Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月15日 

http://biz-journal.jp/2016/04/post_14726.html
連載 富家孝「危ない医療」
診察1回5千円!大病院、初診料徴収を義務化…何度も通わせ暴利貪る町の病院に要注意

文=富家孝/医師、ラ・クイリマ代表取締役
Business Journal 2016.04.16

 この4月から、近所にあるからという理由だけで大病院や大学病院に行くと、長時間待たされたうえに初診料として5000円以上取られ、さらに再診に行くと2500円以上を取られることになった。もちろん紹介状があれば別だが、このことを知らない人は意外と多い。

 厚労省は2年ごとに診療報酬の改定を行っており、今年は改定の年に当たる。今回の改訂の大きなポイントは、このように患者負担を大きくすることにより、地域の医療体制を変えていくことだ。厚生労働省の構想は、風邪などで体調を崩したらまず近所の「かかりつけ医」に行き、かかりつけ医が幅広く症状を診察して高度な治療が必要だと判断した場合だけ、大病院に紹介状を書くというもの。こうすることで医療費の増大を抑え、医者不足を補いたいのである。
 診療報酬というのは、公的医療保険から医療機関や薬局に支払われる報酬のこと。治療や検査、薬ごとに点数によって価格が決められている。平たくいえば、これが医者側の収入であり、医者側としては少しでも点数を上げてもらいたいのが本音だ。
 しかし、その財源は税金と保険料、そして患者負担(1~3割)である。つまり、医者の収入が増えれば、患者の負担が増す。今回の改訂では、診療報酬全体で0.84%減ったが、このうち「本体」と呼ばれる医師や薬剤師の技術料(診察、治療、検査、調剤など)は0.49%増えた。
 そうして、前述のとおり大病院を紹介状なしで受診すると5000円以上(歯科の場合は3000円以上)を取られることになった(急患や公費負担医療の対象患者などは例外)。大病院とは、特定機能病院(大学病院のほか国立がん研究センターなどの高度専門病院)と、病床数が500床以上の地域医療支援病院を指す。これらの病院にちょっとしたことでは行くなと、厚労省は言っているのである。
 これまでも200床以上の病院では、紹介状なしの初診は概ね5400円を支払う必要があったため、「現状と変わらないではないか」と思われるかもしれない。しかし、今回はこれが義務化され、さらに再診料を2500円(歯科は1500円)と高額にしてしまったので、患者の負担は本当に大きくなる。
 診療所や中小病院では初診料は282点、1点につき10円なので2820円。3割負担なら支払う額は846円である。また、再診料は72点=720円である。ここまで差が開けば、患者の足は大病院から遠のくのは間違いないだろう。

かかりつけ医の落とし穴

 そこで私たちは「かかりつけ医」を持つことになるが、ここには落とし穴がある。
 まず、かかりつけ医といってもどうやって見つけたらいいかわからない人が多いのだ。日本医師会総合政策研究機構の調べによると、「かかりつけ医がいる」と答えた人は全体の53.7%に達している。
 さらに、かかりつけ医には、初診料や再診料が低いので患者を頻繁に通わせて稼ごうとする医者も多い。たとえば、3カ月おきでいいものを1カ月おきにしてみたり、薬を2週間分しか出さなかったりして、何度も通わせるようにするのだ。
 再診の場合、再診料だけが医者側の収入ではない。病気を外来で管理しているということで「外来管理加算」が加算される。これが520円だから、再診料720円と合わせて実際には1240円かかる。
 さらに、特定疾患療養管理料としての「指導管理料」というものがある。これは、結核、がん、糖尿病、高脂血症、高血圧、狭心症、心筋梗塞、不整脈、喘息、胃潰瘍、慢性肝炎などの病気の外来管理について適応される加算だ。これは、なんと2250円である。
 そこで、高血圧患者ひとりの外来再診を計算すると、
・再診料720円+外来管理加算520円+特定疾患療養管理料としての指導管理料2250円=3490円
となる。これを月1回行えば年約4万円、月2回行えば約8万円になってしまう。
 
