Doctor G 3 のメディカル・ポプリ

地域医療とプライマリケア、総合診療などに関係したネット上のニュースを記録。医学教育、研修、卒後キャリア、一般診療の話題、政策、そしてたまたまG3が関心を持ったものまで。ときどき海外のニュースも。

3月17日 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201603/20160317_31048.html
研修医 沿岸部に6人 岩手県、新年度配置
2016年03月17日木曜日 河北新報

 岩手県が医師確保を目指して運用する医師養成奨学金制度で新年度、県内に勤務する研修医が16人となり、沿岸部に6人を配置することが決まった。2015年度、配置がなかった沿岸部を手厚くした。
 沿岸部には県立大船渡病院と県立久慈病院に2人ずつ、県立釜石病院と県立宮古病院に1人ずつを配置する。内陸部は県立中央病院(盛岡市)や県立胆沢病院(奥州市)などに計10人。
 岩手医大や県などでつくる配置調整会議が、研修医の希望と合わせ勤務先を決めた。
 県や県医療局などが運営する医師養成奨学金は、初期研修を経て6~9年間、県内の公立病院などへの勤務を義務付ける代わりに、奨学金の返還を免除する。15年度、県内に配置された研修医は8人だった。
 医師不足対策で利用枠を拡充した08年度の奨学生のうち、33人が初期研修を終えた。現場配置の16人のほかは、15人が大学院などに進学し勤務を猶予された。2人は奨学金を返還した。
 制度は1997年度に始まった。08年度に利用枠を20人から45人に拡大。10年度に55人に増やした。奨学金利用者で大学を卒業したのは15年度までに計240人。うち75人が医師として県内で働いているか、勤務経験がある。



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48350.html
地域枠ある医学部、半数近くが卒後支援なし- 医学部長病院長会議の調査で判明
2016年03月17日 12時00分 キャリアブレイン

 医学部に地域枠の入学者制度がある大学のうち、卒業後の支援体制が整っていない大学が半数近くあることが、全国医学部長病院長会議の調査で分かった。同会議は地域医療の向上などを図る観点から、「地域枠医師のキャリアアップ(専門医・学位の取得)のための機会・期間の確保などが重要」と指摘。今後、調査結果を分析し、地域枠の問題点についての提言を行う方針だ。【新井哉】

 地域枠の入学者制度をめぐっては、医師不足や地域偏在などを解消する目的で導入している大学が多い。同会議によると、医学部定員増に伴う地域枠の制度が実際に導入されたのは2008年度からで、現時点では08年度と09年度の入学生が卒業しているという。

 調査は文部科学省の受託事業として行われたもので、同会議は「地域枠についての全国初の網羅的調査」としている。医学部(医師養成課程)のある77大学がアンケート調査に回答した。

 調査結果によると、67大学で奨学金支給や編入学などの地域枠制度があった一方、中大都市部の10大学では制度がなかった。また、地域枠制度のある67大学のうち、50大学(約75%)が、セミナーの開催や特別教育プログラムの提供といった卒業前の支援体制が「ある」と回答した。

 一方、相談窓口の設置やメンター制度といった卒業後の支援制度については、38大学(約57%)が「ある」と回答。専門医・学位の取得の支援に限った場合、「ある」と回答したのは24大学にとどまった。同会議は「今後の地域枠学生の義務履行・地域定着を推進する上で、新たな専門医の仕組みへの対応を含め、改善が必要」としている。



http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20160317241993.html
吉田病院産婦人科休止回避へ
医師確保の見通し立つ

2016/03/17 20:00 新潟日報

 県立吉田病院(燕市)は17日、新たな医師確保の見通しが立ったことから、4月に予定していた産婦人科の休止を取りやめると発表した。

 新たな医師は非常勤で、4月は毎週火曜、5月以降は毎週火曜と金曜に外来診療する。子宮がん検診なども受け付けるが、産科は対応しない。入院も受け付けない。

 現在の医師は常勤。婦人科の外来(週4日)と入院に対応しているが、3月いっぱいで定年退職することが決まっている。同病院は後任を探したが難航。3月いっぱいで産婦人科を休止することを決めていた。



http://www.medwatch.jp/?p=8109
新専門医制度は延期を!2015年度診療報酬改定の方向は正しい―全自病・邉見会長
2016年3月17日|2016診療報酬改定ウォッチ

 現在の専門医制度は100点満点ではないものの高く評価されている。地域から若手医師がいなくなる危険性の高い新専門医制度は、実施時期・責任主体(監督官庁)・社員構成などを含めて議論しなおし、懸念が払拭されてから始めても遅くはない―。

 全国自治体病院協議会の邉見公雄会長は、17日の定例記者会見でこのような考えを強調しました。

 また、2016年度診療報酬改定については、「質の高い医療を既に行っている医療機関を評価するもので、全体の方向はよいものだ」と評しています。

地域医療の課題は「偏在」、新専門医養成は懸念を払拭してからにすべき

 新専門医制度は、これまで学会によってまちまちであった専門医の認定を、統一的な基準に基づいて第三者機関(日本専門医機構)が行うことを柱とするもので、来年(2017年)4月から養成が開始されることになっています。

 しかし、2月19日に開かれた社会保障審議会・医療部会では、多くの委員から「このままでは地域医療が崩壊してしまう」という指摘が出され、永井良三部会長(自治医科大学学長)は、部会の下に専門委員会を設置し、開始時期(現在は2017年4月スタート予定)を含めて検討することを決定しました。

 また全自病は2月29日に、例えば次のような問題点があることを指摘した上で「新専門医制度の研修開始の延期」を求める声明を発表しています。

▽専門研修基幹施設は大学病院や都市部の大病院に限られ、専攻医の都市部集中がさらに進み、医師の地域偏在を増幅させる

▽地域や病院規模によって専攻医を確保できず、地域医療が崩壊する

▽領域によっては、地方大学でも専門研修基幹施設に該当せず、専門医育成に大きな地域格差が生じる

 邉見会長は17日の会見で、上記のような問題点を改めて指摘。さらに、「現在の専門医制度は100点満点でこそないものの、『うちの地域の医師はレベルが低い』といったような『日本の医療が良質でない』という声はない。新専門医制度によって、良質どころか普通の医療がうけられない地域すら出てくる危険性がある。地域医療の課題は『医師の偏在』である」と訴えました(関連記事はこちら)。

 その上で、「実施時期、監督官庁(責任体制)、専門医機構の社員体制を含めて、医療部会の下に置かれる専門委員会でしっかりと議論し、さまざまな懸念が払拭されてから新専門医制度を開始させても遅くはない」として、改めて来年(2017年)4月からの養成開始延期を要望する姿勢を強調しています。


