Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月22日 

http://www.asahi.com/articles/ASJ4Q3VLBJ4QUBQU006.html
2025年の神奈川、介護難民発生の恐れ
2016年4月22日12時12分  朝日新聞

 「迫る2025ショック」では、迫り来る超高齢社会に対して危機感を抱いて解決策を模索する人々の姿を追い掛けてきた。連載の終わりにあたって、神奈川県の2025年の姿を改めて紹介する。

「迫る2025ショック」シリーズはここから
初めての口腔ケア、疑問に答える
自宅でできる上手な口腔ケアとマッサージ
横浜の中高生が考える医療改革 10年後に向け60人がプラン

■2025年、神奈川はこんなに高齢化する

2010年 2025年

◇75歳以上人口 79万4000人 148万5000人

◇65歳以上の独居高齢者 29万3000人 46万2000人

◇65歳以上の認知症高齢者 17万3000人 29万6000人

■県央と川崎北部で医師不足深刻

 救急や入院治療などが完結できる地域単位として、県内には11の「2次医療圏」がある。国際医療福祉大の高橋泰教授は、医療圏ごとに、「医師が不足する危険度」や「介護難民に陥る危険度」を推計=図。地域ごとに深刻さの度合いに違いがあることを明らかにしている。

 推計によると、相模原、県央、川崎北部では75歳以上の高齢者が10年に比べ2倍以上に増える。中でも、県央と川崎北部は高齢化が急速で、現状でも医師が比較的少ないため、医師不足が深刻になると予想されている。

 また、横浜南部と川崎南部は、介護施設や高齢者向け住宅が足りず、介護難民が発生する恐れが特に高いという。ほかにも8医療圏が「準危険地域」で、介護の受け皿に不安がある地域は広範だ。高橋教授は「今は介護の態勢に比較的余裕のある医療圏でも、介護施設を求める人たちが東京都などから流入してくる可能性を考えると、決して安泰とは言えない」と話す。

■病院のベッド足りず、在宅医療が激増

 在宅で医療を受ける患者も、13年度に比べ約1・7倍に増えると推計されている。病院のベッドが足りなくなり、自宅で診療を受けざるを得ない人が増えるためだ。特に横浜西部と相模原は、2倍以上に増えると見込まれている=表。

 横浜市では、各区の医師会と連携して「在宅医療連携拠点」の整備を進めている。5月初旬に戸塚区にできると、全18区に拠点が出そろう。各区の医師会にある訪問看護ステーションなどが実際の業務にあたり、退院する高齢者に在宅医を紹介したり、ケアマネジャーらへ医療的な助言をしたりする。

 爆発的な高齢者の増加に対し、県も対応を急いでいる。昨夏から、25年の目指すべき医療提供体制を盛り込んだ「地域医療構想」の策定を始めた。今年10月までに策定を終え、来年度予算案に施策を反映させる。

 県の推計では、25年の必要病床数は、15年に比べ1万5千床余り多い約7万2400床。中でも、リハビリテーションなどを担う「回復期」病床は、15年の4倍超の約2万1千床が必要になるという。

■小野沢滋・前北里大学病院トータルサポートセンター長の話 

 85歳以上の女性が増え、貧困問題が拡大していくことを懸念している。例えば横浜市では、25年に85歳以上の女性が12万人を超える。だが今でも4分の1が世帯所得100万円未満で、生活が難しい。年金制度はこれほど老後が長くなることを想定していなかった。お金がかからない互助の仕組みを作らないと社会がもたないだろう。

■神奈川県内の2次医療圏

・横浜北部 (鶴見区、神奈川区、港北区、緑区、青葉区、都筑区)
・横浜西部 (西区、保土ケ谷区、旭区、戸塚区、泉区、瀬谷区)
・横浜南部 (中区、南区、港南区、磯子区、金沢区、栄区)
・川崎北部 (高津区、宮前区、多摩区、麻生区)
・川崎南部 (川崎区、幸区、中原区)
・相模原 (相模原市)
・横須賀・三浦 (横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町)
・湘南東部 (藤沢市、茅ケ崎市、寒川町)
・湘南西部 (平塚市、秦野市、伊勢原市、大磯町、二宮町)
・県央 (厚木市、大和市、海老名市、座間市、綾瀬市、愛川町、清川村)
・県西(小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町)

<アピタル:迫る2025ショック・その他>
http://www.asahi.com/apital/healthguide/2025/



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48618.html
精神疾患の長期入院評価、研究班が基準案-
「重度かつ慢性」を判定

2016年04月22日 17時00分 キャリアブレイン

 厚生労働科学研究の研究班は、精神科の長期入院患者の評価に関する基準案を作成した。厚労省の検討会が、「重度かつ慢性」を長期入院の要件として示したことから、その基準を明確にするため、2013年度から研究を続けてきたという。精神症状や行動障害、生活障害、身体合併症の基準を満たした場合、「重度かつ慢性」と判定するとしている。【新井哉】

 精神科医療を議論してきた検討会が12年に発表した「今後の方向性に関する意見の整理」で、新たな長期入院患者を出さないことを明確にする観点から、「重度かつ慢性」を除き、「精神科の入院患者は1年で退院させ、入院外治療に移行させる仕組みをつくる」といった方針が示されていた。

 この方針を受け、研究班は長期入院患者のデータなどを基に、13年度の研究で「重度かつ慢性」の暫定基準案を作成。精神症状がBPRS(簡易精神症状評価尺度)総得点45点、またはBPRS下位尺度の1項目以上で6点以上といったことなどを満たし、「行動障害」と「生活障害」のいずれか(または両方)が一定の基準以上である場合、「重度かつ慢性の基準を満たすと判定する」としたほか、身体合併症の評価も示していた。

 14年度と15年度は、基準の妥当性などを検証するための研究を実施。全国の精神科病院に協力を依頼し、状態の評定や入院中に実施した治療内容などを調査した。入院後1年から1年3カ月の新たな長期入院患者581人のうち、350人(60.2%)が研究班の暫定基準を満たしことが判明。このうち260人が医師による退院可能性の評価で「症状が重いため退院困難」と判断したという。

