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地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月25日 

http://dot.asahi.com/business/pressrelease/2016052500311.html
【医師アンケート調査】「医師過剰時代は本当に来るか?」について、医師の7割は「大都市圏のみ医師過剰になる」と回答
(更新 2016/5/25 16:02) ドット朝日

- メドピア株式会社
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医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に、「医師過剰時代は本当に来るか?」(※)についてのアンケートを実施いたしました。以下、結果をご報告します。

※参考:厚生労働省「医師の需給推計について」(2016年3月31日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000120213.html

■サマリー

「医師過剰時代は本当に来るか?」の質問に対し、4,022人の医師が回答した。結果、7割の医師が「大都市圏のみ医師過剰になる」と回答した。都市部で働く医師、地方で働く医師、共に「医師数が増えても、地域での医師の偏在は解消されない」という意見が多く見られた。

「全国的に医師過剰になる」と回答したのは13%であった。「人口が減少しているのに医学部の定員が増えている」ことを理由に挙げる声が多く、「特に開業医が過剰となる」という意見もあった。

一方で、「医師過剰にはならない」と回答した医師も15%いた。コメントを見ると、「以前から医師過剰時代が来ると言われていたが、結果過剰にならなかった」、「医師の働き方の変化や離職の増加などで、医師数が増えても過剰にはならない」という声が多かった。

「医師不足になる」と回答した医師はわずか2%であり、「医療の高度化と専門分化によって、より多くの人手が必要になる」という意見があった。

■回答コメント(一部を抜粋)

「全国的に医師過剰になる」  514件

・団塊の世代に合わせて医師を養成しているのだから、団塊の世代がほぼ消滅する2035年移行になれば、当然、医師は過剰になる。これに、ITやロボット技術の進歩を加えれば、相当深刻な医療提供者の過剰時代が来る。(60代、消化器内科、兵庫県)

・当院では高齢者の数は頭打ちで減ってきています。団塊の世代が亡くなった後は全国的に医師過剰になるのではないかと危惧しています。(50代、アレルギー科、北海道)

・人口減少しているのに医学部を増やしているので当然過剰になり、歯科医師、弁護士と同じ運命をたどる。(50代、一般内科、その他)

・始めは大都市が過剰になるが次第に地方に分散することになるだろう。よって、最終的には全国的に過剰になって行くのではないかと考えます。(40代、小児科、岩手県)

・病院の数が減り勤務医は減るが、開業医が増えるでしょう。(50代、呼吸器内科、山口県)


「大都市圏のみ医師過剰になる」  2,820件

・北海道在住です。以前、道東の僻地にいた時には医療過疎を切実に感じましたが、5年前に札幌に出てきて今は医師過剰を感じます。(50代、腎臓内科・透析、北海道)

・現在も平均すれば、実は過剰なのではと思います。偏在しているだけかと。偏在しているが故に、私の現在いるような田舎では、医師は足りません。大都市でも開業医は、もうとっくに飽和しているかと。(50代、精神科、広島県)

・このままの状態で医学部卒が増えるならば増加すると考えられる。しかし、現在のいわゆる僻地へ行く医師数はあまり増えることは期待できないので、都市部に集中することとなると思われる。(70代、小児科、北海道)

・私が学生だった時に医師は余っているからいらないと言われましたが、研修制度が変わり、急に医師が足りないと言われだしました。偏在しているのだと思います。(30代、精神科、大阪府)

・かなり前から過剰になるといわれているが、地方ではいつまでたっても医師が足りているとは言えない状態が続いている。(50代、小児科、群馬県)

・大都市およびある特定の診療科では過剰になるかもしれませんが、少なくとも病理では過疎状態が続くと思います。(50代、病理、神奈川県)

・少なくとも、質を重視した医療現場、医師の負担が重過ぎない労働環境を真面目に考えたら、今の倍いても現場目線ではまだまだ足りないと思っています。ただし、都市部に偏る傾向はあり、実際問題ローカルに医師が余る現象はありえるは思いますが。(40代、小児科、埼玉県)


「医師過剰にはならない」  618件

・医師も高齢化してリタイアするので、過剰にはならない。(60代、一般内科、宮城県)

・30年前、私が大学に入学した時も「医師過剰時代が来る。」と学長が予言されていました。人口に対する医師の人数ということであれば、すでに過剰でありこれからますます過剰になるでしょう。でも「仕事ができる」医師の数は常に不足しています。これからも「名目過剰、実質不足」が続くと思います。(50代、脳神経外科、愛知県)

・医療職の待遇は悪化の一途であり、現場のモチベーションは低下しているように感じられ、医師についてもそうそう過剰になるほど定着率が維持されるようには思えない。女性医師の増加とまたその離職の増加も、その表れに思える。(50代、一般外科、愛知県)

・医療に対する要望の多様化と、医師自身の仕事に対する価値観の変化から医師の人数のみでは測れない社会的変化が起こりつつあります。(50代、一般内科、福井県)

・女性医師の増加とそのサポート体制が十分にならないこと、科毎の偏りを考えると医師過剰にはならないと思います。(50代、一般内科、大阪府)

・昭和50年代にも医師過剰と言われたことがありましたが、結果医師不足となりました。(40代、脳神経外科、静岡県)


「医師不足になる」  70件

・働くドクターとあまり働かないドクターの二極化が進むだけで、医療需要には追いつけず医師不足は加速すると思う。(50代、一般内科、福島県)

・女性医師が多くなっていることや、いつまでも働けるわけではない。医学の進歩により専門分化されるため、より多くの人出が必要だと思う。よって過剰どころか医師不足になるのでは?(40代、精神科、山形県)

・アルバイトで生計を立てている医師が増えているので、なかなか難しいでしょう。(50代、リウマチ科、滋賀県)

・診療科の細分化で不足すると思います。(40代、呼吸器外科、秋田県)



