Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月12日 

http://blogos.com/article/171504/
医者はいない、病院は遠い、救急車は来ない……ベッドタウンで病院不足が深刻化
医療ジャーナリスト 福島安紀=文
PRESIDENT Online2016年04月12日 16:00 / BLOGOS

今後、病院不足が最も深刻になるのは、高度経済成長期に新たに開発された大都市近郊のベッドタウンだ。多くのベッドタウンでは、これまでは住民が若かったため病院や介護施設があまり整備されてこなかった。しかし、75歳以上の高齢者の割合が増える2030年には、救急車のたらい回し、外来の待ち時間延長、手術や入院の待ち期間が長くなるといった事態に陥る恐れがある。しかも、人口が減り都市部の住居が余り始めているので、アクセスの悪い団地などに若い世代が移り住む機会は減っている。老朽化した団地の中には、空き家が目立ち、住民は高齢者ばかりになっているところもすでに出始めている。

「人口推計と医療資源、介護施設ベッド数を合わせてシミュレーションしてみると、特に大変なことになりそうなのが埼玉県中部から東部にかけて、千葉県の西部、東京の多摩地区、川崎と横浜の北部から神奈川県央にかけて。それから、愛知県の西三河北部医療圏(豊田市、みよし市)、西三河南部東医療圏(岡崎市、幸田町)・西医療圏(碧南市、刈谷市など)、東三河南部医療圏(豊橋市、豊川市など)です。これらの地域では、心筋梗塞や脳卒中を起こして救急車を呼んでも、受け入れ病院がなかなか見つからず手遅れになる危険性もあります」と国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野の高橋泰教授。

埼玉県は人口10万人対医師数、10万人対病床数とも全国ワースト1の少なさだ。約720万人の人口は30年には40万人減るが、10年には20%だった高齢化率が30年には30%になると予測される。75歳以上の人口の増え方は急激で、10年の2.1倍の124万人。もともと病院の少ないところに、65万人も75歳以上の人が増えるわけで、急性期病院まで高齢者で満員という状況になれば現役世代の治療も滞りかねない。
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一例として、東京都に隣接する埼玉県朝霞市の入院患者数の変化を推計したのが上の表だ。肺炎などの呼吸器系の病気、脳卒中が最も増えるのは台東区と同じだが、その伸びは急激で、30年には10年に比べて肺炎が82%増、脳卒中が74%増になると推計される。心筋梗塞など心臓病も61%増加する見通しだ。

「高齢者の肺炎を急性期病院の救急部門で一手に引き受けて治療することは今後難しく、在宅、高齢者介護施設などでも肺炎治療ができるようにしていく必要があります。不便な団地から、在宅ケアが整っている地域に移り住むという選択肢もあるかもしれません」と産業医科大学公衆衛生学教室の松田晋哉教授は話す。

ベッドタウンの中で、埼玉県和光市、千葉県の柏市、船橋市などは、早くから在宅ケア対策を進めている。ただ、急性期医療は不足しているので、その受け皿をどうするかが課題だ。

出所:「二次医療圏データベース」「AJAPAシステム」(入院患者数)



http://japanese.engadget.com/2016/04/12/4-14-vr-vr/
4月14日に医学生向け外科手術VRライブストリーミング実施。
医療訓練機器メーカー、VR手術訓練機器開発に向けた試み

By Munenori Taniguchi
2016年04月12日 13時30分 Engadget 日本版

医療訓練用品メーカーのMedical Realitiesが、4月14日に VR 映像での外科手術ライブストリーミングを実施すると発表しました。Medical Realities いわくこれは世界初の試みで、医学生向けではあるものの一般でも視聴可能です。

視聴に必要なものはGoogle Cardboard などの VR ゴーグルと、iOS 、Android用の視聴用アプリ「VRinOR」のみ。手術内容は70代男性の一般的な腫瘍摘出術で、万が一の場合に備え映像は1分間の緩衝用ラグをもってストリーミングされます。

世界初の試みとはいえ、実際のところこのような VR の応用方法は早くから提案されていたことでもあり、いまさら驚くべきものではないかもしれません。それでも、将来の医療を担う若い医学生たちにとっては現場に入らずとも熟練の医師の手腕やその場の人々の動きを観察する非常に良い経験となるはずです。

Medical Realities の創業者で、この手術の執刀医 Shafi Ahmed 氏はガジェット好きな一面もあり、オフィス出口には流行の"ホバーボード(2輪タイプ)"も置いています。また2013年には Google Glass を使用して本人視点の肝癌摘出術映像をライブ中継したこともあります。このときは世界113カ国、1万3000人の医学生がその模様を視聴しました。

Ahmed 氏はいずれ VR 映像に合わせて触覚レスポンスを返すグローブを使った「 VR 手術シミュレーション機器」を開発したいと考えているとのこと。手術のVRライブストリーミングは、その第一歩だとしています。

VR ライブストリーミングの開始日時は4月14日13時から。日本時間では4月14日22時からの予定です。

下は VR 対応の手術訓練映像。訓練とはいえグロテスクな部分もありますので苦手な方は視聴をお控えください。
https://youtu.be/VAUbacNs4MQ



http://news.livedoor.com/article/detail/11404090/
医師50人中46人が「袖の下」を受け取った過去認める
2016年4月12日 10時59分 Livedoor News

11日放送の「ズバッと!TV」で、ガンに詳しい名医50人が出演した
「袖の下」を受け取った過去があるかという質問に、46人が「YES」と回答
借金をしてまで「袖の下」を持ってくる人もいることを明かした
TBS番組で名医92%が「袖の下」を認める「カステラ感覚なら受け取る」

2016年4月12日 10時59分 トピックニュース

11日放送の「直撃!コロシアム!!ズバッと!TV」(TBS系)で、医師50人中46人が「袖の下」を受け取った過去を認めた。

番組では、ガンに詳しい「名医」50人がスタジオに登場し、司会の辛坊治郎アナウンサーらとトークを展開した。

その中で、「患者から袖の下をもらったことがある」との質問には、50人中46人が「YES」と答えたのだ。医療ジャーナリストで内科婦人科医の森田豊氏は「YES」と回答し、大学病院の教授であれば、手術費以外に20万から100万円の「袖の下」を貰うことがあると話す。