 調査結果などを踏まえ、暫定基準案の妥当性を検証した結果、身体合併症の項目に追記したが、それ以外は暫定基準案を踏襲する内容となっている。研究班は暫定基準を満たす患者に必要な治療についても検討しており、薬物療法については「早期の見直しが有効」とする一方、「一定期間後の多剤併用は効果が乏しい」と指摘している。

 心理社会的治療については、ケア会議や服薬管理のほかに、個人精神療法(30分以上)でも「有意に退院促進効果が認められた」と説明。今後、基準の精度向上に加え、薬物療法・心理社会的治療体制や指針を具体化する必要があるとの考えを示している。



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/toyoda/201604/546445.html
連載: 豊田剛一郎の「明日の医療の話を聞こう」
医療はサービスドリブンなインフラです
恵寿総合病院理事長 神野正博氏×豊田剛一郎【後編】

2016/4/23

 後編では、神野氏が自施設で手掛けてきた院内PHSの導入やコンビニエンスストアの設置の経緯について伺います。(前編はこちら)

神野正博:かんのまさひろ 1980年日本医科大学卒業、金沢大学第2外科、富山県立中央病院などを経て、92年恵寿総合病院外科部長、93年院長、95年から社会医療法人財団薫仙会理事長。

豊田 先生の施設は、日本で初めてコンビニを導入されましたし、クレジットカードを使えるようにしたのも日本初でした。院内PHSを導入したのも初めてです。

神野 PHSでいうと、携帯電話は電磁波で影響が出るから、と言われてましたから、PHSならいいんじゃないのと言うと、「携帯がダメならPHSもダメでしょ」って言うんですよ。じゃあと、医療機器を何台も並べて実験してみたら、大丈夫だった。

 コンビニについても、もともとは地元業者による院内売店だったんだけれど、入院患者さんからもう少し営業時間を延ばせないか、と要望が出たので、交渉したんですが断られた。仕方が無いなと思ったけれど、世間を見渡すと街にはコンビニだらけで、24時間営業しているじゃない。じゃあ、それを院内に持ってこられないか、と。

豊田 ハードルはありませんでしたか?

神野 実は病院の外に入り口があるコンビニってほとんど無いんです。でも、うちの施設は病院の外に入り口を作った。休日には外来患者がいなくて、入院患者さんと職員しかいないんだから、営業的に厳しい。それじゃ何だからと、外に入り口を作っちゃった。作れちゃったんです。病院の周りにはコンビニが無かったから、病院の外に入り口を作ることで一般住民も入ることができるようになったわけです。コンビニもボランティアじゃないので、稼げるようにこちらも少しは考えないと。さすがにタバコを売るのはやめてくれ、と言いましたが。

豊田 そういう一歩踏み出すことは結構勇気がいると思うのですが、いかがでしたか?

神野 まあ大変ではありますよね。ただ、メリットとデメリットを天秤にかけて、患者さんや職員の満足度が大きいものならGoだと。PHSだって、それまでの院内放送って医師の呼び出しばっかりだったよね。院内で医師を探すのが一番大変だった。PHSを持たせたら、院内のオペレーションは格段に効率化したわけです。クレジットカードだって未収金のことを考えたら、ある程度、手数料を取られてもいいかなと。患者さんもメリットがあるしね。

豊田 コンビニのお話ですが、外に入り口を作ったというのが印象的です。例えば、今、地域のバスは駅前じゃなくて病院が中心になっている。むしろ、病院に行けばバスに乗れるという時代です。つまり、病院がコミュニティのコアになっていると言えます。その考えを発展させると、病院はただ治療をする場というだけでなく、健康も予防も、ひょっとしたら生活の中心となっていくのではないでしょうか。

神野 実は七尾市で一番タクシーの乗降数が多いのは駅でなくて我々の施設なんです。また、最近、サ高住を病院敷地内に造りました。自宅から医療機関まで距離がある方々も、退院して遠くから通うのは辛いですよ。しばらくつなぎの期間としてデイリー・サ高住とかウィークリー・サ高住なんてのがあれば、病院と日常生活をつなぐことができるんじゃないかなと考えています。

 それから「楽のり君」っていう無料送迎車サービスを開始しました。最近、警察は血眼になって高齢者から免許証を取り上げていますからね(笑)。会員制だけど、GPS配車システムを使って、オンデマンドで配車する仕組みです。もともと病院と駅前とか決まったところに送迎バスを出していましたが、使い勝手が悪いのか、実は乗車率ってそんなに高くないのです。ならば、空車を走らせているより、オンデマンドの方が患者さんに都合が良いし、コストも変わらないのですよ。

豊田 まさにコミュニティのコアに病院がなるというイメージですね。

神野 あまりこういう話をすると、囲い込みって非難されるんだけれど、世間では、飛行機のマイレージとかポイントカードとか当たり前に行われますよね。それを非難することはないわけで、それと同じだと思うのです。

豊田 今、私は会社経営にかかわっているので、そういう立場から考えると、医療はあまりにもビジネスという観点を避けてきたというか避けさせられてきた感がありますね。しっかりお金を稼ぐからこそ安定して、質の高い医療を提供できるし、腕の良い医師や医療関係者に給料を払うこともできると思います。

神野 継続して医療を提供するためには利益は必要だからね。赤字でも良い、ということを前提にするのは、日本の景気が良い時代だったら良かったのかもしれませんが、これからはそうはいかないでしょう。今後は、「今やっていることを止める」という決断に迫られる機会が増えるのではないかと思っています。人口が減少していく今後、全ての医療機関が全て同じだけ診療科を抱えて、全ての治療を提供できるという時代ではないでしょう。別に医療だけでなくて、例えば、電気や水道、ゴミの回収など、山奥に住んでいる1人の住民のためにどれだけコストをかけられるか、といったことを、住民に対して言わなければいけない時代になっていくと思うんですね。例えば、地域が赤字病院をいくつも抱えるより、道路を1本造って救急車を走らせる方がいいかもしれない。考え方が変わっていくでしょう。

