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4月21日 

https://www.m3.com/news/iryoishin/418390?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160421&dcf_doctor=true&mc.l=154043927&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 医療従事者の需給に関する検討会
医学部定員、最低でも「9262人」、2019年度まで
規制色強い医師偏在対策も検討、「中間まとめ」に向け議論

2016年4月20日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)

 厚生労働省の第2回「医療従事者の需給に関する検討会」(座長:森田朗・国立人口問題研究所長)と第5回「医師需給分科会」(座長:片峰茂・長崎大学学長)は、4月20日の合同会議で、医学部定員について2019年度までは現行の9262人という水準を維持することをおおむね了承した(資料は、厚労省のホームページ)。

 2008年度および2009年度から開始し、2017年度で期限が切れる臨時定員増は、当面継続する一方、2017年度から3年間の追加増員は、本当に必要かどうかを慎重に精査して対応する方針。2020年度以降については、医師需給推計や医師偏在対策の効果を見極めながら検討する。

 20日の会議では、「中間取りまとめ」に向け、医学部定員問題のほか、医師偏在解消策についても議論。今後、検討すべき課題として、「臨床研修制度において、募集定員の配分等に対する都道府県の権限を一層強化」「臨床研修が出身大学の地域で行われることを促す仕組み」「専攻医の募集定員は、診療領域ごとに、地域の人口、症例数等に応じた地域ごとの枠を設定」「将来的に、十分ある診療科の診療所の開設は、保険医の配置・定数の設定、自由開業・自由標榜の見直し」「フリーランス医師や多額の紹介料・給料を要する者への対応」など、規制的な対策が並んだ。

 厚労省医政局長の神田裕二氏は、これらは厚労省の提案ではなく、医師需給分科会での議論、関係団体の要望、「保健医療2035」などを踏まえて列挙したものであり、「制度化に当たって、この場で全て決まるものではないが、全般的なメニューについて、必要かどうかという方向性はこの場で議論してもらう」と説明、ただし、制度化に当たっては別途議論が必要だとし、例えば保険医の配置や定数などは健康保険法の問題であり、正式な審議の場は、社会保障審議会医療保険部会、場合によっては中医協などでの議論もあり得るとした。同局地域医療計画課長の迫井正深氏も、「この場で決めたからと言って、制度化するかは別の問題」と補足した。

 成田市での医学部新設は含まず


 医学部定員は、2007年度までは7625人だったが、2008年度以降、段階的に増員が図られてきた。2016年度の医学部定員9262人は、「恒久定員(8269人)」と「臨時定員(993人)」に大別でき、「臨時定員」はさらに、(1)新医師確保総合対策(2008年度から2017年度までの間、医師不足が特に深刻と認められる10県で、各県で最大10人増員)、(2)緊急医師確保対策(2009年度から2017年度までの間、各都府県で最大5人、北海道は最大15人増員)、(3)経済財政改革の基本方針2009と新成長戦略(2010年)(2010年度から2019年度まで、都道府県ごとに毎年原則10人までの増員など)――に分けることができる。

 (1)と(2)については、特に医師不足が深刻な地域や診療科を想定した対策であり、2008年度の入学生はこの3月で臨床研修を終えたばかりで十分な効果検証ができないことから、厚労省は「当面延長」と提案。これに対し、(3)については、2017年度から2019年度の3年間についても、「追加増員」の要望があった場合にはその要否を慎重に精査すべきとしている。

 基本的には、これらの方針は支持された。ただし、医学部定員は、医師需給バランス、医師の業務の他職種への移譲、労働時間の軽減なども踏まえて検討すべきとの意見のほか、医師偏在対策を先に講じるべきとの意見が出た。医師の需給バランスについては、「医師需給分科会」の第4回会議で、上位、中位、下位の3パターンの推計が出されている(『医師需給、「2024年に約30万人で均衡」との推計も』を参照)。

 日本医師会副会長の今村聡氏は、(1)国家戦略特区で検討が進む、千葉県成田市での国際医療福祉大学による新設医学部の定員、(2)恒久定員の扱い――について質問。厚労省と文科省は、(1)については推計には含まれておらず、(2)恒久定員については、「全体の需給を踏まえての検討は、可能性としてはあり得る」――とそれぞれ回答した。

 日本医師会副会長の松原謙二氏は、医師は、医師以外でも可能な仕事にかなりの勤務時間が割かれているとし、この現状を改善するほか、医師の偏在対策が先決だとした。「できることから速やかにやるべき」と求め、偏在対策としてある程度の規制は必要だとし、「10年、20年先に国家財政に負担をかけることはやめるべき」と述べた。慶應義塾大学商学部教授の権丈善一氏も、「今回の試算は、医師の充足率は全国ほぼ一律としている」と指摘、医師の偏在問題を同時に解決しないと、医師不足が顕著な地域の状況は改善されないとした。

 森田座長は、「医師の養成には約10年かかり、40年くらいは仕事をする。一方、日本の人口は2008年をピークに減少しており、全く違った現象が起きている。これらを折り込んで考えなければいけない」と前置きした上で、医師需給バランスをめぐってはさまざまな意見が出ていることを踏まえ、公共政策的な視点からは、下位推計を採用した場合のリスクと、高位推計採用のリスクのどちらが大きいかを見て判断するやり方もあるとした。

 医師の偏在解消、アメか?ムチか?


