Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月22日 

https://www.m3.com/news/general/409802
病院側への賠償命令確定 医師パワハラ自殺
その他 2016年3月22日 (火)配信 共同通信社

 兵庫県養父市の公立八鹿病院の男性医師=当時(34)=が自殺したのは、上司のパワーハラスメントや過労が原因として両親が損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(山本庸幸(やまもと・つねゆき)裁判長)は18日までに、両親と病院側双方の上告を退ける決定をした。16日付。パワハラを認定して病院側に約1億円の支払いを命じた二審広島高裁松江支部判決が確定した。

 一審鳥取地裁米子支部は「雇用関係などが民営病院と同じ」と判断、病院側と上司に賠償を命令。だが二審は「医師は公務員で個人は賠償責任を負わない」と一審を変更、病院側にだけ支払いを命じていた。

 二審判決によると、男性医師は2007年10月から同病院の整形外科で勤務していたが、上司からのパワハラや過労でうつ病になり、同年12月に自殺した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/408719
シリーズ: m3.com×『週刊ダイヤモンド』共同企画「医師&一般人 緊急アンケート」
「ゴールド健康保険証」の提案も◆Vol.5
ダイヤモンド・オンライン会員【自由意見1】

スペシャル企画 2016年3月22日 (火)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

◆予防への取り組み:各年代ともに推進支持

【40代】
・生活習慣病など自分の責任で回避できる疾患については、保険診療に制限を設ける必要性もあると考える(40代、男性)
・もっと予防に力を入れるべきだと思います。予防にも保険を適用し、相対的に全体で係る費用を抑える。太っている人や喫煙者には保険負担を多くするなどの自己責任は必要です。所得が多い人がたくさん診療代がかかっても良いのか?多く稼いでいる人は所得税、住民税だけでもたくさん既に払っています。働かなかったら、払わなかったら良いのはおかしいと思いませんか?!権利だけ主張して、納税(医療費も負担だと考えると)義務を果たさない国民は、国民の義務を怠っていると思います(40代、女性)

【50代】
・高齢化社会と共に今後医療費は増加が予想されるので、健康を維持する施策も打つべきだ。例えば何年間かほとんど病院に行かなかった場合には、「ゴールド健康保険証」を発行し医療費を安くするとか(50代、男性)
・検診の受診や予防接種などの予防的なことが、もっと安くなったり、税金の医療費控除になるといいと思う。低所得者ほど、そういったことが受けられずに、病気が悪くなってから受診することになる(50代、女性)
・病気にならないように努力している者と、無頓着に放蕩の限りを尽くした者が医療費を同じく負担するのは明らかにおかしいと思う(50代、男性)

【60代】
・国民の健康増進対策を優先させ、診療や医療にかかる費用が結果的に削減できる施策を強力に推し進めるべきです(60代、男性)
・病気の予防対策の制度化を。また利害関係者の整理も必要ではないか(60代、男性)
・病気予防を行っている人に対する支援を行う(60代、男性)

【70代以上】
・病気予防に力を入れるべき。病気になると本人の苦しみ、保険制度の出費が格段に増加する。病気治療で満足するのは医師だけだ(70代以上、男性)
・受診回数が少なく、健康を維持している人は安くなる保険料率・仕組みを考えてほしい(70代以上、男性)
・医療費削減の観点だけから診療順路を設けるのは?ちょっとしたことで医者に行く医療依存度を控えることも重要(70代以上、男性)
・健康の自己管理に心がけた生活をしている人々への関心が低い。生活保護を受けてパチンコ、飲酒で体を壊し、医療費を浪費している現実がある(70代以上、男性)

◆医療費負担:応能負担か?それとも?

【応能負担を支持】
・高額所得者には、累進性の負担額を設定する。一方で、低額の一律負担額も併用してはどうかと思う(40代、男性)
・年齢にかかわらず低所得者もきちんとした医療を受けられるようにし、高所得者には所得に見合った負担をしてもらうようにする。マイナンバーを活用し、薬をもらいすぎるなどの無駄をなくす(40代、男性)
・たとえ風邪であっても、貧困家庭にとっては必要な薬(食事)が得られず、生命に影響する場合も考えられる。単純な給付の有無ではなく、所得状況に応じた負担(一律3割等ではなく)システムの検討も行ってみるべきではないでしょうか。所得そのものが社会から得られるものであるならば、得られた所得を社会に還元することも義務の一つであると考えるからです(40代、男性)
・ある程度窓口負担が増えるのはやむを得ないと思うが、現役世代も老後も、お金持ちだけが医療を受けられる世の中にはなってほしくない。診療報酬改定や医療費削減策は今後もっと議論、調査等をしてから実施してもらいたい(50代、男性)
・所得格差によって受けられる医療に格差が生じる世の中にはしてほしくない。国民皆保険は世界に誇れる日本の制度です。他に省くことができるムダはあるはず(50代、男性)
・現在でも収入の格差で受けられる診療に差がある。これ以上、格差が広がらないような施策を望む。高齢者が置いてきぼりにならないような施策を望む(50代、女性)
・リタイアされた方の年齢が上がるにつれて、収入も年金だけとなる場合を考慮し、資産、給与等ある方との差をつけないと、将来的に現行の医療システムは維持できないと思う(60代、男性)
・高齢者の費用負担を支払い能力に応じて増やすべきだと思う(60代、男性)
・医療レベルを下げることなく健康保険を維持するため、お金のあるところから取るのが良い。健康保険の医療レベルを下げると自由診療、民間医療保険に向かってしまう(60代、男性)

