Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月5日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201604/20160405_13046.html
<東北医科薬科大>37年ぶり新医学部で入学式
2016年04月05日火曜日 河北新報

 東日本大震災の復興支援として、37年ぶりに医学部新設が認められた東北医科薬科大の入学式が5日、仙台市青葉区の電力ホールであった。東北の医師不足解消を誓う1期生100人が、新たな一歩を踏み出した。
 式で高柳元明理事長は「被災地の大学として地域医療に意欲を持って携わる人材を養成することが使命。皆さんの目標を達成できるよう一丸となって取り組んでいく」と述べた。
 修学資金制度(定員55人)を利用する医学生は卒業後、東北各県の医療機関に一定期間勤務することが義務付けられる。大阪府出身の中嶋真弓さん(19)は「へき地医療に興味がある。東北には縁もゆかりもないが、卒業後はこちらで医師になりたい」と語った。
 医学部新設は1979年の琉球大(沖縄県)以来となる。文部科学相が昨年8月に認可した。大学は今月1日、東北薬科大から改称した。新入生は薬学部、大学院を合わせて計442人。



https://www.m3.com/news/iryoishin/414038?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160405&dcf_doctor=true&mc.l=151297435&eml=3f492a08f1681d66441569ec02c0b51e
シリーズ: 医師不足への処方せん
東北医科薬科大学、一期生100人が入学
高柳理事長、「医学部新設は本学の使命」

2016年4月5日 (火) 橋本佳子(m3.com編集長)

 東北医科薬科大学は4月5日、2016年度の入学宣誓式を仙台市内で行い、新設医学部医学科の第一期生100人が医師への第一歩を踏み出した。新設医学部が新入生を迎えるのは、1981年の琉球大学医学部以来、35年ぶり。東北薬科大学は4月1日付で、東北医科薬科大学に改称した。

 理事長・学長の高柳元明氏は、「いまだ東日本大震災からの復興は道半ば。長年の医療人養成の実績を持ち、また被災地にある大学として、医学部新設は本学が果たすべき重要な使命であり、東北地方の復興を支援していく」と決意を新たにし、医師不足の現況と今後の高齢社会を踏まえ、意欲を持って地域医療に貢献できる医師養成を目指す。「疾病の予防から、各疾患に適切に対応できる幅広い臨床能力を持つ総合診療医を育てる。学生一人一人の志、所期の目的を達成できるよう、教職員一同で取り組んでいく」(高柳理事長)。

 入学生代表として医学科の諏訪内智子さんは、同大学への入学は「衷心の喜び」と語り、「本学学則を固く守り、人格の陶冶に務め、学業に専心する」と宣誓した。

 来賓として、宮城県知事の村井嘉浩氏があいさつ。宮城県は、東日本大震災からの単なる復旧ではなく、「県の抜本的再構築を目指した、創造的復興の実現に取り組んでいる」と述べ、新設医学部はその一つであり、「内閣総理大臣に直談判した」(村井知事)結果、医学部新設の検討がスタートし、東北医科薬科大学が実現した経緯を紹介。「震災後、深刻さを増した地域における医師不足の解消に、まさに道を拓くもの。総合診療医として東北の地域医療を担う人材として、東北地方の期待を一身に背負っているという自覚を持ち続けてほしい」と期待を込めた。

 医学部医学科の合格発表は2月19日に行われ、倍率は22.78倍の狭き門だった(『東北薬科大が合格発表、倍率は22.78倍』を参照)。その後、辞退者が出て、繰り上げ合格者が出たが、最終的な入学者は定員通りの100人で、男性8割、女性2割の割合。

 医学部医学科の入学生の出身地はさまざまであり、新しい学生生活をスタートさせる期待と不安の声が聞かれた。

 静岡県の高校出身の持山宜史さんは、「東北の地で医師として働ければ、東日本大震災の復興に貢献できるのでは」との思いから、東北医科薬科大学への入学を決めたという。医師を目指したきっかけも震災であり、「一期生なので、自分自身もしっかりしなければいけない」と気を引き締めるとともに、「人を笑顔にできる医師を目指したい」と抱負を語った。東京都の高校出身の吉岡雛さんは、「一期生なので、手厚い教育、指導を受けられると期待した。地域に必要とされる医師を目指したい」と笑顔を見せた。福島県南相馬市出身の菊地ひかりさんは、自身が子供の時から病院に通う機会が多く、その頃から医師を目指した。「一期生なので、先輩や卒業生がおらず、不安もある」と率直な思いを明かしつつも、「患者に信頼される医師を目指す」と語った。