 医師偏在対策のうち、前述の規制的な対策を講じるべきか否かについては、やや意見が分かれた。

 全日本病院協会副会長の神野正博氏は、医師の養成数を増やさないことには偏在は解消しないと前置きし、「そろそろ何らかの規制による偏在解消が必要な時期に来ている。地域と診療科の両方の規制を同時に考えて行くことが必要」と述べた。東京大学政策ビジョン研究センター特任教授の尾形裕也氏は、診療所開設について、「保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜を見直す」とある点について、診療所に限らず、広く地域の医師配置の在り方を検討すべきと提案。読売新聞東京本社編集局社会保障部次長の本田麻由美氏も、「これまでになかった踏み込んだ提言がなされており、これらを具体化できる提案ができればと思う」と述べた。

 これに対し、規制的な対策に異議を唱えたのが、東京大学大学院医学系研究科附属医学教育国際研究センター教授の北村聖氏。「地域で働くことが楽しいというポジティブな仕掛けが必要。規制をかけることについては、慎重にやってもらい。“ムチ”よりも、“アメ”の仕掛けが必要。『地域で働かないと、幸せにはならない』といった仕掛けはやめてもらいたい」と釘を刺した。

 地域医療支援センターは「芸者のいない置屋」?

 そのほか、医師偏在対策の検討項目の中で議論になったのは、(1)地域医療支援センターの機能強化、(2)フリーランス医師への対応、(3)専門医制度についての対応――だ。

 全国医学部長病院長会議会長の荒川哲男氏は、同会議が提案している通り、医師は出身大学の地域でできるだけ就労できるよう、各大学に「医師キャリア支援センター」を設置し、地域医療支援センターと連携していくことを提案(『医師のキャリア形成、大学が生涯にわたり支援』を参照)。同時に、地域医療支援センターについては、あまり機能していない現状を踏まえ、「いったいどんな機能を強化するのか。ここに託す機能を明確にする必要がある」と指摘した。

 全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏や奈良県知事の荒井正吾氏、岩手医科大学学長の小川彰氏からも、地域医療支援センターが機能していない現状を問題視する声が上がった。「芸者のいない置屋」と称したのが、荒井氏。小川氏も同様に、「配置できる医師がいなければ、センターの機能を強化できない」と述べた。

 フリーランス医師、風当たり強く


 邊見氏は、フリーランス医師にも厳しい目を向けた。麻酔科医、放射線科医、病理医という、「主治医にはならない」分野の医師について、診療報酬上の評価を上げるよう求めてきたものの、「麻酔科医のフリーランスは、少し悪乗りしている」と戒めた。荒川氏は、フリーランス医師を差配する業者を厚労省に登録する仕組みを提案。

 専門医制度について言及したのは、聖路加国際病院院長の福井次矢氏。「専攻医の募集定員枠の設定を入れたことは、高く評価」と述べた上で、全国レベルでの調整が必要だとし、将来的は初期臨床研修と同様に、マッチング的な仕組みも検討すべきとした。

 そのほか日本医師会常任理事の釜萢敏氏からは、「医師や医師の診療行為情報のデータベース化」の重要性を強調する意見も出た。「データが必ずしも十分に整っている現状ではない」とし、出身大学に「医師キャリア支援センター」を設置し、連携も図りつつ、データベース化を進めることを求めた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/418391
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
VART主論文、東大・小室氏が「訂正」
「『訂正』で済む問題ではない」との指摘も

2016年4月20日 (水) 高橋直純(m3.com編集部)

 日本高血圧学会は4月19日、千葉大学のディオバン研究「VART Study」の主論文について、主任研究者の現東京大学大学院医学系研究科器官病態内科学講座循環器内科学教授の小室一成氏から訂正(Corrigendum)が出されたことを明らかにした。ディオバンに関する研究では薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われたノバルティスファーマ社と同社元社員の公判が東京地裁で行われ、「VART Study」でも元社員が統計解析の一部を担当していたことが明らかになっている。 千葉大の調査委員会は論文の撤回を勧告、同学会も論文の訂正を求め、小室氏を「厳重注意」処分としていた。

 論文は、当時千葉大学の教授だった小室氏らが執筆、2010年に同学会学会誌「Hypertension Research」に掲載された「Effects of valsartan and amlodipine on cardiorenal protection in Japanese hypertensive patients: the Valsartan Amlodipine Randomized Trial」。同誌編集長の獨協医科大学循環器・腎臓内科教授の石光俊彦氏によると、本論文に対しては「幾つかの点について訂正が必要であるという結論になり、その旨を著者に伝えていた」と言う。小室氏から訂正(Corrigendum)が出されたことにより、編集委員会で検討し、訂正内容が適切であれば、数カ月後に掲載される予定。

 ディオバン関連の研究では、京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件の被告であるノバルティスファーマ社元社員が、VARTでも統計解析の一部を担当していたことが明らかになっている。当時、千葉大教授として主任研究者を務めていた小室氏に対して、千葉大の調査委員会は2014年4月にVART論文の撤回を勧告、同学会も2015年3月に小室氏を「厳重注意」処分としていた(『千葉大の降圧剤論文に撤回勧告、調査委』、『東大・小室教授を厳重注意、高血圧学会』を参照)。