続けて、としま昭和病院の神田橋宏治氏は、「言っておかないといけない」と前置きした上で、「(患者は)お金1円も出さなくても本当にいいですから」と弁明する。神田橋氏によると、借金をしてまで「袖の下」を持ってくる人もいるのだという。

しかし、辛坊アナが「ケースによったら受け取ることもある?」と追及すると、神田橋氏は「カステラを持ってくるのと同じ感覚のものは受け取る」と告白したのだ。金額については、「10万円は微妙だし、お金持ちの人だったら10万…うーん」と言葉を濁した。

江戸川病院の浜幸寛氏は、後ろめたい気持ちもあり「昔は頑なに断っていた」んだとか。しかし、浜氏は「最近は、頂けるものはいただくと、無理に拒否はしないようにしてます」と優しい口調で明かした。

浜氏の語りに、司会の南海キャンディーズ・山里亮太は「トーンがやさしいから、すごくいいことを言ってるような気がする」とツッコミを入れ、辛坊アナも「結構キワキワのことを言っている」と指摘して笑いを誘った。



http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/11/tuberculosis-shibuya-police-station_n_9666746.html
結核に署員19人が集団感染 警視庁渋谷署で何が起こった?
吉川慧
The Huffington Post 投稿日: 2016年04月12日 11時34分 JST 更新: 2016年04月12日 12時06分 JST

警視庁渋谷警察署の署員19人が、2015年末から2016年にかけて結核に集団感染していたことが分かった。2015年2月に詐欺容疑で留置した60代の男が肺結核で死亡しており、この男から感染が広がった可能性があるという。毎日新聞などが報じた。
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渋谷署では2015年12月、留置場を担当していた署員が結核に感染して発症。他の署員も調べたところ、さらに18人が結核に感染していたことが分かった。その大半は、留置場などで死亡した男を担当した署員だった。19人のうち6人が発症、3人が入院していた。すでに退院し、現在は自宅療養中だという。

また、死亡した男の解剖を担当した東京都内の大学病院の医師ら7人の感染も判明した。スポニチは関係者の話として、大学病院側は解剖時点での死因を「肺炎の疑い」としていたが、その後「死因は肺結核」という報告書が2015年6月30日付で警視庁本部に送られたと伝えた。一方で、渋谷署が死亡した男の解剖結果を把握したのは、2015年8月だったと時事通信ニュースは報じた。

結核は感染症法により、診断した医師がただちに最寄りの保健所に届け出る義務があるが、大学病院側は今年1月まで届けていなかった。保健所への届け出が遅れたことについて、大学病院側は「死因・身元調査法では警察から関係機関に届け出るとされており、こちらから積極的に届け出なかった」と説明している。

NHKニュースは、渋谷署の小林仁副署長のコメントとして「男性が肺結核で亡くなったと分かった時点で、署員に検査を受けさせるべきだった。結核に対する認識が不足していた」と伝えた。今のところ一般の人への感染は確認されておらず、渋谷署は署員およそ80人に検査を受けさせて、感染の有無や感染経路などを詳しく調べている。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201604/CK2016041202000175.html
【茨城】
内外科など診療科目決定 筑西・桜川の病院再編統合

2016年4月12日 東京新聞

 筑西市と桜川市の三病院の再編統合で、新たに整備する新中核病院と桜川市立病院(仮称)の診療科目が十一日決まった。
 筑西市が整備する新中核病院は、内外科や小児科など九科。救急医療に対応するため、救急科も設置する。桜川市立病院は内外科や整形外科など五科。筑西市民病院と県西総合病院(桜川市)の常勤医師が担当する診療科目を中心に据えた。新中核病院は外来、入院に対応し、桜川市立病院は外来が中心となる。
 病床数は、新中核病院が計画通り一般病床二百五十床。百二十床程度を見込んでいた桜川市立病院は一般病床八十床、療養病床四十八床の計百二十八床になった。診療科目は当初、三月までに決める予定だったが、地元医師会が難色を示したため、筑西市民病院、県西総合病院、山王病院(桜川市)の院長らが調整していた。 (原田拓哉)



http://mainichi.jp/articles/20160413/k00/00m/040/084000c
甲状腺がん
「手術の実態解明を」…福島・家族会が要請

毎日新聞2016年4月12日 21時33分(最終更新 4月12日 21時33分)

 東京電力福島第1原発事故後に福島県が実施している県民健康調査で、甲状腺がんと診断された患者ら9家族でつくる「311甲状腺がん家族の会」は12日、患者に実施された手術の実態解明を求める要請書を、健康調査検討委員会の星北斗座長(同県医師会副会長)に提出したことを明らかにした。

 健康調査では昨年末までに、事故当時18歳以下だった166人が甲状腺がんやその疑いと診断され、同3月末までに97人が手術を受けている。だが、検討委は先月公表した中間まとめで「将来的に診断されたり、死に結びついたりすることがないがん」を多数診断している可能性があると指摘している。

 要請書は「中間まとめに従えば、不要な手術により(甲状腺を)摘出された可能性がある。大変なショックと不安を抱えている」と指摘。本来不要な手術は何例あったのかの説明▽医療過誤に詳しい専門家を含む第三者機関の設置−−などを求めている。家族の会は先月発足した。検討委に実態解明を求めるのは初めて。【千葉紀和】



https://www.m3.com/news/general/415858?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160412&dcf_doctor=true&mc.l=152460058&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
疑義照会関連が20%突破 - 薬局ヒヤリ・ハット下半期 日本医療機能評価機構
2016年4月12日 (火) 薬事日報

 日本医療機能評価機構は、2015年7~12月までの薬局ヒヤリ・ハット事例をまとめた集計報告を公表した。報告件数は2450件で、特に疑義照会関連が前回の15.6%から20.9%に増加して2割を突破するなど、薬剤師が水際で事故を防いでいる事例が着実に増えていることがうかがえた。

