Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

5月16日 

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48749.html
「医師失業時代」に向け、在宅医療のススメ- 医師・キャリア考(2)
2016年05月16日 08時00分 キャリアブレイン

 医師の転職支援事業を行っている株式会社キャリアブレインとのタイアップ企画、「医師・キャリア考」。第2回のテーマは在宅医療です。
 
 急ピッチで進行する少子高齢化と国策の後押しで、日々存在感を増している在宅医療ですが、近い将来、医師の「失業時代」がやってくる可能性があることを思えば、一人ひとりの医師にとっても、今のうちにこの分野を知り、この分野とかかわっておくことは重要です。

 今回は、忙しい急性期の医師でも在宅医療に取り組めるノウハウを紹介します。【利用無料/先生の年収を査定する年収診断システム】
 
■今後も続く国策での在宅重視

 この4月の診療報酬改定で、急性期病院の平均在院日数をさらに短縮する改定が行われました。この改定に込められた国からのメッセージは、「患者さんを少しでも早く退院させ、地域社会に戻すように」といったところでしょう。さらに、単に患者さんの退院をせかすだけでなく、地域に帰った元患者の生活を支えるため、在宅医療を丁寧に評価する改定も行われました。

 国は、重度な要介護状態となっても 住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、「地域包括ケアシステム」の構築を基本政策として掲げています。ですので、今後の改定でも在宅重視の流れは続くでしょう。急性期病院に勤務している先生方でも、在宅医療を全く意識しないわけにはいかない時代が到来しているのです。

■2030年には、医師が失業する時代に?

 そんな中、厚生労働省は今年3月、医師の「失業時代」の到来を暗示するような予測を発表しました。

 深刻な医師不足が続く今、「失業時代」到来といわれても、腑に落ちないかもしれません。しかし、人口が減り続ける一方、医学部の定員増によって医師は増え続けていることを思えば、いつか医師が余ってしまう状況が生じても不思議ではありません。実際、厚労省が出した推計値では、2030年前後には医師の需給が均衡し、その後は医師余りの状況に突入する可能性があるとしています=グラフ=。
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 2030年といえば、ほんの14年後。つまり、今、医療現場で働かれている先生方も、近い将来に医師余りの状況下で働く可能性があるわけです。

 もちろん、推計通りの未来が訪れると決まっているわけではありません。ただし、その可能性が否定できない以上、「医師余りの中でも選ばれる医師」になるための自己研さんは必要でしょう。そして、社会のニーズに応じて自身のスキルを高めるという意味では、在宅医療を経験することは非常に有効です。

■非常勤で在宅を兼務するという選択肢

 しかし、専門分野をお持ちの先生が、その分野を捨てて在宅医療に身を投じることは、なかなか難しいでしょう。

 そこで考えられるのが、非常勤で週のうち何日かを在宅医療の仕事に割き、経験を積むという方法です。実際、キャリアブレインでも、こうしたご要望を頂くことが増えてきました。

 このやり方で在宅医療に従事されている先生にお話をお聞きすると、「自分の専門分野に在宅医療の観点を入れることで、患者の退院後も踏まえた処置を心掛けるようになった。スキルアップの手応えを感じている」とおっしゃられています。

■さまざまなスタイルがある在宅医療の現場
 
 さらに、在宅医療にかかわる求人は、年々増えています。ただし、一言で「在宅医療」と言っても、「個人宅への訪問なのか」「施設への訪問なのか」によって大きく違いがあります。

 また、訪問の同行者についても「ドライバーがいるのか」「看護師は同行するのか」などの違いにより、仕事の大変さは変わります。

 病院やクリニックごとにカラーがあり、先生のスキルや経験によって合う施設、合わない施設が違ってくるということも考慮する必要があります。
 
 もし、非常勤での在宅医療勤務にご興味がありましたら、以下までお問い合わせください。豊富にそろえた求人で、先生に合ったお仕事をご案内いたします。

非常勤在宅医療に関するお問い合わせはこちら



http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201605/0009090938.shtml
新専門医制度への懸念表明 関西広域連合が意見書
2016/5/16 20:44 神戸新聞