 NPO法人臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)理事長の桑島巌氏は「千葉大の調査で問題が指摘されており、『訂正』で済む問題ではない。論文は撤回すべきであると考える。学会の見識が問われる」と指摘している。

 小室氏は、日本循環器学会の次期代表理事に選出されることが決まっている(『日循、次期代表理事に小室・東大教授を選出』。



https://www.m3.com/news/general/418648
地域医療構想「実情の反映を」 大田市議会、国への意見書採択 /島根
2016年4月21日 (木) 毎日新聞社

 大田市議会は20日に開いた臨時議会で、国が各都道府県に義務づけた地域医療構想に対し、地域の実情を反映したものにすることを求める意見書案を全会一致で採択した。厚生労働省など、国の関係機関に提出する。

 国は2015年6月に、都道府県別の25年の推計必要病床数を発表した。島根県には現状から30%減、約2800床の削減が示されている。

 意見書は「病床数は、総数を決めた議論ではなく、地域の実態に即した医療提供体制を検討すべきだ」とし、新大田市立病院の計画についても「地域の実情を考慮し積算した病床数と大きく乖離(かいり)している」と指摘している。【関谷徳】



https://www.m3.com/news/general/418651
米沢市立病院、精神科閉鎖 市長表明、米沢に佐藤病院誘致へ 病床数の特例適用 /山形
2016年4月21日 (木) 毎日新聞社

 米沢市立病院精神科(病床数70)の閉鎖を巡り、中川勝市長は20日、南陽市の佐藤病院(同222)を運営する同市の社会医療法人「公徳会」と連携する意向を表明した。米沢市内に佐藤病院の精神科病院を誘致する計画で、建設地と開院時期は佐藤病院の要望を基に早急に検討する。厚生労働省が許認可権を持つ地域内の病床数を再編統合する特例を適用する方針で、佐藤病院の病床数を米沢市に移すことも可能となる。【佐藤良一】

 この日の市議会民生常任委員会協議会で、中川市長は「民間の精神科病院の誘致を模索してきたが、公徳会佐藤病院と再編統合することを判断した」と述べた。また、「佐藤病院は置賜地域の精神科医療の中心的役割を担っており、地域の的確な医療体制を確立されると期待している」とも述べた。再編統合の特例適用について、国に申請するために今月中にも県と協議に入りたい考えを示した。

 昨年12月、市立病院は常勤医師の確保が困難との理由から今年3月末で精神科を閉鎖する方針を示した。1月に中川市長は「廃止でなく休止」と強調し再開も視野に医師確保に努めたが、3月に民間病院と連携する方針を打ち出した。3月16日に天童市であった日本精神科病院協会県支部の定例会議で、加盟する13の病院に米沢市での開設を依頼。佐藤病院のみが協力の意思を示したという。

 県内の精神科病床数は3650床で、県の保健医療計画の基準(3373床)を上回るため、増床は認められていない。市立病院総務課によると、病床数の再編統合の特例を用いることで、今回の市立病院と佐藤病院を合わせた病床数から1引いた291床の枠で、佐藤病院の病床数を米沢市内に移して市立病院の70床から増やすことも可能となる。

 県地域医療対策課によると、米沢市の精神科の病床数は市立病院の70床のみ。人口1万人当たりで比較すると8・2床となり、入院が可能な医療機関を持つ県内14市町で最も少ない。市立病院では毎年約400人の新規患者がいたが、米沢市内に精神科の医療機関が不足していることは明らかだ。

 公徳会は、佐藤病院の他、若宮病院(山形市)も運営。2000年に米沢市に外来診療のみの「米沢駅前クリニック」を開設した。04年に米沢市に精神科病院を建設する意向を示したが、実現しなかった経緯がある。

 市立病院は5月半ばまで常勤医1人が残り、主に患者の転院紹介をしている。

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 ◇県内の精神科病床数
       人口   病床数  人口比
上山市   31447    424   134.8
三川町   7717    96    124.4
河北町   18953    180   95.0
長井市   27581    210   76.1
尾花沢市  16816    126   74.9
南陽市   32171    222   69.0
新庄市   36697    180   49.1
天童市   62155    286   46.0
山形市   252208   1152   45.7
酒田市   105894   340   32.1
寒河江市  41151    130   31.6
鶴岡市   129150   214   16.6
川西町   15629   20    12.8
米沢市   85651   70    8.2
…………………………………………………………
村山地域  549235   2298   41.8
置賜地域  213987   522   24.4
庄内地域  278479   650   23.3
最上地域  77359    180   23.3

合計          3650

 ※病床数は県地域医療対策課より。人口は2016年3月1日現在。人口比は1万人当たりの病床数



https://www.m3.com/news/general/418609
二審も両親側敗訴 保育園で昼寝中に乳児死亡
2016年4月21日 (木) 共同通信社

 栃木県日光市の保育園で昼寝中に死亡した生後9カ月の男児の両親が、保育士や園を運営する社会福祉法人つきかげ福祉会(日光市)などに約6800万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(水野邦夫(みずの・くにお)裁判長)は20日、一審宇都宮地裁に続き、両親の請求を認めなかった。