■調査概要

調査期間:2016/4/18 ~ 2016/4/24
有効回答:4,022人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)
調査方法:MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。
 厚生労働省は3月31日、医師の需要は2033年頃に均衡し、2040年には全国で約1万8000人の医師が過剰になるという推計結果を公表しました(需要が最も大きな場合)。この推計を文字通りに受け止めると、かなりの「医師過剰時代」が来ると予測されますが、実際の医療現場は本当に医師過剰になるでしょうか。皆さまの考えをお聞かせください。下記選択肢の中から皆さまの考えに最も近い回答をお選びいただいた上、コメント欄にはそのように考えた理由をお書きください。


※参考:厚生労働省「医師の需給推計について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000120213.html


1. 全国的に医師過剰になる
2. 大都市圏のみ医師過剰になる
3. 医師過剰にはならない
4. 医師不足になる

■記事引用時のお願い
ž ・医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
ž ・WEB上での引用に際しましては、「MedPeer」にhttps://medpeer.jpへのリンク付与をお願い致します。

【メドピア株式会社について】

・社名:メドピア株式会社( https://medpeer.co.jp )
・代表者:代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立:2004年12月
・運営サービス:医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」( https://medpeer.jp )

メドピア株式会社は、「Supporting Doctors, Helping Patients.」を理念として、現在10万人以上の医師(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用サイト「MedPeer」を運営しています。医師同士が臨床現場で得た知見を「集合知」として共有する場を提供することで、医師の診療を支援するとともに、MedPeerの医師会員および集合知を源泉として、製薬企業をはじめとした企業に対して医師向けのマーケティング支援サービスを提供しています。


【お問い合わせ先】
メドピア株式会社 広報担当 藤野
電話:03-6447-7961 | メール:pr@medpeer.co.jp



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0525/san_160525_0099594688.html
65年分の漢方薬処方箋…悪用 調剤報酬を架空請求容疑 薬局経営者ら逮捕 大阪府警
産経新聞5月25日(水)19時8分

 仮病で取得した処方箋を悪用し調剤報酬を架空請求したとして、大阪府警生活環境課などは25日、詐欺の疑いで、「のぞみ薬局合資会社」経営、原田実(65)=堺市堺区田出井町=と従業員の東野(とうの)晴之(57)=奈良県葛城市木戸=の両容疑者を逮捕した。2人とも容疑を認めている。
 逮捕容疑は、共謀して平成24年12月〜27年2月、東野容疑者が病気と偽り、奈良県内の2つの病院から24回にわたり漢方薬や抗生物質の処方箋を入手。同薬局で調剤したと装って調剤報酬を架空請求し、同県葛城市から計約1432万円をだまし取ったとしている。
 府警によると、東野容疑者は医師に「ほかの病院で大量に薬を処方してもらったことがある。飲むと全身が良くなった」などと伝え、漢方薬については14回の通院で通常の約65年分の処方箋を受け取っていた。
 行政機関の申告で発覚。府警は2月上旬に同薬局などを家宅捜索していた。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0525503599/
男性医師の内因性心臓死、「過重労働が原因」...遺族が賠償求め病院側を提訴〔読売新聞〕
yomiDr. | 2016.05.25 11:05(2016年5月25日 読売新聞)

 長崎市の長崎みなとメディカルセンター市民病院に勤務していた男性医師(当時33歳)が2014年に死亡したのは過重労働が原因として、妻ら遺族3人が病院を運営する地方独立行政法人・長崎市立病院機構に約3億7000万円の損害賠償を求めて長崎地裁に提訴した。提訴は4月19日付。

 訴状によると、男性は14年4月に同病院に採用され、心臓血管内科医師として勤務。毎月100時間を超える時間外勤務が続き、同12月に自宅で心肺停止の状態で見つかり、死亡が確認された。死因は著しい疲労の蓄積によるとみられる内因性心臓死だった。

 遺族側は、同機構が長時間労働を把握していたにもかかわらず、勤務医を増やしたり、当直日数を減らしたりするなどの措置を講じなかったことが、安全配慮義務違反にあたると主張している。男性は地方公務員災害補償基金から公務災害の認定を受けたという。同機構は「訴状の内容を確認し、今後の対応を検討したい」としている。

 このほか、遺族は同機構に男性の残業代の未払い分など約740万円の支払いを求める訴訟を4月13日付で起こしている。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H1Y_V20C16A5000000/
医療事故、基準統一へ協議会 届け出など厚労省
2016/5/25 12:39 日本経済新聞

 患者の予期せぬ死亡を対象とした医療事故調査制度について、厚生労働省は25日までに、第三者機関への届け出や院内調査の実施の判断に関する統一的な基準を協議するため、医師会や医療団体など関係機関による連絡協議会を設置する方向で検討を始めた。

 昨年10月開始の現行制度は、届け出や院内調査が必要な事案を「医療に起因すると疑われる死亡で、管理者が予期しなかったもの」とし、判断をそれぞれの医療機関に委ねている。現場では、複数の医療団体が別々に指針を示していることに戸惑いもあり、新設の連絡協議会で認識の共有を目指す。院内調査の内容も標準化できるよう協議するという。

 また厚労省は、(1)第三者機関は、院内調査などに関して遺族から相談があった場合、同意を得て内容を医療機関側に伝える(2)第三者機関は、院内調査報告書の内容を必要に応じて医療機関に確認、照会し再発防止に生かす――といった見直し案の検討にも着手。医療機関の管理者が院内での死亡事例をもれなく把握できる体制の確保も目指す。

 これらの対応は、自民党のワーキングチーム(WT)が取りまとめた運用改善策を踏まえたもの。一方、同党WTは、「異状死」の警察への届け出を義務付けた医師法21条の扱いについても検討したが、結論に至らず、引き続き議論するとしている。〔共同〕



http://www.asahi.com/articles/ASJ5T268MJ5TUBQU001.html
医療事故届け出の基準統一へ、協議会設置 自民党が提言
寺崎省子
2016年5月25日12時05分 朝日新聞