診療報酬改定、「質の高い医療を提供する現場」を評価するもので正しい方向

 17日の定例記者会見では、2016年度診療報酬改定(出来高部分)に対する評価も発表されました。

 邉見会長はじめ全自病執行部は、「全体として良い『方向』に向かっている」と高く評価しているようです。

 原義人副会長(青梅市病院事業管理者兼青梅市立総合病院長)や中島豊爾副会長(岡山精神科医療センター理事長兼名誉院長)は、▽一般病棟用の重症度、医療・看護必要度で内科を一定程度評価している ▽医師事務作業補助体制加算の一部を療養病棟や精神病棟でも算定できるようになった ▽総合病院の精神科でさまざまな加算を設け、身体合併症を持つ精神疾患患者の受け入れを促進している ▽児童・思春期の精神科外来の評価を従事している―点が特に高く評価できると説明。

 また、邉見会長は「認知症ケア加算や排尿ケア加算などチーム医療の評価にかなり力が入れられている。さらに小児医療の評価が充実されている」点に注目しました。

 ただし、小熊豊副会長(砂川市病院事業管理者)は、「多くの病院では有資格者を配置するなど、病院のレベルを上げなければならず、そう簡単には新点数や加算の届け出、算定はできない」ことを強調。この点に関連して邉見会長は、「(点数がなくても専門職を手厚く配置するなど)質の高い医療を行っている医療機関を評価するもので、逆に点数を追いかけている(点数や施設基準を見て人を配置しようと考えている)病院には厳しい内容である。正しい方向である」と厚生労働省の姿勢を高く評価しています。



http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=131613
佐藤記者の「新・精神医療ルネサンス」
厚労省が聖マリを行政指導

(2016年3月18日 読売新聞)

 このコラムでスクープした聖マリアンナ医大神経精神科の臨床試験問題が、3月10日の参院厚生労働委員会で取り上げられ、問題追及の動きが更に強まった。

 「調査委員会に第三者を」と塩崎厚生労働相

 「他の医師の研究も調査必要」と医政局


 維新の党の川田龍平氏が、ヨミドクターの記事を資料配布して経緯を説明。「臨床研究の倫理指針に反する数々の不正疑惑が出てきました。被験者の人権を著しく踏みにじる対応を、言動を、暴言を今も繰り返しています」などとし、「調査委員会に外部の第三者委員を入れないというのは不適切ではないでしょうか。ご本人(問題を訴えた被験者の30歳代女性)に調査委員会としてヒアリングをするべきではないか」と訴え、国の対応を質ただした。

 前回の記事で書いた通り、聖マリアンナ医大はこの問題を詳しく調べるため、2016年1月下旬に調査委員会を設置した。だが、委員を務めるのは聖マリ関係者ばかり。被験者の女性自らが希望する調査委員会のヒアリングは、行う意向を示さなかった。厚生労働省はこのような大学の姿勢を問題視し、大学関係者の聞き取りを始めていた。

 塩崎厚生労働相は川田氏の質問に対して、「調査委員会には客観性、公平性の観点から第三者を入れることが望ましいのではないかと考えており、聖マリアンナ医科大学病院の担当者に対して既に行政指導を行った」などと回答。厚生労働省医政局は「ご指摘のあった事案だけではなく、指定医の取り消し処分を受けた全ての医師が関与する研究について、適切に実施されていたか、調査を行うよう指導してまいりたい」とし、調査対象を他の医師にも広げるべきとの考えを示した。

250万円と利益相反

 問題の臨床試験では、利益相反に関する疑問も浮かび上がっている。責任研究者の准教授には、試験で使用した抗精神病薬ロナセンを販売する製薬会社から、2014年度の1年間だけで、コンサルティング等業務委託費128万762円、講師謝金111万3706円、原稿執筆料・監修料7万7959円の計247万2427円が支払われている。大学は、この件についての私の質問に「本学では、利益相反管理規程等の基準を定めており、教職員の自己申告に基づいて利益相反の管理を行っております」と文書で回答したが、自己申告は有効に機能しているのだろうか。年間約250万円という金額は、試験結果に影響を及ぼしかねない大金なだけに、これを大学が把握していなかったとすれば問題ではないだろうか。

 この臨床試験の実施計画書(プロトコール)と、実際の試験内容との相違は、前回指摘した准教授による薬の指定以外にもある。試験の中立性を保つため、認知機能検査の一部は、実施計画書で「本検査に熟達した主治医とは別の医師または臨床心理士が盲検下に実施する」「主治医とは別の医師が盲検下に評価する」と取り決めていた。簡単に訳すと「患者が飲んでいる薬は二つのうちどちらなのか、知らない医者や臨床心理士が行う」ということになる。

 ところが、被験者の女性は「検査は准教授ら試験の内容をよく知る関係者が行った」と証言している。カルテなどには、この証言を補強する記載がある。検査結果の数値についても疑問が指摘されており、統計などの専門家を交えた検証が求められる。

不可解な臨床試験登録

 さらに、臨床試験の開始から4年以上たってから、試験の登録を行ったことも不自然さがぬぐえない。人に薬を投与する臨床試験は、その研究計画などの情報を、試験開始前に「UMIN(大学病院医療情報ネットワーク)臨床試験登録システム」などの専用データベースに登録しなければならない。国が研究倫理指針で登録を求めているためで、登録情報は一般の人もパソコンなどで見ることができる。

 このような登録は、研究者が臨床試験を計画するにあたって、同様の試験が既に行われていないかどうかを確認するのに役立つだけではない。試験内容を事前に登録し、情報を公開することで、薬が効かなかった場合も報告の必要が生じる。薬が効いた研究しか公にならない偏りを防ぐことができ、公正で有益なデータの蓄積が可能になる。そのため近年は、未登録の臨床試験の研究論文は採用しない医学誌が増えている。

 研究倫理指針の改正版が施行され、日本でも事前登録が強く求められるようになったのは、2009年4月からだ。聖マリの臨床試験は09年2月に始まったので、改正前の研究倫理指針が適用され、登録しないことも可能だった。だが、開始後間もなく指針が変わったのだから、すみやかに登録するのが通常の対応と考えられる。なぜ13年まで登録しなかったのか。准教授は被験者の女性に「失念していた」と説明しているが、10年には別の臨床試験をUMINのデータベースに登録している。登録の重要性は分かっていたはずだ。

 2013年の登録時点では、既に、ロナセンを服用した被験者のデータが多く集まっていた可能性がある。そのため、「結果を見定めてから登録したのではないか」と勘ぐる声もある。