 大病院の敷居が高くなり、かかりつけ医に何度も通わされては、患者は踏んだり蹴ったりではなかろうか。
(文=富家孝/医師、ラ・クイリマ代表取締役)



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48568.html
新専門医制度、「不備な点が多い」- 国診協が声明
2016年04月15日 19時00分 キャリアブレイン

 市町村国保の病院など、全国の約830施設の医療機関でつくる「全国国民健康保険診療施設協議会」(国診協、青沼孝徳会長)は、2017年度に始まる予定の新たな専門医制度に関する声明を出した。「現状不備な点が多く、世界一の超高齢社会の日本で真に求められている制度とは言い難い」として、慎重な制度設計を求めている。【敦賀陽平】

 声明では、総合診療を除く18の基本領域について、「専門医、指導医の人員基準が厳しく、大学病院や都市部の大病院にしか認定されにくい」と指摘。その結果、初期臨床研修を終えた医師だけでなく、医学部を卒業した医師全体が都市部に集中することが考えられるとして、「医師の地域偏在がさらに増幅され、地域医療の崩壊が危惧される」としている。

 新専門医制度をめぐっては、厚生労働省が先月、社会保障審議会医療部会の下に専門委員会を設置し、関係者の懸念の払しょくに向けた検討を進めており、国診協では「専門委員会の議論を踏まえ、都道府県における『地域連絡協議会』で十分議論を尽くして、制度設計を行っていただくよう要望する」としている。



http://www.medwatch.jp/?p=8522
全自病の逸見会長、新専門医制度のスタートを延期して、医師偏在の是正を改めて要望
2016年4月15日|医療・介護行政をウォッチ

 地域医療構想は「地域の医療ニーズと病床をマッチさせる仕組み」である。医師・専門医についても同様で、地域の医療ニーズとのマッチを考慮して調整するべきで、そのために新専門医制度のスタートは延期すべきである―。

 全国自治体病院協議会の邉見公雄会長は、14日の定例記者会見でこのような考えを改めて強調しました。

 新専門医制度は、専門医の認定と養成プログラムの評価・認定を第三者機関(日本専門医機構)で統一して行うもので、来年(2017年)4月から養成(研修)がスタートする予定です。

 ただし「地域の医師偏在を助長するおそれがある」との指摘が強く、現在、厚生労働省の社会保障審議会・医療部会の下に設置された「専門医養成の在り方に関する専門委員会」で偏在是正に向けた取り組みの検討が進められています(関連記事はこちらとこちら)。

 しかし14日の会見で邉見会長は、改めて「延期すべき」との考えを強調しました(関連記事はこちら)。

 邉見会長は、「地域医療構想のように、医師・専門医についても地域のニーズとマッチさせた分析を行うべきではないか。それを待ってから新専門医制度をスタートさせても遅くない」旨を説明しています。

 地域医療構想や病床機能報告制度は、地域の医療ニーズを細かく分析して必要病床数を計算し、そこに実際の病床を合わせ(調整)ていこうという仕組みです。邉見会長は、医師・専門医についても、地域の医療ニーズをNDB(National Data Base)を用いて詳細に分析し、「ある地域において、●●科の専門医は何人必要、◆◆科の専門医は何人必要」という絵柄をまず書くべきと提案します。一方で、医学生や初期臨床研修医の「どの診療科の専門医を目指しているのか」を調べ、両者を勘案して制度を設計すべきと訴えました。

 さらに、「プロフェッショナルオートノミーが十分に機能していないことが明らかになった。プロフェッショナルオートノミーが機能していれば、そもそも診療科・地域の偏在は生じていなかった。国がもう少し関与すべきではないか」との見解も披露しています。



http://news.biglobe.ne.jp/economy/0415/prt_160415_2190522009.html
【医師アンケート調査】「遠隔医療は進むか?」について、医師の最多回答は「進むと思うが、自分は参画したくない」
PR TIMES 4月15日(金)10時22分