 両親は「就寝中にうつぶせ状態になり窒息死した。保育士には目を離さず見守る義務があった」と主張したが、判決は「保育士がうつぶせ寝に気付きながら放置したとは認められない。集団保育の場で期待されるだけの目の配り方もしていた」と退けた。

 判決によると、男児は2008年12月15日、保育園で昼寝中に呼吸が停止し、搬送先の病院で死亡した。



https://www.m3.com/news/general/418658
子宮頸がんワクチンを推奨 小児科学会など17団体
2016年4月21日 (木) 共同通信社

 全身の痛みやしびれなどの副作用が報告されている子宮頸(けい)がんワクチンについて、日本小児科学会など17団体は21日までに、ワクチン接種後の診療体制などが整備されたとして、積極的な接種を推奨するとの見解を発表した。

 見解では、子宮頸がんワクチンを導入したオーストラリアや米国など複数の国で、子宮頸がんの前段階の病変の発生が約半分に減っており、有効性は明らかと指摘。健康被害に遭った人への救済が開始されたことも推奨する理由として挙げた。

 子宮頸がんワクチンは2013年4月、小学6年から高校1年に相当する女子を対象に定期接種が始まったが、全身のしびれや痛みの報告が相次ぎ、厚生労働省は同6月に接種の呼びかけを中止した。今年3月末には副作用を訴える女性らが、国などに損害賠償を求める方針を表明している。



https://www.m3.com/news/general/418620
子宮頸がんワクチン、厚労省、見解
2016年4月21日 (木) 毎日新聞社

 子宮頸(けい)がんワクチンを接種後に脳機能障害が出た33人の約8割で「特定の遺伝子型が一致した」と厚生労働省研究班の代表者が3月に行った発表の内容について、厚労省は「(統計的に)少数のデータで、約8割という数字は確かなものとは言えない」とする見解をホームページに掲載した。大学の研究者などが実施する研究班の研究成果に対して厚労省側がこうした見解を出すのは異例だ。



https://www.m3.com/news/general/418579
近くに病院や診療所がない「無医地区」、全国で637か所
2016年4月21日 (木) 読売新聞

 近くに病院や診療所がないなどの「無医地区」が全国に637か所あるという調査結果を厚生労働省がまとめた。

 無医地区は高齢化が進んだ山間地や離島に多い。厚労省は自治体と連携しながら医師確保を進めていきたいとしている。

 厚労省は、中心地から半径4キロ以内に50人以上が住んでいるものの病院や診療所がない地域などを無医地区として、地区数と人口を調べた。

 その結果、無医地区は39道府県に計637か所あり、計12万4122人が住んでいた。5年前の前回調査からは68か所減り、人口も計1万2150人減少した。

 都道府県別では、北海道の89か所・1万1389人が最多で、ほかに広島県の54か所・7485人、大分県の38か所・7839人が多かった。



https://www.m3.com/news/iryoishin/409618
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画
「医師&一般人 緊急アンケート」
改定に翻弄、「もう疲れました」◆Vol.16
m3.com医師会員【自由意見8】

2016年4月21日 (木) 橋本佳子(m3.com編集長)

◆行政に提言:医療費抑制自体に異議

【30代】
・医療費の増大は、つまるところ高齢者の増加(平均寿命の延長)と医学(特に先端医療)の発展が原因である。しかし、寿命を短くするわけにも、医学の発展を抑制するわけにもいかない。むしろこれらはどんどん進む一方なので、小手先の医療費抑制策を講じても焼け石に水である。究極的には、医療費を削減するためには、これまで日本が行ってきた医療福祉を根本的に削減するしか道は無いと考える(30代、200床未満)
・削減ありきで医療費をどうにかしようとしている姿が滑稽でなりません。また、マスコミの偏向報道を含めて、国民全体の医療に対する理解の欠如には辟易しています。何も期待していないので、徹底的に衰退してしまう日を待ち望むのみです(30代、200床未満)

【40代】
・コロコロ変わる厚労省の政策に振り回されている。高齢化が進み、医療費を大幅に削ることはナンセンス。「医療・介護は成長分野」と言った首相の発言はどこへ行った?(40代、200床~500床未満)
・わずかな点数のみに翻弄されるのにはもう疲れました。地方の医療現場の疲弊度は増していくばかりです。日本の医療が医療者の善意により成り立つ部分が多いことは、崩壊してから気づいてもきっと遅いでしょう(40代、200床未満)