4月1日時点の教員、120人強

 2011年の東日本大震災からの復興や東北地方の医師不足対策として、復興庁・文部科学省・厚生労働省の3省庁の合意で、2013年12月に「東北地方に1カ所に限る」という条件で、医学部新設の検討が始まった(『「東北医科薬科大学」、来春誕生』を参照)。その後、開設者の選考が進み、最終的に東北薬科大学に決定、2015年8月に文部科学省の「大学設置・学校法人審議会」で設置認可が下りた。

 東北医科薬科大学は、災害医療にも対応できる総合診療医の育成などを目指す。医学部長には、元東北大学加齢医学研究所教授で、東北医科薬科大学放射線医学教授の福田寛氏が就任した。

 教員は、4月1日時点で臨床系、基礎系を合わせ120人強、うち医師免許取得者は約100人。2015年7月の準備段階の採用予定は174人で、今後、医学生の年次が上がり、講義の数や内容の増加に合わせて、順次正式採用をしていく方針(『医学部「地域枠」55人、充足見通し、東北薬科大学』を参照)。

 教育の場となる附属病院は、東北医科薬科大学病院(仙台市宮城野区、466床)、東北医科薬科大学若林病院(旧NTT東日本 東北病院、仙台市若林区、199床)の2病院。そのほか、(1)2カ所の関連教育病院(東北労災病院、仙台医療センター)、(2)2カ所の地域医療教育サテライトセンター(宮城県の登米と石巻)、(3)東北6県に、計19カ所の地域医療ネットワーク病院――と連携し、教育に取り組む。

 入学宣誓式は、医学部医学科と薬学部、大学院の合同で、新入生のほか、父母が多数出席した。



http://blogos.com/article/170597/
医学部卒業後にTBSに入社してはいけないのか
岩田健太郎
2016年04月05日 16:19 BLOGOS

正直、かなり驚いたのだが、ぼくの周囲では多くの医者がこの件に猛反対している。国立大学医学部を出て、その教育には多額の税金が使われているので、身勝手である、というのだ。

しかし、件の卒業生はまったく身勝手ではない。大学を出てどの職業につこうが、その人物の自由である。このようなアタリマエの原則が当たり前と了解されていないことに、医学部の特殊性がある。

これが法学部を出て、法曹界に入らないとか、文学部を出て文筆活動をしないとかだったらまったく非難にあたらない。税金の補助が関与しているのは同じことだ。よって「税金かけられているのだから、その学問を活かした職につかねばならぬ」は間違いだ。そもそも、大学の学問が直接職業に活かすか否かは大学のミッションではない。少なくとも、ミッションの全てではない。学問とは職業的、ビジネス的な動機「だけ」で行なっていればやせ衰えるような種類のジャンルである。

医学部は大学で医学を学ぶという学問の場と、医師養成専門学校としての職業訓練校としての側面が混在している。法学部とも文学部とも違う。それに、6年間通う医学部では税金投入額も大きい。同列に扱ってはいけない。そういう主張もあるかもしれない。

仮にこの主張を全面的に受け入れたとしても、件の卒業生がTBSに入社することを否定する根拠にはならない。

今からその根拠を述べる。

確かに、医学部の教育には多額の投資がなされている。しかし、それは例えば講義や実習といったヒューマンリソースの使用だったり、実習機材のコストだったり、救急処置のシミュレーションマシンだったり、その他もろもろの「総合的な」コストである。一人ひとりの医学生にマンツーマンで提供されるリソースはほとんどない。仮に1学年100人に教育を提供するコストが100だったとして、それが99になったとしてもやはりかかるコストはほとんど100だ。授業を100人にやろうが、99人にやろうがそのコストは同じなのだ(現実は、学生はそんなに授業出てないかも、、、)。この医学生が仮に「存在しなかった」と仮定してもかかるコストに差は生じない。仮に神戸大学医学部の卒業生がだれか「医者にならない」と宣言したとしても、「ああ、だったら1%分手抜きして授業しておけばよかった」とはならない。税金は無駄遣いされていないのだ。同じ根拠で、留年したり、国家試験に合格しなかったからといってその人物を過度に責めるのは、少なくとも税金投入云々という根拠で責めるのは、お門違いである。

