Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月24日 

http://www.asahi.com/articles/ASJ4S23X2J4SUBQU001.html
2025年の千葉県、回復期病床が10000床以上不足
土肥修一
2016年4月24日06時37分 朝日新聞

 団塊の世代が75歳以上となる2025年に千葉県内の病院で必要な病床数について、県が推計をまとめた。14年と比べると、病気や手術直後の「急性期」の病床が5400床ほど過剰になる一方、在宅復帰までのリハビリを行う「回復期」の病床が1万床以上足りなくなる。県は国の基金を活用するなどし、増床や機能の転換を促す。

 県の人口は今後減少が予想されるが、75歳以上は増え、25年には15年の6割増の108万人となる見込み。高齢化により入院患者も25年には13年度から3割増えると予想される。

 県では国の方針のもと、25年の医療提供体制を示す「地域医療構想」を作成。その中で県内の9医療圏ごとに同年に必要な機能別の病床数を推計し、14年の報告数と比べた。

 それによると、25年にはICU(集中治療室)を含む最も手厚い「高度急性期」が1158床、急性期が5404床余る一方、回復期が1万1555床、長期療養の「慢性期」が619床不足するとされた。

 回復期は9医療圏すべてで不足。加えて今後の75歳以上人口の増加率が高い東葛南部、東葛北部、千葉では慢性期が、香取海匝、安房などでは高度急性期が不足するとされた。

 また、在宅医療を受ける患者も増え、13年度の4万4千人が25年には7万9千人となる予測だという。

 県は対策として、地域ごとに医師や有識者らでつくる会議を開き、病院間の役割分担を検討してもらうほか、国の基金を活用し、医師や看護師、理学療法士らの確保、病床の増床や機能の転換を促す。県健康福祉政策課の担当者は「必要とされる機能に転換を図り、限られた医療資源を効果的に提供できるようにしたい」と話す。



http://www.asahi.com/articles/ASJ4Q6VH5J4QUBQU00P.html
シリーズ:病理診断
《病理診断:4》 なり手少ない「絶滅危惧種」、解消急務

新潟市民病院 橋立英樹医師(病理診断科)
2016年4月24日06時00分 朝日新聞

 一人前の病理医になるには10年ほどかかると言われています。日本病理学会認定の病理専門医になるには、医学部を卒業後、2年間の臨床研修を終えて、その後、最低4年間の病理診断の経験と病理専門医試験に合格することが必要です。そうしてなった病理専門医の数は4月1日現在で、日本全体で2292人、県内では29人しかいません。厚生労働省の調査(2014年12月31日現在)では、医療機関に勤める医師のうち病理診断科に所属する医師は0・6%に過ぎません。長年、医師不足が続く診療科で、絶滅危惧種とも言われています。

 病理医のなり手が少ない背景には、基礎医学の分野とされ研究職のイメージが強いことや、顕微鏡ばかり見ていてとっつきにくく難しい印象があること、最終的な診断を行う役割を担うため責任が重いと感じる医師が多いことなどが考えられます。

 しかし、病理医が不足すると、適切な時期に診断や治療ができなくなるなど、様々な弊害が生じます。術中迅速診断も制限され、患者さんが最適な手術を受けることができなくなります。日本はこれから団塊の世代の高齢化を迎え、多死社会を迎えます。死因を究明し、治療や診断が適切であったかを検証する病理解剖が減少することは、医療レベルの停滞をきたします。医療の高度化で、病理医の仕事量は増加しています。病理医の不足は病理医1人当たりの仕事量の増加をもたらし、仕事がつらいために新たななり手がさらに減るという悪循環になっています。

 最近は、病理医を主人公にしたマンガ「フラジャイル」がテレビドラマとして放映され、病理医に興味をもたれた方もいるかもしれません。より良い日本の医療、地域医療をつくるためには、病理医不足の解消が急務です。医療関係者だけでなく、患者さんや行政へも、ご協力を心からお願いします。

(病理診断編・おわり)



https://www.m3.com/news/iryoishin/409617
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画
「医師&一般人 緊急アンケート」
新専門医制、中小病院の質低下へ◆Vol.15
m3.com医師会員【自由意見7】

2016年4月23日 (土) 橋本佳子(m3.com編集長)