【疾患の重症度等に応じた負担を支持】
・より重篤な病状に対しては手厚い国の補助があるべき。しかし、風邪などで通院してしまう人には現時点よりも高額の負担を課しても問題ないと感じる。また、救急車は使用目的により料金の徴収を課しても問題ないと考える。ドクターヘリも左記に同じ(30代、男性)
・高齢者の費用負担を支払い能力に応じて増やすべきだと思う(60代、男性)
・加齢や寿命による衰えを容認する医療にすべき。標準以上の医療行為の費用は、本人負担の割合を増やすべき。また、お金に余裕がある人がより多く負担すべき(60代、男性)

【その他】
・医療費負担の可否で治療を判断しなくてはいけないことが問題。高額な患者負担を軽減する施策が必要。一定額以上は国が負担など。命をお金で買う(医療費が払えるか払えないかで判断)ことをなくす。平等に治療を受けられ、負担も少なくなる(40代、男性)
・同じ治療を受けるのに、なぜ所得の大小で決めるのか理解できません。これこそある意味、不平等で妬み根性ではありませんか?(60代、男性)

※『週刊ダイヤモンド』3月19日号では、今回のアンケート結果を掲載した「全国病院[改革]ランキング」を特集しています。



https://www.m3.com/news/general/409887
広がるか遠隔診療 ベンチャー企業次々参入 低い診療報酬が普及の壁 「医療新世紀」
2016年3月22日 (火)配信 共同通信社


 ITの普及で身近になったテレビ電話などを活用して医師が患者を診察する遠隔診療への関心が高まっている。長く原則禁止と解釈されてきたが、厚生労働省が昨年出した通知が事実上の解禁と受け止められ、ベンチャー企業が相次ぎサービスの提供を始めた。だが、健康保険では遠隔診療をしても医療機関に支払われる報酬は低く、どこまで広がるか未知数だ。

 ▽山間部の安心

 香川と徳島の県境山間部に位置する高松市塩江(しおのえ)地区。車1台がやっと通れる険しい道を市民病院塩江分院の訪問看護師、山崎(やまさき)さやかさん(37)が運転していく。藤沢昭(ふじさわ・あきら)さん(87)は山の中の一軒家に1人暮らしだ。

 「体調はお変わりないですか」。山崎さんが持ってきたタブレット端末の画面から、分院の主治医が語り掛ける。藤沢さんはこたつに入りっ放しのため、脚に低温やけどをしていた。山崎さんが端末のカメラを患部に向け、医師が確認。緊急性はなさそうだった。

 藤沢さんは「症状を言ったら調べてくれるし、薬も出してもらえるのでありがたい」と安心した笑顔を見せた。

 ただ塩江分院は、テレビ電話の診察については診療報酬は受け取っていない。香川県は遠隔医療で国の特区に指定されており、あくまでその事業の一環だ。

 厚労省は従来「診療は医師の直接対面が基本」として、遠隔診療は離島やへき地、慢性疾患などでの例外と位置付けてきた。同省の2014年の調査によると、遠隔の在宅診療を手掛ける病院は全国で18カ所、診療所でも544カ所にとどまる。

 ▽スマホ診察

 しかしITの高度化やデジタル端末の普及で、政府の規制改革会議から見直しを求められた同省は昨年8月に通知を出し、離島やへき地などは例示であって限定ではないことを明確化した。

 これを受け、インターネットで医療情報サービスを展開する企業が、都市部の診療所などに相次いで遠隔診療システムの提供を始めた。多忙な会社員らがターゲットだ。

 医師紹介を手掛ける「MRT」(東京)はIT企業と組み、スマートフォンで医師の診察を受けられる「ポケットドクター」という事業を4月から開始予定。全国約1300の医療機関が参加する。初診は対面の必要があるが、2度目以降はテレビ電話で受診でき、保険も適用される。

 一定の料金を払うと医師に健康相談できる保険外のサービスも加える考えで、今後3年で1万医療機関の参加を目指す。

 ネット上で病気事典などを提供する「メドレー」(東京)は、クレジットカードでも支払える同様のシステム「CLINICS」を開発、複数の診療所が導入を決めた。薬が必要な患者には自宅に処方箋を配送する。

 都内で小児科診療所4カ所を開く医療法人社団「ナイズ」も、親が頻繁に連れてくるのが難しい子どもらを対象に、1月から独自に保険適用で遠隔診療を始めている。

 ▽標準化も課題

 普及の壁になっているのが診療報酬だ。テレビ電話による診察で医療機関が得る報酬は原則的に電話再診料(720円)のみ。他にもさまざまな報酬が入る対面診療に比べると、収入は1~2割に減ってしまうという。

