Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月25日 熊本震災関連 

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/042500517/
熊本地震に支援の動き広がる 医師にネットで無料相談、修理対応も
熊本地震取材班
2016/04/25 日経コンピュータ

 熊本県と大分県を中心に発生した地震を受けて、ITで市民や企業を支援する動きが広がっている。被災者の避難生活が長期化する懸念が指摘される中、ネットマーケティングを手掛けるサイバー・バズは4月21日、健康・医療相談サービス「Doctors Me(ドクターズミー)」の無償提供を始めた。通常料金は月額300円などで、利用者は医師へチャット形式で質問できる。

 無償提供するのは、ドクターズミーに登録している医療専門家のうち医師への相談。同サービスにはほかにも獣医師、栄養士、介護士、薬剤師などが登録している。対象期間は5月31日まで。受付時間の朝9時から夜12時まで医師が待機しており、平均30分で回答する。

 「避難生活の不安や精神的な負担を少しでも軽減したいと考えた。打ち明けにくい悩みも含めて相談してほしい」。同社の高村彰典社長は、無償提供の狙いをこう話す。車中泊によるエコノミークラス症候群、避難生活での不眠やストレス、衛生環境など、健康や心のケアに関する様々な相談を受け付ける。

 ほかにもIT企業や通信事業者が、被災地の住民や企業の支援を相次いで申し出た。今回の地震で故障したハードウエア製品を修理する費用の割り引きや通信規制の緩和、情報共有サービスの無償提供などがある。

 日本IBMは4月14日から7月31日までの期間で、地震などによる同社製のサーバーやストレージといった機器の故障について、保証期間中のものは作業料を無料、部品代を特別価格として修理する。NECと富士通は、各社ブランドの個人向けパソコンや周辺機器を作業料無料で修理する。

 ソフトバンクとNTTドコモは熊本県に住所がある利用者を対象に4月末まで、契約プランで定められたデータ通信量を使いきると通信速度を遅くする制限を撤廃。KDDI(au)も既定のデータ通信量に加えて最大10ギガバイトまで使えるようにした。

クラウドで情報共有を支援

 パイプドビッツは4月15日、各種データ管理やメール配信機能などを持つプラットフォームサービス「スパイラル」の無償提供を開始した。地震にまつわる連絡やボランティア活動の案内などに使える「メール配信アプリ機能」や、安否確認や対応状況の把握などのための「問い合わせ管理」などのツールを用意する。

 ビデオ会議サービス「V-CUBE ミーティング」を無償提供するのがブイキューブだ。九州地域に拠点を置く企業/学校/官公庁や、九州地域に取引先がある企業を対象とする。10拠点での同時接続が可能で、オフィスや学校への通勤/通学が難しい、電話がつながりにくいといった状況でも仕事や勉強ができるようにする。

 17日にはインフォテリアが、情報共有サービス「Handbook」を無償提供。被災した企業や団体は、50人まで利用できる。利用に当たっては、電話サポートも受けられる。



http://www.j-cast.com/tv/2016/04/25265109.html
熊本被災地で心配される関連疾病!ノロウイルス感染やたこつぼ心筋症
2016/4/25 14:52

熊本地震の被災地で感染症の心配が広がっている。南阿蘇村の避難所では1人からノロウイルスが検出された。現地の医師の話によると、トイレに置いてあった洗浄用のバケツを、誤って手洗い用の水汲みに使ってしまった可能性があるという。

現地で医療活動を行っている日赤和歌山医療センターの中大輔医師は、「一番の原因は水不足です。水がしっかり出て、手洗いも流水でしっかりできればウイルスが手に残る可能性が低くなります。それができない」と話している。

余震のストレスや寝不足で発生から1か月後に多発

約100人の医師、看護師らが23日(2016年4月)に洗面所やトイレの消毒に取り組み、ノロウイルスの感染は収束に向かうとみられているが、懸念されている健康被害は他にもある。山木翔遥アナによると、頻発する余震や避難生活に伴う睡眠不足などのストレスから「たこつぼ心筋症」(ブロークンハート症候群)の発症が心配されている。

心臓が血管の繋がっている個所だけ収縮し、他の部分が収縮しなくなる症候群で、心臓の形がたこつぼのように変形するのでこう呼ばれる。初期症状は胸の痛みや動機、息切れで、発見が遅れると命に係わる。中越地震(2004年)の時も、余震が続いた1か月後に発症患者が増えており、とくに年配の女性に多い。