豊田 先生は、医療はサービスとお考えですか、それともインフラとお考えでしょうか。

神野 どちらかに偏るということにはならないでしょうね。サービスドリブンなインフラ(infrastructure driven by service)なのかもしれない。サービスというエンジンで牽引されるインフラというイメージでしょうか。


【インタビューを終えて】コストや費用対効果を重視せずに医療を行うことができるのは日本の医療の良いところではあるのですが、神野先生のおっしゃる通り、いずれは患者も医療者も医療のコストを意識する日が来るでしょう。一方で神野先生は、既存の枠組みにとらわれることなく、常に良かれと思うことに挑戦され続けています。日本の「明日の医療」の方向性を見極める意味でも、神野先生のご活躍から目が離せません。(豊田)



http://news.ameba.jp/20160422-1117/
元NHK記者の医師が明かす「大病院だと長時間待たされる理由」
2016年04月22日 22時00分 日刊アメーバニュース

『患者は知らない 医者の真実』(野田一成著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、NHKの記者から医師に転身したという異例の経歴の持ち主。

きっかけは、事件や事故の取材に明け暮れるなかで、しばしば医療問題に接する機会があったことだといいます。

記者の立場から見た医療界は、専門性を壁として外部の目をシャットアウトする、閉鎖的な世界だったのだそうです。

そしてそんななか、以前からあったという医療への関心がどんどん高まっていくことに。そこでNHKを辞めて医学部へ編入学し、医療を学んだ末に医師になったというのです。

しかし現場に足を踏み入れてみ実感したのは、医療状況がさまざまな問題を抱えているという現実。

たとえばそのひとつが、「よりよい治療を受けたい」という患者さんと、理想の医療を目指して奮闘している医師との間に「溝」ができてしまっていることです。そこでその溝を少しでも埋めたいという思いから、本書を上梓したのだといいます。

ところで医療について考えるとき、私たちにとって切実な問題は「時間」です。特に大病院では、時間どおりに診てもらえないことが常識化しつつあるということ。

なぜ、そんなことになるのでしょうか?

■大病院では予約時刻が守られない理由

せっかく予約しておいたのに、予約時刻をすぎても一向に呼ばれなくて次第に苛立ってくるということはよくあるもの。

当然のことながら、医師の数が十分でないこと、もしくは大病院を受診する必要のない患者さんも大病院に集中してしまうことが。患者さんを長時間待たせてしまうことの一因だと、著者も認めています。

医師のがんばりと患者さんの忍耐がギリギリのバランスをとることで、なんとか成り立っているというのが現状なのだそうです。

ちなみに著者は都内の公立病院に勤めていたころ、15人から20人の患者さんを病棟で受け持っていたそうです。みんな、がんや肺炎の患者さん。

しかもそこは臨床研修指定病院という、研修医を育てる病院でもあったので、医学部を卒業したばかりの研修医とともに患者さんを診察していたといいます。

本書のなかでは、そのころの状況の一例が紹介されていますが、これがなかなかハード。

■遅れても無理はない診察スケジュール

・外来がはじまる8時半、一緒に回診していた研修医に、その日行うべきことを記したメモを渡して指示を出し、外来へ。

・外来の診療枠はほとんどが予約で埋まっているものの、近隣のクリニックから紹介状を持参して来院する患者さんや当日突然受診する患者さんもいるため、診療スケジュールは次第に遅延していくことに。

・予約時間をすぎて苛立つ患者さんへ、受付の事務員や看護婦が対応。

・診療室に入ってきた患者さんに医師からもう一度遅れた理由を説明して頭を下げ、診療開始。

・午前10時半に病棟から、長らく診療していた進行肺がんの患者さんの心拍が止まりそうだとの連絡。

・診療スケジュールはすでに1時間遅れとなっていたものの、いったん診療を中座して病棟へ上がり、ご家族が見守るなかで死亡宣告を行う。

・死亡診断書を記載し、外来診療部門に戻るが、結局11時の予約患者さんを診察室に呼び入れることができたのは午後1時前。

たしかにこんな感じなら、予約時刻に遅れてしまってもむしろ当然かもしれません。

■ランチは時間どおりに食べられない!

ちなみに著者の場合、平日の外来診療で、昼食を食堂や医局で食べることができるのは週に一度程度。

なんとか外来を抜けることができ職員食堂にたどり着いたとしても、定食がすでに品切れなので、コンビニでおにぎりとお茶を買うということも珍しくないのだとか。それは著者に限ったことではなく、多くの勤務医も同じような状況だそうです。

・そんな昼食後は複数の検査をこなし、すべてが終了したのは午後4時。

・その後は病棟に戻り、研修医と夕方の回診(家族との面談も)。

・研修医が姿を消した午後5時以降は、彼らの記載した診療録(カルテ)のチェックと追加の記載。

・入院患者に翌日の点滴や処方を出し終えると午後7時すぎ。そこからが自分の時間で、学会発表のためのプレゼンテーション資料を準備したり、論文を読んだり。

その後、午後9時半に病院を出て、帰宅は10時半。

ただし、がんや重症の患者さんを担当しているときは、自宅にいても看護婦さんから相談の電話がかかってくることが。緊急の場合は病棟に戻らなければならず、深夜でも容赦なく携帯がなるのだといいます。

そこで緊急の出勤ができるよう、枕元に着替え一式とカバンを常に置き、連絡を受けてから10分以内に出られるようにしていたのだそうです。

医師が多い大学病院や一般病院の一部の診療科では、夜間や休日の呼び出し当番をつくって対応しているものの、著者の所属する呼吸器科のように医師が不足している科では、このように勤務は決して楽ではないのが現実。

