Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月27日 

https://www.m3.com/news/general/411383
群馬大病院、第一外科も高死亡率…肝臓手術
事故・訴訟 2016年3月27日 (日)配信読売新聞

 群馬大学病院第二外科(前橋市)で、手術後に患者の死亡が相次いだ問題で、日本外科学会による死亡症例の調査結果が明らかになり、第二外科の肝臓手術の死亡率が全国平均の約10倍に上っていただけでなく、第一外科でも平均の約4倍の高率だったことが、26日わかった。

 高難度の膵臓手術では、第一、第二とも死亡率は平均の約2倍。診療記録の不備も共通しており、第二外科にとどまらない深刻な問題が浮き彫りになった。

 同学会は、群馬大が設置した第三者による調査委員会に委託され、第一、第二外科で2007年度から8年間の肝臓や膵臓など消化器の手術を対象に調査。死亡した患者のうち50人については診療内容を精査した。

 その結果、肝臓手術については、第二外科の死亡率が11%と極めて高かっただけでなく、第一外科も4%に上った。膵臓手術については、膵臓と十二指腸を切ってつなぐ高難度手術の場合、両科とも死亡率は5%を超えていた。



http://www.asahi.com/articles/ASJ3W5GK0J3WULBJ004.html
術後死亡の43人、安全管理部門に報告せず 群馬大病院
2016年3月27日21時16分 朝日新聞

 群馬大病院で肝臓手術を受けた患者が相次いで死亡した問題で、外部の有識者でつくる医療事故調査委員会は27日、過去8年間に死亡した50人のうち43人が、院内の医療安全管理部門に報告がされていなかったことを明らかにした。医学的な検証を委託していた日本外科学会から調査結果が示された。

 上田裕一委員長によると、学会は、2007~14年度にあった肝臓や膵臓(すいぞう)などの手術で、術後に病院内で死亡した64人のうち50人を詳細に調べた。死亡率も調査し、肝臓手術では、問題が指摘されている40代の男性医師(退職)が所属していた旧第2外科と、旧第1外科とも全国平均より高かったと調査結果に書かれているという。

 関係者によると、肝臓手術の死亡率は旧第2外科が11%、旧第1外科が4%という。

 委員会は学会の調査結果を踏まえ、5月下旬にも報告書をまとめる予定。



https://www.m3.com/news/iryoishin/411388
シリーズ: 真価問われる専門医改革
社会医学系専門医、2017年度から専攻医受け入れへ
研修プログラム整備基準など、パブコメ募集へ

レポート 2016年3月27日 (日)配信成相通子(m3.com編集部)

 日本専門医機構の新専門医制度が開始するのに合わせ、日本衛生学会や日本産業衛生学会、全国保健所長会など10の学会・団体で構成する「社会医学系専門医協議会」は3月26日、「社会医学系専門医」について、早ければ今秋から専攻医の募集を開始し、2017年度から専攻医の受け入れを始める方針を示した。3月30日に専門研修プログラム整備基準、専攻医マニュアル、モデルプログラムの案を公開し、4月27日までパブリックコメントを募集する。

 社会医学系専門医制度は、社会医学領域の医師のキャリアパスの明確化やその研修プログラムの体系化や向上が目的。日本専門医機構の新専門医制度と同様、二階建ての構造で、10の団体・学会で共通の「社会医学系専門医」を3年間かけて取得し、その後にサブスペシャルティに進む。共通部分の社会医学系専門医は、「行政・地域」「産業・環境」「医療」の3分野を経験することを課題とし、「行政」「職域」「医療機関」「教育・研究機関」の4つの場で研修する。

 1階部分となる社会医学系専門医では、モデルプログラムも4つの場に合わせた4種類のプログラムと、社会医学系で共通となる知識や経験を身に付ける共通プログラム1つを整備し、 専攻医は主分野と副分野を選ぶ仕組みになる予定。同協議会に参加する日本産業衛生学会は、産業医の学会専門医資格を認定しているが、今後、社会医学系専門医の制度が確立すれば同資格を「サブスペシャルティにすることも検討している」(日本産業衛生学会理事の森晃爾氏)という。具体的なサブスペシャルティの領域は同協議会で検討中だ。

 社会医学系の専門医は、2017年度開始予定の日本専門医機構の新専門医制度が、臨床系の19の基本領域を対象にしていることを受け、2015年6月に社会医学系の10学会・団体が制度の確立に向けた提言を公表(『社会医学、独自に「専門医制度」設立へ』を参照)。同年9月に10学会・団体で「社会医学系専門医協議会」を発足。委員会やワーキンググループで研修プログラムの内容や認定方法、組織の在り方などを議論してきた。

 3月23日の同協議会会議で、専門研修プログラム整備基準、専攻医マニュアル、モデルプログラムの案や社会医学系専門医の方向性などが了承された。整備基準等は社会医学系専門医協議会のホームページhttp://shakai-senmon-i.umin.jp/で3月30日から公開する。 プログラムの基幹施設の基準や指導医の認定基準は検討中だが、2016年度中に「指導医マニュアル」や「実績記録システム」を完成させる方針。5月からは制度や研修プログラムの説明会を開催する。

 日本専門医機構の新専門医制度との関係や、臨床の専門医との往来や両者の専門医取得などの問題については、今後も重視して検討する。日本ではこれまでにない新しい制度となり、「ゼロからのスタートなので、中長期視点で次第に向上する仕組みを作りたい」(日本公衆衛生学会理事の今中雄一氏)としている。
 同協議会は、日本衛生学会、日本産業衛生学会、日本公衆衛生学会、日本疫学会、日本医療・病院管理学会、日本医療情報学会、全国保健所長会、地方衛生研究所全国協議会、全国衛生部長会、全国機関衛生学公衆衛生学教育協議会の計10団体で構成。追加で参加を希望する学会については、今後規約などを議論する。

◆社会医学系専門医制度の理念
・個人へのアプローチにとどまらず、多様な集団、環境、社会システムへのアプローチを中心として、人々の健康の保持・増進、傷病の予防、リスク管理や社会制度にかんしてリーダーシップを発揮する専門医を養成する。もって、多世代・生涯にたる健康面での安全、安心の確保と向上に寄与する。



https://www.m3.com/news/iryoishin/411194
シリーズ: m3.com意識調査
「亡くなった患者が枕元に…」体験談◆Vol.1
「科学で説明できない不思議なこと」