コメンテーターの住田裕子弁護士「1対7の割で年配の女性に多いと聞いています。胸の痛みが出たら医師に診てもらった方がいいですね。1か月ほどで自然治癒することもあるそうなので、あまり心配し過ぎもよくないという感じもしますが・・・」



http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160425-OYS1T50073.html
特集 熊本地震
「エコノミー」熊本の35人重症

2016年04月25日 読売新聞

 熊本県災害対策本部は25日、県内の主要医療機関(20病院)で、肺塞栓そくせん症(エコノミークラス症候群)のため入院が必要と診断された患者数が14~24日の累計で35人に上ると発表した。車中泊など避難生活に伴うものとみられ、いずれも重症化しているという。

 熊本大医学部付属病院が、同病院を含めた20医療機関の患者数を集計し、対策本部に報告した。65歳以上の高齢者が21人と6割を占め、性別では女性が29人と8割を超えた。

 県は「避難生活の長期化で今後もエコノミークラス症候群の続発が懸念される」として注意を呼びかけている。



https://www.m3.com/news/iryoishin/419755
シリーズ: 熊本地震
地域連携やサーバー免震化が奏功、熊本日赤
最も想定外だったのが「水」の確保

2016年4月25日 (月) 高橋直純(m3.com編集部)

 熊本県災害拠点病院に指定されている熊本赤十字病院(熊本市東区、490床)は4月14日と16日の熊本地震で、搬送されてくる全ての救急患者を受け入れた。災害対応訓練や近隣医療機関との連携、院内システムのサーバーの免震化など、日ごろの備えの成果が効果的に発揮できた形だ。4月20日に副院長の中島伸一氏に取材した。

発災直後に3分の1のスタッフが参集

 「最初からパニックになることがなく、私のところにもほとんど報告で、『どうしましょうか』という相談はほぼなかった」。3月に大規模訓練を行っていたこともあり、中島氏は「訓練そのままの状況ができ上がっていた」と説明する。

 熊本赤十字病院では、震度5強以上の地震が起きると、病院から2キロ圏内の職員が参集するルールがある。病院の近くには救護員宿舎もあり、4月14日も発災した午後9時26分の直後から、病院職員約1500人のうち、4分の1から3分の1の職員がすぐに集まった。中島氏が病院に到着した午後10時には、救急棟では既に災害体制が取られていた。15日午後4時までに受け入れた患者は計405人。トリアージの内訳は、緑が345人、黄が42人、赤が16人、黒が2人だった。救急車だけでなく、近隣から自家用車で来る患者も多かった。

 中島氏はインドネシアやイランの津波、阪神大震災や東日本大震災などでも医療支援に参加した経験がある。「想定内の災害というものはないが、それでも14日は比較的想定通りに対応できた。しかし、16日は本当に想定外だった」。16日未明に起きた本震では、絶え間なく患者が来ることが予想され、より広い場所が確保できる本館にトリアージスペースを確保。16日未明から午後11時20分までの受け入れ患者は565人、緑が427人、黄が91人、赤が43人、黒が4人に達した。熊本市民病院が機能を停止するなど、周囲の医療機関でも被害が大きく、救急搬送の段階で、重症患者は熊本日赤と国立病院機構熊本医療センターに集約されていったという。

地域連携システムが活躍

 全ての患者を受け入れることができたのは、「近隣医療機関との役割分担が機能したから」と中島氏は強調する。重症患者向けの病床を確保するために、もともと入院していた約100人を 近隣医療機関に受け入れてもらった。その時に活躍したのが、2015年から運用開始したばかりの『地域医療連携ネットワーク・くまもとクロスネット』だ。熊本日赤を中心に近隣の50医療機関が参加し、検査データや治療歴などの診療情報を電子的に共有するネットワーク。平時における医療連携を目的として設置されたが、今回はネットワークを活用することでスムーズに転院先を探すことができたという。中島氏は「トリアージ赤は87人(4月18日時点)い た。近隣医療機関の協力がなければ対応できなかっただろう」と話す。また、搬送に当たっては「極力県外は避けた。高齢者にとって、方言が使えない地域は外国に行ったようで、認知症が進む可能性がある。遠くになると家族も大変」と指摘する。