 昨年10月に始まった医療事故調査制度の見直しを検討してきた自民党の作業チームは24日、医療事故かどうか届け出る基準や院内調査の進め方を統一するため、医師会や病院団体などと第三者機関「医療事故調査・支援センター」で連絡協議会を設けるなど5項目の提言をまとめた。センターが遺族から相談を受けたとき、同意を得た上で相談内容を医療機関に伝えられることも盛り込んだ。厚生労働省は実施状況も踏まえて、6月までに運用の見直しを検討する。

 提言は、「支援団体等連絡協議会」(仮称)の設置による医療事故の届け出基準などの統一化▽医療機関の管理者が院内の全死亡事例を把握できる体制づくりの明確化▽支援団体や医療機関の研修充実や優良事例の共有▽医療機関の同意を前提にセンターから院内調査報告書の内容の確認・照会を可能にする、など。

 連絡協議会は各都道府県などに設けられる。厚労相が認める医師会や病院団体、学術団体などからなる支援団体とセンターが参加し、医療事故に該当するかどうかの判断基準や院内調査の方法などについて、情報や意見交換をしながら統一していく。

 医療事故の届け出基準をめぐっては医療・病院団体ごとに基準が異なり、事故の届け出が想定より少ないという指摘があった。

 異状死の警察への24時間以内の届け出を義務づけた医師法21条については「議論は深まったが最終結論は出なかった」といい、夏の参院選後に議論の進め方について作業チームで話し合う。



http://mainichi.jp/articles/20160525/ddl/k14/040/207000c
県医師会
指定医師の資格停止 「入院なしで中期中絶」 /神奈川

毎日新聞2016年5月25日 地方版 神奈川

 人工妊娠中絶処置ができる指定医師の資格停止処分を巡る問題で、県医師会は24日、横浜市内で記者会見を開き、処分理由の概要を説明した。処分を通知した同市戸塚区の産婦人科医院「聖ローザクリニックタワーズ」の前院長ら男性医師2人について、入院させずに妊娠中期(12〜21週)の中絶を行うなど、入院・分娩(ぶんべん)体制の不備を強調した。

 県医師会によると、この医院では、通常は入院して2〜3日で行われる中期中絶を常態的に入院なしで実施していた。感染症などの危険があるため、同会は入院なしでの処置は「医療上の安全を無視する問題」だと批判。また、医院が商業ビル内にあり夜間は閉鎖されることから、実質的には入院できる施設ではないと指摘した。

 県医師会母体保護委員会で昨年2月、医院の安全管理上の問題を指摘する声が上がり、実態を確認しようと医院内の視察を依頼したが、拒否されたという。その後、同11月に医院で中期中絶処置を受けた女性の容体が処置後に急変し、死亡する事例を県医師会が把握。女性の死亡と医院の処置との因果関係について「警察の捜査中」として判断を明らかにしていないが、処分理由の一つとした。

 指定医師の資格停止処分は、県医師会では初めて。玉城嘉和・同会担当理事は「1人亡くなっていることを真摯(しんし)に受け止め、2人目を出さないという思いで対応していきたい」と話した。【宇多川はるか】



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO02725080U6A520C1L72000/
埼玉県八潮市、産科の開設に補助金 医療機関誘致へ
2016/5/25 7:00日本経済新聞 電子版

 埼玉県八潮市は産科診療所の開設を支援する。市有地を10年間無償で提供するほか、建築費や医療機器購入費用の利子補給として3年で最大3000万円を補助する。同市は人口増加傾向にあり住宅開発が進むが、市内に分娩できる施設がない。補助制度で産科を誘致し、安心して出産できる環境をつくる。

 補助対象は市内に5床以上19床以下の産科診療所を開設する医師。産科の臨床経験が5年以上あることや、開業後10年以上は市内で分娩を行うことなどが条件だ。

 診療所本体のほか、産科開設に必要な機器を整えるための借入金に対し利子補給する。年間最大1000万円を3年間拠出する。無償供与した市有地は、10年を過ぎた時点で売却または貸し出しに切り替える。

 2015年の国勢調査によると、八潮市の15年10月1日時点の人口は約8万6000人で、10年の前回調査に比べて4.5%伸びている。05年のつくばエクスプレス(TX)の開業後に住宅開発も進み、隣接する東京都などから比較的若い世代の流入も進んだ。14年時点の人口1000人当たり出生率も8.7と高く、埼玉県内で6位だ。

 しかし若年層の流入にもかかわらず、市内には分娩ができる施設がなく、市民から産科を求める声が多かったという。市は産科の誘致で「急な出産でも対応できる環境をつくる」(市担当者)狙いだ。

 埼玉県によると、県内で分娩できる施設がない市は、志木市、日高市、桶川市、久喜市。秩父地域(秩父市、横瀬町など1市4町)では分娩できる産科が1カ所しかない。埼玉県医師会では「分娩施設は24時間対応できる体制が必要で、医師の負担も大きい。補助金や土地の提供だけでなく、医師を確保できるかどうかが重要だ」としている。



http://www.medwatch.jp/?p=8997
2018年度DPC改革に向け、調整係数のあり方や重症度指数・係数など議論へ―DPC分科会
2016年5月25日|2016診療報酬改定ウォッチ


 2018年度の次期診療報酬改定に向けて、II群の絶対的基準、調整係数のあり方、機能評価係数IIに盛り込まれた重症度指数・係数のあり方、CCPマトリックスの精緻化と拡大、持参薬のあり方などを議論していく―。