 聖マリの調査委員会は、このような数々の疑問に答える報告書をまとめる必要がある。だが、臨床試験に関わる複数の部署が、口裏を合わせて被験者にウソを重ねた大学のお手盛り委員会が、まともに機能するのだろうか。大学は厚生労働省の指導を真摯しんしに受け止め、調査委員会に第三者の専門家を入れたり、被験者のヒアリングを行ったりするなどして、公正な調査を進めるべきだ。



http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160317-OYO1T50010.html
医師を書類送検…向精神薬十数万錠譲渡か
2016年03月17日 読売新聞

 向精神薬約1200錠を処方せずに患者の女性(32)に渡したとして、兵庫県警は17日、同県加東市の医師の男(72)を麻薬及び向精神薬取締法違反(譲渡)容疑で書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。

 医師はこれまでの調べに容疑を認めており、「女性にしつこく頼まれ、断れなかった」などと供述。昨年8月までの約3年半に、計十数万錠を渡したという。

 捜査関係者によると、医師は昨年8月、開業する医院に不眠などで通院していた同県西脇市の女性に、向精神薬の一種の睡眠導入剤など約1200錠を譲り渡した疑い。

 医師は、女性から「薬をくれるまで帰らない」などと執拗しつように要求され、断り切れなかったという。当初は1瓶(500錠)を7000円ほどで売っていたが、支払いが滞るようになった後は、事実上、無償で渡していたとみられる。

 女性は昨年12月、向精神薬を転売目的で所持していたとして、県警に同法違反容疑で逮捕され、不起訴(起訴猶予)になった。この捜査の中で入手先として医師が浮上した。



https://www.m3.com/news/iryoishin/408558
地域枠の医学生の学力、一般枠と比べて劣らず
全国医学部長病院長会議の調査で明らかに

2016年3月17日 (木)配信 橋本佳子(m3.com編集長)

 全国医学部長病院長会議は3月16日の定例記者会見で、2015年度「地域における医師養成の在り方に関する調査」報告の概要を公表、「地域枠の入学者の学力は、一般枠と比べて遜色がない」と報告した。

 会見した同会議地域医療検討委員会委員長の小林誠一郎氏は、「2008年度からの医学部入学定員増に伴い、地域枠も増加した。地域枠の入学者は学力が低いのではないか、と言われるが、今回の調査では、地域枠で入学した学生のストレート卒業率は、一般枠と比べて低いとの傾向は認めず、国試現役合格率も全新卒者の平均合格率を上回っている」と説明した。ただし、本調査は、2008年度(地域枠入学者296人)と2009年度(同602人)のデータであり、数が少ないことから、今後数年間は調査を続け、統計解析ができる数が集まった時点で、ストレート卒業率などの数値を公表する予定だという。

 77大学中、67大学が「地域枠あり」

 本調査は、文部科学省の委託を受け、同会議が実施。地域枠についての初の全国調査だ。地域枠入学者の学力、義務年限の履行率、地域定着率、辞退率などを分析し、地域枠の問題点などを抽出し、地域枠制度の実効性を高めるのが狙い。

 調査対象は、自治医科大学、防衛医科大学、産業医科大学を除いた、全国医学部・医科大学77大学。そのうち、2015年度において「地域枠あり」と回答したのは67大学。地域枠の定員は、全体で1249人で、一般枠を合わせた67大学の入学定員7791人の16.0%に当たる。平均は18.6人で、最小は3人、最大は90人。

 大学の所在地による差が大きく、「小都市」は全32大学(100%)が「地域枠あり」だったが、「中大都市」は45大学中、35大学(77.8%)にとどまった。入学定員に占める「地域枠」の割合を見ると、「小都市」の方が多く、全入学定員3768人中、764人(20.3%)、「中大都市」は同4023人中、485人(12.1%)だった。

 地域枠のパターンは、(1)卒後、一定の義務履行を条件として奨学金の貸与を行うもの(869人)、(2)別枠で選抜し、卒後、一定の義務履行を条件とするが、奨学金の貸与を行わないもの(256人)、(3)別枠で選抜し、卒後義務履行および奨学金貸与のないもの(124人)――だ。いずれの区分においても入学者の学力は、ストレート卒業率(入学者数に対する、卒業者数から留年経験者数をひいた人数の割合)、国試現役合格率ともに、一般枠と比べて遜色がなかった。

 卒前・卒後のキャリア支援がカギ

 地域枠の課題は、卒業後および義務年限履行後の医師の地域定着策だ。小林氏は、「地域定着を推進するためには、卒前教育と卒後研修を通じた、トータルなキャリア支援を行う体制が必要と考えられる」と話す。

 卒前のキャリア支援体制が「ある」と回答したのは、67大学中50大学(74.6%)と高いが、卒後のキャリア支援体制が「ある」のは、38大学(56.7%)にとどまる。特に卒後については、医師の専門医志向が高まっている折、地域医療への従事と専門医取得が並行してできるような支援体制をいかに構築するかが課題となる。


 医師の専門医取得意向が地域偏在に拍車?

 3月16日の定例記者会見では、「2015年度全国大学附属病院研修医に関する実態調査報告」も発表された。同調査は2004年度に必修化された臨床研修制度の影響を検証するため、中大都市と小都市という所在地別に、大学病院における臨床研修医や臨床研修修了者の帰学率などを毎年調べている。

 臨床研修の必修化後、大学病院で研修する割合は漸減し、2015年度は大学病院41.7%、臨床研修病院58.3%。小林氏は、「大学病院に残る卒業生が減り、地域に医師を派遣する能力がなくなり、医師の地域偏在と診療科偏在のトリガーになった」と説明。

 臨床研修医の充足率(臨床研修者数/臨床研修者定員)は、大学病院全体では69.6%で若干増加傾向だが、地域別では東北地方で著しく低く、次いで中国、四国、中部で低い傾向が続いている。

 臨床研修修了者を、大学病院で受け入れた率(臨床研修修了者数/国試合格者数。以下、受け入れ率)は、全国平均で63.4%でやや増加傾向にある。地域別では、臨床研修医と同様、東北や四国などで低い。臨床研修医数と比較すると、卒後2年間の初期研修では臨床研修病院に出ても、卒後3年目は大学病院に戻る医師が少なくないことが分かる。ただし、受け入れ率は、中大都市の大学病院では、臨床研修必修化前の2002年度は69.4%だったが、2015年度は76.6%に上がっているのに対し、小都市の大学病院では、74.2%から41.2%へと激減している。「一つの可能性として大きいのは、専門医を取得するために、大学志向が強まっているのではないか」と小林氏は述べ、地域偏在の解消のためにも地域枠に期待した。