 2017年度をめどに始まる新専門医制度について、関西広域連合は16日、大学病院や都市部に医師が偏在する恐れがあるとして、厚生労働相や文部科学相らに対応を求める意見書をまとめた。17日に連合長の井戸敏三・兵庫県知事が上京して提出し、同日の自治体病院議員連盟(会長=細田博之・自民党幹事長代行)総会でも要望する。

 新専門医制度は、従来は外科や内科などの各学会が独自に行っていた専門医認定を、第三者機関「日本専門医機構」に一元化し質を高めるのが狙い。

 専門医の養成は、大学病院などの「基幹施設」と、地域の中小病院の「連携施設」が病院群を構成して行う。症例数などの実績を基に認定する方針だが、症例数の少ない中小病院に専門医が来なくなるとの懸念もある。

 意見書は「中小病院が専門医の派遣を受けられる担保がなく、地域医療に多大な影響が生じる」と指摘。優れた指導医がいる公立病院も基幹施設に位置付けることなどを求めている。

(黒田勝俊)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48757.html
専門医養成プログラムの公開に注意喚起- 専門医機構、認定前は「不正行為」
2016年05月16日 16時00分 キャリアブレイン

 新専門医制度ですべての領域の養成プログラムの認定を行う「日本専門医機構」(機構)は13日、認定を受ける前のプログラムの情報を公開しないよう、研修施設などに向けて注意喚起を行った。公開した場合、プログラムの審査中の「不正行為」とみなすとしている。【佐藤貴彦】

 専門医の養成プログラムの認定は、内科や外科などの領域ごとに、関係学会が基準を定めて行ってきた。しかし、基準がばらばらだと専門医の実態が患者側にとって分かりづらいなどとして、厚生労働省の検討会が新制度の在り方を議論。機構は、同検討会の報告書を踏まえて、専門医の養成プログラムの評価・認定などを統一的に行う第三者機関として2014年に設立された。

 機構は現在、来年度からの研修プログラムとして各地の研修施設が申請した内容を審査している。今後、認定したプログラムを一斉に公表する予定だ。

 審査中のプログラムの情報が公開されると、研修先を探す医師がそれを見て、認定を受けたものだと誤解する恐れがあるが、プログラムの内容は審査の過程で変わり得る。また、医師を確保したい研修施設の間での公平性を欠くことから、機構がホームページなどで注意を呼び掛けた。

 審査中のプログラムに関して不正行為があった場合の取り扱いは決まっていないが、何らかのペナルティーが科される可能性もある。

 専門医の養成をめぐっては、新制度が医師の地域偏在を悪化させるといった懸念から、従来の制度を来年度も継続するよう求める声が医療界から上がっている。このため、社会保障審議会医療部会が専門委員会を設置し、新制度が医療現場へ悪影響を及ぼすのを防ぐ施策などの検討を急ピッチで進めている。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0516503512/
高血圧治療薬「ディオバン」のデータ改ざん事件受け...臨床研究規制法案を提出
yomiDr. | 2016.05.16 15:35〔読売新聞〕

 高血圧治療薬「ディオバン」のデータ改ざん事件などを受け、政府は臨床研究を適正に行うための臨床研究法案を、国会に提出した。

 第三者の審査委員会の設置や製薬会社による資金提供の公表を義務づける。

 薬の製造・販売承認を得るために行う臨床試験(治験)は、医薬品医療機器法(旧薬事法)で規制されている。しかし、医師らが製薬会社から資金提供を受けて医薬品の効果を確かめたり、承認された病気以外の効果を確認したりする場合は法規制がなかった。

 法案などによると、第三者の医師や患者団体、法曹関係者からなる「認定臨床研究審査委員会」を全国数十か所に設置。患者への説明や記録の保存など、研究計画が厚生労働相の定める基準に合うか審査する。

 製薬会社の資金提供は金額公表を義務付け、研究委託費だけでなく、研究室への寄付金、研究者個人への原稿執筆料、講師謝金も対象とする。違反すれば厚労相が是正勧告し、従わない場合は社名を公表する。