 そのため新規参入の動きは、利益よりも将来性に期待して他社に先駆けようという側面が強い。

 日本遠隔医療学会の原量宏(はら・かずひろ)会長は「企業がそれぞれの方式で医療機関を囲い込むのではなく、標準化して進めるべきだ」と指摘。その上で「適切に使えば、生活習慣病のコントロールや医療の効率化、介護する家族の負担軽減にもつながり、国民全体の利益になる」として、国に報酬の引き上げを求めている。(共同=市川亨)



https://www.m3.com/news/general/409795
医療、年金4月から負担増 大病院は紹介状必要
2016年3月22日 (火)配信 共同通信社

 4月から社会保障の負担が見直される。医療では紹介状なしでの大病院受診や保険料、入院時の食費などが軒並みアップし、国民年金保険料も上がる。家計にとっては重荷となりそうだ。

 医師の紹介状がないと窓口で追加負担を求められるのは、500床以上などの大病院で、全国約240カ所に上る。診察の費用以外に初診で5千円以上、再診で2500円以上が必要となる。

 大病院に患者が集中し、待ち時間が長いなどの問題が指摘されているため、軽症の人はまず診療所などで受診するよう促す。高度な医療を担う大病院と、身近なかかりつけ医との役割分担を進めるのが狙い。

 入院時の食費負担も1食260円から360円に増える。対象者は約70万人と見込まれる。住民税が非課税の人や難病、小児慢性特定疾患の人の負担額は据え置く。

 高所得者は健康保険料がアップする。会社員が加入する健康保険組合などの保険料は、算定の基礎となる「標準報酬月額」の上限を引き上げる。市町村が運営する国民健康保険でも、医療分の保険料の年間上限額が69万円から73万円に引き上げられ、高所得者の保険料負担を増やせるようになる。適用される年収基準は市町村が決める。

 国民年金の保険料は670円上がり、月1万6260円になる。一方で支給額は据え置かれ、負担だけが増える形だ。

 このほか雇用保険料率を1・0%から0・8%に引き下げることが盛り込まれた法案は3月中に成立する見通し。保険料は労使折半で、年収400万円の会社員の場合は、保険料負担が年1万6千円(4千円減)となる。



http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20160322/news20160322923.html
高校生が病院の仕事1日体験 松山
2016年03月22日(火) 愛媛新聞

 医師や看護師らの仕事体験を通じて医療について学ぶ「高校生1日病院体験」が22日、松山市来住町の愛媛生協病院であり、県内の高校生約40人が現場で使う器具に触れるしなどして理解を深めた。
 体験は同病院が春と夏に毎年開催している。高校生はグループに分かれ、医師や理学療法士など希望する職種のプロの仕事を学んだ。看護師の班では、血圧の測り方や脈の取り方を教わり、互いの腕を使って実践。実際の注射針を使って点滴に薬を混ぜる疑似体験も行い、医療系の進学を目指している参加者たちは将来への夢を膨らませていた。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48375.html
臨床研修病院指定、申請期限を前倒し- 厚労省、採用活動安定化で省令改正案
2016年03月22日 16時00分 キャリアブレイン

 厚生労働省は、臨床研修病院の指定を受けようとする病院開設者が提出する申請書の提出期限を8カ月早める省令改正案をまとめ、パブリックコメントの募集を始めた。8月下旬の審査前から、指定されるかどうか分からない状況で臨床研修医の採用活動が行われているため、指定を早めて安定した採用活動につなげる方針だ。パブコメの募集期間は4月17日まで。【新井哉】

 医師法16条で、診療に従事する医師は2年以上、臨床研修を受けることが定められており、医学を履修する課程を置く大学の附属病院や厚労相が指定する病院で臨床研修が行われている。

 臨床研修病院の申請書の提出期限は、研修を始める前年度の6月30日までで、その約2カ月後に開かれる医道審議会医師分科会医師臨床研修部会で申請書の内容を基にした審査を実施している。

 ただ、臨床研修医の採用活動は前年度の4月ごろから行われており、「実際に指定を受けることができるかどうか不明な状況で採用活動が行われる期間が生じている」(厚労省)という。

 こうした状況を改善しようと、厚労省は、申請書の提出期限を研修開始年度の前々年度の10月31日に早め、その年度内に医師臨床研修部会が開かれる環境を整えたい考えだ。

 厚労省は医師法で規定する臨床研修に関する省令の一部を改正し、7月1日から施行する方針で、「既に研修開始年度の臨床研修病院が決定している状況で、より安定した採用活動が行われるようにする」としている。



https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=58764
不正請求はびこる接骨院 暴力団の資金源にも
2016/3/22 12:00日本経済新聞 電子版

日経ビジネス
 2015年11月に暴力団組長らが詐欺容疑で逮捕された接骨院の療養費不正受給事件。以前から接骨院業界は不透明な保険請求がまん延しており、暴力団に目を付けられた。タレント医師が関与する同種の事件も起きており、問題の先送りはもう許されない。