 臨床研修修了者の診療科別の進路は、やや増加傾向を示しているのは整形外科と泌尿器科。女性医師が50%以上の診療科は、産婦人科、皮膚科、麻酔科だった。



http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0317/san_160317_8853177011.html
向精神薬「ハルシオン」大量処方で70代医師を書類送検 患者はネットで不正転売
産経新聞3月17日(木)13時8分

 処方箋に記載しないまま患者の女に向精神薬「ハルシオン」を大量処方したとして、兵庫県警生活経済課などは17日、麻薬取締法違反(譲渡)容疑で、兵庫県加東市で医院を経営する70代の男性医師を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。
 女には約3年間で十数万錠のハルシオンが渡っていたといい、インターネットで不正転売して利益を得ていたとみられる。医師は「薬が欲しいとしつこく言われ、渡せば帰ってくれると思った」と容疑を認め、女が不正転売していた認識がなかったと説明しているという。
 書類送検容疑は昨夏、同県西脇市の無職女(32)=同法違反(営利目的所持)容疑で逮捕、起訴猶予=にハルシオン約千錠を処方する際、処方箋に記載せず渡したとしている。
 捜査関係者によると、ハルシオンの服用量は1日2錠だが、医師は女に対し、1カ月あたり2・5カ月分に相当する約150錠を処方。これとは別に、数百回にわたって500錠入りの瓶を販売していたが、女は当初しか代金を払っていなかった。
 女はその後、手に入れたハルシオンを不正に転売。平成20年4月以降、別のルートで入手した向精神薬も含めて転売を繰り返し、昨年4月までに約1300万円の利益を得ていたとされる。



http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201603/2016031701001101.html
薬10万錠過剰処方か 医師を書類送検
2016年03月17日木曜日 河北新報

 向精神薬を過剰に患者に処方したなどとして、兵庫県警は17日、麻薬取締法違反(譲渡)の疑いで、県内の70代の男性医師を書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。
 患者は処方された向精神薬などをインターネット上で転売し利益を得ていたといい、県警は医師が患者に10万錠以上の医薬品を渡した可能性があるとみて調べている。
 送検容疑は昨年8月ごろ、自身の医院の患者1人に、治療に必要な量を超える向精神薬約千錠をみだりに譲り渡した疑い。
 捜査関係者によると、向精神薬の投与は通常1日数錠程度。だが医師は患者に1日数十錠を渡していたとみられる。



http://news.livedoor.com/article/detail/11305089/
医者=勝ち組じゃない?「看護師より給料低い」「名誉と収入が一致しない」
2016年3月17日 11時30分 dot.(ドット)

 医学部人気が続いている。医師は不況に強く、高収入のイメージが定着しているようだが、現役医師からは「そんなに甘くない」との声も。

 少子化が進み「大学全入」時代といわれるが、医学部はなお狭き門。2016年度入試の定員は、国公立大学が5778人、私立が3484人の計9262人。東北医科薬科大学の新設などで、前年度より100人余り増えるが、難関であることに変わりない。

 医師になるためのコストは、入り口で大きく分かれる。国公立と私立の学費に、天と地ほどの開きがあるからだ。6年間の費用総額は、国公立が350万円程度なのに対し、私立は2千万円超が当たり前、4千万円を超える大学もある。とても一般の家庭に支払える額とは思えないが、東京大学医科学研究所の上昌広特任教授によると、私大医学部への進学者は「多くが開業医の子弟で、親から設備や顧客を引き継ぐため、十分ペイすると考えられる」という。

 そもそも医学部に進学するためには、相応の学力を身につけるための投資も必要だ。大手予備校の講師によると、

「もともと学力の高い生徒であれば、特待生として学費が免除されるケースもあります。医学部専門予備校を選べば、個々の事情に応じて指導してもらえますが、学費は跳ね上がります」

 それでも医学部を目指すのは、その先に「勝ち組」の人生が待っているからなのか──。だが、現実は必ずしもバラ色とはいえないようだ。

 首都圏の診療所副院長を務める医師(40)によると、医師として一人前になるには、研修医の期間を含め、医師免許取得からおよそ10年かかるという。研修医時代の給与は、当直代などを除けば、手取り月20万~30万円が相場のうえ、原則としてアルバイト禁止の研修先も多い。

「大学の医局や一般病院で勤務医として経験を積みながら、認定医や専門医、博士号などの資格を取る。その後は医局に残る、一般病院へ転職する、開業するなど、各自キャリアを選択していきます。勤務医の給与は、手取り30万~40万円程度から始まるのが一般的です」

 医師の仕事には当直があり、「9時5時」勤務とは程遠い環境だ。 発売中のアエラムック「医学部がわかる」では、医師専用コミュニティーサイト「メドピア」(https://medpeer.jp/)の協力のもと、現役医師344人にアンケートした。それによると、1日の平均勤務時間は、8割超が8時間以上、3割超が10時間以上となっている。

 年収調査では、医師の8割以上が1千万円超。高収入だが、当の医師たちからは不満の声も相次いだ。

「忙しすぎる。賃金が安い」(産婦人科・勤務医・40代男性・1300万~1600万円)
「給料も低いし、休みも有休もなしです」(小児科・勤務医・40代男性・600万~800万円)
「時間外手当が出ないので、十数歳年下の看護師より給料が低い」(整形外科・スポーツ医学・勤務医・30代女性・800万~1千万円)

 こうした医師の不満の背景には、勤務時間の長さ、人の命を扱う責務や緊張感、訴訟リスクなどがありそうだ。常勤先により、ベースの収入に大きな差が出るという現状もある。大学病院の医局や有名な病院は、症例が多く効率的に学べ、人気がある半面、給与がさほど高くないのが一般的だ。医局に残って教授を目指す場合を除き、一定の経験を積んだ後は、よりよい条件の病院へ転院していく医師が多いという。

「医師の満足度の分岐点は年収1500万円といわれています。1千万円未満の所得は、大学病院所属者が多いようです。技量や経験に収入が比例しないため、不満もたまりやすいのではないでしょうか」(ニューハンプシャーMC取締役で医師専任コンサルタントの中村正志氏)

「国公立の病院の場合、公務員に準じる扱いなのでアルバイトもできない。教授などの管理職になっても、年収は1千万円を超えません。名誉と収入が一致しない、珍しい職業です」(前出の診療所副院長)

(医療健康編集部)

※AERA 2016年3月14日号より抜粋



http://www.medwatch.jp/?p=8076
「医師誘発需要」か「患者の希望」か―高齢先進国ニッポンを考える(4)
2016年3月17日|医療・介護行政をウォッチ