しかし著者も書いているとおり、それは「医師にとっても患者さんにとってもむしろ害悪」であるはず。

なんとかして、こうした状況を改善していくことが急務であるようです。



他にも医師としての立場から、治療や投薬など、さまざまな角度から医療の現実を切り取っているため、とてもわかりやすい内容。

医師との間によりよい関係を築くためにも、読んでおいたほうがいかもしれません。

(文/作家、書評家・印南敦史)



https://www.m3.com/news/iryoishin/419030
シリーズ: 大学・医学教育を考える
医学生の臨床実習、「包括同意」取得は4割
医学部長病院長会議調査、「国際基準」クリアは76%

2016年4月22日 (金) 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議は4月21日の定例記者会見で、「診療参加型臨床実習のための医学生の医行為水準策定 現状に関するアンケート」の結果を報告した。臨床実習の期間は、国際基準の「70週」をクリアしていると想定される大学は、80大学中、61大学(76%)に上り、臨床推論や外科手技など「指導医の指導・監視下で実施する医行為」は79校で実施するなど、臨床実習において医行為が積極的に行われている実態が明らかになった一方、医学生が臨床実習を行うに当たって、患者から「包括同意書」を取得しているのは42.5%にとどまるなど、課題も浮き彫りになった。

 医行為は、「レベルI:指導医の指導・監視の下で実施されるべき医行為」と、「レベルII:指導医の実施の介助・見学が推奨される医行為」に大別できる。「レベルI」は1大学を除き79大学で、「レベルII」は78.8%の大学でそれぞれ実施。実施内容には大学による差があるものの、「レベルI」では胃管挿入や、尿道カテーテル挿入・抜去、注射など、リスクも伴う行為も行われている。

 医行為を行う医学生について、「Student Doctor」(あるいはスチューデント・ドクター)の呼称が普及しており、80%の大学が採用している。

 医行為のガイドライン、約3割が採用
 医学教育においては、国際的な水準で行うことが求められ、その一環として診療参加型の臨床実習の充実が進められている。

 医学生が医行為を行う場合、医師法に抵触するか否かが問題になる。関係省庁とのすり合わせも踏まえ、全国医学部長病院長会議では、違法性を阻却するため、(1)学生に許容される医行為の水準(全国共通の医行為の水準に沿い、医行為別に決めた指針に基づき、臨床実習を行う)、(2)臨床実習の指導医(臨床研修指導医もしくは、それに準じる能力を有する医師が指導)、(3)医学生の評価(共用試験:CBT、OSCEの合格を必須)、(4)患者もしくは患者の保護者などからの同意を事故補償(包括同意書に加え、医行為の水準が比較的高いと判断される場合は事前に個別同意を得ることが必要であり、事故補償に加入)――の4点を認識して、実行することを求めている。

 同会議では(1)の実践のため、2014年7月、「診療参加型臨床実習のための医学生の医行為水準」(以下、本ガイドライン)を策定している。今回の調査は、その普及状況や臨床実習の現状を把握するのが目的。全国80大学を対象に、今年1月4日から2月15日にかけて実施。全大学から回答を得た。

 臨床実習における医行為水準の具体的例示として最も引用されているのは、「本ガイドライン」で回答した72大学のうち21大学(29.2%)、「前川レポート」は19大学(26.4%)だった。一方、「大学独自で定めた基準」14校(19.4%)、「その他」11校(15.3%)という回答もあった。「前川レポート」とは、1991年に旧厚生省内で検討された医行為の違法性が阻却されるための要件だ。同会議相談役で、「医師養成のグランドデザイン検証ワーキンググループ」座長の神保孝一氏は、「臨床実習は、各大学医学部、医科大学の自主性と自律性を維持しつつ、実践される必要がある」と断った上で、本ガイドライン策定から1年半が経ち、「前川レポートから、本ガイドラインに少しずつシフトしてきている」と説明。

 (2)の臨床実習の指導医については、「資格上の規定があるか」との問いに、「ない」が66.3%に上った。ただし、「ない」場合でも、「FDワークショップ」(38.1%)、「学内外講習会への参加」(15.9%)などで研修していた。

 (3)の医学生の評価は、共用試験以外に「独自の評価試験」を実施しているのは、80大学中13大学(16.3%)。

 (4)の「包括同意書」を取得しているのは、42.5%(34大学)。その代替案としては、「院内掲示」「口頭説明」「院内掲示と口頭説明」を合わせると、9割近くを占めた。「個別同意書」の取得はさらに低く、26.3%。未取得のうち、「検討中・検討予定」が60%。医療事故の補償については、80大学中、79大学(98.8%)が何らかの保険に加入していた。

 一般手技、検査手技の実施は大学による差
 本ガイドラインでは、医学生の医行為を「レベルI:指導医の指導・監視の下で実施されるべき医行為」と、「レベルII:指導医の実施の介助・見学が推奨される医行為」に大別。

 「レベルI」は、80大学のうち1校を除き、実施。(1)診療の基本、(2)外科手技、(3)一般手技、(4)検査手技――に分けて見ると、実施率が高かったのは、(1)で、「臨床推論」(97%)、「診断・治療計画立案」(87%)、「症例プレゼンテーション」(100%)などはほとんどの大学で実施。

 (2)の外科手技も、「清潔操作」(97%)、「手洗い」(100%)、「ガウンテクニック」(100%)と高く、「縫合」(84%)、「抜糸」(76%)なども7割を超えた。

 一方、(3)の一般手技の実施は大学によるバラツキがあり、「皮膚消毒」(91%)、「外用薬の貼付・塗布」(78%)などは高かったものの、「胃管挿入」(43%)、「ネブライザー」(50%)、「気道内吸引」(54%)などは半数前後にとどまった。(4)の検査手技も、「12誘導心電図」(95%)、「超音波検査(心・腹部)」(91%)などは高い一方、「脳波検査(記録)」(45%)などは低かった。

 「レベルII」も、(1)一般手技、(2)検査手技、(3)外科手技、(4)診察手技、(5)救急――の別では、(1)の実施率が一番低く(40~60%)、「動脈血採血・ライン確保」(67%)などは高かったが、「眼球に直接触れる治療」(32%)をはじめ、低い項目も目立った。同会議では、「レベルI、IIのおける未実施の細目については、個々の手技実施上の問題点を検証し、今後の改善への努力が必要」と結んでいる。



http://mainichi.jp/articles/20160422/ddl/k36/040/578000c
吉野川の医療死亡事故
医師ら4人を起訴猶予 地検 /徳島