【50代】
・そもそもなぜ医療費削減ありきなのか、国民が納得して負担するのであれば削減する必要はないのではないか。その議論が不十分だと思う(50代、500床以上)
・OECDの中では、40兆円の医療費は最も少ないlevelです。けちっていては、良い医療はできないと思います。考え方を変える必要があります(50代、500床以上)
・泥縄式のretrospectoveな改革をやっているうちは、「改善された」という実感は得られないでしょう。現時点での「動向」を把握した上で、段階を踏んで長期的な展望が必要(50代、200床~500床未満)
・人口や体裁ばかりにこだわらず、厚労省および自治体がキチンと病院を評価し、適切な加算や機能を付加しないと、そのうち地方の病院はなくなり、人の住めない地域となるでしょう、自給規則のできない国はいずれ衰退していきます(50代、200床~500床未満)
・TPP容認、医療特区の設置などは、国民皆保険制度を骨抜きにし、国民に大きな被害をもたらすため反対である(50代、200床~500床未満)
・医療保険の改定で、厚労省の方針が度々変わるのがどうにかならないのかと思う。せいぜい10年くらいの先を見据えた医療改革案はできないのか不思議だ(50代、200床~500床未満)
・医療費抑制が、医療人の収入減につながり、税金収入減、消費の低迷、社会福祉サービスへの予算削減、国家予算の減少を招き、国力の低下にも結び付くように思われて仕方がありません(50代、診療所)
・現在の医療費高騰は、高額医療が原因である。上位1割の患者が医療費の9割を使用しているのであり、通常患者の医療費を抑制しても医療費全体から見れば微々たるものである。癌治療など高度医療は命の問題とも言われるが、1カ月の延命に数千万円から億の金が使用されている現状は、コストパフォーマンスが悪すぎると思う。高度医療には混合診療や医療費上限を考慮すべきだと思う(50代、診療所)
・削減ありきではなく、どれだけ医療用予算を増やすかを議論すべき。また、整骨院の保険給付を廃止すべき。これだけ乱立してやっていけること自体、異常。厚労相の役人が何人死のうと、ぜひやり遂げてほしい(50代、診療所)
・貧困問題や格差問題がある中、保険診療は数少ない貧困対策の一つだと思う。現物支給、換金させないなど徹底した上で、ややこしい方法は取らず(シンプルが一番)、フリーアクセスが守られるべきだと思う(50代、診療所)
・官僚主導で政策決定をすることに問題はないが、内閣、大蔵省が予算を決定してしまっており、個別の政策決定についても現場の意見を聞く姿勢が弱く独善的(50代、診療所)
・医療費の制限は、受益者すなわち患者に周知徹底した上で実施すべき。患者からの苦情の処理を医療機関にさせている(50代、診療所)
・過疎地の医療機関等の社会基盤を維持するよりは、過疎地の人間を非過疎地に移住させるなどの政策を検討すべき。いくら住み慣れた地域とは言え、過疎地で万全の暮らしや医療を期待する方が、経済的無駄が大きく、今の時代はむしろ贅沢とさえ言える。医療を含めた社会基盤は、「選択と集中」を実行しないと、今後は日本の財政が持たない(50代、診療所)
・厚労省は財務省の言いなりに、医療費の削減ばかりを考えているようにしか思われない。そういうことばかりをしていると医師のモチベーションは下がり、優秀な人材は医師を目指さず、他の分野に流れてゆき、医療の質の低下につながり、ひいては医療崩壊へと進んでゆくと思います(50代、診療所)
・今の政策は医療費を削減するためにあるのであって、医療従事者や患者のことを考えていないと思う(50代、その他)

【60代】
・これ以上の医療費削減は、良心的医療機関をさらに圧迫し、医療崩壊を加速する。ありふれた疾患が、当たり前に保険医療を受けられる制度を維持する必要がある。希少疾患の高額先進医療を保険適応とすることは許すべきでないし、それは成熟した社会のありようとはかけ離れている(60代、200床~500床未満)
・官僚主導の医療改革は、弱者救済(子供、高齢者、年収の高い子沢山家庭)、国民皆保険などの日本固有の優れた医療制度の崩壊になる。少子化を憂うより、子供が持てる制度、高齢になっても胸を張って生きることのできる制度が必要。子供の教育、患者の教育を含めて、教育行動改革が、必要である。(小生、年収2000万円あるも、妻と、子供10人暮らし。給付金制限あり、今後の子供の教育に不安あり)(60代、200床未満)
・根本的に医療.介護.福祉に金をかけることは当たり前。消費税導入の理由にして、実際は法人税の減税.大規模な不必要な公共事業.軍備増強に金をかけている。(医療費抑制策を問う)設問自体がナンセンス(60代、200床未満)
・現実の地域格差や、地域の実情に見合った施策を考えてほしい。単純に医療費抑制目的のためだけに、ジェネリックを増やして帳尻を合わせるなどの思考は、将来の医療に不安を抱いてしまう(60代、診療所)
・何でも安い方が良いというマスコミの論調は、以前の東京の老人医療無料化の轍を踏むのに等しい。技術などを評価するシステムにした方が良いのでは(60代、その他)



https://community.m3.com/v2/app/messages/news/2518021?pageNo=1&portalId=mailmag&mmp=RK160421&mc.l=154050210&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
地域医療機能推進機構、長崎・松浦と共同歩調を打診 伊万里市が拒絶「根拠なく失礼な話だ」
記事:毎日新聞社 提供:毎日新聞社 16/04/21

 伊万里松浦病院を運営する独立行政法人・地域医療機能推進機構(東京)は19日、伊万里市に「病院移転問題で長崎県松浦市と共同歩調を取る気はないか?」と打診した。市は「根拠のない失礼な話だ」と即日拒絶した。

 ◇電話で“伺う”