レポート 2016年3月26日 (土)配信成相通子(m3.com編集部)

 m3.com意識調査で3月15日から21日にかけて、「科学では説明できない不思議な出来事」について尋ねた(調査結果は『病棟に幽霊?見たことある?』を参照)。自由回答で寄せられた体験談を紹介する(その他、『「必ず出る当直室…」体験談◆Vol.2』を参照)。

<偶然?病棟での不思議な出来事>

・CCUで同じベッドに寝た患者が毎日同じ時間に死んだ。【勤務医】

・深夜に緊急手術のため、病棟からオペ室のある下の階にエレベーターのボタンを押しているのに、最上階の病理解剖室へ上がって、さらに押してもいないエレベーター内の反対側の自動扉が開いて、さも解剖室に入るよう促された。【勤務医】

・夜間に食道静脈瘤破裂で亡くなった患者さんがいました。亡くなる日の朝、患者さんが家族に頼んで持ってきてもらった赤い座布団があるのですが、私が看取りをして病棟のエレベーターに乗ると、エレベーターの手すりにその座布団がぎゅうぎゅうに挟まれていました。すごく怖かったです。【勤務医】

・地方の300床程度の市立病院でのことです。徘徊により夜中の11時半に、病棟3階の非常階段から転落して亡くなられた認知症の患者さんがいました(通常施錠されていますが、その時は施錠されていなかったのか問題となりました)。
 その後、対策の一環として全病棟の非常階段に人が通ると詰め所のセンサーが鳴るように設置されましたが、その患者さんが転落した非常階段のセンサーだけ毎晩11時30分前後に鳴るようになりました。初期不良等も考え取替えもしましたが鳴り止まず、お払い等もされましたが、効果はありませんでした。私が当直で病棟にいる時も鳴りました。看護師たちとびくびくしながら様子を確認に行きましたが、誰もいませんでした。詰め所から非常階段まで一本道突き当たりですので、いたずらもあり得ません。入院患者も基本的に四肢が不自由な方が多いです。
 45日過ぎたあたりからパタリと鳴り止みました。特に影を見たとか、そういう話は看護師からも出ていません。センサーだけでした。霊体験など一切信じない私ですが、不思議なこともあるものだと思っています。患者様のご冥福をお祈りいたします。【勤務医】

・深夜0時、医局に誰もいなかったので、消灯して病棟に向かって5mほど歩いたところで、学会で外国に行かれているはずの先生のPHSから電話があり、おかしいなと思いながらも電話を取ったが、無言であったため10秒ほどで切った。すぐにかけ直したところ、誰もいないはずの真っ暗な医局で呼び鈴が鳴っていた。ちょっと怖かった。【勤務医】

・大昔、慢性期疾患を管理する病院に当直バイトに行っていた時のこと。その病院にはベッドから動かない認知症の高齢の方が沢山いました。その中の一人にほとんど会話が通じないあるお婆さんがいました。そのお婆さんが、深夜に自室からはって抜け出し、他の病室の前に佇んでいるのが発見される時がありました。
 不自由な体でベッドから降りてほふく前進のようにはって行くので、かなり時間はかかると思うのですが、そのおばあさんが廊下を移動する姿を見た者は誰もいませんでした。そして、そのお婆さんが佇む病室では、必ず誰かが亡くなっていました。沢山ではなく、3回くらいでしたがいまだに謎です。4回目はご本人だったのでしょうか。思い出し、想像するたびに背筋が寒くなります。【開業医】

・入局して1年経った頃です。学会に出張している際にある受け持ち患者さんが急変致しました。当時は携帯などは当然なし。ポケベルも出始めで県内でしか通じません。場内アナウンスで呼び出され、その事実を知り、発表終了後、即、病院へと帰りましたが、看取りには間に合いませんでしたが、ご家族の到着を待っていたため、病室にそのまま安置された状態でした。私が病棟に着くなり、誰も居ないはずの遺体を安置しているその病室からナースコールが…。実際誰も居ませんでしたが、不思議と怖くなかったことを覚えております。【勤務医】

・別々の病棟で二人の患者が危篤状態となった。一人は程なく亡くなり、もう一人は回復した。回復した患者と話をすると、三途の川らしきところを渡ろうとしていたら他の人に先を越されて渡れなかったので戻ってきたという。その患者の話すには、先を越された人の姿形は同時に重篤化して亡くなった方の患者によく似ていた。もちろんこの二人の患者の間には全く面識がない。【勤務医】

・AAVで急変してICU入りした人が、家族が先祖の問題か何かに気が付いて、それを解決したら病状がよくなった。その患者さんは、「三途の川を渡る経験をした」と語った。【勤務医】

<見えないはずのものが見えた>

・以前在籍していた病院のN棟のあるフロアーの処置室の隣の病室は、いつも必ず子供が覗いていて気になると入院患者からナースコールが入る。もちろん小児科病棟はN棟には存在しないし子供が入ってくるような病棟ではない。【勤務医】

・私の経験ではなかったですが、急性脳症で挿管されていた子供が亡くなったあとで何人かの入院中の患者さんが、口に管を加えた子供がいたと言っていらしたらしいです。【勤務医】

・深夜に病院の玄関の前で若い女性が閉まっている自動ドアをすり抜けていき、消えたのを見た。【勤務医】

・以前勤めていた国立病院は、前身が陸軍病院だったそうです。入院中の患者さんから、「夜中に兵隊さんが歩いていた」と訴えがあったことがありました。自分は見たことなかったですが。【薬剤師】

・研修医になって数日、初めて死亡確認をして、病理解剖をさせていただいた患者さんがその夜、病棟当直室に挨拶しに来てくれた。【勤務医】

・受け持ち患者が亡くなる際に夢枕に立った。【勤務医】



https://www.m3.com/news/iryoishin/411200
>「必ず出る当直室…」体験談◆Vol.2
「科学で説明できない不思議なこと」

レポート 2016年3月27日 (日)配信成相通子(m3.com編集部)

 「科学で説明できない不思議なこと」について尋ねたm3.com意識調査(『病棟に幽霊?見たことある?』)の自由回答を紹介する(その他、『「亡くなった患者が枕元に…」体験談Vol.1』を参照)。