サーバー免震化で難を逃れる

 中島氏が事前の備えとして良かったことの一つに挙げたのが、院内システムで使うサーバーの免震化だ。病院自体は免震になっていないため、大きな損壊はなかったものの、備品が壊れるなどの被害があった。サーバー設置の部屋については、空調なども含めて数億円をかけて、免震化していたことで、災害直後でも電子カルテや「くまもとクロスネット」を使うことができた。震災後、時間別の受け入れ患者数の集計が可能だったのも電子カルテがあったからこそだ。中島氏は「熊本には地震が来ないという声もあったが、やっていて本当によかった」と語る。

最も想定外だったのが「水」の確保

 災害時には行政との連携も重要になる。県の災害対策本部には、病院の災害コ―ディネターを派遣し、情報共有を行っていたが、実際に対応に当たっては「ほとんど赤十字病院グループ内でまかなった」。食料品も3日分の備蓄がつきかけると、福岡や大分の赤十字病院から応援を受けた。「県や熊本市もやることありすぎて大変だった。本当に困った時以外は、あまり頼むとパンクしてしまう」と考えていたという。

職員も「72時間」で疲弊

 最も想定外だったのが「水」の確保だった。3日分に当たる350トンが備蓄されていたが、16日から17日にかけてあと6、7時間で枯渇するという状況になった。14日の発災直後から一帯は断水状態となり、近隣医療機関の透析患者なども受け入れていた。熊本市に要望しても給水車が運べるのは1台で0.5トン程度。被災した市民への給水も必要で、病院の需要全てに対応してもらうことはとてもできなかった。最終的に助けになってくれたのは自衛隊だった。視察に訪れていた内閣官房副長官に説明したところ、厚生労働省の現地対策本部から「水を手配する」と連絡があった。

 発災後は、病院スタッフは12時間勤務体制になった。院内にスタッフやDMAT用の宿泊場所を作り、食事なども用意した。中島氏は「災害救助では『72時間』が重要になると言われるが、職員も同じ。そのころになると職員も疲弊してくる」とし、役割分担が重要になると指摘する。近隣医療機関の入院患者搬送を担当したのはDMAT。搬送車で応援に来ているケースが多く、市内の救急車を使わずに済む。また、日本赤十字社の災害救護班は、病院外の避難所に派遣され、「うちの職員は全員、うちのことができた」(中島氏)。18日から通常の8時間勤務制に移行。被災して病院機能が停止した熊本市民病院の医師や看護師も応援に入り、20日には災害救護班とは別に、全国の日本赤十字社からさらに医師16人、看護師25人が応援に訪れた。中島氏は「役割分担が重要と改めて実感した」と強調する。



https://www.m3.com/news/general/419710
慢性疾患、悪化の危険 お薬手帳で迅速な処方 「伝えたい、私たちの経験」
2016年4月25日 (月) 共同通信社

 長引く避難生活では、集団生活のストレスや栄養の偏り、運動不足などにより、高血圧や糖尿病といった慢性疾患が悪化する危険が増す。健康に問題がなかった人でも体調を崩しがちだ。

 東日本大震災の際、津波で建物が全壊し、避難所に仮設診療所を開いた高田病院(岩手県陸前高田市)元院長石木幹人(いしき・みきひと)さん(68)は「体の不調は遠慮せず、早めに周囲に伝えて」と呼び掛ける。

 熊本や大分を中心とした今回の地震で、国は保険証を持たずに避難した人でも、名前や生年月日などを伝えれば保険適用で受診できることを自治体に周知した。石木さんは「受診可能な医療機関のリスト提示など行政や医師会、保健所の素早い情報発信が安心につながる」と話す。

 東日本大震災後は診療態勢が整わず、薬の処方に時間がかかった。患者側も、毎日飲む薬の名前や量を正確に覚えていないケースが多い。院外処方が増え、薬の色や形だけを伝えられても特定できない医師もおり、お薬手帳が手元にあると比較的早い入手につながる。

 仮設住宅に移る被災者への対応も欠かせない。高田病院では、体を動かさなくなることで心身の機能が低下する「生活不活発病」を防ぐため、仮設住宅のそばに農園をつくる取り組みを進めた。被災者が震災前から親しんできたこうした活動を通じ、コミュニティー構築や生きがいづくりを後押しした。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201604/546668.html
速報◎2016年熊本地震
中小病院・介護事業者の奮闘1週間
真価問われる地域包括ケア