 ◆医師の働き方:適正配置に支持も

【40代】
・医療費と専門医制度を考えると僻地医療は困難。専門医の取得と維持は僻地では不可能です。家族や子供がいる方はなおさらです。医療レベルの低い僻地に住むか、医療レベルの高い大都市に住むのか、究極の選択になるかもしれませんが、全てを満足させることは不可能です。なお、医師を強制配置する考えもありますが、それなら住民も強制配置すべきです。住む場所の自由はなくなるので、いずれも反対されそうですが(40代、500床以上)
・風邪と高血圧くらいしか診療していない開業医、何か変わったことがあったら自分で判断せずに病院に丸投げする開業医があまりに多く、そんな開業医が大儲けしているから、医療のいろんな問題が解決しないのだと思う。医師会という利益団体の既得権益を、政治が奪っていくべき(40代、200床~500床未満)
・高い技術や見識を持ちながらも、市中の中小病院に勤務する医師は、そのキャリアを宝の持ち腐らせてくださいという政策(40代、200床~500床未満)

【50代】
・医師の偏在をなくすために、一定の期間は公務員として地域医療従事を義務化するなどの行政介入を検討されるべき時代に入ったと思われる(50代、500床以上)
・厚生労働省が必要な専門医数を確定し、各科に入る医師数を制限する(50代、500床以上)
・外国のように、医学部の受験成績を重視するのではなく、医学部の授業やその知識・技術の達成度、医師としての使命感・倫理教育の理解度を重視して、医師免許を与える方が良いかもしれない(50代、200床~500床未満)
・地域的な格差も問題ですが、診療科による医師数の格差も考慮すべきであると思います(50代、200床~500床未満)
・専門医制度の改悪で、中小病院の医療の質が低下する(50代、200床~500床未満)
・勤務医の負荷の割に給与は少ない。医師個々の差に合わせた混合医療があってもよいと思う(50代、200床~500床未満)

【60代】
・好んで僻地に派遣されたり、好んで慢性期病床を担当させられる若い医者は、あまり多くないと思う(60代、200床~500床未満)
・医師の技術料を適正に評価するべき。占い師より安い初診料は、適正か?(60代、診療所)

◆タスクシフト:反対意見多々

【賛成】
・大まかな診断を付けられる看護師の育成を急ぐべき(30代、500床以上)

【反対】
・「医師が行う医療の一部を、看護師などの医療職ができるようにする」という内容は、認定看護師や特定行為を念頭に置いた質問と思われるが、大学病院では現状でも看護師が行える注射などの医療行為が現実には行われていない。まずは現行の法律で可能な行為は看護師が行うことを徹底し、その上で特定行為の議論が必要と考える。さもないと、看護部や看護師個人の裁量により行う行為が選別され、整合性が取れなくなってしまうと感じる(30代、500床以上)
・看護師の手技など裁量を増やしても、技術が追いつかない人も多いので、制度自体に落ち度があると思う(40代、200床~500床未満)
・医師以外の看護師に医療行為が認められるなら、その診療報酬はかなりの減額をすべきである。DPCにもそれを適応すべきである(50代、500床以上)
・看護師が医師と同じような判断をできると考える前提がおかしすぎる。教育内容も資格試験も違うのだから(50代、診療所)
・医師は誇りと矜持をもって仕事をすべきである。看護師に医師の業務の一部を代行させる云々の議論があるが、このような案が提出されること自体、我々医師の体たらくを示している(50代、診療所)



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/matsubara/201604/546624.html
コラム: 松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」
本当に、医師過剰時代は来るのか?

松原 好之
2016/4/25 日経メディカル

 4月1日付読売新聞に「2040年、日本の医師が3万4000人過剰になる」という、いささかショッキングなニュースが出ました。

 以前から、日本もやがてフランスやイタリアみたいに、医者が食えなくなってタクシーの運転手を兼業する時代が来る、などとまことしやかに言われてきましたが、きちんとした試算(?)を示されると、いよいよそれは本当か、と思ってしまいます。

 昔の教え子で、2000万円弱の年収を得ている44歳勤務医は、息子さんが小学校6年生で、お父さんのように将来医師になるんだと中学受験を目指して塾通いをさせているのですが、「子どもに聞かせたくないいやなニュースでしたね」と言います。私は「心配いらないよ。この手の試算は当たったためしがないからね」と答えました。

 ネットでも早速“炎上”が始まりました。「これで医学部も終わったな」とか、「医者が儲かるどころか食えない時代が来るな」とかいったアンチ医者キャンペーンもあれば、「医者が余るって? 今医者が足りなくて勤務医がどんだけ忙しいかわかってんのか」とか「医者を増やしたくない開業医の陰謀じゃないのか」とかいった声も飛び交う有様です。