 25日に開かれた診療報酬調査専門組織のDPC評価分科会は、このような検討項目を確認しました。

 当面は、来年度(2017年4月から)の機能評価係数IIの設定に向けて、「病院情報の公表」や「2016年度医科点数表改定の影響反映」について議論することになります。


ここがポイント! [非表示]
1 「病院情報の公表」や「医科点数表改定の機能評価係数IIへの反映」などをまず議論
2 II群の「絶対的基準」、2018年度改定に向けて改めて議論
3 調整係数の「重症度の違い」などみる機能、どのように考えていくべきか
4 病院情報公表、「2016年10月時点で公表しているかどうか」が評価対象に
5 重症度指数・係数、「重症患者」や「効率化」なども含めて総合的な検討へ
6 病院の負担怪訝に向けて「DPCデータのオンライン提出」を検討
「病院情報の公表」や「医科点数表改定の機能評価係数IIへの反映」などをまず議論

 2016年度診療報酬改定後、初めての開催となったDPC分科会では、▽2016年度改定の概要▽各病院の機能評価係数IIの内訳(厚労省サイトはこちらとこちら)・地域医療指数(体制評価指数)の内訳(厚労省サイトはこちらとこちら)―が報告されたほか、2018年度の次期改定に向けた検討項目を固めました。機能評価係数II・地域医療指数の内訳については、メディ・ウォッチでも別途、詳しくお伝えいたします。

 今回は、2018年度改定に向けた検討項目を見てみましょう。厚労省が掲げた大項目は次のとおりです。

(1)基礎係数(医療機関群)のあり方:II群の全体的基準など
(2)調整係数のあり方
(3)機能評価係数II:重症度指数・係数や病表情報公表など
(4)診断群分類点数表:CCPマトリックスの精緻化・拡大やICD-10(2013年度版)への対応など
(5)請求に関するルール:持参薬のあり方など
(6)DPCデータの収集方法:オンライン提出など
(7)診断群分類の見直しやコーディングテキストの見直しなど

 厚労省保険局医療課の担当者は、機能評価係数IIに関する「病院情報公表」(2017年4月予定)と「医科点数表改定(2016年度の反映)の反映」、ICD-10(2013年度版)への対応などを早急に検討する必要があるとしています。

II群の「絶対的基準」、2018年度改定に向けて改めて議論

 (1)のII群要件については、2016年度改定論議の中でも「絶対的基準」が検討課題に挙げりましたが、「地域における医療機能を客観的に評価する為のデータが存在しないことから、現時点では機能の評価と絶対値の設定は困難」との結論が出ています。今後、各都道府県で地域医療構想が定められる中で、II群要件をどのように考えていくのか分科会の議論が注目されます(関連記事はこちらとこちら)。

 なお、今回の2016年度改定においては、II群からIII群に移行した病院が14、III群からII群に移行した病院が54となっています。

調整係数の「重症度の違い」などみる機能、どのように考えていくべきか

 (2)の調整係数については、予定通りに進めば、次期2018年度改定で完全に基礎係数・機能評価係数IIに置き換えられることになります。

 しかし、調整係数の「CCPマトリックスなどを導入しても、診断群分類点数表の中で表現しきれない重症度の違い」などを調整する機能をどう考えるかという問題は残ります。

 後述するように2016年度改定で重症度指数・係数を導入しましたが、激変緩和措置(改定前後で診療報酬収入が2%程度を超えて変動しないようにする措置)の対象病院は2016年度改定でも126病院あることから、問題が解決しきれていないことが分かります。

 2018年度改定に向けて、こうした「重症度の違い」などをどう考えていくべきかが議論されることになります。

病院情報公表、「2016年10月時点で公表しているかどうか」が評価対象に

 (3)の機能評価係数IIについては、▽病院情報の公表▽後発医薬品係数▽重症度指数・係数▽各係数の重み付け▽医科点数表改定の影響反映▽新規項目―などが具体的な検討テーマとなります。

 このうち「病院情報の公表」は、以前から議論されている「自院の診療実績などの情報を公表した場合、2017年4月から保険診療指数を0.05点加点する」というものです。厚労省は「今年(2016年)10月時点での公表の有無」を評価対象にする考えで、公表すべき項目などを7月には固めたい考えです。このため、急ピッチで議論を進め、結論を得る必要があります。

重症度指数・係数、「重症患者」や「効率化」なども含めて総合的な検討へ

 また「重症度指数・係数」は、今回改定で導入された新しい指数・係数で、同じ診断群分類でも医療資源投入量が多くなってしまう患者を重症患者と捉え、機能評価係数IIで評価するものです。具体的には「当該病院における[包括範囲出来高点数]÷[DPC点数表に基づく包括点数]」(ただし救急医療指数で評価されている救急入院2日目までの包括範囲出来高点数は除外)として計算します。

 この指数・係数には「効率化を進めると低くなってしまう(ゼロの病院も少なくない)」という批判があり、今後、「重症患者の評価の仕方」を含めて議論が行われることになります。

 その際には「効率化」について少し深く考える必要もありそうです。例えば持参薬を使えば資源投入量が減り、重症度指数は低くなります。これが果たして「効率化が進んでいる」と言えるのか?またいわゆるアップコーディングをしている病院では、その診断群分類点数に比べて資源投入量が低く、やはり重症度指数は低くなります。これも「効率化が進んだ病院」とは言えません。また、医療資源を投入した量と時期(何日目か)が正確にEFファイルに表現されていないことも考えられそうです。重症度指数・係数については、こうした点も総合的に検討していく必要があると考えるべきでしょう。

 なお、「不必要な医療資源(例えば検査)を投入すれば重症度指数・係数」が高くなりますが、こうした「間違ったテクニック」は保険診療の中で決して行うべきではありません。