医学部を卒業して医師になったからといって、臨床医になるとは限らない。研究をするものもいれば、厚労省の官僚になるものもいるし、保健所に勤務するものもいれば、医療ビジネスに参入するものもいれば、作家になるものもいる。多くの場合は医師の資格や医学部の経験が活用されているが、それが必須とは限らない。ぼくは常々保健所長は医師だけの専権業務とせず、保育師や看護師やその他の職業の人間がなったほうが、そのような多様性を認めたほうが日本の公衆衛生のレベルは上がると主張している(ついでに言えば、病院長も医師以外でもなれたほうが、日本の病院はもっとよくなる)。

いずれにしても、臨床医療以外は医師の資格は必須ではなく、医学部の卒業ですら必須ではない(保健所長はテクニカルな議論があるのだが、ここでは省略する)。そういう意味では税金投入は「コストエフェクティブ」ではない。

しかし、このような広がりがある世界が医療全体には資するものとなっている。医学部卒業生が全員臨床医療「だけ」に従事していたら、日本の医療界はもっとプアなものになっているだろう。税金投入額と卒業生の進路だけで、ムダとかそうでないと議論するのは短見である。一見ムダに見えるものが、案外一番大事だったりするのである。

例えば、アメリカでは医師がテレビ局や新聞と契約して、健康情報や医療情報を提供するのが一般的だ。日本ではテレビでも新聞/雑誌でも医療/医学の報道の質は高くない。ヒステリックでセンセーショナルな報道が大多数の感染症報道なんか見ているととくにそう思う。医の専門教育を受けた者がメディアに存在すれば、そういう世界全体をリッチにしてくれる可能性は、ある。まあ、件の方はドラマ志向らしいので、強くそうせよ、と主張しているわけではないが。

そもそも、こういうことがニュースになるくらいなのだから、今回の事例は極めて稀なケースである。稀なケースの全体への影響はほとんどゼロである。今回のことで日本の医療崩壊が惹起されたり、医療財政が破綻することはありえない。

「犬が人を噛んでもだれも騒がないが、人が犬を噛むと大騒ぎをする」。たった一人の医学生がたまたまTBSに入ったってその全体に与える影響はほとんどゼロだ。それをとやかくいうのは個人に対する恨みつらみや自らの価値観に対する冒涜や、そういうつまらない感情論程度のものである。個人レベルのアベレントな行為はほおっておくのが大人の営為というものだ。

それよりも、注目すべきは「犬が人を噛む」常態的な問題だ。メディアが騒がない問題だ。

例えば、看護師の離職率は毎年1割程度ある。専門的教育を受けた人材の10%が構造的に失われているなんて常軌を逸している。ナースがこのように離職するのはぼくが知る限り日本だけだ。よって「ナースの仕事がきつい」「結婚、出産、育児の問題」といった分かりやすい説明でこの問題を論じてはならない。それなら外国でも同じ問題が生じるはずだ。個人の資質や嗜好の問題ではなく、構造的な問題であり、構造的に解決・克服すべき問題であり、メディアがもっと騒ぐべき問題である。一億総活躍社会、(スローガンではなく)本気で目指してんなら、そうである。

あるいは抗菌薬の適正使用である。年間40兆の医療費の多くは税金で賄われており、その多くは医薬品のコストである。風邪にフロモックスとかメイアクトとか平気で処方する多くの医者の行為のほうがはるかに「税金の無駄遣い」ではないか。少なくともそういう医者にTBSに入社した人物を批判する資格はない。



http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/04/05/09918/?rt=nocnt
医療事故調スタートから半年、筑波大病院で意見交換会
医療事故調報告、想定よりも少ないのはなぜ?