(2016年5月16日 読売新聞)



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS07H0S_V10C16A5PE8000/
製薬会社の資金提供、開示義務付けへ新法 政府
2016/5/16 1:14日本経済新聞 電子版

 政府は製薬会社や医療機器メーカーが研究機関と組んで行う臨床研究の透明性を高める新法をつくる。企業が医師や研究者に資金提供した際に内容の開示を義務付ける。2013年に起きたスイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマによる臨床研究データ操作事件では、大学側への多額の資金提供が発覚した。再発防止のために規制を強化する。

 新法の「臨床研究法案」は今国会での成立をめざすが、6月1日の会期末が近いため臨時国会での成立も視野に入れる。

 新薬や医療機器の承認に向けた臨床試験(治験)は薬事法に基づき、研究内容を国へ届け出ることが義務付けられている。一方、学術目的の臨床研究は薬事法の対象外。厚生労働省の倫理指針があるだけで、法律による規制はなかった。

 新法では臨床研究に関する資金提供について、企業に対して契約の締結と、毎年度の公表を義務付ける。研究費のほか、学会参加のための交通費など「奨学寄付金」、講演料、原稿執筆料などが公表の対象となる。これまでは資金提供の公表は自主開示で実効性が低かった。企業が違反した場合は厚労省が勧告を行い、従わない場合は企業名を公表する。

 研究機関への規制も強める。担当する研究者が不正を行わないかのモニタリングや、研究記録の保存などを義務付ける。過去には記録の破棄が行われ、研究データ改ざんの要因にもなっていた。

 企業から医療機関への資金提供をめぐっては、ノバルティスファーマが高血圧症治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)の研究データを不正操作して薬効を誇大広告したとして、薬事法違反罪で元社員が起訴されて問題となった。



http://www.kobe-np.co.jp/news/tanba/201605/0009090648.shtml
神大医学部生、地域医療学ぶ 柏原病院で臨床実習
2016/5/16 18:30神戸新聞NEXT

 兵庫県立柏原病院(丹波市柏原町柏原)で、神戸大学医学部の学生らが交代で臨床実習に取り組んでいる。同病院では今年は7月までに計14人を受け入れる予定で、昨年の6人から大幅に増えた。地域医療の前線を学べる環境が、学生らの人気を集めているという。

 同学部の6年生は2週間単位の臨床実習が必修で、自ら病院などの実習先を選ぶ。柏原病院では、秋田穂束院長らが中心となって若手教育に力を入れており、学生の実習受け入れにも積極的に取り組んでいる。



https://medical-tribune.co.jp/news/2016/0516503515/
佐賀の医療機関で結核集団感染、1人死亡
yomiDr. | 2016.05.16 15:50〔読売新聞〕

 佐賀県は14日、県西部の医療機関に入院していた80歳代の女性患者1人が結核を発症して死亡し、同じ医療機関の患者や職員ら計9人(30〜80歳代)が集団感染した、と発表した。

 県健康増進課によると、死亡した女性は発熱や呼吸器の状態が悪化する症状がみられたため、入院していた医療機関で検査を受け、今年1月26日に結核と診断された。その後、転院して治療を受けたが、2月中旬に死亡したという。

 このため、県は、入院先の医療機関の職員や入院患者ら約220人を調査し、男性3人、女性6人の感染を確認。うち4人が発症していた。重症患者はいなかった。

 感染者数人から採取した結核菌を調べたところ、遺伝子型が一致した。県は今後も、この医療機関の患者らを対象に検査を行う方針。

(2016年5月16日 読売新聞)



http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20160517-OYTNT50036.html
矯正医官3人新採用 特例法で条件緩和
2016年05月17日 読売新聞 北海道

◆なお不足、PR強化へ

 刑務所や少年院などで働く常勤の医師「矯正医官」が全国的に不足する中、道内で今年度に入り新たに3人の内科医が採用された。兼業をしやすくするなど勤務条件を緩和する特例法が昨年12月に施行されたのが理由。ただ、常勤医が必要な道内13施設の定員18人に対しなお6人が不足しており、所管する札幌矯正管区は「働きやすい環境をPRしたい」としている。