 昨年下半期に報告されたヒヤリ・ハット事例は、調剤関連が1934件(78.9%)と減少した一方、疑義照会関連が511件(20.9%)と増加した。特に疑義照会関連のヒヤリ・ハット事例は、前回の405件から100件以上も増加しており、その大半は医療機関での処方の誤りを薬局で発見した事例だった。

 疑義があると判断した理由については、「処方箋と薬局で管理している情報で判断」(46.0%)が最も多く、仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響については、患者に健康被害があったと推測される事例が64.8%に上った。具体的な事例として、禁忌である薬剤の併用処方等が報告されている。

 一方、調剤関連のヒヤリ・ハットの内訳を見ると、「数量間違い」が562件で最も多く、次いで「薬剤取違え」が395件、「規格・剤形間違い」が293件と続いた。



https://www.m3.com/news/iryoishin/409065?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160412&dcf_doctor=true&mc.l=152460059&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 中央社会保険医療協議会
長期投薬、「ルール変更でなく考え方の整理」- 宮嵜雅則・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.7
医師と薬剤師の連携で適切な服薬管理を

2016年4月12日 (火) 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――次に調剤報酬についてお聞きします。かかりつけ薬剤師が評価される一方、大型門前薬局の報酬にはメスが入るなど、大幅な見直しが行われました(『「医師と薬剤師」間の情報提供、疑義照会増加』を参照)。

宮嵜課長は、「従来から服薬管理を的確に行っていた場合、何も変わることはない」と説明。
 中医協はもちろん、中医協以外でも政府の経済財政諮問会議や規制改革会議などで、「医薬分業を抜本的に見直し、患者さん本位の医薬分業にすべき」という議論が出ており、それを受けて見直させていただきました。

 これまでは、病院や診療所の中で行っていた薬の調剤を「外に出す」ということで、調剤報酬や処方せん料を評価し、医薬分業を進めてきました。今の院外処方せん発行率は約70%であり、調剤を「外に出す」という意味では成功したと思います。

 ただ、薬局が処方せんを集めて調剤ばかりをやっていたのではダメで、患者さんの服薬状況を一元的かつ継続的に管理して、飲み合わせなどをチェックして指導までやっていただかないと、本来の医薬分業とは言えません。服薬管理・指導などを行う、かかりつけ薬剤師を評価する一方、特定の医療機関から処方せんを集めて調剤ばかりやっている薬局の評価は低くするという考え方で改定を行いました。

――かかりつけ薬剤師包括管理料では、医療機関側が地域包括診療料・加算、認知症地域包括診療料・加算を算定している患者さんが対象になります。医療機関と薬局が今まで以上に連携することが求められます。

 医師には医師の立場で、薬剤師には薬の専門家として、両者がしっかり連携して、一人の患者さんを診ていく方向を目指しています。(2015年10月に厚労省が公表した)「患者のための薬局ビジョン」を基に進められた取り組みを、診療報酬で評価していくのが一番いいと思います。

――薬関連では、残薬、重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬の是正が進められました(『「内服薬2種類以上、減少」で250点』を参照)。現状に対する問題意識をお聞きしたいのですが、例えば長期投薬は、大病院の外来負担を軽減するため、認めるようになった経緯があります。

 「長期投薬を見直した」というより、「今までの考え方を整理して通知を出した」という理解の方が正しいと思います。確かに、医師の負担を軽減するため、病状が安定している患者さんが頻繁に通院しなくて済むよう、長期投薬を認めた経緯があります。しかし、「本当にしっかり服薬管理をしているのか」「管理されていないから、残薬の問題が出てくるのではないか」といった指摘がありました。

 長期投薬については、「きちんと服薬管理できるなら、今まで通りの処方でいいけれども、できないのであれば、自院の外来に月1回受診するように促したり、それが難しいのであれば、地域の医師に紹介して診てもらう。あるいは分割調剤が可能な処方せんを発行して、薬局で管理してもらう」ことを、通知に整理しました。

 それとは別に、残薬や多剤投薬が問題となっていたので、入院、外来、調剤についても、医師や薬剤師が取り組んで投薬数を減らしたりした場合の評価を、今改定ではかなり対応しました(『「減薬に成功」で新点数、入院・外来ともに評価』を参照)。

――長期投薬を禁止したわけではない。「30日超」の処方をしていた場合でも、服薬管理などを適切にやっていた医療機関ではそれを見直す必要はない。

 ルールを変えたわけではありません。「長期投薬におけるコンセンサス」と思っていたことを、実践できていない場合を想定して、通知で明示しただけです。従来から、きちんと服薬管理などをしていた場合には何も変わらないと思います。



https://www.m3.com/news/general/415708
消費増税「延期を」59% 延期なら社会保障「不安」64% 朝日新聞社世論調査
2016年4月12日 (火) 朝日新聞

 朝日新聞社が9、10日に実施した全国世論調査(電話)によると、来年4月に予定されている消費税10%への引き上げについて、「延期すべきだ」59%が「延期すべきではない」32%を上回った。一方で、引き上げ延期で社会保障に悪い影響が出る不安についても尋ねたところ、「大いに」「ある程度」を合わせた「感じる」が64%と半数を超えた。▼4面=質問と回答

 内閣支持、不支持や支持政党別で「延期すべきだ」と答えた人をみると、内閣支持層(54%)、内閣不支持層(69%)、自民支持層(52%)、民進支持層(70%)、無党派層(61%)となり、いずれも半数を超えた。内閣の支持率は45%(前回3月調査44%)で、不支持率は34%(同35%)と、いずれもほぼ横ばいだった。

 安倍内閣の経済政策をどの程度評価するかについての質問では、「大いに」「ある程度」を合わせた「評価する」は51%。「あまり」「まったく」を合わせた「評価しない」は46%と、見方が割れた。また、「評価する」と答えた人の71%が内閣を「支持する」と答え、「評価しない」と答えた人の62%が内閣を「支持しない」と答えた。