2016/4/4 満武里奈=日経メディカル

 「医療法に基づく医療事故調査制度に関する意見交換会」が3月19日に筑波大学附属病院で開催された。第三者機関、都道府県医師会、弁護士、臨床医など、様々な立場の関係者がパネラーとして登壇し、この半年を振り返りつつディスカッションを行った。

 第三者機関「医療事故調査・支援センター」からは、日本医療安全調査機構常任理事の木村莊介氏が登壇し、制度スタートから半年の状況について報告した。木村氏は、制度開始から2016年2月までの5カ月間に累計871件の相談があり、相談内容は「医療事故の判断に関すること」「医療事故の報告手続きに関すること」「院内事故調査に関すること」がそれぞれ4分の1を占めていたことを説明した。特に判断が難しく早急な検討を要する事例については、医師3~4人、看護師3~4人で合議し、その結論をセンターからの助言という形で回答しているという。

 木村氏の印象として、センターに相談されてくる事例は、(1)血液データや画像診断などの検査結果や、処置前の患者状態を相談前に十分に確認していない、(2)高齢者で合併症があるようなハイリスク患者を対象にしていたり、高難度や高侵襲の処置が多い、(3)患者の死亡を予期していたかどうかに関して、事前の説明や診療録の記録がなされていたかが検討されていない、(4)推定死亡原因を検討していない――といった傾向があるという。「医療事故が発生した時点にのみ注目するのではなく、事例の全体像を俯瞰するようにしていただきたい」とアドバイスした。

 次いで、2016年2月までの5カ月間に累計140件の医療事故がセンターに報告されたことを公表した。当初の予想である1300~2000件と比べて報告件数が少なかったことについて木村氏は、制度自体への理解が不十分であること、自ら判断することに難渋していること、制度が報告対象としている医療事故は過誤の有無を問わないはずだが、「医療事故」として報告することに抵抗感があること――などを指摘した。「遺族が何も言ってこなければ報告しなくてよいという考え方がいまだ存在するのではないか。『Claim Oriented』から『Event Oriented』に脱却してほしい」と指摘。医療事故に対する考え方を切り替える必要があると話した。

 実際に各医療機関から提出された報告書は5カ月間で33件だった。木村氏は報告書で目立った問題点として、(1)院内調査を実施した構成委員に関する記述がない、(2)病院のシステムなど事故原因の背景に関する記載がない、(3)死因の検討がなされていない――などを挙げた。


県内の支援マニュアルを作成

 茨城県医師会副会長の石渡勇氏は、茨城県内での医療事故調査制度への体制を紹介した。茨城県では、県医師会が調整役となり、病院や大学、医師会、病院団体、学会、剖検施設、Ai施設、弁護士会、歯科医師会、助産師会、看護協会などの代表者約30人から構成される支援団体連絡協議会を発足。医療事故発生の際には最終的に茨城県医師会に報告される仕組みになっている。

 制度開始前には、「院内事故調査の支援マニュアル茨城版」の作成のほか、県医師会内への相談窓口を設置、解剖や死亡時画像診断(Ai)に協力する機関の指定とリストアップなどを行った。外部委員として派遣される医師は茨城医学会やモデル事業の登録専門員から50人ほど指定して一覧にしたという。

 院内事故調査では必要に応じて解剖を行うことがあるが、茨城県では病理解剖支援委員会を筑波大学附属病院の病理部内に設置。4施設が持ち回りで解剖支援を行う体制を構築している。自施設で解剖が実施できる場合であっても同委員会で最終的に病理解剖の結果報告書をまとめている。病理解剖を行わず、Aiを撮影した場合は、読影をAi読影を専門に行っている施設(Ai情報センターなど)に依頼することを原則としていることも説明した。


田邉氏「ICは患者との信頼関係や医療安全の観点からも重要」

 医師・弁護士の田邉昇氏(中村・平井・田邉法律事務所)はインフォームドコンセントの重要性を強調した。事前に患者に対し、死亡という最悪のシナリオを含めて十分に説明することで、患者も覚悟を持てるほか、患者と医師間に会話が生まれ、信頼関係が構築される効果が期待できると指摘。医師も術後の合併症などを予期することで、後手に回らない対応が可能になるというメリットがあると田邉氏は説明した。「患者に死亡リスクを十分に話すというインフォームドコンセントは、訴訟対策だけでなく、患者との信頼関係や医療安全の観点からも重要だ」と訴えた。