 矯正医官は刑務所や拘置所などで入所者の診療や治療を行う国家公務員。受刑者らの診療や治療による健康管理は、出所後の社会復帰と再犯防止のうえでも重要とされる。

 法務省によると、矯正医官は全国の定員328人に対し254人(4月1日現在)で、欠員は慢性化。道内でも昨年度は10人にとどまり、地域の他の医療機関から非常勤や嘱託医の協力を得てしのいできた。

 背景にあるのは、民間と比べて制約が多い労働条件だ。これまでは、勤務時間内での他の医療機関との掛け持ちは難しく、勤務は午前8時半~午後5時に固定されていた。こうした条件下では、施設内での症例に限られてしまい、最先端の医療技術を学ぶ機会が乏しくなるほか、民間の医師と比べて収入が低いことも、不人気の理由となってきた。

 このため国は昨年12月に特例法を施行。勤務時間内でも地域の他の医療機関で働けるようにした。また、午前7時~午後10時の枠内で4週間155時間を矯正医官が柔軟に割り振れるフレックスタイム制を導入して、大学病院での症例研究などに参加しやすくした。

 道内では4月、網走刑務所で50歳代の男性を、少年を収容する月形学園で40歳代の男性を採用。5月にも帯広少年院で60歳代男性が勤務を始めた。

 札幌矯正管区は今後も医学生向けの施設見学会の開催を続けたり、PRポスターを刷新して掲示箇所を増やすなどしたりして、医師確保を図るという。



https://www.m3.com/news/iryoishin/422066?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160516&dcf_doctor=true&mc.l=157794292&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 今どきの「U35ドクター」2016
優秀な指導・上級医「性格や人間性」◆Vol.5
「患者・スタッフからの信頼」重視の傾向強まる

医師調査 2016年5月16日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 
Q 優秀な指導医・上級医の条件は、何だとお考えですか。【複数選択】
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 指導医・上級医が優秀であると判断する条件は、1番目が「性格や人間性」(89%)、2番目が「診療の知識・技術の優秀さ」(82%)で、2013年の調査とは反対の順序になった。大まかな傾向は2013年からほぼ変化はないが、「指導の姿勢・方針が熱心である」(5ポイント増)、「患者や院内のスタッフからから信頼されている」(9ポイント増)が増加幅が大きかった(2013年調査は、『優秀な指導医・上級医の条件とは?◆Vol.3 』を参照)。



https://www.m3.com/news/iryoishin/416815
シリーズ: 臨床医学リスクマネジメント学会シンポ「大野病院事件を振り返る」
刑事裁判、“冤罪”限りなく防げ!◆Vol.5
「無罪判決」多数の元裁判官、訴え【動画】

2016年5月17日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 日本臨床医学リスクマネジメント学会の4月3日のシンポジウム「県立大野病院事件を振り返る」で、最後に登壇したのは、弁護士で元裁判官の木谷明氏。

 37年間の裁判官時代、30を超す無罪判決を出し、うち控訴されたのは1件にとどまる。しかも控訴棄却に終わった。有罪判決率が「99%」とも言われる日本の刑事裁判の中では、異例の無罪判決の多さだ。

 木谷氏は、「現実の裁判では、冤罪が極めて多数発生している。実際に無罪判決になった判決、あるいは再審で無罪になったのは、氷山の一角であり、現実には無実の罪で苦しんでいる人が大勢いる」と赤裸々に現状を語った。「なぜこんな証拠で、有罪になるのか、という例も珍しくない」と問題提起し、「冤罪を撲滅することは不可能だが、それぞれの立場で、冤罪回避のために精一杯の努力をしていくほかない」とシンポジウムの参加者に呼びかけた。

 
◆木谷明氏(弁護士・元裁判官)
日本臨床医学リスクマネジメントシンポジウム(2016年4月3日)(動画)