<当直室での出来事>

・鍵のかかる仮眠室の2段ベッドの下で寝ていた時、夜中に上の段に上っていく足音が聞こえた。「お疲れさま」と言って寝たが、翌朝鍵がかかっていることに気が付いた(鍵は1つしかない)。【勤務医】

・当直すると、医局員のほとんどが金縛りやら何らかの心霊体験をする当直室がある。【勤務医】

・入院されていない義眼の患者さんに、真夜中、入院着で当直室を訪問された。翌日、看護師さんたちに聞いても誰もそんな患者さんのことは知らなかった。【開業医】

・金縛りにあい、当直室の枕に顔を押し付けられた。【勤務医】

・当直時に、人の気配がして目が覚めた。その後に、ナースから患者が急変したとのコールがあった。【勤務医】

・当直室で医師3名が毎週見たというので、患者さんまで不安になりお祓いしてもらいました。【勤務医】

・当直室で寝ているとき、金縛りにあって周囲を白い影がぐるぐる回っていました。また会ってみたいですね('ω')ノ【勤務医】

・当直室のそばに池があるのですが、その池の見える窓から、白装束の若い女性水面に立っているのが見えた!【勤務医】

・使っていないはずの隣の医局の部屋から会話する声が聞こえてきた。当直していた時にほぼ朝まで。静かだが気に障った。違う科の医局だから文句も言えなかった。後で聞いたのだが、開かずの間だった。分け合って使っていない部屋だった。聞いてからぞっとした。【勤務医】

・副院長が亡くなった時に、医局に入る気配、音を感じた。その時、当直室で休んでいた。 同時刻に、副院長が亡くなったことを翌日聞いた。副院長は医局が好きだった。余剰次元、10次元など解明できていない仮説が多々。ただし、霊感商法など悪用が多過ぎるのも事実。【開業医】

・ICUの病状説明室で仮眠を取る時があるが、震える程の異常な寒気を感じる時がある。当直室など他の場所ではそういうことは起きない。【勤務医】

<救急病棟にて>

・以前勤めていた外傷病院の手術場の天井を歩く足音は何度も聞いた。同じ病院二階にあるICUの張り出し窓の外からのぞく顔を1回見た。そのICUの一番奥のベッドにチラ見で家族が2-3人いたので看護師に尋ねたら、そんな患者はいない、誰もいないと言われ見直したらその通りだった。その後の沖縄県の病院でグループで回診していたら、男の子が病室の廊下を駆け抜け、非常階段の方に行ったので、すぐあとを追いかけて見たところ誰もいなかった。複数で経験した。まだまだたくさんありますよ。【勤務医】

・研修医の頃、ICUの奥にあるベッドで休んでいると足首を妙に触られた。最初は仲のいい看護師が夜勤をしていたんでイタズラかなぁと思い、やめて疲れてるからと言った。その後も続き朝になって聞くと、知らないと言われた。【勤務医】

・救急病院で当直時、緊急搬送の音(声やストレッチャーを動かす音)がして人影も見たが、実際には搬送は無かった。【開業医】

・救命センターができた当初に当直していたが、まだ使用していない2Fのナースコールが夜中に突然なったので一緒にいた研修医師とびっくりした。【開業医】

<何かを「感じる」出来事>

・エレベーターで安置室のある階に降りたとき、体が物凄く重たくなった。【勤務医】

・昔精神病院の当直のバイトをしていたときのことです。古いカルテを保管している長い部屋の前を通り過ぎるとき、淡い光の電灯がともるその部屋から、大勢の視線を感じてそちらを向きました。が、何も見えません。しかし、明らかに人の気配は感じるのです。単なる錯覚かとも思ったんですが、それは一度ではなく何回もありました。結局カルテの中にしか生きた証がない患者さんたちの魂が呼んだのでしょうか。【開業医】

<看護師の体験談>

・夜間巡回中、肩をたたかれて振り返ったら誰もいなかった。【看護師】

・夜勤の時に鍵のかかった個室からナースコールがありました。【看護師】

・夜勤仮眠中に金縛りにあった。その時に身体の上に老人(男性)が乗っていて、次に気が付いた時にはいなくなっていた。【看護師】

・夜勤帯ラウンド中、携帯している院内PHSが鳴ったがおむつ交換中で出られなかった。手が空いてすぐに折り返したが今度は相手が電話に出ず。ラウンドが終わり、ナースステーションに戻ってPHSを鳴らしてきた相手に何があったのかと聞いたら電話なんてしていないと。実際PHSを携帯しておらず、ステーションの充電器に立ててあった。【看護師】

・夜間、点滴スタンドを押している音が聞こえてきたため廊下に出てみたが、誰もいなかった。近くの病室には自分で歩ける患者さんはいないのに…【看護師】

<薬剤師の体験談>

・残業で9時過ぎ薬局で調剤していたら、廊下をひたひた歩く音。掛け時計がガチャンと 落ちたので 慌てて廊下に出たら、誰もいない。怖くなって宿直係おじさんに来てもらった。病棟の患者が亡くなられて間もない頃の体験でした。見える人は見えるらしい。意味を見いだすことは困難でしたが。【薬剤師】

・病院の薬局内で宿直時、仮眠していると、廊下を人が歩く気配を感じ「あぁ、また誰か患者さんが間違えて薬局内に入って来ている…」と思いながらうつらうつらしました。良く考えたら、薬局の入り口にはシャッターが下りていて、誰も入ってこられないはずなんですけどね。【薬剤師】

・誰もいないのに散剤調剤のバーコード読み取り機が勝手に何かを読み取り、ピッと音がした。【薬剤師】

・20年以上前、病棟で仕事を終え薬剤部へ戻ろうとした時、向かいの病室より出てきた患者さんに会釈されこちらも軽く挨拶し薬剤部に戻った。何気なく同僚薬剤師に話したら、その患者さんは数日前になくなっていたということでした。【薬剤師】



https://www.m3.com/news/iryoishin/409612
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画「医師&一般人 緊急アンケート」
マイナンバーで医療の“無駄”排除◆Vol.10
m3.com医師会員【自由意見2】

スペシャル企画 2016年3月27日 (日)配信橋本佳子(m3.com編集長)