 安全保障関連法の賛否を尋ねると、「賛成」35%、「反対」46%。今夏の参院選で投票先を決めるとき、安保法を判断材料として重視するかについても尋ねたところ、「重視する」54%が「重視しない」32%より多かった。



https://www.m3.com/news/general/415897?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160412&dcf_doctor=true&mc.l=152460191&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
慶大病院から県病へ医師赴任 青森県の定着支援事業で一人目
2016年4月12日 (火) 東奥日報

 地域医療を志す若手医師を、県職員として採用し、県立中央病院(青森市)や地域の医療機関で働いてもらう県の事業(若手・UIJターン医師県内定着支援事業)の1人目として相馬俊介医師(33)が4月、慶応大病院(東京)から県病へ赴任した。中学まで本県で暮らし、札幌の医大卒業後、北海道や東京で臨床経験を積みながら、常に本県の医療に貢献したいと望んでいた。「患者さんの暮らし、人生に寄り添える医師になりたい」。故郷への思いは強い。

 相馬医師は浪岡町(現・青森市)生まれ。親の仕事の関係で、三沢、青森、弘前と中学まで県内で暮らした。函館ラ・サール高校に進んだ後、医師を目指して札幌医科大に進学した。「高校時代、身内をがんで亡くし、人の死や医療について考えるようになった」

 日鋼記念病院(北海道室蘭市)で初期研修を受け、6年前から慶応大病院で勤務し内科や血液内科で、白血病、悪性リンパ腫の患者と向き合った。「医療の難しさを感じた。最大限、手を尽くしても亡くなってしまった患者さんのことは今も忘れられない」

 日々の忙しさの中で頭のどこかに青森のことがあった。がん死亡率ワースト、医師不足、全国一の短命…本県の良くない情報が耳に入るたびに「故郷で働きたい」との思いが強まった。

 昨年秋、県医療薬務課に電話した。「青森県内で働ける医療機関を紹介してください」―。2016年度、県の新事業がスタートしたこともあり、その第1号となった。4月から県病総合診療部に所属している。

 県の事業は、若い医師らが県病と地域の医療機関で県職員として勤務し、先端医療と地域医療を学ぶものだ。「患者さんを送る地域の医療機関と、受ける大病院側、両方の立場が分かるので勉強になる。視野が広がる」(相馬医師)

 来年以降、相馬医師は、地域の病院へ赴任することになるが「勤務地はこだわらない。医師が足りないところに行きたい」と、落ち着いた口調で話す。「自分の力量はまだまだだが、患者さんの暮らし、生活、人生をトータルで考えた医療を届けたい。人は、時の流れとともに老いて死んでいく。患者さんがその人らしく生きられるようにお手伝いしたい」



https://www.m3.com/news/general/415835?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160412&dcf_doctor=true&mc.l=152460064&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
国公私立の枠超え大学再編 秋にも中教審諮問、文科省 18歳減、私大経営厳しく
2016年4月12日 (火) 共同通信社

 文部科学省が、国公私立の枠組みを超えての統合を視野に入れた大学再編を検討していることが11日、同省関係者への取材で分かった。秋にも再編の在り方を中教審に諮問する。

 大学進学率が頭打ちの中、今後18歳人口の急速な減少が見込まれ、主に地方で定員割れが続く私立大の経営は一層厳しくなる見通し。一方で地方創生を担う人材育成も求められており、文科省は、私立だけでなく国公立も巻き込んだ再編で、地方大学の教育力や財務基盤を強化したい考えだ。

 主に教員養成系の国立大と地方の私立大の扱いが焦点になるとみられる。厳しい国の財政事情で、国立大の運営費交付金や私立大への補助金は減少傾向にあり、再編で大学を減らして支出を抑え、傾斜配分を進める狙いもありそうだ。

 これまで国立同士、私立同士といった統合や、私立大が公立大に変わったケースはあるが、国公私立の枠組みを超えた統合はない。文科省は諮問後、論点や法的な課題の整理のため、中教審に大学や地方自治体の関係者らでつくる特別部会を置く方向で検討する。

 文科省の学校基本調査によると、2015年度の大学数は国立86校、公立89校、私立604校の計779校。国立大は04年度の法人化に合わせ、各地で総合大と医科大などとの統合が進んだ。

 私立大は設置規制の緩和や短大からの改組などで増え続け、12年度に600校を突破し、大学生の約7割が在籍。一方で、日本私立学校振興・共済事業団によると、15年度に定員割れしたのは、地方を中心に250校に上り、全体の40%以上を占める。

 文科省によると、四年制大学への進学率は約50%。ここ数年120万人前後だった18歳人口は、18年度以降減少し、31年度には100万人を下回ると予測されている。

 ※大学の統合
 文部科学省によると、国公私立の枠を超えて大学が統合した例はない。国立同士ではこれまでに、佐賀大と佐賀医科大、大阪大と大阪外国語大などが統合。県境を越えての統合を検討した大学もあったが、実現には至らなかった。公立同士では神戸商科大、姫路工業大、兵庫県立看護大の3校が統合して兵庫県立大になったほか、私立同士では、上智大が聖母大を吸収合併したケースなどがある。統合とは別に、高知工科大や山口東京理科大のように私立から公立に移行した事例もある。



http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030200012/041100006/?rt=nocnt
医論・異論 from 日経メディカル
医師3484人に聞く「遠隔診療どう思いますか?」
自ら行う気はないが患者の利便性には期待

加藤勇治
日経メディカル  2016年4月13日(水)

 遠隔診療はへき地、離島に住む住民向けのサービスが中心だったが、2015年8月に厚生労働省から出された事務連絡通知「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」を受けて、最近、様々な企業が遠隔診療をサポートするサービスを始めた(関連記事)。

 この通知は、遠隔診療が認められる要件を改めて周知するために出されたもので、「離島、へき地の患者」はあくまで例示であり、「患者側の利点を十分勘案した上で、直接の対面診療と適切に組み合わせて行われるとき」は「直接の対面診療を行った上で、遠隔診療を行わなければならないものではない」と記している。これを、事実上の遠隔診療解禁と受け取った企業や医療機関が遠隔診療に参入し始めたというのが現状と言える。