 「何だ、これは?」。2015年9月、東京に本社を置くA社の健康保険組合の担当者は、都内の整骨院(接骨院)から提出された2枚の療養費の申請書類を前に、思わず首をかしげた。

 整骨院や接骨院は、国家資格を持つ柔道整復師(柔整師)が施術に当たる。特定の療養には健康保険が適用され、保険から療養費が支払われる。

 2枚の申請書はいずれもA社の被保険者である佐藤美代さん(仮名)の4月分の請求で、1枚は東京都渋谷区のX整骨院(実際は「X」の部分に人名が入る)が、もう1枚は渋谷区の別の地にあるX整骨院の支店が作成していた。


 不可解なのはその中身。店舗は異なるにもかかわらず、負傷名、負傷年月日、施術開始・終了年月日、施術日、請求金額など、施術の内容欄は全く同一だったのだ。この書類を見る限り、佐藤さんは左膝と右足首の捻挫で、4月に計10日間にわたってX整骨院とその支店に通院して、それぞれの店で施術を受けていたことになる。
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 だが、それはあり得ない話だった。佐藤さんは埼玉県在住・在勤。捻挫しながら、通勤ルートに関係なく、電車で1時間半近くかかる渋谷区の、しかも離れた場所にある2カ所の整骨院に通院するとは考えにくい。

 健保担当者のそうした読みは的中した。佐藤さんにヒアリングしたところ、実は過去に一度も整骨院にかかったことはなく、X整骨院も支店のことも知らなかった。捻挫の事実もなかった。本人の健康保険証と自宅住所の情報がどこからか漏れて、知らぬ間に架空請求されていたのだった。

 療養費は原則、患者がいったん全額を払い、あとで自己負担分を除いた金額の返還を自ら保険者に求めることになっている。だが、接骨院や整骨院については、患者は自己負担分だけを支払い、残りの費用を柔整師が患者に代わって保険者に請求する「受領委任払い」も特例で認められている。受療委任の場合、柔整師は保険者に療養費を代理請求するため、申請書には患者本人の署名が必要となる。だが、佐藤さんの申請書ではそれも偽造されていた。

 A社の健保組合はX整骨院とその支店に療養費を「不支給」と決めた。

■所轄警察署から警視庁案件へ

 不正に気付いたのは、同一内容の療養費の申請書が異なる2店舗から届いたため。施術日や期間などがずれていたら、問題なしと判断して、架空請求に応じていた可能性もあった。そこで、A社の健保組合は参加する「保険者機能を推進する会」のメンバーらに、今回の件について情報提供し、注意を喚起した。すると、他の企業健保でも同じくX整骨院と支店による不正請求が疑われる事例が次々と明らかとなった。

 推進する会では、一連の調査結果をまとめて2015年10月上旬、第一報として所轄の警察署へ通報。ただ当初、警察の反応は鈍かったという。ところが、11月になると事態は一変した。

 警視庁組織犯罪対策4課は11月8日までに、接骨院で施術したと偽り療養費をだまし取ったとして、指定暴力団住吉会系の組長や柔整師ら16人を詐欺容疑で逮捕。手口はウソの請求に必要な患者の保険証情報などを集めて療養費を架空請求するもので、X整骨院のやり口と一致していた。そのせいからか、X整骨院の不正請求も、反社会的勢力の関与を否定できないとして、11月半ばには、所轄警察署から警視庁預かりの案件となった。現在は水面下で捜査が進められている模様だ。

 X整骨院と暴力団が実際に関連するのかどうかは今後の捜査を待つしかないが、暴力団の影が柔整師の療養費に忍び寄りつつあるのは確かだろう。

 柔整師の療養費を巡っては、以前から不正受給が問題になっていた。悪質な不正の代表格が、架空請求に加え、日数や負傷部位の箇所数を増やす「水増し請求」だ。現場の事情をよく知る人物によると、実際の手口としてこんなやり方があるという。

 保険者から患者に送られる医療費通知には、施術回数が掲載されることもあるが、柔整師は患者に対して、「あなたへの施術は通常より施術時間が長いので、2回分として請求する」と言い含める。また、架空請求に同意した患者の保険者情報を、同じ接骨院から請求し続けると怪しまれると考えるのか、定期的に他の接骨院と交換する。さらに柔整師同士でお互いの保険証を貸し合うこともあり、これは柔整業界では「互助会」と呼ばれている。

 そのほか、治療が長期にわたる患者に、治療部位を次から次へ変更したかのように装う「部位転がし」も横行。また、療養費の支給対象外の症状であるにもかかわらず、支給対象となる負傷として療養費を不正に請求する「振り替え請求」に至っては、常態化しているとも指摘されている。

 本来、柔整師の保険請求が認められるのは、骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉離れのみ。日常生活での単なる肩こりや筋肉疲労、加齢による慢性的な腰痛などは対象にならないが、捻挫などと偽って保険請求することが少なくない。