毎日新聞2016年4月22日 地方版 徳島

 徳島地検は21日、患者の胃に流動食を注入するチューブを入れる箇所を誤り、窒息死させたとして、業務上過失致死容疑で書類送検されていた吉野川医療センター(吉野川市)の医師1人と看護師3人を同日までに起訴猶予処分にしたと発表した。地検は処分理由を明らかにしていない。

 事故は2014年10月、前身の麻植協同病院に入院していた90代女性の胃にチューブを挿入する際に起きた。県警は昨年10月、医師は事故を防ぐための具体的な指示をしなかったとして、看護師はチューブが胃に確実に届いているかを確認しなかったとして、書類送検していた。【河村諒】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48621.html
DPC制度見直し、丁寧な議論求める- 日病協
2016年04月22日 21時00分 キャリアブレイン

 日本病院団体協議会(日病協)は22日に代表者会議を開き、医療現場から「ブラックボックス」になりつつあるとの指摘を受けているDPC制度について、今後の見直しに向け、中央社会保険医療協議会(中医協)などに丁寧な議論を求めていく方針で一致した。会議終了後、記者会見した神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)が明らかにした。【佐藤貴彦】

 DPC制度は、急性期の入院医療の診療報酬のほとんどを包括払いにするもので、一般病院の2割超がこの制度に参加している。包括部分の報酬は、患者の主な疾患や手術の有無などの組み合わせで決まる報酬額に、病院ごとの「医療機関別係数」を掛け合わせて算出する。

 同係数には、病院が地域で担っている役割や診療体制、実績などが反映されるが、2016年度診療報酬改定で評価方法が見直された結果、病院側の取り組みが同係数に反映されているのか分かりづらくなったとの指摘がある。

 特に、医療機関別係数の中に新設された「重症度係数」については、入院患者に医療資源を手厚く投入する病院ほど高くなることから、医療の適切な効率化を図るDPC制度の趣旨との整合性を問う声がある。

 日病協は、16年度改定でのDPC制度の見直しが、中医協の委員でもしっかりと理解できないままに進められたと問題視。今月20日には、代表者会議の下部組織に厚生労働省の担当者を呼び、説明を受けたという。

 22日の会見で神野議長は、DPC制度の見直しを決めるプロセスを改める必要性を強調。同制度の専門的な検討を行う「DPC評価分科会」で、各係数の意味などを丁寧に議論し、その結果を中医協に報告するといった手順を徹底するよう、次の改定に向けて求めていく方針を示した。

■重症度係数、名称や評価方法に見直しの余地

 重症度係数が新設された背景には、病院の前年度並みの収入を保証していた「調整係数」を廃止したい厚労省側の思惑がある。調整係数は医療機関別係数の一部で、DPC制度に参加する病院の経営状態が急激に悪化するのを防ぐ目的で導入されたが、同省は、病院が果たす役割などを評価する別の係数へと段階を踏んで置き換える方針を示している。

 ただ、調整係数には収入の保証に加え、例外的に手厚い医療が必要な患者を治療するといった病院の特徴を、報酬に反映させる意味合いがあったと考えられることから、16年度改定では調整係数を置き換えるとともに、手厚い医療資源の投入を評価する重症度係数を新設するに至った。

 この日、会見に同席した原澤茂副議長(全国公私病院連盟常務理事)は、こうした経緯の説明を同省から受けて「ある程度理解はできた」としながらも、重症度係数という名称などについて、次の診療報酬改定に向けて見直す余地があるとの考えを示した。また神野議長も、特に医療の効率化を進める病院に、現行の評価方法に対する不満が根強いと指摘した。



http://www.medwatch.jp/?p=8620
「あるべきでない地域差」是正に向け、市町村へのインセンティブ付与などを検討―介護保険部会
2016年4月22日|医療・介護行政をウォッチ

 介護保険制度の実績、例えば要介護認定率について大きな地域格差があることが分かっています。このような地域差について保険者や都道府県が分析を行い、成果を出した場合にインセンティブを与えるような仕組みを考えられないか―。

 こういった議論が、22日に開かれた社会保障審議会の介護保険部会で行われました。

 介護予防や自立支援に向けた取り組みを強化することで要介護認定率などが下がる傾向にあることから、先進事例をどのように全国展開していけばよいかという点も重要な論点になっています。

ここがポイント! [非表示]
1 市町村による介護給付適正化、不十分かつバラつきも大きいのが実態
2 介護予防などに積極的に取り組む自治体の事例を横展開する仕組みを検討
3 地域包括ケア「見える化」システムの効果的な活用を進める
4 「介護保険でも保険者を都道府県にしてはどうか」と武久委員
5 一定の指標を定め、頑張っている市町村にインセンティブを付与することも検討
6 データに基づいて、地域差の「要因」を分析することが第一歩


市町村による介護給付適正化、不十分かつバラつきも大きいのが実態

 2000年にスタートした公的介護保険制度は、高齢者の増加や制度の浸透に伴って大きく成長し、創設当初3.6兆円だった総費用は、2016年度には10.1兆円になっています。しかし、介護費の膨張は国費の増加を意味するため、危機にあるとされるわが国の財政を立て直すためには、介護給付費の適正化が必要と指摘されます(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 介護給付費の適正化に向けて、都道府県には介護給付適正化計画の作成と実施(2008年度から)、保険者である市町村には▽要介護認定の適正化▽ケアプランの点検 ▽住宅改修、福祉用具購入・貸与に関する調査 ▽介護給付費通知 ▽縦覧点検、医療情報との突合―が求められています。

 しかし後者の市町村による適正化事業は任意事業であるため、実施割合は低調(いずれかの事業を実施している割合は2013年度時点で99.4%だが、ケアプラン点検は60.8%にとどまる)で、市町村によるバラつきもあります。厚生労働省の調査では、市町村が適正化事業を実施できない理由として「担当職員の不足」「平常業務が多忙」などの理由が上がっています。
04221.jpg

