Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

4月2日 

https://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160402_8
医師不足改善に期待 岩手医大「地域枠」1期生配置
(2016/04/02) 岩手日報 

 県関係の医師奨学金が2008年度に定員拡充後、初となる養成医師16人の県立病院配置が1日始まった。岩手医大の新「地域枠」の1期生4人は大船渡、久慈、中部、胆沢の各県立病院に配置され、県民の期待を背に地域医療を担う。今後毎年30~50人の養成医師が初期臨床研修を終え、配置の拡大が見込まれる。

 地域枠で学んだ大崎洸(たけし)さん(26)は同日、久慈市の県立久慈病院で吉田徹院長から辞令を受け、外科医として新生活をスタート。がん患者の手術や外来・病棟での診療活動に携わる。二戸市出身で、幼少に地元診療所の医師の姿に憧れて医療の道を志した。先輩の勧めもあって初期研修を同病院で行い、先輩医師や住民の人柄に魅力を感じて終了後の勤務地に選んだ。

 県関係の医学生の奨学金は地域枠など3種類あり、一定期間、県内の公的病院や診療所勤務を義務付ける代わりに返還を免除する。義務履行は基幹病院を皮切りに始まり、中小医療機関も経験する。初期研修を終えた地域枠1期生は10人で、このうち16年度の履行開始は4人、大学院進学など履行猶予(中断)は5人、返還して義務が伴わないのは1人。16年度の養成医師の病院配置は全体で前年度比2倍の16人となった。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201604/20160402_13051.html
<東北医科薬科大>サテライトセンター開所
2016年04月02日土曜日 河北新報

 東北医科薬科大(仙台市青葉区)が発足した1日、登米市民病院内に同大登米地域医療教育サテライトセンターが開所した。2017年から同大医学部の学生が体験学習や実習を行う。地元は卒業後の医師の地域定着に期待する。(2面に関連記事)
 センターは学生の教育と地域医療支援を担う。来年から2、3年生が1泊2日で訪れ、医療や介護の現場に触れる。19年からは4~6年生が2~4週間滞在し、同病院や市内の福祉施設などで実習する。教員の医師はことしから週2日のペースで来所し、準備のほか市民病院などで診療も担当。将来的には常駐する。
 現地であった開所式で、福田寛東北医科薬科大医学部長は「ここは地域医療の核。近い将来、教員の医師を常駐させ地域に貢献したい」とあいさつ。布施孝尚登米市長は「総合医育成は住民が望むものだ」、石井宗彦登米市病院事業管理者は「地域の医師不足の解消につながる」と期待の言葉を述べた。
 石巻市立病院に設置されるサテライトセンターは今秋開所する予定。



http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201604/20160402_13026.html
東北医科薬科大が誕生 構内の銘板・看板一新
2016年04月02日土曜日 河北新報

 医学部新設に伴って東北薬科大から改称した「東北医科薬科大」の小松島キャンパス(仙台市青葉区)で1日、新校名の除幕式があった。構内に掲げられた銘板や看板を一新。全国81番目の医大が誕生した。
 正門前で行われた除幕式には高柳元明理事長ら大学関係者ら約50人が出席した。高柳理事長は「地域医療に貢献できる人材を育成していく」と決意を述べた。
 正門の土台にはめ込まれた銘板は縦約1メートル、横約10センチ。金色の塗装を施したステンレス製で、大崎市の書家が揮毫(きごう)した。講義棟壁面の看板も新調され、覆っていたカバーが外された。
 医学部の1期生(定員100人)は小松島キャンパスで教養や基礎医学を履修し、3年次以降は宮城野区福室に整備するキャンパスで専門科目を学ぶ。



https://www.m3.com/news/iryoishin/413328
シリーズ: m3.com意識調査
「学会は消滅?」「医局復権に利用された」◆Vol.1
医師会員2000人に調査、新専門医制度の問題点

レポート 2016年4月2日 (土)配信成相通子(m3.com編集部)

 m3.com意識調査で3月17日から24日にかけて、新専門医制度の問題点について尋ねた(調査結果は『新専門医、6割近くが「延期すべき」』を参照)。自由回答で寄せられた意見を紹介する(『「患者診るより症例集め」「開業医に道閉ざされた」◆Vol.2』も参照)。