 関係者によると、機構の九州地区事務所の職員が市の担当者に電話をかけ(1)病院跡地に診療所を建設するよう松浦市と共同で機構に要望する気はないか?(2)病院移転が長崎県医療審議会(知事の諮問機関)で審査された際は、松浦市と共同で医療法の特例措置の適用(事実上の許可)を要望する気はないか?――と打診した。同時に、この職員は機構が近々、最終結論を発表する可能性も示唆したという。

 ◇物別れの会談

 3月25日のトップ会談で、機構の理事長は伊万里市長に松浦移転の了解を求めた。しかし、市長は機構が松浦市と協議を始めた際、何の連絡も説明もなかった点などを列挙し、会談は物別れに終わった。塚部芳和市長は「その後、機構が理解を求めて努力するものと思っていたが、今回の打診は本市の主張を無視し、市民の気持ちを逆なでする内容だ」と手厳しく批判した。

 ◇地元は態度硬化

 一方、地元の山代町区長会(松永勝美会長)は立て看板の内容を「病院の市内存続」から、機構が嫌がる「現地存続」(建て替え)にエスカレートさせた。区長会は「苦渋の選択で市内存続を求めたが、ここまで情勢が切迫すると、本来の主張に立ち返り、機構に要求を突きつけるしかない」と説明する。東京の機構本部に乗り込む案も検討中。【渡部正隆】



http://www.medwatch.jp/?p=8596
将来の医師需給踏まえた上で、医学部入学定員「臨時増員措置」の一部は延長する方針―医療従事者の需給検討会
2016年4月21日|医療・介護行政をウォッチ

 医師不足が深刻な都道府県などに対する医学部入学定員の緊急増員措置の効果はまだ明らかでないことから、当面、継続してはどうか―。

 20日に開かれた「医療従事者の需給に関する検討会」とその下部組織である「医師需給分科会」との合同会合で、厚生労働省はこうした方針案を提示しました。


ここがポイント! [非表示]
1  医師不足が深刻な都道府県などを対象に、医学部の入学定員を臨時増員
2  2018-33年に医師の需給は均衡、その後は医師過剰になると厚労省は試算
3  臨時増員のうち「医師不足への対応」に関する部分は当面、延長してはどうか

医師不足が深刻な都道府県などを対象に、医学部の入学定員を臨時増員

 医学部の入学定員は、現在、8269名の「恒久定員」【図の青色の部分】と993名の「臨時定員」の合計9262名と設定されています。

 このうち後者の「臨時定員」は次のように区分して考えることができます。一部は2017年度まで、一部は2019年度までとなっています。


医学部入学定員の概要、恒久定員(ブルー)と臨時定員に分けられる。臨時定員は医師不足地域への対応部分(イエロー)と、地域医療再生計画に基づく部分(レッド)に分けられる
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(1)新医師確保総合対策(2006年)に基づいて、「医師不足が特に深刻」な10県(青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、山梨、長野、岐阜、三重)と自治医大について、それぞれ「最大10名」まで増員する(2008-2017年度)【図の黄色の部分の下段】

(2)緊急医師確保対策(2007年)に基づいて、医師確保が必要な地域や診療科に医師を確保・配置するために、厳しい条件の下、都道府県ごとに「最大5名(北海道は15名)」まで増員する(2009-2017年度)【図の黄色の部分の上段と中段】

(3)経済財政改革の基本方針2009と新成長戦略(2010年)に基づき、都道府県の地域医療再生計画等に基づき、地域医療に従事する明確な意思をもった学生に奨学金を貸与し、大学が地域定着を図ろうとする場合の医学部定員について、都道府県ごとに「毎年原則10名までの増員など(140名まで増員可能)」を行う(2010-2019年度)【図の赤色の部分】

2018-33年に医師の需給は均衡、その後は医師過剰になると厚労省は試算

 このような増員が認められているものの、3月31日の前回分科会では、次のように「早晩、医師の需給が均衡し、それ以降は医師の供給数が過剰になる」という推計結果が示されました(関連記事はこちら)。

▽上位推計:2033年頃に約32万人で医師需給が均衡 → 2040年には約1.8万人の医師供給過剰

▽中位推計:2024年頃に約30万人で医師需給が均衡 → 2040年には約3.4万人の医師供給過剰

▽下位推計:2018年頃に約28万人で医師需給が均衡 → 2040年には約4.1万人の医師供給過剰
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将来の医師需給の試算結果、早晩、供給量が需要量を上回ることが明確に(上位推計でも2033年以降は医師供給過剰になる見込み)

将来の医師需給の試算結果、早晩、供給量が需要量を上回ることが明確に

 さらに、医師の資格を得るためには医学部で6年間の教育を受けて国家試験に合格する必要があり、臨床に従事するためには2年間の初期臨床研修を受ける必要があります。さらに、3-5年の専門研修を加味すれば、「医師養成には10数年程度が必要」と考えられます。すると、中位推計でも、「すでに将来的な供給過剰が見込まれる」状況であることが分かります。