 経済財政諮問会議の専門調査会「政策コメンテーター委員会」を務める井伊雅子氏(一橋大学国際・公共政策大学院教授)によれば、生活習慣病の外来診療のデータを解析すると、人口に占める医師の密度が高い地域ほど患者の診療間隔が短くなる傾向があるようです。受診間隔の地域格差は一体何に起因しているのでしょう。1つには、医療機関同士の競争が過熱し、患者を囲い込もうとして新たな需要を生み出す「医師誘発需要」が影響していると考えられそうです。井伊氏に詳しく伺いました。

日本の処方実態に海外から驚きの声も

 国民医療費が40兆円の大台に乗り、特に薬剤費を適正化させる必要性が叫ばれているが、当の医療現場の意識は必ずしも高いとは言えない。

 高額な降圧剤として知られる「アンジオテンシンII受容体拮抗薬」(ARB)の処方が地域によってどのように異なるかを明らかにするため、全国健康保険協会(協会けんぽ)からレセプトデータ(2013年4-7月)を提供してもらい、大阪府済生会吹田病院の関本美穂麻酔科医長と分析した(図表1)。すると、降圧剤全体に占めるARBの処方割合は全国のどの医療圏でも8割前後で、患者の年齢や性別による目立った差は認められなかった。

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図表1:ARBの処方割合は全国のどの医療圏でも8割前後だった

 この結果を海外の医療関係者に伝えると驚かれる。諸外国では、ARBの処方割合は2割程度のケースが多いからだ。欧米諸国では、より安価で有効性や安全性も劣らない「カルシウム拮抗薬」、「利尿薬」「ACE阻害薬」などの降圧剤がまず処方され、ARBは次のステップとされるケースが多い。これに対して日本では、多くの医療機関が最初からARBを選択している可能性が高い。

 これについて現場の医師らにコメントを求めると、「診療ガイドラインに基づいて処方しただけだろう」といった答えが多いが、中には「現在の診療ガイドラインは費用対効果を考慮していない」という声もある。

 前回も紹介したように、プライマリ・ケア領域の統一的な診療ガイドラインは、日本にはそもそも存在せず、このことが日本の外来診療の標準化を妨げる大きな要因の1つだろう。

受診間隔と疾患コントロールに関連性なし

 関本氏との調査では、医師密度が高くなると医療費が増加する傾向が高血圧症と糖尿病でそろって認められた(図表2)。また、人口1000人当たりの医師数が1人増えると、患者1人当たりの医療費は3000円から4000円に増加することも分かった。糖尿病と高血圧症以外の疾患も含めれば、増加額はかなりの大きさになるだろう。

 この調査では、医師密度が高まるほど外来患者の受診間隔が短くなる傾向も認められ、これが医療費を膨らませる要因だと考えられる。

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図表2:医師密度が高くなると医療費が増加する傾向が認められた

 前回も触れた通り、受診回数に比例して治療成績が向上するのなら頻回な受診が問題だとは言い切れないが、受診の回数が増えても成績が変わらないのであれば効率化の余地があるとみるべきだろう。そこで、特定健診(40歳以上を対象とした、いわゆるメタボ健診)を2013年に受けた人を対象に、医療機関への受診間隔と疾患コントロール(血圧コントロール、血糖値コントロール)の関連性を操作変数法で推定すると、両者に関連性はほとんどなかった(図表3)。これは、頻回な受診の妥当性が極めて低いことを示している。

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図表3:頻回な受診の妥当性が極めて低いことが示された

 頻回な受診は、患者側が望んだ結果である可能性も否定できないし、こうした希望を医師が汲んで回数を増やしたのかもしれない。しかし、いずれにせよ医学的な必要性を示す根拠を伴わないのであれば、こうした「医師誘発需要」が好ましいとは言いがたい。受診間隔を標準化して必要最小限にすべきだろう。

市場原理では日本の医療は救えない

 「岩盤規制と複雑な制度がこの国の医療現場を縛り付けている」「医療に市場原理を導入して効率化を進めるべきだ」という主張をよく耳にするが、日本では診療報酬の多くが出来高で請求でき、医師の裁量も過剰なまでに認められている。現場が提供している医療の中身に行政がほとんど介入しないという、世界にも類を見ない自由放任主義的な医療体制だと言える。

 都市部での病院乱立と、自由競争の現実にもっと目を向けるべきだ。市場原理の導入が医療改革の特効薬なら、日本の医療はとっくに効率化され、医療費も適正化されているはずだ。しかし、実際は医療サービスのばらつきや無駄が見られる。より多くの患者を抱え込もうと、自由競争が「医師誘発需要」をもたらしている可能性は否定できず、これが国の財政を圧迫し、医療現場も疲弊している。

 これからは、コストと質のバランスに着目して医療の費用対効果を検証したり、医療の中身に行政がもっと介入したりして、サービスの標準化を進めるべきだろう。入院医療の診療報酬には近年、医療の質を評価する概念が取り入れられつつあるが、プライマリ・ケアなど外来診療の領域ではこうした仕組みはほぼ皆無だ。優秀な総合診療専門医が育ち普及しない限り、外来診療の改善も地域医療の再編も進まないだろう。



https://www.m3.com/news/iryoishin/408612
シリーズ: 改革進む医学教育
国立大病院、「病院長の権限強化」提言へ
ガバナンス強化に向けて、国立大学附属病院長会議

レポート 2016年3月17日 (木)配信成相通子(m3.com編集)

 厚生労働省の第2回「大学附属病院等のガバナンスに関する検討会」(座長:田中滋・慶應義塾大学名誉教授)が3月16日に開かれ、オブザーバーとして参加した千葉大学医学部附属病院長の山本修一氏が国立大学附属病院のガバナンス強化に向けた課題を説明し、国立大学附属病院長会議として、病院長の資質・能力の明文化や権限強化、病院長選考会議を設置するなどの提言を近日中に取りまとめることを明らかにした。

 山本氏は、国立大学病院の経営環境の厳しさや安全管理の責任が増す中で、今後の病院長には、「組織の運営に必要な経営力」と「生命・健康を預かる組織として、診療提供体制の管理、医療の質や安全性の確保に必要なマネジメント力」が必要だと指摘。その上で、(1)病院長に必要な資質・能力の明文化、(2)病院長の職務・権限の明確化、(3)病院長選考を複数候補者の下で実施、(4)病院長選考会議の設置――などを学長が定める内部規則に盛り込むことが必要だとする提言を国立大学附属病院長会議が国立大学協会と連携し、検討しているとした。

 検討会では、同じくオブザーバーの東京慈恵会医科大学名誉教授の森山寛氏が私立医科大学のガバナンスに関する状況や慈恵医大の例を説明したが、私立大学に関してはそれぞれ建学の精神や独自の文化があるため、選考方法はそれぞれ違う方法がいいと指摘した。