介護予防などに積極的に取り組む自治体の事例を横展開する仕組みを検討

 こうしたことから市町村の適正化事業を充実するためには、(1)都道府県や国による支援(2)市町村自身による取り組みの強化―の2つの施策が重要と考えられます。

 (1)の支援策としては、まず「先進事例の横展開」が考えられます。現在、埼玉県和光市や東京都武蔵野市、長野県川上村、香川県高松市などでは独自の取り組みを行っており、具体的な効果を出しているところもあります。例えば和光市では、和光市コミュニティケア会議を設け要介護者や家族に対する支援を行っています。この結果、給付費が圧縮され、第5期(2012-14年度)の第1号保険料(月額基準額)は4150円(全国平均よりも822円低い)でしたが、第6期(2015-17年度)の保険料は4228円(全国平均よりも1222円低い)という効果を上げています。
04222.jpg

 また大分県では、個別市町村の取り組みには限界があると考え、▽リハ専門職団体との連携▽市町村における地域ケア会議の立ち上げ支援―を行い、2011年度末には全国平均よりも2.3ポイント高かった要介護認定率を、2015年には0.3ポイント差にまで縮小するという効果が出ています。
04223.jpg

 こうした取り組みの全国展開を図るために、厚労省老健局介護保険計画課の竹林悟史課長は「保険者のリーダーシップ」「地域の状況の実態把握・分析・課題抽出」「ノウハウの共有・人材育成」「専門職能団体などとの連携」「介護予防などに関する住民の意識向上」といった点について「どのような制度的対応が必要か」といった論点を掲げました。

 竹林介護保険計画課長は「地域の自主性を阻害しないよう、どこまでを法律に書き込めばよいか、慎重に整理していくことになろう」と見通しています。

 なお、先進自治体の1つ高松市の市長である大西秀人委員(全国市長会介護保険対策特別委員会委員長)は、「同じ県の中でも格差がある。県の支援体制強化も重要な検討テーマではないか」と指摘しました。


地域包括ケア「見える化」システムの効果的な活用を進める

 また市町村の支援としては、地域包括ケア「見える化」システム(http://mieruka.mhlw.go.jp/)の効果的な活用も重要です。

 このシステムでは、要介護認定率や1人当たり給付費などを都道府県別・市町村別に比較することが可能で、例えばA市の介護保険担当者が「規模や年齢構成などが似通った隣接するB市と比べると、A市は1人当たり給付費が高い。その要因はどこにあるのだろう」と検討する際の入り口になるものです。7月からは年齢構成を補正したデータも提供されるため、より使い勝手が良くなると期待されています。

 竹林介護保険計画課長は「システムを効果的に活用するための改善や仕組み」といった論点も提示しています。


「介護保険でも保険者を都道府県にしてはどうか」と武久委員

 前述のように、市町村には「人材・ノウハウの不足」という大きな課題があるため、前述のような支援方策が検討されていますが、武久洋三委員(日本慢性期医療協会会長)は「国民検討保険と同様に、介護保険においても『財政や重要事項は都道府県が責任を持ち、末端の事務は市町村が担う』という構造にしてはどうか」と提案しています。医療・介護の連携には大きな効果を発揮しそうです。

 この見解に対して岩村正彦委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、「介護保険者は地域包括ケアシステムにも重要な責任があり、そこを考慮すると市町村単位が好ましいのではないか」との見解を述べました。


一定の指標を定め、頑張っている市町村にインセンティブを付与することも検討

 (2)の「市町村自身の取り組みを強化する」ためには、「頑張っている保険者」に対してインセンティブの付与する方策などが考えられます。

 厚労省老健局介護保険計画課の竹林悟史課長は、より広く▽介護保険事業計画におけるPDCAサイクルを通じた進捗管理▽高齢者の自立支援や介護予防の取り組み▽効率的な給付の推進―などを図るためのインセンティブを論点の1つとして提示しました。

 また、インセンティブ付与の基準として「取り組みの進捗状況を測るアウトプット」や「取り組みの成果を測るアウトカム」に関する指標をどう設定するかも重要な論点となります。厚労省は「要介護認定率」を例示しましたが、伊藤彰久委員(日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長)は「認定率だけでは適切に評価できるか疑問である」とし、別の指標も検討するよう提案しています。

 ところで、インセンティブとして「調整交付金の活用」が考えられるかもしれません。例えば要介護認定率が低い(あるいは下がった)市町村について、調整交付金を増額するといったインセンティブを付与するような仕組みです。

 しかし調整交付金は、市町村に責に帰すことのできない理由で生じた財政の不均衡を調整する(後期高齢者の多寡や所得格差を調整する普通調整交付金と、災害などの特別な事情を勘案する特別調整交付金)ものであり、「市町村のがんばり・努力」といった概念を組み合わせることが適切かどうか慎重に検討する必要がありそうです。また財源が決まっているため、インセンティブの裏にあるペナルティ(交付金の減額)という課題もあります。


データに基づいて、地域差の「要因」を分析することが第一歩

 ところで、介護保険創設時には「地域格差はあってよい」という考えが当時の厚生省幹部から説明されていました。例えば「保険料が高くなっても、手厚いサービスを提供する」市町村や、「サービスは最低限にとどめ、保険料を低く抑える」市町村などがあってよいといものです。

 この考えと、今回の「地域差の縮小」とは矛盾しないことを竹林介護保険計画課長は説明しています。現在の地域差は、上記のように「手厚いサービス」というビジョンの中で生じたものというより、明確な理由は分からず「気づいたら生じていた」というのが実際ではないでしょうか。後者は「あるべきではない地域差」と言えるかもしれません。この要因を分析して是正し、その上で「地域のビジョン」にそった介護サービス体制などを「選択していく」形が本来の姿と言えます。

介護保険の実績に大きな地域格差があることが分かる
04224.jpg

 22日の介護保険部会でも、土居丈朗委員(慶應義塾大学経済学部教授)から「データに基づいた分析」の重要性や、鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)や「地域差の『要因』分析」の重要性が指摘されています。