◆医療費抑制策:無駄排除、予防医療充実、救急車の有料化

【無駄排除】
・医療費については、混合診療の適応を真剣に議論すべき。また、マイナンバーを活用して、複数の医療機関から類似薬が処方されたり、生活保護受給者が無制限に受診したりするのを管理すべき。医療提供体制については、人口当たりの医療機関数を調整するのもいいが、各医療機関の活躍度・貢献度にはかなり差があるので、一概に数で判断するのは危険。それより、各専門医数を制限したり、初期臨床研修時からその後の各地域・各診療科への適正分配を真剣に考えるべき(30代、500床以上)
・社会的入院の数・入院日数が多すぎると思います。これを減らす必要があるように思います(40代、200床未満)
・無駄な処方(複数施設からの重複処方、不適切な処方)を監視するシステムの構築。時代に逆行するが、乳幼児、小児の自己負担は増やし、コンビニ受診を減らす。一方で、予防医学の治療費は無料とする。喫煙者は、たばこ関連疾患に対する治療を保険適応外とする(40代、500床以上)
・マイナンバーを医療にも適応拡大し、全国どこの病院・診療所を受診しても過去の検査歴や処方歴を把握できるようになれば、重複処方や重複検査を削減でき、医療費の抑制につながると思う(40代、200床未満)
・保険医の所得に上限を設ける。医者側の無駄な医療行為を減らせるのではないか(40代、500床以上)
・検査結果および処方内容を、全ての医療機関で共有できると、過剰な処方薬は減るように思う(40代、200床~500床未満)
・性善説に立った医療をまず止める。国はきちんと監査をして不良医療機関をまず退場させる。きちんと審査しない国の機関をまず正す(40代、200床未満)
・医療費における無駄遣いは、(1)医師の自己満足治療、(2)医師の力量不足、(3)患者の勉強不足、(4)患者の我儘、(5)制度上の不備、(6)厚生労働省が医療の素人(医官も経験不足、勉強不足)、(7)各学会が各分野で経済に対する未来を描けない(描く気がない)などなど、原因を挙げたらきりがない。急性期医療、高度医療にプライドを持って取り組んでいる医師の給与は高くないし、看護師は使い捨てのブラック職業である。日本の医療制度は、さまざまな金食い虫の寄生によって、善意ある人々に犠牲を強いているのが現状である(40代、500床以上)
・同じ県内で同じような高度医療機器を競争のようにいくつもの病院で購入するのはおかしい(50代、200床未満)
・電子カルテは全国統一した方が効率が上がると考えます(50代、200床未満)

【予防医療の充実】
・皆保険は日本にとって大事な制度であり、負担増をどうするか以上に、予防医学への投資(資材、人的の両面で)とセットで維持を考えるべきだと思います(40代、500床以上)
・煙草は1箱1500円以上にする。値上げ分は喫煙の関与が証明されている(または強く疑われる)疾患の治療財源とする目的税とする。嗜好品として健康に悪影響を与えるものを摂取しているのだから、非喫煙者と同じ負担では不公平である。高血圧・各種腫瘍等喫煙関連疾患はかなり多い(50代、200床未満)
・喫煙対策や健康診断受診などの予防医療の拡充と、風邪などの時にしっかり休養できる労働環境を整備して,公的健康保険の医療費の軽減を図る(50代、診療所)
・肥満の改善、禁煙などの疾病改善意欲の認められない患者の自己負担割合を増やす(50代、診療所)
・予防医学的な診療(例えばメタボリックシンドロームへの日常生活包括指導)に対して、診療報酬を手厚くしてほしい(50代、診療所)
・命は地球より重い? 医療費抑制には、特に慢性疾患・悪性腫瘍等は予防医学や検診に今以上に力を入れ、早期発見・早期治療を開始し、トータルの医療費削減を目指す。早期発見や治療勧告を受けても従わない者には負担率を上げるとかなどのペナルティーを付加し、社会も個人も努力する……?(60代、診療所)
・疾病の予防のため生活習慣を管理していない患者の自己負担を増やす。例えば喫煙者の肺ガンなどは100%自己負担(60代、診療所)
・さらなる一次予防促進と検診施設の充実(60代、500床)
・年間の医療費が一定額以下だった場合、次年度の保険料を割り引く制度の導入は、健康に対する自己管理を促進するための動機付けになるのでは、と思います(60代、診療所)

【救急車の有料化】
・救急車利用のモラルの低下がひどい。 タクシー代わりに使う救急車は今後、料金を取るべき(30代、500床以上)
・救急車を利用した場合、1万円程度の自己負担があってもいいと思う(30代、500床以上)
・救急車を有料にすべき。医療には多額のコストがかかっていることを周知することが必要(40代、200床~500床未満)
・救急車有料化、生活保護患者からの自己負担徴収、院外調剤の点数削減を強く希望します(40代、診療所)
・救急車の有料化を必ず提言してほしい。ジェネリック薬がなぜ先発品より安く生産できるのかを、明らかにしてほしい。単にジェネリック薬の会社が儲かるような制度には断固反対します(50代、診療所)

【その他】
・柔道整復、あん摩、針灸、漢方薬など医療とは言えないが、医療に含まれているものについて、保険負担を撤廃すればよい(40代、診療所)
・院外薬局の取り分を院内薬局とそろえる。マッサージを医療保険からはずす。柔整を国民健康保険ではない任意加入の独自保険で扱う(70代以上、診療所)



http://mainichi.jp/articles/20160327/ddl/k45/040/173000c
内視鏡誤操作訴訟
延岡市医師会に569万円支払い命令 地裁支部 /宮崎

毎日新聞2016年3月27日 地方版

宮崎県
 内視鏡検査の誤操作で直腸に穴が開いて人工肛門装着を余儀なくされたとして、延岡市の女性(76)が同市医師会に慰謝料など2815万円の支払いを求めた裁判で、地裁延岡支部(塚原聡裁判長)は25日、市医師会に569万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、女性は2013年1月10日、医師会病院で受けた内視鏡検査の誤操作で大腸に傷がついた。同院担当医の処置後も腹痛が続き、うみがたまるなど症状が悪化し、女性は転院した大分大学医学部付属病院で人工肛門をつける手術を受けた。女性はその後、約1年3カ月間にわたって人工肛門をつける不自由な生活を強いられた。

 塚原裁判長は「医師の過失と因果関係のないと思われる請求もある」と、人工肛門装着後に行った自宅浴室などの改装費や治療費の一部の請求は退けた。【荒木勲】



http://mainichi.jp/articles/20160327/ddl/k09/040/022000c
最先端外科治療
中学生36人体験 国福大病院 /栃木