 かつて、「2000年頃には大学全入時代が始まる」、「塾、予備校はほとんど潰れる」、と言われたことがありました。その時も、大学の募集人数と、大学を目指す高校生の数が同じになる、という単純な試算が前面に押し出され、私たち塾屋、予備校屋たちは戦々恐々としたものですが、2000年になっても、ほとんどの塾、予備校は潰れずに残っていました。それまでに潰れた塾、予備校と言えば、バブル期におかしな不動産に手を出したために、というところばかりでした。

 一安心した頃、河合塾の経営トップの一人と、私たち講師とのシンポジウム&懇親会のようなものが開かれ、いろいろ意見交換したことがあります。その経営トップは、「机上の試算ではとっくに無くなっているはずの河合塾がいまだ存続しているのは、ひとえに不景気のせいじゃないか」と言いました。不景気のために採用人数を減らした企業は数少ない新人募集で大学差別をする(できる)ようになったので、高校生が、とにかく大学と名の付くところならどこでもいいというのではなく、浪人してでもいい大学に入らなければならないと思うようになったからだ、と解説しました。私は、不景気だけのせいというより、誇りを持てる大学、ブランド力を持った大学を目指したいとする、高校生側の人間らしい欲得を含めた考え方、親の見栄や周囲の目を意識した考え方によるものが大きいのでは、と答えたことを覚えています。その根拠は、中学生向けの高校受験塾が、それこそ単純試算で言えばすでに全入状態となっていることを受けてとっくに潰れていいはずなのに、生徒たちは、よりいい学校を目指してしのぎを削るべく塾通いを止めない、という現象でした。

 往々にして、統計とか試算というものは、人の心を無視しがちです。そして、国民の心や世界情勢を読んで動く国の施策の存在を無視しがちです。

 先日、解剖学者である養老孟司氏の講演を聴く機会がありました。彼は、「今、日本で『家』というものが崩壊しないで残っているのは、医者の家系だけです。国によって守られているからです」と述べました。そう言えば、かつて裕福な「家」の象徴であった「造り酒屋」が、国から保護されなくなって消えていきました。

 医者の世界も、保険医療の国である日本では、完全に国によってコントロールされており、「3万4000人余る」ことを国が良しとするなら、国はそのように放置するでしょうし、それではまずい、と国が判断するなら、医系大学の定員を減らすなり、医師国家試験の合格者数を減らすなりしてくるでしょう。歯科医に関してはすでに後者の方針を取っており、歯学部は入りやすくなっているものの、なかなか歯科医師国家試験に合格できない仕組みになっています。すでに歯科医は余ってきているので、国の施策は時すでに遅しの感はありますが。

 国が盤石な計算のもとに、周到に施策を行うかどうかは保証の限りではありません。歯科医院はコンビニの数よりも多い、と言われるほど増えていますし、司法試験合格者も、法科大学院の設置や新司法試験によって格段に増え、弁護士の平均年収がひところに比べて減少したと言われるようになっています。これなどは明らかに国の施策の誤りと言えるでしょう。

 私の知り合いの、150名ほどの弁護士をかかえる著名な法律事務所の代表弁護士が、今年、43歳にして北里大学医学部の編入試験に合格しました。このことは、「医者は余らない」と考える理由の一つになるかと思います。彼が医学部に自ら入学し、医療産業の担い手たる医師になろうとした動機は、法曹ビジネスは所詮は8800億円程度に留まるだろう、医療産業は今の32兆円からさらに拡大して、59兆円になる、と試算したことによります。宣伝費に月あたり5億円以上を使い、経常利益年間22億円を叩きだす法曹界の風雲児が、あっさりと医療産業に転身するわけですから、どこかに、医療産業の“輝かしい”未来を嗅ぎ付けたに相違ありません。彼は、進学塾ビッグバンの100人規模を誇る名うての医学部学生講師(数年後には確実に有為な医師になる)たちに目をつけていることからも、病院の全国展開を考えているのではないでしょうか。まだまだ医師の数は足りないはずです。

 例えば彼もよすがの一つとする「『病院』がトヨタを超える日」(講談社プラスアルファ新書)は、保険医療が破たんするであろう近未来においても、医療ツーリズムを基幹産業にすることによって、「日本の医療を外国人に買わせる」輸出産業とする道筋を説いています。

 こうしたチャンスを民間がものにしようとしている時、国が指をくわえてみているだけ、ということはないと思います。

 仮に、かつての造り酒屋や歯科医や弁護士のように、結果として国が“見捨てる”ことにでもなれば、いよいよ日本の産業自体が衰退の急坂を転げ落ちることになるだろうことは、目に見えています。



https://www.m3.com/news/iryoishin/418042
困る妊婦、最多は「帝王切開要求」◆Vol.1
m3.com×『赤すぐ』共同企画、産婦より家族行動で「困った」多