【学会は衰退する?】

学会の社会的な役割が明瞭になり、必要のない学会が自然に消失していくと思われます。【勤務医】
学会の登録会員数が減っていくと思う。【勤務医】
インセンティブがないので更新しない人が増えると思うし、更新しないなら学会もやめる人も増えるので、学会が存続できない可能性がある。【勤務医】 ・学会とは全く異なる国家資格とすべきである。学会はどうしても偏りがあるので学会の専門医は信頼できない。【開業医】
学会が主導権を取れればよいのだが、今の学会は既得権の死守と金儲けしか考えていない様に見える。厚労省の思うがままだろう。だいたい、医師を階層化して何の意味があるのか不明。【開業医】
各学会が専門医の認定・更新で徴収している認定料で、組織維持を行っていることが明らかになったことの意義は大きいかも。【勤務医】
学会の資金集めのための専門医制度自体があまり必要ない。専門領域の学位の方がよっぽどあてになると思う。【勤務医】

【大学医局の復権を懸念】

ようやく大学医局による医師人事の支配が適度に緩和されつつあるのに、施行が予定されている新専門医制度では「復権」が予想される。各学会に任せず、専門医制度を統括し、国家的に管理すること自体は妥当だと思うが、新制度の検討委員が主に大学教授で構成されたためか、大学医局の「復権」に利用された感がある。【開業医】
研修医や大学医局に所属した若手医師が派遣される施設が、指導医数により規制され、大学医局の支配という関係が強まる。地方では、大学医局への権力集中が分散するきっかけになった研修医制度が、再び大学医局へ再集中すると思われる。【勤務医】
大学に支配される。人事を誰が行うのか?僻地や小規模病院はどういう位置付けになるなのか不安である。【勤務医】
大学中心の研修システムとなり、一般病院は医局に媚びなければならない。【勤務医】
大学病院だけが優先的に基幹病院になれる仕組みはおかしい。十分な症例がある病院ならいい。大学であるというだけで症例数を満たしていないのに基幹病院になっている場合、その病院に人が集まるのはおかしい。しかも本当に必要なところに修練医が所属できなくなり、地方病院では修練医がいなくなる。【勤務医】
脱医局して数年、ようやく立場を確立してきたのに、結局また制度変更一つで医局の軍門に下らざるを得ない状況になる。新制度は単に大学支配に戻すだけのものに見えます。【勤務医】

【医師のキャリアパスと専門】

小生内科専門医ですが、若い先生がいきなり内科専門医を取ることに反対です。内科認定医を取ってから、専門医受験することでいいと思います。専門医指導施設以外、例えば高齢者医療・慢性期医療について学ぶことも大事だと考えます。【勤務医】
(中略)とりわけ、サブスペシャルティの専門医を取得しないと一人前になれない臓器別診療科を専攻する者の負担は大きく、長期間の修行を要すること、その後も複数の専門医資格を維持しなければならないことなど、一群の専門医資格のみで事足りる診療科との間に大きな格差が生じる。そのため、例えば「日本内科学会」「日本外科学会」が第一群に坐っている臓器別診療科では、近い将来に志望者が減り、医師不足に陥る可能性が大きい。(中略)そもそも専門医資格は医師の実力を何ら担保しない(担保するための制度変更であるとの説明は当たらない。制度を変えても担保はできないし、医師の能力の多様性が失われるだけだ)。(後略)【勤務医】
がん領域の専門医の育成は、内科専門医取得後となるために育成が遅れる。また、内科専門医取得が可能な施設の中で、大学病院が占める割合が高くなり、大学の医局が現在の後期研修医世代を入局させる可能性が高くなると予想される。そうすると、がんセンターなどの施設にレジデント応募することが可能な若手医師が、現在より減ってしまうのではと危惧している。【勤務医】
若いうちにリサーチに時間を費やすことが事実上不可能になり、アカデミックな臨床家が枯渇する。【勤務医】

【診療科ごとの問題】

地域病院の研修医が減る懸念については内科医の質の向上という点を考えるとどちらとも言えないが、そもそもこのような制度では内科医を目指すことをやめると言う学生や研修医の意見があり、内科医が減少してしまうのではないかと危惧している。【勤務医】
内科、外科などメジャーな科に進む若手が減少する恐れ。【勤務医】
内科に関しては、大学の影響力が増すのはよくはないと思う。【勤務医】
大学への入局者を増やすことには、期待する。しかし専門医を更新しない、または、学会そのものを退会する医師が増える可能性が高いのではないか。特に産婦人科開業医は、学会に出席するのは、困難であり、診療報酬に関しても、自費診療をメーンにすれば問題ない。情報は、産婦人科医会からで十分。すなわち、ただでさえ他学会に比べ会費の高い日本産科婦人科学会は、成り立たなくなるのではないか?【開業医】
領域によって専門医を目指す人が減少する。【開業医】
精神科の場合、大学中心では臨床能力が得られない。【勤務医】



https://www.m3.com/news/iryoishin/413329
シリーズ: m3.com意識調査
「患者診るより症例集め」「開業医に道閉ざされた」◆Vol.2
医師会員2000人に調査、新専門医制度の問題点

