれませんが、そんな大層な表現を用いなくても、普通に医学部で学び、医師になれば研修期間が終了するころには、「医師の常識」が身に付いているのです。

 身体の具合が悪くて医療機関を受診するのはお金持ちだけではありません。むしろ、裕福でない人の方が多いでしょう。そのような人たちは、治療にどれくらいお金がかかるだろうかと不安な気持ちで受診することも少なくありません。すでに具合が悪くて仕事を数日間休んでいたり、場合によってはその症状のせいで、すでに退職していたりすることもあるのです。そんな人たちに対して、少しでも検査を増やして濃厚な治療をして、お金を稼ごうなどと考えることのできる人間はいません。

 それに、治療がうまくいくと、患者さんは心の底から感謝の言葉を話されます。そういう言葉を聞くと、「もっと頑張ろう」という気持ちになり、心が奮い立たされます。そんなときに、どうすればお金がもうかるかなどとは、まともな神経をしていれば考えることができないのです。

 つまり、医師は高い人格を有しているから、自分の利益よりも患者さんの負担を少なくすることを考えるのではなく、仕事を通して困っている人の力になりたいと"自然に"感じ、また感謝の言葉を聞くにつれて"自然に"利他的な考え方になっていくのです。

 Choosing Wiselyという考え方が誕生した一つの理由として、膨大する医療費を抑制しなければならないという国(米国)の意向が反映されているのではないかという意見があります。しかし、Choosing WiselyのPRをしているのは米国内科認証機構財団という医師から成る非政府組織です。つまりChoosing Wiselyは行政が主体ではなく、医師が主体なのです。

 広く世論にChoosing Wiselyの本質を理解してもらうことができれば、患者さんの時間とお金の負担が減少し、医師としては思うような診療ができ、コミュニケーションのすれ違いや誤解が減ることが期待できます。おまけに全体の医療費も縮小できますから、患者、医師、行政の3者にとって、望ましいことになるはずです。

■患者さんにどのように理解してもらえばいいのか

 当院の症例で、Choosing Wiselyを考えてみます。

 20代の女性(Aさんとします)は、2 週間前から毎晩、全身にじんましんが出ていました。放っておいても2-3 時間で症状が消えるために、最初のうちはあまり気にならなかったのですが、毎日続き、かゆみも増しているようなので、気になって当院を受診しました。問診を終え、「しばらくは毎日薬を飲むべきですね」と説明をすると、Aさんは何やら不服そうな表情をしています。

私:「何か気になることがあるのですか」
Aさん:「何で血液検査をしてくれないのですか」
私:「このじんましんは検査をしても異常所見が出ないタイプで、血液検査に意味がありません」
Aさん:「でも、何か見つかるかもしれないじゃないですか。お金を払うのは私ですよ」
私:「…」

 じんましんが出れば血液検査が必要、と思っている人は非常に多く、なぜ必要ないかを説明するのに苦労することがしばしばあります。逆に、じんましんで初回の受診時に「血液検査が必要です」と言われたときには、それなりの理由があるのです。食物アレルギーを疑ったときもそうですが、一部の感染症や膠原病でもじんましんが生じることがあります。

 血液検査が必要でないタイプのじんましんで受診し、「前の病院では検査をしてくれなかった」と不平不満を言う人も少なくありません。Aさんはその後当院を受診していませんから、彼女もまた血液検査をしてくれる医療機関を探し求めているのかもしれません。

 もう一つの症例を挙げましょう。

 40代の女性(Bさんとします)は、数週間前から身体がだるく疲れやすいと言います。昨日から風邪症状が出現し、夕べは近くの病院の救急外来を受診したそうです。Bさんは点滴をしてもらい、抗生物質を処方してもらうつもりでいたそうなのですが、点滴は断られ、処方された薬は市販のものと変わらない風邪薬のみだったと言います。