2016/4/25 永井 学=日経ヘルスケア

 4月14日に震度7の前震、16日未明に再び震度7の本震を観測し、今なお余震が続く熊本地震。要介護高齢者などが入院・入所する現地の医療機関・介護施設はどう対応したのか。浮かび上がるのは日ごろの備えや協力関係の大切さだ。(取材は4月22日時点)

 熊本市内で地域包括ケア病床や緩和ケア病棟などを運営する医療法人大浦会・メディカルケアセンターファイン(熊本市、63床)。同法人は隣接する介護老人保健施設「おとなの学校 本校」(入所定員120人、通所定員50人)や小規模多機能型居宅介護事業所、サービス付き高齢者向け住宅などを運営し、医療・介護複合体の「ピュア・サポート グループ」を形成する。

 地震では小規模多機能型居宅介護事業所のキッチン上部の棚が崩落。壁紙の剥離やクラック(ひび割れ)などもあり、小規模多機能型居宅介護の利用者やサービス付き高齢者向け住宅の入居者は病院・老健施設の1階に避難した。また病院・老健施設でも余震に備えて入院患者・入所者はベッドとともに1階に移動してもらった。

 さらにスタッフの家族や近隣の住民を避難者として受け入れた。その数は病院が約150人、老健施設が約170人で合計約320人に上る。

 人的被害に関しては、震災発生後に腰痛を訴えた者が1人いたほか、3~4日後に発熱した者が1人出た程度で、転倒者などはいなかった。物的被害は小規模多機能型居宅介護事業所のキッチン棚の崩落のほか、老健施設の敷地内の地割れや壁のひび割れ(クラック)、渡り廊下のジョイントのずれといった状況だ。

全国の法人から支援が続々

 理事長の大浦敬子氏は14日の前震時は東京に滞在していたが、一報を受けて15日に熊本市に戻ったところ、翌16日未明の本震で被災した。地震直後は電話もつながりにくく、「LINE」などのSNSでスタッフと連絡。また大浦氏の「Facebook」などで情報発信を続けたという。

 電気は比較的早期に復旧したが、水道が復旧したのは5日目の18日で、ガスは20日時点でも復旧していない。特に問題となったのが水の確保だ。スタッフは施設のホームページなどでも水道・ガスなどの復旧情報を逐一発信した。

 介護施設などでは多数の避難者がいても、行政の指定避難所ではなく自主避難所の扱いとなる。地域の大規模な急性期病院などでは、比較的早期に配給網が作られたが、中小病院や介護事業所までは行政も手が回らない。

 そんな公的支援を当てにできない中、「助けてくれたのが友人たちだった」と大浦氏。例えば兵庫県赤穂市の医療法人伯鳳会・赤穂中央病院からは17日未明に理事長の古城資久氏が医療チームや支援物資とともに到着。このほか、富山県の社会福祉法人アルペン会、東京都町田市の社会福祉法人合掌苑などからの支援物資が続々と届いた。

 余震が一定程度に落ち着いた19日には1階の入院患者・入所者を元の階に移し、サ高住など居住系サービスの入居者も自室に戻った。また20日には老健施設で通所リハビリテーションを再開し、屋外で「青空デイケア」を実施した。

 また、「自立支援などの日ごろの取り組みがいかに大事かも知った」と大浦氏は話す。例えば、老健施設の入所者は1階に避難した際にベッドを扇状に並べ、その間にポータブルトイレを設置したところ、入所者や避難者が自主的に利用し、職員がケアに忙殺されることがなかったという。

タンスが倒れ危機一髪も無事

 一方、全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会の理事長、川原秀夫氏は震災発生後、熊本県内の介護事業所の支援に奔走している。震度7の激震が立て続けに起こった熊本県益城町に隣接する熊本市東区で、川原氏はNPO法人コレクティブ(熊本市東区)を運営。小規模多機能型居宅介護事業所「いつでんきなっせ」などの介護事業所を展開している。川原氏は被災時は自宅におり、事業所に急行した。