画像:【医師アンケート調査】「遠隔医療は進むか?」について、医師の最多回答は「進むと思うが、自分は参画したくない」

医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に、「遠隔医療は進むか」についてのアンケートを実施いたしました。以下、結果をご報告します。
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■勤務医・開業医別および年代別の結果
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■サマリー


「遠隔医療は進むか?」の質問に対し、4,041人の医師が回答をした。結果、「進む(参画したいとは思わない)」が50.9%で最も多く、次いで多かった「進む(参画したい)」の37.0%と合わせて計87.9%、約9割の医師が「遠隔医療は進む」と回答した。また、遠隔医療が「進む(参画したい)」と答えた割合は、開業医よりも勤務医の方が大きく、年代別では年代が若いほど大きかった。
「進む(参画したいとは思わない)」(50.9%)の回答理由を見ると、全体では遠隔医療は進むと思うものの、自分自身で考えると、何かが起きたときの責任の所在やより多忙になることを懸念したり、やはり患者さんは自分で直接見て触れて診療を行いたい、という声が多く見られた。
「進む(参画したい)」(37.0%)の回答理由を見ると、過疎地など地方の医療や、医師の偏在への対策として遠隔医療に期待を寄せる声が多く、皮膚科や眼科、放射線科では既に遠隔診療が行われており、期待できるという声が多かった。
「進まない」(12.1%)と回答した医師は、一部の画像診断などでは進むかもしれないが、治療も含む医療となるとやはり直接患者を診ないと難しいという考えが多かった。


■回答コメント(一部を抜粋)

「進む(参画したいとは思わない)」  2,056件
・ 自分で直接触ったり聴いたりできない診療には抵抗がある。(50代、一般内科、勤務医)
・ 進むと思いますが、責任の所在を法的に整備しない限り、参画することは無いと思います。(50代、皮膚科、開業医)
・ 見落としのような過誤が発生した際の責任の所在など不明確な部分も多く、進むことは不可避であっても自分自身が参画したいとは思いません。(30代、一般内科、勤務医)
・ 医療相談レベルの診察(問診および受診指示のアドバイス、セカンドオピニオン)程度になりそうです。ネットである手軽さを売りにドクターショッピングするケースも多くなるのではないでしょうか?保険適応外で良いと思います。(40代、神経内科、勤務医)
・ 進むとは思いますが、今の多忙さを考えるとどのように関わって行くのか想像できません。(50代、男性、勤務医)
・ へたすると365日24時間待機状態になりかねない。(60代、放射線科、勤務医)
・ アメリカとちょっと違います。専門医制度と報酬は決まっていない。自由競争になれない。(50代、アレルギー科、開業医)

「進む(参画したい)」  1,495件
・ 医師の地域偏在を改善する一助として遠隔医療は有効だと思います。(50代、リウマチ科、勤務医)
・ 北海道の田舎や離島では、必要に迫られていました。必ず普及すると考えますし、参画していきたいと考えています。(50代、精神科、勤務医)
・ 分野によっては強力な武器になると思います。(30代、アレルギー科、勤務医)
・ 制度面の問題は多々あるでしょうが、高齢化や過疎化を考慮すると進めざるを得ないかと。(30代、神経内科、勤務医)
・ 皮膚科や眼科、放射線科画像などの共有で、診断をお願いしたりしており、実際に治療方針もいただいております。(50代、整形外科・スポーツ医学、開業医)
・ 在宅医療と専門医との意見交換にはまだまだ余地があると思います。(40代、一般内科、勤務医)
・ 今後進む余地がありあまっています。けれど患者さんに触れない感覚は怖いとも思います。(30代、循環器内科、開業医)