レポート 2016年4月2日 (土)配信成相通子(m3.com編集部)

 m3.com意識調査で3月17日から24日にかけて、新専門医制度の問題点について尋ねた(調査結果は『新専門医、6割近くが「延期すべき」』を参照)。自由回答で寄せられた意見を紹介する(『「学会は消滅?」「医局復権に利用された」』も参照)。

【患者のため?誰のため?】

患者さんが受診する医療機関を選択する際に重要な指針となるだろうと思われます。患者さんにとっては良い制度になりそうですが、医師にとってはハードルが高いので取得が困難な場合もあり、差別化に繋がっていきそうで、良くない制度と思います。【開業医】
患者さんのための話でありません。【勤務医】
患者にとっては、医師の技量の一つの目安になり得ると思うが、準備が不十分で、現場の臨床医のコンセンサスが得られていない。そもそも、地域性が考慮されていらず、ますます地方から医師が減ると考えられる。【勤務医】
患者を診るより症例集めにならないか。【開業医】
取得基準が厳しすぎて、日常診療、特に外来に穴が開いてしまう危険が非常に高い。【勤務医】
従来でも学会活動や事務作業で医療従事時間が減ってきているのに、さらに患者に向き合える時間が制限される。過疎地域の医療が特に影響を受けやすく、高齢化する地域医療の担い手が壊滅する可能性が高い。【勤務医】
専門医更新のために、専門医が出張している期間、非専門医だけで留守を守っています。【勤務医】

【ベテラン医師や開業医が取得しづらい】

新制度下でこれから専門医を取得しようとすると、基幹病院とそのグループ病院との間を転勤しつつキャリアを積まなくてはならない。こんな制度では、これまで学会の専門医を取得せずに臨床をこなし、今後も一つの病院に勤務し続けようとするベテランの医師たちにとっては、新たに専門医を取得する道は全く閉ざされていると言える。この先、専門医に対して診療報酬上の差を付けるとなれば、給与にも差を付けられることになろう。これではあまりにも気の毒ではないか。今さら大学病院などの基幹病院に勤務し直さなくてはならないのだろうか?全く患者不在のキャリア主義は、そもそも専門医の精神にも悖るのではなかろうか。【勤務医】
更新の際に、論文や学会発表が点数化されるなど、地方2次病院や開業医ではなかなかクリアできない条件が多い。【勤務医】
総合内科専門医が指導医と新専門医に移行するが、臨床医は基幹研修施設でのプログラムに参加し、学会発表が必要など、敷居が高すぎて指導医になることは実質無理です。ですので、地方の中小の病院、開業医の総合内科専門医は新専門医になるわけです。新専門医は現認定医と総合内科専門医の中間の難易度といいますが、現総合内科専門医で指導医にならないものにとっては、実質格下げです。総合内科専門医は2度の厳しい試験を通り、総合内科専門医の維持も大変でした。それを実質格下げでは納得行きません。新専門医もカリキュラム参加時と終了時の2回の試験を課すべきです。また、1回も試験を受けずに指導医になり、総合内科専門医資格のない指導医は廃止するべきです。【勤務医】