 日経メディカル Onlineの医師会員に遠隔診療への関わり方と考えについて調査を実施。3484人から回答を得た。

 まず「住民向けの遠隔診療に関わっているか」を聞くと、多かったのは「所属医療機関の方針に従う」(26.6%)、「全国的な動向を見たい」(25.3%)、「遠隔診療サービスを行うつもりはない」(23.6%)。一方、「都市部の住民向けに既に遠隔診療を行っている」(1.5%)、「遠隔診療サービスを開始すべく、現在、準備を進めている」(1.9%)、「興味があるので自ら調べたり、サービス提供会社に問い合わせしている」(3.1%)と遠隔診療サービスを提供、もしくは提供に前向きという回答は少ない。総じてまだ様子見と言えるだろう。

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図1 住民向け遠隔診療に関わっているか(選択肢から択一回答)
[画像のクリックで拡大表示]

 次に、「遠隔診療による診察について、どう考えるかを聞くと、「患者の利便性が向上するため、推進するべき」(28.6%)という回答が最も多かった。しかし、「診察の基本は『見て聞いて触れて』だと思うので、反対である」(19.2%)、「操作性やセキュリティの面から不安である/使いたくない」(17.1%)を合わせると、積極的な反対もしくは不安に基づく反対が3分の1を占めた。「患者は高齢者が多く、遠隔診療による診察はなじまない」と回答したのは13.1%。患者側の情報機器に対する習熟度を懸念する声はそれほど多くないのはパソコンやスマホの普及の反映と言えそうだ。

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図2 遠隔診療についてどう思うか(選択肢から択一回答)
[画像のクリックで拡大表示]

 なお、「遠隔診療サービスを行うつもりはない」822人の中でも、14%に相当する115人は遠隔診療について「患者の利便性が向上するため、推進するべき」、4%に相当する34人は「施設運営にとってメリットが期待できるため、推進するべき」と回答しており、自らは手がけないものの、遠隔診療サービスが普及することに対して賛意を示す声もあった。

 また、「遠隔診療サービスを行うつもりはない」と回答した医師のうち、30歳代は13.5%、40歳代26%、50歳代40%だったのに対し、「既に遠隔診療を行っていたり開始すべく準備中」、「興味があるので調べたりしている」医師では30歳代17%、40歳代35%、50歳代35%。30歳から50歳代までの間で年代による差はほとんどなかった。診療と利便性に対する考え方が賛否を分けていると言えそうだ。

● 遠隔診療サービスに賛成
* 高齢者など、機材の操作に不安があったり、病状に問題がある例は、直接診療とし、働き盛りで、受診が難しいために、治療を放置しているような例には、積極的に利用すべきで、要は、患者の利便性と選択の幅が広まることは良い事だと思われる。ただ、良い事でも、悪く利用されないように一定の歯止めは必要。(50代、開業医、一般外科)
* 専門家にコンサルトしやすくなれば、当番医の負担も減ると思う。(30代、勤務医、一般外科)
* 特に心電図やCTの読影に関してサポートが欲しいです。(30代、診療所勤務医、一般内科)
* 将来の医者の仕事は、自宅でできるようになると思う。(50代、勤務医、一般内科)
* 特に高齢者では交通機関を乗り継ぎ何時間もかけて医療機関を受診することは大変なこと。必要度の高い地域は推進すべき。(50代、勤務医、循環器内科)
* 小児在宅患者は比較的遠方から基幹病院に受診することが多いので、遠隔診療(テレビ電話など)を利用できれば特に救急の受診や入院を減らすことができるのではないかと思います。(30代、勤務医、小児科)
* 遠隔診療ではないが,他院への救急患者紹介の際に,セキュリティーの確立された状態での患者情報のやりとりが行えると良いと考えている。(40代、勤務医、神経内科)
* 精神科では、家族が患者を連れて来るのでも一苦労だし待ち時間のストレスで悪化してしまうケースもある。格好や臭いも大事だが、それよりも会話で病状がある程度推測できる。メリットとデメリットを考えると遠隔医療が勧められるべきだと思われる。(20代、勤務医、精神科)
* 現在、マンモグラフィ検診に遠隔画像診断を運用しております。マンモグラフィ検診の精度管理の上でも、利便性は非常に高いと考えます。ほかに、検診での眼底写真の読影などへの導入も、将来予定しております。(40代、診療所勤務医、総合診療科)
* 専門医不在の地域では、総合医の診察の下での、専門医による遠隔診療は有用と考える。(30代、診療所勤務医、総合診療科)
* 否定的な意見を述べる人は、ITに疎いだけ。当院ではどんどん取り入れ、集患におおいに役立っているし、診療水準もあがっている。(40代、開業医、代謝・内分泌内科)