毎日新聞2016年3月27日 地方版

 最先端の外科治療技術を疑似体験して医療への関心を高めてもらおうと、那須塩原市井口の国際医療福祉大学病院で26日、中学生対象の「第7回外科手術体験セミナー」が開かれた。

 公募53人から作文審査などを経て選ばれた県内19校、福島県5校の中学生計36人が参加。開始式では、第1回に参加した金沢医大医学部2年、鈴木崇仁さん(21)=那須塩原市出身=が「医師になるという目標を掲げ、なれるように頑張りましょう」と激励した。

 参加者は6班に分かれ、医師の指導を受けながら、最新型の手術支援ロボットを操作したり、マネキンの腹部に乗せた鶏肉を超音波メスで切開する模擬手術に挑戦したりした。

 医師志望という福島県会津若松市の同市立河東中3年、佐野未有さん(15)は「患者さんを第一に考えられる優しいお医者さんになりたい」と真剣に取り組んだ。

 模擬手術に立ち会った鈴木裕副院長(56)は「人の命を救う医師の仕事の意義と素晴らしさを知って、ぜひ医師を目指してほしい」と話していた。【柴田光二】



http://mainichi.jp/premier/health/articles/20160325/med/00m/010/008000c
麻疹感染者を増加させた「捏造論文」の罪
谷口恭 / 太融寺町谷口医院院長

2016年3月27日 毎日新聞

理解してから接種する−−「ワクチン」の本当の意味と効果【3】

 有名な科学誌に掲載された論文が「捏造(ねつぞう)」だったと聞けば、STAP細胞を思い出す人が多いと思います。科学者の論文捏造というのはどんな言い訳をしても許されることがなく、STAP細胞の論文に携わった人たちは「罪」を背負わなければなりません。今回お話しするのは、STAP細胞よりも遙かに重い「罪」といえる「MMRワクチン論文捏造事件」です。

医療の歴史に傷を残す「MMRワクチン論文捏造事件」

 医学誌「Lancet」1998年2月28日号に「Ileal-lymphoid-nodular hyperplasia, non-specific colitis, and pervasive developmental disorder in children」(直訳すると「小児における回腸リンパ節過形成、非特異性大腸炎、広汎性発達障害」となります)というタイトルの論文が掲載されました(注1)。

 これは英国ロンドン大学のウェイクフィールド氏らが、ロンドン大学病院に入院した12人の小児を対象に行った研究です。12人は元来健康でしたが、全員の腸に異常が認められ、9人が自閉症、1人が崩壊性障害(重症の精神障害)、残りの2人には脳炎の診断がつけられています。ウェイクフィールド氏らは、12人のうち8人はMMRワクチン(麻疹・風疹・おたふく風邪の混合ワクチン)が原因であると述べました。

 この論文がヨーロッパ社会に大きな影響を与えることになります。MMRワクチンを接種しない子供が増え、結果として麻疹(はしか)の感染者が増加したのです。

 実はこの論文が発表されたとき、その直後から疑義の声が「Lancet」に多数寄せられていました。そこで「Lancet」は、著者のウェイクフィールド氏らも交えて論文の信頼性を検討しなおすことになります。そして2004年、論文の著者合計13人のうち10人が、98年の論文は誤りであったとする声明を発表しました(注2)。しかし、ウェイクフィールド氏を含む3人は「論文に誤りはない」とし、取り下げに同意しませんでした。

 その後も各方面から検証がおこなわれ、ついに10年、「Lancet」が最終判断を下しました。ウェイクフィールド氏らの論文に虚偽があったことを認定したのです。それだけではありません。イギリスの保健省は、虚偽を論文に載せた罪は重いと判断し、ウェイクフィールド氏の医師免許を剥奪したのです。

論文撤回後も消せない「誤解」

 ところで、現時点でSTAP細胞の存在を信じている人はどれくらいいるでしょう。科学誌「Nature」に掲載された論文が取り下げられるかもしれない、という時点では、執筆者の小保方晴子氏を応援する声も少なくありませんでした。しかし論文取り下げが決まり、小保方氏の早稲田大学大学院の博士論文にも不正があったことが明るみに出たころから支持の声は急速に減少しました。今でもSTAP細胞を信じている人はごくわずかでしょう。

 一方、ウェイクフィールド氏の論文は、正式に取り下げられるまでに、すでに後戻りできないレベルにまで社会に広く流布してしまいました。冷静に考えれば、執筆者13人のうち10人が虚偽だと認めた04年の時点で、ウェイクフィールド氏が糾弾されるべきだったと思いますが、この時点で既にウェイクフィールド氏を支持する意見が大きくなりすぎていたのです。

 論文捏造の実態を暴くべくマスコミも動きました。ジャーナリストのブライアン・ディアー氏は、論文の対象となった子供たちの親への聞き取りや診療記録の調査を実施し、ワクチン接種後に自閉症などの症状が出たとされる12人のうち5人は以前から症状があり、3人は自閉症ではなかったとの結論を04年に発表しました。しかし、対象の子供の親の中に一度もディアー氏の取材を受けていないと証言する人がいる、などという報道も出てきて、ウェイクフィールド氏支持の声は続いたのです。

 前述のように10年には「Lancet」が正式に論文は捏造だと発表し、ウェイクフィールド氏は医師免許を剥奪されています。ここまでくれば、論文が正しくなかったことは自明だと思われますが、現在でもなお、MMRワクチンが自閉症の原因と信じている人が少なくないと聞きます。

 実は日本でもMMRワクチンには否定的なイメージが残っています。88年から93年まで接種が行われていたのですが、ムンプス(おたふく風邪)ワクチンによる無菌性髄膜炎の発生率が高いことが判明し中止となりました。そのため、日本ではMMRのM(ムンプス)を取り除いたMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)が定期接種で残り、ムンプスワクチンは今も任意接種のままです。

 ところで、ヨーロッパで麻疹流行が再燃したという話になると、「はしかくらいかかってもいいじゃないか」という声がしばしば上がります。確かに日本では「はしかにでもかかったようなもの……」という慣用句があります。これは正しいのでしょうか。次回はその話です。

   ×   ×   ×

注1:この論文の概要は今も閲覧することができます。赤字で大きくRETRACTED(取り下げ)と書かれています。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2897%2911096-0/abstract
注2:声明の内容はこちら
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2804%2915715-2/abstract



http://mainichi.jp/articles/20160328/ddm/003/070/160000c
質問なるほドリ
かかりつけ医、なぜ推進?
=回答・堀井恵里子
毎日新聞2016年3月28日 東京朝刊

大病院と役割分担 病気の重さを判断

 なるほドリ かかりつけ医が推進されてるけど、なぜ?