重症度指数・係数を高めるために「不要な検査などを実施し、出来高点数を高くする」ような行動をとってはならない
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 また2016年度の医科点数表改定では、現在の機能評価係数II(地域医療指数)にある「B005-2地域連携診療計画管理料」を廃止するなどの見直しを行っています(関連記事はこちら)。こうした医科点数表の見直しをDPCにどう反映させるのかについても、早急に検討することになります。

病院の負担怪訝に向けて「DPCデータのオンライン提出」を検討

 (6)のDPCデータのオンライン提出は、2014年7月に閣議決定された「健康・医療戦略」の中で指示されている「DPCデータをレセプトと同時にオンラインで審査支払機関を経由して厚生労働省に提出できるように検討する」ことを踏まえたものです(首相官邸のサイトはこちら)。具体的な提出方法などは今後の議論に委ねられますが、厚労省は「病院の負担軽減」に資する方法とする考えです。
 

 こうした検討項目に関連して金田道弘委員(社会医療法人緑壮会理事長兼金田病院長)は、「回復期リハビリ病棟に導入されたアウトカム評価」「地域医療連携推進法人(いわゆる非営利ホールディングカンパニー型法人)などにより地域連携を強化した場合の評価」などを検討してはどうかと提案。

 藤森研司委員(東北大学大学院医学系研究科・医学部医療管理学分野教授)は「高齢化が進む中で、老衰や摂食障害などの患者も急性期病棟に入院するケースが増えているが、うまくコーディングできず、Rコードとしているケースが多い」点を指摘。「こうした患者をDPCでみるかどうか」も含めて議論される模様です。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48836.html
新専門医制度、“永井私案”に「違和感」- 四病協・総合部会
2016年05月25日 21時00分 キャリアブレイン

 四病院団体協議会(四病協)は25日に総合部会を開き、来年春に始まる予定の新専門医制度について協議を進めた。都道府県ごとに養成する研修医の数に上限を設けるとする、いわゆる「永井私案」に関しては、「議論が進んでいない段階で突然出てきた。違和感がある」と、提案そのものを疑問視する声が上がった。【敦賀陽平】

 終了後の記者会見で、全日本病院協会の西澤寛俊会長が明らかにした。私案は先月下旬、社会保障審議会医療部会の下に設置された専門委員会で永井良三委員長(自治医科大学長)が示したもので、各都道府県の面積や患者数などを考慮し、研修医の数に上限を設けることが柱だ。

 同委は3月下旬、研修医が都市部に集中することなどを懸念する声が相次いだことを受け、医療関係者の意見調整の場として設置されたばかり。西澤会長によると、各団体からは「もう少し議論をする必要がある」との意見も出たという。

■専門医機構に質問状を提出へ
 この日の部会ではまた、新制度の研修プログラムの認定などを行う「日本専門医機構」(機構)に対して、近く質問状を送ることを決めた。

 機構では現在、役員の改選に向けた準備を進めており、理事候補者は機構の選考委員会が選出し、理事会に名簿を示すことになっている。機構の役員選任規定によると、四病協からは候補者として2人が選ばれる。

 西澤会長は会見で、「四病協の理事は当初1人だったが、突然2人になった。経緯が不透明だ」などと指摘。その上で、四病協に所属する4つの病院団体はいずれも法人格を持っていることから、「各団体から1人ずつ理事を出すことを希望する」と述べた。

 質問状では、選考委員会に関する事務処理上のミスで「非常に混乱があった」として、機構側のガバナンスの問題などについてもただす方針だ。



https://www.m3.com/news/general/427633
疑義照会で1000万円削減 - 抗癌剤処方を確認、副作用回避
2016年5月25日 (水) 薬事日報

岩手医大病院・佐藤氏が報告
 日本病院薬剤師会東北ブロック第6回学術大会が21、22の両日に郡山市内で開かれ、癌の化学療法で薬学的介入を行った経済効果が、佐藤淳也氏(岩手医科大学病院薬剤部)から報告された。副作用の可能性から抗癌剤の投与量に関する疑義照会が行われ、処方変更されたケースが約3割あったと指摘。薬剤師が疑義照会を行うことにより、好中球減少の副作用による緊急入院を回避できたと仮定した場合、年間約1000万円の医療費削減につながる可能性があるとした。佐藤氏は「疑義照会を怠った場合のコストは大きい」と述べ、「薬剤師も介入の経済評価を検証していく必要があるのではないか」とコスト意識の重要性を強調した。

 癌の化学療法では、副作用の発生が避けられず、薬剤師の介入が重要とされているが、薬学的介入を経済的指標で分析した研究は少ないのが現状。そこで、癌専門薬剤師でもある佐藤氏は、重篤な副作用を回避する疑義照会や支持療法の提案など、薬学的介入による経済効果を検討した。

 薬剤師が医療経済的に貢献する重要な役割の一つに重篤な副作用を回避する疑義照会がある。同院の化学療法室における疑義照会の内容を調べたところ、抗癌剤の処方への疑義照会で変更されたケースのうち、投与量に関するものが29%と最も多く、次いで規定の支持療法がないものが16%だった。

 佐藤氏は、仮に好中球減少が見られながら薬剤師が疑義照会を怠り、誤った医療行為が行われた場合のコストを試算した。一般的にDPC病院で好中球減少による緊急入院を5日間した場合、1件当たりの医療費は約20万円。これに薬剤師による疑義照会が年50件あったことを踏まえると、年間約1000万円程度のコスト削減につながる可能性が考えられた。

 佐藤氏は、「薬剤師が疑義照会を怠った場合に、発生する可能性のある医療コストは非常に大きいことを考えるべき」と強調。薬剤師は、副作用による患者のQOL低下を防ぎ、薬学的介入により向上させる活動が重要としつつ、経済評価の検証も必要と訴えた。

 また、外来化学療法で最も問題となる副作用は、発熱性好中球減少症の感染症。特にエピルビシン、シクロホスファミド、フルオロウラシル(5-FU)を併用した乳癌の「FEC100療法」では、患者の9割以上が重症の好中球減少症を発症するとされる。