● 遠隔診療サービスに反対
* 遠隔診療において見落とした場合の扱いが不明瞭であり、昨今の医療バッシングが継続する中で、こんな危ない橋を渡る方々の気が知れません。やりたい方が各々リスクを取って行えばよいと突き放しています。(30代、勤務医、循環器内科)
* 適応は限定的だと思います。(50代、勤務医、リハビリテーション科)
* 僻地診療する医師をどんどん減らそうとしている企みに違いないと思う。(40代、勤務医、一般外科)
* システム構築に金がかかる。病診連携という理想はあるが、現実そううまくはいかず維持費ばかりかかり、一部利点はあるものの結局企業がシステムメンテ名目で、坊主丸儲けという哀しい現実になるだろう。(50代、勤務医、一般内科)
* 診療はface to face。しゃべりかた、顔の色、眼の色、舌の感じ、腹部の触診など、対面して五感で感じることが基本である。それなしで可能という発想をする人間に医療にタッチしてほしくない。(50代、診療所勤務医、一般内科)
* それでも、診るだけマシかもしれない。土日祝日の真夜中2時、3時の急患には対応できないでしょう。(50代、勤務医、一般内科)
* ネットを介したインタビューとわずかなバイタルサイン程度の情報で診断、治療するようなことを、もはや診療とは呼ばない。占い師か、手相屋の商売と同じ次元。(50代、診療所勤務医、一般内科)
* 遠隔で診療するより、患者の移動がしやすいようにしたほうが、診療レベルが確保でき、設備投資の効率がよい。(50代、勤務医、眼科)
* 本当に診療請求できるのか、払わないこともあり得るのではないか。(50代、診療所勤務医、形成外科)
* 小児科では保護者からの情報と患児の診察の2本立てで診療が成立している。遠隔診療ではその基本が守れない。(50代、勤務医、小児科)
* なぜ遠隔操作だけで診断できるのか?漢方を使う側からみると、脈の性状や腹診なしで処方は無理。消化器の立場からしても、お腹を触ったり聴診なしで腹部の評価なんてできっこない。(50代、開業医、消化器内科)
* 高齢者は、会話することが診療の大部分なので、意味がないと思う(40代、勤務医、心臓血管外科)
* 医師の偏在や地域医療を考えるといいとはおもうのですが、直接診察する意義の一つに「致命的な疾患を見逃さない」があるのでやはり不安です。(30代、勤務医、総合診療科)
* 今の日本には、リスクしかない。訴訟になるくらいなら、関わりたくない。(40代、診療所勤務医、泌尿器科)
* 皮膚科医ですが 皮疹を触診しないでの診療はありえないと思います。(50代、開業医、皮膚科)
* 大学病院時代に実験的な遠隔診療をやっていたが,自分の専門科では診断が一部の疾患以外は難しく,医師同士のカンファランスでは有用だったものの,患者ー医師では満足するレベルには至らなかった。(50代、勤務医、皮膚科)

● 様子見、所属施設の方針に従う
* 操作性、セキュリティに問題が無い事を条件に、推進したい。(30代、勤務医、総合診療科)
* 遠隔診療は言語と視覚の世界であり、触診など非言語の領域が抜け落ちてしまい、ものにならない。しかしある領域では、ある程度有効なのかもしれない。(40代、勤務医、呼吸器内科)
* 診断能力およびその画像検査自体が適切か否かの精度管理も必要でしょう。(50代、勤務医、放射線科)
* 救急隊からの情報は有効に活用したい。(50代、勤務医、救急科)
* 高齢者が遠距離を自力運転で来院されるのを,いつも不安に思っている。同意(家人も)が得られる患者さんから積極的に使用すべき。(50代、勤務医、循環器内科)
* 北海道は医療圏が広く、交通の便が良くないので、患者側、医療者側双方にメリットがある。例えば、以前勤務していた病院では、医療圏が四国全体と同じ面積だった。但し、遠隔医療のみだと見落としが増えるので、2回に1回は受診を義務付けるとか、見落としがあった際もある程度免責するなど、対抗処置が必要。(30代、勤務医、呼吸器内科)
* 当院は県庁所在地に立地し遠隔診療は行っていません。訪問診療を行っています。(40代、勤務医、一般内科)
* 近くにみてくれる医師がいてこその遠隔医療と思います。(50代、勤務医、一般外科)
* 過疎地も含めて国内全域に医師を配置することに国も医師会も責任を持っていない現状からすれば、遠隔診療でも一応は全域をカバーする体制を作るべきだろう。警察官・教師・医師は全国に配置するべき「公務員」なんじゃないか、と今は思うようになった。(60代、勤務医、耳鼻咽喉科)
* 基本的には実地診療だが、離島などの遠隔地の患者さんの画像や動画(エコーなど)・眼底写真・皮膚疾患を伝送して専門医のアドバイスを受け、現地で治療するか紹介するかを決めることは重要だと思います。これだけ機器が発達したのを利用しない手はないと思います。(50代、勤務医、小児科)
* 誤診したと患者が訴えた場合の責任が明確にされていない。(60代、勤務医、病理科)
* ワークライフバランスの問題が残る。(50代、勤務医、総合診療科)
* 積極的に推進していくべきだが、患者リテラシーの向上も併せて推進するべき。(50代、勤務医、消化器外科)
* 医師の多様な働き方(産休・育休など)にも貢献する制度と考えられるため、賛成。(20代、診療所勤務医、総合診療科)
* 都心の大病院では、遠隔医療の患者メリットは「待ち時間の無駄の短縮」だと思う。しかし待ち時間の解消を真剣に取り組みさえすれば、あとは、慢性疾患の処方日数を延長して、通院頻度がさがれば、患者側も医師に直接会うことの方を望むことが多いのではないか?離島や医療過疎地域とは別に考えるべき要素もあると思う。(40代、勤務医、消化器内科)

この記事は日経メディカルに2016年4月8日に掲載された記事を一部改編したものです。内容は掲載時点での情報です。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS12H3P_S6A410C1EA2000/
ビッグデータ、医療活用へ法整備 新薬開発を効率化
2016/4/12 23:57 日本経済新聞

 安倍晋三首相は12日の官民対話で、ビッグデータの活用を促すため、名前を明かさないことを条件に医療機関が持つ患者データを患者の同意なしに集められる仕組みづくりも表明した。健康診断の検査結果や手術後の経過といった情報を集め、患者の年齢や居住地によって分析。過剰な治療や検査を防ぎ、効率的な新薬の開発に役立てる。

 今の改正個人情報保護法では、医療情報を患者の同意なしに集められない。政府は来年の通常国会に関連法案を提出。法改正し国の認定機関が医療目的でデータを使う場合に限り、同意がなくても収集できるようにする。大学や医師会が運営する機関がデータを集めると想定している。

 個人に割り当てた番号で医療情報を管理する「医療番号制度」を使う。医療機関が別々に管理するデータをひも付けしやすいようにするためだ。2018年度から始める方針。当初は全国の2割に相当する2千の病院と2万の診療所からの収集を目指す。