■柔整師は供給過多に

 健康保険の不正請求の実態については、会計検査院が2010年に報告した調査がある。長期間、あるいは3カ所以上にわたって施術を受けた人(203施術所、940人)に対し、聞き取り調査を行ったところ、患者が申告した症状と、柔整師側が保険請求した内容が食い違っていたものが、66%もあった。また日常生活で起こる肩こりなど、本来なら健康保険が認められないのに施術を受けた割合が50.7%と、半数以上に及んでいた。

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 不正が相次ぐ背景には、柔整師の数が近年、大きく増え、過当競争で経営が苦しくなっている事情がある(下グラフ参照)。1990年代に3万人ほどだった柔整師は、養成学校の設立が規制緩和されたことを受け、現在は約6万4000人となり、施術所は4万5000カ所に倍増した。「完全な供給過多の状態」(健保関係者)に陥っているのだ。

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注:2010年は、東日本大震災の影響により、宮城県が含まれていない(出所:厚生労働省「衛生行政報告例」)
 柔整師数の増加にあわせて、保険請求手続きを代行する団体も増えた。請求代行するには許可も届け出も必要ないからだ。

 請求代行はかつて旧厚生省通知で、各都道府県に1つずつある「社団法人柔道整復師会」の会員だけに認められていた。だが、反発した柔整師が70年代以降、委任団体を結成。88年の通知改正で、すべての柔整師に門戸が開かれた。その流れで請求代行団体の数は一気に増えたとされる。正確な実態は不明だが、現在全国で300を超えるとみられる。

 請求代行団体の中には、「療養費を食い物にする悪質な業者も含まれる」と、業界関係者は打ち明ける。請求代行団体は柔整師側からの手数料が収入になるため、「悪質なところは柔整師に水増し請求を奨励している」と語る。さらには、柔整師側の協力者を募って、請求代行の際にデータを改ざんして上積み分を詐取しているケースもあるという。

 2015年11月に逮捕された暴力団組長らによる療養費詐取事件でも、代行業者を使い療養費を不正に請求していた。

 「柔整業界は行政の指導や管理が甘く、野放し状態なのではないか」。柔整問題に取り組む松本光司医師(日本臨床整形外科学会システム委員会委員長、松本整形外科院長)は、こう指摘する。

 例えば、柔整師の守備範囲はあいまいなまま放置されてきた。柔整師が保険で扱える疾患は前述の5つの疾患だけだが、国の定める支給基準には、それら対象疾患の前に「急性または亜急性の外傷性の」という文言がついている。このうち亜急性の解釈について、医師は「受傷後2~3週間経過した状態」と考えるのに対して、柔整師は「継続・反復性の弱い力が加わった状態」まで含めて広く捉えている。そのため、主婦が日々の家事で徐々に腰部を痛めても、柔整師側は「亜急性の腰の捻挫」と見立て、保険請求している実態がある。

 「拡大解釈することで、単なる肩こりや腰痛にも柔整師は施術に当たる。その際、無理な施術をして、健康被害が出ている事例も散見されている」と松本医師は言う。日本臨床整形外科学会で収集した事例の中には、腰椎の圧迫骨折や、脳脊髄液の漏出など重篤なケースの報告もあった。

■動き始める健保組合

 制度の不備についても、柔整師に特例として認められている受療委任払いが諸悪の根源と松本医師は捉えている。

 患者が施術内容と金額を確認し、保険者からの療養費の受け取りを施術者に委任するというのが本来の受領委任払いのやり方だ。しかし、現在の接骨院や整骨院では、初診時に白紙の療養費支給申請書にサインさせるところが少なくない。サインさえもらえば、あとでどんな施術内容を記載しても患者には分からない。したがって、患者は請求の内訳を知らずに保険請求されている実態がある。

 ただ、療養費の支給申請書は月単位。同月内に来院するか分からない患者もいるため、月初などに「“白紙委任”してもらうしかない」という柔整師側の切実な声もある。そうであれば、月単位ではなく日単位にするなどの方策も考えられるが、制度見直しの気配はない。

 数々な課題が存在するものの、監督官庁の厚生労働省は、柔整師業界の政治力が強いこともあって、どこか及び腰だ。不正がはびこる責任の一端は保険者にもある。療養費は保険者が支給できるかどうかを判断し、最終決定する仕組み。そうである以上、厳正に支給の適否を判断する必要があるが、実態としては、書類上の不備がない限り、漫然とやり過ごしている健保組合は少なくない。

 理由は大きく2つある。一つは、各請求は多くて数万円にとどまるため単価の高い医科の点検を優先してしまうこと。もう一つは、柔整師からの猛烈なクレームにしり込みしてしまうケースだ。

 2点目について、保険者が支給しない決定を下したり、適正化に向けた新たな取り組みを始めると、柔整師から執拗なクレームが寄せられることが往々にしてあるという。「業界の専門用語を交えながら、1時間以上電話で話し続けてくるので、付き合いきれなくて不正に目をつむってしまうことはあった」。そう正直に打ち明ける大手健保関係者もいた。