 田邉氏は、遺族側が医療事故調査制度のことを「死因究明制度」だと誤解している節があることも指摘。「今回の制度の目的は医療安全であり、説明責任を果たすことではない。遺族やマスコミのためでもなく、今や未来の患者のための制度だ」と強調した。

満岡氏「医療安全と紛争解決の切り分けを」

 現場の医療者の立場から登壇した満岡内科・循環器科の満岡渉氏は、「医療安全」と「紛争解決」の違いについて丁寧に解説した。「医療安全」はヒューマンエラーの中からシステムエラーを見つけ出して再発防止につなげることであるのに対し、「紛争解決」は責任の所在を明らかにしたり、説明責任を果たすこと。両者を混同すると医療安全が損なわれるほか、当事者の人権が侵害される恐れがある。「医療安全と紛争解決は異なるもので、同時に成立し得ないものであり、切り分ける必要がある」と満岡氏は強調した。

 現在、センターへの報告件数が想定よりも少ないことについて満岡氏は、そもそもの想定手法が適切でなかった可能性があるほか、調査に大変な手間暇が掛かる上に心理的負担があること、「作成した報告書が紛争解決に使用されるのではないか」「調査は本当に医療安全に役立つのか」という疑念があるのではないかと分析。医療事故調査制度を成功させるためにはこの制度が責任追及に使われないことを担保すること、この制度によって医療安全が向上したというエビデンスを示すことではないかと指摘した。

司会の坂根氏「管理者の能力を磨くことが最大のポイントに」

 司会を務めた坂根Mクリニック院長の坂根みち子氏は、「皆、目指すものは同じであっても団体や研修会によって考え方が少しずつ異なっており、現場で困っているという声が上がっていたので、今回は考え方が異なる方々にあえて集まったいただいた」と会の趣旨を説明した。
 
 有識者の講演の後は1時間ほど会場を巻き込んでのディスカッションが繰り広げられた。「報告対象の考え方」「医療安全に関する既存制度との整合性」「医療事故調査における『評価』の考え方」などについてパネリストや会場からの意見が示された。

 意見によっては対立するものもあった。司会を務めた筑波大学附属病院臨床医療管理部長の本間覚氏は、「今日の時点では(それぞれの意見や指摘を)持ち帰っていただき、皆さんの今後の宿題にしていただければ」と話した。最後に坂根氏は、「今回の制度は管理者の能力が非常に問われる。管理者の能力を磨くことこそが最大のポイントではないか」とまとめた。



http://mainichi.jp/articles/20160405/ddr/041/040/003000c
神戸の民間病院
生体肝移植で死亡相次ぎ、閉院

毎日新聞2016年4月5日 毎日新聞

 生体肝移植手術後に患者の死亡が相次いだ神戸市の民間病院「神戸国際フロンティアメディカルセンター」(KIFMEC、田中紘一理事長)が、神戸地裁から破産手続きの開始決定を受け、閉院したことが4日、分かった。負債総額は約35億4300万円。

 KIFMECは2014年11月、生体肝移植の権威で京大名誉教授の田中氏を中心に、肝臓や消化器系の専門病院として設立。昨年以降、経営が悪化し、昨年11月から休診していた。神戸市がポートアイランドで進める医療産業都市の中核病院の一つだっただけに、市の担当者は「閉院は残念」としている。



https://www.m3.com/clinical/news/413803
レボドパなどの注目リスクを公表
改訂につながり得る評価中情報
医薬品医療機器総合機構

2016年4月5日 (火) m3.com

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は4月1日、添付文書の改訂などにつながり得る医薬品の評価中リスク情報を公開した。経口腸管洗浄剤や経口FXa阻害薬(NOAC)、抗パーキンソン病(PD)薬、抗てんかん薬、抗インフルエンザ薬、抗アレルギー薬、2型糖尿病薬(DPP4阻害薬)、軟部悪性腫瘍薬、非小細胞肺癌薬で、意識消失や閉塞隅角緑内障、虚血性大腸炎、心機能障害などが評価対象となっている。PMDAは医療従事者に対し、現時点で患者が服薬などを自己判断で中止しないよう適切な指導を呼び掛けている。