「進まない」  
490件
・ 患者さん本人を診察、診断するのは遠隔では無理。遠隔医療と言っても画像診断、血液検査などに限ってのことだと思います。(60代、一般内科、勤務医)
・ 表情や声のトーンとか、家族とか総合的な判断が必要な科なので、進まないと思います。(40代、精神科、勤務医)
・ 病診連携としては進むと思いますが、治療としては限られると思います。(50代、一般内科、開業医)
・ 現在実施していますが、医師の側は他の業務に追われあまり積極的ではありません。(50代、一般内科、勤務医)
・ 実際システムは導入されましたが、宣伝の時しか使用していないのが現状です。(40代、一般外科、勤務医)
・ 人口は減り、過疎に向かうわけで、必要かどうかわかりません。(40代、一般外科、開業医)
・ 10年前大規模な遠隔医療計画に参加しましたが、中止させました。患者さんのニーズの把握違い、経済的問題、医師のクオリティなど問題がありすぎです。いつものように業者が儲かるだけで医者にはメリットありません。電話で十分です。健診等の画像診断だけは発展するでしょう。(50代、循環器内科、開業医)

■記事引用時のお願い
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
WEB上での引用に際しましては、「MedPeer」にhttps://medpeer.jpへのリンク付与をお願い致します。

【メドピア株式会社について】
・社名:メドピア株式会社( https://medpeer.co.jp )
・代表者:代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立:2004年12月
・運営サービス:医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」( https://medpeer.jp )

メドピア株式会社は、「Supporting Doctors, Helping Patients.」を理念として、現在10万人以上の医師(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用サイト「MedPeer」を運営しています。医師同士が臨床現場で得た知見を「集合知」として共有する場を提供することで、医師の診療を支援するとともに、MedPeerの医師会員および集合知を源泉として、製薬企業をはじめとした企業に対して医師向けのマーケティング支援サービスを提供しています。

【お問い合わせ先】
メドピア株式会社 広報担当 藤野
電話:03-6447-7961 | メール:pr@medpeer.co.jp



http://mainichi.jp/articles/20160416/ddm/012/040/049000c
警視庁渋谷署員の結核集団感染
東大、留置者死因届けず 解剖医ら7人も感染

毎日新聞2016年4月16日 東京朝刊

 警視庁渋谷署員19人の結核集団感染で、感染源とみられる60代の男の留置者を解剖した東京大の医師ら7人も感染していたと、東大が15日明らかにした。

 東大によると、昨年2月、東大医学部で男を解剖。組織検査などの結果、同6月に死因が結核と判明した。

 東大は、結核感染を確認した際に感染症法で義務付けられる保健所への届け出を怠り、今年1月に保健所にそのことを指摘された。さらに3月に医師らを検査して感染が判明したという。症状は出ておらず、新たな感染源になる恐れはないという。

 東大は、解剖時の対応に問題がなかったか確認する方針という。

 渋谷署員の感染は1月以降に判明。6人が発症し、うち3人が入院した。【柳楽未来】



http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/04/15093659047454.shtml
医師不在でも特定医療可能
(2016年4月15日更新)長崎新聞

 五島市吉久木町の県五島中央病院(村瀬邦彦院長)が1日付で、医師がいなくても患者らに特定の医療行為ができる「診療看護師」を採用した。県病院企業団によると、診療看護師は全国的にも珍しく、県内ではこれまで、大村市の国立病院機構長崎医療センターだけだった。離島では同日付で採用した壱岐市の県壱岐病院とともに、今回が初めて。

 診療看護師は、厚生労働省が指定した大学院で修士課程を修了し、日本NP(診療看護師)教育大学院協議会から認定を受けた看護師。勤務先の医師による包括的な手順書があれば、容体などが安定している患者に限り、脱水症状への輸液やインスリンの投与量の調整など、医師の診察なしに38の特定医療行為ができる。

 県五島中央病院に採用されたのは、長崎市出身で訪問看護などの経験が豊富な高瀬絵美さん(44)。高齢化が進み、二次離島の多い五島市内でチーム医療の幅を広げていこうと募集し、高瀬さんも「やりたいことができそう」と就職した。

 高瀬さんは14日、市役所に野口市太郎市長を訪問。「病気だけでなく、住民の方の総合的な相談に乗りながら、一つ一つ慎重に的確な処置をしていきたい」と抱負を述べ、同席した村瀬院長は「これを機に、病院内の診療だけでなく、二次離島での診療も拡大、充実させていきたい」と期待を込めた。



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/local/20160415247819.html
地域医療の拠点 惜しまれつつ幕
小千谷 開設60年の芋時診療所