 このほか、がん研究会理事長の草刈隆郎氏が同団体のガバナンス体制を紹介した。委員からは「大学病院と一般病院で役割は異なる。大学病院の病院長は医療安全に重きを置くべきで、経営手腕で評価すべきではない」「病院長の権限強化だけでなく、支える事務職などのスタッフが必要」「大学病院の設置基準が時代遅れではないか」「権限強化に見合った報酬の増額も本当は検討すべき」などの意見が出た。

 大学附属病院等のガバナンスに関する検討会は、群馬大学医学部附属病院や東京女子医科大学病院などの大学病院で医療安全事案が相次いで発生したのを踏まえ、大学病院の病院長の選考方法などガバナンス強化に向けた対応策を検討している(『大学病院、「院長の選考方法」改革へ、厚労省検討会』を参照)。

 「入院診療単価8万5000円を目指す」千葉大

 山本氏は、国立大学附属病院の厳しい経営状況を説明した上で、5つの課題を指摘。(1)医療安全管理体制の再構築、(2)経営体制の強化のための病院長の権限強化、(3)病院長の権限と責任の明確化・選考の見直しによるガバナンスの確保、(4)初期臨床研修医の確保と新専門医制度への対応を踏まえた地域の医師配置の在り方などの人材育成、(5)臨床研究体制の持続可能性の担保と国立大学附属病院全体の底上げ――が国立大学附属病院で共通の課題になっているという。

 これらの課題に対して、千葉大では病院長直属の部署の設置や医療安全専任教授の採用、全死亡退院患者の検証などの取り組みを実施。経営体制の強化のために、病院長企画室を新設したほか、外部招へいの病院経営の専門家の特任教授らを配置し、「新入院患者を前年度比3%増」、「入院診療単価8万5000円を目指す」などの経営戦略を策定している。

 病院長の選考方法は、立候補者と教授会や准教授・講師会などからの推薦を得た被推薦者が投票し、上位複数名の中から学長が選考する仕組み。任期は3年で1回に限り再任が可能だという。このような千葉大での状況などを踏まえて、ガバナンス強化に向けた提言を検討していることを明かした。

 病院長、指名と選挙で利点と欠点

 森山氏は、私立医科大学附属病院(本院)におけるガバナンス体制に関するアンケート調査の途中結果を説明。私立大学では病院収入の比重が大きいため、病院長の権限は比較的大きいことや、単科大学と総合大学で組織のバラつきがあること、教職員を守る視点が大切であることなどを指摘した。慈恵医大では、医師や教員の人事委員会において院長権限は強く、診療部長の任期更新のための評価を実施して、診療部長を解任することもあるという。問題点としては、診療部長と主任教授が別々になるとスタッフに混乱が起きる可能性を挙げた。

 森山氏の私見として課題も指摘した。理事長・学長の役割分担、院長の権限を発揮しやすい体制作りとともに、それを評価・チェックをする仕組み、院長を補佐するために中長期的な視点を持つ内部のスタッフの育成も必要だとした。

 病院長の選考方法に関しては、指名方式は「理事長の意向に従いやすく」、選挙方法は「学閥や大学内の力関係に利用される」として、利点と欠点があると指摘。私学ではそれぞれ建学の精神や独自文化を踏まえ、最低限のルールを決めた上で、各大学や病院に合った選考方法がいいとの見解を述べた。選考は被推薦者のほか立候補者も対象だが、業務が大変で報酬が少ないことから「なりたいと立候補する人はほとんどいない」と説明した。



http://www.medwatch.jp/?p=8099
特定機能病院の承認要件に「病院長の選任」に関する規定が盛り込まれる可能性も―大学病院ガバナンス検討会
2016年3月17日|医療・介護行政をウォッチ

 大学附属病院の病院長選出方法について透明性をより高めるとともに、医療安全を第一に考えるような意思決定を可能にするためには、どのような体制を敷けばよいのか―。こういった検討が、厚生労働省の「大学附属病院等のガバナンスに関する検討会」で進められています。特定機能病院の承認要件に関係するテーマとなる可能性もあります。

 16日に開かれた検討会では、▽がん研究会▽千葉大学医学部附属病院▽東京慈恵会医科大学附属病院―のそれぞれで、現在、どのようなプロセスで病院長が選出されているのか、病院のガバナンスはどうなっているのかといった点についてヒアリングが行われました。

がん研究会では、外部から利用者の視点で医療安全管理を監視

 この検討会は、東京女子医大や群馬大学附属病院で生じた医療事故を重くみて、「大学附属病院のガバナンス改革をいかに行うべきか」を議論するために設置されました(関連記事はこちらとこちらとこちら)。具体的な検討テーマは、▽病院としての適切な意思決定を行うための体制▽管理者の資質や選任方法―など。16日の会合では、次の3氏から意見を聴取しました。

(1)草刈隆郎構成員(がん研究会理事長)

(2)山本修一オブザーバー(千葉大学医学部附属病院長)

(3)森山寛オブザーバー(東京慈恵会医科大学名誉教授)

 (1)の草刈構成員によると、がん研究会では次のようなガバナンス体制が敷かれています。

▽一般企業の株主総会に当たる「評議員会」:外部の評議員20名で構成され、理事(病院長も理事の1人)・監事・会計監査人の選任・解任を行う権能を持つ

▽一般企業の取締役会に当たる「理事会」:常勤の理事7名と非常勤の理事(外部理事)14名、さらに監事4名で構成され、代表理事・業務執行理事の選定・解職、重要な使用人(病院長など)の選任・解任を行う権能を持つ

▽一般企業の執行役員会に相当する「経営会議」:理事(病院長も理事の1人)、名誉院長、副院長、研究本部長などで構成され、副院長、院長補佐、病院診療科部長、経営本部部長などの選定・解職を行う権能を持つ

▽経営会議の下に、「経営本部」(総務部や財務部、人事部、医事部など)、「病院本部」(がん研有明病院)、「研究本部」(がん研究所、がん化学療法センター、ゲノムセンター)が設置される

▽病院長の下に安全・倫理・施設担当の副院長が置かれ、さらに医療安全担当の院長補佐が設置される。院長補佐は「医療の質」や「院内感染対策」「医療安全管理」などの委員会を統括する

がん研究会のガバナンス体制、評議員会が理事を選任し、うち1名が病院長となる。医療安全については理事長直轄のチーフコンプライアンスオフィサー(外部者)が設定されている
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 ここから病院長は「外部の評議員によって選出される」ことが分かります。