 記者 専門的な治療をする大病院と地域の身近な中小病院や診療所の役割分担(やくわりぶんたん)を進めるためです。医療機関に支払われる診療報酬(しんりょうほうしゅう)の2016年度改定で、一般的な「かかりつけ医」に加え、原則3歳未満の子供や認知症(にんちしょう)の人を対象にしたかかりつけも新たに評価されるようになりました。

 Q 役割分担ってよく分からないけど。

 A かかりつけ医では風邪(かぜ)をはじめとしてよくかかる病気を診て、大病院では高度な技術が必要な治療を行います。患者さんは、まずは身近な医療機関を受診して、かかりつけ医が必要と判断すれば、紹介状を書いてもらって大病院を受診する流れを想定しています。4月から、紹介状なしで大病院を受診した場合、通常の自己負担(じこふたん)に加えて、初診で5000円以上(歯科は3000円以上)の追加負担が必要になるのは、軽症でも大病院に行くことがないようにするためです。病気の重さを最初に判断するのがかかりつけ医の役割ですね。

 Q 他の国でもかかりつけ医はいるのかな。

 A フランスでは、16歳以上は任意でかかりつけ医に登録します。自己負担は3割です。病院に直接行くこともできますが、自己負担は7割にもなるため、ほとんどの人が登録しています。イギリスの医療は国営で原則無料ですが、「家庭医」とも呼ばれる医師のいる診療所に登録し、原則としてはまずはそこにかかり、必要があれば専門医の紹介を受けます。紹介がなければ専門医を受診できません。予算不足、人手不足で専門医の受診まで長い間待たないといけないという問題も指摘されています。

 Q なんだか厳しそうだね。

 A そうですね。医療サービスを受けるための「門番」のようなイメージもありますね。でも、日本では、かかる医療機関を自由に選べるという「フリーアクセス」が基本的な考え方で、これを大きく変えるのは難しい状況です。紹介状がなければ大病院で追加負担が取られるようになりますが、フランスやイギリスと比べれば緩やかな制限ですね。(政治部)



http://mainichi.jp/articles/20160328/ddm/003/040/159000c
安心のかたち
「かかりつけ」拡充へ 患者との信頼、課題

毎日新聞2016年3月28日 東京朝刊

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 医療サービスの値段である診療報酬改定で、4月からかかりつけ医への優遇措置が拡大する。新たに小児や認知症の人に対する報酬が設けられる。かかりつけ医の広がりが注目される中、国の制度とは別に医師会が独自の認定制度を導入している福岡県の現場を訪ね、課題を探った。

 認定医の一人、福岡市城南区の「しんどう小児科」の進藤静生院長(68)が今月18日午前、小学1年生の岡本純平さん(7)を診察していた。

 「きのうの夜10時に寝たんですけど、4時に起きて38度の熱があったんです」

 母親の洋子さん(37)の説明を聞いた進藤院長はすぐにB型インフルエンザを疑った。2月にA型にかかっていたからだ。純平さんの学級でインフルエンザが流行していることも頭に入っている。検査の結果、陽性の反応が出た。

 洋子さんは10歳の長男が生まれたころから進藤院長をかかりつけ医にしている。子供が深夜に発熱しても電話で指示してくれる。「熱が出ても慌てなくなりました」。言葉には進藤院長への信頼感がこもる。

 福岡県医師会の制度は2014年に始まった。最新の知識や技術などを磨く日本医師会の生涯教育講座の認定を受けた上で、学校医など地域医療活動に取り組むなどが条件。県医師会のホームページで公表され、医師会が電話照会にも応じる。自主的な取り組みだが、4月からは進藤院長は小児のかかりつけの医療機関として申請予定で、3歳未満児については報酬が得られるようになる。

 福岡県医師会は日医の横倉義武会長のお膝元。「医師は自分の専門分野の病気だけ把握していればよいというのはおかしい」と考え、認定制度導入前から普及に熱心だった。

 かかりつけ医充実に向けた国の動きと足並みをそろえるように、横倉会長は、4月から認定制度を全国で実施することを決めた。

 ただ、認定制度がどれだけかかりつけ医選びの役に立つかは見通せない。進藤院長は「患者は口コミで来る人が多い。小児科なら保育園や幼稚園でのお母さん同士の評判が影響する」。洋子さんも勤務先での評判がきっかけだった。

 日医総研の「第5回日本の医療に関する意識調査」(14年8月実施)によると、「かかりつけの医師がいる」と答えた人は、50、60代で6割、70歳以上では8割に上る。一方、29歳以下と30代は3割前後にとどまっているが、いずれも25%程度の人が「いないがいるとよいと思う」と答えている。若い世代でも「かかりつけ医」を望む意見が少なくないことがうかがえる。

 それでも、「かかりつけ医をどう探せばいいのか」との声は多い。答えの一つが福岡県医師会の取り組みであり、これを全国展開させる日医の方針だ。しかし、進藤院長や患者の声を聞くと、認定制度だけで信頼できる医師が広がるとは考えにくい。「認定後」が課題となる。

 横倉会長は「医師側は腕を磨き、情報提供する。あとは患者さんに選んでもらうしかない」。厚生労働省幹部も「患者と医師の相性の問題もある。自分に合う医者を見つけようという患者側の意識も必要だ」と話す。【阿部亮介】

薬局のチェック機能強化

 「かかりつけ」が大切なのは薬局も同じだ。4月の診療報酬改定では薬局のかかりつけ機能の促進が前面に打ち出された。

 長野県上田市のJR上田駅から徒歩数分。「やまぎわ薬局」を訪ねた。コンビニよりやや広いスペースに胃腸薬など市販薬、マスク、耳かきなどの雑貨が並ぶ。上田地域(4市町村)の薬局は住民に寄り添った取り組みで知られる。処方薬だけでなく市販薬も販売するのが当たり前の光景だ。