【自身の経験から】

専門医と指導医を取得しているが、61歳で次回の指導医は申請しないと思う。所属は専門医制度の手本になった脳外科であまり混乱は無いと思う。もともと主要都市や施設に集約すべき科でもあり、地方から脳外科の手術のできる病院が減るのは仕方ないのかもしれません。【勤務医】
例えば、私は内科医から救急医に転向したが、勤務先の病院で救急医学会専門医を取得することができた。ある程度のキャリアをもった医師が別なスペシャリティに転向するような状況に新専門医制度は目を向けていない。救急医は今でも不足しており、当院の救急医はほとんど他科からの転向→専門医取得という形で救急専門医となっている。結果、救急科だけである程度の人数を確保し、ERと救命センターを自立して運営しているが、この人材を今後充足していくために大学の救急医学教室に頼ることはまず不可能だろう。【勤務医】
専門医に加え、同領域での専門医指導医の資格を既に取得しています。更新の煩雑さもあり、実際に専門医、指導医相当またはその平均以上の実力の医師でも、専門医、もしくは指導医をあえて取得しない医師もおそらく出てくるかと思います。その結果、有能ではあるものの、臨床業務が忙しい医師の勤務医ばなれを加速する可能性もはらんでいると思います。また、都市部の医師が有利な設定なため、地方医療の崩壊、一極集中に拍車をかけるのが間違いない制度と考えます。【勤務医】
当初は機構専門医で専門医更新をしようと思い、共通講習というのを受けるべく、機構に共通講習が行われている日時、場所を何度も尋ねたが、機構側は分からない、各学会に聞くようにとの回答だった(元々精神神経学会に尋ねたら、機構に尋ねるように回されたのだが)。機構側は共通講習を受けてほしいのに、受け方を機構側が分からないとは唖然とした。機構専門医を募集しているはずの機構側が共通講習受講の探し方も示せないとは驚き、同機構への信用を失くしました。【勤務医】

【資格自体の問題点を指摘】

そもそも、「大学教授」と「開業医」が「同じ専門医」を取得できる制度自体おかしい!と「気付かない」方達が、設計した制度は、「既にスタートライン」から「現実離れ」している!!【開業医】
専門医の立場と一般病院の一医師との立場の診療上の違いや制度上の違いがはっきりしないこと。【勤務医】
臨床能力の高さをテストや症例報告で図るのに無理がある。意味がない、お金の無駄。統一も意味がない。現行制度で充分。【勤務医】
3年間でとれる様な専門医は、レベルが低い【勤務医】



https://www.m3.com/research/polls/result/77?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160402&dcf_doctor=true&mc.l=150910728
意識調査
結果 新専門医制度、問題点は?

カテゴリ: キャリア・働き方 回答期間: 2016年3月17日 (木)~24日 (木) 回答済み人数: 2016人

 2017年度開始が予定されている新専門医制度について、議論が紛糾しています。開始時期を延期するよう求める声もあり、3月14日には社員総会が開かれ、日本医師会の代表者は、まず厚生労働省に設置される会議の議論を踏まえ進めることを求めましたが、 日本専門医機構は2017年度開始を維持したい考えです。先行きが不透明な中、開始に向けた準備は進められています(『新専門医制、予定通り開始?延期?それとも……?』参照)。m3.com医師会員のご意見を伺います。
新専門医、6割近くが「延期すべき」

 2017年度の開始予定が迫る中、延期を求める声が出ている新専門医制度。m3.com医師会員に新専門医の申請状況や延期に対する意見を伺いしました。

 申請状況では、勤務医の11%、開業医の7%が既に更新または申請を済ませたと回答。勤務医の54%、開業医の37%は申請する予定だとしています。一方で、現在、学会専門医を持っているものの、新専門医を申請しないとしたのは勤務医の24%、開業医の34%。その大半は学会専門医を続けるが、新専門医や新更新基準では取得しないとしています。専門医を持っておらず、今後も持つ予定がないとしたのは全体の13%。日本の医師全体では3割強が専門医や認定医の資格を持っていないと言われるため、専門医資格の保持者で同制度に興味のある方が回答して下さったようです。

 延期の是非については、「延期すべき」が開業医、勤務医ともに過半数を超えました。延期賛成派は開業医54%、勤務医59%で、勤務医の方が延期に肯定的な意見が多いようです。延期に否定的な意見としては、新制度について「問題はあるが、延期する方が混乱が大きい」との考え方が勤務医で比較的高い支持(11%)を得ました。開業医では、専門医を持っていない人が多いこともあるのか、「どちらとも言えない」と答える人が36%と多い傾向にありました。

 問題点を選択肢から複数選んでもらったところ、最も票が集まったのは「基幹研修施設が都市部・大病院に限られている」。開業医の56%、勤務医の61%が選びました。続いて多かったのは、「日本専門医機構のガバナンスが不透明」で、開業医の49%、勤務医の47%が選びました。地方医療への悪影響の懸念や、この段階で延期を求める声が出てくる日本専門医機構への不信感が根強いようです。

 回答者総数は2016人で、内訳は開業医449人、勤務医1567人でした。

 新専門医制度への期待や懸念を自由回答でお寄せいただいた結果は、下記と医療維新でご紹介します。多くのご回答、ありがとうございました。

Q1 新専門医制度(および新更新基準)で、専門医の取得・更新 の申請する予定ですか?
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開業医 : 449人 / 勤務医 : 1567人
※2016年3月24日 (木)時点の結果