 厚労省によると、柔道整復の療養費は年4000億円近くに上る。国民医療費に占める割合は1%にとどまるが、不透明な保険請求がはびこり、暴力団の資金源につながっている事態が起きている以上、問題の先送りは許されない。

 療養費の不正請求に毅然と立ち向かう保険者の動きも着実に出始めている。冒頭に紹介した架空請求のエピソードに直面したA社の企業健保が参加する「保険者機能を推進する会」は現在、83の大手企業健保が加入する。その部会に当たる「柔整問題研究会」では2015年、会の本部がある東京都千代田区内の柔整師が管理する全施術所を回って、違法な看板や案内サインがないかを現地調査し、リポートを作成。2016年2月に、千代田保健所に提出した。

 柔道整復師法では、(1)柔道整師である旨と氏名(2)施術所名(3)電話番号・所在場所(4)施術日や時間(5)その他厚労大臣が定める事項──以外は広告できないことになっている。しかし、現実にはこの規制はまったく守られていない。調査の結果も、違法性がなかったのは全58施設のうち、1カ所だけだった。

 奈良県橿原市では、違法広告の取り締まりを強化して柔整療養費の適正化につなげた実績がある。その取り組みをヒントに、「行政に動いてほしいとの狙いで調査を進めた」(太陽生命健康保険組合の長嶺秀一氏)。狙いは奏功し、保健所側は早速、幾つか訪問や指導を始めた。

■運用次第で療養費は3割減

 健康保険組合連合会の愛知連合会の取り組みも興味深い。同連合会では、2014年10月、全国健康保険協会(協会けんぽ)愛知支部、愛知県内の市町村国保、愛知県後期高齢者医療広域連合と共同で、「療養費等適正化勉強会」を立ち上げた。企業健保が取り締まりを強化すると、不正請求は国保に向かいがちなため、企業健保と国保とで共闘することにしたのだ。

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大同特殊鋼健保組合が社員に配布している接骨院・整骨院にかかった際の保険給付の支給規定に関するチラシ

 実際、愛知県内の企業健保は療養費適正化対策に積極的だ。このうち大同特殊鋼の健保組合では、柔道整復療養費について独自の支給規定を定め、2013年8月から運用を始めた。療養費支給の条件として、(1)かかった都度、健保組合に領収書を郵送(2)健保組合からの照会があれば回答書を提出(3)3カ月以上継続してかかったときは、健保組合指定の整形外科で診察を受け、診断書を提出する──の3つの規定を被保険者に課した。

 (3)に関し、ある柔整団体からは「柔整師の施術内容の開示に相当し不当」との抗議文も寄せられたが、「あくまで被保険者の健康被害や重症化防止のため」と、突っぱねた。

 この規定を作ったことで、同健保の療養費は2016年度末は取り組み前の3割減となる見込み。国保との勉強会では、ノウハウや結果を披露し情報共有した。

 当然ながら、柔整業界全体が不正に手を染めているわけではない。3月26日には、公益社団法人大阪府柔道整復師会が大阪市内でシンポジウムを開き、団体自ら襟を正すため、療養費適正化理念を発表する予定だ。柔整業界の中から適正化が必要だという声はこれまでも上がっていたが、具体的な内容に踏み込んだ理念を発表した例はない。

 この大会を大阪臨床整形外科医会が後援する。整形外科医と柔整師は“仁義なき戦い”とも言われるほど長らく対立関係にあり、協力することなどなかった。その意味でも画期的な取り組みで、保険者にも参加を呼び掛けている。

 「柔整師対整形外科医、保険者」の構図で反目し合っていても事態の膠着を招くだけ。互いに知恵を絞りながら、いかに適正化していくのかを協議すべき時期に来ている。

(日経ビジネス編集委員 庄子育子)

[日経ビジネス2016年3月21日号の記事を再構成]



http://kakogawa.keizai.biz/headline/137/
加古川東市民病院のロビーで「健康講座」 講師は職員、地元で話題に
2016年03月22日 加古川経済新聞

 加古川東市民病院(加古川市平岡町一色)のロビーで開催される「健康講座」が地元で話題となっている。

 同講座は2011年11月開始から毎月2回、ロビーを利用して「健康耳より話」として親しまれており、今年4月には4年半を迎える。

 講師は医師だけではなく、看護師、技師、事務職員など、どう病院の職員全員がそれぞれの専門知識を生かした講師となり、地域の人が気になっている幅広い内容で講義を行う。

 3月15日には同院の理学療法士である筧達也さんによる「知っておきたい糖尿病の運動方法について」が開かれ、約60人が集まった。

 講座の企画担当、中島成美さんは「講座は日々の生活にマッチした内容にしている。処方箋を待っている方や、通りがかった人が立ち止まって聞いてくれることも多く、中には講座に参加するために病院を訪れる方もいる」と話す。