 経営者の山極規恭(のりやす)さん(57)は「市販薬も販売するから、医師の処方薬との重複による影響や相互作用に対処できる」と説明する。例えば、市販の鼻炎薬でも前立腺肥大の人には排尿を妨げる成分がないものを薦めたり、主治医に相談したりする。雑貨が置いてあるのは、処方箋がない時でも患者が気軽に立ち寄れるようにするためだ。

 取材の前夜、山極さんは夜間対応の当番だった。午前7時までに処方箋受け付け5件のほか、電話相談が1件入った。「ぼうこう炎の薬を買いたい」と言う客がいたが、血尿があるというので内科救急の電話番号を伝えて受診を促した。かかりつけの患者は当番以外の日も自分で対応する。

 今回改定では、上田地域の取り組みなどをモデルに患者の飲む薬すべてを継続的に管理し、時には患者の自宅を訪問しての服薬指導や24時間対応での相談受け付け、必要があれば処方の提案も求められている。

 厚労省が薬局のかかりつけ機能を重視する背景には、特定の医療機関の処方箋を集中的に受け付ける「門前薬局」に対し「処方箋のままに薬を手渡すだけで利益を上げている」との批判がある。改定は、本来の機能を果たす薬局を優遇し、誘導するのが狙いだ。

 都市部でも医療機関に対するチェック機能を果たしている薬局もある。その一つ、東京都目黒区のツカハラ薬局で、ある日、薬剤師が処方に疑問を感じた。医師に問い合わせ、カルテの記載事項を読み飛ばしていたために患者の症状に合わない鎮痛剤が処方されていたことが分かった。

 こうした「疑義照会」は1日に3〜4件ある。塚原俊夫社長は「うちは処方箋の最も多い医療機関で全体の15%。疑義照会がしやすい」と話す。門前薬局では、立場の強い医師側の顔色をうかがって疑義照会がしにくいと指摘されている。

 厚労省は全国約5・7万店の薬局すべてをかかりつけとする目標を据えた。だが、同省の定めた要件を満たせば患者の健康は維持できるのか。上田地域のある医師は「単に自宅を訪問するだけではなく、医者では気づかない情報を教えてくれる薬剤師こそ本当のかかりつけだ」と話す。【堀井恵里子】

     ◇

 医療・社会保障のニュースを掘り下げ、私たちの暮らしの安心へのヒントを探る「安心のかたち」を随時掲載します。



http://www.nikkei.com/article/DGKKZO98916220W6A320C1TZT000/
医 出づる国<座談会>次世代の医療の形は 高齢社会、若き力が挑む 在宅医療、進めるには
2016/3/27付日本経済新聞 朝刊

 日本は今後も高齢化が進み、医療に対するニーズは質、量ともに高まる。医療の資源に限りがある中、戦後築き上げた長寿・健康社会を守り続けるには、どのような手を打たなければならないのか。その答えを導くには、医師、患者、政策担当者、研究者というステークホルダー(利害関係者)が知恵を出し合う必要がある。それぞれの分野で注目される30~40代の若きリーダーたちが今後の医療のあり方を語り合った。(司会は編集委員・木村彰)=文中敬称略

 ――高齢化が進む中、国は医療のあり方を「病院から在宅へ」とシフトさせようとしている。何が課題になるのか。

 堀田 長期にわたって複数の病気や障害とつきあいながら暮らす人々が増える。多くの人は病院や施設ではなく、家や地域で最期を迎えたいと願っている。これまで病気を「治す」ことに力点が置かれてきたが、今後は地域で「治し、支える」ことが重要になる。

 患者と医師など専門職との関係、専門職に期待される能力にも変化が求められる。住民(患者)自身が自分らしい生き方・死に方を主体的にデザインできることが納得につながる。専門職は先の見通しと選択肢を示し、それぞれ異なる「本人の最善」をともに追求し、支援する役割を担う。

 天野 患者が主体的に医療に関わるべきだという考え方には同感だ。がん医療を例に取ると、新薬が出るなどの著しい進歩に伴って治療成績が向上し、治癒できる病気という期待が高まっている。患者が自分の状態を知っていた方がより適切な選択ができる。

 現実には「医師任せ」の医療を望む患者も多い。一方で、在宅に移った患者が適切なサポートを受けられるかは、運に左右されているのが実情だ。「病院から在宅へ」を進めるには、医療側と患者側双方が変わらなければならない。

 ――武藤さんは東京や宮城県石巻市で在宅医療を展開している。在宅医療の課題をどう考えるか。

 武藤 まず、病院側が患者を抱え込むという問題がある。多くの医師は可能性がある限り頑張るが、ダメだったときのことをあまり考えない。治療がうまくいかず、家に戻った患者が「病院に見捨てられた」と感じてしまうと、主体的に取り組めない。在宅に移す時期を早める必要がある。

 松本 病院から在宅にスムーズに移行するには、病院と在宅医療を提供する医師などとの「連携」がカギになると思う。医師には「命を任されている」との自負があり、よく知らない相手に簡単に患者を引き継ぐことはない。少なくとも月1回程度は顔を合わせ、普段からコミュニケーションを取ることが大事だ。

 武藤 在宅医療を提供する側の問題もある。痛みを取り除く緩和ケアができる医師、患者を精神的にサポートできる医師が少ない。特に、地方では緩和体制が不十分なところもある。

 天野 がん患者の3、4割はうつやうつ状態との研究結果もある。がんの拠点病院には相談支援センターがあり、数はまだ少ないとはいえ、心の専門家もいる。だが在宅となると、こうしたサポートにたどり着くのは難しい。患者や家族はとても大きなプレッシャーを感じながら、時に厳しい選択を迫られる。

 堀田 英国で広がる病院外の相談支援の場で、日本でも今夏オープンする「マギーズセンター東京」に注目している。がん患者や家族が気軽に訪れ、専門家に十分に話を聴いてもらうことで自分の力を取り戻す。病院だけでなく、生活の場で癒やし、支える動きが広がることを期待している。

 ――国は団塊の世代が75歳以上になる2025年に向け、在宅で医療や介護を受けながら住み慣れた地域で最期を迎えられる「地域包括ケアシステム」を整備しようとしている。高齢者をどう支えるべきか。

 松本 地域包括ケアには様々な職種のプロが関わる。ここでも「連携」がキーワードになる。手間とストレスがかかる大変な作業だが、関係者が十分なコミュニケーションを取ってこそ、何ができていて、何が足りないのかが分かる。