 大腸検査時の腸管内容物排除に用いるナトリウム・カリウム・アスコルビン酸配合剤は失神と意識消失のリスクが評価中。NOACのエドキサバントシル酸塩水和物は肝機能障害と黄疸、リバーロキサバン(錠剤、細粒)は血小板減少が評価対象となっている。抗PD薬のレボドパ(錠剤、カプセル、散剤、注射剤)、レボドパ・ベンセラジド塩酸塩、レボドパ・カルビドパ水和物、同水和物・エンタカポンは閉塞隅角緑内障、抗てんかん薬のガバペンチン(錠剤、シロップ)、ガバペンチン エナカルビルと抗インフルエンザ薬のペラミビル水和物は、アナフィラキシーが報告されている。

 また、抗インフルエンザ薬のオセルタミビルリン酸塩(カプセル、ドライシロップ)では虚血性大腸炎、抗アレルギー薬のフェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン(一般用含む)では急性汎発性発疹性膿疱症が評価対象。DPP4阻害薬のビルダグリプチン、ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩配合剤、シタグリプチンリン酸塩水和物は類天疱瘡、悪性軟部腫瘍薬のトラベクテジンは心機能障害、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺癌(NSCLC)薬のアファチニブマレイン酸塩は急性膵炎がリスク情報として報告されている。



https://www.m3.com/news/general/414018
がん大国白書 
第1部 新薬の光と影/3 「薬価年20兆円」の衝撃

2016年4月5日 (火) 毎日新聞社

 「私はこれらの薬を、すぐ患者に使いたい。だが問題は、価格が高すぎることだ」。2015年5月、米シカゴで開かれた米国臨床腫瘍学会の全体会合で、メモリアル・スローンケタリングがんセンター(米ニューヨーク市)のレオナルド・サルツ医師が、数千人の聴衆に訴えた。がん治療に関わる世界の医師らが参加する最大規模の学会。医療費の高額化が話題になる異例の会合となった。

 サルツ医師が懸念を示した薬は、オプジーボ(一般名ニボルマブ)など、免疫の仕組みを利用した新タイプの抗がん剤だ。サルツ医師は、オプジーボともう1剤の組み合わせで、がんが転移した米国の患者全員が使うことになると、年間1740億ドル(約20兆円)の薬剤費がかかると訴えた。学会では、新タイプの薬に関する演題が100近くに上った。日本から参加した肺がん専門医は「これらの薬の効果の高さを示す成果が話題を独占した。だが、印象に残ったのはコストの問題だ」と振り返る。

 米国で、薬価の高騰は「ファイナンシャル・トキシティ(財政的な毒)」とも呼ばれる。サルツ医師は毎日新聞の取材に、「薬価の高騰は患者が直接被害を受ける。医師である私たちが、医療費のコスト、特に薬価について行動しなければならない」と語った。

 国のルールに基づき審議会で薬価が決まる日本とは異なり、米国では、連邦法によって医薬品の価格は製薬会社が自由に決める。米国の薬価制度に詳しい恩田光子・大阪薬科大准教授は「米国の医療は『価値のあるものは高く評価され、価値のないものは整理されるべきだ』という市場メカニズムが前提だ。競争原理が働くため、高額な医薬品も競合品が出れば値崩れする」と説明する。

 一方、研究開発の費用の増加などに伴い、新薬の価格は上がり続けている。オプジーボが高額な理由についても、小野薬品工業広報部は「研究開発費や、薬に必要な抗体の製造コストなどが高いため」と説明する。米ボストン在住の医師、大西睦子さんは「一般的に医療は新しい方がより良いと考える文化があるため、効果はほぼ同じであっても、新しい抗がん剤ほど高くなりやすい」と話す。

 この薬価の高騰化に、米国内でも異論が出始めた。14年3月の連邦議会で、民主党議員が、C型肝炎の新薬の価格の高さに関して、発売元の製薬会社に価格算定の根拠などの説明を求めたのだ。焦点は「高額な薬の効果がコストに見合うか」。恩田准教授は「米国では、製薬企業の価格設定に連邦政府が干渉するのはタブーだった。高額な商品が増える中、製薬企業には、価格などに見合うバリュー(価値)を持つかを説明する責任が求められ始めている」と変化を指摘する。