Q2 2017年度からの新専門医制度は、延期すべきだと思いますか?
04022_20160403061940c55.jpg
開業医 : 449人 / 勤務医 : 1567人
※2016年3月24日 (木)時点の結果

Q3 新専門医制度にはどのような問題点があると思いますか?選択肢から当てはまるもの全てお選びください。(複数・任意回答)
04023_20160403061939c4d.jpg
開業医 : 445人 / 勤務医 : 1544人
※2016年3月24日 (木)時点の結果

Q4 新専門医制度で、懸念される悪影響あるいは期待される良い影響はありますか?ご自身の状況(取得状況や指導医、専攻医などの立場)と合わせて教えてください。(任意回答)

自由回答を紹介します。

 多かったのが、「分からない」という回答。制度内容についても、意図や意義についても「分からない」と困惑する声が多数でした。全体として、悪影響を懸念する声が大多数でしたが、新制度への期待の声も一部ありました。

・この制度の質が担保されれば、インターナショナルな資格になれるのではと期待する。【勤務医】
・これをきっかけに、地方で働く医師の減少と、地方国立大学医学部の統廃合が進むことを期待する。【勤務医】
・良い影響としては、後期研修が大学中心となり、地方に残る可能性があること。【勤務医】
・よりアクティブな専門医を育成する上では従来のシステムは淘汰されていかざるを得ない。【勤務医】

 また、問題はあるとしながらも、始めるべきだとの声もありました。

・スタートした上で、徐々に改善していくことが必要ではないか。【勤務医】
・広報不足で、混乱している状況。しかし、突っ走る方がいいでしょう。誰もが満足するような制度はできるわけがないから。【勤務医】
・現段階では不明確な部分が多いので、しばらく運用してみないと分からない。【勤務医】

 以下、懸念の声を紹介します。

【地方医療の崩壊】

・初期研修医を地域の病院で育てていることは、継続性を持って専門医教育も行い、その地域に根づいた専門医を育てる目的もあるはず。今回の新専門医制度下では、大都市圏以外では、専攻医の教育はほぼ大学が担うことになる。地域の病院に初期研修医として研修する意味もなく、指導医も将来自院で勤務しない研修医の指導を行うモチベーションはもはや失われるだろう。地方病院は崩壊する。【勤務医】
・僻地医療に携わる医者は、単位を獲得するため任地を空けることが難です。【勤務医】
・医師が都市部にさらに偏在する。【勤務医】
・開業、特に婦人科の場合、一人開業医の医師が資格を更新するにはハードルが高い。地方医療、過疎地の産婦人科をつぶすことになりかねない【開業医】
・過疎地域の医師不足が加速する恐れがある。専門医研修にカウントされないので若手医師を田舎の病院に派遣できなくなる。【勤務医】
・研修医に人気の都市部の病院は生き残り、地方の病院は若手がいなくなる。【勤務医】

【取得が困難になる】

・IVRを主体に働いています。読影もします。さまざまなニーズにあった制度にしないと大学病院にいても取れない制度になりそうです【勤務医】
・新専門医の維持は大変で、まともな診療をやっている医師で更新はなかなか難しい。サブスペシアリティ専門医資格を後輩が取るために、専門医、指導医資格を維持しているだけと思っている。【勤務医】
・カリキュラムの拘束時間が多く、大学病院の医師向けである。【勤務医】

【インセンティブを求める声】

・これまで専門医としてのメリットをあまり感じたことがないので、せっかく改革するのなら、更新や資格取得によって診療報酬が大きく変わるなどのメリットがあると良いと思う。今年の学会は平日~土曜の午前までと地方在住の開業医では参加できないものが多いので、新たな研修も休診にして遠方に行かなければならず、在宅診療を続けるのが困難となってきた。【開業医】
・医師個人としての新専門医取得によるメリット、デメリットが不明確。【勤務医】
・科ごとに、本専門医を取得することで得られる結果が異なるので、インセンティブで答えるべきである。例えば外科は専門医だけでは一人前でなく、消化器外科専門医、大腸専門医とさらに必要なのに、麻酔科はこれだけで一人前である。【勤務医】
・現行の専門医制度より基準を高く設けているようだが、苦労して取っても名誉職扱い程度なら今と変わらないので、あえて新制度にする意義を感じない。【勤務医】
・現行の訳の分からない専門医が乱造され、学会の金儲けになっていることを打開するのはいいことだと思う。しかし、専門医を取得または更新しても何のメリットも保障されていないことには納得できない。【勤務医】