 「市町村を支援する方策」や「市町村自身による取り組み」を充実し、あるべきでない地域差の是正に向けて、介護保険部会でより具体的な検討が進められていきます。



http://mainichi.jp/articles/20160422/ddl/k41/040/337000c
伊万里松浦病院移転問題
現地建て替えを直談判 地元区長会が27日、機構に 「打診」の真意も探る /佐賀

毎日新聞2016年4月22日 地方版

 伊万里松浦病院の移転問題で、地元の伊万里市山代町区長会(松永勝美会長)は27日、東京都港区高輪の独立行政法人・地域医療機能推進機構(尾身茂理事長)を訪れ、病院の現地建て替えを求める要望書を提出する。機構は移転問題で伊万里市に長崎県松浦市との共同歩調を打診したが、その説明も求める。

 要望書によると、町内の造船所跡地や工事中の埋め立て地に大規模な開発構想があり、港湾や自動車道の整備も進行中。このため、将来は人口増が見込まれる有望地なのだが、機構は当初から「現地建て替えでは赤字が続く」と拒否している。

 要望書は機構に事実認識を改めるよう求めた上で「町民としても患者の獲得などできる限りの支援をする」と約束している。上京を決めた区長会の会合では「本当に赤字が続くのか?」「病院の経営改善努力が足りないのでは?」「松浦に移転して、黒字は保証されるのか?」などの疑問が相次いだという。

 正副会長の3人が上京し、地元の市議3人も同行する。機構は18日、伊万里市に松浦市との共同歩調を打診した。市議会では「機構は移転問題の記者発表(最終決定)を先送りしながら、水面下で伊万里市に一方的な妥協を強いている」と、いぶかる声が強い。このため、同行する市議も区長会と共同歩調で機構側に説明を求める。

 単独行動で機構の真意を探ろうとする動きも。市議の一人は「打診は『伊万里の跡地に診療所を建ててやるから、松浦移転に協力しろ』ということか。地域医療をバーターで考えるような地域医療推進機構なら要らない」と、息巻いている。【渡部正隆】



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG22HA3_S6A420C1CR8000/
国立大病院への資金提供、企業名や金額公表 病院長会議
2016/4/22 21:39 日本経済新聞

 国立大学付属の45病院で構成する国立大学付属病院長会議は22日、企業から国立大病院への資金提供について定めたガイドラインの一部を改定し、主な製薬会社以外でも同意を得た場合、企業名や提供金額を公表すると発表した。公表は医薬品などの現物寄付や講演料などに限定し、研究開発費は除く。

 新ガイドラインは6月に正式決定し、2016年度分から適用される。国立大病院は現在、企業から講演料など資金提供を受けても、日本製薬工業協会(製薬協)の会員約70社の社名しか公表していない。製薬協の会員以外の製薬会社や医療機器メーカーなどは「その他」扱いで、企業名や資金提供額は公開されていなかった。

 改定後は、学会参加のための交通費などの奨学寄付金や現物寄付、講演料などについて、どの企業がいくら資金提供したかを公表する。公表は同意が得られた製薬会社や医療機器メーカーに限る。ただ資金提供の多くを占める研究開発費については企業秘密にかかわるとして公表を見送った。

 企業から医療機関の資金提供を巡っては、13年にスイス製薬大手の日本法人、ノバルティスファーマ(東京)の高血圧症治療薬ディオバンを巡る臨床研究データ操作事件で、同社から研究に参加した大学側への多額の資金提供が発覚。この問題を受け、国立大病院長会議は14年6月に資金提供の公表の在り方についてガイドラインを設けていた。



http://www.medwatch.jp/?p=8630
適切なケアマネジメントの推進に向け、「特定事業所集中減算」の是非も論点に―介護保険部会
2016年4月22日|医療・介護行政をウォッチ

 「自立支援」「公正中立」「総合的かつ効率的」な視点に立った適切なケアマネジメントを確保するために、どのような方策が考えられるか。また、重度かつ医療ニーズに高い要介護者のケアマネジメントにおいて、専門職種や専門機関を有機的に結びつけるのはどのような方策をとればよいか―。

 22日に開かれた社会保障審議会・介護保険部会では、このような点についても議論が行われました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。

 また適切なアマネジメントに関連し、の介護報酬における「特定事業所集中減算」について、委員らは廃止を強く求めています。

ここがポイント! [非表示]
1 ケアマネの公正性・中立性などを確保するため、どのような方策があるか
2 市町村によるケアプランの点検、「専門家の協力」が必要ではないか
3 ケアマネジャーと医療との連携、医師会の協力が必要不可欠
4 介護保険施設などの総量規制、メリット・デメリット考慮して検討


ケアマネの公正性・中立性などを確保するため、どのような方策があるか

 介護保険制度では、介護支援専門員(ケアマネジャー)が要介護者の状況(身体的、精神的状況に加えて、家庭環境などの社会的状況も勘案する)やニーズ、地域のサービス提供体制などを総合的に勘案したケアプランを立て、このプランに沿ってサービスが提供されます。

ケアマネジメントの概要
04225.jpg

 しかし「ケアマネジャーは自身の資質・能力に不安を感じている」「ケアマネジャーは利用者本位のケアプランを作成できていないと感じている」「適正なケアプランかどうかのチェックが必ずしも十分に行われていない」といった指摘がなされています。

 中には「居宅介護については区分支給限度基準額があるため、利用者自身が定めたケアプラン(セルフプラン)に沿ってサービス提供を進めても問題ないのではないか」といった、いわば「ケアマネ不要論」すら唱える識者もいます。