 官民対話では、自動運転に必要な情報を盛り込んだ立体道路地図を18年までに官民でつくることも確認した。共通仕様の地図を実用化し、自動車各社が自社の車に搭載。走行データを反映して、地図をより精緻にし、自動運転の精度を高めるねらいがある。

 このほか、企業が大学・研究機関に投じる研究費を約1千億円から25年に3倍の3千億円に増やす目標を打ち出した。また小型ロボットの導入費用を20年までに2割以上削減する目標も打ち立てた。中小企業が導入しやすくし、ビッグデータや人工知能(AI)など「第4次産業革命」を波及させ、経済の生産性向上につなげる。

 日本総合研究所の野村敦子主任研究員は「イノベーションは大企業や大学に重きが置かれることが多い」としたうえで「新たな産業を中小企業や地域に波及させていく枠組みづくりが大切」と指摘する。



http://mainichi.jp/articles/20160413/ddm/002/040/077000c
がん大国白書
第1部 新薬の光と影/8 費用対効果で不利益も

毎日新聞2016年4月13日 東京朝刊

 英国には、薬が効果に見合った価格になっているかを評価する機関「英国立医療技術評価機構(NICE)」がある。昨年12月、NICEが新しいタイプの抗がん剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)を一部の肺がんに使うことについて、公的保険の対象とするかどうかの判断を示した。

 「(公的保険で使うには)高すぎる」

 このニュースを報じた海外メディアは「肺がん患者の生存期間を延長させる画期的な治療薬だが、もっとコストダウンが必要だ」という英国のがん専門家のコメントを併せて紹介した。

 既存薬と比べ、追加の効果がどの程度あり、費用がどの程度かかるか−−。NICEは、薬を安全性や有効性だけではなく費用対効果の観点から評価し、保険の対象とするかどうかを政府に提言する。国民の税金でまかなう医療費の公平性や公正性を期すためだ。

 NICEが「薬の値段」と「薬によって改善されるQOL(生活の質)」を比べ、「費用対効果が良い」と判定した薬が保険の対象になる。逆に、「高額なのに効果が不十分」と判断されれば、保険適用から外れる。医療経済に詳しい福田敬・国立保健医療科学院部長は「決められた予算を効率よく使う意味で、英国のシステムは合理性があり、国民にも受け入れられている」と説明する。

 ところが、合理性の陰で、薬を待つ患者に不利益も生じる。英国内での薬の使用が承認された後、NICEは約8カ月かけて費用対効果を評価するため、承認から保険適用までの期間が他国より長くなっている。その結果、英国の患者の薬の使い始めは、他国より遅くなりがちだ。

 また、NICEが「費用対効果が悪い」と判定した薬は保険を使えない。最近、がんを狙い撃ちにする抗がん剤「分子標的薬」がいくつも登場したが、多くは高額だったため、NICEは保険適用を認めなかった。亀井美和子・日本大薬学部教授は「患者にとって薬が使えないことは命に関わる重大な問題。がん患者団体や医師らが強く反発し、政治問題化したこともあった」と話す。

 そこで構築された救済策が、5年前に英政府が設立した「がん治療薬基金」だ。NICEが認めなかった薬を使う患者に薬剤費を給付する。ところが、亀井さんによると、基金の出費が想定以上にかさみ、設立時に2億ポンド(約310億円)だった支出が、15年度には3億4000万ポンド(約520億円)に上ると推定されるという。その結果、基金から給付を受けられる薬の数が年々減っている。

 費用対効果を評価する仕組みは、1990年代初めにオーストラリアで導入され、現在は英国など欧州各国やカナダ、韓国などが取り入れる。医薬品の価格や保険適用の公正性を確保することに加え、医療費の高騰に頭を悩ませる多くの国には、効率の悪い薬を排除して医療費を抑制しようという狙いもある。

 この「費用対効果」の考え方が、今春から日本の薬価決定にも試行的に導入されることになった。=つづく



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/inoue/201604/546510.html
2016年改定で病床再編を迫られた急性期病院の選択
2016/4/13 井上 雅博(大田記念病院)

 今年の春の診療報酬改定は、いわゆる急性期病院に決断を求めるものでした。看護配置7対1の一般病棟を維持するか、あるいは10対1の看護体制などにするかです。

 急性期病院として7対1看護体制を持っていても、救急車の受け入れ台数が少なかったり、手術などの処置を必要とする患者数が少なければ、7対1の入院基本料の要件である「重症度、医療・看護必要度25%以上」の維持が難しくなり、7対1看護体制を維持するか10対1に下げるか、厳しい決断を迫られているはずです。

 今改定では、そうした病院が10対1看護体制に円滑に移行できるよう、2年間に限って7対1病棟と10対1病棟の併存を認めました。ただ、この届け出をした場合、2017年4月以降、自院の一般病床のうち7対1の病床数を一定の割合以下にしなければならず、収益性などの面から悩ましいところです。

7対1病棟維持のための選択肢

 救急車の受け入れ件数を大きく増やそうとする急性期病院も出てくると思われますが、医療スタッフの負担もあるため、そこは慎重にすべきでしょう。また、10対1看護体制に変更した場合、看護師が過剰になるため、余剰になった看護スタッフの処遇が問題となります。

 また、7対1入院基本料には、在宅復帰率に関する要件もあります。重症患者を増やすと「重症度、医療・看護必要度」は上がりますが、在宅復帰率が下がるリスクもあり、そのバランスに留意が必要です(図1)。

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図1 7対1一般病棟の看護必要度要件と在宅復帰率要件の関係

 7対1入院基本料の要件である「重症度、医療・看護必要度25%以上」などが維持できないようであれば、やはり、一般病棟を地域包括ケア病棟あるいは回復期リハビリテーション病棟に転換するといった病床再編が必要になってきます。地域包括ケア病棟とは、急性期後のステージや、在宅患者の急性増悪などを診るための病棟です。

 7対1看護体制の急性期病院の中には、救急患者さん用にICUやHCUなどの急性期病床を持っている病院もあるかもしれませんが、これを無理に維持しようとすると、重症度の高い患者さんがICUやHCUに集中し、一般病床の重症度、医療・看護必要度を大幅に下げることになりかねません。