【スケジュールが遅い】

・そもそもこの専門医制度で鳴り物入りで登場した総合医については、3月になってからようやくプログラムの概要が発表されましたが、他施設との連携や指導医の調整など今から開始して、どうやって期限までにプログラムをまとめるというのか。2016年にプログラムを公示し、初期臨床研修修了予定者に募集をかけるには、明らかに進め方が遅いと思います。また基幹施設が都市部・大病院、大学病院に限られるので、専攻医は1年程度地方の連携施設にドサ回りさせるとしても、待遇としては都市部の基幹施設+都市部の連携施設の方がはるかによろしい。専攻医が都市に集中するのは明らかです。地方での医療崩壊を狙っているとしか思えない。【勤務医】

【指導医の負担】

・ますます大病院志向となりそうです。また、指導医の負担が一層大きくなりそうです。【勤務医】
・もっと指導者の基準を上げるべき【勤務医】
・教育の提供が無償でボランティアに近いのに規則がきつすぎる。末端の実動部隊の医師は辛すぎます。【勤務医】
・マンパワー不足で臨床につぎ込むリソースが不足する。【勤務医】

【ローテートが長い】

・ローテート期間が初期と合わせて5年となり、お客様扱い・主治医としては任せられない状態(責任感が育たない)期間が延長する。実質的人員減となるので基幹病院の診療が状況によっては破綻する。【勤務医】
・なぜ3年も要するのか?医療全般を研修させるというお題目で新臨床研修医制度を開始したはず。【勤務医】

【女性医師への影響】

・家庭持ち、子持ちの専門医には資格維持のための基準が厳しすぎる。専門医取得を志す意欲が低下してしまう可能性あり。【勤務医】
・産休中だが、いきなり変更になって、基準が変動して困る。【勤務医】
・子育てとの両立が困難。遠方での学会など。【勤務医】

【不安の声】

・基幹研修病院を離れているため、せっかく取得した専門医の更新が困難になるのではと不安視している。【勤務医】
・研修医を終えてからすぐに専門領域に進み、マイナーな領域だったので親学会の必要性はなくて入会していなかった。60才を超えてから親学会の専門医を取れとは、専門領域で生きてきた者には無理です。専門医としての能力を否定するような制度は要らないでしょう。地方の小児療育施設のような小さいところでは、親学会へも専門学会へも皆が同時に行くわけにはいきませんし、臨床に追われてペーパーなども難しいです。【勤務医】
・現場の医者に対する広報が足りなすぎる。2017年と言われても、何も聞いていないし、それが学会の専門医とどう違うのかさえ周知されていない。各学会の立場も違うからかもしれないが、なんの通達もない。学会誌に載せればいいものではなく、なにか手続きが必要なものであるならば、各専門医・認定医に個別に告知してもらわないと、忙しい日々で学会誌の隅から隅まで熟読している暇などない。今のところ、日本内科学会からはなにも話がない。日本神経学会からも...【勤務医】
・現在初期臨床研修1年目、ちょうど2017年度新専門医制度開始から後期研修開始の医師。新専門医制度について告知がほぼ全くない状態で病院を探さなくてはいけない。専門医制度自体は反対しないが、十分な情報を開示せずスタートはあり得ない。「インフォームドコンセント」の理念に則ってないです!!【勤務医】

【総合診療医について】

・新制度の売りの一つである総合診療医の制度が練れておらず、なり手がなく計画倒れになると予想している。【勤務医】
・専門分化が強固になるほど、総合的・全人的医療が毀損される可能性が高い。(現時点でも既に同様な状況)また総合診療という専門領域はない。【勤務医】
・専門医を取らない医師が増えると思います。総合診療医のコンセプトが不明と思います。ほとんど内科と同じように感じます。【勤務医】

【制度の矛盾】

・専門医制度は、純粋に専門知識が豊富で、経験が長い医師が資格審査をして決めるべきで、官僚が関与すべきでない。しかし、専門以外の知識も優れているとは限らないので、診療報酬に差を付けるべきでない。患者側が医師を選ぶ基準になればよい。【開業医】
・専門医制度は、専門医・指導医と認定される医師の臨床的知識と技量が十分であるかを判断すべきであるのに、指導医認定基準に大学の研究実績を判断基準とする「学位」を必要条件としている科があった。新専門医制度ではこのような基本理念を無視して大学の利益のために理念を曲げるような解釈を許さず、専門医制度の基本理念が確実に履行されることを期待する。【開業医】