 地域の方々に健康情報を届けたいとの思いから始まったが、あえて会議室ではなく正面玄関近くのロビーで、15分という短時間で行うことが長く続いている理由という。

 7月には加古川東市民病院と加古川西市民病院が統合され、(仮称)加古川中央市民病院として新たにスタートすることが決まっている同院。

 中島さんは「せっかく長年続けてきて、楽しみにされている方もいる。新しい病院でも引き続き地域の方と近い距離で健康情報をお届けしたい」と意気込みを見せる。

 講座の問い合わせは同院(TEL 079-437-2515)まで。



http://www.medwatch.jp/?p=8151
「収益の最大化」「病床利用率の確保」から脱却し、「医療の価値」向上を―GHCが2016年度改定セミナーを開催
2016年3月22日|2016診療報酬改定ウォッチ


 お伝えしているとおり、2016年度の診療報酬改定に備えるため、GHCは19日、都内で改定セミナーを開催しました。

 厚生労働省保険局医療課の林修一郎補佐から改定内容や留意点について説明していただいたほか、GHC社長の渡辺幸子とマネジャーの湯浅大介から、今後、病床再編時代を生き抜く為に戦略的な病床戦略をどう策定し、どう実行すべきかをお話しています。

 またGHCの会長で、米国グローバルヘルス財団の理事長であるアキよしかわはセミナー冒頭に挨拶。昨年上梓した「日本医療クライシス」(アキよしかわ、渡辺さちこ著、幻冬舎)の中で、「看護必要度の生データ提出」についてGHCがいち早く注目していた点を強調しています。

 ここでは渡辺と湯浅の講演内容を紹介しましょう。


医療の質を上げ、コストを下げることで「医療の価値」を向上

 渡辺は、今後の病院経営に当たって「収益の最大化」のみに着目した発想から脱却しなければいけないと強調します。多くの急性期病院は増収減益傾向。今後もし、医業収益が飛躍的に伸びない、または医療ニーズが縮小するなら、これまでの「収益を最大化する」モデルから「、減収となっても利益を維持するあるいはまたは増益を目指す」モデルへの戦略シフトが必要となります。そのためには、病床機能の適正化(適正病床数を視野に急性期病床のダウンサイジングも含む)やコストコントロールは必須と渡辺は指摘しまです。

 ここで渡辺が最も重視すべきと説くのは、「医療の価値(=質/コスト)」という概念です。これは米国メイヨークリニックが提唱するもので、GHCでも創立当初から「医療の価値を高める」(医療の価値の方程式)ための支援を続けています。

 具体的には、(1)医療の質を上げる(2)医療のコスト下げる―この2点を行うことで、「医療の価値」が高まります。

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「医療の価値」の方程式

 例えば、アウトカムが同じであれば、入院よりもコストの低い外来でその医療を提供したほうが、価値は高くなります。同様に、同じ予定手術や検査でアウトカムが同じであれば、在院日数の短い方が価値は高い。しかし、病院によっては「7対1を届け出ており、看護職員の人件費を賄うために、病床利用率を高めに維持する必要がある。そのため外来で行える医療を入院で行う、または不要に入院日数を延ばす」という戦略を採っていないでしょうか。現在の急性期病床数が自院にとって本当に適正なのでしょうか。渡辺は「病床利用率向上」の呪縛を解きから、「常に患者のために『医療の価値』を第一に考えてほしい」と訴えます。


看護必要度のデータ精度向上が喫緊の課題

 また、2016年度の診療報酬改定で最も注目を集めている「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の見直しについて、渡辺は「データの精度」が最大の課題であると指摘します。

 過去4年のGHCの分析・研究によれば、多くの病院ではデータの精度は必ずしも高くありません。DPCデータと看護必要度のデータをGHCが分析したところ、例えば、ある公立病院では輸血製剤の請求をしているにもかかわらず、看護必要度A項目の「輸血や血液製剤の管理」にチェックがなされていないケースがあります。また、免疫抑制剤に至っては、請求はなされているものの、看護必要度A項目の「専門的な治療・処置」にまったく反映されていないことも分かりました。
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免疫抑制剤を請求していても、看護必要度としてチェックしていないケースが少なくない

 これらは過小評価(請求していながら、看護必要度に反映されていない)と言えます。

 一方、看護必要度のデータ上はチェックされているものの、レセプトには載っていない(請求されていない)項目もあります。こちらは過剰評価で、意図的でないとしても重症度割合を過剰に申告していることになるので問題視されるでしょう。実は多くの病院で、過剰評価が過小評価を上回っていることがGHCの分析・研究で明らかになっていります。

 渡辺は、「こうしたデータ精度を向上させなければ、『うちの病院では25%を軽くクリアできる』と考えていても、実態は過剰が過小を上回り、25%を切る可能性がある」と指摘します。