 そこで佐藤氏は、同療法を安全に外来導入するため、レボフロキサシンを予防処方し、発熱時に服用してもらう取り組みを実施した結果、患者の98%がレボフロキサシンを服用し、93%が解熱に成功した。

 経口抗菌薬の予防処方は、ガイドラインでは患者がリスク判断をできないため好ましくないとされているが、佐藤氏は「発熱時の電話サポートや薬剤師の服薬指導を徹底することにより、重篤な好中球減少を予防できた。これは薬剤師による薬学的介入の効果にほかならない」と話した。

 一方、宮崎瑞穂氏(前橋赤十字病院名誉院長)は、病院経営の立場から言及。同院では、病棟薬剤業務実施加算(100点)の算定により、約3000万円の増収につながったとし、これにより薬剤師5人の増員を実現したことを紹介。「5人の増員により、医療安全と質向上、医師の負担軽減につながった」とメリットを述べた。

 さらに、医薬品の適正使用推進による経済効果も指摘。具体例として、アルブミン製剤の使用量減少により、4年間で約3000万円のコスト削減につながったほか、後発品の使用促進によって、2013年の1年間で約2億円以上の薬剤費削減効果があったことなどを例示。その上で、「薬剤師は医薬品を通じて医療の質向上と病院経営に貢献できるキーパーソン」と強調。特に病院幹部の薬剤師に対し、経営についての専門教育を受けることが望まれるとした。



https://www.m3.com/news/general/427603
大学教授、住居侵入容疑 のぞき目的、女性宅に
2016年5月25日 (水) 共同通信社

 女性宅の敷地に侵入したとして福岡県警宗像署は24日、住居侵入の疑いで福岡県福津市、産業医科大教授川口貞親(かわぐち・よしちか)容疑者(48)を逮捕した。「部屋をのぞこうと思った」と容疑を認めているという。

 逮捕容疑は24日午前0時ごろ、福津市に住む20代女性のアパートの庭に侵入した疑い。

 宗像署によると、川口容疑者は道路に面した庭に柵を越えて侵入し、ライトが自動で点灯。部屋にいた女性と知人男性が見つけたが、声をかけたりはしなかった。

 約1時間後、男性が帰宅しようと外に出ると、川口容疑者が家の前に立っていた。不審に思い声をかけると「散歩をしていた」と言って逃げようとしたため、男性は引き留めて110番。駆け付けた署員に引き渡された。

 大学によると、川口容疑者は精神看護学が専門で、外国人看護師の受け入れ問題などについて研究していた。



https://www.m3.com/news/general/427245
入院体制整えず中絶、17歳少女死亡事例も…資格停止された産婦人科医院が提訴
2016年5月24日 (火) 読売新聞

 横浜市戸塚区の産婦人科医院「聖ローザクリニックタワーズ」が、妊娠中期(12~21週)の中絶(中期中絶)を行う医療機関に義務付けられた入院・ 分娩ぶんべん 設備を有していなかったなどとして、神奈川県医師会は前院長(51)ら2人に対し、母体保護法指定医師の資格を25日から6か月停止する処分を通知した。

 同医院側は23日、処分の取り消しを求めて横浜地裁に提訴した。

 処分を通知されたのは、前院長と聖ローザグループを運営する医療法人社団「マリア会」の理事長(56)。

 県医師会や県産婦人科医会などによると、中期中絶は一般的に、ラミナリア 桿かん などと呼ばれる棒状の医療器具を子宮 頸管けいかん に挿入して広げたうえで、陣痛誘発剤を用いて行う。

 ラミナリア桿挿入段階を含め、中絶の処置は出血や感染症のリスクを伴う。このため、日本産婦人科医会は、経過観察や緊急時の抗菌薬の点滴投与などができるように、通院ではなく、「入院のうえ慎重に実施する」と指針に明示。県医師会の母体保護法指定医師取扱規則も、中期中絶を行う医療機関は救急体制、入院設備を有していなければならないと規定している。

 同医院について県医師会は、病床1床のみで、深夜には入居するビルが閉鎖され、医師・看護師も不在となるため、入院可能な体制ではないと判断。それにもかかわらず、指針に反して中期中絶を行ったなどとして処分を決めた。

 県医師会は昨年2月、同医院から毎月10件超の中絶実施報告があることを把握。通院での処置が常態化するなど安全管理上の問題が疑われるとして、前院長に呼び出し通知を出すなどして説明を求めたが、同医院側から聞き取りができたのは今年3月だったという。

 同医院ではこの間の昨年11月、中期中絶の前処置を受けていた妊娠21週の少女(当時17歳)が死亡する事例が発生。少女は数日間にわたって通院しながらラミナリア桿挿入の処置を受けていたが、自宅で容体が急変し、救急搬送先の別の病院で敗血症性ショックで死亡したという。

 県医師会は、少女の死亡と処置との因果関係について判断を示していないが、「同医院の安全管理体制を調査しようとしている間に死亡事例が起きてしまい、 慚愧ざんき の念に堪えない」とし、「規則違反があったなかで死亡事例が起きた」ことを問題視している。

 一方、同医院側は、院内には病床1床と分娩台2台があり、医師たちのスキルにも問題はないと説明。県医師会が呼び出しを拒否したとしている点についても、「日程調整をお願いしたり、理由の説明を求めただけ」などとして、処分は不当だと主張した。少女の死亡についても「処置の過失や死亡との因果関係は不明確なのに、死亡事例の発生自体を処分理由の一つとすることはおかしい」と反論している。