2016/04/15 15:27 新潟日報

 中山間地の小千谷市真人(まっと)地区で地域医療を支えてきた芋時(いもとき)診療所が、約60年の歴史に幕を下ろした。診療所前の県道が拡幅されるため取り壊されることになり、約3・5キロ離れた藤巻医院に統合された。芋時診療所長だった藤巻幹夫さん(88)は「地域の人に親しまれていたので残念」と話し、地元からは惜しむ声が上がっている。

 芋時診療所は1952年ごろ、幹夫さんの父敏太郎さんが開設。診療所の名前は地元の芋坂、時之島の2集落から一字ずつ取った。

 建物は2階建てで1階が車庫、2階に診察室や待合室があった。幹夫さんは藤巻医院を営みながら毎週水曜午後に芋時診療所に足を運んだ。

 昨春、診療所前の県道拡幅計画が持ち上がった。地元からは移転の要望もあったが、幹夫さんが高齢で患者数も減少しているため閉院を決めた。

 芋時診療所には、主に高血圧や糖尿病など内科の慢性疾患の患者が通院。3月の診察最終日も待合室が約10人の患者で埋まった。

 また、幹夫さんは長年、自宅療養する高齢者の往診にも力を尽くした。診療所近くに住む女性(71)は「往診のおかげで養父母を自宅でみとることができた。地元にとっては、なくてはならない診療所だった」と感謝する。

 藤巻医院は幹夫さんの次男の克久さん(48)が後を継ぎ、幹夫さんも診察や往診を担っている。

 幹夫さんは「地元の人に不便を掛け、申し訳なく思っている。若いときのように体は動かなくなったが、元気なうちは診察を続けたい」と話した。

【地域】



https://www.m3.com/news/iryoishin/416882
シリーズ: 降圧剤論文問題と研究不正
「KHSの成功はディオバン有利の結果」元府立医大教授
ノバ社・府立医大論文改ざん事件、第20回公判

2016年4月15日 (金) 高橋直純(m3.com編集部)

 4月14日に東京地裁(辻川靖夫裁判長)で開かれた、ノバルティスファーマ社の降圧剤を巡る京都府立医科大学での医師主導臨床試験の論文データ改ざん事件で薬事法(現医薬品医療機器法)違反(虚偽広告)に問われた元社員白橋伸雄被告とノバ社に対する第20回公判。KHS(Kyoto HEART Study)の主任研究者を務めた元京都府立医科大学教授の松原弘明氏はKHSの成功はディオバン有利の結果と考えていたと説明した。

 弁護側は「KHSにおける成功とは、ディオバンに有利な結果を出すことか」と質問。松原氏は「はい、そうです。もちろんそうです」と回答した。KHS参加医師らが松原氏の思いをくんでバルサルタンに有利な結果を出そうとしたのでは、と尋ねられると「アンチ松原は4割ぐらいいたので分からない」と述べた。参加医師への金銭などの提供状況については「1件登録することで2000円か3000円。開始時に登録作業にパソコンが必要な病院に提供した」とし、登録数が多い病院へ人事上の優遇をすることはなかったと説明した。

 人事上の厚遇を得るために虚偽の報告をしたと証言している医師(『KHS参加医師、「人事のため、医師として最低の行為した」』を参照)に対しては「懇親会でお礼を述べたことはあっても、表彰した記憶はない」と述べた。

 先行研究であるJikei Heart Study(JHS)については、松原氏も「ここまでディオバン(バルサルタン)が効くのだろうかと疑問が付いた」とし、JHSの主任研究者だった東京慈恵会医科大学の望月正武教授(2007年に退職)に対し、「狭心症では差があるのに、心筋梗塞で差がないのはなぜですか」と質問したことがあったという。望月氏からは「狭心症のうちに治療をするので、心筋梗塞に行かなかったんだと思う」という回答だった。また、JHSについて「一般の臨床医にバルサルタンを入れておけば効くとことを普及させた」と述べた。