 米国の薬価は日本の薬価算定にも影響する。日本の薬価を決める際、同じ薬が先に販売された欧米の薬価を参照し、引き下げや引き上げを検討するためだ。大西さんは「薬の高額化は、日本も人ごとではない。気がついたら医療保険財政の破綻、ということにならないか心配だ」。=つづく



http://mainichi.jp/articles/20160406/ddm/002/040/104000c
がん大国白書
第1部 新薬の光と影/4 「たった1剤で国が滅ぶ」

毎日新聞2016年4月6日 東京朝刊

 2月に開かれた厚生労働省の医薬品等安全対策部会で、委員の国頭(くにとう)英夫・日赤医療センター化学療法科部長が部会と関係のない発言を始めた。「たった1剤が出たことで国家が滅ぶことにならないか。真剣に心配している」。国頭さんが指摘した薬は、新たな仕組みでがん細胞を破壊する抗がん剤「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)。部会で扱う安全対策とは、まるで異なる内容の発言だった。

 「国が滅ぶ」とは、どういうことか。国頭さんによると、大人(体重60キロ)は1回133万円かかる。2週間おきに点滴を受けると、1人で年約3460万円になる。昨年12月にオプジーボが使えるようになった肺がんの一種「非小細胞肺がん」で手術での治癒が難しい患者は、国内で少なくとも年5万人に上ると見積もられる。もし全員が使えば、その薬剤費などは年約2兆円だ。

 オプジーボは「夢の新薬」ではない。薬が効いて肺がんが小さくなる患者は2割程度しかない。一方、オプジーボが効く患者の場合、治癒する可能性もある。分子標的薬と異なり、オプジーボが効くかどうかを事前に調べる方法がなく、薬のやめどきも決めにくい。このため、医師は「使いたい」という患者の希望を拒みにくい。

 現在、日本の年間薬剤費は約10兆円。国頭さんは「2兆円は幻となった新国立競技場8個分。いかにとんでもない額か理解できるだろう。オプジーボの適応は今後も広がり、オプジーボ以外にも高額薬が続々登場するはずだ。一刻も早い対処が必要と思うと、黙ってはいられなかった」と危機感をあらわにする。

 最近の薬価の高騰に、医療者の意識にも変化が表れている。肺がんの治療法をまとめる診療ガイドライン見直しを検討する日本肺癌学会の委員会で、手術後の抗がん剤治療が議題に上った。その際に、有効性や副作用に加え「費用の問題も考えるべきだ」との声が上がったのだ。

 同学会肺がん医療向上委員長の中西洋一・九州大教授は「医療者がコストのことを考えながら治療すべきではない。効く人、効かない人を事前に判断する方法の研究に力を入れるべきだ」と話す。一方、ガイドライン検討委員長の山本信之・和歌山県立医大教授は「オプジーボが出て、これまで以上に薬のコストが注目されている。私たちも本腰を入れてコストを考えねばならない。だが、『1年寿命を延ばすのにいくらまでかけるか』という問題を、一体どのように議論すればいいのか……」と戸惑う。

 国の高額療養費制度によって、患者の医療費の自己負担は所得に応じて一定額までで抑えられているが、残りは加入者が支払う保険料や税金などでまかなわれる。オプジーボを使い、肺がん患者の治療に当たる国立がん研究センター中央病院の後藤悌(やすし)医師は訴える。「薬のコストを考えず、医療を続けることがいいのか。根深い問題だが、将来の世代に負担を先送りする今のシステムでは、いずれ立ちゆかなくなる」=つづく



http://mainichi.jp/articles/20160406/ddm/005/070/018000c
発信箱
医師と患者の情報格差=高野聡

毎日新聞2016年4月6日 東京朝刊

 前立腺がんの患者会「腺友倶楽部」代表の武内務さん(67)が前立腺がんと診断されたのは2004年。主治医にもセカンドオピニオンの医師にも「5年生存率は2割。手術は無理」と告げられ絶望する中、海外文献を手がかりに、新しい照射方法の放射線治療にたどり着いた。「臨床医学の研究成果は新聞や雑誌にもなく、患者が知るのは難しい。医師と患者の情報格差をなんとか埋めたい」との思いから、自ら集めた情報を患者向けサイトで発信している。