 また医療安全については、院長補佐が統括する委員会が設置されますが、そこには理事長直轄のチーフコンプライアンスオフィサーが出席します。チーフコンプライアンスオフィサーは医療職ではなく、いわば患者・利用者の視点で委員会に出席し、会議の内容に不明点や一般には分かりにくい部分があれば、随時質問するといいます。草刈構成員は「がん研究会の外にいる方が、医療安全確保に向けて目を光らせている」と強調しました。

 なお、がん研有明病院の院長に任期はありませんが、「理事の任期(2年)」「定年(70歳)」が定められているため、「最も長く病院長を務めた方で5年ほど、通常は3年ほどである」と草刈構成員は説明しています。


大学附属病院長の選任、外部者が入った選考会議を求める意見

 (2)の山本オブザーバーからは、千葉大病院の状況とともに、国立大学附属病院長会議の考え方が説明されました。

 千葉大病院では、病院規定に基づいて「附属病院長は、医学研究院から推薦された複数の候補者の中から、学長が任命する」ことが紹介されました。病院長は病院の管理・運営に関する業務を統括する責務を負い、その中には当然「医療安全の確保」も含まれます。

 ところで、大学附属病院長には、強力な「経営力」と「マネジメント力」が求められます。附属病院は他の研究機関に比べて格段に規模が大きく、厳しい経営環境の中で「利益」を生み出さなければならないためです。後者について山本オブザーバーは「大学附属病院は、いわば『利幅の小さい』高難度医療を提供しながら、あわせて研究・教育を実施しなければならない」点を強調し、極めて経営が難しい状況を訴えました。

 さらに山本オブザーバーは、大学附属病院のガバナンス強化に向けて、次のような点を病院長の選任・任命手続き(内部規則)に盛り込むことが必要と訴えています。近く、国立大学附属病院長会議から提言として取りまとめられる模様です。

▽医学教育・医学研究・高度医療を担う大学附属病院の病院長として求められる必要な資質・能力の明文化

▽病院長の職務・権限の明確化

▽病院長選考を複数候補者の下で実施

▽病院長の選考過程の透明化を図るため、広くステークホルダーの意見を反映させるよう「病院長選考会議」を設置

 山本オブザーバーは「大学附属病院長の選任は、選挙と学長の任命とのいずれの方法によってもメリットとデメリットがある。要は透明性を確保するために、外部の人間が入った選考会議を設けることが重要ではないか」と説明しました。

 なお、およそ半数の国立大学附属病院では、専任の医療安全管理部教授(医療ゼネラルリスクマネジャー)を採用し、医療安全管理体制を強化を図っていることも紹介されています。

大学附属病院長を補佐する体制の強化も重要

 (3)の森山オブザーバーは、私立医科大学附属病院のガバナンス体制に関するアンケート調査結果(途中経過)や慈恵会医大病院の状況に合わせて、ガバナンス強化に向けた考え(私見)を披露しました。

 アンケート調査からは、私大附属病院では▽病院長サポート体制の強化医療安全管理体制を強化するための認証制度創設▽処遇の拡充―などが必要と感じていることが浮かび上がってきました。また、山本オブザーバーと同様に「高コストの教育・研究を行いながら、病院経営を行うという厳しい環境にあり、支援や診療報酬による手厚い手当が必要」と森山オブザーバーも訴えました。

 また森山オブザーバーは「私見」と断りながらも、「病院長の選出方法は指名・選挙のいずれでもよく、ガバナンスが利き、実効性のある運用しやすい体制や方策の構築が重要」と指摘。さらに院長を補佐しる仕組みを内部で強化することが重要とも強調しています。

塩崎厚労相は「選挙による大学病院長の選出」に違和感

 検討会では、こうした意見を踏まえて今夏をめどに意見を取りまとめる予定です。

 ところで、塩崎恭久厚生労働大臣は、昨年(2015年)11月の「大学附属病院等の医療安全確保に関するタスクフォース」で「多くの大学病院では病院長を選挙で選んでおり、これでは医療安全を最優先にした、継続したリーダーシップには必ずしもつながらないのではないかと感じている」と述べています。例えば、検討会で「大学附属病院に置いて、病院長の選任方法はこうあるべきである」旨の意見が取りまとめられた場合、その選任方法が特定機能病院の承認要件の1つとなる可能性もあり、今後の議論に注目が集まります。



https://www.m3.com/news/general/408638
【香川】保険料支払い訴訟:病院側に違反なし 地裁、会社請求棄却
事故・訴訟 2016年3月17日 (木)配信 毎日新聞社

 香川大医学部付属病院(三木町)に救急搬送された女性を巡り、損害保険大手のAIU保険日本支社(現AIU損害保険、東京都千代田区)が「医療過誤により重度の後遺症が残り、多額の保険金を支払わされた」などとして同大に約1億7400万円の支払いを求めた訴訟の判決が16日、高松地裁であり、福田修久裁判長は「病院側に注意義務違反は認められない」として請求を棄却した。

 判決によると、女性は2003年9月、坂出市内での交通事故で同病院に運ばれて治療を受けたが、重度の四肢まひが残った。事故を起こした車にAIU保険の保険が掛けられていたため、同社が治療費など約3億5000万円を支払った。

 裁判で、AIU保険側は「治療の際に頸椎(けいつい)保護のための固定を怠った」と主張したが、福田裁判長は「救急治療として蘇生や止血を優先すべきだった」として病院側の注意義務違反を認めなかった。

 判決について香川大は「本院の主張が認められた。今後も良質な医療サービスに万全を期したい」とコメントし、AIU損害保険は「判決内容を精査して今後の対応を決めたい」と話した。【待鳥航志】



http://www.cabrain.net/news/article/newsId/48357.html
医療資源少ない地域、医療圏見直しに苦言も- 全自病・邉見会長
2016年03月17日 21時00分 キャリアブレイン

 2016年度の診療報酬改定が官報告示されたことなどを受け、全国自治体病院協議会(全自病)は17日の記者会見で、改定の個別項目に対する見解を発表した。邉見公雄会長は、排尿ケアなどチーム医療に対する項目の新設や、小児医療の充実といった方向性を評価する一方、地域性に配慮した施設基準の緩和などの対象となる医療圏の見直しについて、「はしごを外された」などと苦言を呈する場面もあった。【敦賀陽平】

 12年度の改定では、医療従事者の確保が困難で、医療機関の数が少ない30の二次医療圏を対象に、診療報酬上の看護職員の配置要件などを緩和する措置が講じられ、14年度改定でも、対象となる医療圏は維持された。

 だが、16年度改定では、医療圏を選ぶ基準を見直し、これまでの人口密度などから人口当たりの医師・看護師数などに変更。その結果、医療圏の数自体は41に増えるものの、現行の18医療圏は対象外となる。