 身体がだるく、疲れやすいというのはよくある症状ですが、そこから大きな病気が見つかることがあります。がん、HIV、結核、膠原病、甲状腺異常などが見つかるきっかけとなることもありますから、このような患者さんの訴えには十分注意すべきです。また、このような症状がうつ病などの精神疾患からきていることもよくあります。

 しかし、「身体がだるく、疲れやすい」という症状の大半は、単純疲労、つまり休息が不十分なことから起こるものであり、こういったことは問診と簡単な診察からある程度分かります。

 Bさんの場合も「単純疲労」の典型であり、私は点滴も薬も必要ないと判断し、まずは休養を取ることが先決であることを話しました。しかし、Bさんは納得しません。

Bさん:「あのね、お金払うの、あたしですよ。お金払うから点滴して薬を出してって言っているのよ」
私:「われわれは患者さんにとって最善であることをしなければなりません。今のあなたにとって最善なのは薬も点滴も使用せずに、しっかりと休養を取ることです」
Bさん:「分かりました。こんなクリニック、二度と来ません。今日は、薬も点滴も何もないのだからお金も払いません」
私:「…」

 抗菌薬(抗生物質)は、細菌を抑制するものであり、ウイルス感染と思われる軽度の風邪には使っても意味がないというよりは、副作用のリスクを抱えるだけですから、有害と考えるべきです。また、「細菌感染には抗菌薬」という考えも正しくありません。特に下痢を伴っているような場合は、抗菌薬を内服することでさらに腸内の善玉菌まで殺してしまいますから、細菌感染を疑っても軽症であれば抗菌薬は用いるべきではありません。

 それでは患者さんにどのように理解してもらえばいいのでしょうか。AさんやBさんに正しく理解してもらうのにはどう説明すればよかったのでしょう。最も大切なのは、医師の技量を上げることです。AさんとBさんについて私は、彼女たちを批判的に描写していますが、AさんとBさんにきちんと理解してもらえなかったのは、私の方に責任があると思っています。



http://www.minyu-net.com/news/news/FM20160602-080887.php
福島医大、ドクターカー2台配備へ 双葉郡の救急医療体制強化
2016年06月02日 10時28分 福島民友

 双葉地方の2次救急医療体制の充実を目指し、福島医大は6月中にも、楢葉町の富岡消防署楢葉分署を拠点に活動する救急医を現場に派遣するため、ドクターカー2台を配備する。医師が救急現場にいち早く駆け付けて初期診療を行い、救急救命率の向上につなげる。

 福島医大の「ふたば救急総合医療支援センター」から楢葉分署に派遣された救急医らは1日、本格的な活動を始めた。平日の日中、救急医3人の中から1人が交代で詰め、看護師、救急救命士各1人も勤務する。

 けがや病気で通報を受けた際、救急医らは同消防署の救急救命士と一緒に救急車に乗り、現場へ向かう。救急車が出動中に他の救急要請が入った場合は、医師を乗せたドクターカーが繰り出し、現場で救急車と合流後、医療機関に運ぶ。

 医大と広域圏組合協定

 双葉地方消防本部を運営する双葉地方広域市町村圏組合と福島医大は1日、救急車に医師が同乗することを定めた協定を結んだ。

 締結式は福島市の同大で行われ、同組合管理者の馬場有浪江町長と斎藤清理事・病院長が協定書を取り交わした。谷川攻一副理事長・ふたば救急総合医療支援センター長、大和田仁消防長はセンターの看板を掲げた。

 馬場管理者は「住民に加え、作業員を含めた双葉郡内の全ての人にとって安心感となり、的確な救急活動につながる」と期待した。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO03153080S6A600C1EE8000/
薬価下げ見送りへ 厚労省、医療費抑制先送り
2016/6/3 0:30日本経済新聞 電子版

 消費増税の再延期に伴い、厚生労働省は2017年度に計画していた診療報酬の改定を見送る方針だ。診療報酬のなかでも薬価はこれまでの改定で市場の実勢価格を反映する形で下げてきた。改定見送りで数百億円規模の医療費を抑える機会を失う。社会保障費の伸びを年5000億円に抑える財政再建目標は達成が一層難しくなる。