 2016年10月分からDPCのHファイルとして看護必要度の生データ提出が義務化されるため、データ精度の向上は、多くの病院にとって喫緊の課題となります。

 GHCでは、次世代型病院経営支援ツール「病院ダッシュボード」に4月新たに「看護必要度分析」の機能を搭載し、次のような分析を可能としています。

▽ 自院の状況を時系列で把握することが可能で、「病棟ごとの重症患者割合」を可視化できる

▽ 自院のデータ精度(創傷処置、呼吸ケア、モニタリング、輸血血液製剤、専門的処置)を把握するとともに、他院との比較が可能である

▽ 病棟別、診療科別、疾患別などの状況も把握でき、「どこから対策をとればよいか」「どの疾患に力を入れれば重症患者割合の向上に寄与しやすいか」などを検討できる

 「看護必要度分析」には上記に加え、今夏、▽疾患別ベンチマーク、▽看護必要度を用いた病床戦略などのソリューションを追加予定です。

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看護必要度のデータ精度向上に向け、GHCは病院ダッシュボードの新機能として「看護必要度分析」をリリース


シームレスケアの中、病院が単独で生き残ることは困難

 さらに渡辺は、今後の人口動態などを総合的に勘案すると、「病院は単独(スタンドアローン)では生き残れない」のではないかとも見通します。

 わが国は人口減少社会に突入しており、また高齢化の進行も急激なペースで進んでいます。高齢化に伴い医療ニーズ(患者数)は増加しますが、病床機能分化が進むと、急性期の病態でない患者は回復期や慢性期病床で診ることになるので、急性期病床のニーズはその分減ります。さらに、平均在院日数のさらなる短縮や入院医療の外来へのシフトが進む中では、ますます急性期病床のニーズは減少していくでしょう。

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医療機関の統合には、「異なる機能同士の統合」(垂直統合)と「同じ機能同士の統合」(水平統合)とがある

 また渡辺は、「症例数と医療の質(例えば医療安全)は相関する」ことを紹介。これは米国メイヨークリニックやスタンフォード大学とGHCの共同研究から明らかになったもので、膝関節置換術や結腸切除術(開腹と腹腔鏡)の事例を用いて、年間の症例数が少ないほど合併症の発症率が高まる結果を示しました。これらを総合的に考慮すると、「病院の統合による症例の集約化」が今後の重要な選択肢の1つになると渡辺は指摘しています。

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膝関節置換術において、症例数と合併症発生率との間には逆相関がある

看護必要度と患者確保を考慮して、今後の病床戦略を策定することが必要

 GHCマネジャーの湯浅は、2016年度改定を踏まえた上で「外部環境の変化に、内部環境の見直しで向き合う必要がある」と強調しました。

 外部環境としては、まず地域人口の高齢化が挙げられます。先にも述べましたように、高齢化が進展する中では急性期の医療ニーズが減少します。

 また、診療報酬改定によって「急性期の基準」が厳格化することも外部環境の変化と言えます。2016年度改定では看護必要度が見直され、7対1入院基本料を維持することが難しい病院・病棟も出てくることが予想されます。

 湯浅は、多くの病院では「出来高時代に設定された病床数」を抱えているが、▽急性期医療らしさの追求▽在院日数の短縮―によって、「稼働率低下による医業収入の落ち込み」が生じており、今後、できるだけ早期に「明確な戦略を打ち立てることが必要」を訴えます。

 では病院の戦略を立てる際に、何に気を付ければよいのでしょう。

 この点について湯浅は、(1)看護必要度の基準値(2016年10月からは25%)を大幅に上回るか?(2)増患が十分に見込めるか?―という2点が急性期病院にとってのポイントになると指摘します。


看護必要度と集患が、今後の病床戦略の大きなポイント
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 (1)で重症患者割合25%以上を大幅にクリアできるのであれば、現状(7対1)の維持という選択肢を採ることになります。

 また(1)で25%の大幅クリアが難しいとなれば、(2)の増患見込みを考慮することになります。地域のニーズを踏まえて急性期患者の増加が見込まれるのであれば、やはり現状(7対1)を維持するという選択肢が考えられます。

 しかし、(1)の25%クリアが難しく、(2)の増患も見込めない場合には、▽10対1への転換▽回復期リハビリや地域包括ケア、療養への転換▽病棟群単位の入院基本料―といった選択肢を現実的なものとして考慮する必要があります。

 さらに状況によっては「ダウンサイジング」を検討する必要もあるでしょう。

 こうした大きな方向を示した上で、多くの病院ではやはり(1)の25%クリアという課題に直面することになります。この点について湯浅は「在院日数短縮」と「外科系疾患確保」がポイントになると指摘。

 その上で、在院日数短縮の必要性が高い疾患に対し、特に重点的に退院支援を行い、退院困難患者を早期に抽出した後に「栄養サポートチーム(NST)、栄養指導・摂食機能療法などのチーム医療に繋げ、骨太な退院支援を心がけてほしい」と提案しています。

 ただし、在院日数の短縮は病床稼働率を下げることにもつながりかねません。ここで湯浅は、手術件数の増加を検討することも提案。具体的には(1)内部業務改善(2)患者の確保(3)執刀医の確保(4)枠の確保(5)手術件数の増加―という順を追っていくことが重要と指摘しています。

手術件数の増加に向けたステップとポイント
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  1. 2016/03/23(水) 05:56:16|
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