 木谷氏によると、冤罪が生じる背景には、取り調べにおいて“完全可視化”が進んでいないなど、制度上の問題のほか、警察・検察、弁護、鑑定、マスコミ、裁判所・裁判官など、それぞれ立場の関係者に問題があるという。

 医療刑事裁判で問題になるのが、福島県立大野病院事件の例に見るように、鑑定の問題。関連してフロアから発言したのが、埼玉医科大学総合医療センター院長の堤晴彦氏。

 1999年に起きた杏林大学の“割り箸事件”の鑑定を引き受けた経験を踏まえ、堤氏は、「検察は、一例も頭部外傷を見たことがない医師に鑑定を依頼しているが、『受ける方も受ける方』。その鑑定内容はひどい。検察から頼まれてその内容を書いたとしたら、医師の自律の問題であり、科学者として書いたなら、科学者としての資質を疑う」と強い口調で問題視。「鑑定を引き受けるなら、科学者としての立場を失ってはいけない」と強調し、医療刑事裁判において、冤罪を防ぐためには医師側の姿勢も問われるとした。“割り箸事件”では、堤氏らの鑑定により、業務上過失致死罪に問われた医師は無罪になった。

◆“割り箸事件”特別発言:堤晴彦氏(埼玉医科大学総合医療センター病院長)
日本臨床医学リスクマネジメントシンポジウム(2016年4月3日)(動画)


「御用鑑定人」の存在も問題

 冤罪が生じる要因として、木谷氏がまず挙げたのは、制度上の問題だ。「検察官と弁護人では、持っている強制力が違う。警察・検察は、被疑者の身柄を拘束して長時間取り調べるのに、被疑者は、黙秘権と、弁護人を選ぶ権利しか与えられない。“大砲”と“空気銃”の勝負。与えられた力が違う人が対等に戦えるはずはない」と述べ、検察は被疑者、被告人を有罪にするために有利な証拠しか開示しないなど情報の面でも有利な上に、長期間にわたり、被疑者・被告人の身柄を拘束し、密室内で自白を迫ることが、冤罪につながるとした。

 さらに木谷氏は、検察について、「被告人に有利な証拠を平気で隠す。検察官は公益の代表者とされるが、実際には起訴処分に踏み切った段階で、公益の代表者ではなく、“当事者”に変身する」とも指摘した。「よほど実力がある弁護人が付けば別だが、普通の弁護士が付いた場合は、検察官にまともに対応できない。それなのに、熱意と能力の足りない弁護士も結構いる」(木谷氏)。

 鑑定については、次のように述べた。「裁判官は科学に素人なので、専門的なテーマは鑑定に頼る。司法解剖などは捜査の基本方針を決める重要な問題であり、公正に行われなければいけない」。にもかかわらず、現実には解剖数が増えている上に、人材不足という問題もある。それだけでなく、「御用鑑定人」もいるとし、「遺体解剖は捜査機関から依頼されないと実施するチャンスがない。捜査機関から依頼されたい、と思うあまり、捜査機関の意向を聞いて、それに合う鑑定書を書く人もいる」(木谷氏)。

 公正・公平・中立とされる裁判官についても、「なぜか裁判官は、検察側の鑑定人に寄りかかる判決を出す。検事に対する信頼、仲間意識がある。『警察・検察は正義のためにやっているのであり、嘘を言うはずはない。他方、被疑者は自らの罪を逃れるために、嘘を言う動機はある』と考える。捜査機関の発表を盲信して“犯人視報道”をするマスコミにも左右される」と問題視した。

 木谷氏は、「どうすればこうした状況から抜け出せるか」とシンポジウムの参加者に問いかけ、その方策として、「冤罪原因究明第三者委員会」の設立などのほか、裁判員制度と法教育の充実などを挙げた。「『起訴されたら、有罪』と考えている裁判官よりも、もう少し初々しい目で見てもらえるのではないか」と期待を込め、「冤罪ほど恐ろしいものはない。それぞれの立場で少しでも減らす努力をしてもらいたい」と結んだ。


  1. 2016/05/17(火) 06:10:54|
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