 14日夜、いつでんきなっせには泊まりの利用者やスタッフが8人がいた。「利用者が就寝していた宿泊室の室内エアコンが落下したり、タンスが倒れたりするなど危機一髪だったが幸い人的被害は出ず、全員が1階に避難した」と川原氏は語る。

 事業所の2階で停止中のエレベーターの扉は大きく歪み、隙間から1階が見えるなど利用できない状況。500kg以上の重さがある電気給湯器の屋外タンクが2台とも地震で大きく動いて破損した。さらにスプリンクラーからの水漏れも発生した。

 熊本市の独自事業で認知症カフェや宿泊機能を提供する「地域ふれあいホーム」(熊本市東区)は民家改修型の施設で、屋根の瓦や壁が落ちた。震災後の大雨で雨漏りが発生し、天井が落ちる寸前だ。「復旧はかなり難しい」と川原氏は語る。

行政からの連絡は1週間後

 川原氏は震災発生後、自法人だけでなく他法人を含めた益城町内の小規模多機能型居宅介護事業所やグループホームなどの介護事業所の安否確認や状況把握を開始。必要な支援物資などを聞き取り、届けるための活動を展開した。事業者連絡会を通じて鹿児島県や福岡県などから集まった10人前後の支援チームが活動を始め、10リットル入りの給水袋を調達。1週間ほどの間に約500~600個、5000~6000リットルの水を各事業所に配達した。「水道が復旧するまでは、多くの事業所で水が喜ばれた。おむつが不足する事業所も少なくなかった」と川原氏は話す。

 行政からは14日の震災発生から6日後の20日夜に初めて電話があり、翌21日に被害状況を報告してほしい旨のファクスが送られてきた。この時も災害の初期対応において介護事業所は公的支援を期待しにくく、自助・共助を中心とした支援活動を行わなければならないという実態が浮かび上がる。

 震災発生から1週間がたつとライフラインや物流も一定程度回復し、全国からの支援物資が届くようになったという。しかし逆に、水不足が解消に向かう中で大量の水が届くなど、一部で需給のミスマッチが起こった。連絡会ではメールマガジンの「しょうきぼどっとねっと通信」やホームページで逐次、必要な支援物資の状況などを情報発信し、機動的な対応を図っている。

 インフラの復旧を受けて、連絡会では今後、支援内容を物資の調達・配給から、避難者に対するケアなどに徐々にシフトしていく方針だ。「避難所での生活が長期化している認知症高齢者などの中には、不穏などの周辺症状(BPSD)が現れたり、身体を動かさないために状態像が悪化するケースなどが出てくる。小規模多機能型居宅介護事業所から必要に応じて避難所に訪問したり、避難所での見守り体制をどう作るかなどが今後の課題になる」と川原氏は話す。訪問・通所・泊まりの機能を兼ね備える小規模多機能を活用しながら、要介護高齢者の生活を24時間365日支えるという地域包括ケアの理念を実現していく考えだ。

災害発生時は居宅サービスなどで柔軟な運用が可能

 厚生労働省と熊本県庁の確認によると、熊本県全域の高齢者施設1234カ所において今回の熊本地震での人的被害は14施設24人(4月24日11時時点)。人命にかかる被害はなく、外傷や転倒・骨折などによるものだった。建物の被害は半壊、屋根の倒壊、壁の損傷など343施設である。

 厚労省は14日から17日にかけて事務連絡を発出(下表)。避難所などの自宅以外の場所で生活している場合も、必要な訪問・通所などの居宅サービスを柔軟に利用できるようにした。また災害時に定員を超過する入所者・利用者を受け入れても定員超過減算は行わず、被災で職員確保が困難な場合の減算も行わない。

◆厚労省が4月15日に発出した事務連絡「災害により被災した要介護高齢者等への対応について」
1. 市町村は地域包括支援センター、ケアマネジャーなどへの依頼などにより、避難対策と介護サービスの提供について柔軟に対応する
2. 自宅以外の場所(避難所や避難先の家庭、旅館など)で生活している場合でも必要な居宅サービスを受けられるよう配慮
3. 災害などによる定員超過利用は認められ、減算は行わない。職員確保が困難な場合も減算は行わない
4. 利用者負担が困難な場合は市町村の判断で減免できる。保険料も減免・猶予可能。利用者負担額、保険料減免額が一定以上の場合は当該市町村に特別調整交付金を交付する


  1. 2016/04/26(火) 06:05:36|
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