 重症度、医療・看護必要度の高い患者さんが常に急性期病床にいるためには、手術件数を大きく増やしたり、救急車が毎日訪れるような施設にするといった対策が必要ですが、前述のようにスタッフの負担などの問題もあり、短期間のうちに実現させるのは容易ではありません。そのため、現実的な7対1病棟の維持方法は次の2つになります。

(1)HCUやICUを維持せず、全床7対1病棟とする(高度急性期病床の削減)

(2)回復期リハビリ病棟や地域包括ケア病棟への一部転換(一般急性期病床の削減)

 いろいろな話を聞いていると、7対1病棟の維持策として、この2つ以外はあまり有効ではないことが多いようです。全病棟が10対1や13対1の看護体制でも構わないのですが、前者は平均在院日数が21日以内という制限がありますし、後者の場合、高齢者や認知症の患者さんが増えているにもかかわらず、より人数の少ない体制で運営する必要があり、看護スタッフの負担が大きくなってしまいます。

 そのために、今後特に増えると予想されるのは上記の(2)、つまり7対1看護体制を維持しつつ、一部を地域包括ケア病棟などに転換する「ケアミックス」です。当院においても、この手法でベッドコントロールを行っています。

 地域包括ケア病棟の入院期間の要件は、ある程度ゆとりを持った設定となっているため、平均在院日数を大きく短縮するために半ば強制的に転院させるような必要がなくなり、難病患者さんや在宅患者さんのレスパイト入院の受け入れをしやすくなるなどのメリットがあります。入院期間が長くなる人を急性期病棟から地域包括ケア病棟に移すことで、急性期病棟の平均在院日数を短縮させられる利点もあります。

迫られる在宅復帰機能の強化

 認知症となった後期高齢患者さんでも、症状が落ち着けば自宅に帰る時代です、それに対応するのは「チーム医療」で、リハビリセラピストや栄養士などの早期の介入が必要になります。

 地域の医療ニーズに応えるには、病院全体として、急性期病床を温存するだけではなく、在宅復帰機能を強化するために病床再編を早期に決める必要があると考えます。これにどう対応するか、院内で決めねばなりません。

 このためにはDPC病院は、DPCベンチマークソフトで自院の患者さんがどの疾患で、どのような期間に退院しているかをチェックする必要がありそうです。「当院ではDPCデータの活用は難しい……」という声もあるかもしれませんが、とにかく病院の運営にはますますデータを活用する時代になったとも言えます。

 こういったお話に興味ある方に、この場を借りて1つご案内です。今年4月16日(土)に、東京で「地域包括ケア病棟」をテーマにした勉強会を開催します。地域包括ケア病棟の導入は急性期病院の経営に関するホットなテーマであり、自院のデータを活用して、どのような病院を目指すかを考える機会になればと思います。直前のご案内ではありますが、ご興味のある方はこちらからお申し込みください。
http://kokucheese.com/event/index/371871/



http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/inchoufujin/201604/546200.html
コラム: はりきり院長夫人の“七転び八起き”
院長を精神的に追い詰めた個別保険指導

2016/4/13 日経メディカル

 各種の行政指導の中でも、開業医を悩ませるものの一つに、地方厚生局による保険指導がある。

 実は当院では、保険指導のうち「個別指導」を受けた経験がある。複数の対象者を集めて行う「集団的個別指導」ではなく、特定の医療機関の経営者のみを対象とした指導だ。開業医として、夫が心身ともに最も追い詰められたのが、この個別指導だった。

 問題があると判断されたら、診療報酬の自主返還を迫られるだけでなく、監査により保険医取り消し処分を受ける可能性もある。指導対象に選ばれたことを知った夫のストレスは相当なものであり、短い準備期間のうちに髪の毛が大量に抜けてしまったほどだ。

「どこからでもかかって来いや!」

 個別指導の連絡通知は、突然郵送されてきた。普段は診療に没頭する夫も、このときばかりは診療の手を止めて中身を確認。そこには、個別指導の日時と、用意すべき資料が書かれていた。

 それからが大騒ぎだ。指定日が平日のため、休診しなければならず、慌ててスタッフに事情を話して休診を知らせる院内掲示を作成。理由については「都合により」と濁すしかなかった。

 用意すべき書類は膨大で、職員の総力を挙げての作業に。院長の眉間にはしわが寄り、ピリピリムードが漂う。「ええい!何も後ろめたい治療はしていないんだから、どこからでもかかって来いや!」とえらくハイになって強気発言をしたかと思うと、「悪質と思われたんだろうか……」と途端に弱気になるなど、普段は冷静な夫の感情が乱高下した。

 下手なことを言うと神経に障りそうで、医院のみならず家庭でも相当気を遣った。普段とは異なる気配を感じ取ったのか、子どもは自室にこもってしまった。

 そして指導当日、緊張のせいか言葉数の少ない夫を私は見送った。会場に足を運んだ夫によると、指導を受ける医師たちが待機する部屋では「やあ、お前のところもか!」などと明るく話しかける医師もいたという。でも、根が生真面目な夫には、そんな“空元気”は絶対になかっただろう。

被告人の気持ちはこんなものか…

 結局、指導官は「診療は適切である」との判断を下してくれた。夫は、「裁判所で無罪の判決文を読み上げられる被告人の気持ちはこのようなものなのか」と思ったそうだ。

 指導を受けた時期は、周辺の病院で医師の退職が相次ぎ、病院からの患者紹介が増加。病院並みの治療を求められた結果、おのずとレセプト点数も高くなった。だが、そのような事情はお構いなしで、点数が高いというだけで個別指導の対象に選ばれたようだった。

 今では、個別指導を受ける医師を支援する団体もあるが、当時は個別指導への対策が書かれた資料はほとんどなく、相談できる人もいなかった。あのときに夫と私が抱いた焦燥感と孤独感は、一生忘れることがないだろう。



  1. 2016/04/13(水) 05:38:20|
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