 厚生労働省研究班の調査では、中絶に伴う母体死亡例は10万件あたり0・9件と極めてまれで、県警も少女の死亡の経緯を慎重に調べている。

          ◇

母体保護法指定医師  母体保護法に基づき都道府県医師会が指定し、妊娠の継続や分娩が母体の健康を著しく害する恐れのある場合などに本人や配偶者の同意を得て人工妊娠中絶を行うことが認められている。全国に約7000人。中絶実施は知事に報告する義務がある。各都道府県医師会が処置や施設などに関する規則を定めている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/427591
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
白橋被告、「医師とともに数値を『修正』」
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第25回公判

2016年5月25日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で、薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員とノバ社に対する第25回公判が、5月24日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれ、5月12日に続いて白橋伸雄被告への被告人質問が行われ、本件の対象となるCCB(カルシウム拮抗薬)論文の解析について白橋被告は「打ち合わせの場で医師とともに数値を『修正』した」と証言した。CCB群での有意差を出すため、解析手法を単変量解析から多変量解析に変更したことなどは「虚偽には当たらない」と主張。 検察側質問に対しては、参加医師からは「イベントなし」と報告された症例が、自身が作成したエンドポイント委員会の資料で「イベントあり」と改変されていることも認めたが、理由については「良く分からない」と述べるにとどまった。

 京都府立医大、厚生労働省によるヒアリングや検察庁の任意の聴取については、「最初から犯人扱いで話が進んでいると思った」と述べ、2014年6月の逮捕には身に覚えがないと証言した。

サブ解析、研究者らと数値「修正」
 白橋被告の弁護人による被告人質問では、起訴事実となるバルサルタン(ディオバン)とCCBの併用に関する論文の作成過程などが焦点になった。白橋被告は前回公判で、主任研究者を務めた元京都府立医科大学教授の松原弘明氏や事務局の男性医師Aの希望する「ストーリー」に沿って有意差が出るように解析をしたと証言している(『併用薬剤の使用状況は「推定」、KHS』を参照)。

 2010年8月のメールのやり取りでは、白橋氏は松原氏らに当初はCCB投与の有無を比較した解析で有意差が出ないという結果を送っていたが、「誤りがあった」として有意差があると訂正したものを再送していた。24日の公判では「打ち合わせでポジティブストーリーで行くと決めたので、単変量解析を変更して多変量解析を行うことで有意差を出した」と説明した。

 打ち合わせは2010年9月の欧州心臓学会(ESC)での発表のため、同年6-8月の間に、京都市内のホテルの会議室で複数回行われた。白橋被告のほか、KHSのサブ解析を担当した男性医師Aら複数の医師が参加した。打ち合わせで、白橋被告が作成した資料で主要評価イベント(KHSでは脳卒中や心筋梗塞、狭心症などを合算した複合エンドポイント)と構成要素のイベントの数が合わないなど、「数字のつじつまが合わない」箇所が複数見つかった。白橋被告は「入力ミスや集計ミスだと思い、元データを集計し直すことはしなかった」とし、その場で数値を修正したと説明した。また、1カ所を変更すると他にも影響が生じるとして、「打ち合わせの中で研究者と話して、他の部分も変更していった。ドクターが最終的に決めた」と述べた。

 CCB論文は投稿後もミスが見つかるなどしたため、オンライン掲載は2011年10月にずれ込んだ。白橋被告は、CCB論文はノバ社のプロモーション資材としては使われていないと説明。当時、ノバ社のマーケティング担当者に「あまりプロモーションに用いない方が良い。少しトリッキーな内容になっている」と話したという。

■CCBサブ解析論文に関する白橋被告弁護人からの質問と回答の概要
質問:一部を多変量解析したが、他の部分もそうしようとは思わなかったのか。
白橋被告:思わなかった。エラーが出るのは明らかだった。

質問:一部だけ計算方法を変えることは許されるのか。
白橋被告:許されないことはないと思う。論文の主張したいことに合わせて解析をする研究者は結構多く、論文としてはある。

質問:虚偽になるか。
白橋被告:ならないと思う。計算方法が存在するので、医学論文で何を主張するかになる。

質問:計算方法に唯一無二の正解があるのか。
白橋被告:私はないと思う。多種あるので、これでなければならないというのはない。

質問:数値の修正をしたと言うが、CCBサブ解析だけだったのか。
白橋被告:複雑な集計だったので、マルチプルに修正した。

質問:イベント数の修正は一人でやったのか。
白橋被告:打ち合わせには全てのサブ解析の発表者が参加していた。全員が納得できるようにやった。

 2012年春ごろから、KHSに対して疑義が呈されるようになった。当時の心境は「騒がれることに違和感があったが、逆に危機感もあった」と説明。違和感の理由について、当時は「製薬会社が協力しない(医師の)自主研究はあり得ない」と認識していたと述べた。一方で、製薬業界の労務提供を禁止する行動指針に反しているかもしれないという危機感はあったという。

 これまでの公判で男性医師Aや松原氏は、統計解析を男性医師Aが担当したように口裏合わせをしており、白橋被告が解析ソフトやパソコンを用意したことなどを証言している。この点について、白橋被告は「研究者が決めて、依頼されたから」と説明した。男性医師Aに渡した解析用データのプロパティ情報の作成日を「2009年4月1日」に変更したが、それも男性医師Aからの依頼だったとした。

 疑義が呈せられた後、京都府立医大や厚労省による調査が開始され、白橋被告もヒアリングを受けているが、「主論文発表から4-6年が経っており、当時の記録はほとんどなかった」と説明。ヒアリングや検察庁の任意の聴取は「最初から犯人扱いで話が進んでいると思った」。2014年6月に逮捕されたが、「身に覚えがないと思った」と述べた。

 押収された白橋被告のUSBメモリからは、エンドポイント数が異なる複数の解析用データが見つかっているが、「作成途中で複数のものがあるからだと思う」と説明。公判で証拠として出されている複数の解析のデータについて、弁護人は「実際に解析に使ったデータと全く同一なものはあるか」と質問。「ないと思う。解析用データは統計用のSTAファイル。男性医師Aに渡したのはCSV形式で違う」と説明した。