スペシャル企画 2016年4月23日 (土) m3.com編集部

 妊婦にとって分娩は人生最大のイベントでも、産科医師にとっては一寸の油断もできない重要な局面だ。興奮してパニックに陥る妊婦や家族は珍しくなく、コミュニケーション不全からトラブルに発展する場合もある。妊産婦を対象とする『赤すぐ』(リクルート社)との共同企画を立ち上げたm3.comでは、その第一弾として、分娩を間近に控えた産婦に産科医師が理解してほしいこと、伝えたいことを尋ねた。調査結果を、自由回答を中心に前後編で報告する(調査概要は文末を参照)。

【設問1】陣痛が始まり、分娩施設に来てからの産婦の行動で困った経験はありますか?
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 53.75%の産科医師が「ある」と回答。「ある」とした医師に自由回答で尋ねた具体例には8割以上の書き込みがあった。

 陣痛の始まった妊婦の困った言動として最も多かったのは、「陣痛に耐えられず帝王切開手術を要求されること」だった。「痛みに耐えられず、適応がないのに帝王切開を強く希望されることがしばしばある」「適応がないと説明しても、『痛いからどうにかしてくれ』と話にならなかった」と、帝王切開手術の意味を取り違えた要求が珍しくない実態が明らかになった。中には「『痛いから殺してくれ』と言われた」との過激な経験談も。

 次に多かった困った言動は「パニック」。「訴えるばかりで話を聞かない」「半狂乱」「泣き叫ぶ」「暴れる」「分娩台の上に立ち上がる」「分娩台から降りて走り回る」といった行動に加え、「陣痛の度に大声を出して壁をドンドン叩く妊婦がいた。他の患者さんが怖がってしまった」など、予想の付かない産婦の行動に振り回される現場の姿が浮かび上がった。

 「医学的に必要な指示への拒否」も、パニックに並ぶ困った言動として多く挙がった。「陣痛促進剤の使用に同意が得られない」「児の心音が落ちていて、帝王切開手術が必要なので高次病院へ搬送しなければならなかったが、『経腟分娩で生めるはず』と信じていて同意が得られなかった。夫を説得して何とか搬送できた」など、切羽詰まった経験が綴られた。

 その他、「分娩後、赤ちゃん残して行方不明。もちろん分娩費用は払われず」「陣痛発来で入院を告げるとビックリされ『もう少し待って』と言われた。何かの記念日で夫と予約したレストランに行きたいとのことだった」「母体搬送を受けて『こんな汚い病院で産むのは嫌だ』と言われた。他にも有りすぎて書ききれない」と、産科ならではのエピソードが続々と寄せられた。

【設問2】一緒に分娩施設に来たご家族の行動で、困った経験はありますか?
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 61.3%の産科医師が「ある」と回答。産婦本人の言動で困った経験より8ポイント多かった。

 自由回答で尋ねた具体例で、最も多く挙げられたのは「『痛がっているから何とかして』と懇願された」経験だ。夫から「こんなに痛がっているのに、『何もしないのか』と怒鳴りこまれた」「詰め寄られた」といったエピソードに加え、実の母が「娘が痛がっているので帝王切開手術にしてやってほしい」と言い出したケースも寄せられた。

 陣痛対応と並んで多く挙げられたのは、本来望ましいはずの立ち会い分娩にまつわるドタバタだ。

 「夫が貧血を起こした」「卒倒した」「夫の具合が悪くなり、妊婦本人のケアに集中できなかった。気分が悪くなったら休むなど、自分の面倒は自分で見てほしい」といったエピソードが多数寄せられた一方で、「必要以上にビデオを撮る」「実母が出しゃばる」「『もういきんじゃいなさい!』と全開大でもないのに言う母親」「質問に夫が答える」など、関わりたい一心でスタッフの手間を取らせる家族の言動が挙げられた。立ち会い分娩のルールを理解せず、「夫婦それぞれの両親がやってきて全員立ち会おうとしていた」ケースもあった。

【調査概要】
m3.com医師調査
 ・調査期間:2016年2月3日から2月10日
 ・調査対象:m3.com医師会員の産科医師、有効回答80人
 ・回答者属性
 ※『赤すぐ』5月号別冊付録「目指せ!安産パーフェクトBOOK」では、今回のアンケート結果を掲載した特集記事を掲載しています。


  1. 2016/04/25(月) 05:29:53|
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