 こうした点を踏まえて、近く期限が切れる前術の「臨時増員措置」をどう考えるべきかが、検討テーマとなっているのです。

臨時増員のうち「医師不足への対応」に関する部分は当面、延長してはどうか

 厚労省は、需給推計を踏まえ、臨時増員措置を次のように考えてはどうかとの方針案を提示しました。

●(1)の(2)の臨時増員措置【図の黄色の部分】:当面、延長する

●(3)の臨時増員措置【図の赤色の部分】:本当に必要な増員かどうか慎重に精査する

厚労省の方針案では、臨時増員措置のうち「医師不足に対応する部分」について当面、延長することとし、地域医療再生計画に基づく部分については「慎重に精査」することとしている
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 前者の「(1)と(2)の臨時増員を延長する」根拠について、厚労省は▽そもそも医師不足が深刻な都道府県などを対象としている▽効果検証がまだできていない(2008年に医学部に入学した人は、早くても昨年度に初期臨床研修を終えたばかり)―という理由を挙げました。

 一方、後者の「(3)の増員の必要性を慎重に精査する」考え方について、厚労省は前述の需給推計結果(早晩、医師過剰になる)をベースに説明しています。

 この厚労省提案に対しては、医学部入学定員増に異論を唱えている日本医師会を代表する今村聡構成員(日本医師会副会長)からも明確な反対はありませんでした。

 ただし構成員からは、次のような指摘がなされています。

 「需給推計にあたっては医師の労働環境改善を十分に織り込むべきではないか」(勝又浜子構成員:日本看護協会常任理事、加納繁照構成員:日本医療法人協会会長ほか)

 「まず医師の負担を減らすために、補助対策の拡充が重要である」(荒川哲男構成員:全国医学部長病院長会議会長、松原謙二構成員:日本医師会副会長)(関連記事はこちらとこちら)

 また多くの構成員からは、別途お伝えした「地域偏在の是正」の重要性が改めて強調されました。例えば西澤寛俊構成員(全日本病院協会会長)は、「北海道では札幌こそ医師が多くいる(十分かどうかは議論あり)が、その他の地域では圧倒的に医師が不足している」ことを指摘。さらにエリア特性として「広い地域に住民が散在している」ことから移動に時間もかかる点も西澤構成員は指摘し、「地域ごとにきめ細かく分析する必要がある」と強調しています。

 次回会合(5月19日開催予定)に向け、厚労省は、構成員の意見を踏まえた更なる調整を行う模様です。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48605.html
新専門医研修関連の協議会、未設置の地域も- 日医調査、プログラム報告に遅延可能性
2016年04月21日 15時00分  キャリアブレイン

 新専門医制度の専門研修プログラムに関する都道府県レベルの協議の場(協議会)について、未設置の地域があることが、日本医師会(日医)の調査で分かった。厚生労働省は都道府県に対し、専門研修プログラムに関する関係者の合意を協議の場で確認して報告するよう求めている。報告の遅延を防ぐため、未設置地域をゼロにする取り組みが求められそうだ。【新井哉】

 新制度をめぐっては、養成プログラムや専門医の認定を行う第三者機関の日本専門医機構(機構)が内科や外科など19の「基本領域」について、来年4月の養成開始を目指して準備を進めてきた。専門研修プログラムについては、協議の場での検証や調整を踏まえ、改善が必要な事項を都道府県が機構に提出する方針が示されている。

 ただ、機構などの方針に対し、医師の地域偏在を助長させるなどと「再考」や「延期」を求める意見が続出。社会保障審議会の医療部会で懸念払しょくに向けた議論が行われているが、養成を予定通り始めたい機構と、改善などを求める一部の学会や関連団体の間で意見の隔たりがあるのが実情だ。

 日医は、地域の研修体制の整備を優先する考えを示しており、協議の場の状況を把握するため、47都道府県医師会を対象にした調査を実施した。調査結果によると、協議の場の設置状況(3月31日現在)については、22医師会が「設置している」、16医師会が「予定している」、1医師会が「設置を提案している」と回答した一方、8医師会が「設置していない」と答えた。

 厚労省は、今月中にも協議の場で、内科や小児科、外科、産婦人科、総合診療といった主な診療領域に関して、機構から提供されたプログラムの申請情報などを踏まえ、地域医療確保の観点から必要な施設が漏れていないかどうかを検証・調整することを要望。都道府県が調整に努めたにもかかわらず、状況が改善しない場合も報告するよう促している。



http://www.medwatch.jp/?p=8610
看護・介護人材は将来圧倒的に不足、元気な高齢者や外国人の活用を早急に検討せよ―日慢協・武久会長
2016年4月22日|2016診療報酬改定ウォッチ

 今後の慢性期医療や介護ニーズの大幅な増加を見据えて、65-75歳の前期高齢者や外国人看護・介護士を活用すべきではないか。前期高齢者は1歳当たり200万人程度だが、その20分の1の10万人程度が医療・介護分野に参加してほしい。外国人看護・介護士についてはEPAの基準を緩和し、数万人単位で受け入れを拡大すべきである―。

 日本慢性期医療協会の武久洋三会長は、21日の定例記者会見でこのような提言を行いました。

 看護・介護人材が今後ますます不足していく中で、極めて現実的な提言と言えそうです。

ここがポイント! [非表示]
1 元気な前期高齢者が10万人程度参加することを希望、生きがい創出にもつながる
2 熊本地震の被災者受け入れた療養病棟1、診療報酬上の特例を確認
3 日慢協、認知症ケア加算2、排尿自立指導料用の研修を実施