 医療の世界の特殊性の一つに「情報の非対称性」が挙げられている。知識の豊富な医師と少ない患者。両者のアンバランスさを表した言葉だ。もちろん専門教育を受けた医師に対抗する知識を持つなんて不可能。しかし信頼性の高い情報を基に医師の説明を理解し、質問することはできる。患者自身が学びながら、納得のいく治療が選べれば、医療の質も向上するだろう。

 だが日本は健康・医療情報を活用する力が海外に比べ低いという。中山和弘・聖路加国際大教授がインターネットで調査し、欧州8カ国と比較したところ、「健康・医療情報の活用が難しい」と答えた割合は総合評価で欧州平均の47・6%に対し、日本は85・4%に及んだ。

 3月まで編集長を務めた医学誌では、欧米で発表された論文を解説付きで紹介していた。読者は主に医師、研究者だが、武内さんら患者どうしでも役立っているという。医師からは「英語の壁がない欧米では医学論文はもっと市民に身近だ。日本でもそうなれば、怪しい医療情報に惑わされる人も減るのでは」と助言を受け、大いに納得した。その声に応える方法を自問している。(医療福祉部)



https://www.m3.com/news/general/413987
乳房切除ミス、20代女性が賠償提訴…大阪地裁
2016年4月5日 (火) 読売新聞

 乳がんの病理検査で検体を取り違えられ、必要のない手術で乳房の一部を失った20歳代の女性が、取り違えた高砂市民病院(兵庫県高砂市)を運営する同市を相手取り、慰謝料など約1850万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴していたことがわかった。病院側はミスを認めて謝罪したが、取り違えの原因は不明のまま。女性は「被害を繰り返さないためにも、裁判で原因をはっきりさせたい」と訴えている。

 訴状などによると、女性は2014年4月、同病院で胸の組織片の病理検査を受け、右胸の乳がんと診断された。翌月、別の病院で乳房を切除したが、摘出部位からがん細胞が見つからず、診断時に別の50歳代女性の検体と取り違えられていたことが判明した。50歳代女性はその後、切除手術している。高砂市民病院は女性に謝罪し、その後、解決金250万円を提示。外部調査委員会が公表した報告書は「病理検査室で取り違えが起きた可能性が高い」とする一方、原因は「特定できない」とした。その上で再発防止を促した。

 女性側は「原因不明で再発防止ができるのか。少しの注意でミスは簡単に防げたはず。極めて初歩的で重大な過失があった」と指摘している。

 3月23日に同地裁であった第1回口頭弁論で市側はミスを認めたうえで、切除した乳房の範囲が小さいことなどから解決金額が妥当だと主張している。同病院は読売新聞の取材に「裁判中なのでコメントは控えたい」としている。



http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG05HAY_V00C16A4CC1000/
誤診で乳房切除」と提訴 20代女性、兵庫・高砂市を
2016/4/5 23:50 日本経済新聞

 兵庫県高砂市が運営する高砂市民病院による検体の取り違えで乳がんと誤診され、右乳房の一部を切除した20代の女性が、市に約1850万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが5日、分かった。

 市民病院側はミスを認めて女性側に謝罪していたが、今年3月に同地裁(比嘉一美裁判長)で開かれた第1回口頭弁論では請求棄却を求めた。

 訴状によると、女性は2014年3月、市民病院の乳腺超音波検査で右乳房に腫瘤(しゅりゅう)が見つかり、翌4月に良性か悪性かを判断するため検体を採取。病理検査の結果、乳がんと診断され、医師から「切除手術が必要」と告げられた。

 女性は病院が紹介した別の医療センターで右乳房の一部を切除する手術を受けたが、腫瘍からがん細胞が検出されず、手術が必要な50代女性の検体と取り違えたことが判明した。病院は20代女性に謝罪し、外部調査委員会を発足させたが原因の特定には至らず、代理人を通じて250万円の解決金を提示していた。

 女性側は職員による極めて初歩的な過失が原因だと主張し「乳房の一部を喪失し、人生に深刻な影響を及ぼしている」として逸失利益などを請求している。〔共同〕


  1. 2016/04/06(水) 05:37:24|
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