■CCBサブ解析論文に関する白橋被告弁護人からの最後の質問と回答の概要
質問:非ARB群でイベント数の水増し、CCBサブ解析で恣意的な群分け、事実とは違うP値を記載したとして起訴されているが、この3つの点について身に覚えは?
白橋被告:ない。

質問:KHSへの関与でやましいところはないか。
白橋被告:そうは思わない。ずさんな研究になってしまって、ある程度深い関与をしていた。

質問:故意に虚偽の論文をあなたが作成したという点についてはどう思うか。
白橋被告:納得できない。

EP委判定資料改変「分からない」
 白橋被告弁護人に続いて、検察側の被告人質問が行われた。最初に、白橋被告の統計解析の関わり方について質問すると「サポートの立場。自分以外に統計解析をした人はいない」と説明。京都府立医大や厚労省のヒアリングに対してどのような説明をしたかを問われると「よく覚えていない」と回答。「『受託した事実はない』と答えたのでは」と問われると「はい。正式な受託関係はない。大学と正式に取り交わすことはしていない」と釈明した。

 検察側はイベント判定を行うエンドポイント委員会(EP委)への関わり方について質問した。白橋被告はKHSの独立解析機関となっている同大学の統計の専門家から委託を受けたとして、EP委などで独立解析機関と自身の立場を説明していた。白橋被告が作成したEP委の役割を説明する資料では、(1)判定結果は独立解析機関に通知する、(2)判定資料は独立解析機関が作成する。その際、群分けはマスクする、(3)判定結果について議事録を作成する。再調査は事務局に通知するが、固定、否決は通知しない――となっている。

 しかし、白橋被告は、自身が判定結果を把握、管理していなかったと証言。議事録も作成されていなかったとし、判定結果の管理について「詳しくは分からないが、事務局が管理していると思っていた」と説明した。事務局を務めた男性医師AはEP委の判定結果を把握していないと証言しており(『男性医師から白橋被告への解析用データ提供を示唆、ノバ社側』を参照)、両者の証言が正しいとすると、誰も判定結果を把握、管理していない状況になる。

 EP委で使われた判定資料について、検察官は白橋被告が作成したことを確認した上で、web入力データではイベント報告されていない症例が、判定資料では「脳卒中」としてイベントありに変更していた理由を尋ねた。白橋被告は「2次エンドポイントの状況から加筆をしていたが、分からない」と答えた。

終了判定に虚偽のグラフ作成
 試験終了を判定するDSMB(Data and Safety Monitoring Board)は3回開催され、中間解析の結果を基に終了を勧告した。中間解析はEP委がイベント判定を行う前の登録データで行われたが、2回目のDSMBで独立解析機関となっていた統計の専門家から「固定データで解析してほしい」と依頼があった。

 白橋被告は「EP委が終了しておらず、できない」と思っていたが、男性医師Aに固定データの状況を聞くなどして、「補助解析」を行ったと説明。その際、群間の有意差を示すグラフを作成していたが、そのグラフは統計に基づかない「でたらめ」なグラフだったという。グラフについては委員からの要望はなかったが、「数値だけだとさびしいから」と作成理由を説明した。白橋被告は補助解析結果やグラフについて「中間解析でもなく、意味のないもの」と強調。辻川裁判長は「なぜ『無理です』と言わずに、書けないものをずるをして書いたのか」と質問。白橋被告は「全くおっしゃる通りだが、私の立場で大学の先生に物を申す習慣がなかった」と釈明した。

 また、検察側は弁護側の質問に関連して、統計用のSTAファイルは、エクセルで作成した数値を解析ソフトに入力し、保存することで作成できることを確認した。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160525_13015.html
宮城・仙台市
医療費助成過払い 対象者以外にも返還請求

2016年05月25日水曜日 河北新報

 仙台市が東日本大震災で被災した国民健康保険(国保)加入者の一部を対象とした医療費免除制度と、障害者や母子・父子家庭への医療費助成制度を誤って併用し、助成金を過払いした問題で、市が実際には過払いがない市民にも返還請求していたことが24日、分かった。
 市は今月中旬までに請求ミスを把握したが、「個別に対応する」として公表していない。既に500万円以上が返還され、返還の必要がない市民が徴収されたり、返還不要を認識しなかったりする可能性がある。
 市は3月末、「1279件で総額3243万円の過払いがあった」として返還を求める方針を発表。各区役所が4月中旬~今月上旬、返還対象者に経緯説明の文書や請求額を記載した納入通知書を発送した。
 市によると、このうち実際は返還不要のケースが判明分だけで5件あった。内訳は泉区2件、青葉、若林、太白各区1件ずつ。
 市は5件について過払い分1838円~4万2690円の返還を求めたが、対象者らから「身に覚えがない」などの問い合わせを受け、調べた結果、過払いがないことが分かった。
 被災者の医療費免除と障害者や母子・父子家庭への医療費助成はいずれかしか利用できない。免除された人がさらに助成金を申請したり、窓口で医療費を払い助成金を受けた人が免除制度に基づく還付金を受給したりした場合、二重支給となり、過払いが生じる。国保の電算システムでは防げないという。
 返還が不要な5件はいずれも免除制度を利用せずに窓口で医療費を払い、助成金だけを受け取った。だが、医療機関が国保に医療費の保険適用分を請求する際、免除制度の利用者と誤ったため、過払い対象に含まれたとみられる。
 市は5件以外にも同様のケースがある可能性を認める。障害企画課の担当者は「問い合わせがあれば個別に対応し返還不要を伝える。誤徴収の有無は調べてみないと分からないが、判明すれば返金する」と話す。


  1. 2016/05/26(木) 01:24:11|
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