元気な前期高齢者が10万人程度参加することを希望、生きがい創出にもつながる

 いわゆる団塊の世代(1947-51年の第1次ベビーブームに生まれた方)がすべて後期高齢者(75歳以上)になる2025年には、看護職員は約200万人必要になると試算されています(社会保障・税一体改革)。これに比べ、実際の看護職員数は約160万人に止まると見られ、このギャップ(約40万人の不足)をどのように埋めるのかが大きな課題です。厚生労働省は、新たに「医療従事者の需給に関する検討会・看護職員需給分科会」を3月に設置、より精緻に看護職員の需給を推計することにしています。

 また、介護人材についても、2025年の需要が約253万人と見込まれる一方で、供給は171万人に止まると考えられ、「82万人程度の人材不足」が生じると見られています。

 さらに2025年の10年後である2035年には、看護・介護人材不足がさらに進行すると考えられます。このように今後の医療・介護提供体制の基盤を揺るがす人材不足問題ですが、塩崎恭久厚生労働大臣の肝いりでまとめられた「保健医療2035」には、この人材確保についての記述が見当たらないと武久会長は指摘します。

 ところで、現在、年間約25万人程度が新たに看護・介護分野に参加しています(看護師約5万5000人、准看護師約1万7000人、介護福祉士約8万8000人、それ以外の介護職員約10万人)。(A)

 総務省の年齢階級別人口を見ると、2025年・2035年に看護・介護現場で活躍することになる現在の10-0歳の人口は1歳当たり約100万人で、うち約半数の50万人程度が女性です。

 看護・介護現場で働く人は、現在、圧倒的に女性が多いことを考慮すると、現在のペース(A)のままでも「50万人のうち半数程度」が看護・介護職員にならなければいけない計算で、さらに前述の需給バランスを整えるための増員を考慮すれば、この割合はさらに高まることでしょう(もちろん、より年齢が上の階層からの新規参入もあります)。

 武久会長は、このように「看護・介護人材不足がいかに深刻な問題であるのか」という点を強調。次の2つの方法で人材確保を図るべきと提言しました。また養成には一定の期間が必要なことから「喫緊の課題である。早急な対応をしなければいけない」と訴えています。

(1)65-75歳の元気老人が、より高齢な虚弱老人を支援する

(2)EPAに基づく看護師・介護福祉士候補者の受け入れ基準を緩和し、促進する

 (1)は、定年退職した高齢者が介護技術などを学び、短時間でも看護・介護の支援をするというイメージです。武久会長は「65-75歳の方は現在、1歳当たり200万人程度。その20分の1の10万人程度がこの分野に参加してほしい。ボランティアではなく、正当な賃金が支払われる『仕事』としてやってほしい」との希望を述べました。筆者の両親もそうですが、定年後に老け込んでしまう方は少なくありません。新たな仕事を得ることで『生きがい』を見つけ、心身ともに健康を維持できるという効果も期待できそうです。

 (2)の外国人看護師・介護福祉士について武久会長は、「現地で国家試験に合格し、日本での日本語試験の挑むエリートである。自院にも外国人の看護師がおり、極めて優秀である」と評した上で、EPAの受け入れ基準を一定程度緩和し、数万から10万人規模で参入してほしいとの希望を述べています。

熊本地震の被災者受け入れた療養病棟1、診療報酬上の特例を確認


 21日の会見では、「平成28年熊本地震」に対する日慢協の対応状況が池端幸彦副会長から報告されました。

 被災者に十分な医療が提供されることが必要と考え、日慢協では会員病院への支援(援助金や救援物質)を迅速に行っています。

 ところで療養病棟入院基本料1の施設基準には、「医療区分2または3の患者が8割以上」という要件が設定されています。すると、医療区分2・3に満たない被災者を積極的に受け入れた場合、原則に照らすと療養病棟入院基本料1が算定できなくなってしまいます。

 武久会長はこの点について厚労省保険局医療課に問い合わせ、「当面、被災者の受け入れで施設基準を一時的に満たせなくなっても、療養病棟入院基本料1の届け出変更は不要(基本料1の算定を継続できる)」との回答を得たことを明らかにしました。

 なお被災者の受け入れで定員超過となった場合でも、診療報酬は減額されない旨はすでに厚労省の事務連絡で明らかにされています(関連記事はこちら)。

 このような診療報酬上の特例措置は、医療機関による積極的な被災者受け入れをサポートする重要な意味を持っています。

日慢協、認知症ケア加算2、排尿自立指導料用の研修を実施

 さらに21日の定例記者会見では、中川翼副会長から▽認知症ケア加算2 ▽排尿自立指導料―の届け出に必要な研修会についても報告されました。

 両点数ともに2016年度診療報酬改定で新設されたもので、届け出にあたって「適切な研修の修了」が要件の1となっています。日慢協では、この研修を次の日程で実施しますが、早くも満席間近で、医療現場の関心が高いことが改めて認識できます(関連記事はこちらとこちら)。
  1. 2016/04/22(金) 07:32:21|
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