【誰のための制度か】

・医療のための専門医制度でなくてはならないのに、専門医制度のための医療をすることになってしまう。【勤務医】
・医療制度は、現場で起きていることを認識してから改革すべきと思います。机上の理想では語れない。【勤務医】
・新たにお金を取られるという印象が強い。【勤務医】



https://www.m3.com/news/iryoishin/409613
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画「医師&一般人 緊急アンケート」
過剰な延命介入、保険から外すべき◆Vol.11
m3.com医師会員【自由意見3】

2016年4月2日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆高齢者医療、延命医療:制限が必要

【30代】
・老い先短い老人と、これからの未来を担う子供と、どちらに限られた資金を投入しなければならないかは誰が考えても明らかである。しかしながら、高齢者の票を失うことが怖い政治家に大胆な改革ができるとは思えず、特に余剰資金を持つ老人たちに、ぜひ未来への投資(=子供のために何ができるかを考えること)をお願いしたい(30代、500床以上)

【40代】
・透析医療をしています。寝たきり、認知症の方の透析導入も増えています。個人的には85歳以上の方、上記の方には透析導入を勧めていません。ご家族とよく話し合いの上、自宅で天寿を全うし、感謝されたこともあります(40代、200床未満)
・後期高齢者に対する抗がん治療(化学療法、手術、内視鏡治療含む、緩和的処置を除く)および救命・延命治療(気管内挿管、人工呼吸管理、透析、体外循環など)を保険給付外とする(40代、200床~500床未満)
・延命治療についての自己負担が上がる仕組みを検討すべき(40代、200床未満)
・高齢者の医療給付の制限については、社会活動性の高い患者の急性期疾患については、通常の給付を行うようにするなどの工夫が必要と思われるが、見込みの少ない状態での過度の給付を行わないようにする制度設計は、裁判を回避できる仕組みと合わせて必要と考える(裁判で給付すべきとの判断が出ては、実効性が薄れるため)(40代、200床~500床未満)
・外来診療の医療などは削減しても、たかが知れている。終末期医療に過剰なコストをかけないようにすることが効果的だが、生死がかかっている部分の制限は反発が大きいので手を付けられずにいるように思う(40代、診療所)
・元気で意思疎通可能な高齢者への医療と、意思疎通もできず今後回復の見込みがない症例の延命・介護を一緒にしないでほしいです。高齢者への過剰な延命介入は、保険診療から切り離していただきたい。そして介護施設など充実させ、現実的な家族負担を減らし、年金施策と合わせて考えていただきたいと思っています(40代、その他)

【50代】
・国の責任で「これ以上の長寿社会は望まない」旨の声明を出し、高齢者医療を削減する方向に舵を切るべきと考えます(50代、500床以上)
・安易に医療にかかる意識を変える必要があろう。また、高齢者にどこまで積極的な高度医療をするかは検討しなければならないのではないか(50代、200床~500床未満)
・自己意思表明ができないレベルの寝たきり老人へのPEG造設による延命は制限すべき(50代、200床~500床未満)
・定年時に事前指示書を記載させ 、本人の希望しない延命治療を制限すると無駄な医療費が減らせると思う(50代、200床~500床未満)
・高齢者の医療負担について。高齢者の医療費の自己負担の割合を増加、特にかかりつけ医ではない場合の医療機関ではさらに負担の増加を考えてもよいのではないかと思われる。自己負担が1割ということで、医療機関を複数受診しているケースがとても多くなっているという現状がある(50代、200床未満)
・超高齢者に対する新規の高度医療の保険適応、延命的な医療の保険適応に関して、積極的に制限しないともたない。生活保護者に対する医療の現物給付に関しても、5%程度の自己負担を求めるべきだ。自由開業制も放棄しないと、現状では高度な病棟医療を提供できない。自由開業は例えば60歳上でないと禁止とか(50代、200床未満)
・高齢者に関わらず意思疎通の取れない寝たきり患者の治療継続には、保険適応をしない方向が必要と考える(50代、200床未満)
・日本でタブー視されている「死」に対する教育を行わないと、「死」が受け入れられない→医療費高騰との流れはなかなか変わって行かないのではないでしょうか(50代、診療所)
・高齢者の無駄と思われる延命処置および末期状態の救命処置を、100%自己負担とするとよい(50代、診療所)
・急性期病床が多すぎるのを減らせばある程度効果が出るが、医療費が増えるのは高齢化で仕方がない。老人の透析や抗がん剤の投与は控えて、ケアを主体にするべきであろう(50代、診療所)
・終末期医療に金をかけ過ぎ。10パーセントの患者が医療費の50パーセントを使うのはおかしい。そこにメスを入れないと医療費は減らない(50代、診療所)