 会見で邉見会長は、「3、4年で、(要件を満たして)取ろうとしているところに、ちょっと血も涙もない」と述べた。

 ただ、16年度改定全体の方向性については、「診療報酬を取ろうとしているところではなく、必要な医療をやっている現場を後から評価している。医療政策としては正しい方向だ」と評価した。

■看護必要度、内科的項目の追加も「助けにはならない」

 個別項目を総括した原義人副会長は、地域包括ケア病棟で手術・麻酔の費用の出来高算定が認められることや、医師事務作業補助体制加算の対象が広がることについては「歓迎する」と発言。また、精神科病棟に医師を手厚く配置する総合病院に対する加算の新設にも触れ、「(医療現場が)少しやりやすくなると思う」と述べた。

 一方、一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」に関しては、A項目とC項目に「内科的な項目が加わった」としながらも、重症患者の割合が25%に引き上げとなることから、「25%をクリアするのにすごく助けになったかというと、そうではない印象が強い」と述べた。全自病の会員からは、「(患者割合の上乗せは)せいぜい1%、うまくいって2%ではないか」との意見が多かったという。



https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/53872/Default.aspx
製薬協 医療用薬の広告・販促用印刷物の社内審査 第三者参加で合意 透明化が狙い
2016/03/18 03:52 ミクスオンライン

日本製薬工業協会は3月17日、都内で開いた総会で、医療用医薬品の「プロモーション用印刷物及び広告等作成に関する社内審査」について、必要に応じて第三者を参加させて審査を行うことで合意し、会員各社に9月までに社内体制を整備するよう求めることを決めた。第三者の参加は常に求めるものではなく、医療用薬の新発売、効能追加などに合わせ各社で作成されるパンフレット、広告を審査する際に参加を求める。キャッチコピー、イラスト、動画が誤解を招く内容になっていないかなどを一般社会の目でチェックしてもらう。社内審査の透明化が狙い。

製薬協は、今週中(21日の週)にも製品情報概要審査会委員長名で各社に通知し、体制整備を求める方針。第三者の要件は各社の審査手順書で明記させるが、社外の者とし、仮に退職者を登用する場合は退職後2年以上たっていることが必要になる。

一方、製薬協は16年度に、製品情報概要審査会での審査対象を拡大、審査体制を拡充する。現行の総合パンフレット、広告に加え、パンレットから一部項目を抜粋した特定版、記事体広告、品名広告にも広げ、来年度半ばにも人員体制を確保したうえで実施する。

これらの取り組みは、医師主導臨床研究問題で製薬企業の誇大な広告が問題になったことが背景にある。厚労省は来年度、製薬企業の販促活動の状況を協力医療機関から情報収集し、広告違反を早期に発見する監視事業を行うことにしており、今回の製薬協の取り組みは、厚労省の事業に対し、業界として違反行為を未然に防ぎ、適正な事業活動を促すためといえる。

審査への第三者の参加については厚労省研究班(主任研究者:白神誠・日本大学薬学部教授)がまとめた「医療用医薬品の広告の在り方の見直しに関する提言」に盛り込まれていたもので、製薬協は対応を検討していた。



http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20160317-OYTNT50230.html
野洲新病院 予算委可決
2016年03月18日 読売新聞 滋賀

 野洲市がJR野洲駅南口で目指す新市立病院計画で、市議会予算常任委員会は17日、整備推進費などを含む207億3000万円の2016年度一般会計当初予算案を賛成多数で可決した。新病院関連の議案は昨年5、11月に2度否決されたが、市は「合理性がない」として2月議会に改めて提案。本会議での採決は23日に予定されており、山仲善彰市長は「ようやくいい方向に落ち着きそうで一安心だが、まだ登山口に着いたばかり。作業は膨大だが、市民の期待に沿う新病院を作りたい」としている。

 市は、同駅南口の市有地に約86億円で市立病院を建設し、市直営で20年秋の開設を目指す。実現を望む市民、女性グループなどからは賛成、駅南口の住民からは南口での建設反対を訴える署名が出されている。

 今回の予算案には、基本設計・事業委託料計約8000万円、整備運営基金1000万円などを計上。この日の委員会(18人)では、委員長を除く採決で、賛成10、反対7で原案通り可決された。

 これに先立ち、反対派委員5人から「現在、民間の野洲病院を今の場所で市立病院にした方が、早期建設を求める市民の声に応えられる」として原案を減額修正する動議が出されたが、賛成7、反対10で否決された。



http://www.nikkei.com/article/DGXLZO98586930Y6A310C1CC1000/
生活保護受給の患者、短期転院繰り返し4000人 病院が診療報酬目当てか
2016/3/18 2:00日本経済新聞 電子版

 短期間に複数の病院で転院を繰り返す生活保護受給者が全国に4千人以上いることが17日、厚生労働省への取材で分かった。患者の入院期間が長くなると、診療報酬が下がり病院の収入が減る。このため一部の病院が示し合わせ、診療報酬が下がる前に転院を繰り返させた疑いがある。同省は各自治体に対し、福祉事務所を通じて不適切な転院の監視を強化するよう指示した。

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 こうした行為は福祉関係者の間で「ぐるぐる病院」と呼ばれる。生活保護受給者の人権侵害や公的医療費の支出増につながるおそれがある。

 厚労省は実態を把握するため、2014年度に初めての全国調査を実施した。今月まとまった調査結果によると、昨年3月までの1年間で「90日間自宅に戻ることなく、2回以上続けて転院した生活保護受給者」が計4057人いることが明らかになった。

 都道府県別では大阪が1287人で最も多く全体の3割以上を占めた。福岡(378人)、東京(373人)、北海道(263人)と続いた。

 生活保護受給者を転院させる場合、病院は自治体の福祉事務所に「転院事由の発生連絡」を前もって届けなければならない。調査では、この届け出が転院後だった患者が2720人いたことが判明。福祉事務所が主治医から事情を聴いた結果、「転院が必要」と判断されたのはこのうちの185人にとどまった。

 生活保護受給者の医療費は全額が医療扶助として税金で賄われる。厚労省によると、13年度の生活保護費の47%(約1兆7千億円)を占める。不適切な転院の横行は、公的医療費の増大を招くと懸念される。

 人権上の問題もある。弁護士らでつくる「医療扶助・人権ネットワーク」の内田明事務局長は「患者は十分な説明を受けず、意思も確認されないまま転院を繰り返させられている」と話す。

 生活保護に詳しい学習院大の鈴木亘教授は「福祉事務所に医療の専門職を配置して入院患者からヒアリングするなど、チェック機能を強化する必要がある。病院のネットワークが県をまたぐ場合も多く、自治体間の情報共有も欠かせない」と指摘している。


  1. 2016/03/18(金) 05:54:23|
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