 本裁判の対象となるKHSの結果をサブ解析したCCB(カルシウム拮抗薬)論文では、CCB投与群、バルサルタン投与群を掛け合わせた4群の比較を行っている。松原氏は、当時はバルサルタンなどのARB よりCCBの方が広く使われており、CCBにARBを追加投与した方が良いということは「どのレベルの医師でもやっていた当たり前のこと。私が知りたかったのは、ARBを使っている患者に、ARBを増量していくのが良いのか、CCBを追加投与していくことがいいのか」だったと説明。

 結果的にバルサルタンへのCCBの追加投与では思うような結果が出ず、CCBへのバルサルタンの追加投与の有無で論文を作成。松原氏は「ポジティブデータの寄せ集めだが、分かっていることを再確認した論文になった」と説明した。ノバ社のエックスフォージ(ディオバンと、CCBのアムロジピンの配合剤)のプロモーションに使いたいという同社の意向については「10%ぐらい(念頭に)あった」としている。

 KHSの各論文への疑義が呈されるようになった2012年ごろには、ノバ社の社員である白橋被告が統計処理を主導したことが利益相反の点から問題になると危惧し、男性医師A自身が解析を行ったとする虚偽説明の対応案を作成した。男性医師Aは「嫌で嫌でしかなかったが、絶対服従の教授命令や尊敬する白橋先生の指示なので行った」と証言しているが、松原氏は「当時の状況は、本当に覚えていない」として、自身の指示の有無については説明しなかった。

 また、裁判官は「(京都府立医大の調査結果が発表された直後の)2013年4月13日に松原氏から男性医師A宛てに携帯電話のショートメールで『白橋さんは不正をしたと自白しましたか』と送っているが、不正とはどういう意味か」と質問。松原氏は「データの改ざん」とし、大学の調査の過程では、白橋被告への疑いを持っていたことを証言した。

 これまでの公判で男性医師Aは白橋被告が改ざんしたと思うようになったのは2014年に行われた検察官の取り調べの中でエクセルデータを見せられた時だとし、大学の調査報告については「白橋氏の統計解析は揺るぎないと信じていた。大学の調査は全てのデータがなく、第三者機関も間違っているのでは、と心配していた」。松原氏も2013年2月末の大学退職時にはデータ改ざんを疑っていなかったと証言している。

 弁護側は、松原氏の担当患者の登録状況をカルテを基に確認。KHSでは参加医師に幅広くイベント登録するよう呼びかけていたが、松原氏は「エンドポイント委員会の判定基準を知っており、広く登録することはなかった」と説明。また、実際の登録作業は男性医師Aや、男性医師Aが依頼した医局秘書が行っており、実際のやり方は把握していないと述べた。

 4回に渡った松原氏への尋問はこの日で終了した。



https://www.m3.com/news/general/416949
浜松医科大「卒後教育センター」設置へ 新専門医制度に対応
2016年4月15日 (金) 静岡新聞

 浜松医科大(浜松市東区)は本年度、付属病院に初期臨床研修や専門研修などの管理を一体的に担う「卒後教育センター」を設置する。来年度からの新専門医制度に合わせた取り組み。新たに総合診療医(家庭医)の専門医認定が始まるため、在学中の実習から卒後研修まで関与する「総合診療教育研究センター」も新設し、地域連携を図る。報道機関との懇親会で14日、今野弘之学長が明らかにした。

 卒後教育センターは、現在、臨床研修センターが担っている卒後2年までの初期研修と、専門研修を担当する2部門の構成。同大に関連した研修医や専攻医のキャリアパスを両部門が連携して支援する。

 新専門医制度では、これまで外科や内科など18領域の各学会が独自に行っていた専門医認定を第三者機関「日本専門医機構」が実施する。この制度変更に対応するため、同センターは各診療科にまたがる同大の専攻医を一元的に管理し、専門研修の基幹施設として連携病院や学内診療科との調整、研修先の状況把握に当たり、講習会などを開催する。

 今野学長は「二つのセンターが有機的に連携して新制度に対応していきたい」と話した。

  1. 2016/04/16(土) 10:09:06|
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