 「17年度に社会保障費の伸びを年5000億円に抑えるのは困難だ」。薬価改定の見送りが確実になったことを受け、厚労省幹部は頭を抱える。薬価改定は高齢化に伴う社会保障費の伸びを抑えるための「削りしろ」となってきたためだ。

 16年度は薬価などで1500億円減らして、社会保障費の伸びを5000億円程度まで何とか削り込んだ。

 17年度も仮に予定通り消費増税と薬価改定を実施していた場合、消費増税分の上乗せよりも実勢価格の下落の方が大きくなり、マイナス改定になる公算が大きかった。過去に消費税を引き上げた1997、14年度ともマイナス改定だった。

 12年の薬剤費は8.5兆円。国民医療費全体の2割を占める規模だ。近年、1人あたり年3500万円の費用がかかるがん免疫薬「オプジーボ」など超高額薬が相次ぎ登場し、医療界でも懸念が強まっている。

 17年度の薬価改定の見送りを理由にこうした高額薬への対応が遅れれば、社会保障費全体の膨張につながる。

 診療報酬の改定は原則として偶数年度に実施するが、17年度は消費増税分を反映する目的で例外的に実施を計画していた。これまでも97年度の増税時に実施した前例がある。増税の再延期を受け、中医協は月内にも薬価改定に向けた市場調査の中止を決める。



https://www.m3.com/news/iryoishin/429946
社会保障は「優先順位付けて最大限努力」、安倍首相
消費増税再延期、財政健全化目標は堅持

2016年6月2日 (木) 成相通子、高橋直純(m3.com編集部)

 安倍晋三首相が6月1日に記者会見し、来年4月に予定されていた消費税率の100引き上げを再延期することを正式に表明した。一方で、「2020年度の財政健全化目標は堅持する」と強調し、その前年の2019年10月に引き上げを実行すると述べた。社会保障については、30カ月の延期期間中は「引き上げた場合と同じようにはできない」と理解を求め、「優先順位を付けながら、予算編成の中で最大限努力する」とした。

 介護離職ゼロや育児世代の支援を掲げた「1億総活躍プラン」に関する施策は、「財源を確保して、優先して実施する」と明言し、スケジュール通り進めるとしている。医療費に関して明言はなかったものの、「赤字国債による社会保障の充実は無責任で、絶対にしない」と述べ、財政健全化目標は維持すると強調したことから、医療費を含めて、社会保障費の歳出抑制を進めるとみられる。

 再延期の表明を受けて、日本医師会は「社会保障の充実は現在の日本にとって必要不可欠。再延期されたことは遺憾。消費税に代わる社会保障財源を別途しっかり確保すべき」とするコメントを発表した(日医のホームページ)。

 安倍首相は、増税再延期を決断した理由について、中国などの新興国経済の低迷などをから、「世界経済が大きなリスクに直面している」と説明。伊勢志摩サミット首脳宣言でも、世界経済のリスクを認識し、あらゆる対策を講じることと同意したと強調した。また、熊本地震によって「九州の広い範囲で経済や暮らしが打撃を受けており、日本経済の新たな下ぶれリスクになっている」とも述べ、「内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは、延期すべきだと判断した」と結論付けた。

 一方で、2014年11月に最初の増税延期をした際に、「リーマンショック級や大震災級の事態」が起きなければ増税すると約束したのに対して、現在の経済状況は、「リーマンショック級の事態は発生していない。それが事実だ」と是認。「これまでの約束と派異なる新しい判断なので、国政選挙で国民の信を問いたい」と述べ、6月22日公示、7月10日投開票の参議院議員選挙で、再延期の是非を問う考えを示した。勝敗ラインとして、与党による改選議席の過半数獲得を掲げている。


  1. 2016/06/03(金) 05:34:16|
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