 しかし、介護保険は財政論のみで考えるべきでなく、利用者の自立支援を第一に考えた「適切なケアマネジメント」の必要性はいささかも揺らぐものではありません。

 このため厚生労働省老健局振興課の辺見聡課長は、より適切なケアマネジメントを推進するために次の検討課題(論点)を掲げました。

(1)自立支援、公正中立、総合的かつ効率的なサービス提供の視点に基づく適切なケアマネジメントを確保するための方策

(2)市町村が保険者として、地域の中で適切なケアマネジメントの確保を一層進めるための方策

(3)医療介護等の連携のために、ケアマネジメントにおいて、専門職種や専門機関を有機的に結びつけるための方策

(4)給付管理や書類作成等の業務負担も踏まえたケアマネジャーの業務のあり方

 

 (1)では、介護報酬にある「特定事業所集中減算」をどう考えるかという具体的な検討課題が提示されています。

 これは、例えば「ケアマネジャーが自身の所属する事業所のサービスに偏ったケアプランを立てる」ような事例を是正するために設けられているもので、「正当な理由なく、特定の事業所の割合が80%を超える場合に居宅介護支援費を200点減算する」という仕組みです。2015年度の介護報酬改定で▽集中率を90%から80%に引き下げる▽対象サービスの限定を外す―という強化が行われました。

 しかし、会計検査院はこの減算について「合理的で有効な施策ではない」「むしろ一部で集中割合の調整を行うなどの弊害を生じさせる要因となっている」と指摘し、見直しを求めています。

 また鈴木邦彦委員も、「一部の事業所では、減算が生じても自事業所にサービスを集中させたほうが結果として収益が高くなると考えている。悪質な事業者は排除できていない」「良質なサービスを提供している事業所に集中するのは当然」と指摘し、早急な廃止を要望しています。

 介護報酬の見直しは、社会保障審議会の介護給付費分科会で議論しますが、辺見振興課長は「適切なケアマネジメントの推進に必要であれば介護保険部会でも議論してもらう」旨の考えを述べています。

 また黒岩祐治委員(全国知事会社会保障常任委員会委員、神奈川県知事)の代理で出席した小島参考人は、「中立性・公正性のベースには『ケアマネジャーの独立性』担保が必要で、報酬の引き上げ」を考慮すべきと提案しています。これに関連して「居宅介護支援費に利用者負担を導入すべきか」というテーマも浮上しており、今後も議論される見込みです。


市町村によるケアプランの点検、「専門家の協力」が必要ではないか

 (2)については、現在でも市町村がケアプランの点検(介護給付費適正化事業の一環)を行っていますが、これをどのように充実していくかが重要な論点となります。

 この点について鈴木委員や内田千惠子委員(日本介護福祉士会副会長)らは、「形だけの点検では意味がない。行政と介護支援専門員協会が協力し、専門的な視点で点検していくべきである」と指摘しています。


ケアマネジャーと医療との連携、医師会の協力が必要不可欠

 (3)は、医療ニーズのある重度の要介護者のケアプランを作成する際には、きわめて重要となる点です。しかし、特に福祉系のケアマネジャーでは医療の知識が不足しており、また医療との連携に躊躇する面があると指摘されています。

 この点について桝田和平委員(全国老人福祉施設協議会介護保険事業等経営委員会委員長)は「医師会の協力」を要請。鈴木委員もこれを快諾しています。

 ケアマネジャーと専門職との連携という点では、地域ケア会議も有効です。多職種が集まり、専門的な視点で利用者の課題を洗い出し、自立に向けて必要となるケア・サービスを検討する会議です。会議に出席したケアマネジャーの7割は「ネットワーク構築や能力の向上、ケース支援に効果があった」と答えています。

地域ケア会議に参加したケアマネジャーの7割が「効果あり」と感じている
04226.jpg

 鈴木委員は「地域ケア会議への出席義務を検討してはどうか」と提案しています。


 また(4)は、ケアマネジャーの事務負担を軽減し、アセスメントやプラン作成、自身の能力向上により時間的資源を投入するためにどうすればよいかというテーマです。この点、土居丈朗委員(慶應義塾大学経済学部教授)は「ICTを活用する」ことを提案しました。例えばタブレット型PCの利活用などが考えられそうです。


介護保険施設などの総量規制、メリット・デメリット考慮して検討

 この日は、辺見振興課長から「保険者機能を強化するための、サービス供給への関与」という議題も提示されています。

 現在、介護保険3施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)や特定施設入居者生活介護などには、「介護サービスの供給量をコントロールするために、指定拒否を可能とする」総量規制の仕組みが導入されています。

サービス供給量が介護保険事業(支援)計画の想定量を超える場合などには、介護保険施設などの指定申請を拒否することが可能である
04227.jpg

 一方、創設から時間が経過してない定期巡回随時対応サービスなどでは、サービス確保に向けて「公募制」や「市町村協議制」といった仕組みが設けられています。競合先を少なくし、一定の事業所経営を担保することが狙いです。

定期巡回随時対応サービスなど、十分に整備されていないサービスでは、参入促進を目指した「公募制」などを採用し、競合を排除することが可能
04228.jpg

 辺見振興課長は、「これらの仕組みのあり方をどう考えるか」との論点を掲げましたが、「制度の大枠を見直してほしいという意味ではない」旨のコメントをしています。

サービス種類ごとの供給量調整の仕組み(黒字のサービスは調整する仕組みはない)
04229.jpg

 これらの仕組みには、「介護サービスの供給量(給付費や保険料につながる)をコントロールしやすくなる」というメリットがある一方で、「適切な競争を阻害する(質の悪いサービスが淘汰されない)可能性がある」というデメリットもあります。両者のバランスを考慮した上で検討していく必要があります。

 この点について齋藤訓子委員(日本看護協会常任理事)は「事業者の状況を確認することが必要ではないか」と述べ、サービスの質確保にも配慮する必要があると指摘。また岩村正彦委員(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は「事業者の評価を行い、悪質なとこには改善や指導、最終的には介護保険からの退出命令などを行う仕組みを組み合わせることが必要」と述べたほか、「他によりよい仕組みがないのかも検討すべき」と要請しています。


  1. 2016/04/23(土) 09:08:59|
  2. 未分類
  3. | コメント:0
<<4月22日 熊本震災関連  | ホーム | 4月21日 熊本震災関連 >>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する