【60代】
・患者の年金を家族が利用しており、年金受給維持のために延命治療を要求する家族にどう対応するかが課題、これを解決すれば医療費と年金財政問題が一度に解消する(60代、200床~500床未満)
・老衰で食事が食べられなくなったときの経管栄養は基本的には保険から外す。療養病院で行う治療をどこまでといった指針を出し、必要以上の治療を行わない。かかりつけ医が看取りを行い、「夜間は救急へ」ということをさせない。少なくとも診察し、紹介状を書いてから病院に送る。開業の自由市場を制限する(60代、200床~500床未満)
・高齢化が進んでいく中で、高齢者の医療費負担について考えていかねばならないと思う。生活保護の患者や、高齢者の透析患者の医療費負担にも制限をしていくことを考えていかねばならないのではないか(60代、200床~500床未満)
・在宅看取りの拡充など、超高齢者の医療費には削減余地が高いと思います(60代、200床~500床未満)
・透析医療の導入基準、補助の対象の見直しが必要になっている。延命としての透析医療を望まない患者、家族が増えている実感がある(60代、200床未満)
・無意味な延命は自費でお願いしたい(60代、200床未満)

【70代以上】
・平均寿命を超えた場合の定期検診、延命のみの治療は疼痛緩和、常識的な保存療法以外は、100%自己負担にする(70代以上、200床未満)



https://www.m3.com/news/general/413181
前立腺がん検査用の針、洗浄して使い回す 山梨の診療所
2016年4月2日 (土)配信 朝日新聞

 山梨県都留市の診療所「東桂(ひがしかつら)メディカルクリニック」(浜本敏明院長)が、前立腺がんの検査で用いる使い捨ての生検針を、複数の患者に洗浄したのち使い回し、県の指導後も使い回しの事実を多くの患者に伝えていないことがわかった。生検針の使い回しには、ウイルスや細菌などの病原体が身体に入り引き起こされる、様々な感染症のリスクがある。県は再調査を検討している。

 生検針は先端が2重の筒状で、くぼみがある。肛門(こうもん)から挿入し前立腺の組織を切り取るため出血することもある。製品の説明書で「再使用不可」とされている単回使用器材で、使い回しは禁止されている。厚生労働省の通知でも不適切とされている。

 山梨県は2013年7月の立ち入り調査で生検針の使い回しの実態を把握。診療所に対して、再使用を行ったすべての患者や家族に説明と謝罪をし、血液検査するよう指導した。診療所は同年12月、指摘のすべてを実施したという内容の改善報告書を、県に提出。再使用は診療所を開設した04年から13年3月まで行われ、163人が対象とされている。

 だが、生検針による検査を受けた患者のうち、今年2月時点で朝日新聞が接触できた28人は、使い回しに関する説明や謝罪はこれまで一切受けていないと話している。県内在住の男性患者(64)は、「検査後も何度も院長の診察を受けているのに、一切そんな話は出ていない。裏切られた気持ちでいっぱいだ」と憤る。

 医療法は、行政の指導に対し虚偽報告した場合、20万円以下の罰金(74条)と規定。県医務課の担当者は、「改善報告書に虚偽があると判明した場合には対応を検討したい」と話す。

 同クリニックの代理人弁護士は、薬品で洗浄したうえで「再使用は13年まで行っていたが、県からの指摘以前にやめている。ただ単回使用器材の再使用に法的規制はなく、医療施設の裁量に任されている」としている。また県の立ち入り調査後、「被検者全員に対して再使用の事実を伝えている」という。(風間直樹、榊原織和)

     ◇

 日本泌尿器科学会専門医の馬場克幸医師(聖マリアンナ医科大学非常勤講師)の話 前立腺生検針は針のくぼみに切り取った組織を入れるため、内腔(ないくう)が狭く長い複雑な構造になっている。物理的に十分な洗浄、滅菌ができるかには疑問があり、感染症のリスクは残る。一般的にこうした再使用が行われることはない。


  1. 2016/04/03(日) 06:23:39|
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