 堀田 地域包括ケアシステムの構築はケアを手掛かりにした「すべての人に居場所と出番がある持続可能な地域づくり」であって、25年がゴールではなく、高齢者のみを対象とするものでもない。例えば北海道などでは地域の基幹産業と組み合わせて子供から高齢者まであらゆる住民が集い、活動できる共生型拠点などの設置を進めている。

 地域包括ケアシステムに正解はない。それぞれの地域が現状と将来を見据えて課題を抽出し、あるべき姿を構成員全体で共有することが出発点となる。

松本晴樹 厚生労働省医療機能情報分析専門官。千葉大医学部卒。医師。石巻赤十字病院(宮城県)などを経て、2009年厚生労働省に入り、新型インフルエンザ対策などを担当。14年から現職。35歳。

堀田聰子 国際医療福祉大学大学院教授。京都大法学部卒。オランダのユトレヒト大客員教授などを経て2015年4月から現職。専門はケア人材政策、人的資源管理。地域包括ケア研究会委員なども務める。40歳。

武藤真祐 医療法人社団鉄祐会理事長。東京大医学部卒。循環器内科医。宮内庁侍医などを歴任。現在は東京都内、宮城県石巻市、シンガポールで在宅医療のクリニックを展開する。44歳。

天野慎介 全国がん患者団体連合会理事長。慶応大商学部卒。2000年悪性リンパ腫を発症。その経験を基にがん患者支援活動に携わる。患者団体「グループ・ネクサス・ジャパン」理事長。42歳。



http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/010800021/032500006/?rt=nocnt
有訓無訓
離島医療38年、面白くすることが欠かせない

瀬戸上 健二郎 [鹿児島県薩摩川内市下甑手打診療所長 「Dr.コトー診療所」のモデル医師]
日経ビジネス 2016年3月28日(月)

 鹿児島県薩摩川内市にある手打(てうち)診療所で働くのは、市の職員としての任期が切れる今年3月末までのつもりでおりました。私は今年で75歳。年齢的なこともあり、潮時だと思っていました。

 ただ、市が後継の医師を探しても見つからず、下甑(しもこしき)島に3カ所ある診療所を1カ所に集約する方針を決めました。そこで昨年11月に島民向けの説明会を開いたところ、私の続投を望む署名や嘆願書が市長宛てに多数寄せられたとのことで、市の要請により後任が見つかるまで仕事を続けることになりました。

 手打診療所に赴任したのは1978年、37歳のときです。国立病院を辞めて開業するまで半年だけ働くつもりで本土から来ました。そのまま島を離れなかったのは、私の優柔不断さもありますが、へき地医療はやり出したら面白いんですよ。医者になってよかった、島に来てよかった。そんな場面を何度も経験しました。

 島に来たばかりの当初は診療所に設備が何もなく、患者さんに手術を勧めたら「こんなところで手術しません」と言われたこともありました。それまで、本土ならば治療可能だった患者さんが薬や機器の不備で島でずいぶん亡くなっていたのだから、そう思われても仕方ありません。

 私としても、機材があれば腕の振るいがいもありますが、自分のできることが思うようにできないのは面白くありません。面白くなければ長続きしないですよね。そんな私の気持ちを察したのか、役場に掛け合ったら、設備を次第に整えてもらえました。胃カメラに超音波、レントゲン、人工透析の機器、それにCT(コンピューター断層撮影装置)まで、結局必要なものは何でも買ってくれた。そういう意味では設備を整えてくれた行政の作戦勝ちかもしれません(笑)。

やろうと決めた以上は極める

 島にいたら医者として時代遅れになるのでは、との思いにかられたこともありました。最初はその不安を払拭できずにいたのですが、そのうちに自ら向上し続けることが何より大事だと気付きました。

 これまで虫垂炎、ヘルニアから、食道がん、膵臓がん、肺がんなど通常診療所で手掛けるレベルでない手術もこなしてきました。いつも、さらなる高みを目指して努力してきたつもりです。何事もやるかやらないかの選択権はほとんどの場合、自分にある。仕事でやると決めた以上は、何事も極め、自分で面白くしていくことが大事です。

 離島医療は自然の厳しさを抜きに語れません。簡単な手術でも、孤立した離島という条件が加わると大ごとになります。台風で定期船が欠航し、ヘリコプターも飛ばない。そんな時に限って急患が発生するもので、停電の中、懐中電灯で照らしながら手術をしたこともあります。

 でも、そんな島だからこその利点もあると私は思っています。大病院は手続きが煩雑だったりして手術を始めるまでに時間がかかる。その点、手打診療所は小回りが利いて、24時間365日、いつでも開腹手術ぐらいはできます。患者さんによっては、都会より島の方がずっと利便性が高いことだってあるんです。  地域住民の医療に対するニーズは右肩上がりです。現役を続ける以上はそれに応えられるように精進し続けたいと思います。(談)

(日経ビジネス2016年1月18日号より転載)



https://www.m3.com/news/general/411217?dcf_doctor=true&portalId=mailmag&mmp=MD160327&dcf_doctor=true&mc.l=149835550
八戸市立市民病院で男児死亡、両親の請求棄却 地裁八戸支部
事故・訴訟 2016年3月27日 (日)配信 毎日新聞社

損賠訴訟:病院で男児死亡、両親の請求棄却 地裁八戸支部 /青森

 八戸市立市民病院で男児(当時11歳)が死亡したのは病院側が適切な処置を怠ったとして、同市内の両親が160万円の損害賠償を求めた訴訟で、青森地裁八戸支部は25日、両親側の請求を棄却した。男児の父親(50)は「納得できない」として控訴する方針。

 訴状によると、男児は2008年6月16日に同病院に救急搬送され、同19日に緊急開頭手術をしたが、7月1日に死亡。両親は6月18日午前に開頭手術を実施すれば、死亡を回避できたと主張していた。

 判決は、死因について脳梗塞を原因とする脳軟化とし、手術(外減圧術)をしても直接の効果があるわけではないと指摘。真辺朋子裁判長は「診療行為が著しく不適切であったとはいえない」とした。

 同病院は「引き続き救急患者の受け入れなど地域に求められる当院の役割を果たして参りたい」とのコメントを出した。【塚本弘毅】


  1. 2016/03/28(月) 05:41:25|
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